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2018年5月11日(金)
河野太郎外相緊急出演 北『非核化』への道筋

ゲスト

武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授(前半)
手嶋龍一
外交ジャーナリスト(前半)
ケント・ギルバート
米カリフォルニア州弁護士(前半)
河野太郎
外務大臣(後半)

北朝鮮『非核化』めぐる攻防 アメリカ北朝鮮の思惑は
生野キャスター
「昨夜、トランプ大統領は米朝首脳会談を来月12日、シンガポールで行うと発表しました。米朝首脳会談を前に各国の動きが慌ただしくなってきていますが、北朝鮮の非核化は現実のものとなるのでしょうか。前半は、北朝鮮をめぐる各国の攻防を専門家の皆さんと検証。後半は、河野太郎外務大臣を迎えて、北朝鮮をめぐる外交戦略について聞いていきます」
松山キャスター
「武貞さん、実際シンガポールでこれから会談が開かれるという見通しになったわけですけれども、水面下で米朝が交渉していたとは言われますが、現在の段階でアメリカ側から出ている情報、たとえば、CVIDと言われる、完全で不可逆的な検証可能な非核化の主張と、北朝鮮側から出ている段階的・同時的措置みたいな話がありますよね。ニュアンスの差はまだ残っていると思うのですけれども、この段階でシンガポールの会談に突っ込むというのは、どこまで勝算が見込めるものなのですか?」
武貞特任教授
「アメリカの国務省の報道官の方も記者に対して、これからやらなければならない仕事、6月12日までたくさんあると言っていました。ですから、これらの議題をどうするかということ。アメリカの主張するCVID、これを具体的に要求しますよね。実際、NPT(核兵器不拡散条約)に再び復帰することとか、IAEA(国際原子力機関)の査察を受ける、こことここの施設はキチッと査察を受けさせる、リストまで出すと思いますよ。トランプ大統領はシンガポールで、こことここをやると。何月までにと、特に来年ぐらいまでの間にロードマップまでつくって、こことここを見せろ、こことここをスクラップにしろとか、そういったもののリストを現在、つくっていると思いますよね。そういうリストをつくっているということも、これは北朝鮮に対してはポンペオさんが向こうと接触をする過程で、あるいはその他のスタッフが北と交渉をしている過程で具体的な要求をするからCVIDの覚悟してくださいということを既に伝えているでしょうね。北朝鮮はほとんどそれを全て撥ねつけていると思います。段階的、かつ相互主義にもとづいて朝鮮半島の非核化に向けて努力をしましょうということでかわしながら自分自身の核兵器の放棄につながることの約束はできるだけ減らそうという考えでしょう。そのこともあってこういう方針で臨むからということで、大連で習近平さんに金正恩さんは会って、お互い足並みをキチッと揃えて、北の立場をしっかり支持するという文言まで、言質まで習近平さんからとったわけですよね。中朝の共同作戦のように見えますよね。非核化と言うのなら、アメリカがさしかけている核の傘についても、どうするかということを再検討するぐらいのことを言わなければ、北朝鮮は相互主義、段階的にという言葉にもとづいて、実行できることは限られてますよ、というのが現在の北の立場であって。一見、米朝の考えに相当開きがある。けれども、6月12日までの間のいろいろな交渉の中で、おそらく相当縮まっていくだろうと私は思います。と言うのは、これが決裂してしまったらどうなるのか。これはトランプさんが1番困りますよね。決裂したら、習近平さんと金正恩さんがもっと仲良くなるではないですか。既に、直前に会っているわけですから。それと南北の関係は非核化が具体的に進まなくても、これから先の秋、南北首脳会談をやると言って、平壌でやるということまで文言を書き込んでいますよね?」
松山キャスター
「はい、平壌に文在寅大統領が行く」
武貞特任教授
「進んでいきそうですよね。こういうような疑念を払拭するために文在寅大統領は非核化がキチッと進まない限り南北は進めないと明確に述べましたよね。これは、だから、南北は米朝がうまくいかなかったら、南北が進まないよねと皆言い出していますけれども、南北は実際は非核化というものはアメリカのお仕事、米朝間のお仕事、南北はこれだけ具体的に、軍事当局者協議、将官級の協議とか、8月15日、離散家族再会とか、ずっと書き込んじゃっていますよね、板門店宣言で。それと切り離した形で進めていく道を4月27日に宣言の中でつくっちゃったんですね。相当、北朝鮮は楽観的だと思いますよ」
手嶋氏
