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2018年7月11日(水)
伊吹元議長が国会に喝 進次郎氏提言と総裁選

ゲスト

伊吹文明
元衆議院議長 自由民主党衆議員議員
田﨑史郎
政治ジャーナリスト

伊吹元衆院議長が国会に喝 官僚のあるべき姿
斉藤キャスター
「元衆議院議長の伊吹文明さんを迎えて、国会のあるべき姿や安倍政権の今後について聞いていきます。国会は22日に閉幕を迎えますが、伊吹さんの目には、今国会の審議や与野党の対立がどのように映っていたのでしょうか、胸中に迫っていきます。先週発覚した文科省の前局長による受託収賄事件についてですが、文科大臣も務められたことがある伊吹さんに聞いていきたいと思います。あらためてどういう事件かと言いますと、文科省の前科学技術学術政策局長の佐野太容疑者が官房長の時、当時の東京医科大学の理事長から私立大学支援事業の選定で便宜をはかるよう依頼されました。東京医科大学は対象校に実際に選定されています。その見返りとして、当時のこの理事長と学長は佐野容疑者の息子の入試の点数を加算し合格させたとされているものですね。この学長と理事長は容疑を認めていますが、佐野太容疑者は現在容疑を否認しているという状況になっています。この佐野容疑者は次官候補とも言われたエリート官僚だったわけですけれども、不正入試を見返りとする前代未聞の汚職事件ということで今注目を集めていますが、伊吹さんこの件をどう見ていますか?」
伊吹議員
「うんざりするようなことが次々と起こるのでね。この件は特捜が一応逮捕をしているわけですから、それなりの確信はあると思いますが。斉藤さんが言ったように、佐野さんは請託を受けていないということをたぶん言っているんでしょうね。それから、職務権限がないと、官房長だから。東京医科大学系はそういうことがありましたと。ところが、この間に、フィクサーというのか、エージェントみたいな人物が介在しとるわけでしょう。その人が双方にどういう話をしているのかということを見きわめないと、法律的に立件できるのか、あるいは最終的に公判を維持できるのか、というのが法律論ですよ。だけど、道義的には、ちょっとどうかと思う件なんですよね」
松山キャスター
「文科大臣を務められたということで。文科省の中で、局長、しかも、官房長をされていて、次官候補とも言われていた、そういう方が当然、権限はある程度持っているわけですよね。そういう方が自分の息子の受験についてこういう依頼をしたのかどうか、そこははっきりしませんけれども、こういうことで逮捕されているという事案、こういうことは文科省の中で実際には水面下であると噂レベルでもあったものなのかどうか、そのあたりはどうですか?」
伊吹議員
「いや、僕は大臣をやってから随分経つので、僕が大臣をやっていた時は、彼は課長になりたてぐらいではないですか。当時、官房の総務課長と言って、国会だとかの窓口をやっていたのが例の前川君ですから。だから、噂があったかどうかよく知りませんけれど、仮にそういう噂を立てられるという危険があるようなものには普通は近づかないというのが昔の役人の姿だったけれども。あるいは現在、問題になっているようなことは、昔であれば笑い話のようなこともたくさんあるんですよ。時代が変わってきているということ。それに対して、人間の節義とか、道義というか、社会の掟のようなものに対する、尊重するという気持ちが、非常に落ちてきているのではないですかね」
松山キャスター
「田﨑さんは今回の件、森友・加計の時から言われていましたけれども、官僚の質がここへ来てかなり低下しているのではないかという見方もあるようですが」
田﨑氏
