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2018年4月19日(木)
総検証!日米首脳会談 北朝鮮対応と通商問題

ゲスト

阿達雅志
自由民主党外交部会長
藪中三十二
元外務事務次官 立命館大学客員教授
古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員

徹底検証・日米首脳会談 共同会見で見えた成果と課題
生野キャスター
「昨日から2日間の日程で行われた安倍総理とトランプ大統領の首脳会談。トランプ大統領が重視する通商問題、米朝首脳会談を前に、拉致問題や北朝鮮の核放棄に向けどんな前進があったのか。会談の内容を徹底検証します。今回の首脳会談ですけれども、阿達さんはどのように見ていますか?」
阿達議員
「今回の首脳会談は、大きくテーマは2つあって、1つは北朝鮮の問題、もう1つは日米間の経済問題だったと思うんですね。まずはこの北朝鮮の問題。今回、なぜ総理がこのタイミングで日米首脳会談に、アメリカに行ったかと言うと、この3月5日の日に韓国の鄭義溶・国家安保室長が北朝鮮の金委員長と会って、南北対話を発表したと。また、その報告を3月9日に聞いたアメリカのトランプ大統領が、金正恩委員長と会談をするということを言い出した」
松山キャスター
「突然発表しましたね」
阿達議員
「これについて、日本として日米間で、あくまでも情報が韓国からしか入ってきていなかったわけですから、この時点で。果たして北朝鮮の真意は何なのか、しっかり確認をする。また、北朝鮮が言っている非核化の意味は何なのだと、これに対してどういう対応をするのかをまず日米間でしっかりすり合わせをしないといけない。これがもともとの1番大きな目的だったわけですね。ですから、実は先週、我々自民党の中でも、総理のところに、今回の首脳会談にあたっての申し入れにまいりました。その時に3つの項目を総理に、トランプ大統領にしっかり確認してほしいということでお願いしたのですけれど。それは、1番目は、時間稼ぎのような交渉、これがずっと過去の経過、歴史だったわけですから、今回は絶対にその轍を踏んではいけないと。それから、2番目としては、拉致・核・ミサイルの問題についてしっかり解決にむけたステップ、これを進めないといけないと。3番目としては、こういうことに対して具体的な北朝鮮側の行動がない限り、圧力を緩めることは過去の例から言ってもよくないと。この3点をトランプ大統領にしっかりと念を押してほしいということで申し入れをし、また、総理もしっかりそれをトランプ大統領と話すということを言っていたわけですけれども。今回のこの結果を見ると、その3点については非常にはっきりとトランプ大統領も言っていると」
松山キャスター
「ゴルフも含めてトータルで10時間余り、2人で会っていたということになるようですけれども。最初、ゴルフについては日本で国内事情もあって、安倍さんはいろいろ加計とか、森友の問題で叩かれていたりするので、なかなかゴルフというタイミングではないのではないかということで、日本側の方がどちらかと言うと消極的だったという情報があるのですけれども。一方で、トランプ大統領の方は、安倍総理が来るのだったら是非ゴルフをやりたいと、かなり積極的だったと…」
藪中氏
「そうですね」
松山キャスター
「このあたり、アメリカの思惑をどう見ていますか?」
藪中氏
「アメリカの思惑というのか、トランプさんは好きなんですよ、ゴルフも。で、やっぱり安倍さんとやりたいんですよ。安倍さんも好きですよ。好きなことが2つあれば、やろうよと。せっかく安倍が来るのだからということだと思いますよ」
松山キャスター
「長時間接触できるということは、それだけでも外交的にも大きいメリットになる?」
藪中氏
「1つの、世界に見せつけるという意味では、安倍・トランプは相当親しいんだよねと。今回、あれだけ拉致の問題で、シンゾー、よく知っているよと、この拉致の問題を、お前も…」
松山キャスター
「最初から言っていましたよね?」
藪中氏
「うん、非常に重要視しているよね、自分もしっかりとやるよと。あれはこういうところからきていると思います。安倍さんはトランプさんの懐に入って、トランプさんがここまで言うというのは、そういう2人の関係というのが効いたのだろうなと思いますね」
松山キャスター
「古森さん、どうですか?今回の首脳会談…」
古森氏
「国際情勢とか、東アジア情勢、全体の中で俯瞰して見た場合、北朝鮮という目の前に迫って来た課題だけではなくて、何が重要かと言うと日米同盟の堅持をあらためて確約するような形。それから、トランプ・安倍の個人的な信頼関係というのも非常に曖昧な概念ではあるけれども、お互いにいて快適なのかどうかということ、これが2番目。次に北朝鮮情勢についての足並み・認識の一致という、この3点から見ると…。まあ通商問題があるけれども、これは幸いにして通商問題というのはあまり大きな比重を締めなかったと思う、今回。だから、最初の方の3点、安全保障と貿易と比べたら、それは安全保障の方がずっと重要ですから、安全保障の先ほど申し上げた3点に関して、安倍さんから見て、日本政府から見て、求めたことの満額の回答が得られたと。満額以上ではないかなと思うのだけれど。ただ、この瞬間風速でのこの時点での会談の成果はどうかと言えば、現在、私の見方はそうなるけれど、このあとそれを活かし、あるいは活かせないで、どうなっていくかというのは、これはまた別の問題。アメリカのニューヨーク・タイムズはトランプさんが嫌いですから、トランプさんと仲のいい人、安倍さんというのもあまり好きでないわけですよ…」
