プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2018年3月22日(木)
2018年最新データ分析 トランプ&利上げ影響

ゲスト

宅森昭吉
三井住友アセットマネジメント理事
松野利彦
SMBC日興証券投資情報部
永濱利廣
第一生命経済研究所首席エコノミスト
大山泰
フジテレビ報道局取材センター室長

どうなる? デフレ脱却の道筋
松村キャスター
「日本時間の21日、アメリカの中央銀行、FRB(連邦準備制度)が政策金利の誘導目標を0.25%引き上げることを決定しました。昨年の12月に続く利上げとなり、今年中にあと2回、利上げをするという見通しも明らかにされています。このアメリカの金融政策が、日本をはじめ世界経済に今後どのような影響を及ぼすのか。番組でおなじみの3人の経済スペシャリストを迎え、最新の経済データを多角的に分析、日本の景気動向と世界経済の行方を読み解いていただきます。FRBの緩和縮小に伴って経済専門紙などで使われるようになった言いまわし、『テーパリング』。『アメリカのテーパリングで適温経済の先行きは…』とあるのですが、大山さん、まだ一般的にはなじみが薄いこのキーワード、どういったことなのでしょうか?」
大山氏
「リーマンショックは、ちょうど10年前の2008年の9月15日ですね。経済が落ち込んだのは、10年ぐらい前の話なんですよ。そのあと、それを回復するために、主に先進国の中央銀行が、たとえば、アメリカの中央銀行、FRBだったら、現在で言うと4.5倍ぐらい金融市場に流れるお金を増やした。日銀は2013年からですけれども、3倍ぐらいに増やしたり、ヨーロッパ中央銀行もお金を増やしたという状況がある。『テーパリング』という英語ですけれども、要は、ロウソクの炎がこういうふうに、このぐらい大きいのが、だんだん小さくなっていくという意味で、主に中央銀行が、要は、市場に出している資金をだんだん少なくしていく。現在は、それで今度はいよいよ金融を正常化して、金利も上げていこうと、ゼロ金利とどこも中央銀行はやっていましたから、そういう局面に入っている。そういう流れの中で、ここ2年ぐらいは『適温経済』とか、それから、金融相場から『適温相場』ということがよく言われて景気も緩やかに上がっているのに、中央銀行の政策もありますけれども、金利は普通、景気の体温と言われ、景気が良くなると皆がお金、企業とかはほしくなるし、次々生産したくなるので、お金の需要が増えるから、金利も上がっていくという、それもあまり上がらない。かつ物価もそんなに上がらないで、ここ2年ぐらいきた。株価はなだらかにきて、ニューヨークダウは今年、市場最高値もつけて。これはすごく居心地が良い状況がきていたのではないかというのが、今年の1月、現在もそうかもしれませんけれども、そういう中で、世界で1番大きな経済規模のアメリカの中央銀行がどう経営、金融政策をしていくかというのにかなりの経済人・産業界・金融界、皆、関心を持っている中で今日、利上げもあったということですね」

米『利上げ』の日本への影響
反町キャスター
「松野さん、今回に限らず暫く金利が上がっていくという前提に立った時、アメリカの金利上昇というのが日本にどう影響するのか、どう見ているのですか?」
松野氏
「1つは、アメリカの経済に対する金融政策ですから、直接、日本の経済に対する影響が出るわけではないのですが。ただ、いくつか間接的には影響があって。たとえば、輸出先であるアメリカそのものの経済が利上げによってどうなるかと。利上げそのものは景気が良いわけですからやるわけで、その点は足元は良いけれども、どこかでその過熱を防ぐような格好で若干、引き締めの方向に向かっていく。要するに、中立のところはまだいいのだけれども、そこから先、さらに金利を高くしていくような状況というのはいずれ考えられるだろうとは思うのですが。目先のところはまだ金利が、どうでしょう、FRBが考える中立金利のところまでまだ到達していなものですから、それを考えると、まだアメリカの経済はしっかりだろうなというところはあるかと思います。ただ、もう1つの問題として為替の問題が当然あるわけで、輸出企業にとってみれば向こうの為替、だいぶ影響が少なくなったとは言え、まだちょっと残っているものですから。このへんが企業業績を通して、ちょっと心配されるというところですけれども。これまでの為替、ドル円、長期金利、だいたい似たような動き方をしていたわけですけれども…」
反町キャスター
「つまり、アメリカの金利が上がれば円が安くなる?」
松野氏
「そうですね」
反町キャスター
「普通そうですよね?だって、皆、お金が向こうにドルで預金した方がいいとか、ドル債を買った方がいいと皆、思うわけだから」
松野氏
「ただ、そうは言っても、適温経済と言った格好で、一生懸命に利上げを緩やかにやっているにも関わらず、金利がこう下がってきているわけです。これも合わせてドル円も下がっているわけなのですけれど、この部分はリンクしているのですが、これがいわゆる適温経済のところだったのですけれども、このへんから急に金利が上がる一方でドル円が下がっていると。いろいろ理由はあるかとは思いますが、たとえば、1つ、需給の問題から、私は1つ見てみたいなと思うのですけれども。実はドル円と、日本の対米債券投資の残高、これはアメリカの財務省が発表しているデータですけれど、実際に発表しているタイミングでの水準です。ですから、たとえば、直近では3月15日に発表されたのですが、これは1月のデータです。こんな格好で、日本の債券…、日本が保有するアメリカの債券の残高がこのへんをピークにドンドン落ちてきていると。要するに、アメリカの債権を売って、国内にお金を戻している可能性がある。とすればアメリカの金利が上がって、ドル円のところは円買い需要で円高になっていくと、こういうことが考えられるわけです」
