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2018年8月1日(水)
トランプで変わる世界 自国第一の背景と本質

ゲスト

坂元一哉
大阪大学法学研究科教授
中林美恵子
早稲田大学社会科学総合学術院教授
中山俊宏
應義塾大学総合政策学部教授

トランプ大統領で変わる世界 『自国第一』の本質と影響
斉藤キャスター
「今日はトランプ大統領によって変わる世界を考えます。自国第一主義の下、次々と世界の秩序を混乱させているアメリカのトランプ大統領は今後世界にどんな変化をもたらすのか。専門家の皆さんに読み解いていただきます。昨年1月の就任以来、アメリカのトランプ大統領は次々と世界に大きな衝撃を与え続けてきました。主なものがこちらです。現在、トランプ大統領がやっていることというのは、坂元さん、世界に何をもたらしていると考えられますか?」
坂元教授
「トランプさんを見ていて最初から思っていることは、トランプさんは、アメリカ人の現状に対する不満や怒りを、それが固まって何かライオンみたいになっちゃって、そのライオンというのは、実はアメリカの政治がうまくいってないということで、ずっと唸っていたんですよね。檻に入っていたので皆それでいいと思ったら、あろうことかそのトランプさんという人がその檻を開けちゃって、ライオンを檻の外に出しちゃったんですね。これはアメリカ政治のタブーなのですけれど、素人政治家なのでそれをやって、ああ、こんなもの大変なことになるよと言ったら、もうライオンをうまく乗りこなして、それで大暴れという、大暴れと言うとアレですけれども、アメリカも世界も変えていこうとしているような感じがいたしますね。だから、このライオンに乗っている大統領を考えますと、トランプさんの現在やっているやり方ではダメだと考えている人達は、トランプさんを引きずり降ろしたって問題の解決にならないですね。ライオンをどうするかというのが、アメリカの問題ですが、アメリカの問題ということは世界の問題ということになっているのかなと思いますね」
松山キャスター
「ライオンというのは、アメリカの社会の中でくすぶっていた不満とか」
坂元教授
「はい、下からいろいろな不満があって、政治・社会・外交・経済、あらゆることに不満を持って。いろいろな不満の理由があるのですけど。必ずしも白人の貧しくて学歴が低くてという、そういう人達だけではないですね。もっとかたまって、普通のアメリカ人が持っている不満というのがバンと出てきて。それがワシントンのこれまでのやり方が失敗だったのではないかというような、そういうことに、そういうトランプの意見に同調しているということだと思います」
松山キャスター
「中林さんはこの状況をどう見ていますか?」
中林教授
「世界全体の環境が変わってきたことに上手に乗っている側面もあると思うんです。それは冷戦が終わってから私達の世界の仕組みが徐々に徐々に変わってきて、中国という大きな、政治の仕組みは違うけれども、経済的には市場主義のいいところだけとって自分達は途上国であるという名目のもとにWTO(世界貿易機関)でも特別な扱いを受けて。そういった仕組みがこれ以上もうもたないという世界全体の環境の中でトランプ大統領は上手に生きているんだと思うんです」
松山キャスター
「中山さんはどう見ていますか?」
中山教授
「トランプ大統領というのは、人々が感じている不満や怒りや負のエネルギーを動員することに長けた大統領で、私はどうしてもそこに危険性を感じてしまうと。たとえば、メルケル首相は場合によってトランプ大統領と敵対するような場合もありますけど、メルケル首相はヨーロッパの現状を考えて、開かれたその共同体のあり方というのを模索していかなければいけないという、この前のフランスのワールドカップのサッカーチームを見てもアフリカからの移民が多かったですし、ああいう人達を排除して、共同体をつくるということがもう現実として合致しなくなっているということもあるのだろうと思うんです。そういう中で開かれた社会の基盤みたいなものをつくろうとしているところにトランプ大統領はまったく違うものを持ってきて、たとえば、ヨーロッパのナショナリスト的、ポピュリスト、右派のポピュリストに訴えるようなメッセージを落としていくわけですよね。日本でトランプ大統領に違和感を、感じない、もしかすると先進国の中では1番日本がトランプ大統領の許容度が高いと言いますか、意外に大丈夫ではないという見方が強いと思うのですけれども。それは日本という社会自身が、異なった人達を取り込んで共同体をつくるという、そういう状況にないから。それは、私は日本を否定、批判しているつもりは何にもなくて、日本はそういう状況にないので、トランプ大統領の危ないところ、その異質なところというのがわかりにくいというのがあると思うんですよね」

保護貿易と自由貿易
斉藤キャスター
「アメリカの貿易赤字解消のためにトランプ大統領は高い関税をかけるなど、一般的には保護貿易を進めていると言われています。そのトランプ大統領は先月24日、EU(欧州連合)のユンケル委員長との会談の前にこうツイートしました。『アメリカとEU、双方が全ての関税や障壁、補助金を取り下げる。それで最終的に自由な市場で公正な貿易と呼ばれる』と、このようにツイートしました。これは保護貿易ではなくてまさに自由貿易の考え方だと思うのですが、坂元さん、トランプ大統領は本当に保護貿易主義者なのでしょうか?」