松山キャスター
「トランプさんになる前からニューヨーク・タイムズは安倍さんの批判が多かったです」
古森氏
「だけど、なおさら敵の友は敵みたいな、のがあって。現在、自分の足元に火がついたのが、安倍さん、行って。これまでと同じように、トランプさんがお友達といって扱ってくれるかどうか非常に疑問だなんていう、相棒関係なんていう言葉もあって、それがいったのだけれども、そうではないのだということはあまり出てきていないですよね。それから、日米同盟は、これが1番重要なことなのだけれども、ホワイトハウスの声明でこういうことを論じたという中に、北朝鮮以外に中国の尖閣にかける攻勢とか、南シナ海での無法な領土拡張の、これに対して日本とアメリカは共同して対処していくのだというようなことを謳っているわけですよ。だから、このへんで日米同盟、日本にとって1番気になる、尖閣問題も入っているから、だから、まあ、まあ、良かったのではないですか。私は、少なくとも期待していた以上に何となく良い感じの会談だったと思います」

拉致問題解決の道筋
生野キャスター
「最重要課題の1つが拉致問題です。両首脳の発言をまとめました、トランプ大統領は『拉致問題は私にとって重要だ。なぜなら安倍総理も重要だからだ』『日本の拉致被害者の早期帰国に向け、最大限の努力をすることを安倍総理に約束した』と発言。一方の安倍総理は『北朝鮮をめぐる情勢はトランプ大統領の大英断によって歴史的転換点を迎えている』『最重要課題である拉致問題の早期解決への最大限の努力を明確に約束してもらったことを心強く思う』と話しています。阿達さん、今回の首脳会談で拉致問題はどこまで日米で共有できたのでしょうか?」
阿達議員
「今回のトランプ大統領の言い方というのは、ちょっと異例だと思うんですね。それは安倍首相が重要だと思っている、情熱を持っているから、私にとっても重要だっていう言い方をしているわけで。ただ、これは他のところでは、アメリカにとっても拉致の問題というのは、アメリカ人3人が拘束をされている問題、それから、以前、ワームビア、大学生が拘束をされたあと亡くなったという、こういうことでアメリカ人にとっても重要な問題であるというのはわかるのですけれども。ただ、それを安倍首相につなげたというのは相当、今回の北朝鮮の問題で、これは他のところで出てきますけれども『安倍総理の助言でここまで来た』という言い方があるんですね。だから、助言をしてくれた、だから、それに対してしっかりとお返しをしようという、どうもそういう考えが見てとれますね」
松山キャスター
「一部でうがった見方をする人は、ここまで拉致を全面にカメラの前でも喋っているところを見ると、しかも、安倍総理が重要だと考えているから、私も重要だと思っているという言い方を見ると、ある意味、拉致についてはきちんと取り組むので、その代わりに別な面で、たとえば、通商とか、他の面で日本側に譲歩を引き出そうとしているという見方も一部ではあるようですけれども、そういう見方はどう感じますか?」
阿達議員
「いや、むしろこれはアメリカが、北朝鮮に対してプレッシャーをかけるための1つの材料として考えているのではないかと」
松山キャスター
「藪中さん、どうですか?昨年、たとえば、国連演説で横田めぐみさんの話をトランプ大統領が言ったり、一般教書演説に、先ほど、阿達さんも話されたようなワームビアさん、大学生の家族の方を呼んだり、人権の問題についても北朝鮮に強く迫るという姿勢を徐々に徐々に強めてきた感じがするのですけれども。今回の会談を受けて、拉致問題へのアメリカ・トランプ大統領の見方というのはだんだん強まっていると?」
藪中氏
「そうですね。そう期待したいですね。いずれにせよ、この問題というのは、北朝鮮に関する問題がここでグッと動き始めたわけです、核・ミサイルで。拉致問題についてもこれは機を逃さずに、やっていかなければいけない。そういう意味では、第1段階は、トランプさんがこれからいよいよ米朝首脳会談というのがあるわけですから、そこで取り上げてもらうと、これは非常に良かったと思います。ただ、そこで解決するかということですから、日朝でフォローしなければいけないということは次に、第2段階としてはあると思いますけれども。そのタイミングを逃さずやると。でも、まずスタートは良かったと、こんなことだと思います」
松山キャスター
「今日、安倍総理が共同会見の中で敢えて日朝平壌宣言にも触れているんですね」
藪中氏
「ええ、そうですね」
松山キャスター