「よくモリカケの問題というのは、総理官邸、安倍総理の意向を忖度して官僚がやったと。悪いのは安倍総理であるという構図で描かれてきたのですけれども。僕はそれ以上に深刻なのは、官僚の質がどうも落ちてきていると。これまでの贈収賄事件というのはお金をもらったりしたことですよね。でも、自分の息子を入れるために何かをやったという疑いを持たれているわけですね。これはちょっと恥ずかしい、正直。文科省から昨年いろいろな文書が出てきましたけれど、たとえば、当時の萩生田官房副長官のメモにしても、どうも複数の人の話を全部、萩生田さんの発言にしちゃっているとか、基本の動作ができていないですね。また、ちょっと外務省に例えますと、僕は河野外務大臣と就任直後に話したことがあって、その時に河野さんが初めて外遊に行った時、飛行機の中で自分が喋るスピーチの英語の文案を見させてもらったと。そうしたら、いくつも間違っていたと、英語が」
松山キャスター
「官僚の方がつくった文章が、そもそも英語が間違っている?」
田﨑氏
「間違っていると」
松山キャスター
「河野さんが見つけた?」
田﨑氏
「ええ。だから、官僚のなり手が少なくなって質も落ちてきている。そうなった時に、政治が悪いというのならば政権交代すればいいんですよ。総理大臣が代われば、また変わるかもしれない。それ以上に深刻なのは、これは官僚の質が落ちてきている。これをどうやって立て直していくかという方が大きな問題だと思いますね」

党首討論の『歴史的使命』
松山キャスター
「党首討論についてですけれど、もう一度、その制度そのものについてちょっと見直してみたいと思うのですけれども」
斉藤キャスター
「2000年の通常国会で正式導入されました。モデルとしたのは2大政党制であるイギリス議会のクエスチョンタイムです。党首討論を行う委員会は国家基本政策委員会で、討論の時間は45分ということ。これを見てみても、党首討論は国の基本政策を議論する場として想定されていると思うのですが、伊吹さん、どうしてそうした討論にはならないのでしょう?」
伊吹議員
「憲法の精神を理解していないからですよ」
斉藤キャスター
「そこですか?」
伊吹議員
「日本国は、国の物事を決める最終的な力、つまり、主権は国民にあるという前提で成り立っていますよね。国民は国のことを決める基本的な力を『正当に選ばれた我々の代表を通じて行動し』と書いてあるわけだから、国会議員に付託をしているわけですよ。その国会議員が国の基本的政策を議論する時に、いやあ、スキャンダル、スキャンダル、スキャンダルじゃあいけないし、と言って、そのことばかりやるからといって批判をする、与党の方は批判するけれども、野党がそういうことを質問するという原因をつくったのは誰だということを前提に話をしなくちゃいけませんよね」
松山キャスター
「田﨑さん、まさに現在の党首討論、それこそスキャンダル、スキャンダル、スキャンダルという形になってしまっている…」
田﨑氏
「そうですね、はい」
松山キャスター
「これをどういうふうに?」
田﨑氏
「これは、国会は与党と野党で成り立っていて、一方的に与党が悪い、あるいは野党が悪いということはないですよ。双方に原因がある。では、党首討論はなんだということになりますと国家基本政策委員会というふうに基本政策を話すという設定で行われているんですね。かつ党首討論ですから、党首質疑ではないですよ。野党が質問して、総理が答えるという場ではなくて、お互いに意見を言い合おうと、どっちが正しいかを国民に見てもらおうという趣旨ですよ。それは、いわゆる疑惑追及の場では少なくともないわけですよ。だから、そこは野党も考えなければいけない。伊吹さんもおっしゃったように、政権側もそんな疑惑追及を招くような事態は当初から避けなければいけないのですけれど。与野党共通の責任があると思います、これは」
松山キャスター
「あともともと党首討論が始まった経緯としてイギリスのクエスチョンタイムを見習ってつくったという話がありましたけれども…」
田﨑氏
「はい、ええ」
松山キャスター
「イギリスのまさに保守2大政党だった頃に、まさに活発な議論をそこでやっていた印象を僕も覚えているのですけれども、今の日本の党首討論を見ていると、野党が細分化されてしまっているが故に、1党が質問できる時間というのはかなり小さくなっていると、少ない時間しか与えられていない」
田﨑氏
「そうですね、ええ」
松山キャスター
「2大政党でない状態での党首討論という制度に、制度的に無理があるのではないかという気がするのですけれども?」
