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2018年8月9日(木)
石破茂氏が語る決意は 自民党総裁への『道』

ゲスト

石破茂
自由民主党元幹事長
鈴木哲夫
ジャーナリスト

石破茂元幹事長語る総裁選 『自民党の今』と争点・論点
生野キャスター
「自民党総裁選の告示まで1か月。3選を目指す安倍総裁の最大の対抗馬として明日立候補を正式表明する石破茂元幹事長に総裁選の戦略と覚悟をじっくり聞いていきます。石破さんは明日、正式で自民党総裁選に出馬を表明するということですけれど、石破さん、現在はどういった心境ですか?」
石破議員
「全身全霊、誠心誠意だと思いますね。それは今日に至るまで政策集団・水月会の皆さん方、すごく困難な中で一致団結して3年間支えてくれた。私も国会議員33年目、地元の有権者の方、スタッフ、家族、皆支えてくれた。私が今日あるのは、田中角栄先生から始まって大勢の方にご指導いただいたお陰です。そういう方々にお応えをしなければいけない。そのために全身全霊、誠心誠意、その他の何物でもありませんね」
松山キャスター
「今回の自民党総裁選をめぐっては候補者が出るかどうかというところも含めて、安倍総理の3選というのがかなり有力だという報道が先行して流れています」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「そういった中で石破さんが強い意欲を示しているということで、何度も『責務だ』という言葉も話されていましたけれども…」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「かなり強い意欲、ほとんど出馬表明と見てとれるような発言を何度もされていると思うのですけれども…」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「そういった劣勢が伝えられる中で、今回、そういう決断をされたその背景というのはどういうことなのですか?」
石破議員
「これでやらないと前回に引き続いて今度も無投票。自民党の中に他の意見はないのかということですよね。それは、自民党は憲法にあたる綱領というのがありまして、それは守らなければいけない。ですが、その範囲内で憲法も、外交も、安全保障も、経済政策も、社会保障政策も、党のあり方も、いろいろな考え方があって当然なんです。党員の方々に、自民党員なるのはタダではないんですね、党費を頂戴しているんです。その時に総裁選挙で一票入れていただけますよということでお願いもしてきた。自民党は国民政党ですから、いろいろな考え方があって当然なんです。そこにおいてまったく意見が戦わされない。それでは自民党は何なのということになるんですね。それが1つ。もう1つは、民主主義のあり方は何なのだということです。結果が全て、私はそう思わない。そこに至るまでの丁寧なプロセスというものをすっ飛ばしてしまったら民主主義は崩壊してしまうんですね。さらにこの国の20年先、30年先、50年先、そこで責任を持つ政治でなければいけなくて、過去の遺産を食い潰して次の時代にツケを送るなんていうのは政治としてもってのほかだと私は思いますね。そうなると、政治は信じられるよねと思っていただくことが何よりも肝要であって。とり戻さなければいけないのは、政治に対する信頼そのものだと思います」
鈴木氏
「私は総裁選にも求めたいのは、与党ですよね、与党の自民党としての総裁選に出る人は皆出て、政策論議をしてほしい。だって、与党ですよ。このトップが総理になり、日本の方向を決めていく、そこの議論というのは、絶対にこれは投票できるのは党員だけだけど、国民に対して、その義務は見せてほしいわけ、与党として。そういう意味では、だから、早々とほら、早々とではないけれども、出ませんと言った岸田さん、非常に残念です、出るべきだったと思う。野田さんが現在、推薦人どうのこうのでアレしているけど、野田さんだって出るべき。石破さんはもっと早く手を挙げて、僕は出ると言って、それで逆に言うと、これから石破さんの政策というのが浸透したりしていく時間はそんなにまたないわけなので、もっとじっくり石破さんの政策論とかを聞きたい。そのためにはもっと早く僕は出馬表明してやってもいいぐらいだと思っている。ただ、権力闘争だからそんな青臭いことを言うなと言われるかもしれないけれども。だから、そういう意味では、満を持して私は準備をちゃんとやって、石破さんはここに備えたというふうに見ていますし。今からでも遅くないから、出るべき人はドンドン出て、そういう総裁選にすべきだっていうのが、私の率直な意見ですね」