「藪中さんはよく知っている宣言ですけれども、拉致問題の解決や植民地支配の過去の清算とか、日朝国交正常化交渉の開始なども、当時、小泉政権の頃でしたけれども、訪朝してこういう宣言をしたと。これは北朝鮮側の認識としては今度行われる米朝首脳会談でこういった立場をもとに話し合いをするということは考えられることなのですか?」
藪中氏
「日本がなぜ拉致問題を、たとえば、6者協議の時もそうだったのですが、核問題で取り上げるかと。これは、理屈はあるんですね。と言うのは、北朝鮮が核を放棄する大決断をしなければいけないわけです。それは、1つは確かにアメリカが怖いからと、それは安全保障を得るかどうかということですね。もう1つは経済を立て直さなければいけない。現在、えらい制裁がきていて大変なことになっていると。その両方があるのですけれども。経済の立て直しのためには、先ほどの平壌宣言ではないですけれども、日本は経済協力をするということを言っているんですね。もう1つは、核問題が動き出したら他の国が経済協力をするということになりますね。ところが、日本は拉致問題が解決しない限りは1円も出さないよと。だから、核問題を解決するには彼らが、経済協力が必要だねと、だから、核問題、核も放棄しようかということの頭のつくりですけれども、その時に日本は大きなタマを持っているんです、ボールを。それがまさに経済協力であり、ただ、そのためには拉致問題を解決しなければいかんよと、これは堂々と言うべき、何度も言うべきですね。そういうことから、日本にとっては拉致問題の解決と核問題の解決というのは関係するんですよと。トランプさんはそれ以上に『安倍が言うから』というのがあって。あそこまで頭に入ったから、実際に米朝首脳会談に行った時、あれで忘れることはないだろうなと思います」
松山キャスター
「1つ、ちょっと気になるのは、トランプ大統領、ここまで、安倍総理に約束したとまで言って、メディアの前で喋っているのですけれど、実際に米朝会談で日本の拉致問題もあるねという、議題として提起はしても、その解決法まではなかなか難しいところもあると思うんですよね」
藪中氏
「はい、だから、そこは日朝でフォローしていかなければいけないということには当然なりますよね」

対北『核・ミサイル』結束は
生野キャスター
「共同記者会見ではこのような発言がありました。トランプ大統領からは『朝鮮半島の非核化を目指し、最大限の圧力をかけ続けていく』『完全かつ検証可能な、また不可逆的な方法で核を放棄すれば北朝鮮にとって素晴らしい日となる』『米朝首脳会談の成果がないと思えば参加しない。別の手を打つ』という発言でした。また安倍総理から『時間稼ぎに使われた過去の過ちは決して繰り返してはならない』『日米でさまざまな展開を想定し具体的かつ相当突っ込んだ形で方針のすり合わせを行い、その方針をあらためて共有した』という発言でした。北朝鮮の核・ミサイル問題についての会談内容ですけれど、藪中さんはどのように見ているのでしょうか?」
藪中氏
「はい、今回、まさにすり合わせが行われたということがありました」
松山キャスター
「総理自身が言及しましたね?」
藪中氏
「ええ、総理が、言われた非常に大事なところなんですね。アメリカはちゃんと準備できているのか、この核問題で。北朝鮮が非核化をやりますよと言うと、おお、いいねと言うことで、なってしまってはいけないと。非常に長いプロセスがあって、非常に難しい課題がその中にありますからね。何より大事だと思うのは日本が核問題で当事者意識を持つということです。これは日本が当事国です、北朝鮮の核・ミサイルで。そこがもちろん、拉致問題は大事ですよ。でも、中心課題としてこれからやっていかれる南北、米朝というのは核問題になりますよね。この核問題はあなたに任せておいていいと、もちろん、すり合わせはやりましたけれど。でも、これは日本が1番被害をこうむる、あるいは日本がこの当事者であるという意識だけは絶対に持たないといけないと思うんですね。だから、これから大事なことは何かと言うと、一応、これですり合わせはできたと、しかし、これからまさにいろいろなことで、南北があり、米朝があるんです。その間にいろいろな準備もある。この時にまた放っておくと、ポンペオさんが急に行ったとか、いろいろな驚きがあってはいけないですね。だから、日本からしつこいように働きかけて、せっかくの今回の日米首脳会談、そのフォローアップをしようよと、実務者で。早く日本とアメリカと韓国、中国を入れてもいいかもわかりませんよ、そういう格好で具体的に何をやらなければいけないのだと、詰めていこうよと、そのぐらいのフォローアップをしなければいかんと思うんですね」
松山キャスター
「まさに藪中さんが話されたように、ポンペオCIA(中央情報局)長官が事前に実は平壌に行っていたという情報があとから出てきて…」
藪中氏
「ええ、そうなんです」
松山キャスター
「これは実際に日本政府がどこまで知っていたのか、わからない部分もあるのですけれども。そこの事前すり合わせですよね」
藪中氏
「はい」
松山キャスター
「米朝の事前すり合わせの段階で、日本が懸念するような、ICBM(大陸間弾道ミサイル)だけではなく、中距離・短距離も含めたミサイルの破棄まで求めているのかとか」