田﨑氏
「でも、これは野党が協力し合えばいいだけのことですから」
松山キャスター
「伊吹さん、党首討論も日本でこう始まって、たとえば、野田政権の頃は最後に現在の安倍総理と野田さんが対峙して、まさに衆議院を解散するかどうかという話までギリギリやって、『衆議院を解散します』ということを党首討論の場で言って、議場が沸き上がったというのがありましたけれど、ああいうこの活発な議論というのは現在の政界の中でなかなか期待できないものなのですか?」
伊吹議員
「今おっしゃった、野田・安倍党首討論の時は、ちょっと僕はその背景を皆、知っているので話しにくいのだけれども、税と社会保障の一体改革の時に、当時の野党の責任者をしていたのですが、その頃からある程度の約束はもうできていたわけです。当時は谷垣さんが総裁だったのだけれど。そのあと、どういう形でこれを表明するかという、ギリギリのところで、それは党首討論の場だろうと。党首討論というのは、まさに党首討論であって、総理と、総理は党首であるけれど、内閣の長ですよね、だけど、ほとんどの質問は内閣という政策のことに対する質問はありませんよね、見ていると。だから、党首討論なのだから、政党の理念を戦い合わせるとか、もう少しそういう英国的なことをやった方が、英国が皆、良いというわけではないですよ」
松山キャスター
「やり方によっては、たとえば、野党で統一の質問者をつくって、その質問者に全ての野党が乗っかるという方式もできることはできると思うのですが…」
伊吹議員
「いや、それは野党で話し合ってやればいいのですが。45分というのは率直なところちょっと短いと思いますよ、僕らの感覚から言うと。その代わり、予算委員会で全大臣を足止めして、延々とテレビを入れて、ほとんど質問がこない大臣の方がほとんどでしょう。だから、これをもう少しコンパクトにし、その代わりここへ出てきてやるというようなやり方を考えるとか、これが国会改革ということだと思いますよ」

党利党略? 審議のあり方
斉藤キャスター
「今日参議院で可決された来年7月に改選を迎える参院の選挙制度改革です。先月14日に、自民党は参議院の定数を6つ増やす公職選挙法改正案を参議院に提出しました。法案に反対する野党はと言うと、伊達参議院議長の斡旋案提示を要求しましたが、翌日の各会派代表者懇談会で、伊達参議院議長は『斡旋案の提示は不可能』と回答し、仲裁を打ち切っています。法案は6日に審議入り、今日、委員会で可決し、参議院本会議でも先ほど可決されました。いわゆる6増0減案ということですが、国会終盤になって、田﨑さん、なぜ突然出されたのですか?」
田﨑氏
「これはできるだけ審議時間を短くしようと。だから、最初から出すと、これはいろいろな意味で批判を受ける。これはよく考えると、多くの人が満足する案ではあるんですよ、自民党のほとんどが」
松山キャスター
「国会議員の中では?」
田﨑氏
「国会議員は納得する案。でも、一般の人から見たら、これは何じゃ?という案ですよ。だから、あまり論議の時間をとらないようにする狙いで…」
斉藤キャスター
「終盤に?」
田﨑氏
「終盤に」
斉藤キャスター
「えー…」
田﨑氏
「だいたいの重要法案の見通しが立った段階で出してきましたよね。作戦です」
松山キャスター
「現在、自民党案がこの参議院で可決されたわけですけれども、野党は一応、これに反対の立場をとっている?」
田﨑氏
「そうですね。本当に本気で反対しているのは、維新の会だけではないかなと。維新の会は、これは問責決議案を出したりしてやっていて、身を切る改革というのを維新の会はずっと言っていますでしょう。これに明らかに抵触する、真っ向から反対の問題ですよ。でも、自民党の中にはこの合区となる鳥取・島根・徳島・高知、そういうところからも代表が出せるようになるし。一方、埼玉の改選数、4ですけれども、3か?それを4にすると、これは公明党が各選挙区で1番苦しいのが埼玉です。そうすると公明党にとっても楽になるわけ。比例の定数を増やしたのは、鳥取や島根などからも代表を出せることになって、それを特定枠に入れるのですけれども。そうすると、他の比例代表の選出議員が文句を言うわけですよ。だから、文句言わないようにそれで定数を増やしちゃったという」
