プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2018年4月2日(月)
対北・中国戦略を問う 小野寺防衛相×森本敏

ゲスト

小野寺五典
防衛大臣
森本敏
拓殖大学総長 防衛大臣政策参与
ケビン・メア
元米国国務省日本部長

どう読む?中朝『電撃会談』の真意
竹内キャスター
「おかげさまでプライムニュースは今夜で10年目に突入します」
松山キャスター
「今日から私、松山俊行がこの番組のキャスターを務めさせていただきます。よろしくお願いします。私は報道局に入って24年ですけど、ずっと会社人生、報道一筋でやってきました。社会部、政治部、海外でもワシントンにおよそ9年勤務していたのですけれども、そこで培った取材の経験と最前線の人達から話を聞きだす、そういったことを、能力を何とか活かしながら、この番組の中でもまさにここが現場の最前線だという感覚でゲストの方から本音を聞き出して、その情報を日本だけでなく、世界に向けても発信していきたい、そういう意気込みで取り組みたいと思います。よろしくお願いします」
竹内キャスター
「きょうのテーマは、あるべき国防の姿。小野寺防衛大臣を迎え、目まぐるしく動く朝鮮半島情勢への対応や、日米の連携のあり方、今後に備えるべき新たな防衛装備の具体策など2時間じっくり話を聞いていきます。小野寺さん、このタイミングで中国と北朝鮮が首脳会談を行うという、この事態ですが、どのように受け止めていますか?」
小野寺議員
「これは、それぞれの国がそれぞれの思惑でやっていることですので、何かこちらから確定的なコメントはする内容ではないと思いますが、一般的によく言われるのが当然、中国とこういう形で協議をする。もともとは中国と北朝鮮というのは同盟関係もありますので、そこを再確認するということは今後アメリカと北朝鮮が協議をする、特に米朝の首脳会談をする時に、何らか自分達に有利な立場もとれるのではないか。私は、北朝鮮がかなり外交的にはしたたかにいろいろなことを考えながら、それぞれの国との付き合い方をやっているのかなと、そういう印象は持っています」
竹内キャスター
「森本さんは突然、行われた首脳会談ですが、予測されていましたか?」
森本氏
「いや、していませんでした。たまたま先週、私は北東アジアの6か国の会議でアメリカに入っていたのですが、席上、中国の代表団もいましたが、中国の代表団も相当驚いていました。もちろん、背景は彼らなりに説明しましたけれども、予想していたようには思えませんでした。私も予想していませんでした」
松山キャスター
「今回、このタイミングで中朝首脳会談が実現したというのは、どっちの意向が強く働いたと考えますか?中国か?北朝鮮か?」
森本氏
「どっちも理由があると思うのですが、働きかけたのは北朝鮮ではないかなとは思います。どうしてかと言うと、もう今から南北及び米朝という対話が始まるとすれば、韓国とアメリカ側に挟まれて、北朝鮮が、いわば自分で戦わないといけない。それは両方挟み撃ちで自分達の思った通りにならないので、大国中国を味方につけて少し有利な立場をとる、つまり、力のバランスをとるという理由が、北朝鮮にはあったのではないかと思います。もちろん、それだけではなくて。中国との関係で言うと、中国がアメリカと同調して、これ以上の経済制裁の道に入るというのは、この際、防いでおきたいという思惑が北朝鮮にはあったと思います。しかし、中国の方はもっと大きなことを考えていて。おそらく北朝鮮がアメリカと対話をして、アメリカの言いなりになったりするということは防ぎたい。さらに、韓国がイニシアティブをとってアメリカと北朝鮮を結びつけるという、韓国リードのイニシアティブをとり戻したい、中国としては。韓国の思った通りに事態が動くというのはやめたい。できたら中国がこの問題についてはイニシアティブをとり戻したいという思惑があって。中国側にも今回の首脳会談には大きな意味合いがあったのではないかなと思います。双方の利益がその点で一致したと、別々の理由ですけれども。しかし、タイミングは、明らかに北朝鮮側に重要なタイミングがあったということだと思います」

北朝鮮『非核化』の展望&課題
松山キャスター
「非核化についてですけれど。今回の中朝会談のあとに、中国側の発表では『非核化』というワードが結構出ていまして、北朝鮮側のメディアからほとんど『非核化』というワードは聞こえないと。中国側の発表ベースによると、こういう形で『金正恩委員長が祖父と父の遺訓に従って、朝鮮半島の非核化実現に尽力する』と述べたと言っていると。『米韓が我々の努力に善意で応えて、平和で安定した雰囲気を築き、段階的・同時的措置をとれば問題を解決できる』という表現ですね」
