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2018年6月7日(木)
政界3重鎮が一刀両断 混乱国会と安倍流政治

ゲスト

石井一
元民主党副代表
山崎拓
元自由民主党副総裁
藤井裕久
元民主党最高顧問

『対北朝鮮・安倍外交』を斬る!
生野キャスター
「重要法案が山積みの中、森友・加計問題に終始しているようにも見える与野党の国会論戦。安倍政権の対北朝鮮外交、安倍政権の経済財政政策とポスト安倍の行方、今夜は、政界重鎮のお三方にお集まりいただき、日本政治の現在を存分に語っていただきます。安倍総理は日本時間の今朝、アメリカ・ワシントンに到着。このあと史上初の米朝首脳会談を5日後に控えましたトランプ大統領との首脳会談に臨みます。北朝鮮に対する圧力を主導してきた日米ですけれど、4月の日米共同記者会見で安倍総理は『最大限の圧力を維持していくとの確固たる方針をあらためて完全にアメリカと共有した』と発言。一方のトランプ大統領ですが、今月1日、『もう最大限の圧力という言葉は使いたくない。なぜなら我々はうまくいっているからだ』と、ここに来て北朝鮮への圧力をめぐって日米両首脳の間で温度差が見られます」
松山キャスター
「石井さんはどうですか?」
石井氏
「私は、北へ最も足しげく訪ねた日本の政治家だと思っていますね。日朝議連の会長を10年もやりまして。ずっとこの外交を見ておって、圧力をかけるとか何とか言えば言うほど向こうは反発するんですよ。トランプさんもそれがある程度わかったのではないかな、いろいろなことやっているうちに。いったんは中止するということを言うたけれども、ここのところは和やかに話を始めて、自分の目的を達成しようという、こういう意図が私はその中にあるように思うんですね。それで河野外務大臣が今後は圧力を共にかけるとか何とかと言いますけれど、100年間絶交している国なんですよ。これぐらい冷え切った関係っちゅうのはないですよ。これを元に戻そうと思ったら、少しは向こうの立場にもなってものを考えてやらなきゃ、プレッシャーをかけるだけでこの問題は絶対に解決をしません。言いたいことはまだ他にもありますけれど、最初の言葉としてはこの程度にしておきたいと思いますね」
松山キャスター
「アメリカのトランプ大統領は、その雰囲気を感じとって、北朝鮮にも理解できるようなことを、言葉を言い始めたと?」
石井氏
「その通りです。日本の国益とアメリカの国益が、北朝鮮という国を相手にする場合には全然違うんですよ。アメリカは太平洋を隔てた遠い大国、ほとんど関係ないですよ、北朝鮮っちゅうのは。日本は隣国ですよ。1時間で、飛行機で着くわけですから。それはその国と100年間も絶交しとったらね、こっちだって敵意を持つけれど、向こうだって敵意を持ちますから。日本とアメリカとの北に対する感情ちゅうのは、全然違いますから。私はここを十分わきまえてやらないかん。たとえば、安倍さんが拉致問題をトランプさんに頼むなんて…、トランプさんなんて、拉致問題なんてわかりませんよ」
松山キャスター
「山崎さん、当時はアメリカと日本は小泉・ブッシュ関係ということで非常に緊密な関係があって、その流れの中で、日朝平壌宣言というものもあったわけですけれど。現在の状況、安倍総理とトランプ大統領、これも非常に近しい関係だと言われてます。世界の首脳外交で1番仲の良い首脳の2人なのではないかという言い方もされますけれども、この2人の関係から見て拉致問題の進展、どれぐらい期待できると考えますか?」
山崎氏
「この拉致問題というのは本人もそう言ったそうですが、日朝間の問題であって、もっと早く安倍総理は日朝間で直接対話をやるべきだったと思うんです。この問題が一丁目一番地だといつも言っているのだから。一丁目一番地にしてはこれまでほとんど有効な手立てを打っていないと。水面下でやっているって、全然信じませんね。水面下でやっていれば、いくら水面下でも泡ぐらいブクブク吹いてくるので、わかるだろうと思うのですが、何も吹いてこないから」
松山キャスター
「現在、全然、パイプがないということなのですか?」
山崎氏
「ないということだと思います。いや、だから、これは本人が直接、金正恩さんと交渉すべき、それほど重要な問題ですが。安倍政権にとって一丁目一番地なのだから、やるべきだったと思うんですよ」
藤井氏
「拉致の話が出ましたけれども。これは残念ながら、進まないと思いますよ。要するに、解決済みだと、かつて北朝鮮は言っているわけですね。それを本当に変えるかということですよ。それから、もう1つ、アメリカはそんなに興味ないですよ、残念ながらね。3人のアメリカ人は帰ってきているんですよ」
松山キャスター
「この間、解放されましたね」
藤井氏
「ね?帰ってきましたね。それから、ICBM、つまり、大陸間弾道弾については、どうもやめる、抑えるという話になっていますね。そうすると、アメリカにとっては、北朝鮮の問題で拉致というのは、そんなに大きな問題ではないという認識があるのではないか。だから、おっしゃるように、2国間でやんなきゃなんないですよ。それがどこまでいくかという話ですが、非常に難しいと私は思っています」

『国会の今』を斬る!
