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2018年3月19日(月)
検証!改ざん集中審議 ▽ ロシア大統領と領土

ゲスト

福山哲郎
立憲民主党幹事長(前半)
小池晃
日本共産党書記局長(前半)
岩井奉信
日本大学法学部教授(前半)
武見敬三
参院自民党政策審議会長(後半)
袴田茂樹
新潟県立大学教授(後半)
ポダルコ・ピョートル
青山学院大学国際政治経済学部教授(後半)

検証・文書『改ざん』集中審議 『新たな事実』と『残る疑惑』
竹内キャスター
「昨日、投開票が行われたロシア大統領選挙、プーチン大統領が得票率76%を越える歴史的勝利を収め、4期目となる大統領就任を決めました。新たな体制が発足する5月には安倍総理のロシア訪問が取り沙汰されていますが、権力基盤が引き続き盤石となったプーチン大統領と日本は北方領土問題の解決など平和条約交渉を前進させることができるのでしょうか。ロシアの専門家の皆さんとともに今後の焦点を聞いていきます。その前に、反町さん…」
反町キャスター
「内政の最大の課題になってしまいました財務省の文書改ざん問題なのですけれども、今日の参議院の予算委員会、安倍総理、麻生財務大臣等々出席する中で、集中審議が行われました。今日はその集中審議の場において質問に立たれた2人と、あと岩井先生を迎えて、今日の集中審議で何が明らかになったのか、今後の課題のポイントとなる証人喚問の行方がどうなっていくのか。急遽、集まっていただいて、この問題を緊急検証します」
竹内キャスター
「森友学園をめぐる文書改ざん問題の参議院予算委員会の集中審議が行われました。出演いただいている福山さんと小池さん、2人とも質疑に立たれました。今回、解明したかったこと、それについての回答で明らかになったことを話していただきたいと思うのですが」
福山議員
「1つは5日に国交省が、改ざんした文書を官邸とか財務省に投げたのだけれど、伝わっていないとか、5日にそういう話になったのに国会議員には前の文書を出している、それに対して理財局長は何かいろいろ確認して、捜査当局に理解をしていただかなければいけないというような話とか、いろいろ答弁する時に捜査が、捜査がとか、国会で誤解を受けるからという話をされるのですが。実際は今日、刑事局長を呼んで確認をしたのですが、地検側は、申し訳ありませんけれど、証拠について何かを出したりとか、実際に任意の聴取、任意の提供しているものとか、強制の提供しているものとかは、それを刑事局長側というか、地検側で制約をしたり、言うなという指示は一切していないということが明らかになったんですね。これは完全に財務省側が忖度して、それを国会答弁で逃げるために使っているんです。1番問題なのは、ここにあるのですけれども、実際に任意であろうが、強制であろうが、押収した資料は押収品目録交付書というのがあって、これは財務省に全部、地検が出しているんです。ですから、何が行っているのかを確認するとか、調査をするのに時間がかかったと言っていますが、これを見れば一発で地検に何が行っているのかがわかって。改ざん前の文書か、改ざん後の文書か2種類行っていたのか、1種類しか行っていなかったのかも全部わかるんですね。ですから、何か我々が、当局というか、捜査側に配慮して、理解をいただかなければいけないので、みたいな説明は相当、時間がかかっていることに対していうと、説得力に欠けていまして。要は、佐川さんの辞任に向けてとか、どういう対処をしようかについての時間稼ぎをしていたとしか思えないというのが1つわかりました。あまり長くならないうちに、これで終わりますが、もう1点重要なのは昨年の2月、3月は、答弁を改ざん前の文書でつくっていたということを今日認めたんですね。と言うことは、2月、3月は全部、安倍昭恵総理大臣夫人が籠池側や、やりとりが全部明らかになっている文書で答弁をつくっていた。その時に改ざんしていると言っているのですが。4月の末に、今日初めて、私、確認したのですが、4月の末に、会計検査院に出しているんですよ。