坂元教授
「そういう全部なくしちゃったら自由貿易できますかというふうに言っているので、これはできないでしょうと言っている意味だと思うんですね。保護貿易か自由貿易かというのは自由貿易だけれども、ルールはまた変えさせてもらうよというのがトランプさんの言っていることで。そういうのは戦略的通商政策みたいに言った方がいいのかなと思う。と言うのは、要するに、ライオンに対する掛け声は、1番大きいのは『メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン』なのですけれども、その他3つぐらい私は大事なのがあると思うのですけれども、1つは『アメリカ・ファースト』ですね。それから、『ドレイン・ザ・スワンプ』というのは、これはワシントンの水を抜く、沼の水を抜くというのは、要するに、反エスタブリッシュメントの掛け声なのですけれども…」
松山キャスター
「旧態依然とした政治体制を一掃する…」
坂元教授
「そう、官僚組織とか、政治のプロとか、そういう人達が自分達を、アメリカ人を食い物にしたみたいなそういう言い方をするのですけれど、1番よく選挙キャンペーンとかでも言うのは、ジョブズ、ジョブズ、ジョブズという、この仕事、仕事、仕事ということですね」
松山キャスター
「雇用、雇用…」
坂元教授
「ですから、トランプさんがやろうとしていることは、アメリカの労働者と言いますか、仕事を増やしていくということだと思うんです。そのための自由貿易、貿易のルールを考えるということなのだろうと思います」
松山キャスター
「ただ一方で、仕事だと言っていながら、たとえば、中国との貿易摩擦をめぐっては、逆にその報復関税を受けて職が失われている産業みたいな のがアメリカの中で出てきている」
坂元教授
「…」
松山キャスター
「矛盾する状況が出てきているような気もするのですが?」
坂元教授
「そうですね、タンパの演説ではいいことを何か言っていましたけれど。あるアメリカの非常に有名な、企業の代表が自分のところにやって来て、私はこれをやられるとすごく困るんだと、中国に課税をと、だけど、大統領、あなたがやっていることはよいことだからやりなさい、と言って、タンパでこう言っているので。それは雇用というのは確かにあるのですけれど。それとちょっと別に中国との覇権争いみたいなところがあって、多少、雇用が減っても、それで影響があっても、中国を抑え込むことができれば、長期的に見ればこれはいいのだというような、そういう発想だと思います。それが正しいかどうかは別にして、そういう発想でいるのかなという感じがします。直接的な雇用の面から言うと、確かに大豆が売れなかったらどうしようとか、こういうふうになるのですけれども、長期的に見てこのあまりにも貿易赤字がひど過ぎますから、3000億ドル、これはちょっとね、というのは、いつまでも続かないというのは、トランプさんに反対、トランプさんを批判する人も言っていますからね。だから、何とかしなければいけないのですけれども、その何とかするやり方がどうかという、そういう問題になっていますね」

米×中 貿易摩擦の行方
松山キャスター
「中林さん、先ほど、アメリカのトランプ政権は、たとえば、中国に関して言えば、資本主義のいいところだけ取ってグローバリゼーションのシステムをうまくいいとこ取りをしているという対抗勢力に対しての新しい動きだという話がありましたが、実際、トランプ大統領が本当に雇用が増えているのかどうかわからないけれども、ドンドン関税の吊り上げ合戦をやったりするという、これは象徴的に中国と戦っている強い大統領というイメージを国民に対して印象を売りたいと、そういうことでやっているということなのですか?」
中林教授
「それがかなりあると思うんですね。昔はそれでも中国のマーケットが大き過ぎるのだから、そこまで角を突き合せなくてもいいだろう、という感覚が業界にも、ある程度の国民、ビジネスをやっている人達にも伝わっていたのですが、最近ビジネスすればするほど中国の悲惨な状況、合弁会社にしなければいけない、それから、いろいろと知的財産も持っていかれる。最後は要らなくなったら…、盗めるだけのものを盗んだら、ポイ捨てにされてしまう。ましてや、いったん中国に行くとまた戻ってくるのも大変だ。いろいろなことがあって、実際にもうそういう知見が広まっているのだと思うんです。そこで、ワシントン・ポストが、6月の末から7月の頭にかけて世論調査をした結果、アメリカは貿易相手国に搾取されていますか、利用されていますかという聞き方をしたところ、56%が搾取されていると思うと答えたんですね。搾取されていないと答えた人もいましたけれど、それは42%だったということで、明らかに搾取されていると明らかに明白に思っている人がかなりいるということですね。これは国民に訴える1つのトランプ大統領の根拠になると思うんです。さらには、中国に大豆が売れなくて大変だということで、ワシントンにいる私の友人にも、相当、農家の方々は困っておられるのではないかという話をしたら、日本で言うところの農協みたいな、ああいう業界団体は、困る、困ると言って陳情したり、文句を言ったりしていると。もちろん、製造業の中でも鉄鋼・アルミのケースではそういうのがありますけれども。ただ、農民・農家の1人、1人はそう感じていない。トランプ、やれやれ、もっとやれと、現在のところ、まだ思っている」
