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2018年8月21日(火)
国民民主党の浮揚戦略 安倍一強への対立軸は

ゲスト

岸本周平
国民民主党役員室長
大野元裕
国民民主党副幹事長
伊藤惇夫
政治アナリスト
松井孝治
慶應義塾大学総合政策学部教授

国民民主党代表選 玉木共同代表×津村氏
竹内キャスター
「今年5月、民進党と希望の党が合流して結成された国民民主党、その代表選挙が明日22日告示、9月4日に投開票が行われます。立候補を表明しているのは、玉木雄一郎共同代表と津村啓介氏の2人。そこで玉木氏、津村氏の両陣営から論客を招き、代表選についての争点とそれぞれの展望について話を聞いていきます。現在、共同代表を務める玉木雄一郎さん、49歳です。初当選が2009年、当選4回、衆議院の香川2区です。経歴は東京大学を卒業されて、財務省に入省されています。もう1人の候補者、津村啓介さん、46歳。初当選が2003年、当選6回です。衆議院議員の中国比例ブロック選出で、経歴は同じく東京大学卒業の、日銀に入行されています。岸本さん、結党から3か月が経っていますが、そもそも現在、大塚さん、玉木さんの2人が共同代表をされていて、なぜ共同代表の任期が9月までと決められているのでしょうか?」
岸本議員
「もともと旧の民進党が分かれて、3つぐらいに分かれました。私達は安倍1強と言いますか、強い与党に対抗するには、いろいろなことがあって割れたのですけれども、基本的な理念や政策はそんなに大きく変わりませんので野党はまとまるべきだろうということで、希望の党の時から呼びかけをしていて、立憲民主党さんからなかなか受け入れてもらえなかったので、民進党の人達と会派を組みましょう、ということを通常国会の前にやっていたのですが、これはなかなか議論がうまくいかなくて、しかし、まとめる必要があるということで、統一会派ができなかったのですけれども、水面下で少なくともその先なのですけれども、新しい党をつくっていこうではないか。統一会派よりハードルが高いので、当然、落ちこぼれというか、来られない方もいるかもしれないけれど、数が減ったとしてもまとまった1つの政党を1日も早くつくらないと、通常国会で野党としての力が発揮できないという思いで5月7日につくったわけです。これは、国会の途中だったものですから、国会の途中に代表選をやるというわけにはいかないということと、まさに合併会社のようなものですから、もちろん、民進党というのはもともとの希望の党の元の母体で、これも語ると長くなりますけれども、昨年の決定は、希望の党に全員移って、残った参議院議員と地方議員の民進党とその後、合併するという約束で決議をしてやったのですけれども、そうはならない中で、ともかく合併する民進党と希望の党のそれぞれの代表をいったん共同代表としてスタートさせて、通常国会が終わってから、まさに秋に、その時に時間をかけて代表を選びましょうということが、その時決まったということであります」
松山キャスター
「共同代表だった玉木さんが今回新しい代表選に立候補するということで、一方、もう1人の共同代表の大塚さんはこのままいくともう立候補はないだろうと言われていますけれども。これはどういう事情からなのですか?」
岸本議員
「それはまさに大塚さんがおっしゃっていますけど、新しい次の代表としては玉木さんがふさわしいと思うということである意味、玉木さんを応援する側にまわられたということだと思います。そういうふうにおっしゃっていますし、1人の代表が通常ですので、大塚さんが玉木さんに譲られたと。理由は玉木さんが新しい1人の代表にふさわしいということだというふうに理解しております」
松山キャスター
「大野さん、今回、津村さんも出馬される方向になっているということですけれども、事実上の一騎打ちという構図ですが、この状況を現在どう見ていますか?」
大野議員
「先ほど、国民民主党ができるプロセスの話がありました。最初に申し上げておきたいのですけれども、私はとても良い政党ができたと思っています。そのような中で、これまでの民主党、あるいは民進党、希望の党、こうあった伝統の中で、良いものはもちろん、あると思いますけれども、そうではなく、開かれた党の中でしっかりと議論をするということはとても大事だと思っています。特に5月に結党された時に、大塚共同代表ご自身がおっしゃっておられましたけれども、9月が大塚代表の任期ですから、代表としての。その任期が終わったあとに、国会閉会後にしっかりとした議論を戦わせ、お一人の代表を選んでほしい、こういうお話をされておられました。そういう意味から言えば、譲るとか、何とかという話ではなく、開かれた政策議論をするということが極めて大事である。そのような中で津村さんに手を挙げていただき、ウチの党らしいなと思うのは玉木さんも40代なんですよ、津村さんも40代なんです」
