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2018年3月29日(木)
急加速!北朝鮮外交戦 各国思惑と『非核化』

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣
宮家邦彦
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
木宮正史
東京大学大学院総合文化研究科教授

中朝『電撃会談』の余波と裏 『非核化』の意味と現実味
松村キャスター
「今週月曜日、北朝鮮の金正恩委員長が中国を電撃訪問し、習近平国家主席と会談、ここ数年距離を置いていた中国と北朝鮮が急接近しています。そのような中、今日、中国の楊潔篪政治局員が韓国を訪問しました。また板門店で行われていた南北閣僚級会談では、4月27日の首脳会談開催が取り決められるなど朝鮮半島情勢をめぐり各国の外交が激しく動いています。北朝鮮をめぐる最新情勢を検証し、今後の行方を考えていきます。さて、今回の中国と北朝鮮の首脳会談の内容なのですが、中国外務省の発表によりますと、金正恩委員長は『金日成主席と金正日総書記の遺訓に従って、朝鮮半島の非核化の実現のために尽力する。アメリカと韓国が善意で応え、平和と安定の雰囲気をつくり出せば、段階的に非核化は実現できる』と述べ、一方、習近平国家主席は『中朝の伝統的友誼を絶えず伝承していくべきだ。中国は引き続き建設的な役割を発揮し半島情勢が緊張緩和に向かうよう各国と共に努力したい』と発言したとしているんです。木宮さん、会談の中で、北朝鮮の金正恩委員長は朝鮮半島の非核化について触れているのですけれども、北朝鮮の目指す非核化とはどういったことでしょうか?」
木宮教授
「ただ、これは北朝鮮の発表、朝鮮中央通信の発表ではこの非核化という言葉は使われていないですね」
反町キャスター
「では、言っていないかもしれない?」
木宮教授
「うん」
松村キャスター
「中国が現在は発表しているという…」
木宮教授
「うん、なので、本当に、たぶん言ったと思いますけれども、ただ、北朝鮮にはおそらく国内的に見れば、まだまだ非核化という言葉はかなりタブーみたいなところがまだ依然としてあると思うんです。そのうえで1つ特徴的なのは『段階的な』という言葉がついていて。これはよく言われるように、今回の南北や米朝の首脳会談で一気に非核化に向けて進むということは、まずこれはあり得ない。これは北朝鮮もそう考えているし、中国も、中国というのはもともとそういう考えだったわけですけれども、段階的に進んでいくしかないと。段階的というのは、おそらくまずは凍結だと。そのうえで話し合いを通してだんだんと非核化の方向にもっていくということは、この金正恩が言った段階的な非核化と。しかも、この非核化というのは、これは南北の合意文でもありますように、条件付なわけですね。つまり、軍事的脅威の解消と、それから、体制の安全保障。これがクリアされない限りは非核化というところは完全には実現しないと言っていて。いったいこの2つを本当に実現、北朝鮮の満足いくように実現できるかというのは、なかなかハードルが高いわけですね。そうすると、北朝鮮としては、非核化ということは韓国にも中国にも言ったけれども、ただ、それについて、そのためのハードルはそれほど低くなくて、かなり高いものだということをいろいろ韓国にも言っているし、中国にも言っているし、それから、アメリカとの関係でもそれを、シグナルを送ろうとしているというところではないかと思います」
反町キャスター
「いかがですか、宮家さん?」
宮家氏
「木宮先生、非核化、非核化とおっしゃるけれども、その前に『朝鮮半島の』という言葉がつくのか、つかないのか、『北朝鮮の』非核化かどうかでまるで違うわけですよ」
反町キャスター
「はい、違いますね」
宮家氏
「せっかく非核化と言っているのだから、少しは評価をしてあげたいとは思うのだけれど。もし意地悪く言えば、北朝鮮にとって非核化はずっと前から言っているわけで、その発想の根本にあるのは、休戦協定がありました、そのあとアメリカは1958年に核兵器を持ってきました。核化をしたのはアメリカでございますと。そのうえでアメリカは地上の戦術核は出すのですけれども、それでも核の傘があるではないかと。北朝鮮から見ればね、韓国に米軍が駐留し、しかも、そこに安保条約があってね、核の傘がかかっている、このような状態で、なぜ北朝鮮だけが非核化しなければいけいのか、という考え方が根本にあって、それで北朝鮮ではなく、朝鮮半島の非核化という言葉を使っているのではないのですか?」
木宮教授
「うん。だからこそ北朝鮮の非核化には、要するに、私も非核化の中身が劇的に変わったともちろん、思いません。しかしながら、だからこそ軍事的脅威の解消と体制の安全保障という2つの条件をかなり明確にすることによっておそらく北朝鮮なりの朝鮮半島の非核化の内容だと思うんです。我々が望むような、北朝鮮自身が持っている核保有を、核を廃棄するということと、それから、それを条件…、それを実現するためにはこれだけ高いハードルが必要なのだということを示している、そういうことではないかと私は思います」
佐藤議員