「米朝が徐々に歩み寄ってくるだろうと言うのですけど、これを見ていただいてわかりますように、まったく相容れないですよね?」
松山キャスター
「違う主張ですよね?」
手嶋氏
「アメリカ側は完全に核を検証可能な形で放棄しなさい、まず放棄ありきということになりますよね。ところが、米朝の会談で、しかも、中国側が北朝鮮側とよく相談をして、考え抜かれた文言ですね。結局、段階的に、相互にまさに制裁も緩めながらやっていけば、最終的には朝鮮半島の非核化は解決できるだろうと言っているだけで、北朝鮮が非核化に向けて何か確かな足取りであるということをこの段階ではまったく言っていないと。つまり、まったくここのところ主張がかけ離れていると。わずかの間で、6月の12日までにどんな実務者交渉をやっても簡単に歩み寄るとは思えないですね。ここは明らかに楽観的と言わざるを得ない」
武貞特任教授
「いや、私が楽観的なのではなくて…」
手嶋氏
「うん」
武貞特任教授
「北朝鮮、韓国、アメリカが楽観的なんですよ。つまり、結論が6月12日に出てしまうということでもないし、まったく決裂して、米朝首脳会談、そのあとの米朝協議はもう終わりだなんていうことはならない。アメリカは…」
松山キャスター
「続いていくということですか?」
武貞特任教授
「続いていく。継続協議だね、具体的なことは、とアメリカが一言言えば、たとえば、既に大統領、アメリカの大統領も言い始めていますよね。非核化に関する行動をキチッととらない限り圧力制裁は続けていきます、こういう言葉もよく考えてみたら、核実験場1つ廃棄しましたと、これは行動の1つになりますね。そうすると、制裁・圧力、これを少し緩めてもいいかな、という議論がその先に出てくるような論理を相当準備していますよね」
生野キャスター
「ケントさん、どうですか?」
ケント氏
「前回はそれをやって裏切られたわけだから、今回はそれを認めないと言っているんですよね」
武貞特任教授
「認めないのだけれども…」
ケント氏
「認めないと言っているのですけれども」
武貞特任教授
「…認めないので、こういうプログラムで廃棄する、何月までにこうしなさい、こうしなさいというものについて、物別れになる可能性は非常に高いという点で、おそらくお二方と同じだと思うのですけれども」
手嶋氏
「うん…」
武貞特任教授
「継続協議する以外にないね、ということになって、6月12日が終われば、これはアメリカの譲歩でしょう。だって6月12日は完全に北朝鮮が核兵器を放棄しますよ、CVIDに同意しますという一筆をとらない限りは、アメリカの一歩譲歩だと見ざるを得ないですよね」
ケント氏
「アメリカは譲歩しないと思うんですよ。譲歩しないと思いますけれど。協議をする前からもうアメリカの言うことを鵜呑みにするというのも、あまり戦術としてよくないわけだから。本当に言いたいことは言っているわけですよ、お互いが」
生野キャスター
「そうですね」
ケント氏
「それから、交渉をして解決をするということですから」
松山キャスター
「アメリカとして何かしら非核化に向けた方向性みたいなもので今回、米朝会談で合意が仮にできたとして、アメリカだけで課している独自の制裁について徐々に解除していく可能性はあると思いますか?」
ケント氏
「ない、ない、ない…。アメリカは最後です、アメリカは最後です…」
松山キャスター
「完全にCVIDまでできないと解除しない?」
ケント氏
「はい」
武貞特任教授
「既に、しかし、解除の類のことは認めちゃっていると思いますが。アシアナ航空が韓国から馬息嶺スキー場へ選手団を乗せて、アシアナ航空が向こうの選手団を乗せて帰ってきて、平昌オリンピックの開催でいろいろ韓国の飛行機が、アシアナ航空が行ったり来たりしても、アシアナ航空はアメリカの空港に着陸していますよね。これは、アメリカの制裁措置の違反ですけれども、特例、特例がずっときちゃっていて…」
ケント氏
「特例ですよね」
武貞特任教授
「特例は特例でしょうとおっしゃるかもしれないけれど、特例をたくさん散りばめて、特例ばっかりになった場合は…、現在の制裁と圧力が有名無実化しますよね。有名無実化してもいいじゃないのという考えの1番先頭に立ったのは文在寅政権ですよね」
手嶋氏
「ええ、交渉についてですから」
武貞特任教授
「はい」
手嶋氏
「周辺部分については、現在はまさに誘い水ということもありますから、現在、言われたようなことはあると思うのですけれども。肝心の核の放棄というところについて、アメリカ国民に対してトランプ大統領が現在、柔軟な姿勢をとる。もしくは言われたように核実験場は廃棄したり閉鎖したりすると思うんです。しかし、ご案内のように、ここについては先の核実験で潰れて使えないということもありますので、そんなものがたくさんありますから、そういうもの、つまり、核の放棄というところに曖昧な態度をとるということになるとトランプ大統領が本国に帰り着いた時に厳しい政治状況に追い込まれます」