松山キャスター
「2人とも40代ですね」
大野議員
「しかも、両方とも政策通ですから。笑われるかもしれませんが、0%台ですから。しかし、我々は何とか巨大与党に対して対抗できるような勢力になり、政権交代を果たしたい。つまり、総理になる。その政策を国民国家レベルで議論をしたうえで、これは初めての代表選を戦うという、伝統をつくるという意味では、私はこのお二人の選挙というのはとても良い選挙になるというふうに意義を感じています」
松山キャスター
「津村さんは、立候補する方向になってからカメラの前ではかなり執行部批判みたいなこともクリアに話されていますけれど、そういうことは政党の中でやっていくことは健全だと、そう考えていますか?」
大野議員
「はい。と申しますのは、津村さんの主張を聞いていただけるとわかると思うのですが、まず政策があります、それから、党勢をきちんと拡大しましょう、そのうえで選挙に持ち込みましょうと、こういう議論をされています。先ほど、ウチの国民民主党は良い政党だと申し上げましたけれども、しかしながらそれでも国民に伝わっていないことはまったく事実で。つまり、中で良いと言っていてもこれは独りよがりです。そこは執行部として責任をとるべきところはとらないといけないと思うし、それこそが、たとえば、権力のたらいまわしとか、どこかの党にありそうな話ですけれども、そういったことを許さない我が党だということをアピールすることにもつながるし、結果としてそれは健全な政権を担えるような政党になるという第一歩になると思っていますので。そこは、健全な議論だと思っています」

『野党共闘』国会対策は?
松山キャスター
「通常国会で、立憲民主党と国民民主党の足並みが乱れた大きな2つのポイントを挙げましたけれど。1つは、働き方改革法案をめぐる対応ということで、こちらの方は立憲民主党が採決を阻止するために共産党・自由党・社民党と共に島村厚労委員長の解任決議案を提出しましたけれど、参議院第1会派である国民民主党は共同提出に参加しませんでした。このため解任決議案は採決されないということで対応が分かれました。2つ目は、IR実施法案ですけれども、国民民主党はこれに対して反対の立場だったのですけれど、ただ一方で、与党との間で附帯決議に関する協議には応じたということで、一方で、立憲民主党などは採決の際には採決そのものをボイコットしたということで対応が分かれたということがありました。こうしたことから、立憲民主党からは国民民主党の国会戦術について与党側に寄っているのではないかという声が聞かれたわけですけれど。伊藤さん、この国民民主党と立憲民主党の対応、先の国会などを見ていて、足並みはかなり乱れていたという印象ですか?」
伊藤氏
「どちらかと言うと、方向性がかなり違っているし。大野さんを前にして言うのも申し訳ないのですけれど、立憲と国民の、特に参議院が、かなり体質が違うんですよね、考え方も。立憲…、現在は非常に野党の中では支持率が高いけれども、立憲には限界があるような気がするんですよ。一定の支持は固めていけるでしょうけれど、そこから広がっていくのかな。はっきり言うと方向性が、立憲はどちらかと言うと左寄りになってきている。国民民主の方は穏健保守というのかな、それが色濃く出始めている。そういう問題も両党の間のちょっとズレ、対決構図、それから、なかなか足並みが揃わない。性格的な違いというのは、だんだん明確になってきているのではないかなという気がします」
松山キャスター
「松井さんは、立憲民主党と国民民主党のこの距離感、現在、現段階での距離感をどう見ていますか?」
松井教授
「もともと民主党・民進党時代からそういう2つの大きな流れがあったことは事実ですよね。だけど、数が力だということで、それを曖昧にというか、統合していた。だけど、それが結局、昨年ああいう騒動があって分かれて、それである種の体質の違いが政党それぞれの個性になっている状況で、それを無理くり…、もう1回戻そうというのも無理があるのではないかなという気はしますね。この法案をめぐる対応についても、最後、強行採決に追い込んでいくという、審議拒否や、最後、委員長の解任決議や、いろいろ含めて最後、強行採決に追い込んでいくという伝統的な社会党のお家芸みたいなものではなくて。むしろ同じ反対であっても採決は、これは民主主義なのだから一定の段階で容認して附帯決議をとるという、そういう1つの方策というのか、戦術というのがあってもいいと思うし。それは、いや、違うよという政党ももちろん、あっていいのですが。だから、ある種、政党としてのスタンスの違いが明らかになったので、それをどちらかに寄せる必要はないと思うんです。そういう政党もあっていいと思うんです。野党と言っても一色でなくていいと思います」