「ここで言っているのは『遺訓に基づき朝鮮半島の非核化』と、言っているんですね。…というふうに北朝鮮が言ったと中国が発表していますけれども。遺訓に基づき北朝鮮の非核化と言うと、たぶん木宮先生が専門でしょうけれども、2016年に5項目出ていますけれども、要は、朝鮮半島の非核化と、遺訓に基づき、になると、そこはまさに北朝鮮だけではなくて、韓国側の当然、米軍の最終的には撤退までいっちゃうんですね」
木宮教授
「うん。ただ、北朝鮮は2000年の南北首脳会談の時には、ある種のバッファとして在韓米軍の存在ということは別に否定しない、少なくともこれは金大中大統領の言葉ですけれども。私も、北朝鮮が在韓米軍の撤退を、それを何かあらゆる交渉の前提条件にするということは、現在はちょっと難しいのではないかと思うんです」
佐藤議員
「5つの項目の中に、あるいは核兵器を搭載するような戦略爆撃機とか、こういうものの導入もこれはダメだと、いろいろありますよね」
木宮教授
「うん」
佐藤議員
「これから非核化の中身を詰めないとわからないし…」
木宮教授
「うん、そうですね」
佐藤議員
「単に、だから、北朝鮮の非核化という1つをとっても、具体的には核を製造する施設、核物質、それから、核兵器というものまでスコープに入れて、それぞれごとに、どの施設をやるのだとか、その申告から始まって、それを検証して、核製造施設であれば、それは運用を停止しないといけないし、あるいは核兵器であれば無力化するとか。リビア方式だと、どこかへ持っていかなければいけませんから。だから、結構大変です」
反町キャスター
「それから、あと検証も受け入れなければいけない」
宮家氏
「そう、NPT(核拡散防止条約)に入ってもらわなければ」
反町キャスター
「そうですね」
佐藤議員
「ミサイルであれば、ミサイルの本体と製造施設と、発射台とか、結構、大変なんですよね。口で言うほど簡単ではない」
反町キャスター
「そうすると、そういう、たとえば、製造とか、施設とか、核物質とか、実験とか、開発とか、その先にある廃棄みたいなものも、段階をいっぱい北朝鮮が敢えてつくったうえで、ここで言っている、北朝鮮が言ったと中国が報道している、段階的な非核化というのが、もしそういう細かいものだとすれば、1つ進みました。これに対し、ここにかかった費用を国際社会が、我々がお金をかけてつくったものだから、その分補償してくださいというのが、これまでの北朝鮮のロジックですよ」
佐藤議員
「前回のやつはそれで時間稼ぎをされて、お金だけ払って向こうの核開発能力を高めてしまったと」
反町キャスター
「そうです」
佐藤議員
「まさに段階ごとにそれなりの、ウチはお土産を与えてしまった」
反町キャスター
「そこですよ、今回どうなるのですか?」
佐藤議員
「だから、今回は完全かつ検証可能で不可逆的ですから。最後まで全部、入口から最後まで、しかも、期限みたいなものがないとたぶんなかなか簡単に、アメリカとか、我々のイメージの…。完全で検証可能で不可逆的と言うのであれば、1個1個ではなくて、最後までの出口までがないと、これはなかなか我々の言っていることと違ってくると思う」
宮家氏
「だから、昔と現在がどう違うかと言うと、昔はまだ、結局、ICBM(大陸間弾道弾ミサイル)もできていなかったし、非常にプリミティブな部分だったでしょう。今やICBMの技術はある程度できてきて弾頭も小さくなりつつあるわけで、まだ完璧に完成しているとは思わないけれども、もう時間はそんなにないんですよね。この段階的に、あそこの言う通り本当にやっていけば、何年もかかりますよね」
反町キャスター
「かかる」
佐藤議員
「10年以上かかりますよ」
宮家氏
「だから、その間に間違いなくICBMはできます、現在の状況では。それが10年前と、十何年前とまったく違うところだと思います」
反町キャスター
「では、宮家さん、トランプ大統領の米朝会談に対する前のめり姿勢を見た時に、ここで言っているみたいな、北朝鮮さんよ、非核化と言ってもどこまでやるんだと?全部やらない限り、僕らは何ら制裁も解除しないし、経済支援もしないし、投資もしないよというような、そこで会話が止まって終わっちゃうのではないのですか?」
宮家氏
「うーん、そうでしょうね。だって、トランプさんがあれを言った時にどこまで考えていたかね?」
反町キャスター
「いや、それは、だって、僕に言われても…」
宮家氏
「だってあの時、ちょうどインディアナポリスからサンフランシスコに向かっていたんですね。サンフランシスコに着いたら、東京からじゃんじゃん電話がかかってきて、こんなこと言ってくるの。どこでやるのだ?と言われ、私は何を言っているのだと。あの時の週、3月4日の木曜日の週ですよ。あの週は、月曜日にロシアゲートの大騒ぎがまた始まって、次に火曜日にポルノ女優の口止め料の話が出てきて、水曜日にロジャー・コーンが辞任して、木曜日に鉄鋼と、それから、アルミで、関税で同盟国が大騒ぎしたでしょう。その苦し紛れの時なんですよ。ですから、どこまで彼らが真剣に熟慮を重ね、もしくは準備を進めてきたうえで、発した言葉なのかまったくわからない。普通だったら熟慮したうえで、交渉がある程度進んだところで、首脳会談があるというのが普通ですよね。首脳会談から始まって、それでこれから交渉しましょう、そんなことはないですよ」

閣僚級会談で見えたミゾは?