松山キャスター
「石破さん、どうですか?先日、出馬を取り沙汰されていた岸田さんが不出馬を表明されたということで、事実上、安倍さんと石破さんの一騎打ちになるのではないかと見られていますけれども。ただ、まだ、野田さんも出馬への意欲は示しているという状況の中で、鈴木さんが言うように、出る人は全員出て論争を戦わせた方がいいではないかと。その方が国民に対してもわかりやすい議論だと、そういう意見についてはどういうふうに見ていますか?」
石破議員
「3年前は無投票だったのですけれど、その前に出たのは安倍さん、今は亡き町村先生、石原さん、文科大臣をやっている林芳正さん、私、5人出たんですよね」
松山キャスター
「そうですね」
石破議員
「5人が侃侃諤諤いろいろな意見を戦わせて、結果として安倍さんがなりました。その前、福田総理がお辞めになって、麻生さんが総裁になられた時も、麻生先生、今は亡き与謝野先生、小池さん、石原さん、私、あの時も5人出ましたね。今度はわからない、野田さんが出られるかどうか、私は野田さんという人は人間的に信頼もしているし、女性ということで我々にはない視点を持った方だと思っていますので、まだ出られるとも、出られないともわからないけれど。一抜けたと言うのかな、私は出ません、安倍さんを支持しますという大合唱ですよね。6年前と何か自民党は変質したのかもしれない。その前と変わったのかもしれない。そうでないと、別に1対1でもちっとも構わないですよ。1対1だから嫌だとか、そんなことを言うのだったら出ない方がいいから。ですけど、かつて5人出て侃侃諤諤の議論を戦わせた自民党、それはいったいどこいちゃったのだろうという気が正直言って私はします」

石破茂元幹事長語る『決意』 『政治・行政の信頼回復100日プラン』
生野キャスター
「石破さんの総裁選に向けた政策の中に政党の信頼回復に向けた対策としてこちらを挙げています。100日の期限を設けていまして『党風刷新』『官邸の信頼回復』『国会運営の改善』、それから、『行政改革の断行』ということなのですけれども。これはどういった思いからこのスローガンを掲げられたのですか?」
石破議員
「それは、原点は、我々が大惨敗を喫して野に下った、300あった議席が119になっちゃって、自民党はなくなるのではないかと言われましたよね」
松山キャスター
「2009年ですね?」
石破議員
「そう。権力なく、ポストなく、資金ない、自民党はバラバラになるぞ、と言われて、あの時に谷垣さんが総裁で、大島さんが幹事長で、伊吹文明さんが政権構想会議の議長で。私は麻生内閣でも農林水産大臣をやっていましたけれど、リーマン・ショックの直後ですから、他の政策のとりようがなかったと思いますよ。1年間ずっと補正予算を組んでいましたから。なぜ自民党があんなに拒絶反応を受けたのだということを谷垣さんの下で、伊吹先生が座長になられて、本当に何日も何日も何十時間もかけて大議論をやったのが新しい党の綱領、憲法ですね、政党の。私はそこの4つの項目はそれに基づいて思いを述べたものですよね。つまり、そこにおいて述べられていることは、自民党は勇気を持って、自由闊達に真実を語り、協議し、決断する政党だ。勇気を持って自由闊達に真実を語り、協議し、決断する政党だ。そういう党であらねばならんのであって、党風刷新とはそういうことですよね。自由民主党は多様な組織と対話し、協調し、そういう政党であらねばならん。野党だからとか、反対勢力だとか、そんなことではなく、多様な組織と対話し、調整する、そういう政党であらねばならないと。自由民主党は国会を公正に運営する政党でなければならない。何よりも、自由民主党は、政府を謙虚に機能させる政党でなければならない。これは自由民主党の憲法ですよね、綱領はそういうものですよ。自由民主党は政策づくりや条件づくりにあたっては全ての人に公正でなければならない。どんな政策をつくるにあたっても、どんな条件をつくるにあたっても全ての人に公正でなければならない。それは党の憲法であり、これに反したことは許されないんですよ。それは、野党の時の本当に深い反省から生まれたものです。党風はそういうものでしょう。国会運営はそういうものでしょう。謙虚な政府を機能させるのは自民党の使命ですよ。ですけど、現在、本当に政府のやっていることはどうなのだと、本当に信頼できるのか、嘘はないか、特定の人に有利で、そうでない人に不利ではないのか。世論調査を見る限り多くの人達がそう思っていますよね」