坂元教授
「そう…現在のところは」
中林教授
「自分の懐に直撃はまだしていないですよ」
坂元教授
「うん、そう…」
松山キャスター
「中山さん、貿易をめぐるトランプ大統領の方針をどういうふうに?」
中山教授
「私は、アメリカは日本と比較すると中国に対する見方がずっと甘くて、中国への期待感というのが強かったと思うのですけど」
松山キャスター
「これまで?」
中山教授
「これまで。でも、最近になって変わってきています。中国にそんなに過剰な期待ができないのではないかという。むしろ中国のこの地域における覇権的な野望みたいな、そういう言葉を使って、中国の台頭を説明する人がかなり増えたと思うのですけれど。トランプ大統領がそこに入っているかと言うと、私は入っていないような気がするんですよね。確かに経済的には、確かにトランプ大統領は、中国はアメリカにとって非常に大きな脅威と見ていると。とにかく貿易赤字を減らさなければいけないと。でも、確かに現在の中国のデュアルテクノロジーに関する、たとえば、AI(人工知能)とか、ロボティクス、ドローンとか、こういう技術もアメリカから盗んでいっているということに対する、安全保障のコミュニティの側の懸念が強いですけれども、トランプ大統領に果たしてどこまでそういう考えがあるのかというのは私はかなり怪しいと思っていて。現在、関税、これを一気に引き上げて何か対立色が強まっていますけれど、トランプ大統領が得意なのは自分で対立をワッとこの上げておいて、一気に自分で引き落として問題は解決に向かっているという…」
松山キャスター
「マッチポンプみたいなことを言う人もいますよね?」
中山教授
「そうですよね。ですから、そんなことをやるのではないかという懸念がありますね。日本と対中脅威認識に関して私は必ずしも完全にはオーバーラップしていなくて。たとえば、習近平主席のことを必ず褒めますよね、あらゆる局面で」
松山キャスター
「そうですね、はい…」
中山教授
「安倍総理と共同記者会見をやっていても必ず褒めるわけですよね。あれは、ちょっと私から見ていて相当気持ち悪いですよね」
松山キャスター
「中国については批判するけれど、習近平主席のことは直接批判しない」
中山教授
「ええ、そうなんですよ。トランプ大統領は国と国との関係というのを個人と個人との関係で見るという傾向が非常に強いと思うんです。だから、安倍総理となかなかうまくやっている、プーチン大統領とうまくやっていると。どうも習近平のこともかなり好きみたいですよね、トランプ大統領は。ですから、そのへんに強い懸念を持ちますね」
坂元教授
「トランプさんのスタイルだと思うんです。プーチンさんともそうですけれど、習近平さんともそうなのだけれど、首脳同士は仲いいよ、でも、やることやらせてもらうよというのが、トランプさんのスタイルだと思う。ただ、ロシアでもあんなに甘く見えるのですけれども、プーチンさんに。だけど、これまで、まずウクライナに武器を売りますよね、ウクライナにエネルギーも支援もしますよね。それから、外交官を追放もしますし、経済制裁もかけるし。それから、NATO(北大西洋条約機構)を強化しますよね、そのやり方がどうかというのは別にして、皆がお金を出すということは。だから、プーチンさんに対してその言葉は甘いのだけれども、やっていることはロシアに対して違うよねと。あと、それはたぶん金正恩さん、この人に対してもそうなのだろうと思うんですね。それで彼のうまいところは、要するに、お前達は悪でどうしようもない、ダメなんだと言わないで、とにかく妥協の余地はありますよと言いながら強いことを、圧力をかけていくというやり方ですね。それで彼が外交的にうまいなと思うのは、私は中国を批判しているのではないと、中国にこれだけのことをやらせてしまった過去のアメリカ大統領が悪いのだとこう言っているんですね。外交的にはこれはうまいやり方だなというふうには思ってはいます。でも、これからは違うよと。だから、前のことを謝る必要はないと、これからは私は違うやり方でやりますよというのはなかなか面白いなと」

北朝鮮の非核化と東アジア
松山キャスター
「米朝首脳会談で1番骨子になっている部分というのがここになりますけれども。アメリカ側は、トランプ大統領は北朝鮮の安全を保証することを約束して、金正恩委員長の方は朝鮮半島の完全な非核化に向けた強く揺るがない決意を再確認したと。これを2人の名前で両首脳同士が合意したということが1つ大きな意義と言われていますけれども。ある意味、これも1つのディールだとは思うのですが、入口でまずその大きな方針だけで合意して、細かいところまで決めなかったというところが大方の見方だと思うのですけれども。これはトータルのディールとしてはまだまだ、これから先を見てみないとディールかどうかはわからないということですか?」
中山教授