日本と中国の『立ち位置』
松山キャスター
「武貞さん、今度、シンガポールで予定されている米朝首脳会談がありますけれども、それに合わせて中国の習近平国家主席もシンガポール入りするのではないかという一部情報がメディアに流れてますけれども。仮にそれが事実だとしたら、これはどういう意味を持つのですか?」
武貞特任教授
「そうですね、習近平国家出席が6月12日に行けば、1つの議題が大きな議題になるだろうと。つまり、休戦協定の当事国というのは、休戦協定を、サインを実際にしたのは、マーク・クラーク国連軍司令官と彭徳懐中国人民志願軍司令官、金日成朝鮮人民軍司令官、3人が署名をしたわけですけれど、その3人が揃うわけじゃないですか。韓国は署名していないですけれども、韓国の作戦、作戦指揮権というのは1950年7月15日にマッカーサーに対して李承晩が差し上げますと言ったので、国連軍司令官が責任を持ってサインをしたから、韓国の代わりにアメリカは責任を持って休戦協定を平和協定に変える権限がある、考えれば3人が揃ってしまう。だから、休戦協定を平和協定に…」
松山キャスター
「当事者が全部揃っちゃうということですね?」
武貞特任教授
「…変えるというプロセスで、南北・アメリカ、あるいは南北・アメリカ・中国が協議をすると4月27日の板門店宣言の中に書き込まれている、その中のその部分が実に6月12日に何か進んでいきそうな印象を受けますよね。非核化問題についてどうなるかという問題はもちろん、そこで残りますけれども、休戦協定を平和協定に変えるという時に、休戦協定の文言に核兵器をどうするかという文言が、1953年7月27日の休戦協定に書いてあるはずがないわけであって。強引に平和協定に向けて動き始めるという可能性は、私は十分にあると思います」
生野キャスター
「手嶋さんは?」
手嶋氏
「かなり重大な発言だと思いますよね。武貞さんは北朝鮮の主張をしているわけではない。しかし、北朝鮮の専門家として、北朝鮮の外交上、内在的論理、つまり、思考の方法や胸の内は正確に言われたということになりますので。この中国、アメリカ・北朝鮮の3国が休戦協定を平和協定に切り替える、切り替えたいと平壌は考えているということなのだと思いますね。しかし、いみじくも発言されたように、当時、核兵器なんかはないわけですから。アメリカは一時、マッカーサー元帥が中国に対して核の使用は考えましたけれども、当事国はないですよね。しかし、なかったのですけれども…、ですから、核のことは直接議題にならないというのはご指摘の通りですけれども、しかし、北朝鮮は現に核兵器を持っていると。少なくとも核弾頭だけで言うと12個以上と言われていますから。そういうものも含めて、核の廃棄の問題をこちらに置いて、休戦協定を平和協定に切り替える。一見、朝鮮半島に平和がくるように思いますけれど、それでいいのかどうかということになりますから」
ケント氏
「いや、それは…」
手嶋氏
「アメリカや日本は断じてこのことで結構だと言えませんよね?」
ケント氏
「トランプさんは政治的にそれをアメリカ人に説明できないですよ」
手嶋氏
「ええ、特に、在韓米軍というのは、実際、休戦協定の時…」
ケント氏
「うん」
手嶋氏
「現在もまだありますけれど、国連軍のキャップを被っているということになりますよね。それが解体をされるということになります。実は日本との関係で言っても在日アメリカ軍というのは朝鮮有事の時の重大な抑止力ですが、実は在日アメリカ軍というのは1960年、改定安保に基づいてあるのですけれども、実はこれはほとんど知られていないのですけれども、もう1つ、横田にも国連軍の司令部があって、これは国連軍のキャップを半ば被っているということになる。これは国連軍の方がはるかに自由な行動ができるということになるのですけれども。その国連軍が消えてしまうということになると、まさに北朝鮮に対して核を廃棄させるための重大な抑止力やプレッシャーというのの1つを自ら切り落とすということになりますから。北朝鮮は望んでいるのかもしれませんけれども、その点で、武貞さんのご指摘、大変興味深いですよね、それで結構だということに断じてなりませんね」
武貞特任教授