松山キャスター
「まさに2つ目に挙がっている『官邸の信頼回復』という点では、先の国会で問題になった森友・加計学園の問題、あるいは一連の公文書の問題がありましたが、そういう意味で、官邸の信頼というのが現在の安倍政権の下ではしっかりと築けていないと。そういう認識のもとで、こういう政策を抱えているということなのですか?」
石破議員
「うん。ですから、攻撃のための攻撃とか、そういうこと言っているつもりはまったくないです。ですけど、本当に公平・公正に行われましたかと、きちんと真実を述べていますか。犯罪なんかやったら、それはダメに決まっているので。贈収賄をやっていたら、それはダメに決まっていますよ。そんな話ではなくて、いろいろな人達が総理のご発言で文書を書き換えたり、いろいろなことをしてきた。それはすまなかったという想い、それがあって皆、よし、この人のためならがんばろうということになるではないですか。皆、お前達がやったのだということで、本当に皆が心1つにして総理のために働けるかというと、そこはどうなのでしょう。ですから、私は自分で閣僚を何度かやりましたけれども、スタッフには大臣、お言葉ですが、それは間違いです、と言う人達を使ってきましたよ」
松山キャスター
「敢えて苦言を呈する人を周りに置いてきた?」
石破議員
「うん。さすがは大臣と言う人ではなく。大臣、お言葉ですが、それは間違いですと、なぜならば、という。それは、大臣のスタッフ達は大臣のために働いているわけではない。国民のために働いているのだという、それは、あなたは大臣で、私はスタッフだけれども、どっちも国民のために働いているという意味では一緒ですよねという、そういうプライドを持っている人達であってほしいですね」

総裁選の先にめざすもの
松山キャスター
「石破さんに大きな柱の中でもう1つ聞きたいのですけれども。3つ目の『国会運営の改善』とありますけれども。国会改革に関連して言うと、小泉進次郎議員らが行っている超党派の議連がありまして、国会改革というのは先の国会でこういう提案をされたと。1つには、行政の疑義は特別調査会で追及すると言って、いわゆる3トラックと言っていますけれども、普通の実務の委員会とは別に切り離してスキャンダルなどは別の委員会でやるべきだということを話されていましたけれど。また、総理や大臣の国会出席を合理化して2週間に1度、党首討論を夜に開催すると、一般国民がよく見られるようにするということだと思うのですけれども。また、委員会は政策本位の法案審議をし、優先して日程を2週間前に定めて計画的に討議するなどが柱となっている国会改革ですけれど。石破さんも国会改革の重要性というのを繰り返し強調されていますが、進次郎さんが話をしているような国会改革と石破さんの国会改革、どこが一緒で、どこが違う、そのあたりはどうですか?」
石破議員
「何も違いませんよ。それは、国会をずっと見ていると、小泉議員もそうだし、私もそうだけれど、野党の立場も経験しているわけですよね、与党しか知らないわけではないんです。野党の立場も、与党の立場も、政府の立場も、全部経験した者からすれば、こういう結論になるのはむしろ当然ですね。ただ、総理、あるいは国務大臣の国会出席というのは、求めがある時は出席しなければいけないというのは、憲法上に定められているので、ここは自民党の憲法改正草案の中にも盛り込まれているのだけれども。たとえば、外務大臣がどうしても海外出張しないといけない。防衛大臣がどうしても議論しなければいけない外国のお客様が来た。そういう時のために副大臣はいるのでしょう。そのためにつくったのでしょう。だから、憲法の改正がないからダメだということではなくて、そこは与野党の理解のもとにやっていかなければいけないことだと思いますが。だって、それは国会の求めがあるから必ず行きますよ、国務大臣は。ですけど、朝9時から夕方の5時まで一度も答弁がないまま座っているというのは、本当に国家のためだろうかということがあるんですね。