松山キャスター
「一方、片方の立憲民主党の方は日々、独自色を強めているという状況ですけれど、ただ支持率については伸び悩んでいると。松井さんはどう見ていますか?」
松井教授
「大きな資産ですよね。それこそ枝野さんが思い切って新党を立ち上げられたという時に、国民の支援の声みたいなものを、その大きな資産をまだキープしておられるけれども、それは徐々に減耗している。なぜならば、それは、立憲民主は戦略的にやっておられると思いますけれど、政権構想とか、政策構想を示しておられないですよ。むしろ、いかに安倍政権と対峙するかということを、エッジを立てておられるという感じがして。だから、なかなか伸びしろがないのではないかなと踏んでいるんですよ、逆に国民民主はこれからキチッと政策の柱、まだ国民にも、正直言って何が柱なのか、そこのイメージが浸透していない中で新しい乱闘国会とか、あるいはまず批判ありきみたいな野党に対して、結構若い人達も含めて、それは違うだろうと思っておられる人達は多いと思うので。そこに対して、現在の支持率は確かに一点数パーセントから0.8%に下がったかもしれないけど、もうちょっと我慢して、自分達のカラーを定着させていくべきではないかなと私自身は思っているんですよね」
松山キャスター
「松井さんがいた頃の、たとえば、旧民主党のカラーと現在の国民民主のカラー、立憲民主のカラー、違いがあるとしたらどういったところが違いますか?」
松井教授
「旧民主と言っても実は2つぐらいの時期に分かれていて、私が入って政権を獲る前の野党時代はある意味では改革保守だと思って入って、改革保守は概念矛盾という意見もあるかもしれないけれど、穏健な保守的な思想の下で世の中を変えていこうという、そういう政党だと思って入ったわけですよね。だから、それを貫いて、ある意味では政権をとって俺達はこういうふうに変えるのだということを示そうとしていた。生真面目過ぎるマニフェスト、生真面目と言うか、ある意味ではできないことも含めて理想を追い過ぎたということ、そういう批判もありますけれど。それがある時点から徐々に変わってきて、反自民みたいなところが強くなって。下野したあともますます反自民でまとまっている。中の内部分裂を糊塗するために反自民というスローガンを掲げているのではないかと思えるほど、そこでようやくまとまっているみたいな形になってきたというのが、私は、国民の民主党系の政党に対する支持が徐々に減少していった根本的な原因ではないかなと思います」
岸本議員
「私もまったくそう思いますね。私、2005年に入って落選したのですけれども、2004年、2005年、2006年頃の民主党は、穏健保守でしたよ、政策そのものが。それがちょっと左に寄ってきた、徐々に、野党になってから。そんな印象はありますね」
松山キャスター
「まさにもともと保守二大政党を目指すということで行き着いた先が昔の民主党、というのが1つの形だったのですけど、それがなかなか行き詰まってしまったということで。大野さん、そのへんは?」
大野議員
「実はその以前と1番違うのは、現在数がないです、小さな、小さな野党です。実は参議院で対応が違ったという時に、我々、いろいろな議論がありました。反対とか、ボイコットとか、それから、内閣委員会にしても、実は島村委員長、最後は強行採決しましたけれど、我々が議論をした時点では衆議院以上の時間を我々はとって、あるいは公聴会、地方公聴会もやり、そういった中で瑕疵がなかったから実は出せなかった。最後は強行採決しましたけど、その前の段階で先に出しちゃっていますから。そういった意味では、我々は小さな野党として何をするべきかで。反対と言った方が絶対いいという議論もあったんです、党内に。特に選挙を考えるとそうですよ、わかりやすいですから。でも、そうではなく、どうしようかということで附帯決議を何項目も重ねることによって最終的には、たとえば、IR法などでは、我々、どれだけ評価されるかわかりませんでしたけれど、ギャンブル依存症の会の方々がブログで一生懸命書いていただいて、最低限とってもらったということは書いてもらって、我々も救われたと思っているので。0.8%ですが、そこから自民党が持っている票を、つまり、他に任せられる政党がいないからと言っているところ、そういう方々に是非振り向いていただける、そんな政党をつくりたいので、立憲さんが持っている支持率を食い合うような政党にはしたくないと思って…」