「…1つ訂正がありますけれど。現在、韓国に在韓国連軍というのは、兵士は50人程度しかいないです。これはブルーヘルメットを被った国連軍の担当者というのは、ジョイントセキュリティエリア、共同警備区域を守っている人達ですよね。その他は2万8500人の在韓米軍がいるんですね。在韓米軍は休戦協定に基づいているのではなくて、1954年の米韓相互防衛条約にもとづいて、アメリカの軍事戦略上、韓国を守るんだという目的のために2万8500人がいるわけであって。休戦協定が終わりました、平和協定にしました、ということに仮になっても、それは国連軍司令部が解体されるんですね。韓国には第8軍、在韓米軍司令部はそのまま残るんです。2万8500人に手をつけなければならないということは全然、ないわけですよね。アメリカは休戦協定が平和協定に変わったからといって、韓国を防衛する義務はこれで終わりましたとは決して言わない。言わないから、休戦協定を平和協定に転換をしたということが、米軍がいなくなることではまったくないですから」
手嶋氏
「それはその通りです、ということには全然ならないんですよね。つまり、現在は半ば平時ですから、確かに国連軍のキャップを被った人は少ないですけれども、そのことではなくて、この本質は司令部にあるんですね。ですから、横田の司令部も非常に重要で、大変実は弾力的な、私は前線で取材をしていましたから申し上げられるのですが、ここのところ、解釈の余地も大変大きくあって、国際法の運用をやっている日本の外務省の官僚も含めて、これを柔軟に運用するというのは、まさに有事に備えて研究をしているところなので。数の問題ではないということをちゃんと反論しておきたいと思います」
ケント氏
「でも、こういう平和条約の話を持ち出すと、非核化の話がどこか行っちゃうんですよね」
松山キャスター
「これは切り離すことはできないというのがアメリカの立場ですよね?」
ケント氏
「切り離すことができないというよりは、大前提は非核化です」
松山キャスター
「非核化が、まず?」
ケント氏
「これをまず行っておいて…。非核化というのは、北朝鮮の非核化ですよね。それが可能、確実になった時点で平和を考えるということに現在なっているわけですけど。では、これから6月12日までにそれを結びつけて総括的なものにできるのかどうか、私は時間がないと思うんだ。もうおそらく無理です。と言うのは、どっちかと言うと、中国を蚊帳の外に置いてあるので、これは直接、アメリカと北朝鮮が交渉をするわけですから、中国は間接的に北朝鮮を通して参加をしているだけであって。3者の平和協定というのは、ちょっと違うかなという、そういう感じがしますよね」
手嶋氏
「そうですね。朝鮮半島全体というのは、韓国側もありますから、…の非核化というのではなくて、まず真っ先に論じて詰めなければいけないのは、北朝鮮の核の廃棄ということですね」
松山キャスター
「もともとはそこから始まったプロセスでしたよね?」
手嶋氏
「そうですね。平和協定の話でもなく、朝鮮半島の非核化でもなく、日本やアメリカの立場から言うと、まさしく」
武貞特任教授
「いや、その通りだけれども。24年間、枠組み合意、1994年の枠組み合意以降、これが堂々めぐりして、非核化という意味の解釈、アメリカの解釈と北朝鮮の解釈が全然違うというところで…」
手嶋氏
「おっしゃる通りです」
ケント氏
「それはそうです」
武貞特任教授
「戦争間際だというところまで来て、どうしたらいいのかと。すぐに解決できないね、中国も絡むねと。6月12日までに回答は出ないねというところにまで来て、今日に至っているわけで。おっしゃったように、6月12日に何の解決もできない、では、物別れになって、また戦争前夜かという時期を我々は経験するのかということになったら、そんなことは困る、米朝協議継続ね、というシナリオになった時、6月12日に完全に一筆とろうというアメリカの作戦を考えれば、一歩後退することになりますね、その可能性の方が高いのではないですか。6月10日までは無理ですねということも同じように私も同意しますよ」
ケント氏
「6月12日までにちゃんと成果が出ないという判断があれば、トランプさんは会うのをやめるでしょう」
松山キャスター
「まだやめる可能性はあると思いますか?」
ケント氏
「やめる」
松山キャスター
「何か成果があるだろうみたいなことを言っていますけれども」
ケント氏
「あそこは誠意を見せないから、軍事オプションが残っている、と言い続ける」
松山キャスター
「それはまだ残している?」
ケント氏
「でも、たぶんそれはやらないと思うけれど、でも…」
手嶋氏
「でも、現在の段階で武貞さんのように、シンガポールで一歩後退してもいいというようなことになると…」
武貞特任教授
「そんなことは」
手嶋氏
