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2018年7月6日(金)
米中貿易『新冷戦』か 4兆円弱『制裁関税』

ゲスト

片山さつき
自由民主党政務調査会長代理 参議院議員
田村秀男
産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員
デーブ・スペクター
放送プロデューサー
韓暁清
日中新聞社長

制裁発動へ…米中摩擦『序章』 トランプ×習『思惑と本音』
生野キャスター
「アメリカと中国は今日、双方の制裁措置として、340億ドル、日本円でおよそ3兆7000億円相当の輸入品に対して25%の追加関税を発動させました。激化する貿易摩擦は新たな対立構造につながっていくのでしょうか。政治家・専門家の方をゲストに迎えて、米中首脳の思惑と本音に迫ります」
松山キャスター
「これまでのアメリカと中国とのやりとり、ここでちょっと振り返ってあらためて見てみましょう」
生野キャスター
「4月にUSTR(アメリカ通商代表部)が500億ドル相当の中国からの輸入品に対する25%の追加関税リストを発表。中国は中国商務省が500億ドル相当のアメリカからの輸入品に対する25%の報復関税リストを発表しました。米中通商閣僚会議が行われまして、共同声明が出されるなど両国で落としどころを探っていたのですけれども、5月末、トランプ大統領が最終的な追加関税リストを6月15日までに公表するようUSTRに指示。6月15日から、米中が相次ぎ、500億ドル相当の輸入品への25%追加関税を発表しました。伝えていますように、今日、米中がともに340億ドル分の輸入品へ追加関税を発動ということになったわけですが。その内容を見てみますと、アメリカは自動車や航空機、情報通信技術関連の製品など818品目。中国は大豆や牛肉、自動車など545品目に及びます」
デーブ氏
「貿易戦争をやると誰も得しません」
片山議員
「そうですね」
デーブ氏
「まったくない。しかも、逆効果。中国をきっかけにメキシコやカナダだってやりだすということも十分考えられる。関税だけではなく、中国だと反撃は別な形もありまして、たとえば、入ってくるものの検査を増やすとか、サクランボを1週間、港で…」
松山キャスター
「遅らせる…」
デーブ氏
「そうです。腐ってしまってもう売れない。そういうことをやるんですよね。昨年、韓国でロッテがミサイルの基地の土地を提供したら、中国にあるロッテのデパート、全部、消防法の違反で、反則で、閉鎖させたり、そういうことをやるんですよ。つまり、金銭的に何かペナルティにあるだけだったらまだにしても…」
デーブ氏
「それと、全ての人間は考えてみたら消費者ですよね。そうすれば、1番肌で感じる問題なので。アメリカで物価があっという間に高くなくなってしまったら、誰のせいだということ」
松山キャスター
「田村さん、今回、トランプ大統領は事前に500億ドル規模の関税措置というのを方針として出していて、今回、実際に発動したのがおよそ340億ドル分ということで。今回、この規模の関税を発動した、これをどう見ていますか?」
田村氏
「これはもともと知的財産権の侵害について、500億ドル分の中国からの輸入品について25%の関税をかけるということを以前からこう言っていて。それはもう着実にやる、その第1弾が340億ドルですね。間もなく160億ドルを追加する。中国もまた同じように。その様子を見ていますと、私は何かある種のポーカーゲームを思い出すんですね。つまり、アメリカが500と言えば、中国も500。今度、それを見て、トランプ大統領が何を言ったかと言うと、わかった、今度は2000億ドル追加すると、こう言って。そうすると、これは、習近平さんが困るんです。なぜかと言うと、要するに、アメリカ側に2000億ドル追加して、それでボンとポーカーで詰まれたと、対抗する中国が輸入するアメリカの製品の総額は、1700億ドルしかないです。だから、トランプさんは2000億ドル積んで、ほら、参ったろと、つい最近の、また話では、さらにこれに、2000憶ドルかな、追加すると。要するに、トランプ大統領の考え方は、最終的に積み上げていくと、要するに、どれだけ追加関税をやればというその対象額ですね、これは、実に5000億ドルを超えちゃうんですよ。5500億ドルぐらいになりますね。そうすると、アメリカが中国から輸入している輸入の総額、これがいくらだと思います?5200億ドル…」
松山キャスター
「ほぼ全額…」
田村氏