松村キャスター
「さて、中国と北朝鮮が接近する中、韓国と北朝鮮は南北首脳会談に先立ち、板門店の北朝鮮側の施設で閣僚級会談を行いました。その合意内容がこちらです。南北共同報道部の発表によりますと4月27日に首脳会談を板門店の韓国側施設『平和の家』で開催すること、この首脳会談に向けて4月4日に儀典・警護・報道の実務協議を板門店の韓国側施設『平和の家』で開催、その他の実務的な問題は文書交換方式で引き続き協議する、このようなことで合意しました。また、会談終了後に行われた韓国の趙明均統一相の説明によると『必要であれば4月中に首脳会談の議題について閣僚級会談を通じて引き続き協議していく』としています。木宮さん、今回の閣僚級会談の結果をどう見ていますか?」
木宮教授
「行う日時が決まったということは1つの進展だと思います。ただ、まだ議題について詰める必要があるということはおそらく、たとえば、非核化について南北でどういうすり合わせが行うことができるかということが、依然としてお互いに納得していないと。北朝鮮は、基本的には南北で、非核化の、と言うか、核の問題を話し合うということはこれまで拒否してきたわけですよね。それに対して韓国は核の問題を南北の議題にするから、南北首脳会談をやるのだと、やれるのだということを国内には言ってきたわけです。そうするとまったく非核化の問題とか、核の問題を扱わずに、南北首脳会談をもしやったとすると、私は韓国の中でも文在寅外交に対する評価というのは若干ちょっと、あれ?となると思うんですね。その問題が1つ、まだまだ煮詰まっていない、合意できていないというところにあるかなと思います」
反町キャスター
「そうすると、今日の統一省の説明にある、必要であれば閣僚級協議を首脳会談の前にやるというのは、やるか、やらないかはわからない。やると確定したものでもないですよね?」
木宮教授
「うん、ただ、おそらくやると思いますけれども、ええ」
 
反町キャスター
「要するに、普通は首脳会談と言えば、事前に事務レベルから、閣僚級から、全部積み上げて、最後は本当に決まらない部分だけエイヤで決めるのか、決まったうえでサインだけするのか、そういうものかと思うのだけれど、米朝もそうなのだけれど、今回の南北はそのあたりをちゃんと事前に積み上げて、失敗のないような首脳会談になるのか?それとも言われた非核化というワーディングをめぐって、そこでカチンと突っかかって、ちょっと話し合おうかと、1回もの分かれになるようなそういうリスクもあるのか?どう見ていますか?」
木宮教授
「これは北も南もそういうリスクは犯したくないということなので。私は、非核化というか、核の問題について何らかのワーディングはあると思います。ただ、それをどう、これは結構、北にとっても、南にとっても結構、国内とか、国際社会に向けてある程度、自分に有利なように説明するような玉虫色のものになるのではないかなと。お互いに一方的に何か譲歩するということはなかなか難しいのではないかと思いますね」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、今回の中朝もそうだったのですけれど、共同会見・共同発表なし、それぞれの首脳が記者会見もしない。別々にそれぞれのメディア、国営メディアが内容をこう言って、しかも、言っていることと言っていないことがあったりして、バラバラですよと、こんな形になる可能性があるのですか?」
木宮教授
「うーん、まあ…」
反町キャスター
「このタイミングで、この場所で、両首脳が会うと言ったら普通、共同会見を期待しますよね、我々は?」
木宮教授
「今回の閣僚級会談はそれでも共同報道文というのは発表されたので。ただ、これまでは本当に特使が派遣した時も、私もあれ?と思ったのですけれど、お互いに共同発表文ではなくて、北朝鮮はこう言っていたということを韓国の特使が発表すると、そういう形ですね。ただ、今回は閣僚級会談では共同報道文という形が出てきたので。私は、南北首脳会談は過去の2回ももちろん、これは共同宣言が出ているわけなので、私は出るとは思います。ただ、その内容についてはかなり玉虫色になる可能性が高いと思います」
反町キャスター
「佐藤さんはどう見ていますか?」
佐藤議員
「今回の合意内容の中で、実務者レベルのを4月4日にやるとか、実は私も、外務省で見て、この首脳会談は結構大変なんですよね、1か月後でしょう?」
反町キャスター
「そうですね」
佐藤議員
「1か月後で現在からロジを詰めていくと、トランプ大統領が日本に来た時は、先遣隊で600人ぐらい来ていますから」
反町キャスター
「ほお」
佐藤議員
「だから、これから、非常に1か月後に向けて、実務レベルはドンドンたぶん良い形でいっているのではないかと今回見ました。ただ、中身の議題について今回まだ合意に至っていないということについては現在、木宮さんが言われたように非核化の問題とか、今回、言われたように朝鮮半島の平和定着とか、南北間の関係発展とか、そういう議題についてまだ詰める部分はあるのでしょうし、非核化が詰まらなければ特に南北関係の発展の部分も詰まらない部分もあるかもしれません」
反町キャスター
「そっちが先ですよね、普通?」
佐藤議員
「ただ、でも、今回の発表では3つありましたよね?」
反町キャスター
「はい」
佐藤議員
