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2018年4月11日(水)
トランプVS金正恩の解 非核化めぐる駆け引き

ゲスト

今井雅人
希望の党 国会対策委員長代理(前半)
佐藤正久
外務副大臣(後半)
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授(後半)
手嶋龍一
外交ジャーナリスト(後半)

緊急検証『加計問題』 集中審議と野党の戦略
斉藤キャスター
「前半は今日行われました森友・加計問題などの集中審議について緊急検証します。後半は非核化に関する北朝鮮の本音、アメリカや中国など、関係国の戦略について佐藤外務副大臣と専門家の皆さんに聞いていきます。加計学園の獣医学部新設をめぐって、誘致した愛媛県の職員が当時の内閣府次長と総理秘書官との面談内容を記して、その中の2枚目、『首相案件』、本来なら総理案件と言いたいところなのですが、首相案件となっているんですね、…と書かれていることが明らかになりました。この文書の中なのですが、『本件は首相案件となっており、内閣府・藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい』『加計学園から先日、安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文部科学大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんと言っているとの発言があった』という内容が書かれています。この文書をめぐり今日集中審議が行われました」
松山キャスター
「今回、『首相案件』という、愛媛県側にそういうメモがあったという話から大きくなっているわけですけれども。それに対する安倍総理の答弁はこちらの方なのですが、『愛媛県が作成した文書の評価について、国としてコメントすることはできない』と言って、敢えてそれを、文書があったかどうかについては言及を避けていると。2015年に愛媛県の担当者らと面会したとされる当時の総理秘書官の柳瀬秘書官の発言については、『記憶の限りは会っていない』ということを言っているわけですけれども、それは『信頼している』と言っています。いろいろと言い方をめぐって、また問題があるということを野党は追及しているわけですけれども、今井さんはどういうふうに?」
今井議員
「この話は2つに分けて考えなければいけなくて、この2015年4月2日に官邸に行って1時間半、話をしていると。今治市の記録には残っているんですね、行ったというのは。まず今日問題になっているのは愛媛県が残してある備忘録に書いてある中身ですね。これが、安倍さんが関与しているというのはどうなのだという話。もう1つは、この4月2日に本当に官邸で会合があったかどうかということです。内容に関わらず、この時期に官邸に行って1時間半も話をしていたとすれば、それは、普通この案件というのは内閣府で仕切っているので内閣府にしか行かないですね。それを官邸まで行って1時間半、話していたとすれば、官邸が絡んでいるということを認めてしまうようなものなんですよ。ですから、2日に会合があったことすら認めないという、それすら認め…、そこを認めてもアウトなので。とにかく入口から何も認めない。だから、中身の以前にそれを認めないと。ところが、今日、私の質疑の時に内閣府の人が今治市に確認したら、この会合はありましたと言っているということなので…」
松山キャスター
「備忘録があるということ自体がそうなのでしょうね?」
今井議員
「そうです、誰が考えてもそうです。でも、この会合があったということを認めるだけで彼らは窮地に陥るので、それすら認めないということで来ていますから。柳瀬さんが、柳瀬さんは、会っていないとは言っていませんから、覚えていないと言っているだけですから」
松山キャスター
「そうですね、記憶の限りは…」
今井議員
「はい。だから、覚えていないと言っている人のことを『私は信用しています』と、総理は言い張るわけですよ。記憶を失っている人の話を信用しても、それは真実にはたどり着かないですよね」
松山キャスター
「今井さんが先ほど言いましたけれど、総理の関与についても今回、出てきたということで、その備忘録の内容の中に、先日、安倍総理と加計理事長が会食した際、下村文科大臣が『加計学園は課題への回答もなくけしからん』と言っているとの発言があったという記述があるのですけれど、この食事会、会食したという事実自体についても安倍総理は答弁の中でははっきりとこのあたりの日程で会ったかについては述べませんでした。ただ、こういう言い方をして『私が加計理事長と会食した際に獣医学部の新設について話をしたことはない』と。『下村元文科大臣も加計幸太郎氏に対してそういうことを述べたことはないと明確に述べていると承知している』という、この答弁ですけれども、若干ちょっと質問と答えが合っていなかったような気がするのですが。この会食自体は認めていない、総理もまったくこれについては関与をしていないという答弁なのですけれど、この言いまわしについては?」
