プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2018年6月15日(金)
『米朝後』日本の道は 石原慎太郎×金美齢

ゲスト

石原慎太郎
作家
金美齢
評論家

米朝首脳会談後の世界
生野キャスター
「史上初の米朝首脳会談を終え、世界がこれからどう変わっていくのか、日本が歩むべき方向性についてじっくりと話を聞いていきます。今週、火曜日にトランプ大統領と金正恩委員長による史上初の米朝首脳会談がシンガポールで行われました。まずは石原さん、今回の首脳会談が東アジア情勢にどのような影響を与えたと思われますか?」
石原氏
「影響云々の前に、大山鳴動…ネズミ1匹出なかった感じですな」
松山キャスター
「ああ、あれだけ騒いだのに…」
石原氏
「うん」
松山キャスター
「結果、ほとんど何もないという感じですか?」
石原氏
「結果はこれから出てくるのでしょうけれども、大きなネズミが出てこないね。この番組も含めて、いろいろなメディアが、テレビ・新聞でも識者なる人達がいろいろなことを分析していましたけれども、全部上っ面だね、肝心なことに触れていないね」
松山キャスター
「それは会談の中身の薄いというだけではなく、もっと違う大きなものが動いているということですか?」
石原氏
「物事の本当の核心に触れていないね、僕に言わせると。これをリードしたのは、2人の独裁者ですよ。この案件に関するその2人の、その心理構造というのかな、要するに、衝動的な2人の、この案件に関する情念みたいなものというのが皆、触れられていないね」
松山キャスター
「その情念というのは、たとえば、どういうことですか?」
石原氏
「たとえば、オバマさんが1つを表象したけれど、アメリカ人全体に、彼がどれだけ敬虔なクリスチャンか知りませんよ。ただ、人類の歴史の中で初めて、未曽有の、要するに、極悪非道な大量殺人兵器というのを使ったわけでしょう。それに対する、彼らは、一応の文明国の国としての、あるレベル以上の知識人、政治家も含めて、オブセッションというトラウマがあると思いますよ」
松山キャスター
「広島、長崎に原爆を落としたことに対して?」
石原氏
「そう。と同時に、自分の国がそれと同じ被害に遭った時に対する恐怖心みたいなのが当然あると思いますよ。この国の大統領、最高の指導者になって、いろいろな軍事力を、要するに、自分の意思で使えるような立場になった時に、場合によって、千が一か、万が一か、あるか知らないかもしれないけれども、大陸間弾道弾まで開発して、要するに、下手をすれば、本当に下手をすれば、アメリカの一部に核を飛ばしかねない存在、要するに、敵が現れたということに対する、それはアメリカ人にとって初めての恐怖心みたいなものがあると思いますよ。それを斟酌しないと、うーん、今度のイベントの1番、根底にある、引き金みたいなものが理解できないと思う。それから、一方、要するに、金委員長なる人物にとってみても、アメリカという国は恐ろしい国で、たとえば、よくリビアの問題が引き合いに出されますけれども…」
松山キャスター
「出ますね」
石原氏
「あれは、実はカダフィーが死んだあとのあとのことで。その前にはアメリカは…、イギリスもフランスも反対したのだけれど、イギリスの基地から、要するに、飛行機を飛ばして、カダフィーの居住区というのを、6つか、7つにメッシュで仕切って、1番、彼が熱愛した第3夫人の、しかも、子供を産んでいるテリトリーに集中爆撃したの。それで、その時にフランスは、フランスは領空を飛ぶことを、要するに拒んだんですよ。ところが、彼らはそれを迂回して、ジブラルタル海峡から入って、リビアにとにかく爆弾を落として、とにかく第3夫人を含め、その一族を全部殺した。そのあとカダフィーはすごくショックを受けてへなへなになったのだけれど。そのあと、いろいろなアラブ全体の政変が起こって、カダフィーは、要するに、粛清されたんですけれども」
松山キャスター
「そうですね」
石原氏
「そういう経緯というものを考えるとアメリカというのは怖いことをやる国ですよ」
金氏