ですから、そういう全ては国家のためにということだし、予算委員会でいろいろなスキャンダルを追及するのは、それは我々は、野党の時はあまりやらなかったのですけれども。森友にしても、加計にしても、それは大事なことだ。だけども、それに時間を費やしたおかげでどれだけ法案の審議が十分になされなかったことがあっただろうかと言うと私は随分あるのだろうと思いますよ。あるいは延長したけれど成立しなかった法律、いっぱいあります。それはもったいなくないか。ですから、そういうスキャンダルはスキャンダルで徹底的にやる。ですけど、国民のために必要な法律・予算、それは審議する時間は尽くしましたからお終いではなく、本当に論点というものがきちんと…、国会はそのためにあるのではないですか。わからないっつって野党が聞くわけで、それに対し最後に賛成してくれるかどうかは別として。私は野党の質問の時間は、国民の皆さん方に説明する時間だとずっと思ってきました。野党の方々が我々と違う立場で質問をされる。それはありがとうございますという感じですよね、私にとってみれば。これで国民の皆さん方に説明する機会ができたという。私は、国会はそういうものだと思っていましてね」
松山キャスター
「今回の総裁選をめぐっては、進次郎さんとの協調路線みたいなものがとれるのかどうかというのも1つの焦点になっていると思うのですが」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「政策で親和性があるのであれば、進次郎さんも一緒にやっていきたい、そういう思というのはありますか?」
石破議員
「それは、進次郎さんはもはや若手ではないわけで。年齢は若いけれど、今や当選4回、筆頭副幹事長ですよ、中堅ですよ。ですから、政策もあるだろう、政治に臨む姿勢もあるだろう。そういうものを全部総合的に見て進次郎氏は判断するのだろうと思いますね」
松山キャスター
「鈴木さん、前回、2012年の投票があった総裁選では進次郎さんは石破さんに投票したということを評価されていましたけれど…」
鈴木氏
「終わったあとに、はい…」
松山キャスター
「今回、進次郎さんがどういう投票行動をとるかはまだわからない部分もありますが、1つのカギになるというふうに考えますか?」
鈴木氏
「いや、カギになると思いますね。ある種の総裁選が大きく揺れる1つのリスクと言っちゃいけないかもしれないけれど、要素として、進次郎議員の動向というのは非常に影響力があると思いますね。たとえば、進次郎さんは、私が取材している限りでは少なくともポスト・オリンピック、2021年ぐらいから厳しい時代に彼は決起していく、そこに向けて勉強している、政策的にもというふうに私はずっと見ているわけですよね。そういう時間軸でいくと、今度の総裁選挙に進次郎さんが…自身が出るという可能性は極めて少ない、ほとんどないと言っていい。でも、そういうことが世の中わかっていながら、誰がという時に、彼がいいというふうに言うかというと、そういう意味では、自民党にはもっと変わってほしいのだという思いが彼にいっているわけですよね。そういう期待値が、たとえば、石破さんを支持しますとか、安倍さんを支持しますと事前に言えば、それは、影響はありますよね。だから、このへんは、石破さんは言うか、言わないかわからないのだけれど、聞きたいのは、進次郎さんと今後会って話をする、そういう腹づもりがあるかどうかとか、このへん1つポイントだと思うんです」
松山キャスター
「鈴木さんの方から石破さんに1つ質問が投げかけられましたけれども。小泉進次郎さんと、総裁選を前にして、どこかの時点で意見交換をされたり、会ったり、そういうことをする機会というのはありそうですか?」
石破議員
「うん、それはそういう機会はつくりたいと思っています。小泉さんに限らず、いろいろな人とそれは意見交換をしたいと思っている。だから、支持する、しないというのは好き嫌いもありますけれども、党運営に対して同じ考えかどうか、政策について一致する部分がどれだけあるかが大事であって。それは小泉さんに限らず、多くの人がそれに賛同してくれて支持していだけたらありがたいなと思います。進次郎さんはその中の有力な1人ではありますね」

『勝機』と『カギ』のありか
生野キャスター
