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2018年3月21日(水)
トランプ政権で何が? 続く解任・辞任ドミノ

ゲスト

阿達雅志
自由民主党外交部会長 参議院議員
春名幹男
元共同通信ワシントン支局長
デーブ・スペクター
TVプロデューサー

トランプ政権の内情と行方 国務長官『交代劇』の衝撃
斉藤キャスター
「今夜のテーマは、解任と辞任が続くトランプ政権の行方と日本の対米外交のあり方です。現在、政権内部では何が起きているのか、日本はトランプ政権にどう対応すればいいのか、ホワイトハウスの事情に詳しい皆さんととともに徹底分析します。先週ですけれど、トランプ政権の主要閣僚の解任報道がありました。アメリカの外交部問のトップ、北朝鮮問題では対話重視派とされていたティラーソン国務長官を解任。これは13日にトランプ大統領がツイッターで発表しました。ティラーソン国務長官の任期は今月31日まで。後任にCIA(中央情報局)、ポンペオ中央情報局長官が指名されています。トランプ大統領は解任の理由として、イラン合意の意見の食い違いを例に挙げて『我々は考え方が一致していなかった』としました。阿達さんに聞きますが、この理由も含めてですが、ティラーソン国務長官の解任決定、どのように感じましたか?」
阿達議員
「政策的なところで、北朝鮮対応、それから、イラン合意の問題、それから、アフガンの増派の話、この3つで相当大きな違いが出ていたと。しかも、大きな背景には、ティラーソン国務長官というのは、どちらかと言うとグローバル派ですね。それに対してトランプ大統領というのは、いろいろな政策を見ても非常にローカルを大事にする、アメリカを大事にする、ここが決定的に違っていて、ギャップがドンドン広がってきていたということだと思います」
斉藤キャスター
「春名さんはいかがですか?」
春名氏
「ケミストリーが合わないというのはよく言われたんです。気が合わないと」
斉藤キャスター
「気が合わない?」
春名氏
「もうまったく、たとえば、ティラーソンさんの話し方が遅いと」
反町キャスター
「…」
斉藤キャスター
「自分が最初、選んだのですよね?」
春名氏
「ええ。推薦されたのは、キッシンジャー元国務長官とコンドリーザ・ライス元国務長官、それとゲーツ元国防長官が推薦したんですよ。これは相当、トランプ大統領が尊敬しているのではないかと思えたのですけれど、まず気が合わないと。要するに、もう化学反応をまったく起こさないというので、ケミストリーが悪いということですけれども。このタイミングが、いずれそれで辞めるのはほぼ間違いないと思っていたのですけれども、このタイミングは、北朝鮮との首脳会談を発表する直前です。従って、朝鮮問題と関係があると思います。つまり、トランプさんは情報機関からの情報で、北朝鮮側が首脳会談をやりたがっているという話を事前に手に入れているわけなんですよ。それで、それは全てポンペオさんから通じていたわけですね。ところが、それを、その点をティラーソンさんにぼんやりと伝えたんですよ、そうしたらティラーソンさんが、ちょっとこのへんもまったくつながっていないと思ったのですが、北朝鮮との会談はまだまだ時間がかかるよ、と言ったんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
春名氏
「だから、トランプさんは、これはもうまったくダメだな、俺の言っていることをわかっていないなとまた思われたんだと思うんですよ。しかし、ポンペオさんはまさに自分の求めることをやってくれたので、これはポンペオさんを当初の考え通りに次の国務長官に指名すると、こういうことになったのだろうと思います」
斉藤キャスター
「CIAの長官から国務長官にスライドすることで日本はどうやって対応していくのですか?」
阿達議員
「外交の継続性ということで言うと、CIA長官というのは、ホワイトハウスの外交関係の主要な会議にだいたい出ているんですね。だから、この北朝鮮問題、あるいはアジア・対中問題にしても、CIA長官としてこれまでずっと出ていますから、だから、特に引き継ぎで問題になるということはないと思います。それから、ポンペオさんというのは、個人的に、たとえば、現在のハガティ大使、現在の米国大使と非常に親交もあったり、そういう意味では、パイプということで急に変わるという、そう大きな支障はないのではないかと。ただ、ティラーソンさんに比べると、カンザス出身の下院議員であると、若干ローカルになってくるわけですし、それで実はポンペオさんというのは、議員になる前、コーク社という、エネルギー・コングロマリットに籍を置いて、エネルギービジネスなのですが、エクソンモービルに比べると、コーク社というのは売上げ10兆円ぐらいありますけれども、エクソンよりはだいぶ小ぶり、グローバルではないということですから。そういう意味でも、トランプ大統領とはある意味、話が合った部分があると思うんですよね」