小野寺議員
「まったく実はこれまでと何も変わっていないのと。まず私達が絶対に同意できないのは『祖父と父の遺訓に従い朝鮮半島の非核化実現に尽力する』という、まるでお祖父さんとお父さんが大変素晴らしいことをしたということで、それに従ってやると言っていると思うのですが。私達からしたら、国際社会の中で反対の中で、核・ミサイル開発し続けたわけではないですか。ですから、このこと自体はまず私達は『?』でありますし、さらに言うと、ここで『段階的・同時的措置』と言うでしょう。私達が言っているのは、国際社会、国連決議で言っているのは、北朝鮮に『まずやめなさい』ですから。それが、お互いだという話は、逆に国連で議論している内容とはまったく違う話をしているので、これを聞いて、しかも、北朝鮮が言っている内容と言うより、むしろこの話は人を介して言っているわけです。ですから、まさしく何も言っていないのと同じことなんですよ、発言の内容を見ても。ですから、これを見て何か進展していると単純に思わない方がいいと私は思っています」
松山キャスター
「この表現でちょっと思い出したのは2005年ですか、6か国協議で合意がなされた時に『行動対行動』ということで合意しましたよね。ある意味、それも段階的措置と聞こえなくもないのですけれども、そのニュアンスと今回のこの『段階的・同時的措置』と違うものなのですか?」
小野寺議員
「私達は結局、この発言を見るだけでは私達が何度も騙された北朝鮮の約束、それと何ら変わっていないと。しかも、『朝鮮半島の非核化』ですから、北朝鮮の非核化という話ではないんですよ。私達としてはこの話をもし北朝鮮が交渉の材料として出してきたということになれば、過去何度か失敗していること、このことをどうしても思い起こしてしまう、そういう心配はあります」
松山キャスター
「メアさんに聞きたいのですけれど、『非核化』というワードをめぐって、たぶんアメリカと北朝鮮、中国が言っているニュアンスも全然違うと思うのですが?」
メア氏
「全然違います。だから、問題は北朝鮮が昔から言っている非核化、『朝鮮半島の非核化』という意味は、米軍の戦闘機…、爆撃機、戦闘機ではない爆撃機と、潜水艦とか、核が搭載されている潜水艦とか、全て朝鮮半島まで届かないように撤退しないとならないという意味です。だから、あり得ないこと。アメリカは絶対同意できないことでしょうね。だから、在日米軍基地もなくさないとならないという、前にも言ってことがあるし、それはもちろん、同意できない。段階的・同時的に措置をとればという意味も問題です。それはただの時間を稼ぐための措置です」
松山キャスター
「森本さんはどうですか?この北朝鮮側が主張しているとされる、この『段階的・同時的措置』というのは…」
森本氏
「今の2人の主張通りなんですよね。これは北朝鮮が即時、非核化をするとは一言も言っていないですから。段階的というのをやると、どうやって段階的にするかですよね。たとえば、核の施設を順繰りに壊していくとか、そういうのは必ずキチッと検証できないとダメなので、こういう言葉を使って話し合いをすると、首脳会談は何度もできませんから、具体的にどのレベルで段階的措置を担保していくかという話し合いになると対話ではなく、交渉になる、ということになると非常に複雑で長期にわたるプロセスを経ないといけない。その間に訳がわからなくなるということですよね。同時的というのは、つまり、先ほどのお話のように、こちらが行動をとれば、あちらも行動をとるという、同時にアメリカ側も措置をとれという意味ですから。その措置なるものは、今のお話のように到底受け入れかねるような措置ですよね」
松山キャスター
「ただ、韓国はここへきて、実際、非核化をやるとなると時間がかかるので、段階的にやるのはごく普通のことだと主張を始めているようですけれども?」
森本氏
「そんなことをやって、6か国協議はああいうふうにして時間がかかり、結局は騙されたわけですよね。だから、この言葉を使った時点で、相手が即時に非核化を進めるという考えがないということがはっきりしたので、非常に恐ろしい罠がここにしかけられ、この言葉の後ろにしかけられてあると考えざるを得ないですよね」

米韓演習『規模縮小』の実像
竹内キャスター