生野キャスター
「森友学園問題をめぐり、財務省のトップである麻生財務大臣の発言はこれまで物議を醸してきました。こちら、麻生さんの発言なのですが、『どの組織だって改ざんはあり得る話。組織全体でやっているというわけではなく、個人の資質によるところが大きい』、また『バツをマルにしたとか、白を黒にしたという、いわゆる改ざんのような悪質なものではない』と発言し、どちらもその後、発言を修正しています。一昨日、大臣の責任について記者団に問われ、『大臣としての職責を果たしていきたい。進退については考えていない』と答えています。藤井さんは同じ財務大臣の経験者ですけれど、森友問題をめぐる麻生大臣のこの一連の発言をどう見ていますか?」
藤井氏
「まず大臣というのは1番の大将なんですよ。1番の大将は、たとえば、会社で言えば、部下がやったことで知らないことが随分あるんですよ。でも、辞めていますよ、真っ当な社長なら。そういうもんですよ。それだけの責任を麻生氏は持ってもらいたかった」
松山キャスター
「山崎さんは、この森友の文書改ざんに関する麻生さんの一連の発言、どう受け止めていますか?」
山崎氏
「政治責任というのをまったく考えていないと思います。民間の会社でもそうだということを藤井さんがおっしゃったけれど、その通りだと思いますけれど。いわんや、政治家がトップになっているのだから、その政治責任を果たさなきゃいかん。再発防止というのはこれからの話であって、それは政治責任を果たすことにはならない。これまで起こったことの政治責任を果たさなければいけないという。佐川氏が答弁したのはかなり嘘を言っていたし、それから、それに合わせるような文書改ざんを指示したり、していますよね。その国会答弁の時に大臣がそこに座っているんですよ。大臣の部下たる佐川さんが答弁しているんですよ。それに対して責任があるんです。監督責任、管理責任というものが必ずあるわけ、政治責任というものが。それを放置したままですよ。自分は、佐川さんを辞めさせる時に呼び捨てにして、皆被せっちゃって、佐川が悪いのだと、個人プレーだというようにしちゃったけれども。そんなことあり得るわけないでしょう」
松山キャスター
「石井さんは麻生大臣の責任論についてはどう考えますか?」
石井氏
「当然とらなければいかんでしょうね。そうしなけりゃあ、これいつまでも続くじゃないですか。ケリがつかないんですからね。大きい問題としては、総理が森友に関係しておったら国会議員も総理も辞めると言いましたね。あれには驚いたね。そういうことを言いながらですよ、そのまま居座っているわけですから。行政も国会も、それから内閣もムチャクチャなことをやっているんですよ。前代未聞でしょう。我々の時代にそういう改ざんとか、隠蔽とか、そんなことはないよね?」
藤井氏
「ない、ない」
石井氏
「それをやったら直ちにクビ、断罪されてしまうわな?」
藤井氏
「うん、絶対にない」
石井氏
「ところが、それがずーっとなんとなく続いてて、ウニャウニャ言うててですよ、いまだにそれがグズグズ燃えているのは、本来、モリカケなんていう問題はそんな大きな政治問題ではないです。学校を設置するとか、小学校をつくるという類のもので、そこで大きな金が動いたっちゅう話でもないのですから。さっさと謝るべきものは謝り、責任をとるべきものはとってしたら、スッとけじめのつく問題を、嘘と言うか、強弁と言うか、そういうことを繰り返してやっていって、それをまた、官僚がそれを追うように皆寄ってたかってやるから、誰も国民は信用しなくなってくる」
松山キャスター
「そうした中で、安倍総理はこういう発言をしているんですよね」
生野キャスター
「先週行われました党首討論で、森友問題について総理は『この問題の論点を政府や私や妻に持っていこうと考えるから本質からどんどん逸れていく』と述べています」
松山キャスター
「石井さん、この総理の発言についてどう感じますか?」
石井氏
「政府や私や妻に…、ほんならどこに持っていったらいいんだ、これ?ちょっと俺が反対に聞きたいわ」