デーブ氏
「それはもろにティーパーティー主義、しかも、政治的な圧力を平気で受けている人でもあるわけです。だから、中立心がまったくないと言ってもいいと思うんですね」
斉藤キャスター
「春名さんはいかがですか?」
春名氏
「コーク・ブラザーズというのは、兄弟で共和党への政治献金を、大量献金ですね。ところが、トランプさんと関係が良くないですよ。トランプさんはそのお金がほしいのではないかとも言われたのですが、従って、ポンペオさんと関係を良くすれば、そちらからも流れてくるかもしれないということがあると思います」

トランプ政権の行方と日本 どうなる?米朝首脳会談
斉藤キャスター
「さて、そのトランプ政権の外交トップが交代していますけれども、5月までに開催される予定の米朝首脳会談に向けた動きが始まっています。ちょっとおさらいしましょう。昨日と今日はフィンランドでアメリカと韓国の元政府当局者などと北朝鮮の外務省北米局副局長による非公式会合が行われています。4月中旬には安倍総理とトランプ大統領の日米首脳会談、4月末には南北首脳会談が行われる予定です。5月までに米朝首脳会談が行われる予定ですが。阿達さん、アメリカ・韓国・北朝鮮で、非公式会合を行っているのですけれども、日本としてはこの非公式会合のどこに注目しているのですか?」
阿達議員
「現在の状況というのは、もともと南北の間で会話が、対話が始まりましたと。その中身について韓国がアメリカへ持っていって、その中身を聞いて、トランプ大統領がそれだったら自分が会うということで動き出したと、こういう大きな流れなのですけれど。ここまでのところ、韓国からもちろん日本は説明を受け、アメリカから日本は説明を受けていますけれども、情報元というのは全部基本的に韓国だったわけですね」
反町キャスター
「なるほど」
阿達議員
「韓国が、北朝鮮と本当にどれだけ詰めた話をしているのか、それから、その言っていることの真意が本当に北朝鮮が言っていることそのものなのか、これが実は検証できていない中で物事は動いているわけですよ。ですから、当然アメリカにしても、もちろん、いろいろな情報機関を使って現在、あるいは各国にもいろいろ聞いてまわっている部分もありますけれど、アメリカ自身が本当に北朝鮮が言っている中身は具体的に何なのだと、これを確かめないと、この先に進めないというのがあるわけですね」
デーブ氏
「米朝会談と言っている割には、1番やりたがっているのは韓国ですからね」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
デーブ氏
「アメリカの国務省の代役をやっているような感じで文在寅大統領がこれだけやりたいわけですよ。ところが、金正恩さんがいきなり平和主義になったわけがないし、心変わりしたととても思えないですよ。だから、動機不純と疑う必要があると思うんですよ。やるのはいいのですけれども、そんな急に変わったはずがないですよ」
反町キャスター
「アメリカのテレビ・新聞というのは、米朝首脳会談、トランプ大統領と金正恩委員長の会談に対してはどういう報道ぶりなのですか?期待感を持って見ているとか、どこかでポシャるのではないかねとか、どんな見方をしているのですか?」
デーブ氏
「結局、それ以前に戦争というものに対して、特に中東、癖癖しているんですよ。2度としたくないですよ。出口が見えない。しかも、今回は下手に地上戦になった場合は、通常兵器でも、なった場合は、何万人も、韓国、ソウルも含めてですけれど、それは何があっても避けるため前向きになっているんです。ただ、騙される可能性も高いということですよね」
反町キャスター
「阿達さん、時間的な余裕、5月の末までにいけるのかどうかということとか、条件的に本当に折り合えるのかどうか。たとえば、非核化という言葉がありますよね。トランプ大統領も会見とか、ツイッターとかで非核化と言っているけれど、トランプ大統領の言っている非核化と、金委員長が韓国の特使に言った非核化、絶対違いますよね、非核化の意味が。つまり、どうなのですか?ということですよ」