「毎年行われている米韓の合同軍事演習『フォールイーグル』が、昨日から韓国で始まっています。その演習規模を昨年と比べてみますと、実施期間はおよそ2か月から今年はおよそ1か月に短縮されました。参加人数はアメリカ軍が1万人、韓国軍が29万人、こちらは昨年とほぼ同じ水準ということです。現在のところ、今年の演習には昨年参加していた空母や爆撃機の参加予定はないと報じられています。メアさん、期間が短くなるとか、空母、爆撃機が参加しないというのはどうしてなのでしょうか?」
メア氏
「前回は例外的に大きかったんです、空母、爆撃機も参加していたから。今回は空母、本当の空母は参加していないのだけれども、ワスプがF‐35B、垂直離艦ができるような戦闘機ですから、それも参加するというから、ワスプは、本当は機能的に小さい空母であると見る方がいいと思っています。だから、時間的に縮小したことは、首脳会談が行われるからではないのですか?」
竹内キャスター
「なるほど」
松山キャスター
「まさにメアさんが話されたワスプ、強襲揚陸艦が今回参加するという話があって、F‐35Bのステルス戦闘機も、それで一緒にオペレーションの訓練をすると。これを含めて考えると、それほど実質的に縮小という性格のものではないと?」
メア氏
「そう、私はそんなに縮小されているわけないと思いますね」
森本氏
「毎年、空母や戦略爆撃機が参加しているかと言うと、必ずしもそうではないんですよね。今回は、演習の内容がどちらかと言うと水陸両用船の訓練が主たるものだったので、揚陸艦、あるいは垂直離着陸用の戦闘機が入ってきたのは、別に不思議ではないのですが。もともとこの演習は1970年代から『チームスピリット』と言って、名前が違ったのですが、この演習は在韓米軍と韓国軍の同盟協力の実態と言いますか、…を演練するということに加えて、ハワイにいる25師団という軽師団をここに動かしてきて訓練することも同時に目的だったんです。それは、ちょっと長ったらしいから短くすると、毎年、この時期ではなくて、これより1か月早くやっていたんです。今回は、要するに、いろいろな政治的理由があって延びたのですけれど。だから、2か月もやる必要がなく、1か月にしたんです。なぜ冬にやるかと言うと、朝鮮戦争の時に、北朝鮮から入ってきたソ連製の戦車というのは、水田の中に入ると泥の中でキャタピラが動かなくなるんです。だから、道路しか動けない。でも、冬だと凍っているから、どこでも動けるんです。だから、必ず北が攻めてくる時は、冬、水田が凍結している時だと、その可能性が高いということを戦術的に見て、冬1番寒い時、まさに先月はオリンピックだった、その寒い凍り切ったところで訓練をやっていたのですが、今年はそれが終わってからやったから、2か月もやらずに短くしたということなので。演習の内容と、それから、政治的な目的で、春になって、雪解けになってしまって、従って訓練自体が相当、性格の違うものになったので。2か月が1か月になり、演習の内容はほぼ変わらず、しかし、水陸両用船の部隊が主体になって、訓練が行われたということですね」
松山キャスター
「期間を短くしたということ自体についてはアメリカ側の配慮というか、対話に向けたムードづくりということも関係しているということはありますか?」
森本氏
「いや、それは多少あると思いますが。それよりも、春になって雪解けになってから2か月もやる必要はないということなので。冬の間にやるべき訓練をキチッとやればいいということなので、1か月でその目的を達しただろうと思います。そういう訓練内容にしたのだろうと思います」
小野寺議員
「在韓米軍や、あるいは太平洋軍とか、さまざまな司令官とこの間もお話をしていますが、どの司令官に聞いてもこの合同軍事演習は例年並みにやるということです。期間も、確かにオリンピック・パラリンピックがありましたから、少しズレましたが、そんなに短縮されるわけでもないというような話もあります。人員も少ないというよりは、むしろ多いですから昨年より。そういう意味では、決して何か内容が落ちたということではないと思います。同じレベルでやるのだと思います。その中で、今回は空母等の参加はないということでありますが、ワスプ、あるいはF‐35Bというのは、より、たとえば、上陸作戦、あるいは実践的な作戦に使用される装備ですから。そういう意味では、これでも十分、大きなインパクトがある、そういう訓練ができるのだと思っています。何か米韓で少しずつ言い方が違っているような印象がありまして、韓国側は何らか配慮したような雰囲気の発言をされますが、実は米側はそういう発言はしていません、例年通りということですから。そういうことを総合して今回の軍事演習の性質というのを感じればいいのではないかなと思います」