「つまり、全額やるぞと。要するに、だから、そういう意味で、単なる、これはゲームではないぞと。アメリカはもう本気だぞと。全面的に中国から輸入する製品及び、いろいろなもの、これに関しては全面的に高い関税をかける、そういう構えを既に見せていると、そういうことですね。しかし、アメリカのその狙いは何かというのをあまり軽く、ゲームだというふうには見てはいけないですよね。なぜかと言うと、要するに、トランプ政権の考え方としては、だから、とにかく中国そのものを、金と技術、ハイテクですね、両面で中国を抑え込むんだという、その狙いがある。中国側も、だから、トランプ大統領の強硬策というものについて、現在、一生懸命、分析を進めていると思うのですけれども、ちょっとやばいなと。相当これはビビっている話ですね」

習国家主席の『真の狙い』
生野キャスター
「田村さん、エスカレートするアメリカの制裁に対して中国はどう対抗しようとしているのでしょうか?」
田村氏
「習近平さんは6月の確か20日ぐらいですか、北京に来たアメリカやヨーロッパの大手の企業のトップですね、20社ぐらいの首脳が来たのですが、この人達に向かって何を言ったかというと、我々は殴られたら殴り返す。西洋のキリスト教のことでしょうけどね。左の頬を叩かれたら、右の頬を差し出すというのが西洋にあるけれども、私は違うのだと。殴り返すと、はっきり、こう言ったんですよね。しかし、先ほど、私が申し上げたようにトランプ氏もそれに負けてはおらずに、では、500億ドル、次はさらに2000億ドル、さらに3000億ドルを…、そうしたら中国は切るカードがなくなると、あるいはこれがもうなくなるわけですから、対抗手段がとれないわけです。だから、この点は非常におそらく習近平政権も困っていることだろうという気持ちは察するのですけれども。1番困るのは、上海の株式市場や人民元の下落とか、こういう金融の方でしょうね。これは既に、だから、上海株がドンドン下がる。それ以上に、人民元の下落を実は止めようとしているんですよ、人民銀行は。ところが、止まらないです、中国の人民元のレート、為替のシステムは管理変動相場制と言いまして、要するに、中央銀行の人民銀行が、その日、その日のレートを決めるんですね。決めた基準レートに対して、上下2%しかこれは動かさないということになっていますけれども。それで何とか食い止めようとしているのですけれども。要するに、これは相場に介入したり、いろいろなところに指示を出すわけです。それにもかかわらず、下がるというのは、それだけ資本の流出、逃避というものが増えているんです」
片山議員
「そう、それが確かに1番怖いと思いますね」
田村氏
「これは、ピーク時は1兆ドル超えを超えたんです、中国の資本逃避は。それで、外貨準備が一時4兆ドルあったのが、一挙に3兆ドルを切ろうとしたんですね。現在それでも3000億ドルぐらい、私が計算したら、3000億ドルぐらいの資本逃避が起きています」
松山キャスター
「ある意味、中国は外国の為替との取引に影響を受けない、元の、その力だけでの経済圏みたいなものも模索していますけれども」
田村氏
「いや、だから、それをやるしかないから。もう習近平さんは一帯一路とかいう経済圏構造を発表して、それでIMF(国際通貨基金)のSDR、特別引出権と、ちょっと難しそうな…、要するに、世界的に国際通貨として認定される国際通貨クラブですね。その中に、人民元を入れたんですよ、無理やりね。それが、なんと日本円よりもランクが上になっちゃったんです、一挙に。だから、ドルとユーロ、その次は人民元になっています。しかし、実際に、人民元が現在そんなに使われているかと言うと、実は資本逃避が、本国の中国人が人民元を見放すというのが、これが資本逃避です。それが現在増えるでしょう。実際に中国への貿易、たとえば、貿易における、自民元における決済シェアというのは、これは数パーセントしかないです。ドンドン現在減っています。つまり、国際化と言っても、これはなかなか容易ではない。なぜかと言うと、我々が人民元の預金口座を開設することは金融機関によってはできるかもしれませんけれど、しかし、運用の方法がないです。それから、1番、手っ取り早い方法は、中国の大手の銀行の中国国内の口座を我々が持てばいいわけです。そうしたら、だいたい利回りで5%ぐらいの金利がつくと…」
片山議員
「うん、そうですね」
田村氏
「ところが、それを引き出して、日本に送金しようとしたら待ったがかかります。だから、要するに、国際化っていうのは自由化のことですよ。それをだけど、自由化をせずに、ただ自民元を使えというふうにやる。これはどういうふうにやるかと言うと、結局、弱いものに対して人民元で融資をする。それで融資をする銀行は中国の銀行です。それでそれを回収するのも中国の銀行です。しかし、債務が残るかどこかと言うと現地の政府です。こういうことで、今、大問題になっていると」