「…喜ぶのは金正恩委員長ということになりますから。対話は非常に重要ですよ、今言ったように。しかし、だからと言って、休戦協定だけで朝鮮半島の非核化をテーマにして、それで済むというわけではなくて、まさに1番重要なのは北朝鮮の非核化と、これの廃棄、ここについて切り込んでいかなければいけないと思いますね」

河野太郎外相に問う 核・拉致・ミサイル・北朝鮮戦略
生野キャスター
「昨日、トランプ大統領は、米朝首脳会談を来月12日にシンガポールで開催すると発表しました。河野さん、日時が発表され、これで実現の方向ということなのでしょうか?」
河野外務大臣
「実現の方向に向けて一歩一歩前進をしているという感じですね」
松山キャスター
「シンガポールというこの場所については、どう受け止めていますか?」
河野外務大臣
「中立的で様々、施設も充実している、そういうところで選ばれたのではないかと思います」
生野キャスター
「日本側からの提案もあった?」
河野外務大臣
「この会談については、いろいろな提案をさせていただきました」
松山キャスター
「今日夕方、安倍総理が、フジテレビの番組に出演されて、その時に、総理の方からシンガポールにした方がいいのではないかということをアメリカのトランプ大統領に進言したという情報もあるのですけどということ聞いたら、安倍総理がトランプ大統領に『米朝首脳会談について様々なことについて私の考えを申し上げました、具体的なことについては控えさせていただきたい』という言い方だったのですけれど。何となくニュアンスとしてはシンガポール、数ある、ウランバートルとかいくつか候補は挙がっていましたが、板門店とかもありましたけれど、日本としてはシンガポールがベストの場所なのではないかということを暗に伝えていたということなのですか?」
河野外務大臣
「場所に限らず、いろいろな、日本として、こうやったらどうですかということは総理からも申し上げましたし、いろいろなレベルで様々キャッチボールはしておりましたので。一歩一歩、実現に向けて前進をしているというのは非常に心強く思います」

米朝首脳会談 6.12開催決定
生野キャスター
「河野大臣は先月、アメリカのポンペオ国務長官と日米外相会談を行いました。その中でこちら、北朝鮮に対してCVID、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化に向けた具体的な行動をとるよう求めることで一致しました。日米の北朝鮮に対する認識を共有できたということですか?」
河野外務大臣
「これは日米にかかわらず現在、国際社会のほとんど全てが同じ認識の中で動いていると考えていただいてよろしいのではないかと思います。大量破壊兵器と弾道ミサイルのCVID、そのために、国際社会は一致して北朝鮮に圧力をかけ続けなければいけない。この認識と違っているところというのはおそらくないと思います。ですから、これは別に、日米が一致したということではなくて、昨年からずっと国際社会はそれに向けて、安保理決議を採択し、それに沿って経済制裁を皆でやってきた。その結果としてようやく米朝の会談までこぎつける、一歩手前まできた、そういうことだと思いますね」

日米外相会談の成果は
松山キャスター
「このポンぺオさんとの間で一致点が見いだせたそのCVIDですけれど、いわゆる完全、かつ検証可能で不可逆的な非核化という部分。日本とアメリカからはこのきっちりとした文言でいつも出てくるのですけれども、最近、たとえば、韓国ですとか、中国ですとか、そういった国々からはっきりとそういう文言では出てこずに段階的というニュアンスが含まれるような発信もあったりする。日米韓首脳会談がこの間、ありましたけれど、そこでも共同宣言の中では、完全、かつ検証可能、不可逆的という文言が入っていないと。これは何となく、まだニュアンスの差と言うか、溝というのが残っていると受け取れる印象としてはあるのですけれど、そのあたりの歩調というのはきちんととれそうですか?」
河野外務大臣
「違いはないと思いますね。現在、国際社会の中で、大量破壊兵器と弾道ミサイルのCVIDが必要ないんだと言う国はたぶん1つもないと思いますし、それを実現するためには、安保理決議に基づいて、国際社会で一致して北朝鮮に対してそこまで圧力をかけ続けなければいけないんだというのは、おそらくヨーロッパにしろ、中東にしろ、アフリカにしろ、中南米にしろ、皆同じ認識でやってきてくれているわけですから。そこにおそらく差はないと思っていただいていいのではないかと思いますね」

北朝鮮『非核化』の道筋
松山キャスター
「非核化プロセスで1番これから焦点になってくるのが、期間というか、プロセスの中でも期間が重要になってくると思うのですけれども。それについて河野さんは、その期間について国会でもちょっと発言されていたと思いますけれども」