反町キャスター
「なぜそうなるのですか?だって、アメリカの方が、金利が高ければ、アメリカ債権を買った方が単純に言えば、なぜそういう動向・傾向が表れないのですか?」
松野氏
「いくつか理由はあると思うのですけど、1つはこのタイミングですね。ちょうど昨年の9月ぐらいなのですけれども、アメリカが、いわゆる、これまでばら撒いた、冒頭、大山さんからあった、アメリカが4兆5000億とも言われるばら撒いたお金をいよいよばら撒くのを…、ずっと前からやめたのですけれど、これを回収すると、少しずつマーケットに影響が出ないように回収するのだけれども、いよいよ始めますよ、と言ったタイミングあたりから減らしてきているということで。そういったことをすると、全体にあるドルというものが小さくなっていけば、そのドルを使って、あちこちに投資していたものを縮小していく状況というのは、いずれ出てくるだろうということを長い目で見ればあり得ますので、そういった状況で債権を減らしてきたということが1つと。もう1つはドルコスト、ドルの調達コストの上昇ですね。最近、特に日本の金融機関がドルを調達するにあたって、結構、需要が皆さん高まっているものですからコストがだいぶ高くなってきまして、日米の金利差を考えても、あまりアメリカに投資しても、メリットが、そのコストを考えるとなくなってきて。むしろヨーロッパの方が、コストを考えるとアメリカに投資するよりも多めに金利が稼げるという事情もあって。そんなこともあって、こういった格好で日本の機関投資家を中心に米債投資をちょっと縮小していったと。特に決算末に向かって、こういった行動が顕著に表れたせいが需給面から感じられるのかなと思いますね」
反町キャスター
「永濱さん、いかがですか、この点について?」
永濱氏
「これが続く可能性が結構あるのではないかなと思っていて。なぜかと言うと、要は、マーケットが先行きに何を心配しているのかと言うとアメリカ経済は減税の効果もあって現在は良いわけではないですか、でも、ちょっと賃金とか、物価が上がったぐらいで、要は、適温経済終了みたいな感じでマーケットが過剰反応するということはアメリカ経済の過熱というのをマーケットは結構、慎重にというか、過剰に見ていると思うんですね。そういう中で、アメリカが、まさにトランプさんの経済政策って、私、マクロ経済的には間違った政策をやっていると思っているのですけれども、要は、いわゆる完全雇用というか、経済が正常化しているのに、需要を刺激する、インフレを加速するような政策をやるわけではないですか。と言うことは、要は、景気循環的に考えれば、いつか景気後退は絶対くるのですけれど、そのタイミングが早まるのではないかという、そういうリスクが高まると、なかなかドルを買えないという、そういう見方もある」

日本の景気と世界経済の行方
松村キャスター
「2期連続で金融政策を担うことになった日銀の黒田総裁は、今月9日の会見でこのような発言をしています。『エネルギーと生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は2013年秋以降、4年以上にわたってプラス基調を続けており、既に我が国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっています』、こういう発言がありました。永濱さん、この黒田総裁の発言をどう評価されますか?」
永濱氏
「黒田総裁が就任してからの消費者物価を見るとそれまでずっとマイナスだったのが、要は、若干でもプラスになってきているという意味では、その通りだと思うんですね。ただ、十分効果が出ているかと言うと、好循環というところまではやや力不足かなと。その背景には、私はやっていたことは間違ってはいなかったと思うのですけれど、基本的に。要は、それまであまりにも日本がデフレを長期間放置してしまったことによって、要は、家計とか、企業、民間部門のマインドが予想以上にデフレ・マインドがこびりついていて、なかなか欧米でやったら成功する政策を日本でやっても効果が不十分と。最初は量の拡大をやっていたわけですけれども、要は、量の拡大と言っても、既に日銀は世の中に出ている国債の4割以上を持っちゃっているわけで、それ以上はなかなか同じペースでは買えないというところで、イールドカーブ・コントロールにしたわけですね。でも、このイールドカーブ・コントロールというのも、要は、金利をコントロールするわけですから、たとえば、政府が財政をたくさん出して、金利が上がるような状況になれば日銀は緩和を強化することができるのだけれども、現在、日本はある意味、財政健全化の方に向かっていますよね。と言うことは、それだけ財政の出す方も減るということになると、その中で金利をコントロールするということになるとむしろ金融を引き締めるという状況になってしまうということからすると、ある意味、日銀はやれることはやったので、あとは政府に、政府の財政政策次第かなという、そういう状況だと思いますね」

意外な『景気シグナル』分析 2018 日本経済の行方は…
反町キャスター
「宅森さん、日本の経済の現状というのは現在、順調に進んでいると、この話、黒田さんの話だけを聞いていると、デフレではなくなっているのだという説明…。僕らもちゃんとそう読んで、日本経済が底堅いものについてきたと理解していいですか?」
宅森氏