今井議員
「まずこの備忘録というのは、もう3年前ぐらいに書かれている備忘録ですよね。この問題が発覚する前に書いているものですから、意図的に何か書く必要がないものですよ。普通に聞いたことを書いているだけだと思うんですね。だから、この書いてあることは、この出席した人は聞いているのだと思うんです。それを認め…、でも、それは、安倍さんは認められないんです。これを認めてしまったら自分が辞任しなければいけないですから。これは意地でも認めないと。そういうスタンスで来ていますから。その真相を解明しようというか、むしろ真相を解明させないようにしようとしているというのはもうはっきりしていますね」
松山キャスター
「今回、愛媛県側と中央側で言っていることがかみ合っていないという状況になっているわけですけれども、実際、柳瀬元秘書官と担当者との会合があったのかどうか、また、『首相案件』という文言が出ていたのかどうかというあたりを解明するためには、どういう方針で追及されるつもりですか?」
今井議員
「まず、それは柳瀬さんと、それから、当時の藤原審議官ですね、次長ですね、この方達に証人喚問なり、話をうかがうのはもちろんですけれど。今治市と愛媛県の人達は参加していたということは認めているわけですから、その人達に誰が出ていましたか。どういう内容を話していましたかということをうかがうという両方から話を聞かなければいけませんから」
松山キャスター
「愛媛県の担当者も国会に呼ぶことも検討しているということですか?」
今井議員
「私は事実関係を明らかにするべきだと思いますから、それぞれ国会の、それぞれの交渉の中で、順番はどうなるかわかりませんけれども、私個人的に言えば、関係者の人達にできるだけ多くの人に出てきていただいて、それぞれ話していただければ、真実に近づくのではないかなとは思っていますけれど。まず、柳瀬さんは『記憶にない』と言っていますからね。それはちょっと、参考人で『記憶にない』と言ってとぼけられちゃうと困るので、証人喚問にして、嘘がつけないような状況で話を聞くということも必要かもしれませんね」
松山キャスター
「そもそも国家戦略特区に指定するかどうかという話自体は官邸主導で行っていることなので、これを広い意味で、一般用語として『首相案件』とメモをとったのではないかという見方もあるようですけれども。それ自体はそんなに問題ではないのではないかという意見もあるようなのですけれども、そういう考えをどう感じますか?」
今井議員
「それは違いますね」
松山キャスター
「首相の意向が働いているという?」
今井議員
「だって、総理そのものが、これはプロセスで私が入る余地はない、関与する余地がないのだと言っているではないですか。それを首相案件とは言わないでしょうね。これは実際、私は、安倍総理が加計学園を何とかしてやってくれと、採用してくれというところまで言ったかどうかはわからない、言っていないかもしれないんです。ただ、このメモでわかりますけれども、事前にアドバイスしているんです。これを通りやすいように、こんな書き方をしたらいいとか、こういうところにポイントを、気をつけたらいいとか、アドバイスをしているわけですよ」
松山キャスター
「これは異例ですか?」
今井議員
「異例ではないですか。特定な事業者にだけ、こうやってアドバイスしているということは明らかに公平性に欠けるわけです。その人達に偏って、肩入れしているわけではないですか。その時点で関与ですよね。だから、その話も私、今日したのですけれど、直接やってくれという指示ではなくたって、それは話を聞いてやってくれとか、いろいろアドバイスをしてやってくれとか、そう言っただけでももう関与ですから。それは中立性の観点から、それは許されないことだと思いますよ」
松山キャスター
「実際、この間の財務書の決裁文書の改ざん問題で佐川前長官を呼んで、やってみたけれども、何かあまりはっきりとした事実は新しく出てこなかったということがありますけれども。今回、柳瀬さんを呼んで来て、実際に本当に明らかになる部分はどれぐらいあると考えますか?」
今井議員
「いや…」
松山キャスター
「会った、会わない自体をまず聞かなければいけないところだと思うのですけれども?」
今井議員
