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2018年5月2日(水)
検証『安倍中東外交』 原油高騰で日本経済は

ゲスト

中島勇
中東調査会協力研究員
田中浩一郎
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
永濱利廣
第一生命経済研究所首席エコノミスト

原油高・ガソリン価格上昇 日本経済への影響は
斉藤キャスター
「安倍総理の中東歴訪を検証します。安倍総理は29日からUAEアラブ首長国連邦、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルの4か国を歴訪しています。エネルギーの安定供給や経済関係の強化をはかるとともに政党和平の実現に向けた日本の関与も目的としています。中東情勢が今後どうなるのか、日本にはどんな影響があるのか、専門家の皆さんと共に分析してきます。このゴールデンウィーク、車をお使いの方、ガソリン価格が高いと実感しているのではないかなと思うのですが、昨年は1リットル130円台だったのですけれど、上昇してきました。5月1日、昨日の時点では145.5円、1リットルあたりですね。この原因というのが原油価格の高騰ということなのですが、この高騰、どの程度日本経済に影響を与えることになりそうですか?永濱さん」
永濱氏
「実は原油が上がると、ガソリン価格はビビッドに反応するのですけれども、実は原油が上がると天然ガスの値段も。長期契約で原油と連動するような契約していますから、それも上がっちゃうんですよ。そうすると結局、もうちょっとのタイムラグで電気とか、ガス料金も上がってくるので、言うなれば原油を輸入している日本にとってみたら、所得の海外流出と言ったらいいんですか、海外からの増税を引き引き受けるような、そういった影響が出るわけです。実際に私の計算だと、過去の交易条件みたいなものから計算すると、足元の原油価格というのは1バレル70ドルを超えているのですけれど、この水準のままいってしまうと今年の日本の所得の海外流出額がだいたい2.8兆円ぐらいなんですよ。どれぐらいの影響かと言うと消費税率1%の引き上げの負担がだいたい2.8兆円なので、言うなれば1%の消費増税と同じぐらいの影響があるということです」
松山キャスター
「となると、日本全体のGDP(国内総生産)を押し下げる要因になるということですか?」
永濱氏
「ええ、はい。それは明らかになりますね」
松山キャスター
「永濱さんの見方としてこの傾向、かなりここにきてグーッと上がっているような印象がありますけれど」
永濱氏
「はい」
松山キャスター
「この傾向はどれぐらいの期間を当面続きそうだと感じますか?」
永濱氏
「私は暫く続くのではないかと思っていて」
斉藤キャスター
「暫くというのはどれぐらいですか?」
永濱氏
「要は、今回の原油価格の上昇は短期的には中東情勢の緊迫化みたいなところも影響しているのですけれども、実はアメリカを中心に減税効果もあって景気回復の期待が強まっているということがあるとか。さらに特にアメリカですと4月から9月ぐらいまで、いわゆるドライブ・シーズンということで、北半球でかなり原油の需要が増えるんですね。そういうことを考えると、少なくともドライブ・シーズンの間はそんなに大きく原油価格が下がるということは期待できないかと。だから、今年の秋ぐらいまでは少なくとも続くのではないかと」
斉藤キャスター
「私達の夏休みも、まだガソリンは上がっていきますか?」
永濱氏
「そうですね、まだ上がる可能性が高いと思う、はい」

中東情勢の今後と日本 安倍首相の中東歴訪
斉藤キャスター
「さて、安倍総理は現在、中東歴訪中です。3年ぶりということで、2015年1月以来です。今回はこちらの4か国を訪問しています。既にUAEアラブ首長国連邦に行き、ヨルダン、次にパレスチナに行って、現在、イスラエルを訪問中だということで、明日帰国予定です。中島さんに聞きたいのですが、まずは安倍総理が今回この4か国を選んだこと、そのタイミングをどう見ていますか?」
中島氏
「タイミングとしてはたぶん国内事情があって、連休の時に行くということだと思いますけれども。時期的には、これから議論になりますけれども、5月中旬というのは、イランとか、あるいは大使館移転ということで、非常に混乱が起きるという意味では、皆が心配している時に、その直前に行ったという意味では、結果的には結構いい時期かなという気はしています。産油国にも行ったし、ヨルダン・イスラエル。パレスチナは石油がないというところも行っていますし、バランスをちゃんととっている。それから、たぶん大事なのは反復して行くという、何回も来ていますというのは非常に大事ですから。そういう意味では、特に今回、非常に弱気になっているパレスチナとか、また、来ましたよという意味で、アラブ諸国というのは何度も来るというのは非常に大事ですから」
斉藤キャスター
「田中さんは今回の中東歴訪をどう見ていますか?」
田中教授
