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2018年4月10日(火)
亀井静香×古賀誠対論 『安倍一強』の功と罪

ゲスト

亀井静香
元自由民主党政務調査会長 前衆議院議員
古賀誠
元自由民主党幹事長 元衆議院議員
中北浩爾
一橋大学大学院社会学研究科・社会学部教授

「安倍一強」の功罪「政と官」
竹内キャスター
「続発する公文書をめぐる問題などを背景に、安倍政権への不信感が広がり支持率が低下しています。安倍政権への信頼は再び回復するのでしょうか。安倍政権がもたらした功と罪を検証、自民党のあるべき姿についてじっくりと聞いていきます」
松山キャスター
「連日、公文書の改ざんの問題、あるいは防衛省の自衛隊の日報の問題とか、いろいろな案件が、昨年ひと通り議論したような話がもう1回、今年繰り返されてやっているという印象があるのですけれど、これが政治の停滞を招いている事態についてはいかがですか?」
亀井氏
「だから、私は、法務省の黒川次官に電話をして言ったのだけれども、お前さん達が怠けているから、政治家が迷惑を受けているんだぞと。違法なことがあれば、直ちに出動して、これを検挙して司法的に決着をつけると、それをやらんからでしょう。だって、そういう公文書が、おかしな形で利用されているとすれば背任の問題も出てくるし、そういう時にはちゃんと検挙すればいいんですよ。それをやらんから、素人が集まって、少年探偵団みたいなことをやって喜んでいるんだよね。メディアまでそうだ。それはよくないことだな」
松山キャスター
「こういった事態を受けて、だんだん安倍政権の支持率がジワジワと下がり始めているんですけれども」
亀井氏
「悪口言われりゃ、下がるに決まっている」
竹内キャスター
「一応、ここで直近の支持率を見ていきたいと思います。3月17日、18日に行われた朝日新聞の調査によりますと、支持率は31%、前回と比べて13ポイントマイナス、不支持率が48%、前回と比べると11ポイントプラスということで。同じ時期に毎日新聞の調査では支持率が33%、不支持率が47%、これも不支持率が大きく上まわっています。最も新しい、3月31日、4月1日に行われた共同通信の調査では支持率が少し回復しまして42.4%、不支持率が47.5%と少し回復しています。この数字、亀井さんはどのように?」
亀井氏
「総理たる者は常に国民の支持を得ているという、そういう状況でないといかんので。こういう数字が出ている以上は、褌締めてしっかりやることですよ」
松山キャスター
「支持より不支持の方が上まわっている状況というのは若干、危機感を持つべきだと?」
亀井氏
「うん。ただ、私も40年近く政治家をやったけれども、もう支持率はグーンと落ちて、7、8%になる場合もある。だから、それは深刻に受け止めながら、それでガッカリしてグンニャリしないで、バッと上げる努力をして。それに尽きるね」
古賀氏
「これまではかなり支持率が落ちたり、ただ、U字型でパッと上がってきていたと、安倍さん。何回かありましたよね、支持率が低下することは。だけれども、戻していた。今度はなかなか、魔法の杖ではないけれども、なかなか今度はそのU字型ですぐ支持率が過去のような上がり方というのはちょっと厳しいかなと。当面する現在問題になっているようなことではなくて、やらなければいけない本論があるでしょう。外交だってそうだし、いろんな政策を国会も成立させなければいけないというような問題をたくさん抱えている中で、とにかく誠実に1つずつ積み上げていくという、そういう努力しか当面はないかな」
松山キャスター
「実際、国民世論と現在、政治が行っていることの間で、だんだん乖離というか、政治への失望感が相当広がってきていると思うのですけれども、そういうのは実感されますか?」
亀井氏
「うん、実感と言うよりも、それは支持率の中に表れてきているのだから」
松山キャスター
「そうですね、明らかに表れていますね」
亀井氏
「これは重要視せにゃいけません。現在アメリカが貿易戦争をしかけてきているでしょう。また、北朝鮮の問題もある。中国も、東アジアを彼らが支配しようとしていて、東シナ海を含めて、いろいろゴンゴンやってきている。こういう時に日本がこんなことで、そこのところは、こんなことと言いたいよ。総理がひっぱたかれてさ、ダウンするような状況になって、何の国益があるの?それなりの状況があれば別だけれど、たかだかこんなことで、モリカケ学園に言うけれども、盛りそば、かけそば、ばっかり食っていたらさ、栄養失調になっちゃうんだよ。かつ丼を食わにゃいかんのだよ、日本はまださ、そういう取り組む大きなことがあるのに、それに向けての国の大勢が足の引っ張り合い、総理の足を引っ張りゃ、人気が出てみたいな状況をつくって、この日本は大丈夫なの?」