松山キャスター
「問題の本質は自分とか、政府とか、妻ではないというふうにとれますけれども」
石井氏
「うん、1番に、ここまで大きくなってきたら総理と財務大臣の責任は大きいですよ。本来、こういうことが昔、我々の全盛時代に起こったとしたら、内閣の2つや3つ、飛びますよ」
藤井氏
「そうです、その通りです」
石井氏
「それがそのまま1強だからでしょう。自民党の中にもそれを強く諫める人もいない。野党はだらしないと、こういう状態ですから。なあなあが通ってしまうから国民は不幸ですよね」
生野キャスター
「先日行われました党首討論のテーマを時間別にまとめました。こちら立憲民主党の枝野代表は持ち時間の19分全てを森友・加計問題に。国民民主党の玉木共同代表は持ち時間15分のうち2分を国会改革など、残りの13分を外交問題に。日本共産党の志位委員長は持ち時間全てを森友・加計問題に。日本維新の会の片山共同代表は官邸のあり方などについて質問をしています」
松山キャスター
「山崎さんは現在の国会の党首討論を見ていると、野党の対応も割れているみたいですけれども。森友・加計問題だけを追及する立憲民主党みたいな党があれば、国民民主党は外交の問題で、それとは別な道を行ったりする。この状況をどう見ていますか?」
山崎氏
「これは党首討論自体の時間が短すぎて、たくさんのテーマをやれないんですよ。ですから、現在のケースで言えば、立件民主党と国民民主党はもともと同根ですから、2人で党首討論を1本でやったと考えれば、2つの大きなテーマで手分けしてやったということになって、それでも仕方がないかと思いますね」
松山キャスター
「一方で、国民の世論はどうかというのを見てみると、国会審議で何に重点を置くべきかという、これはFNNの世論調査なのですけれど。外交・経済などに重点を置くべきだというのが73%、加計・森友問題については20%という比率になっているんですね。国民の中では森友・加計問題ばかりやっているのはちょっとどうかという意見がかなり強くなっているという状況ですけれど。山崎さん、この国民の世論についてはどうですか?」
山崎氏
「世論はそうかもしれませんね。ただ、野党の立場になれば、絶対少数ですから。どうやって攻めるかということになると、現在の政権の脆弱部というか、弱点を突いていくという戦術をとると思いますよ」
松山キャスター
「藤井さんは、民主党政権も担われて、閣僚もされていましたけれども。現在の野党の攻め方、なかなかうまく攻めきれてないという意見がありますよね?」
藤井氏
「まず割れているのが話にならないですよ。なぜあんなに割れる必要があるのか。ムードですよ。言いにくいけど、小池ムードですよ。それに乗っかっちゃっているんですよ。そうではなくて、根っこは同じなんだという、もう1度原点を持ってもらいたかったんですよね。だから、私、言いにくいけれど、立憲神奈川というのをつくってあるんですよね。それは要するに、割れたのは…、決してここでまた政党をつくるのではない。それから、だけども、政治家に任せておくと建前論ばっかり言う野郎が多いと。そうではなく、民間の人を中心にしようと。これは立憲神奈川の思想ですよ。現在の3つか何か党があるのを皆入ってきてくれているんですよ。ですから、これは、そういうのをだんだん広げていくように努力します」
松山キャスター
「野党はバラバラな状況にあって。民主党のあとにできた民進党がそのあとまた割れて、希望の党と参院の民進党に割れて、結局現在の状態では、立憲民主党と国民民主党、あと無所属の会、あと希望の党の何人かがまだ残ったりしていますけれども。かなり細分化されてしまっているという状況ですよね。これ実際、まとまる方向、見通しは現在まだまったく見えないと思うのですけれども?」
藤井氏