会計検査院に出しているのはどっちだと聞いたら、改ざん後を出しているんです。と言うことは、2月、4月に改ざんしていて、改ざん後に会計検査院に改ざん後のヤツを渡しているということは、会計検査院に改ざん後のものを渡すと、誰かが意思決定しないと絶対に渡しませんよね。だって国会に提出したのはもっとあとですから。その前に改ざん後のヤツができあがって会計検査院に提出しているわけで。それは行政間の話ですから。当然、改ざん後のヤツを会計検査院に出すということを意思決定しているわけですよ、誰かが。ですよね?実は会計検査院法でいうと、非常にまずいことですよね。改ざんしたものを出してやっているわけですから。それは誰が意思決定したのだと言ったら、太田局長は、いや、それはウニャウニャ答えていたのですけれども、最終的には当時の理財局長であった佐川さんが決裁しない限り、そんなこと渡すわけがないです。だから、最終的には佐川さんだということをほぼお認めになられたので、最近、太田局長がよく言われている『佐川局長は知っていたと思う』という発言がずっとあるのですけれども、知っていたと思うどころではないんですよ、会計検査院に改ざん後の文書を出す意思決定を佐川さんはしているわけで、当時の理財局のメンバーは皆そのことをわかっているということが今日明らかになりました」
反町キャスター
「ただ、そこの部分で、佐川さんが最終的に証人喚問等々で出てきた時に、あなたはその時に改ざんのことを了解していたのか、知っていたのかどうか、という時のすり合わせができているのか、できていないかによって口の重い軽いに当然反映していきますよね?」
福山議員
「変わりますね。それから、本当に会計検査院に理財局長が意思決定をしたのか?では、本当に部下に責任をなすりつけて、財務省というのは、会計検査院、行政局に渡す時に、勝手に部下が渡すのか、というみたいなことも含めて、ポイントは今日明らかになりました」
竹内キャスター
「では、小池さん、今回の質疑、いかがでしたか?」
小池議員
「今日の質疑というのは、この間、国会が不正常になって、事実上、総理に対して初めて再開した国会で聞くわけですから、入口のところの議論ですね、今日は。この問題をどう認識しているのかと、そもそも。文書を、公文書を改ざんするというのは犯罪行為なわけですよね。しかも、国会が与野党一致で求めたものが改ざんされていたというのは、これは行政府が立法府を騙したわけですから結局、国民を騙したということになるわけです。そういう重大な問題の認識があるのかというところから入ったんです。要するに、財務省の1部局の責任の問題ではなくて、内閣全体が根本から責任を問われなければいけない問題ではないかと。最初なかなか安倍さんはすんなり答えなかったのですけれど、そこは、最後は行政の長として内閣としての責任だということは認めました。そのうえで焦点は、とりあえず当面は証人喚問の実現なので。佐川氏、それから、安倍昭恵氏、私はその2つの問題に絞って証人喚問の必要性ということを明らかにしようと今日、議決せよということを求めたんです。佐川氏について言うとどう考えてもおかしなことがいっぱいあって、福山さんからも知っているはずだという話があったのだけれど。要するに、直接聞いていないわけですよ、何も聞いていないですね。要するに、退職の時に、事務次官がどういう経過だったのか聞いたけれども、要するに、刑事訴追の恐れがあるからと何も喋っていない。にもかかわらず、麻生さんも含めて、『佐川は知っていると思う』と言うわけですね。まあ、知っていると思いますよ。知っていると思うけれど、刑事訴追に問われる可能性があるようなことを、本人にも確かめもしないで、本人の言も得ずに、なぜそんなことを言うのか。と言うのは、ちょっと私は本当に異常だと思いますし、聞いていないのだったらば、なぜ聞かないのかと言うと、退職したからだと言うのだったら、これはもう証人喚問しかないではないですかということですね。それをまずやりました。実際には聞き取りをやっていないと、聞いても答えてもらえなかったと認めているわけだから、これはもう証人喚問しかないですよ。