藪中氏
「そうです」
松山キャスター
「あるいは日本の拉致問題までを含めて話をしているのかどうか。そのあたりはどのように見ています?」
藪中氏
「そういう問題も含めてですけれども、すごく不安になったのは今回、トランプさんの発言ですよ。これから南北やるよねと、実際に韓国は非常に俺に良いことを言ってくれたのだと、トランプさんのおかげで、ここまでうまくいっているのだと言っていたと。自分は言っているのだと言うんですね、南北をドンドンやれ。そこで現在、実は休戦協定の状態にあると、まだ朝鮮半島では戦争が終わっていないのだ。だから、これをちゃんと終わらせるために、南北でやれと言ったんですね。あれは驚きでして。どこまでトランプさんの頭に何が入っているのか。休戦協定を平和条約に置きかえるということになりますと在韓米軍の問題であるとか、アメリカの核の傘の問題であるとか、日本にも関係するし、まさに休戦協定の当事者はアメリカと中国と北朝鮮ですね、本当は。そんなことを含めて、トランプさんはどこまで何をわかっているのかなというのは、ますます不安になりました」
古森氏
「藪中さん、それは、韓国筋が先に言ってきたのではないのですか?平和条約にしようと」
藪中氏
「ええ、ただ、今日はっきりとトランプさんはそう言ったんですよ」
松山キャスター
「トランプさん本人の発言で言っていますね」
古森氏
「でも、それは韓国の動きを受けてではないですか?」
松山キャスター
「いや、それは連動しているかどうかわからないのですけれども、トランプさん自身が朝鮮戦争の終結が望ましいということを確かに言っているんですね。突然、終結ということを強調したので驚いている方も結構いると」
古森氏
「うん」
藪中氏
「で、南北でやればいいと言ったんですよ」
古森氏
「それはこれまでと、北朝鮮の非核化を推進するのだということと違ってきますよね?」
藪中氏
「違ってきますから」
古森氏
「非常に複雑な話になってくるので」
藪中氏
「すごく難しい話ですから」
松山キャスター
「どこまできちんとトランプ大統領がそういった事情のレクチャーを受けているのかというのは若干、心配…」
藪中氏
「非常に心配になりまして。だから、ますます、ちゃんと準備を…」
古森氏
「いや、ただ、ワシントンにいて、それを弁護するわけではないけれども、スタッフの助言とか、いわゆる英語で言うと、インスティトゥーショナライズド・メモリーという、制度的につくりだす、これはありますよ」
阿達議員
「たとえば、この非核化というのも、先ほど、藪中さんがおっしゃったように、プロセスがいろいろあるという話をされた。朝鮮半島の非核化の議論と、北朝鮮の非核化の議論、日本は特に、安倍総理は北朝鮮の非核化をずっと言ってきたんですよね。それに対して朝鮮半島の非核化という議論をすると、先ほど藪中さんが言われた通り、在韓米軍をどうするのだ。在韓米軍の核持ち込みをどう位置づける。それから、アメリカの韓国に対する核の傘をどうするのだという、この問題、時間を追ってちゃんと解決しないといけないと。だけども、たぶん現在のトランプ大統領が言っているのは、今日の言い方でも、最初、北朝鮮…、北朝鮮、そして半島の非核化みたいな、何か両方一緒にされているんですね。これは…」
古森氏
「北朝鮮の非核化という点に関してはかなり明確ではないですか。おっしゃったように、たとえば、韓国は現在、核はないですよね、戦術核も全部引いていると。だから、藪中さんが言われたように、非核化の意味で、阿達さんもそうだけれども、おっしゃったように日本の核の傘までも韓国と一体だからどうこうせよと言ってくる可能性だって十分あるわけですよね」
藪中氏
「ある」
古森氏
「そうすると、最初の本来の目的と全然違ってくるから。だから、そこのところの区別というのを全然わかっていないのだよという言い方は私にはできないですね」
松山キャスター
「古森さんの言うようにトランプ大統領は言葉尻を捉えてもあまり意味のない大統領で…」
古森氏
「うん」
松山キャスター
「実はきっちりと政策を見ている人が裏方にはちゃんといるということなのだと思うんですよね。だから、今回、言い方が『朝鮮戦争の終結』、『朝鮮半島全体の非核化』みたいな言い方をたまたましていますけれど、この言葉だけをもって本当にアメリカがわかっていないのかと思うと、そうでもないということですよね」
古森氏
「クリティカルというか、最重要な部分については、彼自身の考え方があって、スパッといく。相談していますよ。だから、クドローさんをなぜ経済会議のトップに今度はもってきたかという、クドローさん自身がラジオに出てきて、まだ勤務する前に、その経緯を詳しく喋ったりするんですよ。だから、そういう意味で、脇の甘いところが皆あるのだけれども。トランプさんとの間で話をして、そのうえで、あなたはやるかと言ったら、やると言っているようなところがあるから。だから、あまりメチャクチャで訳わからない…、それでは困るではないですか」
松山キャスター
「そうでないことを期待したいですね」

『通商問題』は?