「朝鮮半島の非核化と朝鮮半島の平和定着、あと南北間の関係発展と、その3つの分野。言ったように、その3つの分野の中身がどこまで詰まるかというのは、まさにこれから閣僚級で詰める部分はまだたぶんあるのだろうと。先ほど言ったように、非核化が十分詰まっていないのに南北関係の発展だけが…」
反町キャスター
「それ…」
佐藤議員
「…先にいってしまったら、国際社会からも、国内からも、えっ?という話がたぶん出ますよ。だから、そういう面でまだ今後も詰めていく部分がたぶんあるのだろうなと思います」
反町キャスター
「そのリスクはさすがにそういうことにはならないという意味で言っているのですか?」
佐藤議員
「非核化が1番…」
反町キャスター
「そこなんですよ」
佐藤議員
「…ポイントですね。しかも、北朝鮮から見て非核化の1番の相手はアメリカですから。韓国だけでは、主はアメリカなので。南北でどこまでその部分を詰められるかと言うと詰められない部分もあるかもしれません。という時に南北関係の発展と言われても、そこはまだすぐ乗れない部分もあるかもしれないし、韓国にとっても。ただ、北朝鮮はほしいでしょうし、これからまさに詰める部分はまだまだあると思います」
反町キャスター
「たとえば、南北首脳会談の結果の共同発表文とかで南北の関係改善に向けてはこういうことも話し合われたが、その結果は米朝首脳会談と連動するものである、みたいな、トランプさんにひっ被せるみたいなやり方というのはあり得るのですか?」
佐藤議員
「いや、わかりません。ただ、文在寅大統領は、南北首脳会談と米朝首脳会談は同時並行的に行われるべきものだと発言されていますから。そういう面で可能性はゼロではないかもしれないですね」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「ただ、でも、2国間の会談の成果を第3国に預けるというのは普通やりませんから」
反町キャスター
「そう、やりませんよね?」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「宮家さん、どう…?」
宮家氏
「あり得ないですよね」
反町キャスター
「あり得ない?」
宮家氏
「うん」
反町キャスター
「南北は南北でキチッと他国から批判されないような結論を出し得るという意味?」
宮家氏
「出せないでしょうね」
反町キャスター
「えっ、どっちなのですか?」
宮家氏
「だって、非核化の解釈自体が、これだけ大きく離れているわけでしょう。その中でもし何かをやろうとして、ここで話が進んでいくと、うーん、確かに600人も先遣隊が来るかどうかはわかんないけれども、アメリカはムチャクチャ異常ですから、しかし、その日にち、27日ですか、…が近づけば近づくほど韓国はキャンセルできない」
木宮教授
「うん、ですよね」
宮家氏
「絶対できない。北朝鮮は何も発表していないのだから、そんなたいしたことを言っていないのだから、別に構わない。ですから、文在寅さんはドンドン追い詰められて、最終的には北朝鮮の言う通りで飲まざるを得ないですよ」
反町キャスター
「へえー…」
宮家氏
「そうなると思います。私がもし金正恩さんだったら、絶対に最後の最後まで降りません。足元を見てこれだったらキャンセルだと。そうしたらどうします?それはダメージが大きいでしょう?」
反町キャスター
「大きいですね」
宮家氏
「全部ぶっ壊れるでしょう?そうしたら…」
反町キャスター
「選挙も負ける…」
宮家氏
「そうしたら、もう相当の譲歩をしますよ。そうならないようにしてほしいと言っているんですよ」
反町キャスター
「では、譲歩をしたら、今度は、メンツは保たれても、選挙、国内では批判を受けるし、外国からも…」
宮家氏
「そのリスクを負って、始めちゃったんです、これはもう始めちゃったのだから」
反町キャスター
「なるほど」
宮家氏
「27日で決めちゃったでしょう。そうしたら、どっちが譲歩するかと言ったら、北が譲歩しない可能性の方が高いから、そうしたら南が譲歩しますよ」
反町キャスター
「日にちを決めたということは、南にとってはかなりリスクの高い勝負に出ている?」
宮家氏
「そうですよ。いや、詰まっていればいいですよ、詰まっていれば…」
反町キャスター
「木宮さん、いかがですか?」
木宮教授
「ただ、だからこそたぶん一応、4月末までと言っておいて、ギリギリ延ばして、最終の金曜日。土日はやりたくなかったのでしょうね。従って、金曜日にしたということだと思うのですけれど。ただ、問題はもちろん、韓国だけに言ったということであれば、北朝鮮は、いや、本当に自分達はそんなことは言っていないとは言わないでしょうけれど、いや、そんなのには同意できないと言うかもわかりませんけれど。今回、中国に行って、一応、もちろん、これも北朝鮮流の非核化ではあることは確かなのだけれど、一応、中国にもこう言っているわけですね、非核化。そうすると、韓国だけであれば、何とか言い逃れができるかもわからないけれど、中国にも言って、しかも、中国という大国に行って、そういうことも約束をしているわけだから。そうすると、そんなにこの問題をちゃぶ台返しみたいにするということは北朝鮮もできないと思います」
反町キャスター
「その意味で、非常にボヤっとした言い方だけれど、非核化らしきものというのが入るみたいな共同発表を…?」
木宮教授
「私はそうだと思います」
反町キャスター
「…詳細はトランプさんがまとめるみたいな話?」
木宮教授