松山キャスター
「古賀さん、昔から政治の世界ではどちらかと言うと官邸主導というのをずっと目指してきた流れというのがたぶんあると思うのですけれども」
古賀氏
「そうですね」
松山キャスター
「トップダウンで政策を行っていく。そういう一環としてこういう内閣人事局も発足していると思うのですけれど。ただ、それが現在になって弊害も指摘されるようになっているという、この状況をどのように見ていますか?」
古賀氏
「役人・官僚は、地位・キャリアというのが命ですよね。それを目指していくんです。決して高給でもありませんし、働いている環境ちゅうのは、もうそれは朝早くから夜遅くまで、しっかり国のためにという志があるから、がんばっている。それの最終的な目的地は地位・キャリアの問題だと思いますね。それを内閣の人事局が現在握っているというのは、大きな弊害があるということは間違いないと思いますね」
松山キャスター
「では、代わりになるもの、どういうシステム、どういう仕組みが必要だと?」
亀井氏
「簡単だがな。大臣がちゃんと抑えられなければいかん、各省…」
松山キャスター
「各省?」
亀井氏
「うん」
松山キャスター
「各省の下の官僚を抑えると」
亀井氏
「大臣は政治家ですよ。だから、それで政治主導ということですよ、やればいい話。それを各大臣にそういう力がないから、ただ大臣になった、嬉しい、嬉しい、嬉しいと言っているようなヤツが、大臣になっているから、官僚がのさばっちゃうんだよ」
松山キャスター
「それは大臣の資質の問題ということですか?」
亀井氏
「うん、基本的には…」
松山キャスター
「ちゃんと抑えられるような人を大臣に据えるべき?」
亀井氏
「うん、だから、財務省だって、あんなのは所帯が大きいから分けちゃう。分割して、それぞれに大臣を置いて、それで掌握して…」
松山キャスター
「たとえば、防衛省・自衛隊については、当時の大臣は稲田大臣でしたけれども…」
亀井氏
「うん」
松山キャスター
「それはちゃんと抑えきれていないからああいう問題が起きたりする?」
亀井氏
「そうだろうな。結局、シビリアンコントロールができていないのよ。その結果、ああいうことが起きちゃっているんだね。これはしっかりしないと、日本における最強の実働部隊ですよ。警察の機動隊も敵わんから。最強の実働部隊をシビリアンコントロールしていけるかということは国家にとって極めて大事な問題だな」
松山キャスター
「古賀さんも大臣が各省庁を抑えるというシステムの方が真っ当だと?」
古賀氏
「内閣人事局っちゅうのは、あってもいいと思うんですよ。政治主導というのを強くしていくというのは、これは国民も皆、それはある意味では期待しているのですから。ただ、そこに大臣の資質という言い方は変ですけれども、自分の所管する省は自分のまず任命権、自分の人事が最高だという、そういう誇りも自信も持って、官邸とやらなければいけないと思うんです。ともすれば、組織の中で、ずっと最初からこの人は事務次官だ、この人は局長だという流れができている。それは、大きな弊害だと一方では思うんです。だから、それを大臣は的確に見て、適材適所ではないけれども、この人に力をひとつ与えて、もっとこの省を、国民の期待に応えるような仕事をしたいと。大臣が責任を持つ。最終的にはこの内閣の人事局とやればいいではないですか。現在、内閣の人事局が言うままに大臣がそのまま任命するから問題が起きている。大臣の資質…」

「安倍一強」の功罪 「政高党低」
竹内キャスター
「安倍政権は政策立案も官邸主導で行われていると言われていますが、一方、自民党内には事前審査という制度があるのですが。中北さん、これはどういうものなのでしょうか?」
中北教授
「事前審査というのは内閣が国会に提出する法案とか、あるいは予算案を閣議決定する前に、つまり、国会に提出する前に与党の審査を経て了承を得るというプロセスですね。これをちょっと見ていただいたら、おわかりいただけるかと思いますけれども。自民党について言えば、まずプロセスが3段階あります。政調会、政務調査会の部会から基本的に上がって、2段階目として政務調査会の審議会、政調審議会。自民党の常設的最高議決機関である総務会。この3審制でこれは審議が行われ、決定がされる。これに加えて、現在、与党、公明党もありますので、公明党も同じように事前審査のプロセスがあって、与党全体の与責、与党政策責任者会議、これを通して閣議決定を行うという、プロセスになっているんですね。この事前審査制がなぜ重要なのかと言うと、これは、かつては2つの意味があって。1つは、このようにボトムアップですね。部会から上がってくるという、こういうプロセスであると共に、もう1つは、コンセンサス形勢ですね。それぞれの機関では基本的には満場一致という形で、一任を含め、満場一致で決めていきますので、ボトムアップのコンセンサス形勢のプロセスになってきたと。逆に、だからこそちょっと族議員とか、既得権益擁護ではないかという批判も浴びるということだったわけですね」