阿達議員
「アメリカのトランプ大統領の外交というのは、ある意味ちょっときめ細かさをなくしているわけですね。トップダウンで大きな方向をボーンと決めると。あとはその細かいところは他の人達で詰めろと言われて。ただ、これ、詰めろと言われた時に現在の非核化も、核・ミサイル実験を停止するという、これに留まるのか、それとも、もう開発してしまった核を完全に捨てることを意味しているのか、もっと言えば、朝鮮半島自体の非核化を意味しているのか。朝鮮半島自体の非核化を意味する、意味しているのであれば、これは北だけではなく、米軍も韓国に一切、核を持ち込んではいけないという議論になるわけですね。そこまでの話をしているのか、わからないわけです。きめ細かい議論をしていない。たぶん南北の、韓国と北朝鮮の間というのはとにかく戦争をやりたくない、南北融和、南北対話で、また家族の交流とか、まったくテーマが違うところから動いていますから。およそそういう詰めを本当にやっているか怪しいですね」
春名氏
「おそらくこれは1972年の米中接触がありましたね。キッシンジャー、ニクソンが訪中しまして、上海コミュニケというのを決めて、しかしながら、正常化できなかったですよ。正常化はそれから7年後の1979年です。従って、今回も最初に政治的意思を示す。完全かつ検証可能な不可逆的な破壊と、これを実現するのをどこまでやるのかというのはそれ以後の具体的な交渉になってくるのではないかと」
反町キャスター
「それでトランプ大統領はいいですよね?俺の言った通りに進んでいるのではないかと?」
春名氏
「いや、そうだと思うんですよ」
阿達議員
「たぶんそれはアメリカの中で相当批判が出るはず」
反町キャスター
「そうですよ」
阿達議員
「それは、時間が経てば経つほど、その間、北朝鮮は核・ミサイルの開発を続ける。それによってアメリカまで届く完全なるICBM(大陸間弾道ミサイル)、核ミサイルを保持すると、バーゲニングパワーは、今度はまた北朝鮮側に移るわけです。そうすると、こういう細かいことをドンドン詰めていっている時間に、そういう開発が進んだら、これまでアメリカというのはもう何回か騙されてきたわけですね。2004年も、2005年も、2回連続、2000年に入っても騙されている。同じことはしないというのは、トランプ大統領は言っていますから」
デーブ氏
「そこが大変危険なんですよ、リスク高いですよ。トランプ大統領はまるで合コンに行く軽い気持ちで行くだけなのでいいのですけれど、普通だったらそれまでに巧妙な交渉で、今おっしゃったようなことをやってから、最後は首脳会談ですよ。ところが、首脳会談でもし万が一、何か合わないとか、ポシャったら、もう次はないんですよ、軍事になってしまうんですよ、結局は。北朝鮮は、核を、非核するとか、凍結すると言うだけで、どうぞ現在の北朝鮮、そのまま継続しても大丈夫ですよ、政権を保証しますから、それでいいのですか。だって、ミサイルをどっちみち使うわけがないです。現在の北朝鮮、あの恐怖の中で生きている人とか、平気で餓死したり、脱北者、脱走兵を撃ったり、恐ろしいんですよ。強制所もあるし、拉致のこともある。現在の北朝鮮、平壌の映像に騙されないように全国で考えてほしいですけれど、そのまま本当にあっていいのですか。それが1番まずいんですよ。在韓米軍は条件としてなくなるわけがないです。だって、中国は本当の脅威ですよ、申し訳ないのですけれども。北朝鮮はたいした脅威ではないんですよ、中国ですよ。現在あれだけ軍事拡大をしていますから。アフリカとか遠いところまで出かけているんですよ。そうすれば、本当にこの交渉って意味があるのかどうか。金正恩さんが本当に心変わりをしたならば、ベトナムではないですけれど、だんだん資本経済にして、自由にして、パスポートも与えたり、インターネット、どうぞご自由に…、とっくの前にできたんですよ。そんなの5分でできるんです。やってこなかったではないですか。なぜ今回だけ、こんな急に良い人ぶっているのか、疑うべきですね」
反町キャスター
「デーブさん、そういう世論がアメリカの中で徐々に強まってきた時に、トランプ大統領が米朝首脳会談に向けてだんだん自らのハードルも上げていって、これはちょっと条件が整わないから会うのをやめたわと言う可能性はあると思います?」
デーブ氏