松山キャスター
「払えなくなったら…」
田村氏
「インフラを、だから、全部、100年間ぐらい、そのまま中国のものにしてしまう、それが、だから、現在、大問題になっていまして。最近では首相に返り咲いたマレーシアのマハティールさんが、もう中国の関係の鉄道プロジェクト…」
松山キャスター
「高速鉄道をやめると…」
田村氏
「これはやめると言っている。これは国益なのだとああいうふうにおっしゃったわけですが。本当にこれは中国の習近平さんのそういう拡大路線が、強引すぎるんですね」
松山キャスター
「片山さん、たとえば、このあたり、中国は人民元というものの国際化というのを狙って、ドルに影響を受けない経済圏みたいなものをつくろうとして一帯一路とかをやっていますけれども、どうもそれがあまりうまくいってないのではないかという」
片山議員
「つまり、日本が1980年代に360円体制からまさにプラザ合意、ちょうど私が役所に入った頃ですよ、ニューヨークの。そこから大変な荒療治をして、通貨の自由化、完全自由化、ある意味で外資の受け入れというのも、東京証券取引所に外国系の証券会社をワーッと入れた。米銀は前からいますし。相当犠牲を払って、国際化することによって国内と国際のギャップをなくし、今言ったようなことが起きないようにして、20年かけたんですよ。それでまさに様々なショックにあっても、円の国際化がある程度行われており、円が完全自由通貨になっている。つまり、支払いも全部これでできる通貨に一人前のドルとユーロと円という3大通貨にしたことによって助かっているのですけれども。そこまでの犠牲者のノウハウも払わないうちに強力な輸出依存体制で取引量だけが増え、だけども、アメリカ、日本を含めて海外の金融取引を自由化していないから、現在でも外資系の銀行が自分達の進出企業以外に貸しているかと言うと、あまり貸していない。ようやくそれで、元で国内商売をしようと現在から始めるんです。つまり、20、30年、日本がかけてやってきたことをこれから数年でやる調整ができるかどうかですね。中国の人民銀行はそのへんがわかっていますよ。ええ、ですから、認識していたのだけれど、そこは共産党も国内の国営企業ほか様々な利権を守るため、そこまでの血が出るような構造改革をやれていないですよ。そこが1番のネックになっているし、この間、保険会社も潰れましたけれども、保険会社がキチッと営業できるようには相当ソティスフィケイトされた運用とガバナンスがいるのですけれど、そこまでいっていないですから。このへんをこれから全部経験することになると思います」
松山キャスター
「韓さんにも聞きたいのですけれども」
韓氏
「そもそも、そういう1950年の時のアメリカと日本は、そういう協議ということがあって、円高に、そういう、いろいろ国債というか、いろいろな問題で、円が360円から急速に98円…、98円までに値上がりました。そうすれば日本は非常に輸出が苦しくなっているんです」
松山キャスター
「円高がずっと進んで、バブル経済…」
韓氏
「そうですね。それは、中国はどうも日本の遅れた20年ということは非常にテーマにして、どういうふうに自分が繰り返ささないような、そういう失敗を、そういう…」
松山キャスター
「日本の失われた20年を参考にして、それを繰り返さないように?」
韓氏
「そうです、はい。そうです、繰り返さないようにいろいろ努力していた。しかし、中国の経済というのは、改革開放以来、最初は土地の改革から始まったんですね。土地を皆に分譲して、そういう皆、個人が、そういう会社が皆、それを売り出して、また、銀行の担保として、いきなりゼロ円から億万長者になる人が少なくないですね。それは、中に、いろいろな保険とか、いろいろな産業は同時に出発して、しかし、その全ては経験のないままで一気に膨張したんですね。膨張したのだけれども、その中身はしっかりしていないんですね。だから、その20年を経験した方は、結果は大きな、不動産の、皆、だんだん潰れているんですね。そういうようなところはたくさんあるんです。そういうことになると、人民元というのは非常に強くて非常に弱いですね。強い理由は中国の人口が多いですから、皆、頻繁に国内で取引していて、活発化しているんですよね。だけど、また、アメリカのそういうUSドルは、中国のそういう貯金が世界一高いと言われるんです。だから、現在、輸出・輸入に対して中国のドンドン、国民の安いものを輸出して、そういうものが買って、そういう蓄えて、そういう中国の膨大な、そういう資金力になっているんですね」