竹内キャスター
「この事前審査というのは現在も活かされているのですか?」
中北教授
「そうですね。これはまたあとで話があると思いますけれども、小泉政権期の時に1度、事前審査制をやめるという動きがありましたけれども。結局これは失敗をして、現在でもこれは生きています。ですから、安倍政権は、官邸主導、官邸主導と言われますけれども、このプロセスをきちんと通して全ての法案などは国会に上程されるということになっています」
松山キャスター
「亀井さん、どうですか?昔、たとえば、小泉政権の頃は郵政民営化をめぐって党内で侃々諤々やっていた時代があったと思うのですけれど。現在この事前審査の仕組みを見ても、何かちょっと一時代前の自民党の仕組みという印象を受けるのですが」
亀井氏
「そうだと思うね」
松山キャスター
「ちゃんと機能していますか?現在のこの…」
亀井氏
「現在はしていないんじゃないの?」
松山キャスター
「していない?」
亀井氏
「現在は、だから、簡単に言うと党の力がなくなっているんだよ。かつては政調会が全ての権限を握っていたから。だから、各省庁がどんなことを立案したって政調会で認めないと一切これは法案になっていかなかった。それだけの現実に力があった。現在はもうそういうことではなくなっているでしょう。これが善いのか、悪いのか、批判もあるけれども、私は国民から選ばれた国会議員が役人のやっていることをキチッとチェックをして、国民の意思をその中にキチッと入れて、法案として仕上げていくという、その手続きは極めて大事だったと思うし、昔はそれが非常にうまくいっておったのではないかと」
松山キャスター
「郵政民営化が象徴的だと思うのですけれども、その時、総務会は結局、全会一致を得られなくて、多数決で最後は決めちゃったという、あの時の小泉さんの手法ぐらいから、官邸主導という流れができてきたと思うのですが」
亀井氏
「純ちゃんは滅茶苦茶やったんだよ。あれは、うーん、政治家じゃねえんだよな」
松山キャスター
「政治家ではない?」
亀井氏
「うん。どっちかと言うと、芸術家みたいなところがあってね。自分がポッと思いついたことをよ、もう何の関係も…、パパパッとやっちゃうんだよ。そういう人よ。俺もやられちゃったけれど、ハハハハ…」
松山キャスター
「古賀さんも、小泉政権時代は結構、道路公団民営化で…」
古賀氏
「抵抗勢力と言われたのですけれど」
松山キャスター
「言われていましたね。当時の小泉さんのやり方をどう見ていました?」
古賀氏
「うーん、今、亀井先生がおっしゃったことに若干似ていますよ、僕も印象は。ただ、この事前審査というのは、僕は政党政治の根幹だと思うんです。これは非常に大事にしなければいけないことだと思うんです。特に部会、これは、若い人達が最初に政策に真剣に取り組んで議論する場ですね。ところが、現在は政策の議論より役人を怒鳴りつけたりね、怒ったり、イジメたりするのが部会になっているんですよ。これは政と官のあり方、これが上下関係なんて勘違いしている国会議員がいるんですね。だから、ここの本当の関係っちゅうものを、どういう関係でなければならないかというのをもう1度しっかり見直す必要があると」
竹内キャスター
「現在、安倍総理がこちらのような組織をつくって、経済・財政政策を官邸主導で進めていると言われていますが。中北さん、これはどういった役割があるのでしょうか? 中北教授
「いわゆる党則の79条の総裁直属機関というのを設けているんですね。かなり現在あってですね。現在、22ですね、今日の時点で。こういうのが多数できる背景の1つは、結構、下世話な話で、自民党はポストがたくさんないとまわらない組織なので、本部長をたくさんつくりたいというのがあることは、これは間違いないです。ただ官邸とか、あと内閣府に置かれている政策会議と対応する形でいろいろ置かれていまして。つまり、官邸が設定するアジェンダを受けて、党の方にも組織をつくって、そこから起点で事前審査をやっていくような形になっていきますので。ですから、官邸の土俵で議論をするという、こういう傾向が強まっていると見て…」