竹内キャスター
「代表選に名乗りをあげている2人の国会対策を見ていきますが、玉木さんは『立憲民主党にも統一会派を呼びかける。共産党とは統一会派を考えていない』と述べています。一方の、津村候補は『岡田克也代表を率いる衆議院会派・無所属の会との合同国会対策委員会の設置、協力をしていくという方向』と言っていますが。岸本さん、話にありましたように、立憲民主党との足並みがなかなか揃っていない中で、玉木代表は統一会派を呼びかけると話されているのですが…」
岸本議員
「はい。統一会派をつくるには、政策で協定を結ばないといけないんですね。そういう意味で言うと、実はテクニカルな部分で少し違いはありましたけれど、たとえば、衆議院では、野党第1党の立憲民主党に対して国会対策上は、国民民主党はまったく同一歩調だったんです。私達は100%、立憲民主党の国対委員長の言う通りにしました。それがあるべきだと思っていましたから。しかも、参議院は少し変わりましたけれども、それもギリギリ、大野さんが言ったように我々、理屈があるところでがんばったのと、実は参議院は我々が第1党ですよ。だから、第1党の言うことを聞けとは言いませんけれど、もう少し第1党を立ててもらって理屈を聞いてもらいたかったなという思いはあります。そのうえで政策はそんなに変わらないですね。お二人、少し色合いが違うとおっしゃいますが、それは、いわゆる中道右派と中道左派という言葉も使いたくないですけれども、有り体に言えば、ヨーロッパ的に言うと、中道右派と中道左派ぐらいのものであって、中道には変わりない。だから、統一会派を組むための政策協定が1番結びやすいのは立憲民主党ですよ、現在でも。政策は一緒ですから、ほとんど。ということと、共産党とは、それは自衛隊をめぐり、天皇制をめぐり、日米安保をめぐり、まったく政策が違いますので、そういう意味で統一会派は難しいということを申し上げているんです」
松山キャスター
「大野さん、津村さんはこの玉木さんの『立憲民主党とも統一会派を』という発言についてかなり批判的な発言をしていて『一足飛びに立憲民主党との統一会派なんていうことは言うべきじゃない』と言っていますけれど。ここはかなりちょっと路線が違うような気がするのですけれども」
大野議員
「立憲民主党と確かに、岸本さんがおっしゃるように我々が似ていることは、これは、否定はしません。しかしながらその一方で、これまで、私は民進党にいて、そのあと国民民主党になったわけですけれど、民進党も何度も何度も立憲民主党さんに対して同じ党、あるいは同じ会派をつくりましょうということで希望の党さんと両方にお願いをしてきました。最後は私どもの幹事長が行っても部屋に入れてくれない、そんな状況で、蹴られたわけですね。そうすると、そういった経緯を考えると一足飛びに統一会派、これまでできなかったものが本当にできるのですかという議論です。津村さんが言っているのは、1番彼が言いたいのは、1対1で、自民党が嫌がるような与党と野党が1対1で選挙ができるような、そういう構造をつくりたいと。そうでないと、現在と同じで巨大な与党が多くを占め、弱小野党がたくさんいるというような状況になってしまうので、1対1で選挙をやらせてほしいというのが津村さんの主張です」

選挙協力『野党共闘』の在り方
竹内キャスター
「来年4月には統一地方選挙、夏には参議院選挙が控えています。選挙対策について両候補が打ち出している方針を見ますと、玉木共同代表は合同選対で『共産党を除く共同の選挙対策本部』をとろうと言うことですが、一方の津村氏も合同選対ですが『共産党を含め最も安倍政権が嫌がる選挙対策』をとっていくとしています。両候補共に合同選対を提唱しています。大野さん、津村さんは共産党とも選挙対策をとろうとしている、この理由は?」
大野議員
「事前調整という意味です。先ほど申し上げたように1対1でもっていきますと。ただし、共産党さんがどうだとか、何々党さんがどうだとかという細かいことを、1つ1つを表でやればうまくいくものもいきませんから、その代わり1対1でそれをもっていきます。ただし、そこはなんで言わないのだという話にたぶんなるのだろうと思いますけど、そこは逆に津村さんは結果責任ですから、結果責任で獲れない時には仮に代表に選ばれても自分は辞任をするということで、そこの間については任せてくれという話になると思います」
松山キャスター