「そうですね。ただ、難しいのは、こういうのは普通、事務方で交渉して積み上げていって、交渉の中身を確定していくわけですけれど、事務方だと全然動かないわけですよね。ポンペオさんが行っても、国務長官が行っても、動かないわけですよね。ですから、こういうトップ同士の会談で、なんとなくうまくいっているのだということが確認されて、また、落としていくと、そこでうまくいかなくて、また、トップ同士でやってということを何回か繰り返していけば、時間切れになっちゃうという。その前に、トランプ大統領が切れるか、切れないかというのは、これはもうちょっとわからないですよね」
松山キャスター
「このあともう1度、トランプ大統領が全てのオプションがテーブルにあるという立場をとっていますけれども、もう1度、強硬路線にまた戻る可能性も?」
中山教授
「私は、トランプ大統領はシリアに2回、トマホークを撃ち込んでいますよね。ですから、トランプ大統領はオバマ大統領とは違ってできるというイメージがあると思うのですが、私は、それは間違っていると思っていて。シリアの場合、アメリカが介入した、介入してもその介入した状況を引き受けなくてもいいような介入のシナリオがあったので介入したのですけれども、北朝鮮の場合はそういうシナリオが少ないですよ、ないですよ。ですから、アメリカが介入した結果はアメリカが全面的に引き受けるような形を想定して、トランプ大統領が武力を行使するというのはもちろん、ゼロとは言えないですけれども、可能性として私は低いと思いますね」
松山キャスター
「なるほど。坂元さんはどうですか?」
坂元教授
「可能性はあると思います。要するに、我々が可能性をどう見るかということではなく、金正恩さんがどう見るかだと思うんです。金正恩さんが、可能性があるということになれば、夜も眠れないということになるわけなので。たとえば、これから経済制裁が続いていくとどこまで耐えられるのかというのがありまして、トランプさんは常に2次制裁を、たとえば、中国にもかけることができるし、制裁破りには強い態度をとることができるんです。現在やわらかく出ているのは、もう選択したのだろうと、だから、金正恩さんがこっちに、そのうち来るだろう、だから、その時には迎えてやるために脅かさないようにしているというふうに私は思います。北朝鮮の方も、これまで制裁にあって耐えていたのは、アメリカが我々の体制を壊そうとしているのだ、だから、しょうがなくやっているんだというふうに国民には説明できるんですね。だから、反米運動を盛り上げていたわけでしょう。ところが、6月25日、朝鮮戦争の記念日、いつも毎年1か月ぐらいやっていた反米闘争をやっていないですよね、中で。そうすると、国民も、ああ、もうこれは話がついたのだということになると思うんですね。そうしますと、国民の側もなぜ経済制裁がまだ続いているのだということで不満になるのではないかなと思いますから。我々そのアメリカ側ということと同時に、北朝鮮の心理も少しは考えながらいくのがいいのかなと思います。いずれにしても、まだ時間が…、7週間ですか?だから、これは数か月してみてわかってくることだと思います。経済制裁というのはジワッと効いてくるものなので。だから、現在はぬるま湯で大丈夫だよ、全然効いていないよとなるかもしれません。これが1年、2年続くということになれば、それは違うのではないかと」
松山キャスター
「中林さん、坂元さんの方から、アメリカは比較的やわらかく北朝鮮に対して出ているという話がありましたが、ある意味、トランプ大統領は、米朝首脳会談という歴史的な会談だと自分で言っちゃうようなショーアップした会談をやってしまって、対話路線に入ったのだということを高らかに宣言しちゃった手前、次の、たとえば、中間選挙ぐらいまではこの方針をそう簡単に変えられないというそういう呪縛に囚われているということはないですか?」
中林教授
「私はそう思います。比較的にこちらのお二方よりも悲観的に見ているのですけれども。トランプ大統領が6月12日に米朝会談を行った。これは何もしないよりは当然大枠を決めたわけですからいいとは言えるとは思います。ただ、非核化するには10年、15年かかるでしょうし、その間どうするのかということをトランプ大統領がどこまで責任を持てるかという問題が残りますし、7月25日にポンペオ国務長官が『核物質の生産を続けている』と、7月30日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)もつくっているという話が出ています。これは必ずしもまったく根拠のないものではないのかもしれない。あるいは特にワシントン・ポストの報道は情報当局者ということで、リークである可能性が高くて…」
松山キャスター
「リークである可能性がありますよね?」
中林教授
「はい。どこまで正しい情報かはわかりません。でも、それを言いたい人達が中にいる。なかなかトランプ大統領、あるいは側近がそれを自分の口から、いや、実はICBMをつくっています、ということを言えない。つまり、6月12日の会談を失敗だったような側面を表には出したくないという気持ちがある。だから、つまり、成功と言い続けるしかできないですよね。北朝鮮の金正恩さんは、トランプ政権以上にトップダウンですから、本当に物事を進めていくためには、事務方協議ではにっちもさっちもいかないわけです。と言うことは、もしかしたらトランプ大統領はもう1度、金正恩さんと会わなければならないかもしれないですね。トップダウンで決めました、約束しましたという担保はそこにしかないではないですか」