「そうですね。物価で、内閣府の月例経済報告は、季節調整済みの前月比で見るのですけれども、それはずっとそろそろ上がっている基調ですよ、ここ数か月間。なので、この前の月例経済報告で判断をちょっと上げましたよね、『緩やかに上がっている』という。だから、限界的なところで、早く動きがわかる前月比のところでは良くなっていることは確かです。景気拡張期間が非常に長いのですけれども、緩やかですけれども、続いていることも確かです。ただ、次のテーマにいっちゃっていいのか、アレですけれども…」
反町キャスター
「どうぞ」
宅森氏
「…ちょっと足踏みをするかもしれません」
反町キャスター
「これから?」
宅森氏
「うん、これからと言うか、現在」
反町キャスター
「現在?」
宅森氏
「ええ。たとえば、経済統計的には景気動向指数というので現在『改善』という判断がずっと続いていますけれども、これがひょっとすると3月分でいったん『足踏み』ということになるかもしれない」
反町キャスター
「現在、我々の目の前に景気の足を引っ張る因子が見えるんですね?」
宅森氏
「はい、見えていました」
反町キャスター
「どんなものなのですか?」
宅森氏
「はい、寒波です」
反町キャスター
「景気が寒い…、景気ではない、ごめんなさい、天気が悪いと、寒いと景気が悪くなるのですか?」
宅森氏
「寒いだけだと、たとえば、1月と2月でこの反応が違うのですけれども、まずは景気ウォッチャーの現状判断DI(景気動向指数)の方向性の数字ですね。これがよく現状判断ということで新聞などで出るヤツですが。12月、50という景気の分岐点を上まわったんです。50を上まわっているというのは、トータルで見ると、良くなっているという回答がちょっと多いということを意味します」
反町キャスター
「なるほど」
宅森氏
「ところが、全国の平均で、これは49.9ですけれども、僅か0.1ですけれども、50を下まわりました。と言うことは、悪いという意見がほんのちょっとだけだけれども、多くなったということを意味します。さらに2月は下がりまして48.6ということになったんですね。これを見てみると、地域ごとになっていますけれども、北海道・東北・北陸が随分下がっているし、数字も悪いです。たとえば、南関東の中の東京都があるのですけど、これは50を超えています。下がっていますけど、少し。それから沖縄、あったかいところですけれど、ちゃんと50を超えている。もちろん、方向的にはアレですけれども、50を超えて良いという意見の方が多いということです。と言うことで、気温の影響が多少なっていて、12月の段階では良いという回答が53%あったのですけれども、2月調査の段階では悪いという方が多くなった。1月は、気温はまだそんなに悪いというのは少なかったんです。と言うのは、温度が下がると、1月の段階だと冬物が売れるんですよ、これはプラスになるんですね。ところが、なぜ1月が下がったかと言うと、もう1つ、大雪の影響です。大雪の影響で、おそらく0.3ポイントぐらい落としているんですよ。だから、大雪がなかったとすれば、50を超えていたと思います、全国で」
反町キャスター
「なるほど」
宅森氏
「2月も大雪がすごく足を引っ張っています。ただし、今度、気温も、悪くなってきた。春物が売れない。時期があるんですね。と言うことで、2月が相当落ちたのは、天候要因が相当効いているなと思います。」
松村キャスター
「今年3か月間の株価の動向を見ていきますと、2月の初旬から日米欧、中国の株価が大幅に下落しています。松野さん、この世界同時株安の原因、その後の回復ぶり、どのように分析されますか?」
松野氏
「直接の原因は、アメリカの雇用統計を受けてインフレ懸念が高まって、金利が急上昇して、それでアメリカの株が下がって、強風指数と言われている、VIX指数ですね、これが大きく跳ね上がったことが下げを助長したと言われております。VIX指数は、アメリカの、S&P500という株価指数の変動率なわけですけれども、当然、変動率ですから、急激に動けば上がるわけなのですけれども。だいたい急激に動く時、だいたい下がる時ということが多いのですけれど。実はVIX指数そのものをある程度、コントロールしながら運用している人達が結構いまして、いわゆるいろいろなものに投資をして、それに対する変動率が当然あるわけで、その変動率を示しているのですけれども、この変動率を、たとえば、トータル平均すると全部でだいたい10とか、15ぐらいに抑えながら運用していこうという人達がいたわけなのですが、こういった格好でボラティリティが急に上がっちゃうと、ボラティリティが上がるということはボラティリティを抑えなければいけないので…」
宅森氏
「変化幅ですよね」
松野氏
「ええ、変化幅が上がるので売らなければいけないわけですよ。売って、売ってポジションを落としていくと、ボラティリティも全体のボラティリティが落ちていきますので、そういった作業が極端に行われたこともあって、今回こういった格好につながったのですけれども。こういった格好で、だいたい50を瞬間上まわるようなことというのは、最近あまりなく、どちらかと言うと、ずっとと下がり続けていて、ここまで下がっていいのだろうかというぐらい、ずっと下がり続けていたわけですけれども。ただ、これと同じようなことが、実は2015年の8月の、人民元切り下げショックの時にも同じぐらいの水準に上がりまして、その時も、米株も日本株も大きく下がった。こんなような現象があって、似たようなことも、過去にはあったのですけれども。今回も同じようなことが起きたと」
反町キャスター
「S&Pというのは、これはアメリカの主な株価で見て、日本の方がこう赤で出ている時に、何かこの表だけを見ていると、日経平均、日本の株価の方が、ブレが大きい。調子が良い時はワーッと上がるのだけれども、調子が悪い時はボーンと落ちるという、この安定感のなさというのは、アメリカの株価の変動幅に比べて、なぜ日本の株価はこんなに幅が大きいのか、振れ幅が大きいのか。ある意味、脆弱かもしれないし、調子に乗りやすいのかもしれないけれども、これはどう見たらいいのですか?」