松山キャスター
「デーブさん、どうですか?中国がドル支配の経済に対して、ある意味、対抗する形での人民元の世界を広げようとしている…」
デーブ氏
「あと、例の銀行もそうですね。でも、世界の街金みたいになっているんですよ。悪徳で貧しい国を利用して、先のことがあまりわからないまま進めているのですけど。そこで習近平氏が、世界制覇したいという願望があるのですけれど。例のジンギスカンのシルクロードをつくったり、いろいろやるのですけれども。一方、国内の事情では相変わらず検閲がある、警察国家に近い、いろいろな問題がたくさんある。アメリカも偉そうなことを現在言えないのですけれども、せめて自由なんですね。それがあまりも矛盾してくるんですよ。そんなに世界に影響を起こしたいならば、モラル的にどうなのかなという別の問題もたくさんあると思うんですよね。つまり、それがセットだと思うんです。そこまでやるのだったら」
松山キャスター
「中国はアメリカとの激しい貿易摩擦の一方で、日本には若干すり寄るような動きも見せていまして。今年も5月に金融危機が起きた時にはお互いの通貨を融通し合うスワップ協定というのを再開するということで合意しまして、このスワップ協定は2013年には日中両国の関係悪化を受けて1回は失効していたのですけれども、今回、中国が日本との関係改善を急ぐという形で1度失効していたものを再び合意に結びつけたと。これを見ると、何となく日本に対しては対米貿易の問題での焦りもあってか、日本にすり寄っているという印象を持つのですけれども」
田村氏
「いや、これは日本銀行が、要するに、円をすぐサッと発行して、これを中国の人民銀行に渡すわけですね。その逆の場合もあり得るわけですけれども。要するに、円と元をそれぞれ交換するわけです。要するに、お互い発行したヤツを。円の場合は、これはすぐにドルに転換できるわけです。従いまして、中国にとって、日本円というのはドルと同じです。だから、日本銀行が機動的に巨額の円資金を発行して、それでポンと人民銀行の口座に振り込んでくれれば、中国は金融危機の時に1番助かるわけです。これが通貨のスワップ協定です」
片山議員
「ですから、日韓の場合は、現在のいろいろな慰安婦とかもあって我々は反対しているのですけれど。現在、中国経済は確かに大きくなっていて、おっしゃったように、邦銀がこれだけ、…元建てを増やしているわけですよね。ですから、そこで先ほどの…」
松山キャスター
「それは何を表しているグラフですか?」
片山議員
「これは邦銀による人民元建ての与信ですよ。だから、元建てで与信しているわけですよね。ですから、そこで元がある程度の状況に陥ってしまった時に、我々の日本の日の丸印の銀行にとっても、このスワップがあることはある程度、安全弁になるという意味なので、今回は非常にお互いにある程度Win‐Winになる」
田村氏
「だから、それに、私に言わせれば、ちょっと騙されたなと思いますけどね」
松山キャスター
「どのあたりが?」
田村氏
「元が、要するに、これは元が不足するということが理由なんですね。要するに、元が不足するから、だから、日本銀行が円を発行して、それで元を入手する。それで、先ほど、片山先生の言った日本の銀行や企業にその元をお渡ししてあげるという話ですけど。そんな必要はないです。要するに、円さえあれば、これはどこでも使えますから。だから、実際、現実問題として確かにすぐに元の資金をよこせとか、元の資金と言えば、元の資金を中国の銀行から調達できないという状態です。これはどういうことかと言うと、要するに、元のその価値がドンドン下がっているとか、あるいは中国の金利が急騰している時。これはまさしく金融危機の時です。そういう時、だけど、誰も皆、元をほしいと思いますか?円さえあれば…」
松山キャスター
「そこまでの国際通貨にはなりきれていないと」
田村氏
「ええ。だから、そういう、私は、中国側は、明らかにこれはもう弱っている話だと。金融危機に備えなければいけないということで。だから、現在、アメリカだって頼りにできない。だから、結局、1番頼りになるのは日本ですね。だから、安倍総理に対して非常に最近ソフトモードになる」

トランプ『WTO脱退意向』
生野キャスター
「さて、トランプ大統領が2日、WTO、世界貿易機関について『もしWTO、世界貿易機関が我々を適切に扱わなければ何かするだろう』と発言していますが、同日ですけれども、サンダース報道官は『大統領はWTOのシステムに懸念があり、公平でないと考える面が多くあると明言している。我々はシステムの改正に取り組んでいる』としています。デーブさん、トランプ大統領がWTO脱退の可能性を示唆したことについてはどう考えますか?」