「残念ながら、そうかもしれませんが、立憲神奈川と言って神奈川で始めているのを、地域によって、俺達もやりたいというところが出てきていることは事実なんですよ。だから、別の政党をつくるのではないですよ。今申し上げたように皆が一緒になんなきゃ、絶対に間違った安倍政治を治すことはできないのだというところで協力しようと。しかも、それは民間の方が中心で、政治家というのはどうしても建前論ばっかり言うヤツが多いと、そういう話ですよ」
松山キャスター
「先の総選挙の前には、東京都知事の小池百合子さんが中心になって、希望の党というのを立ち上げたのだけれども、結局は事実上不発に終わったという状況の結果になったわけですけれども。現在の野党をうまくまとめられるような強いリーダーがこの中から生まれてくる可能性というのはありますか?」
藤井氏
「非常に難しいかもしれませんけれど。要するに、昔の我々の先輩を見ていますと、まず非常な迫力がありましたね。それから、威厳がありましたね。現在、秀才はいるんですよ、いっぱい。秀才と威厳・迫力とは違うんですよ、残念ながら少し」
松山キャスター
「そこは人間味とか、そういうことも含めてということですか?」
藤井氏
「時代が変わったんですね、…と思ってます」
松山キャスター
「石井さんはどうですか?現在の野党のこの状況を見て、なかなか1つにまとまれない」
石井氏
「いや、だから、野党というのは、政権を獲りにいく迫力がなければ国民は期待しないですね」
藤井氏
「そう」
石井氏
「何回選挙したって、現在だったら政権は獲れないです。ほんなら国民は自民党が何しようがついていかな仕方ないという」
藤井氏
「そう」
石井氏
「政治の貧困と言うか、そういうものが続いているので。野党の中がそれにもう少し早く目覚めないかんですよね」
藤井氏
「そうそう」
石井氏
「だから、とにかく私は野党の再構築っちゅうことをもう少しわかれということをこの連中に言ってやって…、全部一緒になったらいいんですよ。他の自由党やら、他のへっちゃくれも、共産党はちょっと問題かもわからないけれども。それで初めて国民は、そんならいっぺん自民党に代わってこの人達を支持しようかということになるのですが。イロハのイの政治もわからんで、それは国会議員辞めてしまえと、それをこの連中皆に言いたいね」
生野キャスター
「考え方とか、方針が違っても、とりあえず1つになることが大事なのですか?」
石井氏
「もちろん、そうですよ。そりゃね、政策っちゅうのも必要ですよ。しかし、政権を獲って初めて政策が実現するんであって。その前に学者か何かのように、これがこうだ、あれはどうだというようなことを言うてたら、これはどうにもならんですね。中には個々を見ると、なかなか能力を持った連中もおるわけですけれども、政治の原点ちゅうものがわかっていない」
藤井氏
「そう、そう」
石井氏
「これが現在の野党の欠陥です」
藤井氏
「そうです」
石井氏
「そこへもってきて選挙制度が悪いですよ。自民党と公明党が一緒なら支持率、政党、40%、50%あるんですよ。こっちの方は10%とか1%でやっとるわけでしょう。なら横綱と十両が勝負しとるような、こういう政治をやっとって、それを黙って横で見てて、自分のアイデンティティはこうだ、こうだっちゅうようなことを言うのを…。それで別に派閥が良いとは言いませんけれど、昔の選挙制度は、私が実は小選挙区に変えた張本人の1人なのですけれども。現在は変な形でそれが機能してないですけれども。昔は、国民は皆、個人を選びました。だから、本人が政策も持っておるし、金も集めるし、人にもそれだけの魅力を持たなければいけないのですが。現在の場合はもう皆、サラリーマンみたいなのがザーッとおって…」
藤井氏
「そうそう」
石井氏
「それで、選挙運動だって自民党でもそうでしょう。特段せずに、公認になって、そこに出たら安定して通るのだから。毎日、毎日、田の虫、草を摘んで、選挙区へ帰って汗を流すっちゅうようなことを誰もしなくなった。なんとか身分だけ安泰だというような連中がもういっぱいおるから、言うたような政治論もなかなかわかりにくい」

『安倍・経済政策』を斬る!