松山キャスター
「今回の軍事演習を細かく見ていくと、実働部隊の上陸訓練などを中心とした『フォールイーグル』という訓練と、そのあと指揮命令系統の確認、コンピューター上のシミュレーションが中心なわけですけれども、『キーリゾルブ』という作戦があって。そのあと、航空部隊についての訓練『マックスサンダー』というのも予定されていると言われている。それをトータルで見ると実は南北の首脳会談が27日と言われていますけれど、それよりあとぐらいまでこの訓練が続けられる可能性が十分あると思うのですけれども。それを見ると、通常の圧力、軍事的圧力も含めた圧力をかける姿勢というのは、アメリカは変わっていないと考えますか?」
小野寺議員
「これはアメリカの考え方だと思いますが、日米で共通しているのは今回、北朝鮮が対話に向かうシグナルを出しているというのは圧力がしっかりかかっていること、これはこういう演習ということだけではなくて、経済的な、あるいは国連を通じた圧力が効いているからということですから。逆に、対話を少しでも有利という言い方は変ですが、私どもが望むような方向にこの対話を向けるためには逆に圧力はしっかりかけ続けていくということは基本で。これが緩んじゃうと逆に言えば、私達が意図しない方向に対話の方向がいってしまうかもしれない。そういう意味では、私は、対話があった中でも、最終的な北朝鮮が明確な、不可逆的な形で核・ミサイルの放棄を検証可能な形でちゃんと示すまでは圧力は緩めるべきではないと思っています」
松山キャスター
「森本さん、いかがですか?この合同軍事演習を含めて、軍事的圧力というのは、暫くアメリカはきちんと維持すると考えますか?」
森本氏
「うん、これは基本的には変わらないと思いますよ。圧力と言うよりか、抑止の機能をキチッと持っているということで。必要な場合には、力を行使できるという態勢を常にとっているということなので。これは春の訓練が終われば、また、夏に訓練を、米韓合同演習は毎年行われますけれども。こういう部隊の訓練というのは政治的なもちろん、背景というのはありますけれども、兵員が常に即時の態勢をとっていて、常に戦力を発揮できるという抑止の態勢があるからこそ必要な外交交渉ができるので。つまり、力を背景にした平和という、トランプ大統領が言っている基本的なものの考え方に非常に合致するやり方をしようとしているので。あまりそこは別のものと考えない方がいいのだろうと思います」
松山キャスター
「メアさんはどうですか?アメリカの軍事的圧力、抑止力も含めて…」
メア氏
「先ほど、小野寺大臣がおっしゃったように、会談をしているから制裁措置を弱くするわけないです。逆に、私は個人的に、会話で金正恩が核・ミサイルを放棄するのは期待できませんと思っています。彼は存在、国と彼のレジームの存在のために絶対に必要だと考えていますから。間違っている考え方ですけれども。その中で会話の目的は、本当の解決ではなくて、彼が具体的に放棄する道をとるのはあまり期待できないからこそ、これから制裁措置を強くしないとなりません。なぜかと言うと、彼が核・ミサイルを放棄するために説得するということより、万一、軍事的な衝突になれば、彼の軍事行動、軍事的な能力を破壊するために、これから制裁措置をより厳しくする必要があると思います。だから、会談の中で大臣がおっしゃったように具体的な行動、放棄ということが見えないのだったら、これから釘をまく必要があります」

米トランプ政権との『共同歩調』は…
竹内キャスター
「ここからは日米の連携について話を聞きます。まず北朝鮮をめぐる各国首脳の会談予定を見ておきます。安倍総理の訪米、日米首脳会談は4月17日、18日、2日間に行われる予定です。南北首脳会談は4月27日に確定、板門店の韓国側で行われます。その後、5月に日中韓首脳会談が行われ、5月末までに米朝首脳会談という見通しですが、小野寺さん、このタイミングで行われる日米首脳会談というのは、ここの米朝首脳会談の中身をすり合わせていくという感じになるのでしょうか?」
小野寺議員