デーブ氏
「トランプ大統領を見ますと、まるで歴史は自分が就任してから始まっていると思っていて。過去が何であろうと、あるいは自分の政権が終わったあとの、先々はどうなろうと、関心がなく、現在です。特に、たとえば、FOXニュースが自分のことをどう伝えるかで、全てオバマ大統領、あるいはそれ以前につくったものを覆すのが彼の主な目的なんですよ。それが果たしてメリットがあるか、ないかはあまり考えていない。移民制度も全部そうですよね。そういう意味で考えると、WTOは、なんだ、世界に舐められている、NATO(北大西洋条約機構)まで、NATOまでディスしているんですよ、長年の味方国を。エストニアのアメリカ大使が辞めたんです、もうやっていられないと。これは国務省の人ですよ」
片山議員
「そう、プロパーの外交官ですよね」
デーブ氏
「そう。こんなにお世話になっている相手国を平気でけなす、揶揄する大統領とはもう一緒に働きたくないと辞めたぐらいですよ。だから、WTOはそれと同じレベルで、本当はせっかくここまできたのに、いじることないのにとにかくいじるためにやっているという、単純計算だと思うんですよね」
松山キャスター
「アメリカの中では、トランプ大統領は、ああは言ってもまだWTOという枠組みに残るということも一方では言っているようですけれども…」
デーブ氏
「はい」
松山キャスター
「WTOに残ることの重要性を訴える人というのは、現在のアメリカの中ではどうなのですか?そんなに多くないですか?」
デーブ氏
「もちろん、是非論、冷静に比較したりしていますけれど。もともとつくった目的は、日米摩擦時代あったように、くだらない喧嘩をしないためですよ」
片山議員
「そうです」
デーブ氏
「揉めごとをしないために、ちょっと整理してくれると。間の仲裁役もやってくれるから…」
片山議員
「うん、パネルもつくってね」
デーブ氏
「そうです。マイナスはほとんどないと思うんです」
片山議員
「キチッとした、その貿易、たとえば、急に国内産業が雨のような嵐によって困るようなことになったら、それにストップをかける制度とかもあるわけですよ。アンチダンピングとかもある。ただ、それがおそらく『アート・オブ・ザ・ディール』という、トランプさんの伝記を読むと、彼の取引のやり方というのは最初にひっぱたくやり方だから、それはWTOによってつくられたシステムとは違うから。一方的措置、たとえば、かつてのアメリカがやったスーパー301、これはWTOができた時、これは違反だからということでさすがに延長しなかったけれども、そういうものをもしかしたらやりたいのかなと、数量制限を飲ましたいのかなと。米韓FTA(自由貿易協定)のサイドで韓国が飲まされましたよね、タイムラインごとの。実際、それは大混乱に陥っているんですよ。量を切るというのは、だって、それは通関の場所が止まっちゃいます。本当に7割を超えないのかどうか。だから、現在、大変、韓国側はこれを後悔していると思うのですけれど。日本側は、日米通商摩擦とかでありとあらゆる経験をしたうえで、ああいうアンチWTOの制度は入れないと、あくまでも話し合いで、我々は投資もしているし、ということで。現在は、止まっていますけれども、だけれども、それは今度の自動車に対する調査が8月ぐらいに出てきて、その時にどういう結果が出るか、非常にそれは大きな起点ですよね」
松山キャスター
「もともとWTOの精神は自由貿易を多国間でやるという精神があって」
片山議員
「そうですね」
松山キャスター
「一時期、たとえば、クリントン政権の時代はアメリカとか、欧米諸国のグローバライゼーションにとって非常に良いものだと言われて、日本は当時、ハゲタカファンドとか言われて、かなりバブル後に痛い目にも遭いましたけれども。その精神は、アメリカの利益にも適っているという精神でやっていたと思うのですが。ここにきてトランプ大統領、トランプ政権がWTOと距離を置き始めた、これはどういう変化ですか?」
片山議員
「それは、ですから、現在、中間選挙を踏まえて、有権者のアメリカの1番の関心は、ここのところは移民が来ていますが、その次は経済で、言った通りに、Make America Rich Again、Great Againにするのかと。経済的に減税はやってくれた、ヘルスケアはちょっと中途半端な形だと。アメリカはもっと輸出も増やして所得を上げられるのかというところを見ているから。少なくとも短期的な結論を出したいわけですよね。農業地域はもう悲鳴をあげていますけれども、GDP(国内総生産)に占める割合は低いですよ。ですから、共和党の大物で農業地域の州から出ている人、皆、反対していますよ、今回の一方的措置に。それは、自分のところの有権者が苦しんで反対しているからですよね。だけれども、全体としては、スーパーハイテク産業も含めて守られる部分もあるかもしれないという計算でやっているのですけれども。これから実際に今日、歴史的に発動して、貿易取引が行われて、1か月、2か月経って、11月までの間に思ったよりも酷い実害があるようだったら、これは変えてくるかもしれないし、そういう部分は今回強いと思いますよ、まだ」