「今日、軽井沢で派閥の勉強会を開きました竹下派の竹下総務会長は、総裁選への姿勢についてこのように発言しています。総裁選について『それぞれが衆院は衆院、参院は参院の立場において対応する。派閥内で拘束しない、圧力はかけないという方針を決定』としていているのですけれども。石破さん、この発言はどう捉えますか?」
石破議員
「うん、それは政策集団挙げて安倍さんですというところが多いわけですよね。その中にあって、それぞれの考え方で行動してくれというふうに言っていただける。つまり、竹下総務会長というのは本当に能力も見識もある方で、私は竹下総務会長が政治記者の頃から存じ上げているので、よく知っているのですけれど。でも、総裁候補を今回は出さないと。そうであれば、それぞれの考えで行動してくれというのは、それは1つの見識だと思いますよ」
生野キャスター
「『できれば1つにしたかった』というふうにも話されていますけれども」
石破議員
「うん、そこはいろいろな考え方があるのではないですか。だから、額賀会長から竹下会長に変わっていった、それはその時もいろいろな動きがあったわけですよね。竹下会長として派閥を率いていくうえにおいて、それはできたら一致したいなという思いはおありだったと思います。でも、それができない、いろいろな事情があったのでしょう。でも、そうであれば総裁候補を出さない以上は、それはそれぞれの良識というのですか、考えに従ってやってくれというのは、それはある意味、あるべき姿の1つだと思います」
松山キャスター
「あらためて自民党内の各派閥の支持の分布について見ていきたいと思うのですけれども、このようになっていまして。安倍総裁を支持すると表明しているのが、出身派閥の細田派に加えて麻生派、岸田派、二階派と。今日、石原伸晃氏も安倍3選支持を表明したということなのですけれども。これで国会議員票だけを見ると6割以上が安倍さん支持というふうに見えるわけですが。ただ、この個別の派閥の中でどういう投票行動するのかというのはわからない部分もあると。そうした中で、今回、竹下派、一本化を目指していたと竹下さんは話されていましたけれども、最終的には事実上の自主投票になるということで。ただ竹下派の参議院の議員はある程度まとまった形で石破さん支持でいくだろうと見られているということですね。石破さんご自身のグループを抜かすと、それ以外の派閥でかなりまとまった形で石破氏支持を表明、石破支持の流れができているというのは竹下派が1つ新しい動きなわけですけれども、これについては石破さんとしてはきちんと連携していきたいと考えていますか?」
石破議員
「これだけ厳しい状況の中で来年、参議院選挙を控えている人もいっぱいいる中で、それは国民の前できちんと政策論争が行われるべきだということ。私は、竹下派に限らず参議院の方々とも随分お付き合いもあるし、来年改選の方々は、私は安倍さんの下で幹事長をやっていて、岩手と沖縄以外は全部勝ったという、そういう時の方々が来年改選を迎える。それはいろいろなところに行きました。随分と付き合いもあります。応援に行ったから一票入れてくれなんて言うつもりはありませんがね。そういう参議院の来年国民の審判を受けるという方々がここで考え方を竹下派で大勢が決めていただけるというのは、それはこんなにありがたいことはないですよね。厳しい状況の中で。つまり、良い時はいっぱいいろいろな人が来るんですよ。でも、辛い時、苦しい時はその何分の1しか来ないんですよ。そういう中にあって支持してやろうというのは、それは何倍もありがたいことですよね。その気持ちに応えなければいけないという思いは強くあります」

総裁選の『戦略と戦術』
松山キャスター
「6年前、2012年の総裁選の時は1回目で党員票165票を獲って、安倍さんよりも2倍近い数字を獲っていたということなのですけれども、最終的に決選投票は議員だけの票だったので、それは、安倍さんが勝利したという結果になったわけですが。この時の結果を見て、その反省も含めて、今回の戦略、どういう戦略を練っていきたいと考えますか?」
石破議員