「私は、むしろ間がだいぶ空いたなという印象を持っていまして」
斉藤キャスター
「3年が?」
田中教授
「ええ、そうですね。支援外交という観点から言えば、もっと早く、あるいはもう少し密に行っていてもおかしくなかったのだと思うんですよ。ただ、結果として3年は空きましたけれど、あらためて中東各国を、たぶんまわりたかった全てのところではないのでしょうけれど、一定のところはまわったということにおいてはいいタイミングにはなったと思います」
松山キャスター
「今回訪問する国の中に、UAE、イスラエル、パレスチナの他に、ヨルダンという訪問先が入っていますけれど、これは前回3年前に安倍総理がこの地域を訪問した時も、ヨルダンを訪問していると。これはヨルダン訪問する意味合いと言うか、どういう特殊性があるのですか、ヨルダンという国に?」
田中教授
「いくつかの観点で言えます。1つは中東和平に関して極めて重要なポジションにあるということ。アラブの春以降、ある部分アラブ世界での声を代弁していたエジプトが没落したことによってイスラエルとの間で国交を持っているアラブの国として唯一存在しているのが現在、ヨルダンですので。彼らとの緊密な関係を持つということは中東和平推進のうえでも欠かせない点であること。また、ヨルダンの国王自身が大変な親日家でもあるので」
松山キャスター
「アブドラ国王ですね?」
田中教授
「ええ。彼自身が頻繁に日本にも来ているということもあるので、いろいろな意味でのやりとりをしやすい相手でもあるということですね」
斉藤キャスター
「中島さん、このヨルダンは日本から見てどんな国だと?」
中島氏
「ヨルダンは現在、田中さんの話にもありましたけど、小さな国なんですけど、非常にいいところにあるというか…」
松山キャスター
「地政学的に?」
中島氏
「ええ。基本的にはシリアとイラクと、サウジもイスラエルもありますけれども、その間にあって、ある意味ではそのバッファーゾーンと言うか、…的な役割を果たしつつ、かつ非常にある意味で安定した国ですから。プラス西側と非常に近いということもあって。これは日本のみならず、アメリカも、ヨーロッパも、ヨルダンという国に対しては非常に経済援助とか、やっていますし、今回もの4月末だと思いますけれども、河野外務大臣がヨルダンに行かれた時に、ポンペオ国務長官と会っていますので…」
松山キャスター
「はい、そうですね、同じ時期でしたね」
中島氏
「ええ。ですから、ヨルダンで日米外相会談があったというのはアメリカもヨルダンという国を支えていきながら、かつヨルダンが地域で持ってる1つの安定ファクターをなるべく維持しようということでやっているぐらい戦略的に非常に重要なところにあるという国だと思います」
斉藤キャスター
「日本はヨルダンと、イスラエル、パレスチナとで『平和と繁栄の回廊』という構想を進めているんです。この構想というのはどんなものかと言うと、日本が提唱している中長期的な地域協力の取り組みのことで、基本的考え方として日本はイスラエルと将来の独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する2国家解決を支持するというものですね。社会経済開発を進めて、パレスチナの経済的自立を促すという取り組みです。具体的に言いますと、農産加工団地の建設とか、観光分野での協力促進等を行っているということです。この地域に日本が主導して『平和と繁栄の回廊』をつくっていくメリットというのは、中島さんどこにあると考えますか?」
中島氏
「1つは現在、和平、和平と言っていますけれど、仮に今後、非常に交渉がうまくいって、和平が合意に至った、パレスチナ国家ができましたというのはいいのですけれど、和平が達成した時に、和平自体は別に経済的には雇用も生まないし、生産も何もないですよ。ですから、そういう意味で、まだ和平の、これからどうなるかわかりませんけれども、割と日本としては結構早い時期に、2006年ぐらいから『平和と繁栄の回廊』ということで、非常に地道ではあるのですけれども、ずっと現在もやっていまして。基本的には、平和がきた時に雇用が必要ですよと、あるいは産業が必要ですよということで、和平達成のあとにどうやって雇用をつくっていくかとか、あるいはパレスチナというのは、国をつくる、国をつくると言っていますけれども、国ができたあとにどうやって食っていくのだという問いに対して、明確な答えはないです」
松山キャスター
「経済的にということですね?」
中島氏
「ええ。ですから、国はできました、経済がまったくダメで不満が増大しましたということになれば、逆に不安定要素になりますから。現在、日本がやっているのはそういう意味で、将来、うまくいって平和になった時に、パレスチナという新しい国に新しい産業を生んでいくということのパイロット事業というのですか、…をやっていて」
松山キャスター
「アメリカでトランプ政権が誕生してから、エルサレムの首都認定とかがあって、かなり険悪な関係になっていますよね、イスラエルとパレスチナ?」
中島氏
「はい」
松山キャスター