米×イラン 高まる『緊張』
斉藤キャスター
「ここからは日本のエネルギー・安全保障にも大きく関わる中東の変化について聞いていきます。アメリカは今年5月、フランスなどの説得にも関わらずイラン核合意からの離脱と最高レベルの経済制裁の実施を表明しました。トランプ大統領の選択に対して、7月22日、イランのロウハニ大統領が『イランとの紛争は全ての戦争の生みの親になる』とトランプ大統領を牽制したことに対して、同じ日に今度はトランプ大統領がツイッターで『2度とアメリカを脅すな、さもなくば、歴史上類を見ないような重大な結果を招く』と反発しました。今度はこれに対して、イランのザリフ外相がツイッターで『我々は数千年も存続してきた民であり、自らの帝国も含めて数々の帝国の滅亡を見届けてきた、用心するがいい』と応酬しました。このやりとり緊迫しているような雰囲気もあるのですが、現在のアメリカ、イランの緊張関係、坂元さんは今後戦争につながっていく可能性はあると思われますか?」
坂元教授
「いや、私は、それは思っていないです、戦争ということにはならない。トランプさんは中東で戦争をするというのは嫌だと思います。オバマさんと同じで中東からは引きたいと思って…。中東のことは中東に任せるということになるのだろうと思います。ただ、核とか、大量破壊兵器についてはちゃんとやらせてもらうよ、ということ。これはアメリカの安全保障に関わるし、アメリカの同盟国の安全保障に関わるので。トランプさんとしては、北朝鮮もそうですけれども、割と真剣なんですね。アメリカにとって1番大きな問題は核の問題だと大統領になる前から言っていて。こういうNPT(核兵器不拡散条約)体制を、これをアメリカの力でもういっぺんきちんとしたものにしたいと。そのイランのやり方だと、10年、15年は大丈夫なのだけれども、そのあとというのがわからないよと、核を開発してしまうかもしれない。そうなった時、なぜトランプはあの時にやらなかったのだというふうに言われるのは私は嫌だと思う。と言うのは、トランプさん自身がこの北朝鮮の問題も20年前にやっておけばもっと簡単だったのに私はこんな大変な問題を引き受けてしまったよとずっと言っているわけです。それで昔の大統領を批判しているわけなんですね。ですから、それを考えますと、トランプさんという人は、核の問題については真剣にやっていこうという人なのだろうと私は思っています。それで核兵器はございませんから、だから、経済制裁でというところになると思います。トランプさんは、要するに、イラン合意というのは確かに核兵器の棚上げはできたのだけれども、核問題の棚上げ、だけど、ミサイルは開発するし、棚上げしたことによって、経済制裁が解かれたら突然、イランが、いろいろなところで、アメリカから見たら、ちょっと困ることをやっているということなので、アメリカにとっては最低の合意だったねという話をしているわけですね。アメリカもIS(イスラム国)をどうするか。イランに助けてもらうというところがあったので、これはちょっとイランに甘かったと、オバマさんはそういうところがあったと思う、甘かったのは。だけど、ISを潰しちゃったというか、なくなっちゃったので、これからはちょっと違うよということになって。戦争ではなく、その地域のことは地域でということで、現在、アラブのスンニ派とイスラエルと一緒になって、その地域の安全を守ってもらおうというような何か同盟、新しい中東版NATOみたいなことを考えつつあるらしいですね。よくその全容はわかりませんけれども。その観点でイランと対抗していこうということだと思います」
松山キャスター
「まさにその中東版NATOみたいな話というのは27日にロイター通信が伝えた記事ですけれど、トランプ大統領がNATO、北太平洋条約機構のような連合・連盟ですね、それをアラブ諸国との間でつくろうとしているのではないかという記事ですけれども。ペルシャ湾岸6か国とエジプトやヨルダンを入れて新たな安全保障や政治同盟の形を模索しているということを関係筋の話として伝えています。これは『中東戦略同盟』という仮称がついていることなのですけれども。アメリカの国家安全保障会議の報道官は『この同盟はイランの攻撃、テロ、過激主義に対する防壁となり、中東に安定をもたらすだろう』と言って、事実上検討していること自体は認めているという話なのですけれども。これはある意味、逆にイランを刺激することにもなると思うのですけれど、そういう意味では、イランとアメリカとの対立激化にもつながりかねないと思うのですが、坂元さんはそのあたりはどういうふうに?」
坂元教授
「そうだと思いますけれど、イランとアメリカはずっと対立しているわけですけれども。この経済制裁が、アメリカはずっと経済制裁、経済制裁とやってきて、これが案外効いているというところがあるのではないかと思うんですね。ですから、これはどうなるかわかりません。それから、ちょっとベーシックなところからですけれども、これはこういう中東政策にこういう形で中東は皆で守ってね、私はちょっと後から応援するからというのは、何と言ってもシェールガス革命で、アメリカ自体が石油に…」