永濱氏
「1つは為替の影響がでかいと思うんですね。要は、アメリカ経済が良くなる時というのは普通金利を上げる状況なので金利差拡大でドル高円安になるではないですか?」
反町キャスター
「なるほど」
永濱氏
「そうすると、実体経済の良さに加え、要は、企業業績的に円安ドル高のプラスが乗っかってくるので、より上がりやすいですよ」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
永濱氏
「でも、逆に言うと、景気が後退する局面というのはアメリカが金融緩和をやるので…金融緩和ですね…、やるので、実体経済が悪くなる以上に円高の重しが乗っちゃうんですね。それで言うと、この国別の株価のグラフがわかりやすいと思うのですが、アメリカは結構戻っていますよね。でも、日本は戻っていないですよね。背景に何があるかというと、1つは為替だと思います。普通、先ほども話がありましたけれども、金利差が拡大しているのに円高になっちゃっているから、だから、戻らないというのが1つと。もう1つは、日本固有のリスク要因としては、日本の政治、具体的に言うと…」
反町キャスター
「日本の政治は現在、リスク? チャイナリスクと半島リスク…、どうぞ」
永濱氏
「アベグジッッドのリスクですね」
反町キャスター
「何ですか、それは?」
永濱氏
「アベノミクスが終わっちゃうリスクです」
反町キャスター
「それは政権交代という意味?」
永濱氏
「政権交代と言うか、安倍…」
反町キャスター
「政権交代ではなく、安倍さんが、経済・財政政策を変えるという意味?」
永濱氏
「…ではないです。自民党総裁選で安倍さんが負けてしまうというリスクですね」
反町キャスター
「負けちゃうというと?」
永濱氏
「この秋の…」
反町キャスター
「えっ?」
永濱氏
「はい。それもまだ本格的には織り込んでいませんけれども、それなりに頭を押さえるようにはなっていますよね。だって、わかりやすい例でいけば、たとえば、昨年の秋に株価が、日経平均株価が16連騰した時期があったではないですか。あの時は、要は、主体別の売買動向で見たら、日本人が売りまくっていたわけですよ。それ以上に外国人が買っているわけですね。実際、私はその時にも外国人投資家の方にも聞きましたけれども、なぜこんなに買っているのだと聞いたら、1つは、当時は過去に比べたら過去よりは日本の企業が為替に企業業績が左右されにくくなっている。要は、為替がそんなに円安になっていないのに、業績が上方修正というのが1つと。もう1つは、解散総選挙で自民党が勝つ可能性が高まって、要は、アベノミクス継続の安心感というのがあってあれだけ買われたわけですよね。ということからすると、アベノミクスが終わっちゃうとなったら、外国人投資家は日本株を売っちゃうと思います」
松野氏
「永濱さんがおっしゃられたようなことでアメリカの株に比べて変化率が大きいというのは、為替の動きであるのですけれども。ただ、上も下も両方、同じような格好で変化率が大きいかと言うと、そうでもなくて。どちらかと言うと、下の方が大きいですね。アメリカが、たとえば、1割下がると日本は2割下がるようなケースも過去にはありましたし、非常に都合のいいマーケットなのではないかと…」
反町キャスター
「ごめんなさい、誰にとって都合がいいの、それは?」
松野氏
「たとえば、投機的な動きをする人達にとってみれば、コントロールをしやすいサイズのマーケットかな。アメリカのマーケットは非常に大き過ぎるので、そうでもないけれども、日本のマーケットぐらいであればそもそもコントロールしやすいだろうというところがあって。たとえば、ちょっと円高になる、円が安全資産かどうかというとかなりそれは疑問が残るところではあるのですけれども、ただ、低金利なものですから、どちらかと言うと、低金利で資金調達して他に投資しているお金がちょっとしたリスクでぶれると、僅かな金利差でとりにいくようなことをしますから、それが戻っていくだろうと、要するに、それで円が買われていくだろうと、こういったことで、リスクがこう大きくなると円が買われるケースが多いのですけれども、そういった発想で買われることが多いわけなのですが、それに伴って、円高になれば、日本株安という、1つの考え方があって。必ずしもいつもそうではないのですけれども、ここのところずっとそうだったものですから。それで、円高になるように日本株を売るようにしかけてみようかというような人達が結構いっぱいいて。それが最近は、プログラム売買と言うのですかね、自動売買でこうやって、セットされているものですから、そんな動きが、たとえば、ニュースの中で、円高というキーワードがパカパカッと出てくると、売る量を増やしてみたいな、プログラムになっているわけですね」
反町キャスター
「宅森さん、日本の景気に影響しそうな、指標を教えていただければと思うのですけれども、どのへんのところを注目されていますか?」
宅森氏
「まずは明るいところからいきましょうか」
反町キャスター
「明るいところいきましょう、ちょっと心配ですからね…」
宅森氏
「最近の明るい話題なのですけれども、東京の桜の開花日と景気との関係ですね。今年は3月17日に開花しました。生物観測調査というのを、昭和28年からやっているのですけれども、それで早い順に並べてみたんです。1番早いのが3月16日、2002年と2013年でした。この二重丸というのは、3月から1年以上にわたって景気拡張が常に続いているんです。平年で3月26日なのですが、平年よりも5日以上早い時、記号を見ていただくと」