「そうですね。正直、私も佐川さんの証人喚問で質問に立たせていただいたのですけれども、あれだけ訴追のリスクがあるから、答えられませんと言われてしまうと、証人喚問をやっても何も意味がないですよね。ですから、おっしゃる通りで、柳瀬さんも証人喚問をやったとしても、何も答えないというリスクがあると思うんですよ。それでも、証人喚問というところはステージが違いますから、偽証罪に問われるところなので、あるいは証言拒否罪というのにも問われますから、そのステージで話していくことが大事だと思います。加えて今回のケースは相手方がいますので、会った相手方がいますから、その方達に話をしていただくと。さすがに、ちょっと証人喚問というわけにはいかないと思うので、参考人でも結構ですから、ご本人達のご同意をいただいて国会で説明していただくということがやれたらいいのではないかと」
(後半)
北朝鮮『最高人民会議』 『非核化』『対米』言及は
斉藤キャスター
「北朝鮮は今日、日本の国会にあたる最高人民会議を開いたとみられているのですが。こちら、2つ。この核開発だとか、外交についてどのような方針が示されるのかが注目されていたんです。まだ北朝鮮から公式な発表はないのですけれど、武貞さん、どのような方針が示されたと思いますか?まず核開発について」
武貞特任教授
「朝鮮半島の非核化と言っても、いろいろな意味が込められていて、同床異夢でアメリカの考える非核化と北朝鮮の考える非核化は全然違うわけですから。手の内は見せないようにして、朝鮮半島の非核化がいかに大事かという総論に触れて、かつそのために米朝の首脳会談が必要であり、ここまで活発な外交を展開しているということを誇らしげに謳ったものが盛り込まれるでしょうね」
松山キャスター
「非核化の具体的な中身というのはいろいろと各国で思惑は違うと思うのですけれども、北朝鮮が言う非核化というのは、これまで通り、朝鮮半島全体の非核化という意味で出てくると?」
武貞特任教授
「朝鮮半島の非核化、全体の非核化ということを意味していますけれど。これはズバリ、アメリカが差しかけている、韓国・日本に対する拡大抑止の戦略、核の傘、これを全部取っ払ってくださいと。在韓米軍が撤退しなければ、北朝鮮にとってアメリカの核の脅威はなくならないのだということだけではなくて、B-1、B-2という戦略爆撃機を使った軍事演習も、あれも核を使うつもりですねと、おそらく北朝鮮は言うでしょうね。北朝鮮にとっての朝鮮半島の非核化というのは、意味は1つしかないんですよ。アメリカが朝鮮半島問題に軍事介入をするということを諦める、それについて一筆書いてくださいと。かつ不可侵条約も結んで、休戦協定を平和協定に転換して、国交樹立して、体制の保証もしてということを確約して実行に移すまでは朝鮮半島の非核化というものは終わりませんと言い続けるのが北の考えで。トランプさんはズバリ、北朝鮮が核兵器を放棄する、そのロードマップをこれからつくる、確約をとるための米朝首脳会談だという捉え方ですから、これはほとんどそこだけを見ると水と油ですね」
手嶋氏
「北朝鮮の非核化というのは、ご指摘があったように、朝鮮半島の非核化ということになりますよね。北だけではなくて、南からも核というものを一掃するということになるのですが。それじゃあ松山さん、現在、朝鮮半島の韓国側に核があるかどうかという大問題なのですけれども、一応、戦術核は撤去したのではないかと言われていますけれども。一方で、アメリカの全世界的な核戦略の大原則は、核の所在は一切明らかにしないということですね。従って、現在、韓国に核があるかどうかということも含めて、将来それを配備するかどうかというようなことも含めて、一切明らかにしないと。それが現在、超大国アメリカの核抑止力のまさに拠りどころになっているわけですね。ところが、武貞さんのお話からわかりますように、それをまったく、つまり、取り除け、将来ともに置かないのみならず、その拠点になるような在韓、在日アメリカ軍も撤去しろというような大変強い主張、これは武貞さんが言っているわけではなくて、北朝鮮の論理がそうですね。そこまで飲むことができるのかという、それを含めて、非核化であれば、つまり、北朝鮮も核・ミサイルを廃棄してもいいということになりますが、相当な距離がありますよね。いくら現在、トランプ大統領が対話に前のめりになっているとしても、武貞さんが言っているような北朝鮮の要求を全部飲むなんていうことはあり得ませんね。大統領としての地位を失ってしまう。ですから、対話は実現するかもしれませんけれども、それを実現する道のりがいかに困難であるのか、両者の立場が開いているのかということが今のお話からもあらためて明らかになると思いますね」
佐藤議員