亀井氏
「うん、これは分割統治されちゃったんだよ。わさわさって切っちゃって…」
松山キャスター
「ここにあるような、たとえば、総裁直属機関として、これは党の機関としていろいろな本部が設置されているわけですが、これは本来だったら事前審査で1個、1個積み上げてやっていくような政策も、ここで一気にボーンと政策をつくってしまって、それでもう法案化してしまうというケースも結構あると思うのですけれども」
中北教授
「いや、これを通しても、事前審査のプロセスは通っているんです。部会からずっと上がるような形はとっているので。安倍政権が非常に巧みなのは、事前審査のプロセスをうまく使って官邸主導を貫徹させているところだと思います。つまり、事前審査は、私は2つの機能があると思っていて。1つは、先ほど、言ったように、ボトムアップとか、コンセンサスの機能です。伝統的な機能です。もう1つは事前審査を通ってしまえば党議拘束がかかっちゃうんですよ。日本の場合は、国会制度上、政府・内閣が国会の法案審議に関与ができません。ですから、何らかの拘束を国会議員、所属議員にかけないと、法案の議決を確保できないです。現在、どうなのかと言うと、安倍さんは自分のアジェンダでさまざまなものをつくる、それを事前審査のプロセスを通す、それによって拘束をかける、党議拘束をかけると。ですから、ボトムアップのプロセスという意味よりは、討議拘束がかかるということをうまく使って、そちらの側面も押し出し、官邸主導を貫徹させているということが言えるのではないかと思います」
松山キャスター
「結果的には、でも、官邸とか、総理の意向を受けた法案がかなりの数、国会に提出されるという状況になっているわけですけれども。昔の自民党だともっと議員立法が出ていたとか」
亀井氏
「極端に党が弱くなっている」
松山キャスター
「それは、改善する方法は?」
亀井氏
「それは簡単に言うとさ、原因の1つは国会議員が大臣になりたいという、そればかりだからさ。ね?大臣にするのは、それ…、総理がやるのだから、たてつかない」
松山キャスター
「これは内閣人事局と一緒で人事のポストをチラつかされるとそういうことに…」
亀井氏
「いやあ、弱い、弱い」
松山キャスター
「…感じになっちゃうのですか?」
亀井氏
「うん」
竹内キャスター
「古賀さんはいかがですか?」
古賀氏
「もう1つは現在、自民党の衆議院だけ言っても過半数に近いのが、1年生、2年生、3年生議員ですよ」
松山キャスター
「多いですよね、若い議員」
古賀氏
「安倍チルドレンと言われている。だから、安倍さんに逆らうということは毛頭考えてもいない人達。ともかく言われるままに、右って言われたら右を向いておく。そういう人達が事前審査の中心にいるわけですから。だから、自然と官邸の言うまま。要するに、党の公約に反するということはとても、とても、毛頭考えていない。もちろん、勉強もしていないけれども。そういう構成ですから」
亀井氏
「先生、うまいこと言われたと思うね。結局、卵を産み落とすでしょう、総理は」
松山キャスター
「選挙で総理はたくさん卵を産み落として…」
亀井氏
「そう、孵化していないんだよ、卵のままなんだよ」
松山キャスター
「逆に卵のままの方が、都合がいいから…」
亀井氏
「そう」
松山キャスター
「…そうしているという感じもあるのではないですか?」
古賀氏
「いや、そうなるかな」
松山キャスター
「モノを言う議員が明らかに少なくなっていると思うんですよね」
亀井氏
「先生、先生と言われて、バッチつけていると、フーッと、こうなって、それで満足しているんだよ。結構、高禄もらうからね」

「安倍一強」の功罪 「自民党と派閥」
松山キャスター
「自民党の中にはいまだにこういう形で派閥は存在していまして、細田派、麻生派…、額賀派、まもなく竹下派になりますけれども、岸田派とか、こういう形で残ってはいるのですが、ただ、力としては、たとえば、人材育成の面とか、議員の教育という面でなかなか昔の派閥のようには機能していないという感じがするのですが」
亀井氏
「派閥ではない、仲良しクラブだろう」
松山キャスター
「現在のグループが?」
亀井氏
「うん。人事権がない、まず。人事権がない派閥というのは意味がないでしょう。全部これは1本釣りだからな、これは現在は」
松山キャスター
「閣僚の人事も昔はリストをつくって派閥を…」
亀井氏
「そう、それは副大臣を含めて。派閥の力ではないね、現在は。それと、金も配らないでしょう。だから、ポストと金を配らない、そんなものは意味がない。ただどこかにおらんと格好がつかんから、おった方が情報も入るだろうというので、皆、入っているだけだな」