松山キャスター
「依存しなくてもよくなった…」
坂元教授
「依存しなくなった。依存しなくてよくなったどころか、そのうち…」
松山キャスター
「いまや石油大国に…」
坂元教授
「アメリカから石油を買いなさいと。2005年の段階で1200万バレルを買っていたんですね、日本は400万バレル買って、そうすると、3倍買っていたんですよ。ところが、現在は400万バレルしか買っていなくて、200万バレルぐらいもう売っていると言うんです。そのうち400万バレル売れるようになるよという見通しらしいですけれど。そうすると、これまでと全然違う外交ができるのは、実はそこに、ライオンに乗っていることもありますけれども、ライオンの活躍の場が…。だから、自分勝手にできる、その度合いが実はできつつあって。だから、エネルギー政策で、たとえば、ロシアを抑え込もうとか、そういうことを考えるとヨーロッパに天然ガスを売るとか、そういうことを考えていますので、中東政策は大きく変わって。オバマさんと同じなのだけれど、ポイントだけ押さえた方がオバマさんと…、要するに、引いた後にISみたいなのが出てこないようにという、そういう政策をとっていくのではないかなと思います」

アメリカの中東政策
松山キャスター
「イランについてトランプ大統領は最近こんな発言もしているのですが、イランのロウハニ大統領との直接会談があるかどうかということを、質問を記者会見で受けて『私は誰とでも会う、会談することに問題はない』と言って直接会談も可能だという見解を示しました。『近いうちにイラン側が対話に応じる気がする』とまで発言しているのですけれども。イランからするとなかなか核合意から離脱した直後にアメリカの大統領に秋波を送られてもそう簡単にやすやすと出ていけないという感じがあると思うのですけど。中林さん、このあたり、イランのロウハニ大統領とトランプ大統領の直接会談の可能性をどう見ていますか?」
中林教授
「イランも北朝鮮とアメリカの交渉をずっと見てきたと思うんですよね。この言葉をそのまま読むと、北朝鮮というふうに入れ替えるだけでそのまま通じるという感じがしますよね。イランも実際にはインフレが酷くなり、通貨が下落し、非常に経済的に困っています。日本から見るとあまりにもトランプ政権はイランに酷ではないかというふうにも見えますよね。確かに歴史上、イランとずっと敵対的な関係があって、私もアメリカ議会に約10年おりましたけど、その間も日本人から見るととても信じられないような、イランをすごく嫌っているんですね。怖がっているんです」
坂元教授
「そう…」
中林教授
「きっとイランは悪いことを考えているというような言い方をするので。日本人が見るイランとアメリカ人が見るイランはこんなにも違うのかというのを実感したことがあったのですけれども。ただ、今回、マティス国防長官に近い方とお話をしたんですね。これは大統領に近いという意味とはまた別ですから、少しそこにニュアンスの違いはあるとは思うのですけれども。ただマティス国防長官に近い人とお話をした時に、中東は世界の火薬庫で、アメリカもそっちが大事で実はアジアのことというのは二の次、三の次ではないのという質問をしましたら、そうではなくて…」
坂元教授
「うん、変わりましたね」
中林教授
「中東は目の前で確かにいろいろ大変だけれども、長期的には中国の方がアメリカの国防政策にとって大事だということを言ったんです。と言うことは、先ほど、坂元先生もおっしゃったように中東からはエネルギーの問題に変化が生じていることもあって、できるならば少し引いていきたいと。その中で、その文脈で、トランプ大統領がプーチン大統領に会っているのだと思うんですね」
坂元教授
「うん、そう…」
中林教授
「ロシアなくして中東を上手に収めていくことができないというのが1つあると思います。もう1つ、トランプさんの特徴はイスラエル・サウジアラビアへの近さですよね。これはイランへの理不尽なまでの強さ、経済制裁、他の国にまでも石油を買うな、そういう話につながっていく…」
松山キャスター
「日本にもそれを言っていますから」
中林教授
「そうですね。でも、北朝鮮のものと比べて考えれば、何らかの落としどころがあるのかもしれないですね」
坂元教授
「イランにアメリカは厳しすぎると私は思うのですけれども、ただ、この核の問題では、イランはNPTに加盟しているんですよね。ですから、本来ですと厳しい査察を受けて当然なのに何かそれを高く売っているというところがあって、そこはイランももうちょっと考え直した方がいいのではないかなと思うんです」
松山キャスター
「中山さんは、この中東政策やイラン政策をどう見ているのですか?」
中山教授
「イランについて現在、中林先生の方からアメリカではイランはちょっと特殊な存在として、アメリカにとって非常に危険な存在として見ているという話がありましたけれど、まさにその通りで。私はトランプ政権がJCPOA(包括的共同作業計画)から離脱したいというふうになったのは…」
松山キャスター
「核合意…」
中山教授
「レジーム自身を問題にしているのだろうと思うんですよ」
松山キャスター
「イランのレジーム?」
中山教授