「でも、この経済面での『平和と繁栄の回廊構想』というのはそれほどプロジェクトの進行にも影響を受けていないという状況なのですか?」
中島氏
「雰囲気的には影響があると思いますし、政治問題は非常に大事ではあるのですけれども。同じぐらい、パレスチナ人も働くところがほしいし、お金の収入がほしいし。イスラエル人も、パレスチナとは対立していますけれども、もしパレスチナと一緒に仕事して儲かるよと言えば、それは、当然関心はあります。将来的に言えば、イスラエル産品を湾岸の国に売ろうという時に、直接売る方法もありますけれども、1回、パレスチナに持っていって、メイド・イン・パレスチナというワッペンを貼って、それで持っていけば、湾岸の人達からすると、メイド・イン・イスラエルを買うか、メイド・イン・パレスチナを買うかということになれば、それは非常に微妙なところがありますから。イスラエルにとっても、パレスチナという将来、もし国ができた時に経済関係を持っているというのは、中東という膨大なマーケットに対して1つの出口としては、非常に将来性はあると」
田中教授
「最大の問題は、中東和平というのがほとんど死に体の状態にあるわけですよね。その政治的な解決、ないしは外交的でもいいのですけれど、どう呼んでも。この政治的な枠組みが動かないという時に、ずっと膠着状態を続けている、続けているけれども、一方で、たとえば、ガザ地区の封鎖はずっと10年来続いている。それから、違法入植地の拡大など、パレスチナの領土がドンドン蚕食されていくような状態が続いている。だから、逆に言うと、膠着状態だけではなく、むしろ悪化をたどっているわけです、循環で言うと。それから考えると、その下で何も前に進む材料がないと、これはますます後退していってしまいますので。だから、そこにある種の起爆剤にはまだ弱いかもしれないけれど、そのドライビングフォースとしてこういう経済開発、地域開発、こういったものを構想として出して、それを動かすことによって、また、違うビジョンをここに暮らす人達、関わっている人達に守ってもらうというのは長期的に見て不可欠だと思うんですよね。その点では、だから、日本が引き続きこういうことに関して対応しているということは大変いいことだと思いますし、まだまだそれが必要だと思うのですけれども。一方で、だからと言って、これだけで中東和平がトラックに戻るということには当然なりません。逆に言うと、それぞれに、この場合は当事者としてのイスラエルとパレスチナ双方に対しての働きかけ。加えて最近は、まさにアメリカのトランプ大統領が逆に言うと、いろいろ引っ掻きまわしているわけですので。そういった、悪役を彼に演じてもらうぐらいならまだいいですけれど、実際にぶち壊し役になってもらったら困るので。彼に、トランプさんに対する一定の影響力を日本なりに効かせるような時にきていると思います」

『イラン核合意』の行方
斉藤キャスター
「イランの核合意ですけれども、オバマ政権時代の2015年に、核・ミサイル開発を続けていたイランと、アメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシア・ドイツが、イランの核開発を最長で15年間制限することに合意したものですね。その代わりに、アメリカ等は経済制裁を緩和することになりました。しかし、アメリカのトランプ大統領が批判を続けています。その見直し期限の合意が10日後の12日に迫っていて、トランプ大統領が核合意から離脱するかが注目されているということです。その中で一昨日、先月30日、イスラエルのネタニヤフ首相ですけれど、記者会見を開きました。2015年の核合意後のイランが核兵器開発を続けている証拠とする資料を発見したと発表しました。『イランは嘘つきだ』と強く非難しました。アメリカの核合意の見直し期限前に行ったネタニヤフ首相の発表は、田中さんから見たらどうのように受け止められましたか?」
田中教授
「狙ったように、このタイミングでぶつけてきたなという感じですね。言っていることに新しいことは何一つ、これまで出てきた限りにおいてはないです。ただ、ああいう形で、たぶんアメリカの視聴者向け、とりわけホワイトハウスにいるトランプ大統領に向けたメッセージであることは明白で、ある部分、イラン核合意に至るまでのイランの核開発疑惑と言われたものが何であるかと、そのあと10年余りにわたっていろいろな形で断続的に続けられたイランの核交渉というものは何であったか、できあがるまでの核合意がどういう変異を遂げていったのか、こういった経緯をわかっていない人が見ると、あるいは聞くと『イランは嘘つきだ』と聞こえてしまって、それを真に受けてしまうことです。トランプ大統領はおそらくどういう経緯でイラン核合意ができたのかということをきちんとそもそも理解していない人ですので、こういう言い方をされると、たぶん1番ストンと落ちると。だから、自分は100%正しかったではないかということをすぐに言えるぐらいの自信を持ってしまうわけですよね」
松山キャスター