「出てくると思うし、あと人権派はやかましいと言われるのですけれど、現在の北朝鮮は、とりあえず非核しますというスタンスだけ保っていれば、北朝鮮はそのまま、これから永遠にやってもいいということを鵜呑みにしていいかどうか、人権面、現在の北朝鮮の中の状況を考えると、そうはいかないと思うんですよ」

米朝接近と日米首脳会談
斉藤キャスター
「日本とアメリカに目を向けてみましょう。米朝首脳会談に向けて4月中旬に日米首脳会談に臨む予定です。安倍総理は4月中旬に訪米すると言われています。阿達さん、この日米首脳会談の目的というのはどこにあると考えていますか?」
阿達議員
「今回の話というのは、ほとんどが伝聞でしか伝わってきていない。本当に北朝鮮がいったい何をどこまでやろうとしているのだ、それに対して日米韓としてどこまで具体的な突っ込んだ話をするのか。これは第1回目の、たとえば、米朝首脳会談にしても、どういうアジェンダを、テーマを設定するのか、そもそもどこでやるかも含めてですけど、どこでどういうやり方でやるかを含めて、何を具体的に議論するかを含めて、詰めないといけないことが膨大にあるわけですね。しかも、それをもとにして、今度はお互いがどこまでの交渉をする気になるのかというのが決まってくるわけですから。そこで日米でこれまで集めた全ての情報をしっかりと議論をしながら今後の対応を考えると。それをもとに、この南北首脳会談に対しても、文在寅大統領に対しても、日本とアメリカの姿勢はこうだというのをしっかりと伝えないといけないということだと思います。だから、今回の日米首脳会談というのは、これまでの情報を全て総合したうえで、日米として今後の進め方について具体的な検討をする、そのための会談ということになると思います」
反町キャスター
「核とミサイルについてトランプ大統領はやってくれるかもしれません。拉致の問題までトランプ大統領がキチッと北側に押し込んでくれるかどうか、たぶん日米首脳会談において、トランプ大統領に対して総理が、それが全てとは言いません、いくつかあるうちの重要な柱だと思うのですけれども、アメリカを介して北に対して拉致の圧力をかけるということ、これについての可能性、どう見ていますか?」
阿達議員
「これはこれまでも安倍総理がずっとやってきた。今回のこの話の中でも項目として必ず入れてくれと、これは日本として絶対譲れない一線だと、こういう話はされると思います」
反町キャスター
「なるほど。春名さん、米朝ないしは南北のところで話が進む中で拉致問題というのがどういう扱いになっていくのだろうか?そこの心配について、どう感じていますか?」
春名氏
「私が思うのは、1回目はちょっと日本側が失敗したのではないかと」
反町キャスター
「1回目というのは?」
春名氏
「と言いますのは、平昌オリンピックの時に、安倍さんが文在寅大統領と会ったわけで、会われた時、拉致問題を北側に言ってくださいよと、金与正氏に言ってくださいと、あの時に言っていたら、少し違っていたかもわからないと」
反町キャスター
「ああ、口利き頼んでいない?」
春名氏
「文在寅氏は、金与正氏が南北首脳会談を提案した時に、まずは米朝会談ですよと言ったんですよ。従って、そのあとすぐにトランプさんに電話をかけて、この米朝を先にやってくださいとお願いしたわけですね。言われたことは必ず実行しているようなので、文在寅氏にこの点を、強く求めるべきだったと思いますね」
反町キャスター
「晩餐会の時に、北の特使に対して総理は立ち話で、我々は拉致の問題があるのだからと、一方的にかもしれないけれども、確実にパーソナルで、1対1で伝えたこともありますよね。あの言葉は、間違いなく彼のお腹に留まるわけもなく、金委員長のところに伝わっていると思うのですけれども?」
春名氏
「金永南さんは、儀礼的なナンバー2ですよね。おそらく金与正氏の方が、金正恩氏に伝わったと思います」
反町キャスター
「そうすると、拉致の問題は、日朝という別のパイプ、核・ミサイルは米朝・南北でやるとして、南北は離散家族とか、開城とかいろいろあるのでしょう、核の話は米朝とか、南北でやってもらうとして、拉致の問題は日朝という、第3のトラックをつくらなくてはいけないのか、ないしはあくまでもトランプ大統領、ないしは南北、彼らの交渉に拉致というものも潜り込ませてやるものなのか、このイメージはありますか?」
阿達議員
「日朝は過去の交渉を見ても、日本側のバーゲニングパワーがないですよね」
反町キャスター
「なるほど」
阿達議員
「バーゲニングパワーを1番、現在持っているのは間違いなくアメリカですよ」