「金正恩さんは、トランプさんだったら、やると言えばやるかもしれないという、そういう恐怖感があったのだと思う。オバマさんというのは8年間、何もしないで、6か国協議、6か国協議と言って、ずっとある意味では時間を与えちゃったわけではないですか。でも、トランプさんだったら、ひょっとしたらやると言えばやるかもしれないという、そういう恐怖感はあったと思いますよ。そうでなければ金正恩さんはああいうふうに動かないですよ。トランプさんというのは、ある意味では、素人ですから、素人の怖さというか、やると言えばやるかもしれないという、そういう恐怖を与えたのではないですか。それは西側諸国にとって、私は良いことだと思う。うん、だって、8年間、何もやらなかったのだから、オバマさんはYes, We Can とか何とか言って当選して。見た目はすごくかっこいいし、それで当選したような人でしょう。8年間、何もやらなかった…」
松山キャスター
「戦略的忍耐と言ってきた」
金氏
「そう、結局、8年間、何もやらなかったのだから」
石原氏
「今度の会談の前にCIA(中央情報局)の長官をしていた新しい国防長官が前乗りしたでしょう」
松山キャスター
「はい、ポンペオさん」
石原氏
「これが、つまり、どんな話をしたのか非常に興味がありますね。いろいろ暗示的に金正恩を恐怖に駆り立てて、追い詰めていくようなそういう交渉というか、そういうブリーフィングというか、恐喝をしたと思いますよ」
生野キャスター
「トランプ大統領は、米韓合同軍事演習の中止や、在韓米軍の撤退にも言及しました。石原さん、これは北朝鮮とか、中国にとっては望ましいかもしれませんが、トランプ大統領が北朝鮮のペースに乗せられているということはないでしょうか?」
石原氏
「実際に全面的に中止しますかね?私はしないと思うな。非常にパーシャルに、つまり、兵器を残し、軍事力を残して、いつでも、つまり、それを統合すれば大戦になるような、私はそういう形で温存すると思いますよ」
松山キャスター
「あぁ、在韓米軍そのものについては当面は残るということもトランプ大統領は言っているのですけれども。ただ、将来的には、本国に引き上げてもらうみたいなことも言っている。ただ、在韓米軍がいなくなるということは結構、在日米軍にも直接連動して影響を受けるという議論がよくありますけれども」
石原氏
「うん」
松山キャスター
「そうなってくると日本にとっても他人事ではないなという気はするのですが」
石原氏
「しかし、韓国にある米軍の軍事力が、確かに日本に彼らが持っている軍事力とコネクトして、大きな抑止力になるというのはあるのでしょうけれども。私はそれを全部、つまり、引き上げて、どこに移すのですか?沖縄に移すの?グアムに移すの?」
松山キャスター
「仮に万が一、在韓米軍のアメリカへの引き上げというのが本当に実際に行われたとした場合に、ゲストの方からも意見が出るのですけれど、統一朝鮮みたいな形が仮に想定されるとして、それが北朝鮮の色合いがかなり濃い統一朝鮮ができたとした場合には、中国と統一朝鮮、北朝鮮の影響力のある朝鮮半島となると、アメリカと日本の陣営の最前線が、たとえば、対馬のあたりになるので、そこの防衛というのが非常に重要になってくるみたいな話もありますけれど、日本の自主防衛みたいなものがますます必要性が強まってくるということなのですか?」
金氏
「フィリピンでスービックが返還されたではないですか、米軍が引き上げて」
松山キャスター
「はい、アメリカの基地から…」
金氏
「アメリカが引き揚げる、フィリピンに返還されたの。それでその時は皆、万々歳と言ったのだけれども、だけど、それで中国がドンドン進出して、一帯一路というのは、要するに、中国がこの地域を全部支配するということですよね。だから、スービックからアメリカが引き揚げたという時には、皆が良かった、良かった、万々歳みたいなことを言っているけれども、実は在韓米軍の存在というのはまったく同じことで、これでもし引き揚げてしまったら、これはどういうことなのかということを皆、真剣に考えなければいけませんね」
松山キャスター
「石原さん、どうですか?日本防衛の最前線みたいな議論というのは?」
石原氏
「これは、朝鮮半島の成り行きいかんによって、私達はある緊張を強いられるかもしれない。それに付随して日本の防衛力というものを再整備する、あるいは強固なものにするための、1つの絶対必要条件があるんですよ。それは、日本は欠いているんですよ。それはまわりくどい言い方なんかすれば、日本には交戦権の規定というのがないんです」