それから、もう1つは昭恵さんでしょうね。安倍首相は関与していないと、これは明らかだと言うけれど、今日の世論調査を見ても皆、昭恵さんの証人喚問が必要だと65%が答えている。ちょっとごまかしがあって、改ざんしたことによって別に隠していないと、もともとこういう、たとえば、写真を撮ったとか、インターネットの産経新聞の記事に出ていたとか、皆、知っているではないかと。だから、改ざんする必要がなかったのだと安倍さんは言う。問題は改ざんするか否かの以前の問題として、なぜ安倍昭恵さんが財務省の土地取得の特例承認の決裁文書に名前が出るのですか。それを聞いたんです。国会議員の動向は、これは重要ですから書いていますと言うから、でも、安倍昭恵さんは国会議員ではないでしょうと。なぜ安倍昭恵さんが出てくるのですかと言ったら、太田理財局長がちょっと首をかしげながら出てきて、総理夫人ということだと思いますと。あの答弁の時に、何か一瞬、議場がちょっと凍った感じになって。そのあと、どよめいて、皆、拍手して。これはだってもう明確ではないですか。特別な存在だということを認めているわけですよ」

証人喚問の焦点は
竹内キャスター
「福山さん、佐川氏が証人喚問をされるとなれば何が焦点となってくるのでしょうか?」
福山議員
「改ざん文書を何の目的で、ご本人と思いますが、佐川さんがどういう思いでこの指示を出し、動いたのか。実は実際の森友の交渉自身とか、最後の契約は、佐川理財局長ではないですよね、前の迫田さんという方で、この人は山口県出身ですから、状況によっては安倍総理ともご縁があるのかもしれません。この方がやったものを佐川理財局長はある意味、尻拭いをしたわけです。その尻拭いのやり方が改ざんという大変問題のあるやり方だったのだけれど。なぜそういうところに佐川理財局長はじめ、理財局のメンバーが追い込まれなければいけなかったのか、その理由とかが1つの焦点になると思いますよ」
反町キャスター
「小池さん、いかがですか?証人喚問」
小池議員
「佐川さんについて言えば、なぜあんな答弁を繰り返したのか。捨てました、適切に廃棄しました、ありません、ということを一貫してやってきたと。それはいったいどういう背景で、どういうことで、ああいう答弁をしたのか。それと合わせてなぜ改ざんをしたのか。改ざんの事実はどこまで相談したり、報告したりしているのか。今日、ある週刊誌で元財務大臣だった藤井裕久さんが、理財局長が国会対応、政治案件絡みの官房長、あるいは事務次官に相談しないはずはないとおっしゃっているし、財務大臣にもこれだけ重大な問題であれば、改ざんするのであれば、話しているはずだとおっしゃっています。藤井さんがおっしゃっているだけに、これはそういう重みがあると思うんです。『刑事訴追があるから』ということは言うかもしれないけれども、しかし、そこは徹底的に、これは証人喚問の場で明らかにしなければいけないと思いますね」
福山議員
「理財局は答弁をつくっていたわけです。今日も明らかになったのですけれど、答弁は改ざん前の決裁文書を前提につくっているわけです。そうすると、総理案件であり、財務大臣や官房長官に質問も飛んでくるわけです。これは非常に重要な総理に関する案件ですから、少なくとも状況となぜこういう答弁になっているのかということは全部、財務省の秘書官に理財局から伝えているに決まっているわけです」
小池議員
「だいたい昨年のこの議論というのは、予算委員会でやっている、衆参。予算委員会、総理出席の質疑でやっている。その場合は、たとえば、質問通告の時だって内閣参事官室が必ず来るわけですね。そういった答弁書について、しかも、総理が関わるような問題を取り上げる時に全部これは当然、官邸に。もしかしたら財務大臣も飛び越えて…」
福山議員
「いや、私はどっちかと言うと…」
小池議員
「…相談している可能性がある」
福山議員
「私は、官房副長官で総理レクを毎日やっていた人間ですから。だから、何か問題がありそうな案件とか、大きい案件で、総理に直接質疑がくるようなヤツは必ず担当の省庁から、そのことをわかっている人間を呼んでくるとか、現物の資料を取り寄せて、これの状況で何を答弁するかというのを全部やりますから。普通で考えれば理財局だけで自己完結して何も伝えないみたいなことはあり得ないですね」