松山キャスター
「そのまま増やすと?」
田﨑氏
「増やすという。だから、とんでもない案、これは本当に」
松山キャスター
「伊吹さん、先ほど、野田政権の党首討論の話もありましたけれども、あの時も税と社会保障の一体改革をやる中で、自民・公明・民主も含めて身を切る改革と、要するに、国民に消費税増税の負担を強いるからには、身を切る改革もやるんだという話をやっていたのを思い出すのですけれども。そのための議員定数削減という話もずっと議論していたわけですけれども。そういった中で、今回、参議院の定数を増やすと、しかも、6もそのまま増やすという、この案が出てくると、国民からするとなかなか理解ができないと思うのですけれども」
斉藤キャスター
「逆のことをやっている感じがしますよね」
伊吹議員
「うーん、ちょっとなかなか、私に聞かれると答えにくいことなのだけれども。全体として議員の数を増やすということは国民の感情には合わないとは思うのですけれど。国の成り立ちがまったく違いますから、同じに論じられないのだけれど、アメリカの上院の場合は、ユナイテッド・ステイツですから、州ごとに上院定数というのは…」
松山キャスター
「そうですね、2名…」
伊吹議員
「2名と決まっちゃっているんですね。現在、日本では憲法の規定による法の下の平等ということに対して、具体的な利害がないと最高裁は受けつけませんから。投票権、代表の選出が、我々の人口が多いところは不当に差別されているという理由で訴えると、最高裁はそれを違憲と。違憲に対して何らかの答えを出さないといけないですね。それを今回こういう形でやったのだけれど。減らすというやり方もありますが、減らせば減らすほど、県単位の代表は出せなくなりますね。それをどうするかということが1つあります。それから、比例を4つ増やすというのは、実質的には3年に一度ずつしか選挙はないから、この次の比例の代表は2名しか増えないですよ。その2名が、自民党が必ずしも獲れるという保証は何にもないですね。それが先ほど、田﨑さんがおっしゃった、他の党にも内心は喜んでいる人もいるだろうということですね」
松山キャスター
「そうした中、自民党の中で若手のリーダーと言われてきた小泉進次郎さんはこういう発言をしていまして、これは先月6日の自民党の会議での発言ですけれど、森友・加計学園問題で結論が出せない中で、こういったこと…、この参議院の6増案ですね、『こういったことにはしっかり結論を出す自民党の今の姿、国民をなめてはいけない』と、案に身を切る改革をやらないで、こういう案を出してくるという自民党に対する批判ともとれる発言していますけれども。田﨑さん、こういった発言をどう受け止めますか?」
田﨑氏
「だから、小泉さんはある意味で、自民党議員の大勢の意見ですよ。今日来る前にある自民党の議員と話したのですけれど、衆議院議員です。参議院がやることに口出しできないんですよ。参議院の議員定数の問題で話し合っていて、そこで参議院で決まったことを覆せない、衆院側は。でも、この案は相当問題だという意識は強い。それは、小泉さんのみならず、多くの議員が共有していると思います。だから、今回の中身の問題と、もう1つ、伊達参院議長がきちんと仕事をしたかという問題も一方であるんです。2年前、衆議院の選挙制度改革、かなり難しい問題ですよ、その時は大島衆院議長はキチッと各党から話を聞いて、それで各党がしょうがないかなと思うところでまとめていったんですよ。伊達さんはそういうことはほとんどやられた形跡がない。そもそも伊達さんが参院議長になる時に、大きな問題はないだろうと、調整能力がないのはわかっているけど、しょうがないかなということで議長にしちゃっている。そのツケが現在になってまわってきている」
松山キャスター
「まさに伊吹さん、議長経験者としては議長のあるべき姿として、三権の長として、こういう場合の斡旋、まさにその役割というのはきちんとその権限を持って発揮すべきだと考えますか?」
伊吹議員