松山キャスター
「憲法上ということですか?」
石原氏
「ええ。それで、たとえば、昔、ミグ25という最新鋭戦闘機が函館に、ベレンコというパイロットが亡命を求めて着陸して、これは大騒ぎになって、最新鋭の戦闘機ですから、ソビエトの、要するに、特殊部隊がとり戻しにくるのではないか、どうしようかということで大騒ぎになった。その時に、地元の司令官の独断で、飛行機で来るだろうから高射砲で撃ち落とそうということになって大騒ぎになった。結局、それやこれやで、このままでは済まないぞということで、暫くして、統合参謀…」
松山キャスター
「統合参謀本部長」
石原氏
「…部長が、交戦規定をつくってくださいということを言ったら、金丸信という、防衛庁の長官をしていてて、これは、要するに、シビリアンコントロールに反するからと言って、その本部長をクビにしたんですよ。それから、ずっと日本は交戦規定がない。ある時期にきて、何とかと言う、ベラベラよく喋る、辻本とかいう女の議員がいるね」
金氏
「ハハハ…」
松山キャスター
「現在は立憲民主党の…」
石原氏
「何だか知らないけれども。アレがでしゃばりで、とにかくソマリアで、スエズ海峡の出口のところにいろいろな船がたくさん通るものですから、船に這い登って海賊がいろいろなものを盗ったり、船をハイジャックしたりする。結局、何とかしてくれよということで、日本の海上自衛隊が…」
松山キャスター
「海賊対策みたいなもの…、ありましたね?」
石原氏
「…ところが、辻本がアレは憲法違反だということを言い出して、地元の有志をたきつけて、彼らが自費でおだてられて、海上自衛隊の、要するに、海賊対策というのは越権行為だということを監視しに行った。ところが、自分達は雇った船が海賊が怖くて、どうしようもないから海上自衛隊に助けてくれと。そうしたら海上自衛隊は困っちゃったんですよ。それで今度、海上自衛隊がどこまでやったらいいのですかということを本省に、要するに、依頼したら、本省の答えがまたバカな話で、警察法に則って、禁固30日以上に該当するような、要するに、暴力行為はその対象として戦ってよろしいと。どこの国の軍隊で、警察法に則って、戦えなんていうバカな、そんな…」
松山キャスター
「法律の整備ができていない」

米朝首脳会談後の中国
生野キャスター
「金さん、今回、中国が北朝鮮のサポートした狙いをどう見ていますか?」
金氏
「サポートした狙いははっきりしているのではないですか。だいたい北朝鮮というのはある種、中国の属国みたいな立場にあるわけでしょう。ですから、シンガポールに出かける前にわざわざ仁義を切りに行ったし、ある意味では、同意を求め、お許しを求めて行ったようなことだから、中国はもう今回の米朝会談というものは認めているわけですよ。それは中国にとっても都合がいいと考えているのではないですか」
松山キャスター
「今回、金正恩委員長がシンガポールに入る時に中国の飛行機を使って入ったと、これはもう本当に異例中の異例だと思うのですけれども」
金氏
「いや、だから、ホテル代も払えない。もちろん、自分の飛行機では行かれないという、こういう国がアメリカと対等で話し合うということは実はあり得ないんですよ。だけども、この米朝会談というのはこの2つの国が対等で喋って、話をしているみたいな報道の仕方がずっと続いてるわけでしょう」
松山キャスター
「特に北朝鮮国内ではまさにそうですよね?」
金氏
「北朝鮮国内は当然だけれども。外も、外の国々も、何か米朝会談と言って、何かこの2つの国を同じプラットフォームにしているところがあるのだけれども。実はもうちょっとはっきり言わなければいけないのは、自分の飛行機でも行けないと、ホテル代も払えないと、そういう国なのだということを。ある意味では、この米朝会談で北朝鮮の地位、かなりレベルが上がっちゃったような気さえするんですよ」
松山キャスター
「あれはシンガポールがセッティングしたんだと思うのですけれども…」
金氏
「うん」
松山キャスター