松山キャスター
「なるほど。古賀さんは現在の自民党の内のこの派閥をどのように見ています?」
古賀氏
「僕もまったく同じことを言おうと思ったのですが、まったく仲良しクラブですよね」
松山キャスター
「かつての派閥というのは、どういう機能があったのですか?」
古賀氏
「1番わかりやすいのは縦社会でした。現在は全部、横社会になっている。だって、ウチの宏池会でも、会長と一緒に、誰が隣で箱弁当を食べているかと言ったら、1年生、2年生議員。先輩達はちょっと遅く来るでしょう。すると、空いているところを探しながら、後ろの方に座って。そんなこと絶対許されなかったから、僕らの時。本当に縦社会でしたよ。大幹部がブワッと前に並んで、当選回数ごとに若い人が後ろにいくと。だから、仲良しクラブと同時に、1つ何か役に立っていると言ったら、国会での日程、そういう情報は入るということぐらい」
亀井氏
「うん、それだけだろうね」
古賀氏
「いつ国会が始まるとか、今日の出し物は何だとか。そういう国会運営についての情報は入っていくということではないでしょうか」
中北教授
「多少、政治資金も配って、宏池会も、おられますし、人事でも多少の後押しはありますけれども。現在、派閥の枠というのが前提としてないので、それは多少の要因にはなるけれども、それが決定的かと、派閥に属さないと自民党の中でやっていけないのかと言うと、そこまでは力がない」
古賀氏
「そうなんですよ」
松山キャスター
「現在、無派閥…」
古賀氏
「70…」
松山キャスター
「自民党内で70人から80人いますよね?」
古賀氏
「そうでしょうね」
亀井氏
「昔では考えられないね、こういう状態は。無派閥でもいいということは」
松山キャスター
「どこかに属していると?」
亀井氏
「うん」
古賀氏
「特に中選挙区というのは、派閥を持たなければ選挙で戦えない。中選挙区の時ですよ」
松山キャスター
「小選挙区、中選挙区で言うと、昔から政治改革の話とかでずっと議論になって、結局、小選挙区が導入されたわけですけれど。あの時の政治改革の議論、その結果というのは日本の政治にとってプラスだったか、マイナスだったか、古賀さんはどういうふうに?中選挙区から小選挙区に変わったことでメリット・デメリット、どちらが?」
古賀氏
「僕は中選挙区の方が圧倒的にメリットがあったと思います。第1、政治家としての誇りがあったもの、中選挙区。それと常に競争というか、競争心、こういう本能がギラギラしていた。亀井先生にどうしたら勝つかという、選挙区は分かれていたからよかったけれども、別だったからいいようなものの。そういう志というものが我々の中に持たざるを得ない。権力闘争ですから。権力闘争ということに、志のない権力闘争ほど虚しいものはない。だから、政治をやっているのだという、現在、自分はここで国政に携わっているのだという、そういうものが常にあった、中選挙区の時は」

「安倍一強」の行方
竹内キャスター
「安倍政権の支持率回復のための1つのカギになると言われているのが、北朝鮮外交です。南北と米朝、首脳会談が立て続けに決定しまして、安倍政権も日朝首脳会談の可能性を模索し始めましたが。古賀さんは日本と北朝鮮の首脳会談、するべきだと思われますか?」
古賀氏
「それが可能であれば。これは非常に大きな問題だと思います。我々が予測している以上に、僕は、朝鮮半島というのは平和に向かって進んでいるのではないかなと思う。特に米朝会談が予定されていますけれども、朝鮮半島の核ですよね、北の核ではないんですよ。と言うことは、まだそこは戦争状態ですから、北と南は。それを我々はよっぽど柔軟に幅…、前広に考えておきませんと、とんでもないこと、取り残されてしまうのではないかなという、心配がします」
松山キャスター
「現在、日本だけですよね。首脳レベルでの会談というのが予定されていないのは。ロシアもそうですけれど。関係国で言うと、たとえば、金正恩委員長が中国に行って、いきなり習近平さんと会ったりとか、今度、トランプさんと会談をしたりと。周りの外交はすごいスピードで動いているのに、日本はなかなかその外交の中に、枠の中に入っていけないという状況ですよね?」
古賀氏
「それは朝鮮の非核化と、朝鮮半島の平和体制の構築、これを一体化して進めていこうとしていると思いますよ。これは韓国も、北も」
亀井氏
「本当に、古賀先生がおっしゃったように、現在、安倍総理は、腹をかけてこのアジアの問題に取り組まにゃいかんと思いますよ。朝鮮半島は、まだこれは休戦中だから、そこをキチッと手を結ばせること。それにはまず日本は北と拉致問題…」