松山キャスター
「デーブさん、でも、一部のアメリカの農業州では、報復関税によって被害を受けるわけで、反対の声を上げてくると思うのですけれども。トランプさんは中間選挙を考えた時に、そういった州は実はもうたいして重要ではないと。それよりも中西部の工業州、いわゆるラストベルトと言われるような、そっちの方に目を向けているから、こういう政策をとっていると、そうは見えませんか?」
デーブ氏
「最初から結果がもう決まっているような州だってあるわけですからね。たまには浮動票で変わる可能性もありますけれども。ただ危険なのは、メキシコなどが共和党の知事がいる州を狙って、関税をもうやり出しているんですよね、既に」
片山議員
「そう、やっていますよ」
デーブ氏
「そうすれば、懐が痛いところになる。先日、誰でもわかるハーレーダビッドソンの人気バイク、日本でも愛好者がいますけれども…」
片山議員
「移転を発表しましたよね」
デーブ氏
「あまりにも高くつくるのはもう馬鹿らしくなって、ヨーロッパに…。これは大失敗ですよ、大失敗ですよ。だから、彼はそういう記者会見とか、囲みで、ラリと言うのですけれど、そのカメラの前で、やってやったということで、あとのことは何も考えていないんですよ。ただ、彼のブラフを気にしないで、どうせやらないと思ったら、今回のように夜中から始まる、発動する、関税は実行するのですから」
片山議員
「そうですよ」
デーブ氏
「そういう意味では、甘くもう見てはいられないですよね」
松山キャスター
「韓さん、WTOを仮にアメリカが脱退すると、本当に脱退するという話になった場合、中国はそれをどう受け止めるのですか?」
韓氏
「今回は、トランプさんのそういうWTOを脱退するというような、そういう吠える時ですよ。自分が生きるには全てルールを違反して、何も関係なく約束を全部覆して、全部、自分の歴史が始まるというような、そういうようなやり方です。彼が入ることによって皆、アメリカはハイテクの技術と、アメリカの農業というものは、世界中にいろいろ安く売って、非常にそういう大量に売れるんですね。現在、食料が足りない国はたくさんあるんです。それは皆に非常に役に立っているんですね。中国にとって、中国はそういういろいろな知財の小物をたくさん中心として製造しているから、一般のそういう民間用品は、おもちゃとか、衣類品とか、そういうようなものが中国は人口が多いから、そういうような知財のものがたくさん売れれば、そういうような数になるということですよね」
松山キャスター
「中国は、WTOにあとから入ってきた国ですけれども、現在はWTOのリーダーとしてやっているのだ、みたいな雰囲気のことを言い始めている…」
片山議員
「うん、そう、だから…」
韓氏
「中国は国が大きいから、たくさんのモノが売りたいんですね」
田村氏
「いや、ちょっと…、まず6月の初旬にカナダのケベックでG7サミットというのがありましたね。あの宣言文を読んでみなさいと、何が書いてあります。要するに、アメリカも入っての宣言文をつくって、その中に貿易宣言というのが、これが1番重要な部分です。その貿易宣言で、ルール違反をやって、知的財産権を侵害し、技術を盗み、それでルール違反の大規模な国家補助金によって、それで自国の産業を優先しようとしている、それはけしからんと」
片山議員
「まさに…」
田村氏
「これを直せと、これはもうまさに中国のことです。それから、他方で、WTOのルールも、だから、変えなければいけないと、これも書いてあります。つまり、一応ああいうふうに見かけは、何かアメリカが保護主義で、中国がいかにも自由主義みたいな間違ったことを皆、こう言っていますね、多くの人が。これは真っ赤なウソですから」
片山議員
「いや、ですから、その通りで…」
田村氏
「…宣言を見ればよくわかる話です」
韓氏
「中国はこれまで発展途上国のそういう身分で、現在の市場に出ているんですね。だから、これまで未曾有のような、そういう経験と、未曽有の、そういうものをたくさんあふれた。国民は秩序がわからないままで、調査権の問題とか、ルールをつくるのはたくさん恥ずかしいぐらいの、私も中国の国民ですので、それは感じたんですね。中国政府はそれを根本的に直そうとして非常に努力していますよ」