「非核化の内容が全然違うのだけれども、この違う非核化の内容をこれから詰めていきましょうねと。そういう何かアレではないかと思うんですけどね」

融和?混乱? 米朝関係の未来は
松村キャスター
「初の米朝首脳会談に向けて各国の動きが活発になっていますが、米朝首脳会談の焦点はどこになると見ていますか?」
宮家氏
「トランプさんがこれまで言っていた最大限の圧力ということを維持しながら、もし対話をするのだったら、いったい何を話すのですか。議題もわからないし、下準備もこれからやっと始めるわけでしょう。現在、ホワイトハウスの中にやっとタスクフォースをつくったって。だけど、あと1か月ちょっとしかないでしょう。本当にどうやってやるのか、私は見ものだと思っているのですけれども。おそらくトランプさんの頭の中にあるのは、自分は交渉上手だから、だから、一方で、圧力をかけながらいろいろなオプションを考えていて、1対1でやれば、何とかなるのだという、気が遠くなるような素人っぽさがあるわけですよ。これまで成功した、それはニューヨークの不動産業では成功したかもしれません。でも、それが北朝鮮との外交に通用するかどうかというのはまだわからない。テストされていない。しかも、その準備は整っていない。ですから、その意味では、5月中にそれが起こってもおかしくないけれども、起きなくても全然おかしくないと思う」
反町キャスター
「佐藤さんはどう見ていますか?アメリカの米朝会談に向けた取り組み、組織として…。副大臣だから話づらいかな、要するに、カウンターパートである国務省が、ちゃんとそれが組織として米朝会談に向けて動いているのですか?」
佐藤議員
「確かに国務省の人事が長官を含めて、定まっていないという部分はありますけれども、でも、実務者はまだ残ってはいるので、そこはある程度、我々も対話はできているし、方向性もできていると思います。米朝で1番のポイントは非核化という部分で、どれだけ我々が言う、完全で検証可能な不可逆的な方法を担保できるかという部分が1番の焦点で、合わせてミサイルもありますから。日本にとってはICBM、IRBM(中距離弾道ミサイル)という、長距離だけではなく、日本用のノドンとか、スカッドの短距離とか、中距離の部分も、これは除く対象になりますし、また、日本においては拉致の問題もありますから。それは合わせて、これは米朝でそういう議題と、アジェンダというものは日米でも、日米間ですり合わせながら持っていくというのが極めて大事なポイントだと思っています」
反町キャスター
「1回で終わりますか?米朝とか、南北もそうなのですけれども、1発で終わらないで何回か…。それはちょっと考えにくいのだけれども、どうですか?」
佐藤議員
「でも、それは、回数は1回では終わらない可能性はあると思います。特に文在寅大統領はこの南北首脳会談について国民向けにそんなに大きな期待をしないでほしいということを言っていますし」
反町キャスター
「それは怖いからですよね、本人もね?」
佐藤議員
「これは、だから、南北首脳会談も何回もあるかもしれないということも既に言われていますから」
反町キャスター
「なるほど。米朝はどうですか?」
佐藤議員
「米朝は…」
反町キャスター
「米朝は何回も…。トランプ大統領だって金委員長と何回も会うというのはちょっと考えにくいですよね?」
佐藤議員
「それはまだわかりません。まさにこの外交交渉事ですので。今回のトランプ大統領の米朝ですら、普通は実務者がやって、閣僚級をやって、トップですけれど、今回、トップでやると決めましたので。次は、また、2回目をやらないとも限りませんし、そこはわからないですよ」
反町キャスター
「木宮さん、どう見ていますか?展開ですよ、展開をどういうふうに?」
木宮教授
「トランプさんがもともと言っていることは、最大限の圧力と関与です。最大限の圧力を掲げながら関与も。要するに、オバマさんみたいな戦略的忍耐で何もやらないのではなくて、圧力はかけるけれど、でも、最大限の関与もやるということで。おそらく現在のトランプさんの頭の中は最大限の関与をある程度やったのだと。だから、北がこう出てきたと、そういう認識ではないかと。それが正しいのかどうかは、これはまた議論があると思うんですね。アメリカからすると北に対して持っているカードというのは、1番先は朝鮮戦争の終結宣言であり、さらには停戦協定を平和協定にして平和体制をつくると。さらにはその先に米朝の国交正常化。そういう手段をアメリカとしては何とか使いながら、要するに、アメリカの望むような北朝鮮の非核化ということを引き出していきたいということを狙っていて。そういう意味で言えば、かなり段階的で中長期的にやらざるを得ないと思います」
反町キャスター
「話を聞いていると、首脳会談1発のアジェンダではないですよね?」
木宮教授
「もちろん、ええ」
反町キャスター
「何か北朝鮮問題担当大使みたいな人がいて、その人が、第3国で北側の代表と何回も何回も、20回ぐらい協議しているプロセスに聞こえるんですよ」
木宮教授
「うん、だから、おそらく今回の米朝首脳会談というのは、そういうプロセスを始めましょうというような、そういうような性格のものではないかと思うのですけれど。具体的にそんな詰めることなんかとてもできないですよね、現状で」
佐藤議員