「今回、ネタニヤフ首相、僕も夜、CNNを見て、ずっと中継を見ていたのですけれど、何か大学の先生みたいに棒で図を指して、こんなにすごい証拠が出ているのだよ、みたいなことを繰り返し言っていましたけれど。その時にCD-ROMみたいなものを積み上げて、ワーッと見せたりとかして、これも新しく見つかったもの、みたいなことを言っていましたけれども、具体的にどんな証拠が見つかったのか聞いていてあまりよくわからなかったのですけれども、今回、具体的なものはあったのですが?」
田中教授
「具体的というか、あそこで伝えられていたことは、全てこれまで疑惑として、IAEA、国際原子力機関がイランとの間で長い間、押し問答を続けてきた問題そのものですよね。それでIAEAの側や、当時非難をしていたアメリカやヨーロッパなどはあれこそがイランが核兵器開発を過去に持っていた証拠であるということで、糾弾を続けていたわけですけれど。そもそも資料がどこから出てきたものかということがよくわからなかったということ。それから、1部においては、だから、これは民生用の技術であって、別に兵器をつくるための技術ではないと思われるものも当然入っていますので、それがいったい何であるかということを示すものがなかったということ。さらに大事だったのはイランがこの開発や研究を続けていたとしても核分裂物質、ウランやプルトニウムを使った実験自体は行っていないです。少なくとも行ったという痕跡をIAEAは見つけることができなかった。なので、最終的に2015年の合意ができた時の経緯で言いますと、それまでお互いにずっとイランとIAEAとの間の長年にわたって、2007年以降の話ですけれど、8年間にわたって言い争っていたこの内容に最終的に蓋をするのですが、その時の報告書をご覧いただけばわかるのですけれども、両論併記なんですよ。IAEAはIAEAの言い分、イランはイランの反論を言って、それをIAEAの理事会にかけて35対0の議決をとって、これでおしまいという形で蓋をした話ですよね。ネタニヤフさんはそれをもう1回、どこかからか引っ張り出してきて、彼の主張によると、それはイラン国内からモサドが盗んできたものだという、何かスパイ小説もどきの話がいきなり目の前に広がるのですが、それをやって、なおかつそれが2018年の今日も続けられているのだと言ってしまったんです。だけど、続けられていると言ったことに関しての証拠が何も、逆に言うと、ない」
松山キャスター
「今回、ネタニヤフ首相の発表を受けて、IAEAとか、ヨーロッパ各国も反応を示していますけれど。どちらかと言うと、抑制的で、これまでの合意を覆すようなものではないという反応していますけれど。そこはある種ネタニヤフ首相によるアメリカ向けの政治的プロパガンダみたいなところを見抜いてヨーロッパは対応をしているということなのですか?」
田中教授
「ただ若干、フランス、イギリスあたりはちょっとアメリカ寄りでして。彼らの言い方は、だからこそ核合意は大事なのだ。この点、ですから、トランプさんが言っている核合意は破棄だ、あるいは離脱だと言っていることとは真っ向から対立するのですが、その一方で、トランプ大統領は、たとえば、現在あるイラン核合意がある種の時限立法になっていて、イラン側のコミットメントは時代とともに時間とともにだんだん薄れていく、あるいは撤廃されていくということにも大きな欠陥があるということを常日頃、主張してきているんですよね。その点は逆に、イギリスやヨーロッパはアメリカ側の意向を汲もうとしていて、この合意は大事だと、だからこそそれを永続させなければいけないという、そっちの方に現在、引っ張ろうとしているんですよ。このあたりは、ですから、トランプ大統領の機嫌を損ねないように両方を睨みながらやっているという感じがしました」
斉藤キャスター
「イランからの反応というのはあるのですか?」
中島氏
「ええ。イランを非常にある種、私の理解では真っ当な反応をしていますから」
松山キャスター
「子供じみている、みたいなことをイラン政府が発表していましたね?」
中島氏
「ええ。ですから、両方を並べてみると、イランのコメントの方がより正確かなという印象は持ってます」
松山キャスター
「一方で、田中さんが先ほど、指摘したようにヨーロッパの、たとえば、フランスは若干、アメリカにも配慮するような部分の反応をしているということで、いわゆる、だからこそ、イランの核合意が重要だと、だから、それを継続すべきだという論調に持っていっていると。ここはアメリカとしては破棄を匂わせて、強く匂わせている状況ですけれども、今月12日にアメリカ側の見直し期限を迎えるという中で、ヨーロッパ側としては、いろいろ何とかアメリカに残っていてほしいと、いろいろ手を打とうとしていると思うのですけれども、どういうことを実際にはしているのですか?」
中島氏
「これは田中さんが詳しいのですけれども。アメリカは、イランは信用できないと、だからやめようと、嘘ついている、ということですけれども。たぶんヨーロッパは、イランは特に信用はしていないけれども、合意には従っていると。ただ、いろいろな問題もあるので、アメリカがうるさく言うのだったら、若干、これまでの核の合意に加えて、新しい縛りをかけようかというポーズをアメリカに見せながら。だから、5月12日は破棄するなよ、というメッセージを送っているのかなという理解をしています」