松山キャスター
「片山さん、どうですか?」
片山議員
「よく私はこれを国会質問でも使うのですけれども。このブルーの部分が世界の貿易経済秩序をつくったアメリカ、G7、日本も入っているけれど、市場経済・自由貿易・民主主義国家と言える国。この割合がジリジリ、ジリジリ下がってきて、その中で、上のまだ国家規制が強い国、実質的に。中国はWTOに入ったけれども、まだ多くの規制、政府調達もまだ入っていないから。そういう国を全部上に分類する、こちらが増えてきていて、成長率が高いので。ここは私達が、無理かもしれないけれども、アメリカにTPPに戻っていただいて、良いルールで戦ってほしいと思っているのは、こちらのリーダーにアメリカが座る必要が絶対的にあるんですよ。それを、安倍さんも一生懸命いろいろなルートで…。ただ、アンチ・オバマ、オバマさんがやったことは全てダメということで。ただ、1度だけ、TPPもアメリカにとって有利ならば、というツイートは1度だけしているよね」
松山キャスター
「トランプ大統領、はい」
片山議員
「ですから、この数値を甘く見ちゃいけなくて。これが、だんだん赤が増えるようだと、いったい誰がルールメーカーなのかが脅かされてしまって、我々はこちらで育ってきた国ですから、むしろアメリカがぶれるようなことがあったら、こちらにアメリカを引き戻して、がんばらないといけない」
松山キャスター
「世界全体の貿易システムが変わるかどうかの瀬戸際にきている?」
片山議員
「そう、その通りです」

多国間主義と保護主義
松山キャスター
「田村さん、アメリカがどちらかと言うと2国間での貿易を主張して、その貿易についても関税合戦みたいなことを本気でやっている状況からすると、日本は多国間貿易を志向してTPP11とかをやっていますけれども、日本として現在対応はどうあるべきだと?」
田村氏
「現在のTPP、あるいはWTO重視というのは、これは日本の母線として、実にそれしかないだろうと私も思います。しかし、アメリカの2国間主義というのは、これはもとよりある話で。つまり、私も1980年代にアメリカにずっと駐在していましたけれども、あの時、レーガン大統領、日本に対して徹底的に2国間主義というか、301条。それから、クリントン政権になって、また、これと。確かにあの時に、特にレーガン政権の後半からブッシュ政権にかけてですけれど、これはお父さんの方、あの時に何をやったか、要するに、日本の半導体とか、スーパーコンピューター、これがアメリカの国家安全保障を揺るがすものだということで…」
松山キャスター
「まさに現在の中国と…」
田村氏
「ちょっと似ていますね。ただし、現在の中国は、だから、それに対抗策をとるのですけれど。日本はとにかく何とか理解して、ご勘弁を、ということで、譲歩を重ねたわけですね。いずれにしてもアメリカは、たとえば、戦後生まれたGATT(関税貿易一般協定)ですね。これがWTOの前身です。これも議会は批准しなかったんですよ。つまり、アメリカはもとより2国間主義の国です。だから、それが本来のアメリカに戻ったというだけの話だと。ここはある程度、そういうふうにちゃんと見た方がいい、これは現実ですね。だけど、WTOやTPPで日本は多国間でいくというのは、これはまた日本の1番とるべき最適の選択です。今回、だから、米中の貿易戦争、もしこういうことがあって、たとえば、日本はどうすべきかとなると、私は中国が買わないという大豆を、もう大量に安く買い叩いて、豆腐を安くすればいい、ぐらいの、日本は思い切りがなければ、これはまた対応できないですね」
片山議員
「…豆腐は8割方、国産大豆を使っているんですよ、こだわり」
松山キャスター
「中国は大豆の輸入のほとんどかなりの部分、半分以上をアメリカからの輸入で賄っていると思うのですけれども」
韓氏
「はい、そうです」
松山キャスター
「逆にそれに関税をかけるというのは、中国の国内の人民に対する負担を強いることになると思うのですけれども」
韓氏
「もちろんです」
松山キャスター
「そこは問題ないのですか?」
韓氏