「基本的に私どものスタンスというのは、先ほど来お話をしているように、北朝鮮に対して求めるものというのは明確ですから。核・ミサイル、拉致の問題、これをしっかり解決をするということが基本でありますので。そのことのスタンスを当然、確認するというのは当然大事なことでありますし、特に総理は拉致問題、これは日本の関心事でありますので、このこともトランプ大統領にお伝えをすると。そういう中で今回は随分、十分時間をとった首脳会談となりますので非常にいいタイミングで会談をしていただけるのではないかと思います」
竹内キャスター
「はい、2日間ですものね」
松山キャスター
「フロリダでやるということですけれど、首脳会談。打ち解けた雰囲気の中でなるべく長時間、首脳同士で腹を割って話せるようにというセッティングだと思うのですけれど。前回、ゴルフもやってかなり親しくされていましたけれど。ある程度時間をかけてじっくり説得しないと。特に拉致の問題というのは日本として絶対言ってほしい部分だと思うのですけれど、かなりグイグイ、トランプさんに迫って、日本の立場は絶対伝えてくれという感じになるのですか?」
小野寺議員
「総理はご存知の通り、相当、トランプ大統領との個人的な信頼関係がありますから、かなり言いにくいこともしっかり言うということがおそらく大事なのだろうと思いますし、そういう関係だと思っています。特に、たとえば、ワシントンですと日本もそうですけれども、役所にいるといろいろな話が入ってきて、ゆっくり会談できないではないですか。ですので、逆に言うと、別荘という形でワシントンを離れると、逆にそこに集中して日米の首脳会談ができますから。そういう意味では、ワシントン以外のところでこうやって行う、時間もかなりかけて行う、かなり重要な会議ですし、それだけ日米の緊密さが対外的にも示される。当然、北朝鮮は見ていますから、どういうことを話し合うのか。日本のメッセージがしっかり伝わっていれば、北朝鮮に対しての強いメッセージにもなると思います」
竹内キャスター
「メアさん、トランプ大統領側は安倍総理との会談にどのような対応で臨むと思われますか?」
メア氏
「いや、もちろん、米政府、大統領も含めて、日本の立場をはっきり知りたい、もうわかっているけれど。これまで一致していますから、あまり距離がないのですけれど。だから、それを再確認して、これからどうするかという話になると思いますね。その首脳会談、米朝首脳会談がうまくいかなかったらどうするかとか。あとトランプ大統領に説明すべき、1つは日本も自分の防衛力、防衛能力を向上していること、これからその道も続く、とかも説明する。それでうまくいくと思いますよ。重要ですよね、これは。なぜかと言うと、戦術的に言えば、具体的に言えば、アメリカが万一、朝鮮半島で戦う必要があれば、日本にある米軍基地も非常に不可欠な役割を果たします。でも、基地だけではなく、民間の港とか、空港とか、いろいろ協力する必要があるから、アメリカと日本の立場・考え方が一致していないのだったら、すごく困っています、アメリカにとっても具体的に、軍事的に、戦術的と戦略的で言えば。だから、うまくいくと思います」
森本氏
「この日程ですね、これがずっと5月の末まであるかどうかというのには、1つだけちょっと私は、そうかな?事態が…」
松山キャスター
「どのへんがずれてきそうですか?」
森本氏
「いや、ずれてくるのではなく、中国がどこかに入り込んでくるのではないかと」
松山キャスター
「あぁ…」
森本氏
「たとえば、どういう意味かと言うと、米朝、米朝より、南北朝鮮プラス米中のような会談にした方がいいのではないのかみたいに中国が韓国にイニシアティブをとってくるようなシナリオがどこかで起きないのかということを考えた場合、つまり、南北首脳会談の後か前かはわかりませんが、トランプ大統領に非常に大きな影響を与えるのは実はホワイトハウスの補佐官ではなく、結果としてマティス国防長官、それから、ポンペオCIA長官、この2人がどういう役割を果たすかということなので。そういう意味では、私は個人的に、ですけれども、小野寺大臣にどこかの段階でマティス国防長官と話を緊密にやっていただく機会があればいいなと、私は内々思っているわけです」
松山キャスター
「小野寺さんは、アメリカに行かれて、マティスさんと会談される?」
小野寺議員
「まだ短い時間ですけれども、マティスさんとは会ったり、電話をしたり、かなり頻繁に意見交換をしています。最近も実は、マティスさんの配下でありますが、アメリカの統合参謀議長、ダンフォードさんという人と防衛省の河野統合幕僚長との会談、あるいは局長級の会談を国防省とはしょっちゅうやっております。マティスさんとも直接会って話すことが大事だと思いますので、これはタイミングを見て議論をしていきたいと思っていますが。いずれにしても首脳間がまずありますので、首脳の合意を受け、私どもはしっかりした、防衛当局は詰めていきたいと思っています」