生野キャスター
「さて、ここから日米首脳会談のポイントの1つ、通商政策について聞いていきます。主なポイントは、トランプ大統領は『貿易不均衡を削減し経済パートナーシップを高める』『自由、公平そして互恵関係に基づく取引を目指す』『鉄・アルミに発動している232条については話し合いの余地がある。いつかは取り除きたい』『TPPには復帰したくない。2国間協定の方がよい』と。一方の安倍総理は『自由で開かれた公正なインド太平洋地域の経済発展に向けて新たな協議を開始することで合意』『アメリカが2国間協定に関心を示しているのは承知している』と話しています。阿達さん、日米首脳会談における通商問題の成果をどう見ていますか?」
阿達議員
「成果と言うより、もともとこの日米首脳会談というのは北朝鮮問題をメインで話すということで考えていたわけですね。この経済問題を入れて…入れたいというのは、むしろアメリカ側の希望が非常に強かったわけです。そういう中で、この経済のところは相当厳しい状況に追い込まれるのではないかと思っていたのですけれども、その意味では、これはうまく引き分けに持ち込んだな、あるいは延長戦に持ち込んだという感じがします。それは、まず1点目は、昨年の2月の首脳会談、第1回目の首脳会談の、この1番大きな成果は外交・安全保障と経済を分ける。外交・安全保障については外務大臣・防衛大臣の2バイ2でやりましょう。経済については麻生副総理…、麻生財務大臣、ペンス副大統領の日米経済対話でやりましょうという形で、この2つのテーマを分ける。つまり、北朝鮮について守ってほしければ、貿易で譲歩しろとか言われにくい状況をつくろうということで、日米経済対話というのをセットしたわけです。ところが、日米経済対話は2回やったけど、成果が全然出ない。3回目、実際の中身がない限りはやっていられないということで、USTR(アメリカ合衆国通商代表部)、あるいはアメリカの商務省の中でも、日米経済対話では動かないではないかと、このやり方を根本的に変えるべきだという話があって。この第3回目は相当先に延ばされる、あるいは場合によったら、根本的に組み替えみたいな話まで、向こうサイドから、アメリカサイドから出ていたわけですね。そういう中で、今回、日米首脳会談で何らかの進展がなければ、日本は厳しいトランプ大統領からのツイッター攻撃にさらされる状況があったわけですけれども。そういう中で今回、こういう新しい、貿易・投資についての2国間協議をするという形で、別の枠組みを受け入れたというのは、私はちょっと意外な感じがして。アメリカは絶対にこんな時間稼ぎみたいなことについては応じてこないだろうと。直接的に2国間でバイのFTA(自由貿易協定)をやるのだと、協議を受けるか、受けないかを迫るシチュエーションもあるのではないかと思っていたので」
松山キャスター
「あぁ、今回の首脳会談でトランプさんが言ってくると?」
阿達議員
「ええ。ですから、いったんこういう形で受けて、これからどういうスコープを議論するか、スコーピングの話から入れるという意味では多少時間稼ぎ、ワンクッション置けたということで、延長戦に持ち込んだということです」

『新たな通商協議』の行方
松山キャスター
「阿達さんが話されたように、日米経済対話、ペンス副大統領と麻生副総理の間でやるということで、過去2回やっているということですけれども。阿達さんが言うように、アメリカの中ではこれでなかなか物事が決まらないので不満が募っていたという話がありましたけれども。今回、新たに設置するとされている、茂木大臣とUSTRのライトハイザー代表との間で中心にやっていくと。これは、性格がまだはっきりしないのですけれど、本当にその2国間としての話し合いなのか。何か安倍総理の会見での話し方を聞いていると、TPPが日米の間では最善で、そこに持っていくための一種、個別協議みたいなものを、そこを舞台にやっていこうという思惑にもとれるのですけれども。そのへんちょっとまだ意見、見方の隔たりがあるような気がするのですけれども」
阿達議員
「これは見方の隔たりと言うよりも、まったく考え方の相違でですね。TPPというのは大きく3つの分野があって、1つ目が、市場アクセス、それぞれの国が関税をどうするか、非関税障壁をどうするか。この貿易の部分での、いかに両国のバランスをとるかという話がまず市場アクセスである。それから、ルールメイキング、たとえば、知的財産問題とか、投資についてのルール、ここで言う1のところになるのですか、これがあって。3番目が協力をしましょうと、参加国の中で協力をしましょうという、こういう3つテーマがあったわけですけれども。ルールメイキングと協力については、トランプ大統領は別に反対はしていないです。もともと彼がずっとTPPがとんでもない協定だと言っていたのは、市場アクセスについてアメリカのメリットになっていないということをずっと言っていたと。そういう中で、アメリカ抜きでTPP11というので日本は動いたわけですけれど。その前提は、将来、アメリカが帰って来るという前提で、これはTPP11をつくっていますから。