反町キャスター
「二重丸…」
宅森氏
「二重丸とか、丸とかで。谷が1回ありますけれども。黒い三角、青い三角ですね、それから、バッテンとか、景気後退ですけれども、こういったものは22日以降ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
宅森氏
「早く桜が咲くと、春物が売れたりとか、そういう経済効果もありますし、あとお花見に行ったりする、そういうプラス効果もありますので、あと心理的にも明るくなるのでしょうね。と言うことで、今年も3月17日でよかったなと思いますけれど。おそらく現在、景気拡張局面であるということを完全に裏づけてくれている…」
反町キャスター
「1年もつ?」
宅森氏
「1年もつと思いますね。ちょっと悪い話もあります」
松村キャスター
「何ですか?」
宅森氏
「今年、花粉が飛んでいますね。昨年の倍だろうと言われています。このグラフは1985年から多い順にスギ花粉が飛んだ量を並べて、下が年ですけれど、2005年が1番多いですけれども、東京・大田区のデータを並べたものです。面白い傾向がありまして、これからもうちょっとずっと少ない時があるのですけれども、1985年から30年間の平均を100とした指数で、だいたい100前後のところにいくと、いいんですよ、3月の消費が。なぜかと言うと、マスクを買うとか、花粉の薬を買うとかして、それでも経済活動、遊びに行ったりとかはするわけです。なので、花粉に関したモノを買う分だけでも、ちょっとプラスになるのかなと思っています。もっと酷くなった時、すごく飛んだ時というのは、出かけたくなくなりますよね。だから、買い物に行くのはちょっと手控えようとか、遊びに行くのをやめようということで、消費しなくなる。と言うことで、バッテン、バッテン、バッテンというのがずっと続く」
反町キャスター
「何か相関性がはっきりしていますよね?」
宅森氏
「していますね」
反町キャスター
「飛ぶと景気が悪くなるという?」
宅森氏
「はい、あまり飛びすぎると。ほどほどに飛ぶといいんです」
反町キャスター
「今年は、2018年、この紫の部分というのは、もうほぼ…」
宅森氏
「ええ、これは予想ですけど、おそらく現在のペースでもうちょっときていますね、250ぐらいのペースできていますから」
永濱氏
「2017年のざっと見て倍は絶対ありますよね」
宅森氏
「2017年は…、うん。くるということですね。2017年はほどほどに飛んでくれたので、景気にプラスになったと」
反町キャスター
「そうすると、この4、5月頃はもうダメだと?」
宅森氏
「ただ、3月のところで桜が先に咲いたので、ガマンして…」
反町キャスター
「これとこれとで、どっちがくるのかという、どっちが強いのですか?ここはわからないのですね、まだ?」
宅森氏
「そうですね。だから、お花見、今週末すごく東京はいいと言われていますよね。桜を見に行く人がどれだけいるかで…」
反町キャスター
「花粉症をおして見に行く人がたくさんいると景気が良くなる?」
宅森氏
「はい」

経済好循環のカギ『賃上げ』
松村キャスター
「2018年の春闘は、大手企業の集中回答日を終えた時点で、前年度比で2.16%の賃上げ率となっています。大山さん、今後の中小企業の状況など見通しはいかがでしょうか?」
大山氏
「まだ、中小企業の方が全部で揃って数値がまだ出ている感じではないですけど。有名な春闘の集中回答日を終え、1部の大企業では3%に乗ったところもあるのですけれど、第1回の回答では、連合の調べでは、こういう感じになっています。ご存知のように現在、就職戦線というか、人手不足で結局、売り手市場みたいなのがあって中小企業もなるべく人を、良い人をいっぱい採りたいとなると、今年は会社によって違いますけれども、会社の体力によって。ちょっと上げて、良い人を採ろうという感じのところはあるかなという情報もあります」
松村キャスター
「松野さん、日本企業の賃上げの状況をどう見ていますか?」
松野氏
「失業率と賃金の有名なフィリップス曲線というものをご用意しました。こちらの状況ですけれども、今現在、2018年1月、赤丸になっていますけれども、失業率がだいたいこれ2.4%ということで、これは1月の段階です。賃金の上昇が、これが0.6%ですね、こんな格好。これまでの、いわゆる失業率と賃金の関係、こういった格好で曲線を描いていくわけですけれど。直近の近似曲線よりも結構低めのところに水準がありますので、本来であればもうちょっと上がって、このへんの水準まで上がってきても不思議ではないような状況なので。いずれこれがたぶんこういったところまで上がっていく可能性は高いだろうと考えていますので。3%、3%というのは、ある程度、理解できる話かなと思います」
反町キャスター
「これは今の話で、本来だったらここまで上がってもいいものが、なぜここに留まっているのかという、この賃上げの部分ですよ。この差は何ですか?」
松野氏
「1つはデフレ体質と言うんですか、これが染みついていて、賃金をそんなに上げなくても大丈夫だろうといったところが大きいのかなと思います。ただ、だんだん、そう言っていられなくなってきたので、そういった意味では、以前よりは曲線は下の方にありますけれど、これはもう曲線ですから、また、だんだんドンドンと失業率の低下と共にドンドン上がっていきやすい環境にたぶん入ってくると思いますので。もうちょっとで解消していく方向にあるかなと思います」
反町キャスター
「松野さん、一方、物価の上昇と賃金の関係ですけれども、これは日銀だって2%、2%と言うことはそれに見合った賃金上昇がないと物価も上がらないわけですよね?」
松野氏
「そうですね」
反町キャスター