松山キャスター
「田中さんは、中島さんが言うような、ヨーロッパが考えているイラン核合意とまた別に新しい縛りをかけようとしている。これは具体的にどういうことを検討しているのですか?」
田中教授
「弾道ミサイル開発と、それから、イランが地域において勢力圏を広げているということ。これはサウジアラビアやイスラエルなど、アメリカもそうですけれど、これを非常に嫌っているということ。こういったところを中心にイランを封じ込めようという考え方を持っていることは間違いないですね。あとはかなり便宜的な使い方をされているのは人権の抑圧、イラン国内における人権の抑圧も大問題だから、それに対してもイランを罰しなければいけないとか、そういう話も出てきています」
斉藤キャスター
「永濱さん、マーケットはどうやって動いていくのですか?」
永濱氏
「いくつかシナリオがあると思うのですけれど。たとえば、イランが、いわゆる核合意から離脱しちゃうなんてことになった場合は、おそらくアメリカだけではなくて、ヨーロッパも経済制裁をやる可能性があるわけではないですか。そうなっちゃったら相当、原油は上がる可能性が高いのではないかなと思うんですね。逆に、アメリカが離脱したとしても、他国が説得する形でイランが核合意から外れないということになれば、アメリカ単独の制裁になりますから、そうなると原油は落ち着く可能性が高いと思うのですけれど。1つだけちょっと懸念があるのが、たとえば、アメリカ単独の制裁だったとしても、確か2012年でしたか、アメリカが金融政策をやって、要は、ドルの決裁がやりにくくなるようなことをやったんですね。それをやっちゃうと原油はドルで取引なので、そうなるとアメリカの制裁だけでも、イランが原油を生産・輸出できなくなっちゃうので、そうなったら影響は大きいと思いますね」

米大使館移転と和平交渉
斉藤キャスター
「ここからは中東和平の行方について聞いていきます。アメリカ国務省がイスラエルにあるアメリカ大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転すると声明を出しています。それが今月14日でないかと見込まれている。トランプ大統領ですけれど、27日、ドイツのメルケル首相との共同記者会見の場で大使館移転に合わせて『エルサレムに行くかもしれない』と語っているんです。もしトランプ大統領がエルサレムを訪問するとなると中東諸国に対しては、中島さん、どんな影響というか、どんなメッセージになるのですか?」
中島氏
「たぶんマイナスのメッセージというか、ご本人が移転を決めたのでアレですが、その日にエルサレムに行くというのはアラブ側からすれば、非常に敵対的な行動をとったということになるのだと思いますけれども。彼が『行くかもしれない』と言っていまして、『行く』とは言っていないです。ですから、もし行くとすれば、たぶん選挙キャンペーン用のポスターを撮りに行って、エルサレムに大使館ができた時のオープニングのどこかに、絵になる写真を撮って、中間選挙とか、あるいは次の大統領選挙の時にそれを使うという意味では、写真を撮るために、国内向けの写真を撮るために行く可能性はあると思いますけれど。たぶん全体を考えれば、大統領が行くというのは非常に刺激的ですから、たぶん周りは止めると思います」
松山キャスター
「僕も昨年5月、トランプ大統領がイスラエル、エルサレムに行った時に、同行で行っていたのですけれど。トランプ大統領が、ユダヤ人がよく被る黒いハットを被って、それで嘆きの壁で手をついて祈っている姿というのは、アメリカのメディアですごく何回も流れたんですよね?」
中島氏
「ええ」
松山キャスター
「それはアメリカの、いわゆる選挙対策もあるのだと思いますけれども、国内向けのアピールという要素が非常に強いということですよね?」
中島氏
「そうですよね。たぶん在米ユダヤ人よりも、たぶんキリスト教右派とか、福音派の人達に向けてメッセージとしては非常にインパクトが大きいと思いますから。彼らは、ある意味では、選挙では非常に投票、数が多いですから、そういう意味で、ユダヤ人以上に、キリスト教右派の人達に対して、自分の立場というのを非常に強烈にアピールすれば、彼らもトランプさんがどういうスキャンダルを起こそうが、女性問題をしようがちゃんとやっているということで投票してくれる可能性というのは非常に高いと思います」
松山キャスター
「一方、トランプ大統領がエルサレムの首都認定というのを行ったのが昨年の12月でしたけれど、そのあとの反応、私自身、ワシントンで見いて、ちょっと意外だなと思ったのは周りのアラブ諸国の反応はそれほど予想されていたほどのすごい衝突が起きたという印象はあまりなかったのですけれども」
斉藤キャスター
「あっ、そうなのですか?」
松山キャスター
「若干、抑制的だったかなという印象があるのですけれど、そのあたりはどう見ていますか?」
中島氏