反町キャスター
「なるほど」
阿達議員
「ですから、このアメリカと日本が一体になって、一緒にそこでは行動するということ、これしかないと思いますね」
反町キャスター
「日米と北朝鮮の形でやって、そこで核・ミサイルと拉致を包括的に話し合うテーブルみたいな、そんな意味で言っている?」
阿達議員
「いえ、この部分については、幸い、安倍総理とトランプ大統領は非常に近い関係ということで、トランプ大統領自身が議会演説でもはっきりと拉致の問題をテーマで取り上げた。また、自国民の拘留の問題と一緒に会わせて、相当の行数を使って、この間、言いましたでしょう」
反町キャスター
「敢えて言うとトランプ大統領の政治的なアジェンダに対するスタミナ、持続性ですよ、どう見ていますか?」
阿達議員
「トランプ大統領はこれまで人権に対してはほとんど触れてこなかった。ところが、一般教書でなぜあれだけ人権問題に触れたのだろうか。しかも、平昌オリンピックの時にペンス副大統領が行くにあたって北朝鮮で亡くなったアメリカ人、学生の親を同席させて連れて行ったと。これは人権の部分というのを北朝鮮との交渉でも全面に出そうという意思がトランプ大統領はあるのだと思うんですね。そこを日本はしっかりと、そこに日本人の拉致問題も入れてもらうと、これが大きいところだと思います」

続くのか『解任・辞任ドミノ』
斉藤キャスター
「トランプ政権は発足以来、主要閣僚や高官の辞任と解任を繰り返してきましたが。最近ではトランプ大統領の最側近の1人だったヒックス広報部長だったり、コーン国家経済会議委員長、ティラーソン国務長官、ロシア疑惑等の捜査をめぐってトランプ大統領と対立していた、マケイブFBI(連邦捜査局)副長官も退職の直前に解雇されました。解任・辞任報道が出ている主な政府高官ですけど、安全保障担当のマクマスター大統領補佐官、ケリー大統領首席補佐官、セッションズ司法長官などが挙がっています。阿達さん、日本としては、安全保障担当のマクマスター大統領補佐官の動向が気になると思うのですが、解任の可能性をどう見ていますか?」
阿達議員
「ティラーソン国務長官の時も事前に何回か噂が出て解任です。マクマスター大統領補佐官についても何回か出ていますから。ティラーソン長官が相性が合わなかったのと同じように、このところ、マクマスター大統領補佐官とトランプ大統領というのが合わない状況というのが非常に増えてきていますから、ですから、時間の問題という可能性は十分あると思います」
斉藤キャスター
「タイミングを計っている可能性というのもありますよね?」
阿達議員
「タイミングなのか、何かのはずみでこれまで蓄積していたものが一気に出るのかよくわからないですけれど。このままずっと1期目最後までいくとは思えないですね」
反町キャスター
「春名さん、マクマスター補佐官とトランプ大統領は政策的に違う部分、食い違い?ティラーソンさんみたいに、どこかで『低能』と言ったとか、そういう話ではないですよね?」
春名氏
「ないですが。マクマスターさんとトランプさんもケミストリーが合わないです」
反町キャスター
「そんなこと言ったら、誰とも一緒に…」
春名氏
「マクマスターさんは、学者ですよ。博士号をとったのは、ベトナム戦争の歴史を書いて、現在でも名著と言われているのですけれども。彼は軍隊の期待を担って大統領の側で仕えると、彼は一生懸命やっているのですけれども、気が合わないということですよ。従って、彼はまだ軍籍がありますよ、中将で。現在、軍隊の方がポジションを探しているんですよ。と言うことは…」
反町キャスター
「では、もう戻る前提だ?」
春名氏
「そうです。おそらく、お辞めになるのではないかと思うのですが。あと名前がいろいろ出ているのですけれども、マクマスターさんが1番いいと思います、彼は、またケリーさんと同じで、大統領にNOと言う人なんですよ。NOと言える人ですよ。従って、この大統領はそれがうっとうしいということなのだろうと思います」
反町キャスター
「いかがですか、デーブさん?」
デーブ氏
「トランプ大統領は、自分の奥さんのメラニア夫人とでも相性が合わないわけですから。ましてこういう人達が実際に足を引っ張るわけですから、とても無理で必然的に皆が解雇されますよ。自分より賢い人、目立つ人、あとNOを言える人、足を引っ張るような人とか、あるいはマスコミに直接喋るような人、ちょっとドヤ顔をする、そういう人達はすぐさま敵になります」
反町キャスター