「その関係性というのをどう見ているのですか?」
松野氏
「フリップを用意しましたけれども。これは名目賃金と実質賃金ということで。名目賃金はアベノミクスの影響で、上がってきて、緩やかですけれど、上がってきていると。一方で、物価を加味した実質賃金のところは、パッとしない、横ばい、若干下ぐらいかなという格好で。物価がそういった意味では少しずつ上がってきてはいるのですけれど、それを考慮すると、実質のところはあまり賃金が増えていないというところがあって…」
反町キャスター
「これもワニの口みたいになっているではないですか?」
松野氏
「そうですね」
反町キャスター
「名目賃金はジワジワ上がっているにしても、物価上昇分を賄いきれていないから口が開いているという理解でいいのですか?」
松野氏
「そうですね。そこは賄いきれていない、ある意味、横ばいでいいのかなというところで、そこは物価の上昇を加味して現状維持であればそれでいいという解釈ですよね」
反町キャスター
「永濱さん、いかがですか?物価上昇と賃金の関係、どう見ていますか?」
永濱氏
「実はまさに松野さんのグラフを変化率で書くとこんな感じなのですけれども」
反町キャスター
「はい、それはどういう表ですか?」
永濱氏
「これは、実質賃金の変化率が、要は、名目賃金と物価の要因で分解するとどうなるかということになっていて。特に直近のところ、実質賃金がすごくマイナスになっていて、なぜこうなっているかと言うと、名目賃金が上がっているんですよ、それを大きく上まわるだけ物価が上がっちゃっているので、下にいくということは物価が上がっているということで、実質賃金押し下げですから、だから、これだけ下がっちゃっている」
反町キャスター
「物価は上がっているんですね?」
永濱氏
「上がっています。野菜が上がっているし、原油価格が上がっている…」
反町キャスター
「灯油・ガソリン上がっている」
永濱氏
「はい。だから、この実質マイナスなのですけれども、私は今回の春闘で、春闘の報道で、2.16%と出ていますね、これをよく昨年と比べたら良くなりましたと言っているんですね。アベノミクスが始まってから、最も春闘の賃上げ率が高かったのが2015年です。そこにいっていないですね。かつ春闘の賃上げ率をだいたい見ておけば、その年の、いわゆる所定内給与と言ったらいいのですか、基本給の伸びというのはだいたい予測できるのですけれど、たぶん年間で1%は難しいと思うんですよ。実は物価は1.7%も上がっているんです。さすがにこんなペースでいかないですけれど、でも、原油が上がっていって、これから転嫁されていることを考えると、たぶん1%ぐらいは物価が上がる可能性があると思うんです。それは何が言いたいかと言うと、要は、確かに昨年、実質賃金がマイナスに転じたのですけれど、今年もたぶん実質賃金はマイナスだと思います。そんな状況で、たぶん政府はデフレ脱却宣言なんて絶対できないと思います。先ほどの松野さんの名目賃金と実質賃金のワニの口のように開いているというのがありましたけれども、最大の要因は、消費税率の引き上げですよね。消費税を上げちゃったから物価が上がっちゃっているではないですか。それであれだけ名目賃金が…」
反町キャスター
「来年の10月はどうするのですか?2ポイント上げたら、さらに口が開いていっちゃうの?」
永濱氏
「でしょうね。私はそれがきっかけで景気後退に入ると思いますけれども、でも、やるのでしょうね、たぶん」

アベノミクス5年目の実像
反町キャスター
「宅森さん、いかがですか?消費税によって、実質と名目の賃金格差が開いていって、来年10月の消費税によって、さらにガーッと開くのではないかという永濱さんの話、どう感じますか?」
宅森氏
「統計的にはそうですよね」
反町キャスター
「やっぱりそうなる?」
宅森氏
「ええ、なりますね。だって、それを入れたベースでやるわけですからね」
反町キャスター
「そうすると、なぜアベノミクスで、こんな形で、企業内留保が400兆円と言われる中で、賃金にまわらない。これは政策が間違っているのですか?」
宅森氏
「いや、政策の方向はいいと思うのですけれども」
反町キャスター
「金融緩和して、円安誘導したと言わないのか、結果的に円安になり…」
宅森氏
「はい」
反町キャスター
「輸出関連産業が儲かり、関連企業に莫大な利潤がいくのだけれども、そこから下に下りていかなくて、企業内の中に、中小企業と合わせてですけれど、400兆円という、お金が貯まっていると。野党はそこに税をかけろというところもいたけれども、それは別にして、どこかに仕組みの間違いがあるのかと思ってきちゃうではないですか?」
宅森氏
「うん…」
反町キャスター
「これだけまわっているのに、なぜ賃金が上がらないのか、ここはどう感じているのですか?」
宅森氏
「ただ、予想の実質成長率みたいなものは、少し最近上がってきてはいるのですけれども、それでも、1%台前半ですよね。だから、実質ベースでそのくらいしか伸びないというのがほぼコンセンサスになっているわけですよ。そうすると、たとえば、設備投資をしてうまくいけばいいけれど、失敗したらどうしようとか、ずっとデフレ時代に守りの経営みたいな形でやってきている文化があるではないですか、なかなかそこを思い切って、勇気出してやるというのが、全体として見ると難しくなっているのかなと。だから、内部留保で貯め込んじゃっていて、設備投資も出ていることは出ているんです、でも、すごくギャップはあるよねという、そんな状態になっているのだろうと思いますね」
反町キャスター
「松野さん、いかがですか?」
松野氏
「宅森さんがおっしゃられた格好で、景気が悪い状態が、ずっとデフレの状態が続いたので、企業の経営者のマインドもかなり慎重になってきていて。手元にお金がいっぱいあれば、何かの時に使えるし…」