「最初の対面のシーン。たとえば、アメリカの旗と北朝鮮の旗が同じ数、並んでいて、右と左両側からトランプ大統領と金正恩委員長が等距離で歩み寄って真ん中で握手すると、まさに大国アメリカと渡りあっているリーダーみたいな印象ですよね?」
金氏
「うん、はい、そうです。あのシーンだけを見ると。だけど、実は裏っ側に先ほど言ったように飛行機さえ飛ばせない、自分でも払えない、チャーターもできない、ホテル代も払えない、そういうことというのは対等であるわけないんだということをメディアがはっきり言わなければいけないです、何回も、何回も」
生野キャスター
「中国は米朝会談を経て北朝鮮にどのような国になってほしいと思っているのですか?」
金氏
「北朝鮮に?どんな国になってほしい?」
石原氏
「属国」
金氏
「ハハ…」
松山キャスター
「これまで通りの、いわゆる弛緩地帯というか…」
生野キャスター
「変わらずに…」
松山キャスター
「アメリカの影響が入るのではなくて、なるべく中国の影響力を残したまま、そのまま残ってほしいという気持ちの方が強いのではないですか、中国から見たら」
金氏
「中国はそう思っているかもしれないけれども。でも、そうは…、現状では、もうアメリカといろいろな取引が始まっているわけですから、これまでと同じというわけにはいかないのではないですか。アメリカが直接、北朝鮮といろいろなディールを始めるわけですから。どれだけ中国の影響を弱めていって、アメリカの影響を強くしていくかというのが、これから始まるのではないでしょうか」
松山キャスター
「石原さん、中国の影響はどうですか?」
石原氏
「世界には朝鮮半島とか、バルカン半島とか、インドシナ半島という大きな半島がいくつかあるんですよ。これをフリンジと言うのですけれど、このフリンジというのは必ず北にある根元に近いところは大国の支配を受ける、受けざるを得ない、地政学的に」
松山キャスター
「なるほど」
石原氏
「朝鮮も、要するに、あのままで行ったらロシアの属国になっていたでしょう。ずっと中国の影響も受けていましたし、結局、それで彼らはロシアの支配を逃れるために、彼ら自身が国会で決めたんですよ、日本と併合するということを。そのあとに日本はいろいろなことをやった。それはいろいろな毀誉褒貶があったり、その評価もあるのでしょうけど、あそこの社会資本というのは随分充実した。それで、イギリスのある有名な地政学者が、名前は忘れましたけれど、朝鮮が瞬間的に幸せになった時代と言うので、日本の統治時代のことを書いているんですよ。それは決して恩着せがましく言うわけではないのですけれど。フリンジという地政学的な、非常にハンディキャップを負った条件の地域のその国というのは皆、小国で、とっても、要するに、悲惨な自立性を欠いた、その運命というのを強いられざるを得ない、地政学的に。これを私達は理解したうえで、これからの中国なり、北朝鮮との関係というのを考えていかないと。特に中国というのは、やたらに膨張、膨張というのを志向する国家ですから」
松山キャスター
「中国がはやくも米朝首脳の会談のあとに、いわゆる各国が行っている北朝鮮に対する制裁、これについて徐々に緩めるような姿勢を示唆してるのですけれども」
金氏
「うん…」
松山キャスター
「日本とアメリカは最大限の圧力だと言ってずっと北朝鮮を封じ込めてということでやっていたのですけれど。ここへきて対話ムードになったら、中国が真っ先に制裁を緩めようかみたいな姿勢を示しちゃっている」
金氏
「うん」
松山キャスター
「これはどうなのですか?中国としては現在ぐらいの状況で緩やかな非核化が進めばいいやというぐらいの姿勢で北朝鮮を見ているということなのですか?」
石原氏
「中国にとってみると、北朝鮮の核は知れたものだと思いますよ」
松山キャスター
「あぁ…」
石原氏
「何の脅威にもならないと思いますよ。むしろ、要するに、アメリカが、韓国に配備した核対策のウォーニングシステムみたいなものの方が目障りですけれども。北朝鮮の持っている核兵器とのいうのは中国にとったらおよそ大したものではないと思います」

日米関係と日本の自立
生野キャスター
「さて、ここからは、かたい握手を交わします安倍総理とトランプ大統領の様子なのですけれど、2人の親密ぶりは蜜月関係とも言われていますが、石原さんは先月末に亀井静香さんと安倍総理に会っていますけれども…」