「北朝鮮の非核化1つをとっても、核の製造施設から、核物質から、あるいは核兵器から、そういうものをもう本当に全部ゼロにするというのは、相当なたぶん時間と手段と人とお金がかかる話ですから。そこは1回目の会談でその細部までというのはなかなか難しいかもしれませんけれど。言われるように、始めましょうというところだけではたぶん我々としては不可逆的と言っていますから、その部分まで、どこまでとれるかと。非常に我々としては、簡単に始めましょう、だけでは意味がなくて、圧力をかけているという意味は、さすがにこの段階的というだけだと、いつか来た道と同じですから」
反町キャスター
「そう、その通りです」
佐藤議員
「そこはしっかりとすり合わせをしたいと思っています」
反町キャスター
「その話し合いの雰囲気とまた真逆を張るような、今度、マクマスターさんに代わって安全保障担当の大統領補佐官に…」
宮家氏
「なる…」
反町キャスター
「なる、ですよね、まだですよね。ボルトンさん、インタビューでこういうことを答えているんですよ。『これまで北朝鮮は交渉を核・弾道ミサイル開発の隠れ蓑に使ってきた。アメリカは再び同じ策略にはまってはならない。北朝鮮が非核化に向けた真剣な話し合いをする用意がないなら、首脳会談は短時間で終わるだろう』。このボルトンさんの発言をどう我々は受け止めたらいいのですか?」
佐藤議員
「彼は別のインタビューではリビア方式をイメージしているという…」
反町キャスター
「どういうことですか、リビア方式?」
佐藤議員
「リビア方式は、リビアの核兵器、実は核はまだなかったのですけれども、それを始めから最後まで出口まで決めてIAEA(国際原子力機関)主導で全部なくしたわけですよね。そういうイメージを持っていると思うんですよ、本人は」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「ただ、北朝鮮は現在も、中国の発表だと、段階的に逐次と言っていますから。だから、そこではボルトン氏が言っているイメージとは違うかもしれません。まさにこれから、まさに非核化の中身をたぶんもっと詰めないと、たぶん話し合いという、米朝の話し合いではかなり首脳で話す前に相当その部分を詰めないと、たぶん我々が期待する部分はとれないのかもしれません」
反町キャスター
「宮家さん、リビア方式というのは、カダフィー大佐は核を諦め、市場開放をしてという話にはなったけれども、これは北朝鮮から見た時に見習うべきケースになると思いますか?」
宮家氏
「うーん。これについてはいろいろと議論があって。リビアが核兵器を放棄したから、だから、潰されちゃったのだという議論があるのだけれども、それは違うんですよ」
反町キャスター
「あっ、それは違う?」
宮家氏
「はい。核の問題、核兵器開発の問題と、リビア政府がまさにアラブの春の流れの中で信任を失って、国内が割れて、内戦の中でやられちゃったというのはまったく別の問題だと思っています」
反町キャスター
「なるほど」
宮家氏
「だけども、北朝鮮の側からすれば、ほら見ろと、リビアは諦めて、核兵器を持っていないから、だから皆、勝手にやったのだと。だから、俺達はちゃんと生き残るためには核兵器が必要だという意味では、政治的には、歴史的にはともかく、その事実としてともかく、彼らが政治的にそういうメッセージを受け取っていることは間違いないと思う」
反町キャスター
「そうすると、ボルトンさんがそういう、リビア方式と言われているのだとすれば、そのリビア方式をとれと言う、ボルトンさんが安全保障担当大統領補佐官になったというのは北朝鮮から見たら、これは?」
宮家氏
「だから、だから困っているわけですよ」
反町キャスター
「どっちが?北が困っている?」
宮家氏
「北が困っている」
反町キャスター
「怖いということですね?」
宮家氏
「おそらく怖いと思っているんですよ。なにしろこの人は何をやるかわからないから、と思うではないですか、普通?」
反町キャスター
「どのくらい何をやるかわからないのかというのは、ちょっと視聴者のために説明いただいた方がいいかもしれない。どのくらいこの人は何をやるかわからない人だと僕らは思ったらいいのですか?」
宮家氏
「うん、それは、彼が思って考えてきたこと、書いてきたこと全部、たとえば、彼がつい最近書いたのは、北朝鮮に対する先制攻撃は法的に正当化されるのだというのを堂々と書いているわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
宮家氏
「だから、私に言わせれば、そんなこと無理ではないかなと思うのだけれども。そういったことがこれまでは少なくともやっていた。4月9日に就任して、そのあと人が代わってほしいし、NSC(国家安全保障会議)の補佐官ですから、関係省庁をいろいろ調整して、大統領に進言しなければいけないのだけれども、アメリカの国務省はもうダメですよ。だって、長官はいないでしょう。ポンペオがおそらく長官になるのは数週間後ですよ、早くて」
反町キャスター
「国務長官なしで米朝首脳会談に突入していくのですか?」
佐藤議員
「現在CIA(中央情報局)長官のままだから。4月上旬までは議会がイースターで休みなんですよね。それから、上院での信任が始まりますから。数週間かかるでしょうから。そうすると、5月の上旬までいくのではないかということが言われていますね」
宮家氏