「それはその国のそういう1つ、政策カードですから、国民はどういうふうになるか、また、それを増やせばいいですよ。現在、中国は皆、農村地帯はほとんど農業に専業せずに、皆、街に出稼ぎになっているんですね。だから、農業が空洞化しているんです。だから、現在、こういう痛い目をしたら、食は第一ということは初めて中国の皆様が目覚めると思います。だから、これまでほとんど輸入…、輸出ということで頼っているのですけれど、農業というものは基本的に安全保障で、安心安全なものを自分の国がつくって、国民の体と命を守るということが1番根本的なものですので。日本もそうなのですけれど、先ほど、田村先生がおっしゃった現在のアメリカは、それがレーガン大統領のそれ以前の前のそういう保護主義の方に、本来のアメリカの姿に戻った。クリントン大統領になってから、全てグローバル化にして、世界の皆様に、様々にそういう優遇政策を得たんですね。トランプ大統領は商人の出身だから、全てビジネスで、アメリカファースト、自分の会社もファーストというようなことで。シンガポールは先日、北朝鮮のそういう外交でも自分のホテルの中にそういうのを行ったんですね。そうなると、彼らは1番、経済力の強いところに尊敬されるというふうにも、そういう意味合いはしているんですね」
松山キャスター
「デーブさんはいかがですか?」
デーブ氏
「でも、グローバル化しているんですよ、やむを得ず。認めざるを得ないです。現在1つの飛行機をつくるのに、いろいろな国のところからパーツを集めて非常にうまくやっているんですよね。そこで思うのですけれども、たとえば、中国で不買運動が始まると、ディズニーランドに行かない。ディズニーランドは中国の法人がやっているんですね、日本と同じように。コカ・コーラだって中国の会社がやっていて、権利料だけちょっと払っているというだけですので。だから、ナンセンスです。もう1つは、アメリカの生活者ですけれども、モノが安く中国から入る、あるいはマレーシア、インド、どこでもいいのですけれど、主に中国。安く入るからこそアメリカの国産のもの、アメリカで製造されているものを余計に買うとか、もっと大きい車を買う、もう少し高い家賃のところに住む、Win-Winですよ。誰も求めていないです、この貿易戦争は」
片山議員
「それはそうですね」
デーブ氏
「それは確かにいろいろな不満はある…」
松山キャスター
「他の国も影響を受けますから」
デーブ氏
「そうです。…不満があるにしても。こんなに中国人の方が日本に来て観光客として、嬉しいですよ、僕でも嬉しいんですよ。日本大好きで…」
松山キャスター
「デーブさんも嬉しいですか?」
デーブ氏
「それを見ていて、もう皆、大好きですよ。ただ、モノを買って帰るだけではないですよ。本当に気に入っているんですよ。そんなことがあって、この政治家達がやることによって、トランプさんがやる、思いつき的なことをやるだけでポシャるというのは、あまりにも惜しいと思うんですよね」

田村秀男 産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員の提言:『中国に自由化を求める』
田村氏
「現在の中国にもアメリカ、トランプさんは非常に強引だという見方ももちろんあるのですけれども。しかし、それに対して中国は非常に危機にさらされてしまうということは申し上げた通りですね。なぜそうなるかと言うと、あまりにも、1党支配によって、政治も、経済も、金融も、軍事も、ことごとく中央集権に、全体主義的になっていますね。この硬直的なものを、これを解きほぐさない限り、中国に対する脅威というものは皆、感じますし、しかも、中国国民にとっても所詮は、それは自戒作用と言いますか、中国経済が、たとえば、トランプさんの砲弾がドンと来ればそれで1発で木っ端みじんになるかもしれないぐらいの危機を秘めているわけです。だから、私は、柔軟なシステムに移行した方がいいよ。だから、安倍さんは中国の首脳に会ったら、こういった方面で対話をなさるべきではないかと私は思います」

放送プロデューサー デーブ・スペクター氏の提言:『日本は貿易戦争に参加するのは やめチャイナ』
デーブ氏
「日本は安堵感を武器にして、これが良いのではないでしょうか。日本は貿易戦争に参加するのは、やめチャイナ。2時間にわたってダジャレを言わないと批判されますので」

韓暁清 日中新聞社長の提言:『協議しながら 未来に挑戦 世界の安定と平和』
韓氏
「人間は人間ですから、話し合うということですね。交渉しながら、協議しながら、未来に挑戦する。それは、皆は生まれて、自由、平和、生活の幸福さを皆、求めるから。ぜったいそういう戦争にならないように私は提案したいと思います」

片山さつき 自由民主党政務調査会長代理の提言:『経験ある仲介国』
片山議員
「戦後、自由化を進めて、あらゆる貿易摩擦を経験してきた唯一のアジアのG7国として、大人の対応・仲介ができるのは日本だけですし、日本の経験をもって、中国はもっと自由化・国際化を進める。そのことによって必然的に民主化も進んでいきますから、それは皆にとってWin-Winなので、それができる唯一の国であると思っています」