「うーん、そうですね。党員票で、あの時は野党の総裁選びでしたから、安倍さんは野党の間、ほとんど表に出てこられなかったですよね。安倍さんの言葉を借りれば、粉々に砕け散った自分の誇りをつなぎ合わせる毎日だったみたいなことを言っておられたことがありますけれども。私はその間、政調会長や予算委員会の筆頭として論戦の矢面にずっと立っていましたから地方票は多かったのだと思います。安倍さんはもう6年、総理をやっておられるわけだし、私はこの2年も無役でいるわけで、それは前と同じだなんて思っていないですよ。6年前はでも、私、政調会長もやっていたし、大臣もいくつもやったけれども、本当に地方を知っていたかなというと、知らない部分がいっぱいあったと思うんです。どうしても大臣とか、党の役員だと、行って演説だけしてお終いとか、視察だけしてお終いということがありました。特に役を降りてからは地方創生大臣の時もそうなのだけれども、日本全国1718市町村できるだけ長くいたいと思ってきた、昨日は静岡県、一昨日は長野県に行っていたのですけれど、そこの市、そこの町のことを2時間も3時間もかけてできるだけ自分なりに調べて、そうしないと心が通わないですよね。それだけ勉強してきたんだねということだと、いろいろな議論が進むではないですか」
松山キャスター
「地方についての本当に細かいイシューについてもじっくり…」
石破議員
「うん、そうだと思いますね。そうではないと行っても心動かないんだと思いますよ。その努力はしてきました。ですけど、安倍さんもずっと総理・総裁として実績を積まれてきたわけだから、そこは自分として地方にすごく思いを持ってきたし、それを知っているという、うぬぼれかもしれないけれども、自負はあります。国会議員は、それはよく本を読んでいないで飯を食えとか、勉強していないで酒を飲めと、いろいろなお叱りもいただくわけですね。ですから、自分なりの努力はしているのだけれども、それがまだまだ足りないということですかね」
松山キャスター
「鈴木さん、ある意味、党員票の行方、2012年の総裁選もそうでしたが、石破さんにとってはここがかなりカギになってくるということですか?」
鈴木氏
「いや、もちろん、そうですね。だから、地方に、今おっしゃっておられるように思いを寄せて、先ほどのいろいろ勉強して、何時間も勉強して地方に行かれて。笑い話ではないけれども、実際に取材いくと、地方の人より詳しいことを言っちゃって、地方の人が知らなかったなんていうこともあるわけですよね。それぐらい思いを入れてまわっているのは、取材してよく知っています。だから、とにかく地方票というのがカギですよね。それから、今回、地方票の比重が計算上も高くなって、重くなっていますから。一票の重みと言ってもいいのかな。だから、そういう意味で、ここでどれだけ石破さんが食い込んでいくのかということ。だからこそ、安倍さんはそこを警戒して一生懸命、地方の人達との交流を現在、一生懸命やっているという。だから、地方票というのはこの総裁選においては非常に大きなカギだと思いますよ」

総裁選で説く『憲法改正』
生野キャスター
「今年3月、自民党の憲法改正推進本部は安倍総裁が一昨年示しました私案に則る形で、9条1項、2項を残したまま追加条文で自衛隊を明記することで一致しました。石破さんは、党内の議論が取りまとめられたあともこの改正案には反対の姿勢を示していますけれども、その理由はどういうことでしょうか?」
石破議員
「うん、それは理屈が通りませんねということが1つと。本当に優先順位は、そうですかということだと私は思うんですよね。憲法ができた時は、日本は独立国でないし、個別的自衛権も、集団的自衛権問題もない状態でしたから、それは陸海空軍その他の戦力を認めないのも当然だ、あったらおかしいし、戦いのルールである交戦権は、それは戦いを交える権利という意味ではないですから。無差別爆撃はいけない、ピンポイントならやっていいとか、あるいは捕虜を虐待してはいけないとか、相手の国に物資を運んでいる船は物資を没収してもいいとか、それが交戦権の中身なのでそんなものは認められるはずないでしょうということだったんです。だけど、個別的だけにせよ、自衛権を認めたらば交戦権が認められないは成り立たないんですよ」
松山キャスター
「矛盾してくると」
石破議員