「実務をやる人がほとんどいない。もしくは有力な人は辞めちゃったという状況ですから。私は、残念だけれども、アメリカの国務省は現在、機能していないと思います。だからこそホワイトハウスの中にタスクフォースをつくって、そこで大統領直轄で、ボルトンさんがおそらくそれを見ながら、対北朝鮮交渉の詳細を詰めていくのだと思います。ちょっと心配ですよね」
反町キャスター
「木宮さん、北朝鮮から見た時に、リビアのパターンがあるのではないかと言うボルトンさんが安全保障担当大統領補佐官、怖いのですか?」
木宮教授
「1つは、リビアのモデルというのは北朝鮮ではかなりある種、注目されて研究されている、それは反面教師として。つまり、こういうことをやったからダメだったのだと」
反町キャスター
「では、手放したらダメなのですね?」
木宮教授
「うん、要するに、おそらく最後の最後までは持ちたいという思いは強いと思います。それから、ボルトンさんで非常に印象残っているのは、彼はいわゆるネオコンと呼ばれる人です。ネオコンと呼ばれる人達が、ブッシュ政権の第1期の時にどういう議論をしたかと言うと、まさに北朝鮮のような非道徳的な、要するに、国民を飢えさせても何とも思わないような、非道徳的な政権はチェンジしなければいけないのだと。かなり国際政治の場にそういう意味でのある種のモラルを、変な意味でのモラルを持ち出した、そういう議論をしていたところがあるんですね。もちろん、ブッシュ政権はその後、ネオコン側の力が非常に弱くなりましたけれども。そういう議論をしていると、本当にリアリズムに基づいて、いわゆるどういう政策をとるかという、そういう考え方が、ひょっとして曇ってしまう危険性があるんですね。従って、そこは私はボルトンさんという名前を聞いた時に、ちょっとビクッとしたことは正直確かです」

蚊帳の外? 安倍政権『次の一手』は
松村キャスター
「安倍総理は現下の朝鮮半島情勢を踏まえ、昨日の参議院予算委員会で『圧力を最大限まで高め、抜け道は許さない。これを国際社会の方針にするために日本がリーダーシップをとってきた結果、北朝鮮の側から話し合いを求めてきている状況だろう』と、このように発言しています。宮家さん、この安倍総理の発言をどう見ていますか?」
宮家氏
「これは正しいと思いますよ。浮き足立っていると思うの、皆。日本は国内では別のことをやっているし、それは置いておく、今日は話しませんけれども。1つ間違えたら日本にとって国難なんです。ですから、その意味では、ぶれないこと。1つの方針でずっとやってきているわけですから、その効果が出つつあることも、これもまた事実ですからね。私はその意味では、現在のやり方を続ける。第二に外されるとか、何とか、そんなことに動揺しない、じたばたしない。だって、まだ…」
反町キャスター
「蚊帳の外ではないのですか?」
宮家氏
「えっ?」
反町キャスター
「蚊帳の外ではないのですか?」
宮家氏
「いや、もともとこの問題、日本が朝鮮半島の問題に軍事的に関与できると思いますか?無理ですよ、それはいろいろな理由で」
反町キャスター
「そうです」
宮家氏
「ですから、それは立場が違うからこれはしょうがない。その中に入っていくのが本当に日本にとって利益かどうかも私はわからない。3番目に日本には日本のアジェンダがある、拉致問題もある。そういうものを考えたら、現在のタイミングで、まず動きが急ですから、その動きをしっかり見て、それを分析して動いても私は遅くはないと思うし、それである程度ハンディを負うかもしれませんよ。でも、それで日本が外されたとか言って自虐的になっても外交はできません」
反町キャスター
「うーん。木宮さん、いかかがですか、総理の発言…。我々の立ち位置ですよ、日本はどうなのですか?」
木宮教授
「いわゆる圧力ということを提唱してきて、その効果が表れているということは、これは事実としてあると思います。ただ、要するに、圧力だけで北朝鮮は変わらないと思います。従って、圧力をかけて、もちろん、現在でもかけ続ける必要はあると思うのだけれど、かけることと、それと北朝鮮とある種、対話ムードになっているわけですから、対話をするという選択肢、これはまったく矛盾しないと思うんですね。圧力をかけながら対話をするということを、アメリカもやろうとしているし、韓国もやろうとしているし、中国もおそらくやろうとしている。日本も別にそれに遅れたか、どうなのかという議論ではなくて、圧力をかけながら北朝鮮と対話をして、北朝鮮を説得すると。圧力だけでは北朝鮮は変わらないと思うんですね。従って、説得して、ある種、どういうふうなニンジンを見せながら、北朝鮮を懐柔して説得をするかということをこれからやっていけばいいと、そういうことではないかと思います」
宮家氏
「懐柔し、説得されるでしょうか?これまでの経験から言って、同じことが繰り返される可能性はない?」
木宮教授
「でも、これまでのことも、私は、たとえば、1994年にしても、2005年にしても北朝鮮だけが裏切ってこういう状況になったとは思いません。それは北朝鮮のみならず、たとえば、1994年で言えば、アメリカの側、2005年も同じくアメリカの側も、たとえば、2005年で言えば、何故あの9・19共同宣言の直後に、なぜいわゆる金融制裁が出てきたのかと。ああいうことを考えると、過去の2回の失敗があるから、北朝鮮はそういう存在だということではなくて、過去の2回の失敗をもうちょっと、これは北朝鮮も学習する必要があると思いますけれど、我々もそれを考えてもう1回やってみるという価値は今回のチャンスにはあると思うんですね。だから、そういうことを変わらないから放棄するということではないと思います」