松山キャスター
「たとえば、トピックとしては憲法改正という話もされたのですか?」
石原氏
「憲法を変えるということは、新しい歴史をつくることだから。歴史というものについて考える時に、日本の昭和の最大の英知である小林秀雄さんが言ったみたいに、現時点で身を引いて、歴史というものを見直す必要があると。だから、その必要がありますよと。それで何を言うかは、戦後の歴史だけではなくて、中世以後の人間の歴史というのは、圧倒的に白人の有色人種支配というのが歴史の原理だったのだから、それに背いた近代国家をつくった日本というものが白人に許容されなかったので。その代償として戦争で負け、あの憲法を強いられたので。ドイツと日本が違うのは、ドイツは無条件降伏したのではなしに戦後の国家の基本法は自分達でつくるぞということを言って、しかも、子弟の教育は自分達でする。それから、大事なことはどんなに数が少なくともドイツは、国軍は残すと。この3つを、要するに、適えてくれなければ俺達は絶対に降伏しないと言ったんですよ。連合軍はそれを許容したわけだ。それは日本との違いで。そういうことを安倍さんは思い起こして、あなたがリーダーなのだから、無知蒙昧に近い国会議員のほとんどに歴史のそういう教育をし直してくれと言ったんですよ」
松山キャスター
「なるほど。安倍さんは、岸信介さんの流れをくむ政治家としては自主憲法というのは掲げていると思うんです」
石原氏
「ええ」
松山キャスター
「安倍さん自身は日本人の手で日本人の憲法をつくると、そういう意欲はその場でも示されていたのですか?それが必要だという」
石原氏
「そうでした、言っていました。それから、ケーディス大佐ですか、あれが突然ドラフトを持ってきて、あれ、吉田茂に言ったのですか、とにかくこれを2時間で読んで了としなさいと。我々はその間、日向ぼっこして太陽の与える原子力の恩恵に伏してくるからなと嫌味を言って。それでドラフトを突きつけて帰ったんです。そのあとその原案に対して、その一言一句の批判も許さないという形で、江藤淳が書いた、閉ざされた言語空間というのができ、日本の言論というのは完全に封殺されたわけです。そういうことも現在の若い政治家は知らないから。君がもう1回、思い起こして、そういうことがあったのだということを、要するに、そういう屈辱の中から派生して出てきた日本の憲法だから、これは我々自身で、自分の言葉で書き直そうではないかということを言ってくれと言ったのですけれども、彼は、それはよくわかりました、と言っていましたよ」
松山キャスター
「石原さんは現在の自民党の安倍私案と言われるものの中に、憲法9条の2項に自衛隊を明記するというような内容で、私案が出されていますけれども、これについてはどういう意見を持っていますか?」
石原氏
「それは、自衛隊を国軍としてキチッと憲法の中に文言として定着させる必要があると思います。だけではなくて、他にもっと変えなくてはいけないものがあるんですよ。たとえば、私は東京都を預かって財政再建をした時に、学生の頃に勉強した会計制度と、要するに、会計ですよね、会計制度…」
松山キャスター
「国の会計制度ですか?」
石原氏
「日本の憲法の90条に日本の会計制度についての文言があるんです。日本の国家予算の決算は会計検査院が行い、これを政府は国会に提出しなくてはいけない。会計検査院は役人でしょう。役人が役人を調べて、たとえば、特別会計みたいなわけのわからない、藪の中みたいな非合理極まりない会計制度がまかり通るということ、摘発するわけがないですよ。会計制度を変えなくてはいけないしね。だいたい現在、世界中で、単式簿記というバカなことをやっているのは、日本だけで。調べてみると、北朝鮮とパプアニューギニアぐらいしかないの。どんな国だって複式簿記でやっているわけですよ。だから、これを変えなかったら、日本の国の財政はもたないですよ。とにかく90条も変えなければいけない。そういうものをこの間も安倍君に言いました」
金氏
「いろいろなディテールもいろいろな問題があると思うのだけれども、前文からして問題がありますよ」
石原氏
「もちろん、そうですよ、前文…」
金氏