「これは常識でしてね。だから、何も変わらないです、2項を維持したままで。大学の先生の中に憲法違反と言っている人がいるのはけしからんですねと、そんなことを紹介している本があるのもけしからんですねと。もう国民の9割は、もっとかな、自衛隊は合憲と思っていただいているし、そもそも自衛隊が違憲だったら自衛隊法が通るはずないですよ。自衛隊が違憲だったらば防衛省設置法が通るはずないです。だから、なぜそんなことが優先するのですかということです。優先するのは、たとえて言えば、参議院の選挙は来年ですよね、自民党として参議院と衆議院のあり方をきちんと憲法上書こうと、そうでなければ、現在、鳥取・島根・高知・徳島だけですけれども、これから合区はもっと増えますよ。来年は間に合わない。4年後ってすぐにきますよ。憲法改正をやらないと合区はもっと増えますよ。これ急ぎませんか、あるいは緊急事態というのは、3・11の大震災、大津波・原発事故でもあの時の政府は緊急事態の布告をしなかった、政令もつくらなかった。なぜなら憲法上の根拠がないから。違憲訴訟が起こったらどうするのだということだった。この災害列島で何が起こるかわからなくて、私権の不当な制限にならないということをきちんと担保したうえでやるのだけれども、当然ですけれども、本当に何が起こるのかはわからない。これだって急ぎますよね。何にも変わらないのだけれども、違憲だと言っている人がいるから、それを払拭するためにと、私は急ぐとはまったく思っていないですね。それよりは、いや、交戦権というのはこういうことですよというのを本当に丁寧に、丁寧に時間をかけてでもご理解いただかないで、憲法改正なんてやっちゃいかんです」
松山キャスター
「石破さんが話されている集団的自衛権に対する意見についても、たとえば、安倍政権下でまとめられた安保法制のやり方についても、最初から集団的自衛権の一部行使容認ということで憲法の制約があるという前提に立ってまとめることではなくて、きちんと集団的自衛権はもっとクリアな形で認めるという形にした方がいいということだと思うのですけれども」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「そのあたり安倍さんは現在の段階で現実的な選択肢として妥協すると、こういうことしかできないのだという立場でやっている可能性も十分あると思うのですが」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「石破さんが話されるようなクリアな形でもっと憲法改正をやっていくということになると、より時間がかかってくると思うのですけれども…」
石破議員
「そうです」
松山キャスター
「そこはどう見ているのですか?」
石破議員
「時間をかけなければいけないし、いたずらに時間をかけるのではなく、本当にわかってもらう努力をしましたかということですよ。努力しないで、どうせわからない、努力しないで、これしかない、私は、それは政治の役割を放棄したことだと思っているんですね。わかってもらう努力をどれだけしましたかということで、申し訳ないが、総裁は直接、党員に向けて、国民に向けて語っていない。何々新聞を読め、とおっしゃるだけであってね。先ほど申し上げたように、憲法違反だと言っている学者がいますね、そういう学説を紹介している教科書がありますね、それは何でしょうねということですけれども。国民の圧倒的多数は自衛隊を支持していただいているんです。自衛隊法も防衛省設置法も違憲だったらそんな法律が通るはずないですよ。自衛官に対してありがとうという思いを持っていただいている国民はいっぱいいます。それは防衛省、自衛隊をお預かりして本当によくわかっていますし、自衛官・自衛隊員達は献身的にやってくれている。それでいいではないですか。だけど、論理的には通らないけれども、自衛隊の存在を書こうよね、何にも変わらないのですからと。私はそれよりも本当にわかってもらう努力をどれだけ誠心誠意するか、それが民主主義だと私は思っているので」

総裁選で説く『社会保障』
松山キャスター
「石破さん、本の中でも『国民の痛みを伴うことでも政策として政治家は言わなければいけない』と、竹下登さんの例などを挙げて言っていましたが、来年10月には消費税の増税というものが控えていると。また社会保障費もこれからかなりかかってくるということで、その社会保障費をどうするかという問題も出てくるわけですけれども、そのあたりは国民に対して正直、公正ということを掲げているということですけれども」
石破議員
「うん、うん」
松山キャスター
「どこまで痛みを求める必要があると見ていますか?」
石破議員