反町キャスター
「佐藤さん、木宮さんの話の中で、1994年にしても、2005年にしても、北朝鮮が一方的に悪いのではなくて、明らかに我々の側にも批判されるべき点があったのではないかという、この指摘だったですよね?」
木宮教授
「はい」
反町キャスター
「それはいかがですか?」
佐藤議員
「うーん、結果的に北朝鮮に利する形になってしまったという面では結果責任としては、その指摘はあろうかとは思います。ただ、だから、今回、ボルトン氏も言っているように、過去の過ちは繰り返さないと、まさに不可逆的にどうやってやるのかという部分が極めて大事で。先ほど、宮家先生が言われたように、我々はじたばたしていませんから。向こうが国際社会の圧力によって苦しくなって、北朝鮮が寄ってきたと。当然、韓国もがんばってくれたという部分もあります。ただ、現実問題として、北朝鮮はまだ非核化のための具体的な行動を何もやっていないという段階ですから。そこは言われたように、圧力をかけ続けるという段階には変わりはありません。ただ、もう1つ言うのは対話のための対話では意味がないわけです。対話と交渉は違って向こうが交渉ができるぐらいのレベルのものを出さないとこっちは自ら動く必要はないし、まさに米朝、あるいは南北の首脳会談の中でいろいろなシグナルを北朝鮮が出してきた時に、うまく反応すればいいだけの話であって。現在から、我々から前のめりで、日朝がどうのこうのと言う段階ではなくて、まずは冷静に現在のまま北朝鮮の出方、具体的な行動を待って、それから動けばいいと思いますし。しっかりと南北、あるいは米朝の時にも核だけではなく、短距離のミサイル、あるいは拉致も全部、アジェンダに入れてくれと。中朝の会談がこれからまだ行われるかもしれません。その時も我々は同じように、全て非核化、あるいはミサイル、拉致も入れてくれということをずっと言い続ける。その間はしっかり圧力はかけ続けるということ」
反町キャスター
「佐藤さん、そういう意味で言うと、たとえば、北朝鮮は中国とも今回あったみたいな、雰囲気づくりをしています、南北もやります、アメリカともやりますという、そういう外交的な大攻勢を多面的に展開している中で、日本に対しては何と言っているかと言うと、これは17日の朝鮮中央通信ですけれど、『日本政府が圧力強化を続けるならば、永遠に平壌行きのチケットは購入できない』という、こういうことを…」
佐藤議員
「これは日本を意識しているんですよ、逆に」
反町キャスター
「けれども、少なくとも、首脳会談をやりましょう、という雰囲気はまったくないですよね?」
佐藤議員
「現在はまだそこまで、我々はじたばたする必要はないですよ」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「前はアメリカを意識して、アメリカをすごく批判していたんです」
反町キャスター
「言っていました」
佐藤議員
「現在、アメリカの批判はないです。米朝をやりますから。だから、非難する相手は日本しかないです。日本をいろいろ批判していますけれども、日本を意識しているんです。将来的な経済支援という部分も絶対、北朝鮮は視野に入れていますから」
反町キャスター
「最後は日本が噛んでいかないと進みませんからね」
佐藤議員
「ええ、はい。だから、そこはしっかりと日本を意識しながら言っていると。労働新聞の社説では、森友問題まで出して批判しているのですから、北朝鮮は。そこまで日本をしっかり見ているんです。それは意識しているんですよ。だから、我々はそれでじたばた…、切符がないからと言って、前のめりになる必要はなくて、まだ向こうの動きをしっかり待てばいいと私は思います」

宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の提言 『動ぜず、基本に忠実に!』
宮家氏
「私は簡単。動ぜず、基本に忠実に。経済もファンダメンタルズが大事だけれど、外交もファンダメンタルズが大事です。ファンダメンタルズの基本は非核化です、北朝鮮の。そうであれば、それがまず見えてこない限り基本にちゃんと忠実に戻って地道にやる、動いてはいけないということです」

木宮正史 東京大学大学院総合文化研究科教授の提言 『圧力を伴う対話』
木宮教授
「圧力はもちろん、効いていると思います。だからこそ、北朝鮮は対話に出てきたと思うんですね。そのチャンスを活かすべき時ではないかと思うんです。そのためにも日本が直接、日朝が対話することは現状ではなかなか難しいとしても、たとえば、南北、米朝、たとえば、中朝、それに対して、北朝鮮の非核化が重要であるということを主張しながらも、それを対話によって解決するということを日本が積極的に支援すると、そういうことが必要であり、そのために現在、対話。確かに圧力と対話というのは、いわゆる二者択一ではなくて、並行して進めていくと。現在は北朝鮮を動かすためには、圧力を伴う対話が必要であると考えます」

佐藤正久 外務副大臣の提言 『圧力なくして交渉なし』
佐藤議員
「ちょっと似ているのですけれども、圧力なくして交渉なしと。大事なことは、対話のための対話では意味がなく、まさに非核化、あるいはミサイル廃棄、拉致問題解決のための交渉をすることが大事で、その交渉のテーブルに北朝鮮をつかせるというためには国際社会が一枚岩となった圧力というのが大事だと思います」