「私も何があるかわからないぞという、そういう煽った口ではあるのですけれど、幸い何もないですよね。非常にクールで。ですから、パレスチナとヨルダンは彼ら自身が思っていたようなリアクションも何もなかったということは言っていますので。たぶん2011年以降の、アラブの春以降のアラブ社会がいかに変わったかという1つのシンボルだと思います」
松山キャスター
「日本の安倍総理がパレスチナのアッバス議長と会談した内容というのが、こちらにあるのですけれど、いわゆるトランプ大統領のエルサレム首都認定からアメリカ大使館の移転という話がある中で、安倍総理としてはアッバス議長に対して在イスラエルの日本大使館をエルサレムに移転させる考えはないと明言した。日本としては中立の立場で、これまで通りテルアビブに大使館を置くということを言明したのと、あと『和平実現にはアメリカの役割も不可欠だと。アメリカから提案があれば交渉のテーブルにつくことが重要だ』と強調したということなのですけれど。田中さん、たとえば、この日本の立場として、こういう立場を主張するというのは予想できると思うのですけれど、エルサレムへのアメリカ大使館の移転ということに対して日本としてはどういう対応をとろうとしているのですか?」
田中教授
「これはアメリカの決定というか、行為なので、日本自体が止めることはできないわけですよね。何かしらかの議論はその手前にあったのかもしれませんけれど、既にトランプ大統領が昨年12月に公言してしまった以上、日程についてもペンス副大統領が行った時には、2019年でしたか、2018年の終わり、…までと言っていたことをずっと早送りすると言うか、手前に持ってきて、いつの間にか5月と言ってしまいましたから、これは変えようのない事実になってしまったというところはありますね。ただ一方、日本は日本である種、原則はきちんと守っているというのは、これは評価していいと思います。そうすることを、ある種の国際法違反を続けているイスラエルの立場をアメリカが擁護する、それを超えたアメリカも、一緒くたに動いてしまっているという状態に日本は与しないということは、東アジアを含めて、その他の世界のいろいろな動静を見たうえでも、極めてこれは大事だと思います」
斉藤キャスター
「でも、イスラエルやパレスチナからすると日本はアメリカの言いなりになっているとは見えないのですか?」
田中教授
「いや、これまではたぶんそう見ていたと思いますね。ただここのところに、この一点においては明らかに違う対応をとるし、それから、国連での決議に関してもそうでしたし、アンゴラなどに対しての国連難民支援機関に対して拠出金の話にしても、アメリカが引くところを、だから、日本がその穴埋めをする、全部はできないのですけれども、1部穴埋めしていくという格好で入っていくということですよね」
松山キャスター
「いわゆるエルサレムの首都認定ということで、エルサレムの旧市街の地図をここに用意したのですけれども。非常に小さいエリアですよね、小さいエリアで、イスラエルとパレスチナ側で昔から揉めてきた経緯というのがあると。こういう中で仮にアメリカのトランプ大統領が大使館移転と同時に、エルサレムに訪問をするということになった場合、この地域の混乱というのはどのぐらいのものになると考えますか?」
田中教授
「今回もそうでしたけれど、1番騒ぐというか、権利を主張するのはパレスチナ人ですよね。彼らは決して今回、黙っていたわけではなく、それなりの抗議行動を示したわけですけれど、それは多勢に無勢で抑え込まれてしまっているというところがありますし、あと国際的にメディアがその点にはあまり関心を払わなかったという、ちょっと被害があります。一方で、アラブ世界の方が、これはサウジアラビアを筆頭に極めて冷淡で、言葉のうえではパレスチナ問題、中東和平でもいいのですけど、こういった問題は大事だと言っているけど、対応のうえでは従来と大きく異なっていて。特にエルサレム首都認定問題については言葉での批判をするけど、それ以上の行為はしない。他のサウジアラビア以外のアラブ諸国がアラブ連盟の会議に際して、アメリカに対して何かしらの制裁というものを、反撃の狼煙として課すべきだという意見が出た時に、それを封じ込めたのは実はサウジアラビアであったとか。それから、アラブ諸国だけでなく、イスラムの世界の首脳がこの問題を取り扱うことで首脳会議を開催したのですけれども、これもサウジアラビアが音頭をとるのではなく、トルコのエルドアン大統領が音頭をとったと。その場に22か国が首脳を送ったのですけれども、サウジアラビアとUAEアラブ首長国連邦は外務大臣すら送らなかったんですね。ですから、言ってきたことと、行われていること、対応というのは本当に乖離してしまっているということ。それは前々から、たぶん多くの人々は感じていたのだと思うのですけれど、ここまであからさまに出ると、逆に言うと変なエネルギーがたまると怖いなと、こういう見捨てられた人達の間で」
中島氏
「5月14日に移転するというのは基本的に独立記念日というのが、西暦で言うと5月14日ですよ。プラス、パレスチナというのは昔から、14日はイスラエルができた日だと。従って自分達にとっては大災害の日だと」