ここでアメリカと日本だけでFTAを2国間でやったら、他の10か国からしたらアメリカが帰って来るということだから我々はTPP11を結んだのにどういうことだということで、これはとんでもないハレーションを起こすわけですね。だから、日本としてはまずTPP11をやるとしか言えない。そのうえで、しかも、トランプ大統領は市場アクセスについて、TPP的なものをもし受け入れるにしても、あくまでこれはスタートポイントで、そこから交渉するのだと言っている。日本は、TPPは、これはゴールですね。だから、スタートとゴールでまったく実はここ食い違っているので。だから、トランプ大統領はこの1月からTPPについていろいろ言った時に、その条件がアメリカにとって有利であればTPPに入ると、これをずっと言っている。今回も実は同じことを言っているんですね。だから、この市場アクセスで相当の譲歩をするのだったらTPPに参加してもいい、だけど、自分としては2国間でやる方がいいと言っていると。これはトランプ大統領自身の、こういう現在のグローバル・サプライチェーンがあったりする、こういうグローバルエコノミーについて、あまり彼が関心を持っていない。だから、11本のFTAと1本のTPPというマルチ、この差が腹に落ちていないのだと思うんですね」
古森氏
「今回のその新しい枠組みについて、阿達さん、もしかしてちょっと急ぐのではないかということを言われたけれども、クドローさんというのが会談後にブリーフィングしているんですよね、記者に。結局、2つポイントがあって、これは新しい枠組みが目指すのは、結局は日米2国間の自由貿易協定であるということをはっきり言っているんですよ。それから、もう1つは、急ぐと。なぜならば、TPP11、11のやつがもうじき固まりそうだと。もう1つは、日本は、EU(欧州連合)とFTAをやっていて、もうじきできちゃうのではないかと。そうなっちゃったら、アメリカの企業が非常に不利な立場に追い込まれるということを言っているわけですよね。ここから先は、私の意見、私もずっとワシントンにいて、日米自由貿易協定というのが、何かミラージュのようにふーっと現れてきて…」
松山キャスター
「FTAというワードは、トランプ大統領はあまり使っていないですね?」
古森氏
「そうね、2国間ですよね」
松山キャスター
「2国間ですよ」
古森氏
「でも、トランプさんに限らず、前から時々出てくるわけですよ。そうすると、出てきた途端に日本側は、私から見ていると、もうパニックと言うか、とんでもないことが出てきたと言って、サッと引くという…」
阿達議員
「うん」
古森氏
「これが、だから、自由貿易協定と、日米の。自由貿易という言葉があって、で、自由貿易と言っている我が日本が途端に…。他のメキシコともやる、タイともやる、いろいろな国と自由貿易協定、経済連携協定という言い方をしているけれど、事実上は2国間の自由貿易協定。それが他の国とはドンドン自由貿易協定をやるけれど、ことアメリカに、我が同盟国のアメリカになるとこれはやらないと。やったりすると大変なことになって、大変だ、大変だと言うわけですよ。だから、まず疑問は、本当に大変なのか。すると、TPPが最初に打ち上げられた時、これはすごくパニックになって…それで現在から見たらプロパガンダですよ、あれ。日本の中に」
松山キャスター
「アレルギー…」
古森氏
「…論客と称する人達がいて、大変なことだって。アメリカが一枚岩になって、日本を収奪して、郵便貯金から何から国民健康保険のやつも全部とっちゃうのだという、あったではないですか、そういうの?私はアメリカにいて、TPP…、まずアメリカは一枚岩では全然ないし、そんなところまでアレで…。結局そちらの方で、アメリカの方で反対が起きて、これは、TPPはダメになっちゃったわけでしょう。だから、それと同じような過剰反応で、これは藪中さんにお聞きしたいのだけれども、日本政府の中でも、自民党の中でもいろいろ分かれるのでしょうけれども、1度、受けて、検討してみようというようなことを言っちゃいけないのですか?」
松山キャスター
「あぁ、日米のFTA?」
古森氏
「日米の自由貿易協定」
藪中氏
「いいのかもわかりませんよ。と言うのは、結構オープンですから、日本は」
古森氏
「あぁ、もうTPPで譲歩を随分しているではないですか、日本は?」
藪中氏
「そういうことで」
古森氏
「うん」
藪中氏
「問題は、トランプさんの頭に何があるのかなのですけれど。あの人は貿易赤字が悪ですよね。グローバル・サプライチェーンなんて何の関心もなく、経済の実体は関係ないですよね。要するに、貿易赤字を見て、今日も言っていました、690億ドルと…」
松山キャスター
「額まで出しましたね」
藪中氏
「これがいかんのだ、だから、これをどうするんだということで。だから、彼はバイラティラル・ディールと言っているでしょう。あのディールというのは、結果として貿易赤字が減ると、一緒に…、ゼロになるのが1番いいよねと言っていました。管理貿易みたいな話です。トランプさんとどう付き合ったら、この問題でいいのかということなのですけれども。先ほど、残念ながら、麻生・ペンスから今度は変わるわけですね、新しいフレームワークになるということで茂木・ライトハイザー。トランプさんの頭というのは、この問題については1980年のままですよ」