「朝鮮半島の非核化と言った時、これまで北朝鮮は5つぐらいの項目を挙げているんですね。その中で、1番肝になるのが、朝鮮半島にいる在韓米軍、その核兵器をまず撤去しなさいと。通常、核はない、戦術核はないと言われていますから、ただ、戦略爆撃機とか、そういう兵器で核を持ち込むのも、これもやめろと。最後の項目は、最終的には在韓米軍の撤退まで言っているんですよ。これは当然、認められるわけがないし、冷静に考えていただきたいのは、国連決議違反をして核実験とか、弾道ミサイル発射をしているのは北朝鮮ですよ。それと在韓米軍、あるいは在韓米軍と韓国が一緒に共同訓練しているのを同じレベルで話すということは、それも私はおかしいと思います。そういう、冷静にこれを見ないと、あまり前のめりになると、判断を誤ってしまうように私は思います」

北朝鮮『非核化』の本音 金正恩委員長の思惑とは
斉藤キャスター
「今度はこの外交について、武貞さんはどう見られていますか?」
武貞特任教授
「外交が1番、北朝鮮にとってPRしたい分野ですね。外交を通じて、この地域の平和と安定を実現する努力を自分達は始めた、建国70周年を機会に、新しいタイプの政策・外交を北朝鮮は現在、展開中だということをおそらくPRすることになるでしょうね。ただ、これは北朝鮮の手法がまったくガラッと変わったというわけではなく、ワシントン・ニューヨークに届く大陸間弾道弾の技術はほぼマスターしたのだから、あと危ないなと思うトランプさんが少し北朝鮮に譲歩する形で、米朝首脳会談でこれまでの政策を変えるような発言をしてくれるはずだと北朝鮮は信じている。ですから、そういう意味で、外交に一生懸命、力を…」
松山キャスター
「これまでのアメリカ政権とは違うと?」
武貞特任教授
「そうですね。中国もアメリカに対して丁々発止する金正恩さん、中国はよくやっているねという気持ちで、北京までいらっしゃいということで、中朝首脳会談が実現したわけですね。中国もサポートしてくれるという自信のようなものが現在、北朝鮮の中に見受けられるわけですね。ラブロフ外相と李永鎬外相、会談の中でラブロフさんが、朝露、北朝鮮・ロシア首脳会談についても言及しています、可能性についてね。これは中国といつも競争して、朝鮮半島への影響力を競い合ってきたロシアとしては、この中朝首脳会談をやられたあとは、朝露首脳会談をやりたくてしょうがないと思いますよね。中国・ロシアが、お祖父さんの金日成さんの時代のような競争し合って北朝鮮支援競争をしそうだという気持ちを、おそらく北の指導者は持っているでしょうね。これほどうまくいき始めた、うまく回転し始めた、外交のこの環境について高らかにうまくいっているということをおそらく謳いあげる最高人民会議の報告の中身になるでしょうね」
松山キャスター
「佐藤さん、どうですか?今回の最高人民会議で北朝鮮はどういう外交方針を打ち出してくる?」
佐藤議員
「この前の中央委員会の政治局会議の方でも、朝鮮半島の情勢についての報告があったと国内メディアは発表していますから。おそらくそういうこれからの、4月27日の南北首脳会談という部分のあたりの言及まではあるかもしれませんけれど、ただ、そのあとの話はたぶん北朝鮮が手の内を晒すわけにはいけませんから、ある程度PRしたとしてもその程度だと。実は昨年の最高人民会議では、外交は一言も触れていないですよ。そういう性格のものなので、ある程度はPRするでしょうけれど、あまり踏み込んだものはしないとは思います。ただ、冷静にならないといけないのは、北朝鮮は大方の見方として、多くの専門家の見方としてアメリカまで届く核ミサイル、大陸間弾道弾はまだ完成はしてないだろうと、もう少しだろうと。そういう中で今回、向こうからこちらの方に寄ってきたと。一歩手前まで寄ってきたということは経済制裁が効いているのだろうというところなので。要は、向こうから、あるいはまさに韓国の方に抱きついてきたと」

6か国協議と関係国の思惑
斉藤キャスター
「北朝鮮の非核化に向けた動きというので注目されたのが、こちらの、金委員長の6か国協議復帰の意思ということですね」
松山キャスター
「中国側からの報道ベースで出てきた」
佐藤議員
「これはまだ別に北朝鮮も発表したわけではないし、中国政府も発表したわけではない。これは報道でこういうのがあるというだけであって…」
斉藤キャスター
「そうですね」
佐藤議員
「この前の中朝首脳会談の時の中国側の発表にも、北朝鮮の発表にも、これはまだないので、ここは少し冷静に考えないといけない。ただ、北朝鮮にとってプレイヤーが多い方が、変数が多い方が交渉は延びるという可能性もありますから、そこは気をつけないと」
手嶋氏