松山キャスター
「実際にマティスさんと今月下旬ぐらいに会う見通しになっているのですよね?」
小野寺議員
「まだ日程が固まっているわけではありませんし、まだ何かが決まっているわけではありませんが。いずれにしても直接会ってお話をするということは大事だなとは思っています」
松山キャスター
「実際に会って話をする際には、仮にアメリカが軍事攻撃、何らかの軍事オプションをとるとなった場合の具体的なオペレーションというか、どういう形で共同していくかということももちろん、話し合われるということですか?」
小野寺議員
「たとえば、北朝鮮に対応する場合には、当然、米軍もしっかりした対応をされると思いますが、日本も、たとえば、日本の安全保障のことを考えた場合には、日米共同でいろいろなことを考える必要があると思います。ここは相当綿密に歩調を合わせていくということが大事だと思いますので。それは、こういう北朝鮮情勢が緊迫するだけではなくて、常日頃から私どもはやっていますし、そのために、たとえば、日米の防衛協力のガイドライン、これをしっかりと見直していくということ。これは森本元大臣の時に、これをちゃんとやるべきだというお話があって、それを受け継いで、私ども現在、着々とやっておりますので。こういうことで、日頃からの備えというのが大事だと思います」
松山キャスター
「マティスさんについては、私もワシントンにいたので、ワシントンでの噂話みたいなのが昨年ぐらいからずっと出ているのですけれども。かなり前から、たとえば、ケリー首席補佐官ですとか、あるいはこの間、更迭されたマクマスターさんとか、そういったアメリカの軍出身の幹部が、トランプさんの方針と若干毛色が違う現実路線をいこうとしていて。トランプ大統領を止めるために、抗議の意味で辞める時は集団で辞任するのではないかという説が結構出まわっていたのですけれども。実際に、ポロポロと、ティラーソンさんが外れ、マクマスターさんが外れという形で、だんだんそれが現実味を帯びている感じがするのですが。マティス国防長官については現在のまま、現実路線で、そのまま残れると考えますか?」
小野寺議員
「マティス長官が常々言うのは、私どもの共通認識なのですが、防衛当局がしっかり協力をして備えをするということは外交の後押しになるのだと。外交で強い意見、強い対応をとるためには後ろ盾となる防衛がしっかりしなければいけないのだ。ですから、日米はしっかりやろうというのがマティスさんと私の共通認識であります。ちょっとだけ補足をすると、たとえば、現在大統領の補佐官、日本で言えば何でしょう、もしかしたらかなり重要な官房長官みたいな役割かもしれません、首席補佐官、ケリーさんといいますが。ケリーさんは、マティスさんが軍の師団長でしょうか、…の時の副師団長で、一緒の時にまったくの右腕の部下だった方です。それから、現在のダンフォードさんという、軍を束ねているトップはマティスさんが軍の師団長の時の直属の部隊長ですから。その意味では、一緒に軍の中で同じ釜の飯を食って対応してきた仲間という、そういう信頼感はあると聞いております。いずれにしても本当はティラーソンさんとも非常に関係は良かったですし、マクマスターさんも陸軍出身ですから、そういう意味では、チームでこれまであったので。今回、アメリカの人事ですから、私どもは、新しいしっかりした方が入ると思いますので、そこは是非、安定した形で政権の中でトランプさんを支えていただければ思います」

新たな『日本防衛の構想』は
竹内キャスター
「今年中にとりまとめられる新たな防衛大綱と、中期防衛力整備計画の策定に向けて、3月20日、自民党の安全保障調査会は提言案を示しています。新たな防衛構想としまして『多次元横断(クロスドメイン)防衛構想』という名称を掲げ、3つの強化策などを挙げています。まず1つ目、具体的な取り組みとしましては、対処能力の強化として、地上配備型のミサイル防衛システム『イージスアショア』の早期導入や敵基地反撃能力の保有を検討。継戦能力の強化として多用途防衛型空母の導入や後方支援能力の強化。監視体制の強化としましては、警戒監視装備の質と量を確保し、宇宙・サイバー分野での能力強化も提唱されました。森本さん、この『クロスドメイン防衛構想』というのはどういう狙いのある構想なのでしょうか?」