岩井教授
「政府・与党側について言うと、とにかく佐川の責任にしようと。これは麻生さんが12日の、会見の時に最初からもう佐川ということを出して、あと、その辞職の時に処分までつけているわけですよね。あれは非常に異常な形ですよね。その翌日に菅さんが麻生さんに責任はないのだと、もうストーリーはそこでまず固まっているわけです。その枠の中でやろうとしていると。これは昨日、今日あたり、今日も見ていると、佐川、佐川という話が出てくる。ただ、佐川さん1人でできる話では当然ないし、自分で、ワープロでつくって、あの文書をつくるわけもない。そうすると、具体的にアレを書いた人がいるはずですね。だから、そういう人が、A、B、Cでいいのだから、そこまでキチッと誰がというところを明らかにしなければならないだろうと。すなわちそれが、要するに、理財局の問題なのか、財務省の体質の問題なのか、それとも官邸も含めて、政府の体質なのかと。これは証人喚問で明らかにしていかなければならないことで、そういう中で、忖度の話が出てくるのだろうけれども。忖度の話と、この文書改ざんの話とは、ちょっと切り分けてやった方が、私はいいのではないかとは思います」
(後半)
プーチン体制『最後の6年』 動くか?日露平和条約交渉
竹内キャスター
「昨日、投開票が行われたロシア大統領選では、大方の予想通り現職のプーチン氏が勝利し、通算4期目となる大統領就任が決まりました。まずプーチン大統領の得票率ですが、今回の選挙での得票率は76.6%と過去最高です。前回勝利した2012年の得票率は63.6%だったので、前回と比べますと13ポイントのプラスということです。ちなみに投票率は67.9%だったので有権者の半数以上がプーチン大統領に投票したという計算になります。まずは袴田さん、今回のこの大統領選挙の結果をどう見ていますか?」
袴田教授
「70%いくのだろうか、というのが多くの専門家の見方だったのですが、こういう結果になった。このプロセスを見ていますと、すごい選挙キャンペーン、プーチン、そこまでやるか、という、そういう感じがしまして。これはプーチン大統領の危機感の表れだと私は見ているんですよ」
竹内キャスター
「ピョートルさんはいかがですか?」
ピョートル教授
「数字は本当にすごい数字なのですが、数字は数字ですね。と言うのは、ある意味では、客観的ということでもあるのではないですか。むしろ投票率にしろ、また、得票率にしろ、いずれも結構大きな数字なので、それはまったくつくられたわけではなく、むしろ現実的なものではないですか」

プーチン氏圧勝の舞台裏
反町キャスター
「野党の候補からは、不正選挙だとか、得票率自体も捏造ではないかという指摘が出ていますよね。不正選挙の可能性については、ピョートルさんはどう思っていますか?」
ピョートル教授
「当然どの選挙でも捏造みたいなこととか、正しくないことはあり得るのではないですか。ただし、今回は私が知っている限り、特にロシアメディアから見たら、そんなに大きな間違いではなかった、若干なことがあったとしても全面的にそれを否定することはできません」
袴田教授
「ただ、ロシアの野党のプラカードに『ブイボラ・ニエット』という、これは直訳すると『選択肢はない』と言うのですが、もう1つ別の意味もある、つまり、選挙がない、こんなの選挙ではないよという意味で、つまり、対等の立場で野党がプーチンさんといろいろなアレで戦っているかというと、プーチンさんは野党のそういう対立候補とのテレビ討論は一切拒否して、それで今度は特別の会場で、何万人も集めて、オリンピックの優勝選手などを集めて、キャンペーンをする。これは野党にはできないことです。それから、本来は昨年中にやらなくてはダメな大統領の年次教書の演説を3月1日に、しかも、場所を、いつものクレムリンではなくて、たくさんの人が集まれる『マネージニ』という場所があるのですが、しかも、そこで大きなスクリーンを特別、特設で置いて、その統計だけではなく、今度は、教書の演説はいつもの2倍の長さで1時間57分。その後半の半分は、このロシアがいかに近代的な武器をつくったかという、その映像をバンバン見せて、それが全国民にまた見せられる。野党は到底そんなことはできないわけで、そういう意味で、まともな選挙をやったのかというと、こんなものは選挙ではないよという、そういう見方もあるのは事実です」