生野キャスター
「一昨日、政府は経済財政運営と改革の基本方針である『骨太の方針』を原案にまとめました。主な内容がこちらですが、財政健全化目標について『経済再生と財政健全化に着実に取り組み、2025年度の国・地方合わせたプライマリーバランス、基礎的財政収支の黒字化を目指す』。これまでの黒字化目標を5年先送りしました。また、財政健全化には実質2%程度、名目3%程度を上まわる成長の実現が必要としています。藤井さん、今回の方針で財政健全化はさらに遠のくことになりましたけれど、安倍政権のこういった姿勢をどう見ていますか?」
藤井氏
「まず超金融緩和政策というのは話にならないと思いますね。ポール・ボルカーというアメリカの中央銀行の総裁がいますが、『中央銀行というのは、物価を安定させるのが仕事なんだ。物価を上げるとは何事だ』と。これは自分の国のことを言っているんですよ。だけど、日本の日銀に対しても言っているのと同じだと思います。それで、リフレ派というのは、あれは学者の意見なんですよ。学者としては立派ですよ。だけど、これは何だと言うと、インフレする寸前までジャンジャン金をバラ撒くというわけでしょう。そこでやめると言うんですよ。実社会でできないんですよ、そんなこと、調子良くなっちゃうとね。それが、要するに、リフレ派の学者としての意見は通るけれど、実際は無理だということだと思いますね」
松山キャスター
「インフレフレターゲット論で言うとアベノミクスのまさに1本目の矢で金融緩和をして、インフレ、物価上昇目標をつくって2%とやりましたけれども、それも目標に達していないという状況ですが」
藤井氏
「できないです、できない。学者の副総裁は、できなかったらやめると言ったんですよ、ね?ところが、日銀出の副総裁は、無理でしょうと言っているんですよ。つまり、実務家と学者の違いがあるんですよ。学者は立派な人がいっぱいいますから、学者を全部非難しているのではないのですが。実務の中では、学者の意見は非常に問題になることがあるんです。たとえば、浜田宏一さんと名前言っちゃいけないかもしれないけれど、この人はサポートしたわけですね。だけど、ある段階から、あれはダメだと、あれはやめますと。私は反対です、物価を上げるために日銀の超金融緩和政策はできませんということを言っているんですよね。だから、これは失敗なんです、完全に。そうすると、そこで出てきたのは、今度はインフラ整備とか、何とかという金をバラ撒く、財政でバラ撒くというやり方、それがここにある話です。つまり、財政で金をバラ撒くことによって経済を良くしようというのだけれども、実は財政をバラ撒くということは、また、プライマリーバランスと言うのですか、赤字を増やすということになるんですよね。特に私がどうしても許せないのは、安倍チルドレンが、消費税は、目的税化した消費税はやめる、抑える。それから、財政はジャンジャン出す。それから、プライマリーバランスの目標はやめる。こんなことを言っていて、日本の経済は潰れますよ。そんなヤツが少なくとも三十何人、それに同調したんでしょう、安倍チルドレン」
松山キャスター
「とは言え、安倍政権が誕生してから実際に株価もある程度、当時は9000円台から現在2万2000円台まで上がっていますが…」
藤井氏
「だから、株価が上がった理由は、金融を緩めたからですよ。本当に経済が良くなったから上がっているばかりではない。金融を緩めたから。金融を緩めると本当は実体経済にいくべきなのに、リスキーなところに金がいくんですよ。リスキーは何だと言うと、不動産、株…、現在は仮想通貨、こういうところにいっちゃうから、金をバラ撒くということは逆に経済をマイナスにすることがあるんです。これは過去、日本の経済は戦後6回のマイナス成長をしているんですよ。皆、金をバラ撒いた時なんですよ」
松山キャスター
「山崎さんはどう見ていますか?」
山崎氏
「それは現在、安倍政権の支持率が一定程度保っているのは経済だと思いますよ。『外交の安倍』とよく言うけれども、外交はあとで議論になるのでしょうけれども、全部失敗だと思うんです。むしろ経済が、株価が上がったことに象徴されるように好況モードというのがあるんです。確かにタクシーに乗ってみたりすると、あるいは私は福岡だからインバウンドが多いということもあるけれども、好況感というのはある程度はありますよ。しかし、これが現在のような金融大緩和をやっていると必ず副作用がくると思いますね。それは石油ショックのあとの大インフレのようなことがきやせんか、あるいは財政が本当にパンクしやせんかと。それから、マイナス金利をやっているけれど、そんなことで金融業界はもつのかと。いろいろな副作用が起こってくると思うんですね。それを限界がいつかということはわからないけれども、そろそろ限界にくるのではないかと私は思います」