松山キャスター
「はい、拉致問題ですね。解決の糸口になるような何か良いメドというか、情報というか、ここのところは何か出てきているのですか?」
亀井氏
「いや、これは、私、今度、北に入りますけれども。これはやろうと思えばいろいろ方法はあんの。これはなぜそうかと言うと、北も困っているからですよ」
松山キャスター
「北朝鮮に行かれるのですか?」
亀井氏
「うん、行こうと思っていますけれど。現在いろいろなアレでやっているけどね」
松山キャスター
「いつぐらい?」
亀井氏
「5月になると思うけれども。やろうと思うけれども。これは、北も困っているんだよ。拉致している連中を持っていたって、これは言葉の弊害だよ、誤解せんでくれよ、宝の持ち腐れになるでしょう、持っているだけだったら。拉致しているものを使って得をせにゃいかんわけだから、…としてはそうでしょう?」
松山キャスター
「カードとして出してくる?」
亀井氏
「うん、カードと…。だから、いくらでもその場に引きずり出すことができる。問題は、ただ、けしからん、けしからん、拉致を返せと言っているけど、ちゃんとすれば、これをやるぞと、これをやるよと、世界中に、日本は経済援助をドンドコ、ドンドコしているのだから、その1部を思い切って、ボーン、ボーン、ボーンとやりゃあ、ああ、これは中国やロシアを相手にしているよりも日本を相手にしていた方が得だなちゅうことに、金さんは日本を向いてきて、言うことを聞くようになるんですよ」
松山キャスター
「亀井さんは5月ぐらいに行かれたら、そういう…」
亀井氏
「うん、うん、うん、うん…」
松山キャスター
「たとえば、北朝鮮の高官と会って、そういう拉致問題を?」
亀井氏
「最高幹部と会いますけれど」
松山キャスター
「もう決まっている方は?」
亀井氏
「はい、決まっていますね。日程をちょっといろいろしている」
松山キャスター
「最高幹部とはどのあたり?」
亀井氏
「今、言うわけにいかない。向こうも大変な国だから、それこそ。うん、これは安倍総理とも、私、それなりに話をしながらやっています」
松山キャスター
「あぁ、そうですか」
亀井氏
「うん」
松山キャスター
「安倍政権のこれまでの支持率を見ているといろいろな局面で下がっても上がって、下がっても上がって、先ほど、古賀さんが言われたようにU字回復している。その節々で、たとえば、北朝鮮のミサイルの発射とか…」
亀井氏
「うん…」
松山キャスター
「安全保障問題の危機が言われると高くなると、こうきていたわけですけれども。その中で1番、現在、支持率が仮に急回復するとしたら、日朝の交渉が始まるとか、会談ができるのではないかということなのですけれど。それが実際に本当にできる可能性はどれぐらいの確率だと思われますか、古賀さん?」
古賀氏
「今おっしゃるように、支持率の回復は全部、外交ですよね」
 
松山キャスター
「外交ですね、はい」
古賀氏
「これは間違いないですよ。だから、今度もそういうチャンスがあるわけですね。非常にピンチではあるけれども、チャンスはある。北朝鮮との問題も。もし現在、先生がおっしゃっているような糸口ができれば、それはまたU字型でボンと上がりますよ」
松山キャスター
「総裁選、古賀さん、たとえば、どう推移していくと思われます?」
古賀氏
「おそらく安倍さんの後は安倍と言っていた、これだけ森友だとか、いろいろな問題が出てくる前、その状況よりは若干、それは陰りがあるかもわかりません。しかし、基本的には安倍さんの後は安倍というのは変わってないのではないかという、変わらないのではないかなと思いますね」
松山キャスター
「たとえば、岸田さんが立った場合、たとえば、総裁選でよくある2位・3位連合みたいな形で、2回目の投票でひっくり返るという状況がありますけれども。たとえば、石破さんと岸田さんが2人とも立ったりした場合、この2人が結びついたら、それこそ安倍さんをひっくり返しちゃうのではないかという見方もあるようですけれども」
古賀氏
「うん」
亀井氏
「この間、総理に岸田さんが立候補したら、ちょっと黄色い信号になるぞって脅したんだよ。これは2、3位連合に対して勝った例というのは、大平内閣の時、1回だけ。あとは全部2、3位連合が勝っているんだよね。現在の総理も2、3位連合で総裁になっているのだから。そういうことなのだよ。だから、岸田さんに、出ないようにと。いや、岸田さんとは私、仲がいいですからとこの間、言っていたよ、言っていたけれども。仲がいいだけではダメだっちゅうの。だから、大改造して、岸田派の中の反安倍の連中を根こそぎ入閣させたらいいぞと、この間、勧めておいたの」