「岸本さん、共産党も含めという部分が、津村氏が言っている主張ですけれども、共産党についてはかなり距離を置いているのが玉木さんだと思うのですが…、若干色合いが違うと思うのですけれども、これはどういうニュアンスなのですか?」
岸本議員
「ただ、大野さんのご説明を聞くと、事前の調整とか、あるいは水面下の調整というニュアンスも感じますので、玉木さんも政治家ですので、それは水面下とか、いろいろな意味、つまり、1人区で1人出すためには共産党とも話し合いをしないわけには絶対いかないわけですよ。それはそれとして、ちゃんとした合同選対という意味では、表では政策をすり合わせていかなければいけない、自衛隊から、安保から、違いすぎますので。その表舞台の合同選対と、1人区で1人を出すためのいろいろな意味の水面下の話し合いというのは、それはまた別に分けて考えるというのが政治家としての判断だと思っています」
松山キャスター
「一方、立憲民主党の枝野代表は、たとえば、参議院での2人区についてはもう2人区の2人目は必ず自分のところから出すことを目標にするみたいなことを言っていますけれども。これは若干、国民民主党との事前協議というニュアンスとはまた違ってくるような感じがするのですが?」
岸本議員
「まず分ける必要があると思うのですけれども。だから、まず大事なのは1人区ですよねと。1人区については、野党は誰一人、2人立てようとは思っていないわけですよ。そうしたら負けるのですから。勝つためにはともかく1人にしましょうというところではコンセンサスはできていると思うんですね。それはすごく大事なことで。あとは2人区以上の複数区のところをどうするかと言うと、そこは、枝野さんは全てで戦いますよと言っているわけで。そうおっしゃるのであれば、我々は受けて立つしかないと思いますね」
松山キャスター
「そうなると野党同士で食い合う構図になっちゃう可能性も出てきますよね?」
岸本議員
「うん、だけど、それは枝野さんが出すから、ウチは下がるっちゅうわけにはいかんですよ、政治ですから。その中で調整がギリギリ、しかし、ギリギリ、調査したらちょっとマズいねと言うようなこともあった時に、水面下でいろいろなことがそれはあり得るということではないでしょうか」
松山キャスター
「大野さん、岸本さんはこう話していますけれども、どういうふうに?」
大野議員
「いや、もちろん、その通りなのですが、本気度だと思います。津村さんは仮に代表に選ばれた時は、確かに調整の中で引くところもあるだろうし、いや、これは戦うというところもあるだろうし。しかし、その結果、それは大局に立って、全体で半分が獲れなければ次の参議院選でその時は辞任するということを皆さんに明示したうえで、そこはその本気度の問題だと思いますので。結果としてダメであっても結果論ですから、調整がうまくいくか、いかないかが問題ではなくて、結果として勝てるかどうかというところにもっていきたいと…」
岸本議員
「いやいや、本気度とおっしゃいますけれども、次の参議院選挙で、野党全体は知りませんけれど、国民民主党が1つでも議席を減らしたら、その時の代表は辞めるんですよ、決まっているではないですか。そんなこと、いちいち負けることを前提に、その時責任とりますなんてね、おためごかしに言う必要はまったくないですよ」
松山キャスター
「松井さんは、この選挙に向けた協力なのですけれど、たとえば、立憲民主の枝野代表は2人区だったら2人目は必ずこっちから出すみたいなことを言っていて、なかなか国民民主党と折り合えるポイントは見えていないような状況ですけれど。これはかなり野党連携という意味ではマイナス材料になりませんか?」
松井教授
「いや、だけど、それは枝野さんの主張は一貫していると思いますよ。自分達が野党第1党なのだから、自分達はある意味では、自民党に対峙する、右代表は自分達だと。要は、複数区で立てないなんてあり得ないという、その姿勢は別に当然のことではないですか。ただ問題は、選挙協力の場合は実質ですから、どこまで言ってやるのか、どこまで言わずにやるのかというところはあると思うんですよ。なので、たとえば、2009年の政権交代選挙の時もおそらく、選挙責任者の小沢さんは共産党とは密接なすり合わせをしておられたと思いますよ。だけど、そんなことは表に出さずにやっておられたと思うので。敢えて共産党ともというふうに政策理念が全然違う政党と組むということを真面目に言う必要があるのかと。ますます国民民主ってどっちを向いているのかよくわからなくなるのではないかな、というふうに私は余計な心配をしてしまいます」

『連合』との連携は?