反町キャスター
「安心ですよね」
松野氏
「あるいはそれを使っちゃって失敗したらどうしようと。その時にまた景気後退にタイミングが合うと、ボロボロになっちゃいますので。また、設備投資するのでも現在の日本の成長率で設備投資するよりも、もうちょっと成長率の高い国で設備投資をした方がそれは回収しやすいですよね。ということを考えると、それは日本ではなく、海外の方がいいかもしれないと、そう考える経営者の方もいらっしゃるので。むしろそっちの方向を準備している、あるいはそういった格好で、かなり気持ちが萎縮しちゃっている、そのへんが内部留保を高めている大きな背景かなと思いますね」
反町キャスター
「そうすると、永濱さん、アベノミクスという政策そのものの建つけが…、これは無理なのだという話になるように聞こえて来ちゃうんですよ。だって、いくら金融緩和して輸出関連産業が儲かっても、その利潤は企業内で貯めるか、投資しても海外だと、国内に落ちないと。それで結局、賃金が上がらないと、これは別に政権批判とかではないけれども。これは何とかならないのですかと、そういう意味ですよ、どうですか?」
永濱氏
「いや、私は、方向性は間違っていないと思うんですね。それはなぜかと言うと、要は、これでいいかな、実は、日銀はインフレ目標を2%と掲げているのですけれど、政府は、デフレ脱却を判断する時に、要は、重要視すると言われている4つの指標というのがあって、この中で現在、要は、消費者物価とGDP(国内総生産)ギャップ、GDPデフレーター、単位労働コストというのがあって、実は4つがプラスに7~9月でなったんですね。なったので、デフレ脱却は間近と言われたのですけど。10~12月が出たら、GFPデフレーターと単位労働コスト、GDPデフレーターは0でしたね、単位労働コストは…」
反町キャスター
「それぞれ簡単に説明していただけると私にはありがたいですけれども」
永濱氏
「コアCPI(消費者物価指数)というのが、いわゆる消費者物価ですね、これはプラスですと。GDPギャップというのは先ほど、アメリカで見てもらいましたけれども、いわゆる経済の供給力に対して需要がどれだけ…かですね。GDPデフレーターというのは、これは、いわゆる国内で生み出される付加価値の単価と言ったらいいのですかね。要は、普通の物価は原油が上がるとプラスにいくのですけれども、原油は輸入品ではないですか、GDPは輸入が低いではないですか、GDPデフレーターというのは輸入品の値段が上がると下がる方にいく。だから、原油が上がったから下がるというのと。あと単位労働コストというのが、いわゆる付加価値1単位あたりの労働コスト、いわゆる賃金みたいな、イメージですけれど、実は下がっているということですね。私が強調したいのは結局、経済が正常化するとどういうことかと言うと、GDPギャップがプラスということなのですけれども、実は内閣府の計算ではプラスになっているんですね。でも、私は、これはたぶんおかしいと思っていて。なぜかと言うと、あれは…」
反町キャスター
「また、そんなこと…、霞が関の数字が間違っているというのが、毎日出ている中で、それも…」
永濱氏
「間違っているというか、計算がちょっとアレですね。要は、普通、経済が正常化すればアメリカみたく、アメリカはちょうど昨年、経済が正常化したわけです。しかも、あれだけ物価・賃金が、過熱感が出てきているわけですね。普通、ああなるはずですよ。日本はそうなっていない。たぶんこれが高すぎるのではないか。なぜそれを言うかというと、IMF(国際通貨基金)というところが、要は、国際比較ができるGDPギャップは計算しているのですけれど、アメリカはプラスですが、日本はマイナスですよ、まだ。出ます?」
反町キャスター
「出る?」
永濱氏
「そう。政府、内閣府のはプラス、日銀はプラスですけれども。これはまだマイナスです。ただ、要は、ここが正常化すれば、たぶん経済が、賃金とか、物価が、上がりやすい状況になると思うのですけれど。一応アベノミクスが始まってから縮小はしているので、方向性は間違っていないと思うのですけれども、足りないという状況なのではないですかね」
反町キャスター
「足りないとはまだ需要が弱いということですか?」
永濱氏
「弱いというか、具体的に言うと、たぶん金融は吹かしたと思うのですけれども、財政の方をたぶん閉めちゃったところが大きいと思うんです、早い段階で。だって、よく考えてみれば、消費税率の引き上げ3%は、家計の負担増8兆円ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
永濱氏
「プラス実はその間の社会保障の効率化で、実は社会保障給付というのが当初の想定よりも5兆円近く下振れしているということは、いわゆる10兆円以上の家計の、いわゆる恩恵というのですか、負担増が増えてしまっていると。まさに、まだGDPギャップがこういうマイナスになっているのですけれども、そういう状況で正常化するには両方アクセルを踏まなければいけないのに、片方はアクセルを踏んで、片方はブレーキを踏んだら、なかなか正常化には時間がかかっちゃいますねと」
反町キャスター
「現在、日本がとるべき政策というのは増税ではなくて…、財政をまだやるべきだという、こういう話ですか?」
永濱氏
「はい、保護主義を除いたアメリカみたいな政策をやる」
反町キャスター
「ごめんなさい、何を言っているのだかわからない」
永濱氏
「だから、アメリカが現在あれではないですか…、要は、経済が…」
反町キャスター
「公共事業…」
永濱氏