松山キャスター
「古賀さんは岸田さんの後見役みたいな形ですが…」
古賀氏
「いや、…そんな」
松山キャスター
「岸田さんにはどういうアドバイスを、総裁選に向けては?」
古賀氏
「いや、もちろん、それはしっかりした軸をつくっておきなさいよ、政策を積み上げていきなさいよと。特に憲法問題だけは、安倍さんとどこがどう違うかということを国民にしっかりと理解できるような説明をできるように準備しなさい。対立軸のない選挙、志のない選挙というのは虚しいですよ、いや、権力闘争というのは虚しいです。そのためには、僕は憲法問題だと思います、岸田さんに期待するのは」
松山キャスター
「そういった軸をきっちり出して出馬するのであれば、岸田さんの出馬を後押しするという考えはありますか?」
古賀氏
「出る、出ないは本人が決めることですけれども。しかし、総裁候補である以上は、出るということを前提に物事は準備するということが必要でしょうね」
松山キャスター
「中北さんはどうですか?総裁選のこれからの状況」
中北教授
「まだ、私も古賀先生がおっしゃるように、安倍さんにまだ分があるかなと。安倍さんは第1次政権の時にねじれになっても続投しようとした、内閣改造。ですから、簡単に放り出さないのではないかと見ています。あと岸田さんの場合、亀井先生は2、3位連合と、石橋内閣の時にやりました、成功しました、石橋さんが。ただ、イメージとしては、むしろ池田内閣。岸さんが退陣して、その主流派を受け継ぐ形で池田内閣ができて、チェンジ・オブ・ペースで成功したと。私は、岸田さんの戦略はそちらの方ではないかと思っていますが。ただ、当時と違っているのが、国民の人気の問題というのが非常に重要です。この5人の中で確か岸田先生だけ唯一、著書がないですよね、著作を出していない。野田聖子さんはたくさん出している。国民への発信ということは、もう少し活発にやっていただくと、岸田さんへの信頼感とか、人気とか、そういったものが高まってくるのではないかと」

「憲法改正」の行方
松山キャスター
「安倍総理の案として出ているのですけれども、9条1項2項を維持したうえで自衛隊を明記する案、1つの案として出していましたけれども、こういう議論?」
亀井氏
「こういうものは、木で竹をつくっているんだよ。木で竹をつくっているとこういうことになるね。国家の基本法、そんな小手先を使ってのことはやるべきではないね。現在、解釈改憲でやっているんだよ、自衛隊の存在も、解釈改憲で、これは違憲ではないということでやっているんだよ。だから、それでしのぐという手もある、私が言っているように」
松山キャスター
「全面改正をするまでの間?」
亀井氏
「…までの間。言っているような状況が。現在の日本人はガリガリでさ、国家のことなんか考えちゃいねえ。自分が、金を儲けりゃいいとばっかし、楽をしたい。そんな国民がさ、それに対して国の基本だという、それをつくる資格がありますか?私も含めて」
松山キャスター
「古賀さんは現在の憲法改正論議をどう見ていますか?」
古賀氏
「僕もめずらしく、亀井先生の国民に燃えるような憲法改正に対する、声があるのかと、まったく同じですね。めずらしく合ったと思います。憲法改正を1番叫んでいるのは権力者ですよ。安倍さんですよ。憲法改正をやるのだと言って、権力者が自ら号令をかけるっちゅうのは、僕はこの憲法改正議論の最初の入口が間違っているなと。国民ですよ、国民がそれを求めているかどうかということだろうと思いますね。憲法っちゅうのは、もう釈迦に説法ですけれど、権力者の権利の行使をどう制限するかというためにあるわけですから。その権力者がまず憲法を改正すると。4項目と言っているけれども、特に憲法の根幹である9条をやろうと言うのでしょう。それはなおさらのことだと私は思いますね」
松山キャスター
「ただ、憲法改正そのものは自民党の長年の党是としてやってきたこと…」
古賀氏
「もちろん」
松山キャスター
「現在まさにその好機が来ていると。改憲勢力で3分の2という状況がつくられている中で…、この機を逃すと、なかなか憲法改正は今後できないのではないかという意見が当然多いと思うのですが」
古賀氏
「…」
亀井氏
「あなた達が背中を押すからよ」
古賀氏
「だから、この表に出ていましたけれど、自衛隊をどう書くかという。ある意味、自衛隊を明記すると、1項、2項を残して、その場合に、自衛隊が違憲だ、合憲だという、この論争に終止符を打つということだけで終わればいいですよ。この自衛隊が自衛権とか、集団的な自衛権の時にどう対応するのか。こっちを私はすごく恐れるし、必ずそうなっていくと。集団的自衛権というのは、僕はなぜあそこで、憲法の解釈変更でこんなのができるのだという思いはありますよ。あるけれど、現在はもうつくっちゃったわけで。ではあるけれど、そういうところにこの自衛隊がどう働いていくか、運用の面で。必ず犠牲者が出るだろうちゅうことは覚悟しなければいかんと思いますね。私は、こういう時に、憲法改正という、1番大事な我が国の平和…、これは拙速であると、この議論は」