「それは、痛みに耐えてくださいとか、そういう話をしていると何となく皆、気分が暗くなるわけですよね。消費税を上げてもやっていけるような所得の伸びが必要ではないですか。物価の上昇は景気が良くなったから物価が上がることはあっても、物価が上がったから景気が良くなるということはないですよ。それはどうしたら物価は上がっていくかというのは、その前に個人所得が上がっていかなければダメだし。日本はこれまで美徳として、より良いものをより安くという、それで来ましたよね。人口が伸びている時はそれでいいんです。人口が減ってきたら、より良いものをよりふさわしい価値で、安いからこれを買おうではなく、このお金を出してもこれを買おう、このお金を出してもこのサービスを買おう、そんなものが、サービスが、政府が考えられたら苦労しないんですよ。民間にお願いしたいのはそこであり、それを妨げていることは何なのだということを除去することですね。福祉も水準切るぞと、それは本当に幸せになりますか。どうやって1人、1人が日本に生まれて、日本に育って、日本で一生を終えて幸せだったなと思ってもらえる社会保障の改革を考えた時、それこそ設計図を書き換えないといけないので。医療制度は結核とか、大ケガとか、本当に治療しなければという、そういうものが対象のほとんどでしたよ。現在は悪性新生物にしても、あるいは生活習慣病にしても、いわゆる認知症にしても、まったく違うものですよね。そうすると、それに対してどうやって1人、1人が生きていて良かったな、一生こうやって好きな人達と過ごせて良かったな、そういう横文字は、私はあまり使うのは好きではないけれど、クオリティ・オブ・ライフという、それを中心に社会保障の改革というのをしていくのであって。痛みに耐えよ、ばかりを言っていたらば、それはモチベーションとして働かないと思いますよ。そうかと言って、甘ったるいこと、嫌なことは先送り、あるいは過去の遺産を食いつぶす、それは、もっとやってはいけないことだと思います」
松山キャスター
「総裁選に向けてはそういった社会保障政策、また、経済政策を含めて独自のビジョンみたいなのを何らかの形でまとめて示すことになると、そういう考えですか?」
石破議員
「それは先ほどの100日プランというのは、これも一緒ですけれど。私はこのように認識しています、こうあるべきだと思います。それはいろいろな利害が関わる人達がいっぱいいます、ステークホルダーと言うのですかね。ですけど、目指す方向は1つだとすれば、1人、1人の幸せを実現する、国民皆保険は絶対に維持する。財政は破綻させない。この3つの条件でどうしようかというのをステークホルダーだけではなくて、一般の国民の方々も議論に参加する形で、答えを見出していかないと、納得と共感のない政策はできないと思っていますので」

石破茂 自由民主党元幹事長の提言:『公正 正直 誠実』
石破議員
「道徳の標語みたいですけれども、公正・正直・誠実ということが政治の基本だと思いますよ。もし余白あったらもっと書きたかったのだけれども、保守の本質は己に厳しく他人に寛容ということだと思いますね。自分や自分の周りには厳しく接しなければ、でも、そうではないところは寛容にというのは。私はずっと先輩から教わってきた、保守とは何なのだと、己に厳しく他人に寛容にというのが保守なのだと。公正であり、誠実であり、正直だと。あの人の言うことは気に入らないけれど、でも、信じられるよねという、私は、それがこれからの日本では要求されると思いますね」
松山キャスター
「石破さんがよく言っている渡辺美智雄さんの言葉で『勇気と真心を持って真実を語る』ということも政策ビラには入れられているようですけれども…」
石破議員
「うん」
松山キャスター
「そこは絶対ぶれないという信念を持っている?」
石破議員
「これがなかったら政治家を辞めた方がいいです。私は、議員になる前に27歳だったかな、その時に渡辺美智雄先生の研修会に、本当に1人の議員志望者というのかな、議員になりたいという若者として参加して。いいか?政治家の仕事はたった1つなのだと。金がほしい、ポストがほしい、勲章がほしい、そんなヤツは政治家になるなと。政治家の仕事は、1つは、勇気と真心を持って真実を語れ。真実を見つけるのは自分で見つけろと、どんなに不都合でもそれを語る勇気を持て、わかってもらえる真心を持て。それはずっと私の中にあります、なかなか到達できませんが」