「でも、デーブさん、ラスムッセンの支持率は47%ですよ?直近の世論調査で言うと、安倍総理よりも高い」
デーブ氏
「いや、どこで聞いたか、対象がわからないと参考にならないと思うんですね」
春名氏
「ラスムッセンはだいたい高いです」
反町キャスター
「ちょっと高めに出るとは言いながらも…」
春名氏
「平均すると35%と40%の間を行き来しているんです。ラスムッセンだけが何かかなり高いという状況なので。おそらくあまり変わりないと同時に、問題は…」
反町キャスター
「でも、変わっていないということはわかりやすく言うと、40%の鉄板の支持層、これだけ叩かれても4割あるということは、残り7%、8%上乗せすれば、中間選挙だろうと、州知事選挙だろうと、勝つんですよ」
春名氏
「ただ、今回、ペンシルベニア州の下院の補欠選挙で、トランプさんが20ポイント差をつけて勝った場所ですよ、そこで僅差ですけれども、負けてしまったと」
阿達議員
「ただ、ペンシルベニアの18区ですけれど、民主党候補がなぜ勝ったかというと、実はトランプ大統領に乗っかったんですね。トランプ大統領の政策を全部支持する側にまわった。だから、争点を消したんです」
反町キャスター
「民主党候補が?」
阿達議員
「ええ。だから、私、先ほどのその数字を見た時に思うのは、トランプ大統領がもともと出てきた時に、なぜ彼が出てきて大統領になれたか。これは既存の政治家に対する、既存のアメリカのエスタブリッシュメントに対する、すさまじい不満、経済面での格差だとか、そういう何か失われた人々、この人達の怒りでなったわけです。現在やっている政策、あるいはこういう人事、これは実際にはグローバルに対して、極めてアメリカ的なものを、もっと言えば、中西部の田舎の製造業の古き良きオールドエコノミーのアメリカ、これを代表するようなところですね。そこで彼は大統領になった。現在もその政策をドンドン貫いている」
デーブ氏
「そうですけれど…」
阿達議員
「だから、コアをやった時の方が支持率は上がっているんです」
デーブ氏
「いや、そうですけれど、アメリカ・ファーストが現在、アメリカ・ラストになりそうなんですね。つまり、大学生も留学生も行かなくなるし、いろいろな意味では、もうダメです。確かにおっしゃった通り、政治不満があって、そういう時にはまだわかるんですよね、トランプさん、ちょっと変えてくれそうと、わかるんです。ただこの14か月でしたか、経っているのは、見て、こんなドタバタで、能力不足で、いろいろなスキャンダル、女性スキャンダルだってもう3人も出てきたんですよね。あんなの見ていて、それでもまだ支持するというのは支持する側の問題ですよ」
反町キャスター
「それは、だって、アメリカ人がアメリカ人を批判する…」
デーブ氏
「その通りなので、恥ずかしいですよ。なぜ支持率が下がらないのか、最大の謎だし、謎ですよ、気にしていないということですよ」
反町キャスター
「そうではないものをトランプ大統領にアメリカ人の半分の人が求めているのでしょう?それは、突破力だったり、もしかしたら非常に危険なものかもしれないけれど、腕力だったり。そういう破壊力みたいなものを求めているのではないのですか?」
デーブ氏
「かっこいいと思っているんですよね。ダイ・ハード的な。だけど、あれだけ真面目に、ペンスさんみたいに原理主義でクリスチャンとか、モラルを特にすごく大事にしているのに、トランプさんみたいに真逆のことをやっても平気です、全然、気にしないんですよ。その矛盾があるのに、それでも支持層が減らないというのはもともとの支持層は申し訳ないけれども、思考停止しているんですよ」

米国『次の一手』とその影響
斉藤キャスター
「さて、アメリカ外交トップの交代劇の中、トランプ大統領はこのような行動に出ました。今月16日ですけれども、アメリカのトランプ大統領はアメリカが台湾と断交して以来、控えてきた、台湾の高官などの相互訪問を促進する台湾旅行法に署名。この法律は成立しました。これに対して中国はと言いますと強く反発しています。習近平国家主席は昨日、全人代、全国人民代表大会の演説で『祖国を分裂させるあらゆる行為やたくらみは必ず失敗する』と述べました。阿達さん、トランプ大統領はどうして、中国を刺激するようなことを言ったのでしょう?」
阿達議員