松山キャスター
「伊藤さん、選挙ということでは旧民主党の支持基盤、連合がどういう形で支援するのかというのがかなり大きなポイントになると思うのですけれど、立憲民主の方に自治労とか、旧総評系がついていて、国民民主の方に旧同盟系が多くついているという話ですけれども、このねじれて分裂している、又裂きの状態になっているという構図、これは野党の連携という意味ではかなり難しいポイントになってくるのですか?」
伊藤氏
「そうですね。僕の過去の経験で言うと、手足になって動くのは総評系ですよね。自治労、日教組というのが民進…民主党時代の地方組織を支えていたのは事実なんですね。その組織が立憲についたということになると立憲側が2人区でも全部立てますよと、ウチの方が国民民主より上まわるはずだと思っても不思議ではない、そこは。申し訳ないけど、いわゆる民間労組系の皆さんというのは、上の方は動くのですけれども、組合員が、たとえば、10万人いるから10万人が動くかといったらけっしてそんなことはなくて、これはなかなか申し訳ないけど、戦力にならないというところがあるんですね。一般の有権者と同じレベルだと考えた方がいい。ですから、逆に言うと、国民民主党は労組というかな、連合に頼るのではなく、連合のメンバーも一般有権者だと思って一般有権者の拡大を目指していくというやり方をするしかないのではないかなという気がしますよ」

両候補が示す『政策ビジョン』
竹内キャスター
「財務省出身の玉木氏は経済政策、ベーシックインカムを掲げています。一方、津村氏は日銀の出身で経済政策に日銀との政策協定停止を訴えています。いずれも経済に明るい両候補ですが、ここでこの経済政策について具体的に聞いていきたいのですが、まずは岸本さん、このベーシックインカムというのは、具体的に?」
岸本議員
「これも誤解を招きかねないので。ベーシックインカムというのは現在実際にやっているところはないのですけれども、国民1人に、たとえば、10万円なら10万円を給付すると、その代わり全ての福祉政策はなしよと。その10万円でやってくださいということで…」
松山キャスター
「最低所得保障…」
岸本議員
「…最低で、その10万円は保障しますと。課税対象になりますので、お金持ちはずっとその10万円をもらってもほとんど税金でとられますので、本当にベースとして10万円を毎月もらえる中でいろいろな選択をしてください。生活保護もないし、いろいろな社会保障はないですよということなので。これは実験として結構、ヨーロッパ、あるいはアメリカだとハワイ州が実験を始めようとしているのですけど、そこまでドラスティックなことは難しいと思っていて。玉木さんが記者会見で言ったのは、たとえば、民主党時代のアレですけれども、最低保障年金。つまり、低年金の方が大変ですから、これが低年金過ぎて、あるいは無年金だった場合は生活保護に落ちていきますので、そういう意味では、最低保障年金を7万円という、民主党政権の、これも…」
松山キャスター
「月7万円…」
岸本議員
「月7万円ですね。これがある意味、ベーシックインカム、あるいは給付付き税額控除という考え方ですね。これはほとんどの先進国で導入されていまして。つまり、生活保護は働いて収入が増えると給付が減るんです。そうすると、手取りが減るのだったら働かない方がいいよね、みたいになっちゃうのですけれど。それは働き方が増えて所得が増えていっても、なだらかに手取りは減らないよということで、なだらかに生活保護の給付は増え続けるみたいな、そういう、働いてもいいですよと、働いたら働いた分、生活保護に上乗せされてインセンティブできますというような給付付き税額控除というものを、彼は日本型ベーシックインカムと言っている。これは、民進党時代の税制調査会が打ち出した政策でもあるのですけれども。だから、誤解のないように言うと、最低限の生活保障を、特に所得の低い方とか、高齢の方に差し上げましょうということで、生活の安定をもってもらうというのは、つまり、安倍さんのようにお金持ちを優遇してもお金持ちの人はお金を使わないんですよね。いわゆる消費性向というのですけれども、お金を使わないんです。でも、200万円とか、300万円ぐらいの所得の方というのは、もうお金さえあれば使いたいし、使わなければ困るみたいなところがあるので。その消費性向の非常に高い層に対して保障をする、そのことによって景気対策にもなるというのが玉木さんの考え方です」
松山キャスター
「玉木さんの出馬会見の中で僕がちょっと気になったのが、子ども手当の拡充ということを話されていまして、3人目の子供が生まれた家庭に対しては1000万円を給付すると、あるいは住宅の現物支給、どちらかを選べるようにするということだと思うのですけれども。これは実際に財源とかも含めてきちんとそれをシミュレーションされたうえでのこういう政策ということなのですか?」