「そうですね。私は議長を2年やって、その時に最高裁の判決がありまして、第三者委員会のようなものをつくって、そこで押したり、引いたりしていたんですよね。私のあと町村さんがアレされたのだけれども、不幸にしてすぐお亡くなりになったので、大島さんがそれを引き継いでやってくれた。最後にそこに出た結論について、これは国会が決めることなので、内閣に了解をさせちゃダメだよということを、何度も僕は大島さんと話をしたことあるんですよ。最終的には国会が決めた通りのことを内閣が引きとって、公職選挙法の別表の改正をしたんです。今回もかなり前からそういう準備をしておかないと。現在になって突然、伊達さんに調整しろと言っても、伊達さんもやりようがなかったと思うのだけれど。議長は少し長い目で考えて、そういう準備をしておかないといけないですよね」

小泉進次郎氏らの国会改革
斉藤キャスター
「では、ここからは今後の国会はどうあるべきか、国会改革について聞いていきます。国会改革に向けた動きとして、先月28日、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長です、旗振り役になって『
「平成のうちに」
衆議院改革実現会議』が設立されました。会長は自民党の浜田靖一さん、会長代行は自民党の佐藤さん、国民民主党の古川幹事長。副会長は自民・公明・維新・無所属など超党派議員で構成されているということです。田﨑さんは一昨日、小泉進次郎さんに会ったということですが…」
田﨑氏
「ええ」
斉藤キャスター
「小泉さんが超党派のグループを立ち上げた狙いというのは、どういうところにあると思われますか?」
田﨑氏
「超党派でないと物事が進まないですね、自民党だけで議論していたのでは。だから、各党に呼びかけて参加してくださるところとは一緒にやろうと。もちろん、この議会制度を論議するのは、衆議院の議会運営委員会の中にある議会制度審議会、調査会でしたか、…でやるのが舞台ですよ。だから、そこは、正式のことはそこでやってもらう。でも、その前に現在のうちに国会でこういうことが問題なんですよということを国民に知らせる、あるいは報道してもらうということが大事なので、これを立ち上げたと。だから、平成のうちに全部やろうということではなく、平成のうちに、つまり、来年の4月末までの間に風穴を開けようという発想ですね」
松山キャスター
「いわゆる世論を喚起する形で、超党派で取り組むことによって世論に訴えていくという?」
田﨑氏
「うん。彼らが動き出すまでは、これはやらなければいけないねとは多くの議員が思っていてもなかなか結実しなかった。でも、小泉さんが動き出したことで、たとえば、衆議院の議運でペーパーレス化を一部進めようとか、質問主意書の出すのをもうちょっと、1日ぐらい長くしてもいいのではないかという、彼らが提案しようとしていたことの一部が実現しているわけです。それだけでも十分な成果があったと思っていらっしゃるようです」
斉藤キャスター
「伊吹さんは、小泉さんが旗振り役になって超党派で国会改革していこうという、この動きはどう見ていますか?」
伊吹議員
「若い人達が現在の国会のあり方について疑問を持って、こういうところを正していこうというのはいいのではないですか。ただ、田﨑さんがおっしゃったように、超党派の若手の議員がものを決めるわけではないので。彼らも各会派の構成メンバーですから、いろいろとここで議論したことを党に持ち帰って、党の意見として実現させないといけませんよね。そうしないと、単に自分達の存在をプレゼンテーションしているだけのことになっては、つまらないから、それが1つ。田﨑さんがおっしゃったペーパーレス化だとか、あるいは先ほどの国家基本問題調査会の党首討論のあり方、それの裏側にある予算委員会のあり方、質問を省庁に取りに来させるやり方。大臣は少なくとも、想定問答というのは基本的に見ずに答えるというのが、僕はそうしていたのだけれども、当然のことだと思いますよね。ただ、ある程度の基礎データは目を通しておかないといけないのだけれども。だから、あまり数字をちょっと間違えただとか、法律の条文がどうだというような細かなことで揚げ足をとるようなことをせずに、もっと政策の基本のような骨太の議論をしていくとか。こういうことは1つ、国会改革としてあります。もう1つは、国会の権威を高めないといけませんよね。憲法の精神を理解している国会議員がどれぐらいいるのかと。天皇陛下が開会式に来られると、国権の最高機関としての機能を十分発揮して、ということは必ずおっしゃる。国権の最高機関が国会だと思っている人は少ないのではないですか。内閣総理大臣だと思っているでしょう、ほとんどの人は」