「昨年の後半から、アメリカにおいて、特にトランプ大統領が率先してやっているのですけれど、中国脅威論がすごく高まっているんですね。これまでどっちかと言うと、中国に対してシンパだった学者、あるいは議員が、急に中国脅威論を皆が言い出している。手のひらを返したぐらい言っていると。昔の日本脅威論が出た時代がありましたね、1980年代、経済力が、日本がググっと…。あの時の日本脅威論、日本異質論に加えて、軍事力があると。異質で軍事力を持っている中国ということで脅威論がグッと高まってきていると。それに対し、そういう中で、中国自身がさらにアメリカに対して正面からぶつかるような『人類運命共同体構想』、これはこれまでの西側の価値観というのがもうダメなのだと、これからは中国を中心にした新しい価値観をアジアに広げていくという、この偉大なる大中華帝国が全面に出始めているわけですね。そういう中で、2020年に台湾に中国が軍事侵攻するのではないか。こういうことを言い出したアメリカの学者まで出てきたと。こういう中で、この中国脅威論がある、そういう中で台湾に対して、中国が手を出しにくい状況をつくるために、現在は台湾関係法、断交して以来、台湾関係法という形で台湾がアメリカの武器を買うことは認めているわけですけれども、それ以降、以上の国交ということは持っていないわけですね。これを旅行法という形で、もう少しはっきりさせて中国に対する対決姿勢をもっと出そうという意図があったと思います」
斉藤キャスター
「春名さん、どうしてこのタイミングで中国をこうやって刺激するようなことを言うと思いますか?」
春名氏
「トランプ大統領は『1つの中国』論に反対なんです、もう明らかに。彼は大統領になる前にも言っていました」
反町キャスター
「言っていましたね」
阿達議員
「言っていましたよ」
春名氏
「現在、阿達先生が言われたみたいに中国に対する脅威論が本当に高まっていて、中国が現在やっていることは、ソフトパワーでもないと、ハードパワーはある、軍事力が、新しい概念で、シャープパワーだというのが、新しく出てきたんですよ。これが現在でもアメリカの政府機関からも出ていますし、あるいはアメリカのフォーリン・アフェアーズという雑誌がありますよね、あの特集で、なぜワシントンは中国を取り違えたのかというのを特集しているんですよ。つまり、こんなふうになって、中国が独裁国家になることはまったく予測していなかったと。WTO(世界貿易機関)を通して、世界のシステムに統合していけば、中国は民主国家になるという漠然とした期待が間違っていたという反省です」
デーブ氏
「これだけは大賛成です。トランプ大統領を抱きしめたいぐらい、よくやったと思うんですよ」
反町キャスター
「その1点だけで抱きしめることはできるのですか?」
デーブ氏
「できる…、できないかも…」
反町キャスター
「どっちなのですか?」
デーブ氏
「だから、トランプさんだったら、たぶん香港をイギリスに返してあげたいと思っているぐらいのことだろうけれども。でも、本当にその通りで、これまでずっと忖度し過ぎ、テレビで国と言っちゃいけないとか、いろいろな縛りがあって。ところが、アメリカだって勝手にできた国なのですけれど、皆、アメリカをやめろと言わないわけですよ。これは最後の中国のバッファーゾーンになっているわけですから、これは、よくやったと思うんです。しかも、旅行という優しい言葉が入っているからうまくやった。これは本人の思想なのか、誰の発案なのかわかりませんけれども、よくやったと思うんです。中国が南太平洋の7つぐらいの人工島をはじめ、ジプチの基地は暫定のものではなくて、ずっとあるような建物、恐ろしいです、ニュース映像で見ればわかるのですけれど。そんなことをやっているわけですよ。表向きは、経済面はすごくうまくやっているんですね。それはいいのですけれど、文化面もいいのですけれど。なぜ中国がそこまで軍事拡大しなければならないのか。いろいろなところにちょっかいを出すのか。しかも、現在、習近平さんが、永遠にそのポジションを保つことができた、終身雇用みたいなものができたと。脅威論は当然出てくるんですよ」
反町キャスター
「阿達さん、台湾旅行法、結果この法律が決まることによってトランプ大統領の台湾訪問というのは可能になるのですか?」
阿達議員
「うーん、あり得ますね」
反町キャスター
「行ったらどうなります?大変な騒ぎになりますよね?」
阿達議員
「それはなりますね。ただ、これはもう昨年、大統領になった時に台湾の蔡英文総統からの祝電を受けているわけですね。だから、そこまでやっていますから、電話を受けて会うのはダメだということにはならないかもしれない。だから、場合によったら、そこまでやる可能性というのはあると思います」