生野キャスター
「『北朝鮮の非核化について、2020年までに様々なことを終わらせるべきではないか』と発言されています。これは期限を区切ったのは?」
河野外務大臣
「金正恩委員長はこの体制が続けばおそらく相当長い間、北朝鮮のリーダーとしての地位にいるんだと思いますが、一方、日米韓は当然選挙があるわけですから、政権も代わるということもあるんだと思います。そういうことを考えれば、2020年、次のアメリカの大統領選挙の前までにきちんと結果を出しておく必要があるのだろうと。ダラダラと伸ばすことによって、日米韓のリーダーが次々と代わっていきますということが起こる前にきちんとCVIDを達成して、次のステージへいくというのが、我々が想定できることだろうと思います」
松山キャスター
「夕方のニュースに出演した安倍総理が、こういうことも話しているのですけれども。非核化について合意がなされた場合、IAEAの査察を受け入れるという話が当然出てくると思うのですけれど。『IAEAが査察をするには費用がかかる。それについては当然日本の安全にもかかわってくることだから。日本も国際社会で応分の負担責任を果たしていかなければいけない』ということで完全に非核化が達成されるまでは当然、経済支援とか、拉致問題も含めて、ミサイルも含めて合意しなければ、日本としては経済支援ということはできないけれど。ただ、こういうプロセスでかかる費用については国際的な応分な負担をすると。これは日本政府の立場としては当然ということですか?」
河野外務大臣
「北朝鮮に対して何か対価を出すということは、国際社会としてはないということがはっきりしてます。IAEAは現在、北朝鮮がOKと言ったら、すぐに査察チームが入れるような、チームの準備をしているわけで。そのためには北朝鮮の施設を見ながら、どれだけの設備が必要なのかということをおそらく計算を始めているのだろうと思いますし、具体的にどれだけ申告される施設があるのかということによっても、設備の量というのは変わってくるかもしれませんが。そうしたものの初期費用を日本が払いますよということは、ミュンヘン対話に行く前に、IAEAに行った時に、天野事務局長には費用については日本がそこはしっかり負担をしますと、だから、しっかりチームをつくって、GOサインが出たらいつでも行けるように準備をしてくださいということはお願いしてありますので。そういうものは、日本の政府としてきちんと費用負担できるところはやっていこう、そう考えております」
松山キャスター
「過去の北朝鮮との交渉で言うと、たとえば、1994年の米朝枠組み合意とか、また、その前の段階の保障措置と言われるような段階で、IAEAの査察が、北朝鮮に入ってみてはいたのだけれど、途中で追い出されたりとか、別なところで核開発を行っていたりという経緯があって。日本やアメリカからすると騙されたという印象があると思うんですけれども。仮に、先ほどおっしゃったような2020年までという期限を区切って非核化のプロセスをやっていくとなった場合に査察もやりながら、きちんと検証しながら、本当に完全に核の脅威が取り除かれたというところまで確認できない限りは、一切の制裁の解除をしないと、これが日本の立場ということでよろしいのですか?」
河野外務大臣
「日本の立場と言うよりは国際社会の立場として、まずそれが、国際社会が最初に申し上げることだと思います。そこから先、どうやっていくかというのは、これは今度の米朝の会議を含め、様々なことがありますが。少なくとも国際社会として、まず言葉に対して対価は出ませんよと、具体的な行動でなければいけませんよと。それから、ちょっとやって何か対価を貰ったら元に戻るというようなことでは困るわけですから。そこはこれまでの失敗は繰り返しませんよということが繰り返し申し上げている。これは昨年の安保理のメンバー、今年の安保理のメンバーをはじめ、ほぼ全ての国際社会がそうでなければならないとして合意している話です」

非核化と制裁解除
松山キャスター
「今回いろいろなプレーヤーがいて、たとえば、アメリカ、まず米朝で今度、首脳会談が行われるわけですけれど、その会談である程度、非核化の方向性が出たとして、アメリカだけで、アメリカ独自で課している制裁を解除するという判断が、仮にあったら、日本としては受け入れられないということをアメリカに主張するのですか?」
河野外務大臣
「アメリカはそういう判断はしません。そこはきちんとCVIDを現実的にきちんと前へ進めていった結果として制裁を解除しようということになっておりますので、そういうことにはなりません」
生野キャスター
「そうすると、今度の米朝首脳会談があまりうまくいかない結果になるという可能性もあるのですか?」