森本氏
「これは自民党でまだ作業中なので、まだ案でしかないです。最終的な結論には至っていない、中間段階の考え方ですが。1つは、党ですから、政府ではないので、かなり意欲的と言いますか、将来のことを考えて、先取りしたいというものが入っているので。政府と同じでは意味がないので。党としての提言は、私の言葉で言うと少し欲張ったものが入っているということなのですが、分類の仕方もこういう分類の仕方でよいのかどうかピタッとこないのですが。一言でいうと『クロスドメイン』というのは、ドメインというのは領域ということなのですが、陸海空と、それから、サイバースペース、アウタースペース・宇宙空間、こういうものが横断的にいろいろなリスク、脅威になった時に統合的な能力で対応できるような防衛力にしたい。日本語で言うと少し無理があるけれど、『多次元の横断的な』というのを英語にしたら、『クロスドメイン』ということになるんです。たとえば、ミサイルだったら、ミサイル防衛そのものが、ミサイル、飛んでくるミサイルに対するものだったり、あるいは航空機から発射されるミサイルだったり、いろいろなものに対応できるようなシステム。それも、その飛んでくるミサイルや航空機がサイバー攻撃も行う、電子戦も行うといったものにも対応できるような。そういう、まさにクロスドメインというのはマルチ・ダイメンジョンと言いますか、多次元な防衛力を機能として持っている、そういう防衛力にしたいというのが、少し欲張った、かなり意欲的な構想として、こういうものを党として出そうではないかという案が現在、議論されているということですね」
松山キャスター
「陸海空、宇宙とサイバー空間で…」
森本氏
「そうですね」
松山キャスター
「情報共有というか、そういうことをもっと濃密にはかっていく?」
森本氏
「そうです。それがそれぞれ別々ではなく、あらゆる脅威に対して同時に1つのシステムが対応できるような、そういう機能を持って、それが統合運用されているという。統合運用の機能を持っているクロスドメインの防衛構想と」
松山キャスター
「まさに対北朝鮮だと、小野寺大臣に聞きたいですが、こういった構想が実現するとミサイル防衛でもかなり効率的に複数のミサイルに同時に対処できたりするという感じがするのですけれども、そのあたりはどうですか?」
小野寺議員
「戦い方が変わっていまして。昔は、たとえば、爆撃機が爆弾を落として、そのあと今度、上陸用の船とか、戦車が来て、ドンドン砂浜からあがってきて相手の領土を占領する、そんなイメージが皆さんあると思うのですが。現在、そんな戦い方は、まずそれをする前に、たとえば、サイバーで攻撃をして、こちらの防衛線を無力化するとか、あるいはこちらのレーダーを向こうの別な電子線で目潰しして、レーダーを機能させないようにするとか、あるいは北朝鮮の弾頭ミサイルで、来た時に初めに察知、察知するのは人工衛星なのですが、その人工衛星を無力化すれば、ミサイル発射がわからなくなって、攻撃を受けるとか、以前と違って非常に複雑な戦い方を強いられるわけです。そうやって、いろいろな複雑な戦い方がくるとすれば、それに対して防御をするとすれば、この全ての領域にちゃんとまたがって、電子線でレーダーが無力化されないように、それに対応するにはどうしたらいいか。サイバー攻撃でこちらの機械が全部フリーズしたら困りますよね、それをどう止めるか。あるいは弾道ミサイル防衛のための人工衛星が大変重要ですから、それをどう守っていくか。これが全部できて初めて防衛は成り立つので。攻撃のされ方が変わってきたので、それに対しての備えもいろいろな領域にまたがった備えをしなければいけないでしょう、それはたぶん共通の認識で、私どもも大綱の中で考えていかなければいけない大事なポイントだと思っています」
松山キャスター
「あと1つ、自民党の提言の中で、イージスアショアの早期導入というのも入っていましたけれども。これは政府ももちろん、その姿勢で早期導入すべく動いていると思うのですが、ただ、ここ数か月の外交の動き、何となく南北対話が行われ、米朝も行われるという状況の中で、なかなかこのイージスアショアを直ちに配備してというムードから若干ちょっと遠ざかっているような気がするのですけれど。これは予定通り、なるべく早く導入するという方針には変わりはないわけですか?」
小野寺議員