松山キャスター
「金融緩和の出口戦略というのは今後、どう政策をとっていくべき?」
山崎氏
「いや、それは、ここでプライマリーバランスを回復するということをキチッと、もう動かさないで、目標をやっていかないと出口はないと思いますね」
松山キャスター
「あと、来年10月に予定されている消費増税がありますけれども、これまで2回、既に先送りしてきたわけですけれども。これは予定通り引き上げるべきだと?」
山崎氏
「当然です。これを逃したということになると、いよいよ信用はなくなると思いますね」
松山キャスター
「石井さんはこの経済政策については?」
石井氏
「アベノミクス、アベノミクスと言うけれども、その実感を、国民が感じているかということになりますと、そういう声は最近聞かなくなりましたね。第2の矢、第3の矢あたりから、アベノミクスの効用というのは国民があまり信用しなくなった。世論調査をしてみても、所得の低い人ほど苦しい局面に立っているんですよ。裕福なグループは、多少アベノミクスの効果に期待しているところもあるのですが。僕は取り立てて言うほどの成果を収めなかったのが、この経済政策ではないかなと。なぜ、しかし、現在のような状態にしているかと言うと、1つはアメリカの景気あたりに支えられているところもあれば、低金利政策、金利ゼロみたいな話にもあるし、政府は国債をあれだけたくさん買っているということから、辛うじて、問題意識は少ないと思うのですけれども。経済政策に対してそんなに高い評価をしていないですし、また今後も期待していないですね」
松山キャスター
「企業の業績だけを見るとバブル期に並ぶか、それ以上の業績を上げている企業が多いという。円安のこともあると思うのですけれども…」
石井氏
「だから、低所得者、一般の庶民には厚くないのですが、あなたがおっしゃったように、法人、企業、それから、高額の所得者層に対しては、ある程度、潤っておると。しかし、あとは庶民生活に対してはそんなに経済政策というものが成功しておるように思えない」
松山キャスター
「国民に実感がない?」
石井氏
「実感が全然ない、うん」

『ポスト安倍』を斬る!
生野キャスター
「さて、今国会が閉会しますと、9月に行われる自民党総裁選に向けての動きが活発化するとみられていますが。総裁選への出馬が取り沙汰されているのがこちらの顔ぶれです。山崎さん、安倍総理の3選についてはどうでしょうか?」
山崎氏
「総裁選挙ですから党員投票というものもあるし、国会議員の投票もあるのですが、国会議員の投票では圧倒的に現在の段階では安倍支持が多いと思います。問題は党員投票ですけれども。党員投票は、現在のような政治不信というものがあるので、政治不信は安倍政権で出てきた不信ですから、党員投票がどれだけ安倍さんに集まるかということはちょっと疑問があります。ただし、自民党員というのは、100万ちょっと超えるだけなんですよね。国民全体から見ると、1%程度のものなんです。その1%程度のもので党員投票が行われて、それが仮に安倍さんに有利に働いたとしても、これは国民投票とはとても言い難い、国民が政権を選んでいるとは言い難いので。結局、政権の帰趨というのはまず国政選挙ですね、国政選挙は来年の7月の参議院選挙が1番近いですね。それまで解散しないと思いますよ。ですから、国政選挙で負ければ、当然交代しなければならんと。ですから、総裁選挙をそんなに重視しないで、現在のところ勢い的に言うと安倍3選の可能性がかなりの程度高いと思うのですが、来年の参議院選挙が問題だと思うんです。参議院は3分の2ギリギリありますが、この3分の2を割ることは必定と思うので。そうなると、憲法改正の発議ができませんから、衆参ともに3分の2だから、参議院ができなくなるということになれば、安倍さんが3選して何をやるのかということになれば、憲法改正だと本人は言っているのだから、それができなくなるわけだから、そこでやめるべきだということになると私は思うんですね。そういう意味において、今度の総裁選挙には近い将来、政権交代があるから、総裁交代があるから、ここは立った人は必ずテイクアドバンテージなんですよ。今度立った人が有利なんですよ」
松山キャスター
「なるほど。それは先に立った人がということですか?」
山崎氏
「9月の総裁選挙に立候補した人が私はテイクアドバンテージだと言っているので、有利だと言っているので。名前が出たけれども、その中で立つということを明確にしているのは石破さんだけだから、石破さんは…」
松山キャスター
「その可能性が高いということですね?」
山崎氏
「野田さんもそういうことを言ってみたりするのだけれども、なにしろ閣内ですからね。閣内に居る人が、現在、総裁選挙で安倍さんに採用された閣僚が戦うということはなかなか難しいことだと私は思います」