松山キャスター
「それは憲法の条文にきちんと書いてあるわけだから…」
伊吹議員
「うん」
松山キャスター
「…そこを読んで?」
伊吹氏
「だから、そうする。たとえば、議員運営委員会に官房長官が必ず出てくるのか?副長官で済ますのか?そういうことも含めて、キチッとしないと。それは制度の問題ではないですよ。憲法の精神をどの程度理解して、その人の人間の値打ちとして、この憲法の精神をどういうふうに、この三権分立の下で守っていくかと。むしろあとの方が、僕はどんなに制度を変えても、このあとの方がいい加減だったら国会の権威は上がらないと思いますよ」
松山キャスター
「進次郎さんが自民党の中でもこういう提言をまとめているのですが…、『行政の公平性に疑義が生じた場合に国会に特別調査会を設置する』『2週間に1回、党首討論や大臣討論を開催する』と…」
伊吹議員
「うん」
松山キャスター
「『党首討論を夜に開催する』、これはたぶんテレビで視聴者が多い時間でということで言っているのだと思うのですけれども…」
伊吹議員
「うん」
松山キャスター
「提言を見ると、いわゆる現在の国会がスキャンダルの追及で予算委員会とか、全ての委員会がそれでストップしてしまうという状況を見ると、3つのトラックで動かした方がいいということを言っているんです。要するに、スキャンダルというものは特別調査会で別途扱うことにして、政策は政策で他の委員会できちんと走らせる。国家の基本政策にかかわることは党首討論でやるという、その3つを走らせるということですけれど。こういった案については、伊吹さんはどう考えますか?」
伊吹議員
「特別調査会を設置する必要がある場合は、たとえば、リクルートの特別調査会とか、ロッキードの特別調査会というのがありました。しかし、今回のものはそういう別に法的な刑事罰を科されるような話ではなく、注意深くやれば良かったとか、俺の友人だからしっかり見て俺のことを考えずにやってくれないと困るよということができていたかどうかという問題ですよね。だから、こういう制度で変えていくことではなく、むしろ国会議員の自覚に待つことだと僕は思います」
松山キャスター
「あとこの後段の部分ですけれども、より政策本位でやるということで、総理や閣僚の国会出席を合理化すると…」
伊吹議員
「うん」
松山キャスター
「要するに、質問を受けるはずのない閣僚までずらっと座っていると、長時間拘束をされるのは非常にムダだということで。それをもっと合理化し、きちんと必要な時だけ出席する形にした方がいいということだと思うのですけれど、このあたり、伊吹さんは?」
伊吹議員
「それは、たとえば、予算委員会の全閣僚出席は3日間あるのを2日間にすると。その代わり、内閣を代表しているのは総理大臣だから、総理大臣の党首討論を3時間にして1日やるというようなことは、制度として変えたらいいと思います。ただし、河野外務大臣がずっと座らされていて、俺の質問はせいぜい30分ぐらいしかなかったと言うのだけれども、これは確かにその通りで、それは松山さんや田﨑さんから言ってもらうことで、本人は、これは言っちゃいけないことなんですよ」
松山キャスター
「なるほど」
伊吹議員
「それは、なぜかと言うと、国会へ出している予算は総理大臣や財務大臣が出しているわけではないですよ。憲法を読めばわかるように、これは全国務大臣がこれで出しましょうということを決めているから国会に出しているので。だから、少なくとも1日か2日の総括の時は大変だろうけれども、建前としては全員が出ていかないといけないんですよ」
松山キャスター