「核だけではなくて。そこが北と決定的に違うところですよね。北の場合には、もうレジームを残していいと基本的に言っているわけですよね」
中林教授
「うん」
中山教授
「ですけれども、イランの場合には特にボルトン大統領補佐官とか、ポンペオ国務長官も対イラン強硬派として非常に有名ですけれども、そこがちょっと危なっかしい。それから、怖いところですね。その2人とトランプ大統領のその『対話に応じる気がする』というのはまたそこがうまく噛み合わないわけですけれども…」
松山キャスター
「これはトランプさん独特の、トップ会談でショーアップして…」
中山教授
「そうでしょうね、ええ」
松山キャスター
「世界の注目を集めて解決するんだ…」
中山教授
「でも、イランとはそんなには簡単にうまくはいかないと思いますね」
坂元教授
「それは、レジームチェンジは、トランプさんは考えていないですよね?」
中山教授
「トランプさんは考えていないかもしれないです」
坂元教授
「それは間違いないと思うんですよね」
松山キャスター
「中山さんに聞きたいのですけれど、イランのどちらかと言えば穏健派と言われる政権が、現在、ロウハニ大統領がいるわけで…」
中山教授
「追い詰められているわけですよね」
松山キャスター
「そうですよね。核合意から離脱をしてしまって、かなりイラン国内でもロウハニさん自身も苦しい立場に置かれると思うのですけれど、これで逆に保守強硬派みたいなのが台頭してくると、以前の、たとえば、アフマディネジャド大統領みたいな、かなり反米強硬主義みたいな人達が出てくる可能性があると…」
中山教授
「うん」
松山キャスター
「アメリカにとって逆にまた難しくなってくるのではないか?」
中山教授
「そうすると、負のスパイラルで、中東に介入したくないけれども、ある種、強行に出なければいけないという。オバマ政権もピボットとか、リバランスということでアジア重視政策を思い描いていたのですが、思い描いていた政策を実際にはうまく展開できずに、中東に引きつけられちゃったということもあるわけですね。ですから、そうならないようになってもらいたいですけれど、現在の状況でそういうふうに意図せずになっていく可能性というのは否定できないですよね」

日本にもたらされる『変化』
松山キャスター
「坂元さん、日本の中ではアメリカとの関係がずっと議論をされていて、対米追従だとか、あるいはアメリカと対等の関係を築くべきだという議論もありましたが、たとえば、日本は日本の中では憲法改正によって、アメリカとはまた違うもっと自立した国家を目指すべきという動きもあります。こういったアメリカとの向き合い方をどういうふうに考えていますか?」
坂元教授
「トランプさん、すごく世界を変えようとしているというか、そういうことだと思います、だから、ある種トランプさんはディールが大好きだから、ニューディールというか、そういうものを考えていて。その骨子は、1つは、自由貿易は大事だけれど、俺のルールでやらせてもらうということだと思いますね。2つ目は、同盟国も大事だけれども、負担はいっぱいやってくれよと、だから、ちゃんとした負担をお願いしますと。3つ目、割と大事だと思うのはアメリカ・ファーストなのだけれど、皆も自分ファーストでやってくれと、それで話が合わなかったら交渉しようと、交渉したら俺が勝つけどねということだと思うのですけれども。そういうやり方なので、割と日本にとって同盟国の負担の問題ということになると思うのですけれども、これを、アメリカも、日本も自分ファーストでやったら日米同盟が大事だよねというふうになるのだろうと私は思っています。それでそこは置いておいて、同盟の負担の問題なのですけれども、今度の北朝鮮がどうなるかっちゅうことにも関係しますけれども、これはかなり北朝鮮の、これを変えていく時に、日本が、たとえば、たくさんお金を出さなければいけないというのはそういうことになるのだろうと思います。だから、仕事は増えるのかなと思います。ただ、日本は欧米に学び、欧米と戦い、欧米と協力して、自由世界を建設してきたという、そういう歴史だと思うんです、非常に簡単に言えば。その中で、これから自由世界の建設に協力していくということは変わらないのではないかなという感じがいたします。ただ、トランプさんは、お前はビッグプレイヤーなのだからがんばってやれよという感じにはなると思うんです。トランプさんが同盟を重視していくと思うのは『ピボット・トゥ・アジア』というか、アジア太平洋が大事だと言った時に、日本の同盟の価値は日本を守るだけではなく、日本と一緒に、安保条約の言葉だと『極東における国際の平和と安定』ですけれども、東アジアの平和と安全、特に現在、東アジアはドンドン伸びていって、インド洋まで行くような、その平和と安全のために協力するということですから。それは日本にとって仕事が増える話だと思いますけれども、別に日本を変えるということではなくて、つまり、ジャパン・ファーストなのだからジャパン・ファーストでやってくださいということなのだろうと思います」
松山キャスター
「中山さん、日本がこれからアメリカとどう向き合っていくのか。トランプ大統領の時代になってから、また新たな日米関係のあり方っていうのが問われていると思うのですけれども、そのあたりはどういう見通しを持っていますか?」