「でも、この中国側が、金委員長が6か国協議に、北朝鮮側が前向きだということを言ったのは非常に大きな外交上の戦略として意味があるんですね。それはなぜならば、実は6か国協議というのは2003年から始まって2008年まで続くのですけれども、これは北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる、残り、日本・韓国・中国・ロシア・アメリカの枠組みということに、ここのところなりますよね。このところで実はこの6か国協議というのは、忘れがちなのですけれども、1番重要な点はたった1点ですね。実は議長国はどこなのかということなのですけれども。当時アメリカはイラク戦争で大変苦しかったのですけれども、つまり、東アジアに十分な目を向ける余力がなかったということもあるのですけれど、あろうことか、敢えて言いますけれど、あろうことか、この6か国協議の仕切り役・議長に中国を指名する。東アジアというのは第7艦隊を中心として展開をしていて、一貫して戦後、実はアメリカが仕切ってきたということなんですよね。その東アジアの、北東アジアの外交上の枠組みとして冷戦後、終結後、出現した最も重要な枠組みなのですけれども、その議長は中国ですよ。ですから、北朝鮮はこれまで四の五の言って参加しなかった、最近10年間はそうですよね。しかし、こういうふうに言ったと中国が言っているというのは、中国にとってもこれ大きな影響力を発揮できるということだけではなく、北朝鮮も、中国と北朝鮮の関係というのは非常に悪かったですよね」
松山キャスター
「ここに来て変わってきましたね」
手嶋氏
「ええ、パイプ役を処刑するというようなこともありましたから。ここのところを今回、修復をしたということになった。その結果として、6か国協議をやっても北朝鮮も、議長役の中国も十分大丈夫ということになったので、これは少なくとも中国が発表したというだけでも極めて重要な動きということになります。日本は、実は少し、日本は遠心力が働いて、かなり…」
松山キャスター
「このへん(中国、韓国、ロシア、アメリカ)は接近していますけれど」
手嶋氏
「ええ、こうなっていますよね」
松山キャスター
「なっています」
手嶋氏
「日本は残念ながら…」
佐藤議員
「アメリカは違うと思う。現在、まさにボルトン安全保障担当補佐官は6か国協議の枠組みでやっていた過去のヤツを批判していますから。アメリカが現在、本当に6か国協議かと言うと、たぶんそうではなくて。変数が多いと、米朝首脳会談でも結果が得にくいというのは一般的に言えますよね。まずは南北、米朝というものをまずやろうと」
松山キャスター
「日本として、拉致問題も抱えているとなかなか北朝鮮とのダイレクトの2国間協議に持っていくのは難しいと思うのですけれども」
佐藤議員
「そこはまさに現在いろいろと調整、いろんなことを動いていますけれども。まずは南北、米朝という中でいろいろなのが出てきますから。そういう時に遅滞なく対応できるようなことが大事でしょうけれども。まずは向こうが寄ってきたのですから、ウチが前のめりになる必要はまったくないです」
松山キャスター
「6か国の枠組みにもう1度戻すということについては日本政府はそんなに積極的ではない?」
佐藤議員
「まだまだ。とりあえず南北、米朝というのをやらなければ、昔みたいに中国・ロシア・北朝鮮と日本・アメリカ・韓国のような3対3の構図になると動きませんから」

『段階的・同時並行』か 『一括』か
斉藤キャスター
「金正恩委員長が先月の中朝首脳会談の際に、習近平国家主席に対してこのようなことを言っているんです。非核化の条件なのですが、『アメリカと韓国が我々の善意に努力で応え、平和で安定した雰囲気を築き、平和実現のために段階的で同時並行的な措置を講じるのなら朝鮮半島の非核化は解決できる』と…」
佐藤議員
「…というふうに、中国が言ったんです」
松山キャスター
「中国側が金正恩委員長の話として伝えていると」
佐藤議員
「そこで書いているようにね」
斉藤キャスター
「…伝えたということなのですが、この段階的で同時並行的というのは、どういう措置なのですか?」
武貞特任教授
「段階的ですから、ビックリ仰天の提案を金正恩さんが言う可能性はありますよね。段階的というのは、たとえば、今すぐ在韓米軍撤収しなさいと言いませんよと、金正恩さん自身が言う可能性がある。現在、韓国側の中で議論されているのは、暫く在韓米軍を置いておいてもいいのではないのと言い出しかねない、段階的というのはそういうことですよ。全てのことを、ワンツースリーで今決めてしまいましょうということでない、在韓米軍なら暫く置いておいて、信頼関係をだんだん醸成していって、その先に在韓米軍をなくす、その先に休戦協定を平和協定に変える、米朝国交樹立というようなプロセスを細かくやっていき、その過程で、それは北朝鮮がアメリカに要求をすることですけれども、アメリカが北に要求をすることについて、核施設のこの部分をちょっと解体しましょうと、ここの部分について査察を受け入れましょうということを、北朝鮮も少しずつ双方が義務を果たすような形で少しずつやっていきましょうということで。これは1994年の、枠組み合意の二の舞になりそうな流れなんですよね」