「経済が正常化しているのに需要刺激をやろうとして、それは間違いですよ。逆にそういう政策が現在の日本に求められていて、むしろ現在のアメリカに求められているのはまさに日本がやろうとしている負担増とか、再分配とか、成長戦略とか、たぶんそういったところが必要ですけれども。たぶん逆にしたらもっとうまく…」
宅森氏
「ちょっと明るい数字も、アベノミクスがんばっているところを…言おうかなと思いまして。これはGDPの、中の企業の設備投資です。実は5四半期連続プラスなんです。前期比で1%ですから、年率4%ぐらい実質で伸びているのですけれど。ちょっとこのへん、がんばってきてはいるんですよね。名目の設備投資の数字ですけれども、2017年の10~12月期ですね、名目値で87.6兆円ですよ。これがいつ以来かと言うと、10年前の1997年の10~12月期の88.2兆円以来のレベルまで戻ってきているんです。その前はと言うと1月に全部、現在の基準で過去に遡ってやった統計で比べると、1990年の1~3月期から1993年1~3月期のレベルに次ぐところまできているんです。要するに、バブル、その直後ぐらいですね。だから、結構、企業も知らないうちに、がんばって設備投資はやってきていると、緩やかですけれど。ただ、内部留保は余っているということは確かですからもうちょっとがんばってくれてもよかったけれども、ただ、1%台の成長率しかしないという予測が出ている中で全体の平均として、そんなにバンバン設備投資だけやれるかというところもあるのだと思いますね」

宅森昭吉 三井住友アセットマネジメント理事の提言 『AI時代を生きぬく力』
宅森氏
「『AI時代を生きぬく力』にしました。ちょっと気になるデータで、コミックスの市場がありますね、昨年減ったんです。これは電子コミックスができ始めた2005年ぐらいから見てみて、マイナスに、電子コミックスと紙のコミックスを合わせた数字が下がったというのは3回目なのですけれど。これまでの2回というのは2008年、リーマンショックの年と2011年の東日本大震災の年です。それが1%下がった。読まなくなっているのかなと。ちょっと気になる本が最近ありまして、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』ということで、これがすごくちょっと気になっているのですけれど。新井先生という方が、東芝のロボットをやった人、これで大規模な調査をやったら中学生の教科書読解力が全然ない。AI(人工知能)が仕事をとってかわる時代に、読解力をつけなかったらダメだろうということを言っています。だから、読解力をつける、そういう動きをする最初の年。長いことを考えると、雇用問題とか、すごく影響しますから、重要だと思います」

松野利彦 SMBC日興証券投資情報部の提言 『成長戦略をやりましょう』
松野氏
「成長戦略をやりましょうということで。現在の国会で森友問題・加計学園問題、いろいろあります。それはそれでやっておいていただいて。国会では日本の成長を考える。先ほど、宅森さんからあったAIももちろん、そうですし、自動運転ももちろん、そうなのですけれど、それらを含めた成長戦略の議論をドンドン深めていって、日本の今後の将来をもうちょっと考えた方がいいかなということで『成長戦略をやりましょう』と提言したいと思います」

永濱利廣 第一生命経済研究所首席エコノミストの提言 『景気回復 最後の年』
永濱氏
「景気回復最後の年ということで。おそらくトランプ減税の効果とかもあって、今年は景気回復が続くと思うのですが、来年は消費増税もありますし、そのタイミングでオリンピック特需もたぶんピークアウトするし、もしかしたらアメリカも景気後退に入るかもしれないので、そうすると、日本の景気回復も、戦後最長になるけど、終わりかなと。なると、今年はいいかもしれないけれど、来年以降の景気後退に備えた、たとえば、金融政策・財政政策をどうすべきか、成長戦略もそうかもしれませんけれど、企業経営もそうかもしれないですけれど、景気後退した時のことを考えて現在から備えておくということが重要だと思います」
松村キャスター
「大山さん、皆さんの提言と、今日、全体を通していかがでしたか?」
大山氏
「今日いろいろなお話を聞いてきたのですけれど、個人的にはまず世界の先進国の中央銀行が思いっきり実験的なことを実質10年ぐらい、リーマンショックのあとやってきた、そのあとの出口と言っていますけれども、その影響をいかにこう小っちゃくして、世界中の人が不幸にならないようにもっていけるかというのは、すごく日々のマーケットの動きとか、ちょっとしたことで反応しちゃったり、そういうこともあって。そのへんの正念場の年に今年は、ECB、ヨーロッパ中央銀行もこれから金利を…、金融を正常化していくとか、しますから、FRBもそうですし、日銀がこれからどうするのかというのはありますけれども、それが1つ。それから、政治リスク、それは朝鮮半島かもしれない、トランプさんが何をやりだすのかわからないかもしれない、ひょっとしたら習近平さんはこれからお墓に入るまで中国を支配するかもしれない。プーチンさんは、ロシアは韓国と同じぐらいの経済規模ですけれども、そういう人もいる。今日のお話をそういう世界中の為政者に純粋に経済で混乱しないようなことも常に考えてもらわなければいけないのだろうなというのと。最後は、なかなか日本人のデフレ・マインド、消費に火がつかないという、お年寄りがドンドン増えている中で、老後にどれだけ、人生100年時代とか言われ、どれだけお金が要るのだろうかという、たぶんそのぐらいの3つは、今年は政局もあるのかどうかわかりませんけれども、為政者の人に常に真剣にそれはアメリカもロシアも中国もいろいろなところで皆に考えてもらいたいなというようなことを考えて聞いていました」