中山教授
「選挙期間中にいろいろなところで講演とかをさせていただくと、必ず質問でもう自主防衛の方へ行くべきなのではないかというような議論が出てくるわけですよね。それは右からも左からも出てきて。ただ、選挙が終わって実際にトランプ政権が発足すると、不思議なくらいにそういう自主防衛みたいな議論というのは、本格化していないのだと思うんですよね。それから、欧米と比較しても、日本には反トランプ運動みたいな社会運動がないですよね。この前もイギリスにトランプ大統領が行った時に、巨大なデモ行進みたいなのがあって…」
松山キャスター
「あぁ、日本では確かにああいう巨大なデモはないですね」
中山教授
「私は、これは日本国民のある種さめた、もしかするとちょっと諦めもあるのかもしれないですけれども、リアリズムがあって。日本が東アジアで直面している状況、現在、朝鮮半島もそうですし、中国の台頭もそうですけれども、そういう状況に単独で向き合えるかというとそれは難しいということを国民レベルでかなり理解されているだろうと思うんですよね」
松山キャスター
「中林さん、そのあたりどう見ていますか?」
中林教授
「日本にとっては、トランプ大統領のあのスタイルというものがすごく新しいわけで、どういうふうに批判したらいいかもわからないですよね」
坂元教授
「そうです…」
中林教授
「本当にまともに受けたらいいのか、それとももっと深い、深い意味があって何かをしているのか、まずはよく考えなければというふうに思わせる何かがあるんですね。ですから、まっすぐ批判もできない、結構正直で、1対1で会ったら面白いおじさんかもしれない、そんなような雰囲気があるのが1つ。そして安全保障で考えると、北朝鮮の問題は日本人の深層心理に相当の影響を及ぼしていると思います。私はどちらかと言うと悲観的に見る方なのですけれども、北朝鮮は自分の体制を、ましてや金正恩さんは若いですよね、その体制をずっと維持していきたいとしたら、体制の維持の究極的な方法というのは他の国に頼ったり、他の国を信用することではなくて、おそらく核を持ったりして最後の何かディールできるものをずっと担保し続けることであるかもしれなくて。生き残り戦略を変えたとおっしゃる方もいらっしゃるけれども、でも、それは割と楽観的な見方ではないかと思うんです。そういうふうに考えると北朝鮮に、これだけ至近距離に私達は住んでいて、もしかしたら長いこと核兵器を持ち続けるかもしれないと。拉致問題もずっと抱えている中で日本だけでどれぐらいできるのかというのを真剣に日本国民も考えざるを得なかったのではないかと思うんです。そうすると、アメリカとうまくやっていくということが必須である。これだけ財政赤字も、日本は先進国で最悪中の最悪ですから、そう考えると軍事費を高めてというのも非常に難しい。では、日本が核兵器を持って抑止を自立してやっていけるかと言ったら、そのコストもさることながら、国連制裁をかけられたら経済的に大変だし、ましてや日米同盟だってなくなっちゃうかもしれない。だったらアメリカを、悪い言い方ですけれど、上手に利用させていただくということが日本にとり得る唯一の方法になってくるんでしょうね」

中山俊宏 慶應義塾大学総合政策学部教授の提言:『トランプシフトしすぎるな』
中山教授
「そのままですけれど、日本はトランプさんにブツブツ文句を言うのではなく、それに適応していくという、その判断は正しいと思うのですけれども…」
松山キャスター
「トランプシフトをしすぎるな…」
中山教授
「ええ。ただ、アメリカにもいろいろな潮流があるので。オバマ大統領に象徴されるような、変わっていくアメリカというのもあるわけですね。一方で、トランプ的なものもあるわけであって、常に揺れ動くわけですから、過剰にトランプ政権に同調するな、同調は大事ですけれど、というのが大前提ですけれども」

中林美恵子 早稲田大学社会科学総合学術院教授の提言:『自らの方針をもつ』
中林教授
「中山先生と比較的似ているかなと思うのですけれども。自分でしっかり方針を持っていることがトランプシフトをし過ぎないことにもなるのだと思うんですね。WTOに提訴しようか、しまいかとか、日本人は悩んじゃうんです」
松山キャスター
「腰がちょっと引けていますよね、日本は?」
中林教授
「はい。どうやったらうまく収められるだろうかと思うのですけれど、まずは自分を持ってそこから逆算していくということがこれからはとても大事になるのだと思うんですね。でないと生き残れないと思います」

坂元一哉 大阪大学法学研究科教授の提言:『日米同盟に自信を持つ』
坂元教授
「私はこうやって『日米同盟に自信を持つ』と書きましたけれども。世界政治において、日米同盟が非常に重要な意味を占めるようになってきて、ひょっとしたらNATOより重要な意味を占めるようになるかもしれない。ロシアが衰退して、アメリカがNATOの力がなくても自分の安全を保障できるようになったのですけど、中国の合流で、日米同盟なしには縄張りを維持できないと、東アジアの覇権を維持できないということになっているので、これが非常に重要になったのではないかなという感じがします。だから、我々は自信を持ってこれに対応したらいいのではないかと思います」