「田﨑さん、進次郎さんなどがやっている国会改革の案ですけれども、これはなかなかよく言われる国会批判をうまく吸収して案にしているなという気がパッと見て受けるのですけれども…」
田﨑氏
「うん、そうですね」
松山キャスター
「どう見ていますか?」
田﨑氏
「だから、このうち特別調査会を設けると言った場合、野党は反対すると思うんですね。だから、なかなかこれは難しいでしょうから。ただ、党首討論を夜に開催するということは、これは真剣に考えた方がいいと思いますね。つまり、国会議員として多くの国民がテレビを観られる時間に討論するということが大事だと思うんですよ。そうすると、討論する方も真剣になりますから。これは、2014年の国会改革についても合意されていることですよ。これに本当に反対したのは、申し訳ないけれども、NHKと民放なんですよ。いわゆるゴールデンタイムをそこだけ空けられないということで。当時の関係した議員に聞きますと、中心となった議員によるとテレビ局側の問題があって。でも、当時に比べて、この番組をはじめとして、BSにおける政治討論番組というのは充実してきているわけで、その枠としてやることは可能ではないかなと。地上波で無理やりにやろうとする…」
松山キャスター
「そうですよね。このプライムニュースは喜んでやると思いますよね」

自民党総裁選の行方
斉藤キャスター
「こちら総裁選の出馬が取り沙汰されている方々です。田﨑さん、実際に今回は誰が立候補することになりそうですか?」
田﨑氏
「安倍総理は確実ですよね。石破さんもそうです」
松山キャスター
「確実?」
田﨑氏
「…確実に出馬される。野田聖子さんが推薦人20人揃うかどうかという瀬戸際に立っているのですけれども、たぶん揃えるだろうというふうに見られていまして。総裁選の構図としては、安倍総理と石破さん、野田聖子さん、その3人の構図になる。岸田さんについては派内で立候補したらどうかという意見があるのですけれども、僕は岸田さんと接触する限りにおいて非常に慎重な感じを受けています」
斉藤キャスター
「本人としては出る意欲というのをそこまで感じない?」
田﨑氏
「そこまではまだ踏み切れていない。派内で時間かけて調整しないと。岸田さん、他の派閥の領袖とちょっと違うのは自分で作った派閥ではないですよ。前から引き継いだ派閥、宏池会という良い派閥ですけれども。だから、麻生さんや二階さん達はオーナー派閥ですよ、自分でつくった派閥。に比べて、立場がそう強くないので、派内の意見聴取というのを非常に慎重についにせざるを得ない。だから、慎重ですけれども、結果は、僕は出ない可能性の方が高いと思って見ています」
松山キャスター
「なるほど。派閥単位で言うとどういう支持表明をするかわからないと、たとえば、竹下派とかがありますけれど、そのあたりがいつ方針を出すかにもよると思うのですけれども…」
田﨑氏
「ええ」
松山キャスター
「岸田さんが仮に立たないとなった場合は、安倍さん3選の動きというのは相当、確実視されてきちゃう?」
田﨑氏
「そうですね。これでこの通常国会が22日に閉幕すると、その直後に石破さんが出馬表明すると。そのあとに岸田さんが自分でどう判断するか、3選を支持するのかどうか、可能性は低いですけれども、自分が出馬するというのも可能性としてはあるわけで、それをはっきりさせる。それを見ながら安倍総理が出馬表明の時期を考えられると思うんです。そういう流れの中で、次に竹下派がどうするのだということ。竹下派の態度表明が1番遅くなるような感じがしますけれども」
松山キャスター
「伊吹さん、どうですか、今回の総裁選?」
伊吹議員