松山キャスター
「それを感じますね」
藪中氏
「ペンスさんは21世紀型ですよ。どう違うかと言うと、トランプさんはマッシブ、たくさん日本は車をアメリカに船に積んでドーッと来ていると。ところが、ペンスさんがよく知っているのは、そうではないよね、実際に日本の車というのは。彼はインディアナの出身ですからね」
松山キャスター
「インディアナ州の地元で見ていますから」
藪中氏
「あそこで、インディアナ州には3つの自動車会社があって、スバルもあれば、ホンダもあれば、トヨタもあって。つくっていて、雇用ができているよねと、21世紀型を彼は知っているんですね。だから、これをどうブリッジするかですよ。あまり説教ばかりしたら、また、トランプさんはヤーッとか言いますから。うまいこと、しかし、こうだよね、と言いながら、何か花を持たせるような工夫と、それはこれからの問題だと思うんですね。スピード感も大事です。ただ、あまりしゃかりきになって、これは嫌だとか言っていると、またドンドンやらされると。だから、そこはうまくやったらいいと」
阿達議員
「これは、トランプさんが難しいのは彼が言っているこの貿易収支というのは、モノが基本です。モノの貿易。サービス貿易は、彼はあまり頭にないわけです。サービス貿易ということで言ったら、日本は、たとえば、IT(情報技術)関係は相当、輸入もしていますから、逆に3兆円ぐらいアメリカは黒字ですね。全部を合わせたら7兆円ぐらいのアメリカは赤字になっているのですが。モノだけだったら10兆円なので、先ほど、10兆という数字がトランプさんからも出ていたわけですけれども。こういう彼がITとか、基本的にあまり好きではない、とにかく製造業でモノをつくってということが前提で、このモノの貿易のところだけで日米を言うと、先ほどの古森さんの話で言った時に、日本というのはここからオープンにする部分というのは農業だけになってくるわけです。自動車というのは、どっちみちアメリカの自動車ってつくったって日本にはサービス部門もないし、デザインも日本人向けではない、燃費も悪い…」
生野キャスター
「大型ですし」
阿達議員
「日本ではどうせ売れないですね。そうすると…」
古森氏
「そうすると、どうしてアメリカとの自由貿易協定はいけないのですか。日本にとって?」
阿達議員
「いや、ですから、どうしても農業のところにアメリカが日本に対して言ってくる部分が集中する。具体的にはコメと牛です。そうすると、これについては日本というのは現在、農業自体をいかに6次産業化していくかということでやっていると。それを何とか、その時間をつくるためにTPPを結んだ。そのTPPを結ぶ時に日本の中が大騒ぎになったというのは現在の農業を立て直さないと、このままオープンにしたら日本の農業が全部死んでしまうのではないかと、こういう政治的な議論の中で、TPPについてもすごく反対があった。これはEUとのEPA(経済連携協定)の時もこの議論があった。これが今度はアメリカと2国間でこの問題だけをやるというのは、TPPがゴールだという、現在の日本の立場からすると極めて難しい」
古森氏
「堂々とアメリカに対して農業の実態を言えばいいではないですか、あらためて?向こうは当然知っていることでしょうけど」
阿達議員
「いや…、これまで実はずっとそれをやってきたわけですけれど。やってきた結果が実はTPPの合意です。ところが、これがトランプ大統領からしたら、2国間だけで見たら、こんなことをいつまでやっているんだ、みたいな、それを言われると、日本としてはTPPにそのままで入ってくれるのだったらいいけれども、再交渉は受けられないという、こういう話になってしまうと…」

交錯する日・米・中・露の思惑
松山キャスター
「中朝首脳会談がもしかしたら米朝首脳会談のあとにあるかもしれないという、新しい動きがまた出てきているのですけれども。この間、金正恩委員長が突然、北京を訪れて中朝会談をやったと。それから、そんなに日が経っていないのですけれども、もう1回、首脳会談をやるかもしれないという情報がアメリカの方から出てきていると。これは中国としては、米朝で、アメリカとの間で北朝鮮がどういうやりとりをやったのか詳細にレクを受けたいとか、あるいは中朝の関係をより緊密にしていきたいと、アピールしていきたいという思惑なのですか?」
古森氏
「1つの思惑は、中国側のアメリカに対する対抗するカード。ドーッとアメリカが来ると、すると現在の中国は安全保障面でも、貿易面でも、アメリカと正面対決はしたくないと、まだまだ力がそこまでいっていないということでいるわけですよね。だけども、北朝鮮問題で自分達が少し、それこそ蚊帳の外に置かれるような状況が生まれつつあった。だから、そこのところに北朝鮮、金正恩が恐怖におののいたという言い方もちょっとおかしいけれども、もしかしてトランプは何かをやってくるのではないかということで、慌てて中国、助けてくださいよというようなことで動いたということで。中国も北朝鮮の庇護者であるようなフリをして、実際に庇護者になるのかもしれない。それがアメリカに対する態勢、1つのカードになるという。