河野外務大臣
「首脳会談は行われると思いますが、どういう結果になるかというのは、それは会談次第というところもあると思っています」
松山キャスター
「各国の足並みとして、たとえば、この間の南北首脳会談のあとの板門店宣言を見ていると、制裁解除とは書いていないですけれど、かなり踏み込んだ南北統一みたいな話を前提にした、たとえば鉄道をつないだり、開城に連絡事務所をつくったりとか、かなり融和的というか、緩和的な動きというのが盛り込まれているのですけれども、それは、たとえば、日米韓の足並みを乱すことにはならないのですか?」
河野外務大臣
「文在寅大統領ははっきりと、絵は見せるけれど、実際それが実現するのはCVIDのあとということは明確におっしゃっていますので。そこは日米韓としてずれているところはまったくないと思っていただいていいと思います」

拉致問題解決の道筋
松山キャスター
「続いて、日本で重要な問題としては、拉致問題がありますけれども。米朝首脳会談で、トランプ大統領はこの間の日米首脳会談でも安倍総理と話をしたうえで、拉致問題を提起するということを力強く話していましたけれど、米朝首脳会談を前にして、アメリカ人3人が北朝鮮から解放されました。ポンペオ国務長官が行ってそのタイミングで開放されたということですけれど。北朝鮮がその3人を解放したタイミング、たとえば、3人が解放されていない段階で米朝首脳会談が行われていれば、日本の拉致問題も当然、人道問題の1つだということで、一括りで交渉するということもできたかと思うのですけれども。先にアメリカ人3人を北朝鮮が解放した、これはどう受け止めていますか?」
河野外務大臣
「アメリカ人の拘束者3人が解放されたという、この機運を拉致問題にもつなげていきたいと思っております。北朝鮮がこういう人権問題について気を遣っているというシグナルなのだろうと思っておりますので、この流れをしっかり活かしていきたいと思います」
松山キャスター
「タイミングとしては、別々になることというのは最初から想定されていましたか?」
河野外務大臣
「拘束者事案と拉致事案というのは別な事件ではありますから。ただ人権問題というところから見れば、それは同じようなことではありますから、1つの問題として考えながら、この3人がまず解放されたというのは非常に喜ばしいことですから、これは拉致事案にもしっかりこの流れを続けていきたいなと思っています」
松山キャスター
「この3人の解放が、逆にトランプ大統領の頭の中で人権問題が大きいものに膨らんでいて、拉致問題についてもちゃんと提起する意欲がさらに増しているとか、そう考えますか?」
河野外務大臣
「トランプさんは来日された時にも力強いメッセージを出していただいておりますし、昨年の国連総会でもメッセージを出していただいておりますので。拉致問題というのが、トランプ大統領にとっても重要なことになっていると思っています」
生野キャスター
「日本は解決するパイプみたいなのはあるのでしょうか?」
河野外務大臣
「北朝鮮とは様々なルートで話はしているわけですから。そこはしっかりと米朝会談の行方を見ながらやっていきたいと思っています」

中東『積極外交』の真意
生野キャスター
「さて、河野さんは昨年の夏に外務大臣に就任して以来、中東外交に力を注がれています。既に5回、中東を訪問されていまして、ヨルダン、サウジアラビア、エジプトをはじめ、アラブ首長国連邦、イスラエル、パレスチナ等々をめぐられているのですが、これだけ多くの中東各国に行かれている外相というのはめずらしいのではないでしょうか?」
河野外務大臣
「そうでしょうね」
生野キャスター
「積極的に中東外交を行う狙いはどこにあるのですか?」
河野外務大臣
「中東というのは、日本のエネルギー源でもあります。石油、天然ガスを日本は大量に輸入しているということから、この中東の平和と安定というのは日本経済の安定に直結をしているわけです。それともう1つ、現在はIS(イスラム国)というのは、崩壊を地域的にはしましたけれど、そこで戦っていた外国人の戦闘員がかなりの数、東南アジアに来ていて、テロのおそれというのが広がっている。そういう中で、中東の安定を取り戻さなければいけない。一方、中東は日本からしてみると、宗教的に日本はまったく中立です。ですから、どこともくみしない、皆からウェルカムと言ってもらえる。歴史的に見て日本がどこかを植民地にしていたという歴史はまったくありませんし、イスラエルをとって見ても、たとえば、杉原千畝さんのようにホロコーストの時にユダヤ人を助けたということもある。それから、先輩方がこの中東に対して非常に手厚く支援、相手のことを考えながら、その支援をやってきたということがあって、どこへ行っても日本は非常に好意的に受け止めてもらえる。