松山キャスター
「その石破さんですけれど、先頃、会合でこんな発言をしているのですけれども。『自民党が野党になった時というのは、たとえば、宮沢政権の時と麻生政権の時、解散総選挙をやって、どちらも選挙で負けてしまったと。自民党は、政策はそんなに間違っていなかったと思うけれども、自民党のやっていることが最近おかしいねとなった時はボロ負けに負けることがある』ということを話していましたけれども。現在、森友・加計問題でかなり苦しんでいる安倍政権を念頭に置いた発言のようにも見えます。石破さんは、安倍さんが総理に、2回目の総理になる前の総裁選でも立候補され、党員票では勝っていて、最後2回目の投票で逆転されてとなりましたけれども。あの時点で石破さんが立っていたことが現在になってアドバンテージになってくることも言えるということですか?」
山崎氏
「いや、今度立たなければダメですね」
松山キャスター
「今度、また立たないと?」
山崎氏
「ええ。今度立つ人に、アドバンテージがあると思います。だから、岸田さんは立つべきだと思いますよ」
松山キャスター
「岸田さんについて禅譲する形で政権は獲れる形になるのではないかと」
山崎氏
「それは3年後の話であって。途中で交代した場合は、禅譲はないですから」
松山キャスター
「禅譲の約束だけあっても、その3年後はどうなっているかわからないと?」
山崎氏
「いやいや、今度途中で辞めたら禅譲なんてあり得ないから、ええ。禅譲する力がないから。中曽根裁定みたいなことはできないから」
松山キャスター
「藤井さんは自民党総裁選の顔ぶれを見てどういう感想を持ちますか?」
藤井氏
「最後に出た岸田さんですけれど、安倍さんが禅譲するということは絶対にあり得ないと思います。なぜかと言いますと自分とは考え方が違うということを知っていますから。私は某テレビ局に出た時に、あんたは大平派の本流なんだぞと、ね?」
松山キャスター
「確かに宏池会は若干、政策としては違いますよね?」
藤井氏
「うん、こういう会には、テレビに入った時には言いにくいだろうけれど、それだけ言っとくよと。大平派のあなたは本流なのだと、言ったら、テレビの最後に僕は安倍さんとは違いますと言いましたよ、はっきり。つまり、違うんです。だから、禅譲は絶対にまず岸田さんにはあり得ない。自分の後釜に、リベラリストを持ってくるということはあり得ないんですよ、と私は思います」
松山キャスター
「石井さんはどう思います?」
石井氏
「日本の政治っちゅうのは、後継者として、これという人が出てこないですね」
松山キャスター
「この顔ぶれからはそう感じられない?」
石井氏
「この顔ぶれからは感じられないですね。それは安倍さんにとって非常に幸運なことで、山崎先生も言われるようなことになるのかなと思います。安倍さんは1回やったのですが、1年で辞任しちゃったわけですよ」
松山キャスター
「はい、第1次政権…」
石井氏
「うん。もう1度チャンスが来た時に、4人で自民党総裁選挙をやられましたよね。石破さんと谷垣さん、それから、もう1人誰だったかな、石原さんと、安倍さんか、うん。2位ぐらいにつけていたのですけれど、最後で決戦投票か何かで当選したんかな、何かそういう経過。だから、そんなに長く続くと思わなかったものが大方現在5年以上続いているということなのでしょう。そうして、選挙制度やら党内体制の中におって、権力もカネも全部総裁に集まるわけですよ。内閣人事局で官僚の指名だって、そこに全部集まるという状態になりますから。有利な状況の中で今日までこれを続けてきた。しかし、恐ろしいのは世論調査で、安倍さんも頭痛いと思うけれども、不支持の方が多いのですから」
松山キャスター
「そうですね、支持より不支持の方が若干多くなっていますね」
石井氏
「不支持の方が多いのに自民党がそれを支持して出すかということになってくると、自民党の人も困るだろうね。かと言って、安倍に代わる人が見つからないという状況になると向こうも困るし、国民も困るというふうな、こういう状況の中にあるわけですね」
松山キャスター
「1つは、経済がある程度好調だということの実績がある。あともう1つは、安倍総理は外交に強いというイメージがあるので…」
石井氏
「うん」
松山キャスター
「それも考えて、安倍政権、長期政権で安定した方が日本の総理としてはいいのではないかという意見が当然あると思うのですけれども」
石井氏
「うん」
松山キャスター
「それもあって3選の可能性というのはある程度強いのではないかなという意見が出ていますよね?」
石井氏