松山キャスター
「どの段階で、北朝鮮は制裁の解除というのを求めてくるのですか?」
武貞特任教授
「それはもう…」
松山キャスター
「1つ、1つのステップで全て…」
武貞特任教授
「それは制裁の解除というのは、この数年の間に強化されてきたものですから、最初に制裁の解除については求めるでしょうね。在韓米軍の撤収というのはその先に置くでしょうね。これは非常に、在韓米軍というのは、これは休戦協定に基づいてそこにいて、米韓相互防衛条約に基づいて1954年からずっといるわけですから、これをなくすというのは大変ですね。それから、核兵器の放棄というのも、これも入口で約束するわけにはいかないのは4年前の憲法改正で核保有国であると憲法の中に盛り込んじゃっているわけですよね。憲法というのは外交の戦術的なレベルの話ではないわけですから、相当、最後の出口のところに北朝鮮は持っていき、入口のところに制裁の解除なんかを置くのでしょうね。制裁の解除は、実際アシアナ航空で韓国の選手団が北朝鮮の馬息嶺スキー場に行って、馬息嶺スキー場から北朝鮮の選手団がアシアナ航空に乗って来たとか、万景峰号が東の港に入港して、平昌オリンピックにいろいろ北朝鮮の人達が参加をしたということも制裁の特例措置で、実際は制裁の例外的なことで。これは現在、事実上、常態化しているんです。音楽団が平壌に行った、次は北朝鮮の音楽団がソウルに来る。スポーツ交流をする。これからいろいろなスポーツの大会を、南北の対抗戦を、1か月刻みぐらいで、平壌・ソウルでやりましょうという話が進んでいますよ。と言うことは、一般の、政府高官ではない一般の人達の往来がなし崩し的に制裁下でも行おうということがもう決まっているわけですね。しかも、その過程で、トランプさん、いくらボルトンさんとポンペオさんが、しっかりと、トランプさん、早く軍事オプションを前に出せ、と言ったところで、トランプさんも1月10日の米韓の電話首脳会談の中で、南北対話が進んでいる間は軍事行動をとりません、と約束しちゃっているんですね、トランプさんが文在寅さんに。軍事演習は軍事行動の中に入らないので、軍事演習は4月1日から始まりましたけれども。しかしながら、実態は南北が共同で申し合わせて、いろいろなスケジュールを入れながら、制裁というのは、なし崩し的にいろいろなところで形骸化しつつあるんです。これが1番とっかかりやすいと考えている北朝鮮は、段階的という中の最初のところに置くでしょうね」
手嶋氏
「北朝鮮は沈黙を守っていますけれども、一応、北朝鮮の広い意味での了解を取りつけて発表したと見るべきですよね。アメリカやイギリスの専門家とも、ここのところ最大のポイントですからやりとりをしたのですけれども、ほぼ見方は一致しているんですけれども、段階的で同時並行的、段階的というのは、これは徐々にということですから、米韓合同軍事演習は当初認めるのだけれど、それは徐々にこれも縮小していってくださいと。同時に、在韓米軍も北朝鮮側としては徐々に減ってもらいたいと思っていますよね。同時並行的に、今度は、経済制裁が行われているのですが、当然のことながらそれも縮小していってもらいたいということになりますよね。最終的に、ここが大きなポイントなのですけれども、北の強権体制というものをそのまま認めてください、体制保全ということになりますよね。そうした措置がとられるのなら、朝鮮半島の、つまり、韓国側を含めて非核化問題は解決できると、非核化をするとは言っていないですよね。つまり、段階的で同時並行的な入口に入ってやっていると、それがうまくいけば、最後は非核化というのが実現するのではないでしょうかねと言っている。誠に都合のいい、しかし、かなり強かなコメントですよね。ですから、トランプ大統領も、日本側も、はい、そうですか、それでやりましょう、などということには到底ならないということですね」
松山キャスター
「一方で、アメリカの方はどうしているかというので、1部報道ではアメリカの一括合意案みたいなものも報じられているのですけれども。北朝鮮が核の完全放棄に応じれば、朝鮮半島の休戦協定を平和協定に変えて、国交正常化と制裁の解除まで一気にやってしまうという案を、ホワイトハウスの内部で検討されているのではないかという報道もあるのですが。これは現実味があるプランだと?」