そういう意味で、日本は中立で誰とでも話ができる。中東の影の大きなプレーヤーであるアメリカと日本は同盟関係にあって、アメリカと日本は何でも話ができるというのを中東の人も皆、よくご存知ですから。それはアメリカに対して、こういうことを言ってくれと、アメリカのこういうところが困っているんだというところを、日本に話をしてくれる。それが、日本がアメリカに対して、ここはどうなのだということをつなぐこともできるという意味で、日本はもっともっとこの中東に関わっていく、経済的に石油を買って車を売りますというだけでなく、政治的にも関与を強めていく必要があると思いますし、現在、いろいろな場面で、先日、ブリュッセルでシリアをどう支援するかというシリア支援国会合というのがあって、日本から外務大臣が来た、アジアから来た外務大臣はお前だけだという、そういう意味で日本は中東の問題に真剣に本気で取り組むんだなというのは、中東に伝わっているのだと思います。そういう意味で日本がもう少し政治的にしっかり関与していくということはやらなければいけないと思いますし、最初の訪問の時に、最後はエジプトと出ていますが、これはカイロで初めて日本とアラブ諸国の政治対話というのをやらせていただきまして、そこで日本はこれからこういうふうに中東に関与するぞという政策スピーチ、それは非常に良い形で受け入れていただいたのではないかと思っています」
松山キャスター
「アメリカの動きで言うと、中東地域で、いわゆるイランの核合意からの離脱というのが決定しましたね。河野大臣はイランのザリーフ外相と電話会談を行ったということなのですけれども、そこではどういった話をされたのですか?」
河野外務大臣
「確かにアメリカがJCPOAと言われている、この核合意から抜けるぞと言ったわけですが。そこは少しイランにリアクションしないで、少し冷静に堪えていてくれと。ヨーロッパも当事者ですから、ヨーロッパは核合意を維持しなければいかんと言ってアメリカに働きかけをしているし、ヨーロッパに日本も支持をするから、核合意を何とか維持できるような形で、やらなければいかん。アメリカに対しても、いきなりちゃぶ台をひっくり返して、本当に国際的な核不拡散体制にこのままでは影響が出るから、きちんと戻るところには戻って、足らないところをどうするのかという議論をした方がいいのではないかということを申し上げているところではありますが。ちょっとアメリカのこの決断は非常に残念で、これがこの核合意そのものに影響が出てくるということになると困ったなというのが正直なところですね」
松山キャスター
「実際、今回アメリカの核合意からの離脱が決定されて、そのあと、イスラエルとイランとの間で、たとえば、ゴラン高原をめぐって、既に火花が散っているような状況が始まっているのですけれども。このアメリカの核合意からの離脱というのは中東情勢をかなり不安定化させる可能性というのが出てきますか?」
河野外務大臣
「もし本当にこれでイランが自国の利益を守れないということになって、やめようと。そうすると、本当にイランが核兵器の開発をやるんだということになれば、今度は、これは当然、サウジアラビアもやるぞと言っているわけですし、そうなると今度はイスラエルもどうするか。あっという間に中東地域が不安定化してきます。そうすると、ちょうどこのサウジアラビアとイランの位置というのは、油田、ガス田を挟んで向かい合っているということになれば、当然、世界経済にも大変大きな影響が出るということにもなりかねません。ですから、そこはどうこの状況をうまく抑えていくことができるのかということだと思いますね」

河野太郎 外務大臣の提言:『足腰』
河野外務大臣
「『足腰』。外交をやるには外交の足腰というのが強くなければ力強い外交はできないと思います。これは、1つは予算であり、1つはこの外交に携わる人間、外務省の外交官、あるいは外務省の職員。少し薄く広げ過ぎたというところがあって。大使館の数を増やそうというので外交官4人の公館をつくったのですけれども、ここはもう休みもとれませんということで、にっちもさっちもいかないと。あるいは新しいところへ赴任をする時に、言葉がわからないままで赴任しなければいけない。本来なら少し言葉のトレーニングをやったうえで新しいところへ送り出すということをやらなければいけないと思いますし、『足腰』の中には当然、外務大臣の専用機というのも、これは財務大臣とも相談をしなければいけませんが、そういうことも考えなければいけないだろうと思いますが、リソースをしっかりと確保して、適材適所で外交をしっかりやっていきたいと思います」