松山キャスター
「安倍総理自身は、自衛隊を明記したところで実態は何も変わらないということを国会答弁で言っていましたけれども。それは必ずしもそうとは限らない?」
古賀氏
「だから、憲法は改正する、改正すると、憲法改正ありきで、自衛隊を書いても何も変わらないと、こんな矛盾はないではないですか?」
亀井氏
「うん、変わらないのに、やらなければ…」
古賀氏
「やる必要がない、ではない」
亀井氏
「ねえ」
松山キャスター
「中北さん、どうですか?憲法改正論議、自民党の方向性が出ましたが」
中北教授
「なかなか難しくなってきましたね。1つは公明党の反対論をちょっと見誤ったと思いますけれども。憲法改正は発議すると、国会の中で多数派形成すると、そのためには非常に緩めた形で案を、自衛隊明記という形で出してきましたけれども。他方で、次で国民投票があるので、何のためにするのだという、亀井先生が言うような思いというものがこもっていないと、なかなか国民にアピールしない」
亀井氏
「うん」
中北教授
「ここの間を両立させるというのは非常に困難だということだと思いますね」
亀井氏
「それは、おっしゃるように、仕方なしに、やろう、やろうと言っているんだよ。本気ではないのだよ、自民党だって」
松山キャスター
「本気ではないのですね?」
亀井氏
「うん、全然、本気ではない」
松山キャスター
「本気の人もいると思うのですけれども」
亀井氏
「中には1、2おったって、それは変わりものだろうな」

亀井静香 元自由民主党政務調査会長の提言 「誇」
亀井氏
「これは自身を含めてなのだけれども、人間としての誇り、日本人としての誇り、そういうものがだんだんとなくなっていっている。日本が戦争に負けたことで極端にそういう時代になったのだけれども。畏れ多いことだけれども、敢えて私は畏れ多いことを今申し上げる。天皇陛下ご自身が、申し上げにくいことだけれども、マッカーサー司令官によって誇りを奪われちゃった。現在の残念ながら、陛下も退位をするということを言い出されて、それを国家としても認めていくというようなことになった。世界に類を見ない、イギリスの王政とは全然違う、日本のこの皇統がまさに誇りを失おうとしているんですよ。イギリスの王室の真似をしようとしている。それが始まっているんですよ。誇りを捨てた日本になっていっているのではないですかと。残念ですね」

古賀誠 元自由民主党幹事長の提言「勇気」
古賀氏
「私は『勇気』と提言させていただいたのですけれども。現在の政治は貧困の道を歩こうとしているのではないかと。政治家が政治の貧困を阻止するためには勇気を持つことだろうと。私はいつも親父を戦争で亡くしたことを言うのですけれど、あの大東亜戦争を振り返ってみると1番残念なのは政治の貧困に大東亜戦争はあった。それは何だったのかと言うと政治家が勇気を失った。命がけの勇気を失った。軍部の暴走を阻止できなかった。僕は軍部の暴走だけがあの大東亜戦争だったとは思っていない。政治の貧困こそが大東亜戦争だと。政治家が勇気を失ったら、政治は貧困になっていく、そんな気がしてならない。現在まさにいろいろな問題を見てみると政治家1人、1人にその勇気を持っている人が何人いるだろうか。政治の貧困の怖さのわかっている政治家が何人いるだろうかと。ドンドン昭和が遠くなっていって、心配でならないから、若い人達に現在、勇気を持っていただきたい、これを期待したい、そう思っています」

中北浩爾 一橋大学大学院社会学研究科・社会学部教授の提言 「楕円の哲学」
中北教授
「これは今日のゲストの古賀先生に敬意を表してということもありますけれど。これは大平元首相の哲学であります、我が一橋大学の出身ということでありますけれども。今日のテーマ、安倍1強、自民党1強ということで、政治というのは1本足打法では非常に危ういと。2つ、きちんとした原理を持って対抗する。これは現在、野党にはちょっと期待できないというのが残念なところでありますので、自民党の中でもう1つの中心がきちんと生まれて切磋琢磨すると、これは総裁選に向かって非常に必要なことではないでしょうか。それは自民党にとっても必要なことではないでしょうか。ひいては日本政治にとっても必要だと、私は思っています」