手嶋氏
「もしこんなことを北朝鮮がはっきり約束するのだったら、これと先ほどの案を比べていったら、これは天と地ほど開きがありますね。これをやれば、これはできるだけではなくて、制裁解除のみならず、最終的には体制の保全だってやるのだと思いますが、これを、北朝鮮が今度の米朝首脳会談で少しでも歩み寄るのかということになりますと、その可能性はほとんどないと」
松山キャスター
「かなり温度差がありますから」
佐藤議員
「これも検証、口だけでは全然、検証にならないわけです。不可逆にならないではないですか?」
松山キャスター
「はい、そうですね。証明ができないですよね」
佐藤議員
「それだけでは、口で言っているだけでは。見た目はそう簡単に矢印がストンと…、検証できないし、不可逆的にならないから…」
松山キャスター
「だだ、怖いのはトランプ大統領ははじめに大きなディールをまとめて、それを下に落としていくというのを好むタイプだと思うのですけれども」
佐藤議員
「でも、彼も現在、20年間の失敗の轍は踏まないと、1994年と2005年に失敗しているわけですから。段階的にやって、対価を与えたのに失敗しているんです。それの轍は踏まないと言っていますから」
手嶋氏
「松山さんもついこの間までワシントンにいて、ご案内のように、ヨーロッパの、たとえば、イランの核問題については、相当な専門家・ジャーナリストでもいるんですね」
松山キャスター
「いますね」
手嶋氏
「ところが、朝鮮半島の核問題についてちゃんと取材を長くして、ちゃんとした報道ができる人というのは率直に言うと非常に数が少ないので。ちょっとお話を聞いたら、なんとなくこんな程度の記事にはなるのですけれども、一言で言うと、一連の報道は大変レベルが低いと思いますね」
松山キャスター
「そんなに簡単なものでない」

会談への『駆け引き』と日本
斉藤キャスター
「朝鮮中央通信が昨日伝えたところによると、9日、朝鮮労働党幹部の会議が開かれ、金正恩委員長が今月27日に開かれる南北首脳会談に言及したうえで、米朝対話の展望を分析・評価したということです。米朝対話の展望を深く分析・評価というのは、武貞さん、これはどういうことなのですか?」
武貞特任教授
「報道によれば、深く分析したという話もあるのですけれども、北朝鮮…」
佐藤議員
「深く分析したんですよね…」
武貞特任教授
「北朝鮮が、指導者がこの言及をしたということを報道するということは、もう失敗は許されないんですよね。米朝首脳会談やめたというのは、国内的にもちょっと示しがつかないし、決裂してダメだったということはこの計画がそもそもおかしかったのではないのというニュアンスが残るから、それも避けなければならないプレッシャーが今度は金正恩さんにもかかった…」
斉藤キャスター
「なるほど」
武貞特任教授
「…ということですね。つまり、争点は非核化ということなのだけれども、それを丁々発止やるにしても、これは決裂したわけではないね、という玉虫色の継続協議みたいな形で盛り込むか、文書にしないまでもそういうところで落として、これから米朝は話し合っていきましょうね、ということになるでしょうね。トランプさんの方がむしろ立場は弱いので。佐藤先生がおっしゃるのとちょっと違うかもしれませんけれど、助けてと言って、北朝鮮が抱きついてきたとおっしゃいましたけれど、むしろ韓国の文在寅さんが昨年の5月に就任してから、オリンピックに北朝鮮は参加してください、参加してくれたら、この地域の平和と安定が実現できる、国連憲章にも合うんだ、といようなことを言って北朝鮮を何とか国際社会の場に引き出して、金大中さんの時代からの宿題である南北の融和を進めようというのが、現在の韓国の政権の非常に重要な政策の1つですよね。と言うことで、韓国がむしろ北朝鮮にしがみついたんですよ。それが1つ。と言うことは、それをうまく活用した北朝鮮が積極的攻勢に出てきたと。南北の首脳会談、その前に南北閣僚級協議が1月9日に行われて、あれよ、あれよと言う間に平昌オリンピック、これで合同チームをつくって平和ムードがワーッと広がっていきましたよね。文在寅さんの支持率が国内で上がっちゃった。1部ではノーベル平和賞を女子ホッケ―チームにあげましょうかという話が出たりして、すごく冬季オリンピックを機会に、ムードが変わってきたんですよね。これは北朝鮮にとってはノリノリで。そのノリの延長に北京も訪問して、中朝会談をやった。これは放っておいたらアメリカは乗り遅れちゃうねということで、体制の保証をしてくれたら核兵器を持っている必要はなくなるねというメッセージを聞いたトランプさんが、40分前後で、米朝首脳会談、応じましょう、と決めちゃった。受け身、受け身でここに来ちゃったトランプさんは、米朝首脳会談、これは決裂させるわけにはいかないとトランプさんにもプレッシャーがかかった。と言うのは、決裂したら米朝のチャンネルがなくなっちゃう。そうなると、南北首脳会談、これは毎年やっていきますと青瓦台の高官は言っていますし、中朝関係、相当良くなってきていますよね。北朝鮮を中国と韓国の方に追いやってしまうことになるんです、米朝首脳会談の破綻というのは。トランプさんは失敗するわけにはいかないというプレッシャー…、東アジア外交の1つのテストケースになるぐらいのプレッシャーが現在、トランプさんにかかっているということを考えると、トランプさんが相当曖昧な形で決裂を割けるような合意に持っていかざるを得ない」