岸本議員
「そうですね。ただ、それはまさに負担が生じることであります。彼は、生活保障税も言っていまして、いわゆる消費税を本当の目的税にする。それは、我々は正直をモットーとしていますので、負担も逃げませんので、それをやる時には、こういう負担が生じますよと。それをしかし、現在の消費税は完全な目的税ではないですね。ですから、その1000万円を第3子に給付するために消費税を使います、そのために、たとえば、1%引き上げをお願いします、それは直接、そこに充てます、みたいなですね。負担が片方でありながら、しかし、第3子には1000万円、そういう政策を提唱しているということです」
松山キャスター
「大野さん、津村さんは日銀出身ではありますけれども、現在の政府と日銀との政策協議、アコードについてはかなり否定的なことを発言されています。要は、これ自体がもう現在のアベノミクスに対するアンチテーゼというか、対抗軸というのを出そうとしているのだと思いますけれども。これはどういう趣旨からなのですか?」
大野議員
「まず1番大事なことを最初に申し上げさせていただくと、先ほど玉木さんが財務省だとか、津村さんが日銀だという話がありましたけれども、確かに、プロの議論ができるんです。ただ、我々は国民に対してなるべくわかりやすい議論をさせていただく、これが1番大事だということをまず前提として置いたうえでご説明をさせていただくと。アベノミクスで2%のインフレ目標というのを掲げました。実際には全然達成されない…」
松山キャスター
「まだできていないと…」
大野議員
「…あるいはその目標自体が低くなったり、あるいは…」
松山キャスター
「先延ばしになっていますね、現在」
大野議員
「そうですね。そういった状況の中で、これだけ支出を、お金を刷っていくということがいいのかどうかという議論がこれまでもありました。そのような中で津村さんが言っているのは、マイナス金利のような政策をしていくと誰が得をして、誰が損するのだろう、たとえば、年金生活者の人達というのは、金利が低いことで決して儲かることはない、あるいは地域の金融機関というのはすごく傷んでいるんです。メガ銀行は別として。そうすると、地域の金融機関が痛むと、金融機関だけではなく地域の中小企業はどうなるのだろう。こういったところに今はスポットライトを当てていかないと、長い間、安倍政権が続く中で、これはよくないのではないかというところからきています。では、それを止めるためには、まず日銀との政策協定、2%の目標というものをあらためさせるというところから入ろうではないか、これがその議論の第1です。これは、ただしマイナスですよね、これをやめようという話ですから。プラスのところはどこかと言うと、これは社会保障と税の一体改革について、岸本さんは若干違うかもしれませんけれども、財政の健全化のみならず、そちらではなくて、より社会保障の方に充実してお金を使えるような形でバージョンアップした社会保障と税の一体改革で少子高齢化、あるいは未来への責任というものを果たしていこうではないかという、これがパッケージとして議論を提示しているというのが津村さんの主張です」
松山キャスター
「そのバージョンアップ、社会保障と税の一体改革のバージョンアップということだと思うのですけれども、その中身については出馬表明されたあとに具体的にどういうものを示そうという考えなのですか?」
大野議員
「明日、細かい話はきちんとお配りをさせていただく予定でありますけれども。1つには、先ほど申し上げた子供の問題、それから、高齢者は不安があるからお金を持っていても、これを出さないとか、そういった状況になっています。そこに対する、前原さんが以前議論されたようなところに近くなるのかもしれませんけれども、そういったことをやらせていただきたい。それから、様々なライフスタイル、新しいライフスタイルがありますよね。これまでカミングアウトと言いますか、できなかった人もいますけれども、様々な価値観というものを、たとえば、LGBTも含めて、彼らにスポットライトを当てられるような、そんな日本をつくりたいというのが彼の主張です」
松井教授