「ね?平和と…希求する人達に寄り添って日本は生きていくわけでしょう」
松山キャスター
「国際平和を誠実に希求しというところですね?」
金氏
「はい。それから変えなければいけないから。つまり、新しく日本人の手で日本人の言葉で、日本の言葉で憲法を自分達の手でつくらなければいけないと思っています」
石原氏
「助詞というのは、言語の中でとても大事な言葉なんですよ、短いけれど。その助詞の間違いが、憲法の前文の中にも6つか、7つあります」
松山キャスター
「それは翻訳された日本語がそのまま残っちゃったということですか?」
石原氏
「そうです、ええ。平和を愛する諸国民の公正と正義に信頼し云々…で前文が始まる。あなたを信頼してお金を貸しますよと言うけれども、あなたに信頼しと、『に』とは言わないですよ。だから、この『に』の1字だけでもいいから、蟻の一穴で変えようではないか、これならいいじゃねーか、1字だけ変えるだけだからと言ったら、安倍君が、いや、『忍』の1字ですと逃げられたけれども」
松山キャスター
「そうですか。それは安倍総理がそう言っていたのですか?」
石原氏
「そう。私がまだ維新の会の党首をしている時、党首討論で言ったのですけれど」
松山キャスター
「なるほど。あと1つ、安倍総理についてはアメリカのトランプ大統領との非常に緊密な関係が、世界の他の国では類を見ないほど1番緊密だと言われますが、この関係が、それぞれ日本やアメリカにとってどれぐらい良い効果を発揮しているのか?アメリカはアメリカでアメリカファーストということをトランプ大統領は言っているわけですけれども。この関係というのは、ある意味、日米関係にはかなり強固な基盤になっていると考えますか?」
石原氏
「それは良いことではないですか。その両国の首脳が個人的に非常に親しくて、ファーストネームで呼び合うぐらいの仲というのは、上っ面のことだけではなくて、私はとても良い兆候だと思いますよ。それでオフィシャルでない、ざっくばらんな話もできるでしょうし、愚痴を言い合うでしょうしね。だから、安倍君に言ってもらいたいのは、東京に来て、私の住んでいる町を見てくれと。走っているのはベンツばかりだよ、BMWと。アメリカの…」
松山キャスター
「それは良いところに住んでいるからではないですか?」
石原氏
「…いや、そうではないですよ。走ってくる車も多い。とにかくアメリカの車を買うような人はいなかったの、日本ではほとんどいなくなっちゃった。燃費が…。それはもう皆、ドイツの車を買うんですよ」
金氏
「だけど、アメリカの大統領がアメリカファーストと言うのは当たり前なのよ。自分の国を大切にしないでどうするのですか。ただ、それを公に言うかどうかの話でしょう。ポリティカルコレクトネスというのを皆、気にして、そういうことを言わないのだけれど。だけど、実はアメリカの大統領がアメリカファーストと言ったって当たり前なの。だから、私、言いましたよ、安倍首相に。あなたはジャパンファーストと言えばいいのではないと。当然でしょう。自分の国が最初にちゃんとしてなかったら他の国に何かできる?できないですよ。私達もそれぞれ1人の人間として自立していなければ、誰かのために何かできるということはあり得ないわけではないですか。自分を無にして、自分が力もないのに他人のために働くことなんかできるわけないじゃない。だから、アメリカの大統領がアメリカファーストと言うのは当たり前だと思わなければいけない。その代わりに、私達の首相はジャパンファーストと言えばいいんですよ」
松山キャスター
「その割には貿易問題では、アメリカは日本に対しても結構、厳しい方針を出していて、たとえば、鉄鋼、アルミについては、同盟国である日本に対しても関税をかけてくるという強硬策に出ているわけですけれども」
金氏
「でも、日本とアメリカとの貿易戦争みたいなことは過去にも何回もありましたでしょう。繊維がどうの何がどうのと。それを1つ1つ乗り越えてやってきたわけですからね。だから、日米同盟はとても大切だという、その根底に基盤に則って、あとは何をどう交渉していくかというのは日本の官僚というか、政府というか、がんばりどころですよ」
石原氏
「それは官僚ではない。政治家とか、識者がやらなくてはいけない」
金氏
「政治家…」
石原氏