「戦後70年で、日本は、これは非常に平和のうちにきたから。イタリアだとか、ドイツでも、アフガンだとか、あるいはイラクに兵隊を出させられたでしょう。ただ、日本はそういうことはなくて、ここまでこられた。憲法の制約もあったでしょうが、核兵器も持たない、憲法9条があるから、爆撃機、航空母艦、ミサイルは持たない。これでずっときて、平和で来たというのは当たり前だと日本人は思っているのだけれど。現在、独裁国家が核兵器を日本海を隔てて持っているという極めて深刻な時期にきているということを多くの国民がどう考えておられるか。日本が現在のような安保政策に関しての発言権は当然ないわけで、経済力の発言権はありますけれども。その時に、日本がここまでこられたのは日米安保条約というアメリカの強大な軍事力があったと。だから、今回、北朝鮮のことについても、日本の代理人はアメリカですよね。この代理人がなかなか一筋縄ではいかないおじさんが大統領だから、ここは非常に難しいところですよね。だから、代理人は、最後は頼まれた人もよりも自分のことなんですよ。そうならないように懸命の努力をしているというのが現在の日本の現状ですね。その時に、まず1つは、やれ加計だとか、森友だとか、そういうことで傷つき果てた安倍さんをアメリカに送るということは日本の国益に合うのかねという配慮がどこまで野党にあるのかなと。それから、もう1つ、今度それでは誰か新しい総裁、つまり、新しい総理大臣が出た時、私が今度、日本の総理大臣ですと言ってトランプさんと会った時に、フー?というような感じですね。だから、僕は必ずしも安倍さんのやっていること全て良いとも思わないし、経済政策とか何かについて、所得制限もつけないような教育の無償化というのは本当に良いのかなと、幼児教育の無償化というのは良いのかなと思いますけれども。全ては日本が平和で安全でなければ、経済も社会保障も教育も議論する余地がないわけでしょう。その時に『トランプのポチ』だとか、対米追随外交だとか、あるいはゴルフばかりやっているとか、国会でさんざん言われるけれど、それだけの積み上げをしてきているということは、評価する人がかなり多いのではないかと思います」
松山キャスター
「まさにこの外交・安全保障が東アジアで非常に大きく動いている時、まさにそういう時に、トランプ大統領との緊密な関係を築いている安倍総理が今回、再選されるとしたら、2021年までの9年間という長期政権になりますけれど。まさにその長期政権であるからこその安定感、そういったものが現在必要とされていると?」
伊吹議員
「うん、まあ、それと同時に、安倍さんは今度どうなるかわからないけれども、もう3年間以上はないわけで、3年の間にまた何が起こるかわからないから。日本国というか、日本国民全体のことを考えれば、次の人を養成しないといけませんよね。円滑に、トランプさんに会った時に、あっ、この前アレでしたね、という関係ができないとね。これはちょっと特殊な人だけに、なかなかこれをこなしていくということは難しい作業だと思います」
松山キャスター
「そこがはっきりするまでは安倍さんが続投することが望ましいと?」
伊吹議員
「いや、その続投することが望ましいとは私は立場上、言いませんけれども。そういうことをよく考えないといけないのではないかという気がします」

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏の提言:『党利党略を少なく』
田﨑氏
「党利党略を少なく。なくせと言っても、これは政治そのものが党利党略で成り立っていますから難しいです。だから、できるだけ少なくするようにする。これは与党も、野党も。野党を取材していると明らかに来年の参院選狙いで、どれだけ政権を追いつめるかということを主眼にして考える政党もある。しかしながら現在、何を国会で論議すべきなのか、国民にとって何が必要なのか、そういうことをじっくり考えて、国会で対応してもらいたいですね。そういう意味で党利党略を少なく」

伊吹文明 元衆議院議長の提言:『法学び、憲法(のり)の精神(こころ)を大切に 政(まつり)おこなう 民と語らい』
伊吹議員
「法学び、憲法(のり)の精神(こころ)を大切に、民と語らい政(まつり)を行うと、こういう気持ちで特に若い人達にはやってもらいたいということですね。国会改革、それから、政府と与党との関係、これは全て憲法を十分に読みこなして、しかし、解釈はいろいろあるから、憲法の精神をよく理解して、物事に処していくと、一度選ばれたからといって全て主権を預かっているわけではないから、その時、その時、民とよく語らうということで、政治に対応してもらいたい」