だから、日本に対してもこれは、自民党は現在、日米関係…、中国の日本に対する姿勢が柔らかくなってきて仲良くしようかと言っているけれど、これは、私はワシントンから見ていて、全然それは、中国の対日政策そのものは何にも変わっていない。非常に敵性の強い険悪な、領土問題で尖閣にドンドン入って来る、領海に入って来るということと、反日、教育的な反日意識、ここの部分は全然変わらない。向こうから、アメリカと対立した時に日本と対立しているのはマズいから、日本と仲良くしておこうと、これは、でも、江沢民の時から何回かあるわけですよ。アメリカが強く出てくると、日本との関係は前と何にも実際に変わっていないのだけれど、変わったようなフリをして、中国の側からオリーブの何か葉っぱだかを…」
松山キャスター
「習近平さんに笑顔が増えたりしましたよね?」
古森氏
「…出してくるという。だから、それは、日本は少し気をつけなければいけない。だから、北朝鮮…、北朝鮮と同様に中国。現在は北朝鮮と中国が結びついていると。それから、もう1つ、ここもワシントンで非常に大きな、専門家が懸念を持っているのは中国とロシアの結びつき。これは習近平とプーチンがいろいろな形で接触していると。それで、ミサイル防衛という、軍事面での合同演習みたいなことを、何年か先まで決めてやっているというような。だから、中国とロシアは一見仲良くしているように見えても、宿命と言うか、長年の、積年のいろいろなトラブルがあって、本当に仲良くはならないのだというのが大方の見方ですよね。それが何か変わってきたのではないか。だから、国家安全保障戦略、12月の、これは、ロシアと中国が、アメリカが主導してつくってきた国際秩序を崩そうとしていると、アンダーマインドですよね、だから、非常に危険だという、新たな状況だということを言っている」
松山キャスター
「シリアをめぐる国連安保理の動きを見ていると、中国とロシアはもう完全に何か方向性が西側諸国と違ってきているというのが鮮明になってきていますよね」
古森氏
「だから、こういう激動の時に、こういう激動が何か不穏な状況があったので、トランプさんみたいな人が出てきたと、結果と原因が逆になっているような…。トランプさんが出てきたからこうなっちゃったのだと言う人もあまりいないけど。だから、日本は当面、アメリカとの同盟を堅持に堅固にしておくのが賢明なのではないでしょうかという結論部分へいっちゃいます」

阿達雅志 自由民主党外交部会長の提言 『1.対中改善 2.日米ロック・イン』
阿達議員
「先ほどまでの話とちょっと逆説的になるのですが、次の一手でまず日本は、対中関係を改善しないといけない。現在、アメリカと中国、経済戦争状態に入ったとは言っても実はそれぞれの首脳の往来があるんですね、首脳の往来がある。それから、この間、金委員長が中国へ行った。その直後に中国は習近平国家主席がトランプ大統領にその結果をすぐに電話をしているわけです。ところが、残念ながら現在、日本というのはそういう関係にない。この5年半、日中というのは国際会議以外では首脳の往来がないんですね。この状態をまず改善しないといけない。それがまず第1。そのうえで本来の日米関係、これをあくまで総理とトランプ大統領の絆だけには頼っていられない。それをどういう形で、もっとシステマティックにロック・インするか、これを考えると、この2つだと思います」

藪中三十二 元外務事務次官の提言 『日本は核の当事者』
藪中氏
「こう書きましたのは、当たり前に聞こえるかわかりませんけれども、北朝鮮の核問題で日本は当事者なのだという意識ですね。もちろん、拉致問題は大事ですけれども。核・ミサイルでも日本は当事者だと、そういう意識を持って、外交をやっていかなければいけないということだと思います。今回せっかく日米首脳会談、1つ布石を打てたのですが、そのあとずっと、さあ、どうなるのだ、というフォローアップ、いろいろな格好で、日本は外交のいろいろな働きかけをしなければいけない。米朝首脳会談があっても、そのあとに実務者協議ができますから、だから、6者協議というような格好で日本も当然入っていくとか、いろいろなアイデアを出すべきだと思いますね」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の提言 『やはり、同盟堅持』
古森氏
「日米同盟堅持ですね。これも当たり前中の当たり前なのだけれども。たとえば、北朝鮮、今回のこの討論で話に出ない、及ばなかった北朝鮮の中距離・短距離の弾道ミサイルをどうするかという問題。これはアメリカ側からも指摘していて、日本側からもして、これは何百単位の日本を射程に収めたミサイルがあって。それに対して、これもアメリカ側の指摘ということで申し上げれば、日本はほとんど何の防衛装置もない。ミサイル防衛と言っているけれども。1発もし撃ってきて、どこかで落ちたって、2発目を撃とうとしている時にそれを抑えるために日本が撃つという、そういう抑止の能力もまったくないと。だから、どうするのだということはかなり強い。だから、アメリカに、アメリカの軍事力・抑止力に依存するというのが当面の日本の道なのかなと思うわけです」