「これは変わらないと思いますし、それから、大切なのは当然、私どもはどういう脅威があるから、それに対応するということで考えていきますので、当然、その脅威に対応して装備を持ちますから、弾道ミサイル攻撃をすぐ不可逆的に全部やめましたとなった時、その脅威にどう対応するのかというのは考えていくべきだと思うのですが。ただ、是非知っていただきたいのは、防衛装備を準備するのには何年もかかります。ですから、政策は実は一瞬で変わるわけです。一瞬で変わる政策とか、外交の中で、現在こういう状況だから防衛装備をちょっと抑えておこうか。急にテンションが上がってきたら、防衛装備をすぐにしなければいけないのか。実は防衛装備をするのには何年もかかるわけです。と言うことは、一瞬、一瞬の判断でやって、あとで後悔しないように、私達としては冷静に脅威見積もりをして、キチッとした防衛体制をつくるということなので。本当に防衛力整備というのは時間がかかるんです。備えておかないと大変。という意味で、私は現在、急激に北朝鮮の脅威が下がっているとは思えません。現在の段階ではまだ、私達は同じように脅威があると思って備えていく必要がある段階だと思っています」
松山キャスター
「まさに北朝鮮の脅威で言うと、小野寺さんが党にいた時からずっと主張していた、いわゆる策源地攻撃能力、敵基地攻撃能力ですけれど。これは整備の必要性があるという意見が多いと思うのですけれど、政府としてはどの程度、これに関与していくと?」
小野寺議員
「まず私が大臣の前の、議員として自民党の中で提言をまとめた時の考え方というのは、弾道ミサイルというのは日本を攻撃して撃ってきます。撃ってくるミサイルを現在はイージス艦のミサイルで高いところで撃ち落とす。これがダメだったら最終的なところで陸上に配備した航空自衛隊のPAC‐3で撃ち落とす。ただ、高いところと最後に落ちてくるすごいスピードのところで撃ち落とすので、撃ち落としにくい。1番確実なのは撃つ、飛び立つ前に、あるいは飛んで、ボボボボボとゆっくりと上がってくるブースト・フェーズ、ここで撃ち落とすのが1番確実なわけです。ところが、これは、相手の領土にあるし、これは相手の領空にあるわけです。これを持てば、1番確実に日本を攻撃するミサイルを食い止められるのではないかということで、この敵基地反撃能力を持つという提言を出しました。あくまでも弾道ミサイルをしっかり食い止めるということが基本的考え方だったのですが。ただ、現在、安倍政権は、安倍総理は政権内として、この役割というのは基本的に日米で担当するのだと。相手のところを攻撃する能力はアメリカが基本的には担う。日本は飛んできたものを撃ち落とすという、そういう対応をとるのだと。この基本的なスタンスは変わらないということなので。私どもとしては安倍政権の中で、現在ある総理の指示の中で対応しているということです」

ケビン・メア 元米国国務省日本部長の提言 『冷静・現実』
メア氏
「私の提言は冷静に現実を見る必要があるという意味です。たとえば、首脳会談がいいことですけれども、あってよいけれども、それで平和的な解決に必ずなるわけではないです。それを念頭に置く必要がある。それで軍事的な圧力と経済制裁措置もこれから継続する必要があるから、首脳会談がどうなるかわからないから、これから切迫することが残念ながらあると考えています」

森本敏 防衛大臣政策参与の提言 『いかなる事態にも即時対応できる態勢を確保』
森本氏
「私は先週の会議でアメリカ側から散々言われましたが、『北朝鮮の核というのは体制の生存に不可欠だ』と。体制が生き残るためにはなくてはならない。アメリカの説明は、非核化はサレンダー、つまり、降伏を意味すると。と言うことは、結局、手放すはずはない。だから、いかなる脅威もずっと我々は抱えないといけない。抱えないといけないということは、いかなる事態があっても、これに対応できる能力をキチッと持っていないといけない。交渉に夢を託しても、我々は現実の安全保障政策をできないと。という考え方に立つと、こういう結論になるのだろうと思います」

小野寺五典 防衛大臣の提言 『冷静な分析』
小野寺議員
「奇しくもメアさんと同じような印象なのですが。冷静な分析が必要だと思います。北朝鮮の意図が何なのか。今回の微笑み外交でいったい何を彼らは狙っているのか。最終的に私達が北朝鮮に要求することは決まっていますので、そういう意味で、さまざまなことに一喜一憂せず、冷静な分析をして、私達が目的とする最終ゴール、核・ミサイル、拉致問題、この解決にしっかりした態勢をとるための冷静な分析が必要だと思っています」