松山キャスター
「…という日に当てて、やっているということですね?」
中島氏
「ですから、15日、ナクバという日に抗議デモというのをやるというのをやっていまして。これは毎年やっているのですけれど、今年はたぶんかなり大規模にやると予想されていまして。プラスこれは14日で、ナクバのデモが15日。16日からイスラムの断食というか、ラマダンが始まるんです。そうすると、お昼に水を飲んだり食べたりできないということで、基本的には皆イライラしているので、政治的には…」
松山キャスター
「ちょっと緊張した状況になるかもしれないということですね?」
中島氏
「そうですね。ですから、そういう意味では、5月14日、15日、16日あたりというのは非常に要注意かなというのがあります。プラス5月12日のイランの決定があれば」
松山キャスター
「続けてくると大変危険…」
中島氏
「ちょっと心配しています」

原油価格高騰の『表と裏』
斉藤キャスター
「2014年には1バレル110ドルを超えていた、この原油価格ですけれど。アメリカのシェールオイル増産等の影響で一時20ドル台前半まで値下がりしているんです。その後、再び上昇に転じて、現在は70ドル前後まで値を戻しているということなのですが。永濱さんに聞きますけれども、この原油価格の高騰は、トランプ大統領の中東政策が要因になっているのですか?」
永濱氏
「そうですね。あともう1つあるのが、6月の22日ですね、OPEC(石油輸出国機構)総会があるのですけれども。そこでこれまでのいわゆるOPECの加盟国と非加盟国による減産の協調です、協調減産の延長というか、その合意の可能性があるというところ、観測で上がっているというところだと思うんですね」
松山キャスター
「まさに協調減産に合意した国ということでまとめてみたのですけれど。OPEC加盟国でサウジアラビアやイラン、イラク、UAE、クウェートなどということで。また、OPECの非加盟国でロシアも入っているんですね。メキシコ、オマーンなどで協調減産ということで。この協調減産はどういう思惑で、この国々は行っているのですか?」
永濱氏
「背景には、アメリカのシェールオイルの台頭というのが大きいと思うんですね。これまでアメリカというのは中東からの輸入に頼っていたものが、結局現在ではもう世界最大の産油国になってしまったわけではないですか。そうなると原油をこれまでのように輸入する必要がないわけですから。その分、アメリカというのはそれまで、いわゆる世界の警察的な位置づけで、中東に目を配らせていたわけですけれども、そういうことをやる必要がなくなってきたということになると、たぶんそうなると、特にサウジアラビアからすると、不満というか、なってくるわけではないですか、…というところが、逆にロシアとか、そういったOPECの非加盟国と近づけるような要因になっているのではないかなという気はしますよね」
松山キャスター
「協調減産の期間ですが、今後もこの流れは暫く続くと考えますか?」
永濱氏
「そうですね。可能性は高いのではないかと見ていて。実際、たとえば、たぶん今後も6月のOPEC総会に向けて、いろいろな思惑で原油が動くと思うのですけれども、特に産油国の高官の方のコメント、発言を結構注意して見ておくべきだと思うんですね。たとえば、最近で言っても、サウジアラビアのいわゆる原油の生産関係者の方に言わせると、要は、適正な原油の価格というのは1バレル80ドルから110ドルぐらいがいいという話もしていますから、そういう発言等を踏まえると、マーケットは協調減産がかなり延長されるというような織り込みはせざるを得ないという現在、状況にはなっていますね」
松山キャスター
「一方で、このOPECの動きに対して、トランプ大統領がツイッターで言っているのですけれど、先月20日のトランプ大統領のツイッターですが、『またOPECの仕業のようだ。海上の船では満タンで、記録的な水準の石油が至るところにある。原油価格は人為的に非常に高い。良いことではなく容認できない』ということを言っているのですけれども。これはアメリカの方から見ると、OPECの協調減産というのはどう映っているのですか?」
永濱氏
「アメリカ経済への影響を考えると、一方で、いわゆるシェール関連の業界の方々にとってみたら、原油は上がってもらった方がいいわけですけれど、一般国民からすると、特にアメリカというのは車社会ですから、原油価格が上がることになるとガソリンの値段も上がるわけですから、そういった人達の不満が出てくる可能性があるわけですよね。というので、そういった発言したと思うのですけれど。私が非常に興味深いのが結局、今回のこういった中東に対するトランプさんの対応の仕方もそうだし、これまでの保護主義もそうですけれど、要は、必ずしもトランプさんの、いわゆる支持層に、皆プラスかというと必ずしもそうではないことになっているわけではないですか。となると、これが結局、トランプ大統領的には中間選挙に向けてのアピールというか、そういった形になっているのかもしれませんけれど。これが結局、どういう形で中間選挙の結果に出てくるのかと。仮に中間選挙でトランプ政権が、共和党が負ければ、議会がねじれてレームダック化する可能性もあるわけですから、そのへんが個人的に興味深いなと」