「それで、たとえば、わかりやすい事例がいくつもあるんですよ。ボーイングがもっと大きな飛行機をいくつもつくっているでしょう。このボーイングの人達がこの間も言っていましたけれども、ボーイングのドンガラというのは、日本の素材ではなかったらできないんだって。だから、今度の飛行機はメイド・イン・アメリカではなしに、メイド・バイ・ジャパンだと言っていますよ。大きな胴体の部品ですから、アメリカはそれを運ぶためのバカでかい輸送機までつくっているわけ。それはテレビでもやっていました。そういう事例をトランプさんに言ってやったらいいんだ、安倍君は」
松山キャスター
「日本は日本としてちゃんと主張した方がいいと、貿易や経済面でも?」
石原氏
「そうですよ。わかりやすく、見せてやったらいい、映像も」
松山キャスター
「なるほど」
金氏
「日本のモノづくりというのはどれだけ素晴らしいかということを自分達で評価しなければいけないです。おたおたする必要は何もないのよね」
石原氏
「アメリカの車はどれほど素晴らしくないかということを教えてやって…」
生野キャスター
「日本に合わないというところはちょっとありますけれども」

日朝首脳会談の可能性
生野キャスター
「金正恩委員長は米朝首脳会談で『安倍総理と会う用意がある』とトランプ大統領に述べていたことがわかりました。日本政府は日朝首脳会談の実現を目指して本格的な調整に入る方針を固めましたけれども。石原さんは日朝首脳会談はやるべきだと思われますか?」
石原氏
「それはやらざるを得ないでしょう、ここまできたら。他人任せにすることではありませんから」
松山キャスター
「総理自身も直接やるということを言っていますね?」
石原氏
「そうでしょう」
金氏
「だいたい拉致問題を認めさせたのは安倍さんだから。当時、小泉政権の時に…」
松山キャスター
「官房副長官でしたね」
金氏
「官房副長官か何かで行きましたでしょう。拉致問題を話題にしなければいけないということで、もし、それを認めなかったら、我々は帰ろうと言って、安倍さんが、盗聴マイクがあるのを承知のうえで、小泉さんに言ったわけですから。そこで拉致問題を認めさせたわけですから。自分の手でこの問題は解決しなければいけないと思っていらっしゃるのではないでしょうか」
松山キャスター
「米朝首脳会談が1つの大きなヤマとして今週前半にあったわけですが、それまでに関係国、中国とか、ロシアとか、いろいろな国が金正恩委員長との直接会談、まだプーチン大統領はやっていないですけれど、ラブロフ外相がやったりして、日本だけがまだ金正恩委員長と直接の高官レベルでの会談というのをやっていないという状況です。よく蚊帳の外論みたいなことを言われますが、日本だけ取り残されているのではないのかみたいなことを言われますけれど、ここはどうですか?じっくり時間をかけてやるべきだという論調がちょっと前まであったのですけれど、ここへきて安倍総理は早期にやった方がいいということを言っていると。日本政府としても早めにパイプをつくらなければいけないという焦りもあるということなのですか?」
金氏
「でも、焦っちゃダメですね。外交というのは、焦った方が負けですよ、焦ってはいけない。だから、周りが蚊帳の外に置かれているとか、余計なことを言うべきではないのよ。北朝鮮と、日本が他の国とまったく違うのは、拉致問題というものを抱えているわけですから。ですから、この人達を奪還するというか、この交渉というのは他の国とちょっと次元が違うことで。だから、その周りから蚊帳の外に置かれているとか、皆が金正恩さんに会うと言っているのに、あなたはなぜ動かないのかとか、そういうことを無責任に言うべきではないですよ」
松山キャスター
「小泉さんの訪朝の時に日朝平壌宣言というのがまとめられたわけですけれども、この中に北朝鮮と日本の国交正常化の早期実現に努力するということと同時に国交正常化をした暁には、無償の資金協力や人道的支援などを実施するということを日本が合意していると。北朝鮮側は懸案問題について適切な措置をとる、この懸案問題という中に拉致問題も含まれると思うのですけれども、こういう合意がなされたということです。アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩委員長に対して、実際に日本の資金協力を得るためには国交正常化をしなければいけないし、拉致問題も解決しなければいけないということをそこまで具体的に言ったのかどうかははっきりしていないですが、ニュアンスとして伝わってくるのは、日本からの資金がほしいのなら、拉致問題をやらなければダメだよということを言っている可能性はあるということですよね?」