松山キャスター
「佐藤さん、この米朝の間のやりとりと言うか、どう見ています?」
佐藤議員
「立場が強いのは、我々はアメリカだと思っています。苦しくなって向こうが来たわけです。確かに韓国は南北首脳会談をやりたいということをずっと言っていました。だけど、北朝鮮は乗ってこなかったわけです。経済制裁とかがあってもミサイル開発を続けていたわけですよ。苦しくなって、こちらに寄って来た、途中で。と言うことは向こうが抱きついてきて、それに韓国は抱き返したという感じかもしれません。ただ、アメリカとの関係で言うと、対話を求めてきた。対話が失敗したからと言って、対価を与えないと、対価を与えなかたったからと言って、アメリカも日本も韓国も困らない、国際社会。困るのは向こう、経済制裁が苦しい北朝鮮です。だから、まさにそこは、強みは我々なので、そこはアメリカもしっかり、言われたように、非核化に向けて強い態度でこれは臨むと。トランプ大統領もいろいろなことが言われていますけれども、支持率を見ても、鉄板の37%とか、現在は実は42%まで上がって…」
松山キャスター
「強固な保守層は変わっていないですよね」
佐藤議員
「…上がっていて。共和党の支持率は80%で安定的ですね。今回の中間選挙を見ても上院の方は共和党の改選議席が少ないですよね。民主党の改選議席が多く。しかも、下院の方は、共和党は多く持っていますから、普通にいけば、そんなに厳しくないという見方を言っている人もいます。ただ、現実はどうかわかりません。ただ、次の大統領選挙までにはたぶん結果を出さないといけないと思いますけど。そんなにアメリカが前のめりになって、きついというふうではなくて。そこはしっかり日米で、安倍総理も来週、訪米しますから。しっかりそこはすり合わせをして、1枚岩でいくということだと思います」

武貞秀士 拓殖大学大学院特任教授の提言 『日朝首脳会談 そして、連絡事務所を!』
武貞特任教授
「日本国民の大多数から批判されそうですけれども、日朝首脳会談を実現すべきです。連絡事務所を平壌と東京につくるということです。これは突拍子もない提案のようですけれども、中朝首脳会談が行われた、4月27日は南北ですよね、次に米朝首脳会談。日朝が抜けているではないですか。対話のための対話、それは必要ないと思いますけれども、アメリカだって核の放棄ということと引き換えに米朝首脳会談を実現しようとしたわけではなくて、まず相手を聞いてみようではないかと。相手と会って、拉致問題はどうしたのですかと、総理が直談判すべき時期ですよ、今は」

外交ジャーナリスト 手嶋龍一氏の提言 『"日米同盟"こそ 最後の拠りどころ!!』
手嶋氏
「北朝鮮の非核化を勝ちとるためには、単に交渉・対話だけではなくて、最後の拠りどころは日米同盟ということになるのだと思います。その日米同盟の上に、中国が取り仕切っている6か国協議に乗る、かつてこの悲劇が起こったわけですけれども、こういうことはあってはならないと思います」
斉藤キャスター
「佐藤さん、2人の提言をどう聞いていましたか?」
佐藤議員
「北朝鮮とはこれまでのいろいろな外交ルートを通じて、いろいろ連絡は当然取り合うことはできますし、いろいろやっています。ただ、現時点は、南北、米朝が現在、会談をやるという段階ですので、我々から前のめりで日朝ということは、時期ではないと思います。ただ、その中で、いろいろなシグナルが出てきた時はすぐに対応できるという態勢はとる必要があると思います」
松山キャスター
「そのシグナルというのは、たとえば、拉致問題…」
佐藤議員
「そうですね。いろいろなことが出てくると思います。当然、我々は拉致問題も抱えていますし、今回、米朝首脳会談で拉致を言ってくださいということも安倍総理はトランプ大統領に言うと言っています。そういう意味で、今回は日米という部分がカギ、全てにおいてまさに日米同盟こそ今回の米朝首脳会談、あるいは今後の非核化、あるいはミサイルの廃棄において日米が一枚岩で引っ張っていくということが大事だと思います」