「うん、だから、本来ならば、昔の自民党だったらもうたちどころに、それこそ謀反が起こってひっくり返りますよ。そういう活力も見えなくなってきて、皆、おりこうちゃんばかりが自民党の中で揃っているように思うし、何か声を出せば唇寒しというふうなことで、恐れてしまうという、こういう状況が続いておるっちゅうことは残念ですが…」
松山キャスター
「まさに、でも若干、自民党内での声ということでは小泉進次郎さんが『政治家としての矜持といったものをもっと考えるべきだ。党が強いということは官邸にとってもプラスになる、党を鍛えることは全体にとってプラスになる』ということで。まずは党の中から声を上げて、党自体をもう少し活性化させていくべきだという意見を言っていますけれど。自民党内から来年の参議院選挙で勝てるかどうかということを考えて、安倍総理の3選でいいのかどうかという議論が今後活発化してくる可能性があると思うのですけれども。山崎さんはその点どう考えていますか?」
山崎氏
「いやいや、現在のところ安倍総理に人事権がありますから、内閣改造をやると思うんですね。2回やると思いますよ。総裁選挙の前に1回と、総裁選挙のあとにもやると思いますね。やるということを明示してやると思うんですね」
松山キャスター
「それは、内閣改造を?」
山崎氏
「内閣改造を。そうしますと、それは総裁選挙に勝った場合でもあらためて首班指名選挙をやりますから。ええ、あるいは確認をしますからね。ですから、新体制で今度また内閣をやるよとなるから。人事権を皆は睨んでいますからね。だから、ほとんど盲目的に従うと思いますね、党内が」
松山キャスター
「ある意味、それが引き締めになって、党内からそんなに反安倍みたいな動きはある程度抑えられる?」
山崎氏
「ええ。そういう度胸があるのは村上誠一郎さんぐらいで、ほとんどおりませんからね」
生野
「今夜は、あるべき政治の姿というテーマでご提言をいただきます」

石井一 元民主党副代表の提言:『野党再構築で政局転換』
石井氏
「野党は解散を要求しても選挙に勝てないと、不信任を出したところで通らないと、あるだけだという存在なんですよ。唯一、これを挽回するのには大結集をしてやるということで。たくさん見せられたように、希望か、民主か、立憲か…」
松山キャスター
「いろんな党に分かれていますね」
石井氏
「分かれていますわね。私でも覚えてないような新しいものが出て、勝手放題なことを言うとって、政治は誰のためにあんのかと。政治家になったら政権を獲るという迫力を持ってほしいと。個人の主張はもういいと。いつまでネズミをとらぬ猫でおるのかと。今度こそは本気になれ、ということを言いたいですね」
松山キャスター
「野党再構築で政局転換と?」
石井氏
「政局転換。しかも、元号が変わる、ポスト平成時代に新しい政局をつくり出すために、自民党に対する批判があり、自民党が現在のような政治を続けておるのなら、我々は自分を無にしてでも、政治家になった限りは、日本のためにがんばると、こういう気概になってくれれば、可能性は出てくるんですよ。現在のままでは出ていないですよ。しかし、参議院選挙もある、自民党の総裁選挙もある。世論調査で刻々と出ている、代えろ、代われ、なんとかしてくれという国民の声を誰も受けとっていない。現在のままだと、この野党はダメなのだけれども、お前らがダメでなくなれということを強く訴えておるわけです」

山崎拓 元自由民主党副総裁・幹事長の提言:『信なくば 立たず』
山崎氏
「この意味は、政治不信があれば、政治の運営というのは難しくなるので。特に民主政治ですから、国民の支持があるかどうかということだと思います。ですから、国民の信頼、信用、信任というのがあるかないかということは、1つは世論調査で示されるので。世論調査、マスコミ全社がやりますから、だいたい足並みが揃うので。支持よりも不支持の方が多ければ、信がないということになると思います。それから、総裁選挙で言えば、党員投票ですね。これは国民の1%とは言いながらも一応、信があるかないかということのメルクマールになると思います。それから、国政選挙です、来年の参議院選挙。いずれかにおいて信がないということがはっきりした場合は潔く政権交代するべきだと思います」

藤井裕久 元民主党最高顧問の提言:『政治家は理念を持て』
藤井氏
「この1年を見てますと目先のことに迎合しているんですね。それが分かれちゃっている理由なんですね。そうではなくてまとまるということは当然の前提ですが…」
松山キャスター
「政治家は理念を持てと?」
藤井氏
「理念を持てということは、目先の空気に迎合しているんです、今の政治家のほとんどが。そうではなくて。私は若い議員には、いつでも、どこでも、どなたにも同じことをやる。そうすると、必ずブーイングがあるんですよ、拍手もあるんですよ、場所によって。それを乗り越えなくちゃ、政治家としては成り立たないのということを私は若い議員に言っております」