金氏
「いや、だから、安倍首相が何回も念を押したではないですか、トランプさんに。この問題についてちゃんと取り上げてほしいということを安倍さんがトランプさんに直接言っているわけでしょう」
石原氏
「北が拉致問題は解決したと言う所以は何ですか?」
松山キャスター
「そこが難しいところですね。どこをもって解決かというところがまだはっきりわからない。北朝鮮側はこれまで解決済みとずっと言ってきたのですけれども、今回についてはトランプ大統領には解決済みとは言わなかったと」
金氏
「言わなかったですよね」
松山キャスター
「そこが一歩前進、明るい情報なのではないかと言われていますけれど、石原さんはこれをどう受け止めますか?」
石原氏
「しかし、仄聞すれば、拉致に遭った人の数はそんなものではないらしいですよ」
松山キャスター
「うん。行方不明者、特定失踪者も合わせると800人を超えるという話もありますけれども。どこまでをもって解決かはなかなか難しい問題はあると思うのですけれども。北朝鮮が何かしらの形で日本に対して拉致問題で解決の糸口になるような情報を出してくる可能性、これをどう考えますか?」
金氏
「私はテレビを観ていると、横田早紀江さんがこの長い年月の間にドンドン白髪が増えてきているんですよ」
石原氏
「真っ白ですよね」
金氏
「ね?それを私達は見ているわけではないですか。それなのに何もできないわけ、私達は。だから、娘をとり戻したい母親の気持ちというのは月日を経つにつれて、髪の毛がドンドン、私も随分…、何十年も前にお会いしていて、それでささやかなカンパもしたのですけれども。テレビで観ているその姿がドンドン髪の毛が銀髪になっていくというのは、年月というものを感じるんですよ、具体的に。1日もはやく自分の娘に会いたいというか、とり戻したいという…」
石原氏
「ねえ…」
金氏
「それを日本人1人、1人が切実に感じなければいけないと思います。日本人1人、1人が何か無関心で、自分達には直接関係ないのだというようなことでは解決できないですよ。1人、1人の日本人が皆、あの母親の姿を見て、これが自分だったらどうなのか、自分の娘だったらどうなのかと」
生野キャスター
「感じている方は多いと思いますけれど。だから、今回がいいチャンスだと思っている方も多いですよね?」
金氏
「はい、そうなんですよ。本当にこれが最後のチャンスで、本当に唯一のチャンスだということをおっしゃっているわけではないですか。だから、そういうことを、私達も切実に受け止めなければいけないと思うんですよ」

石原慎太郎氏の提言:『完全自立』
石原氏
「前も同じことを書いたのだけれど、自分で強くなるも、とにかく弱くなるも…、自分で自分を強くするのも全部自分の意思でやる」
松山キャスター
「完全自立」
石原氏
「はい」

評論家 金美齢氏の提言:『マラソンなのか リレーなのか』
金氏
「石原さんにまったく賛成なんです。自立しないことには何もできないのだけれど。では、現在、私達がやっている外交と言いましょうか、対北朝鮮であろうが、どこの国に対してでもあろうが、私達、マラソンなんですよ、実は。長い長い本当に終わることの…、ひょっとしたら終わることのないそのことをやっているのかもしれない。でも、ある意味ではリレーでもあるわけ。次の世代にバトンタッチしていくというか、このバトンをどう上手に渡していくかということを、たとえば、私みたいな年齢になると、石原さんもそうなのだけれども、まだお互いに現役でがんばっていますけれども、要するに、バトンを渡していかなければいけない。だけども、本人はまだマラソンを走っているつもりなんです」
石原氏
「バトンを渡したいヤツがいないんだ、なかなか…」
生野キャスター
「そうですか」
松山キャスター
「いや、まだまだ走ってください」