「お話を聞いていて、お二人とも社会保障を充実する、あるいは子ども手当を充実させるという、その中で、その財源論が出て、これは、岸本先生は持論として消費税はそれこそ10%でも効かないという考えだと思うのですが。現在のお話を聞いていると、むしろ消費税はもう10%は当然として、もっと国民に求めていかないと財源的に無責任になっちゃうのではないかなという気がするのですが。こういう政策で先ほどおっしゃったような立憲民主との共通会派であるとか、あるいは将来の連立政権みたいなものを目指すということが可能なのか。枝野さんは消費税の引き上げは現在凍結すべきだという考え方ですよね。勝手に司会者を離れて聞いてしまってもいいのかわかりませんけれども…」
松山キャスター
「岸本さん、そこはどうなのですか?」
岸本議員
「そこは時間軸をどうとるかというふうな、政治的にはあるかと思いますけれど。それは誰が考えたって10%では済むわけではないので、枝野さんもそれはタクティクトとして、そうおっしゃっているかもしれませんけれども。僕らは正直であるべきだと思うんですね。ちょっと話が飛んでしまいますけれども、簡単に言いますけれども、モリカケに対して国民がある意味、納得はしないのだけれど、安倍さんの支持率は下がらない。それは、政治家は、所詮は嘘つきだという認識がたぶん蔓延していると思うんですね。僕は草の根でやっていて、だって国民で現在の消費税で年金も医療も介護もうまくいくなんて思っている1人もいませんよ。だから、将来が不安だから貯金するんですよ。80歳、90歳の人が老後のために貯金するんですよ。それは政治家が嘘をついているからですよ。現在の消費税でもつわけはないと堂々と言うべきですね。私達、国民民主党はそれを言い続ける政党でありたいと思っています。それで、立憲も一枚岩ではありませんし、むしろそこを我々が説得していくというぐらいの気概でやっていきたいと思っています」
松井教授
「むしろ自民党との共通点の方が大きいのではないですか?」
岸本議員
「うーん、自民党が乗ってくれたら連立を組んであげてもいいですけれども。どうしても組みたいとおっしゃるなら、消費税を上げるので、組みたいとおっしゃれば、組んであげてもいいと思っています」
松山キャスター
「なるほど。大野さんはどうですか?」
大野議員
「いや、自民党と似ているかどうかは、確かにそこはあるかもしれませんが、我々大事なところは国民に対して、先ほど、嘘つかないという話をしましたけれども、2012年に政権を降りた時に、消費税を上げるならば、たとえば、議員定数削減しましょうと我々は言ったではないですか」
松山キャスター
「はい、痛みを伴う改革…」
大野議員
「それで政権交代したんです。ところが昨年、参議院の選挙制度改革で来年の秋に消費税上げるにもかかわらず議員定数を増やすんです。あれは、根本から違います。そういったところはいくつも、たとえば、あるし、我々は、軽減税率はダメですし、そういった意味では、我々はしっかりとした是々非々の議論を通じ、ダメなところは徹底的にダメと言わざるを得ないと思います」

岸本周平 国民民主党役員室長の提言:『政権交代』
岸本議員
「外交安全保障は現実的に。しかし、自己責任に全てを帰するようではない、弱者に優しい、そういうビジョン、穏健な保守としてのビジョンを打ち出したうえで政権を目指したいと思います」

大野元裕 国民民主党副幹事長の提言:『未来への責任』
大野議員
「我々も政権交代が短期的には目標ではありますけれど、しかし、その向こうに政治家としての責任は未来があると思います。それをしっかりと政策として訴えることができる。それが今回我々に課された使命だと思っていますし、それを津村さんに担ってほしいと思っています」

政治アナリスト 伊藤惇夫氏の提言:『まずは与党が警戒心を抱く政党へ』
伊藤氏
「まずは与党が警戒心を抱く政党になってほしいと。1強多弱状態は政治から緊張をドンドン失わせてしまう。ですから、与党から見て、あの政党侮り難いぞというふうになれば、もう1回緊張感が戻ってくる。現実論としては、とりあえずはそのぐらいの政党にまずなってほしいなと思いますね」

松井孝治 慶應義塾大学総合政策学部教授の提言:『まずは独自色』
松井教授
「私も『まずは』なんですよね。民社党と書こうとしたのですけれど、若い方はご存知ないので…」
松山キャスター
「民社党…」
松井教授
「民社党。少なくとも、小さくてもいいからコリッとした主張がある、あぁ、この政党はこういうイメージなのだなというような顔をつくり、政策をつくってほしい。先ほど、岸本生がおっしゃったようなことを国民に伝えてほしいということ」
松山キャスター
「中道路線ということですか、昔の民社党?」
松井教授
「たとえば、外交・安全保障は現実的に、国内、内政は、自己責任というよりは社会的責任というようなイメージなら、おっしゃったのはそういうことですよね?」
岸本議員
「はい」
松山キャスター
「なるほど、路線をクリアにするということですね?」
松井教授
「はい」