反町キャスター
「その時、米中関係、どうにもならないところまでいっちゃいますよね?だって、核心的利益の核心的利益の核心ではないですか、そんなリスクはとりますか?」
阿達議員
「ただ、カードとしては持っておくと思いますよね」
反町キャスター
「行くぞと言って、嫌だったら北朝鮮に圧力をかけるみたいな?」
阿達議員
「トランプ大統領自体がビジネスマンですから、まず半分ハッタリって言ったらなんでけれども、高めのボールをボンと投げて、様子を見たうえで、落ち着きどころを探るというのがよくやりますから。だから、高めのボールで、そこで何らかの形で対話をするのだということを言う可能性というのはあるし、それを最初の段階は必ずしも、そういう直接の対話でなくてもいいわけですね。あるいはそういういろいろな国際会議に台湾を出席させるという形でドンドン入り込ませるとか、そういうことはアメリカはやりかねないと思います。それはトランプ大統領がもともと言ってきた話の中に現在の世界の国際機関のあり方がおかしいのではないかと。この国際機関のあり方をもっと見直していかないといけないというのは、トランプ大統領はかねて言っているわけですよ。そういう見直しの過程の中で、台湾という実際の存在についても何らかの配慮をすべきだと、特に健康・安全・衛生面については加えるべきだという議論をトランプ大統領が言い出す可能性というのはまずあると思います」
反町キャスター
「米台がそういう形で接近した時に、中国がそれなりに苛立つ、それが結果的に、たとえば、尖閣の海域に入ってくる中国の公船の数が増えるとか、あの海域における緊張感が増すとか、そういう日本に対しての中国の圧力が高まる可能性、これは当然警戒しなくてはいけない?」
阿達議員
「あります。トランプ大統領が先ほど言ったような、きめ細かい外交なしで動いていくと、それに日本は振りまわされるリスクというのは常にあると思います」
反町キャスター
「今度、日米首脳会談でも、総理からトランプ大統領に対して、拉致も頼むけれども、台湾に行く時は一声ちゃんと相談してねと?」
阿達議員
「実は日中関係というのはもっと難しい部分があって現在、米中が非常に対立関係になった、非常に厳しい関係になったと言ったんです。ただ、実はトランプ大統領と習近平国家主席、お互いに訪問をしているんですよ、実は。そういうことができる関係。実は日本と中国はそれができていないです。現在、アメリカと中国は激しく対立しているように見えるのですけれども、日中は過去5年半、尖閣の国有化以来、関係は冷え切っていて現在、実は中国との関係をいかに良くしようか、していると。ただ、良くしようとしているのは、通常の関係に戻そうというだけの話ですけれども。ただ、現在のアメリカの方向性、中国に対してこれからドンドン厳しくするぞという方向性とは逆です。この逆の中で、しかも、真ん中に尖閣があるということですから、日本の舵取りというのは非常に難しいと思います」

TVプロデューサー デーブ・スペクター氏の提言 『ハートのエースをちらつかせてジョーカーを最後に出す』
デーブ氏
「トランプですので、こう考えます。ハートのエースをチラつかせて、ジョーカーを最後に出すと。ちょっと褒めて、良いことを言ってあげると乗っちゃうから、本当に言いたいことは最後ということ」

春名幹男 元共同通信ワシントン支局長の提言 『戦略的決断』
春名氏
「北朝鮮の問題、確かに問題があるのですけれども、中国がもっと大変な問題だと思います。従って、トランプさんと話をする時も戦略的な思考を忘れずに日本にとって最も大事なことを決断するということで動いてほしいと思います」

阿達雅志 自由民主党外交部会長の提言 『絆から協働へ』
阿達議員
「『絆から協働へ』ということで。現在、日米関係はトランプ大統領と安倍総理の非常にユニークな関係、個人的な相性・絆、これによってある意味うまくまわっているのですけれども」
斉藤キャスター
「現在は?」
阿達議員
「ええ、現在は。ただ、どうもここへきてアメリカから日本が貿易赤字削減に対して協力をしないとか、相当いろいろな厳しい話が出てきている。また、こういう中でトランプ大統領がドンドン前に進んでいっていますから、これからは単に絆だけではなく、日米が本当にどういうところで一緒に動くのか、一緒にものを進めていくかということを進めていかないと、ちょっと日米関係も先行き不安が残るのではないかということです」
斉藤キャスター
「正念場ですね?」
阿達議員
「はい」