松山キャスター
「OPECの協調減産により原油価格が高止まりするとなると、たとえば、アメリカでよくとれているシェールオイルの業者は中東の原油が高い時は逆にチャンスだということで、ビジネス的にはチャンスだと捉える向きもあると思うのですけれど、そういう動きというのもあるのですか?」
永濱氏
「そうですね。足元で見ても実はアメリカのシェールの生産量というのは増えてきているということからすると、原油価格が上がってくればそれだけ採算に見合う生産が増えてくるということもありますから。そういった意味では、原油が上がると、それだけシェールの生産も増えて、逆に言うと、そこが数少ない原油を抑制する要因になるということだと思いますね」
松山キャスター
「田中さん、アメリカは昔ほど中東依存度というのがだんだん薄らいでいるのかなという気もするのですけれども、それが現在の中東政策にもいろいろ影響を与えているのですか?」
田中教授
「うん、絶対量で考えると、依然として中東から原油を輸入しているんですよね。ただ、その部分が他の原油、国内でとれたシェールなどを国外に輸出しているということでバランスがとれているのですけれども。長期的にその構図が維持できるのであれば、中東産油国、特にペルシャ湾岸近辺の産油国に対して、アメリカが安全保障の面倒を見るということへの意識は薄らいでいくと思います。これはオバマ政権期の後期も、いわゆる安保タダ乗り論ということで、フリーライダーというのを散々批判したわけですね。トランプさんもその尻馬に乗っかって、同じことを言ってきていますので。中東の安全保障をアメリカはどうやって、あるいはどうやってこれまでのように一方的に、決して一方的ではないのですが、アメリカから見れば一方的に面倒を見ることはもはや合理的ではないという考え方も募ると思うんです。その結果、たとえば、サウジアラビアのようにこれまでどちらかと言えば、一歩、二歩も引いてアメリカの影に隠れた国が自ら安全保障を自らの手でやらなければいけないことで前面に出てきた。それにあわせて、エジプトやシリアや、ある種、アラブの世界で政治的・軍事的に本当の意味での大国だった国がアラブの春で崩れていったわけですよね。ポッと気がつくと、サウジアラビアは財政的にも、それから、政治的発言力のうえでも現在アラブの盟主になっているんですよ。イスラムの盟主だけでなくて、アラブの盟主に本当になってしまったんですね。このある種の自我の発芽というのですか、覚醒が良い方向に働けば、中東の安定には波及しますけれども、ここで極端な政策をとって排除的なことを、たとえば、イランを排除する、シリアを排除する、こちらを排除するということをやっていけばいくほど、そこにフリクションが生まれますので、かえって情勢を混乱させることになる、そういうところに現在、差しかかっています」

永濱利廣 第一生命経済研究所首席エコノミストの提言:『脱デフレのキーファクター』
永濱氏
「『脱デフレのキーファクター』ということですけれど、これは背景に何があるかと言うと結局、原油は上がって1番損する国はどこかと言うと日本ですね。なぜかと言うと、中東諸国の情勢が混乱しても原油価格が上がれば、それは石油を輸出している国からすればプラスのところもあるわけではないですか。日本にはそういうメリットがまったくないわけですよね。実際にリーマンショックのあと、景気後退したという話があるのですけれども、実はリーマンショックが起きる前の2008年の3月から原油高をきっかけに景気後退に入っていますから、日本は。そうなると今後の安倍政権のデフレ脱却に大きな影響を及ぼすということがポイントだと思います」

田中浩一郎 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の提言:『すべては循環』
田中教授
「ありとあらゆるものは現在、世の中、つながっていますので。中東で起きたことは日本に波及するし、日本が何かすればどこかにまた波及していくということ。これは中東の不安定が日本に波及するという、永濱さんの説明の中に石油価格とか、いろいろなところにも出てくるわけですけれども。一方で、不安定によって利を得る人達もいれば、我々のように不利益を被るところもあると。これは不安定の問題だけでなく、資金も同様に流れていきますので、循環しているということを意識しないといけないと思いますよね」

中島勇 中東調査会協力研究員の提言:『バランス+国益』
中島氏
「現在、中東というのはある意味で、非常に混乱していますので、非常に極端な形で、トランプ政権の政権もそうですけれども、政策が非常に極端な部分がある、という意味では、日本はある意味ではバランスをとるというのを昔からやってきていましたので。ある意味では、日本の伝統的なバランスをとるというのが、ある意味で国益かなと思っていますので。中庸の精神で接するというのが結果的には国益になると思っています」