反町キャスター
「ちょっと、その話…」
竹内キャスター
「プーチン大統領の演説です。『強い大統領、強いロシア』というスローガンを掲げていました。大統領選投開票日を間近に控えた3月1日の年次教書演説ですが、経済分野に関しては今後6年で国民1人あたりGDP(国内総生産)を1.5倍に増大、平均寿命を80歳以上に延ばすと、石油・ガス依存を脱却、デジタル経済への投資拡大などを述べました。安全保障分野に関しては、アメリカのミサイル防衛を無力化する新型ミサイルや無人潜水艦の開発、ロシアと同盟国に対する核使用には直ちに報復するということを言って、強いロシアを強調したということなのですが、ピョートルさん、敢えて強いロシアを強調する狙いというのは何なのでしょうか?」
ピョートル教授
「ロシア人の一員として言うならば、個人としては全然悪くないのではないか。たとえば、1人あたりのGDPを1.5倍ぐらいに増やすこととか、また平均寿命が80歳以上になるとか、あるいはその他の経済の改革をもたらすとか、そういうことは個人にとっては、全国にとっては全然悪くはないのではないですか。むしろ利益的なことなんですよ。だから、それは本当の問題と言えば、実現が可能かどうかということ。ただし、スローガンとすれば、それはどの国の国民でも否定はしないでしょう。たとえば、日本人だったら…」
反町キャスター
「それはそうですね」
ピョートル教授
「…おそらく平均寿命以外は、日本人は既にあるから、ただし、GDPを1.5倍とか、また、経済をさらに拡大するということはどの国民の心にもとても響きがあるのではないですか」
反町キャスター
「確かに、ピョートルさんが言われるみたいに、誰も文句を言いませんよ。実現可能性、6年間でやるにしてはちょっと風呂敷を広げ…、はい、どうぞ」
袴田教授
「いや、これは現在、ロシアの指導者の多くも、ロシア経済が中国と違ってすごく遅れている、それは資源依存経済を脱却できない、また、資源価格が一時のように、石油、バーレルあたり147という時なら別ですが。その後、油価が下落して、現在、多少持ち直していますけれども。この経済を、直さなければダメだというのは、実は頭の中では、指導者は誰も皆が理解しているのだけれど、それは、結局は痛みを伴う構造改革ですよ。痛みを伴うというのはいろいろな、いわゆる汚職の経済体質を変えなければダメですよ。それは簡単にはできない。だから、私自身この6年間で1.5倍と言っても、過去数年間のロシア経済は先進国と比べても、それから、途上国と比べても、それから、エネルギー保有国と比べても、ベネズエラを除いて、現在、ロシアが1番良くない状況なんですね。それを、今、言いましたように、ここで言う『デジタル経済』とこう書いてあるのですが、これは実際に構造改革をして最先端の資源に依存しない経済という意味ですが、この6年でそこまでできると私自身はちょっと思っていないという。ポダルコさんが言うように、経済の強い、ロシアを望むのは当たり前という、それはよくわかりますが、その現実性があるかと言うとなかなか難しいかと」

プーチン氏が目指す『強いロシア』
反町キャスター
「武見さん、いかがですか?非常に大きな風呂敷を広げて選挙に臨み、相手との討論会も受けず、さらには大キャンペーンを広げて得票率76.6%…どうですか、この勝ち方?」
武見議員
「いわゆる我々が考える民主主義的な本当の選挙だというわけではないだろうとは思います。ただし、明らかに政治的にこの手続きを経て、いわゆるレジティマシーは、確実にプーチン大統領は獲得した。従って、政治的には政府組織内を含め、盤石の態勢を整えることに成功した。しかし、そのうえでロシアの経済成長はわずか1.5%の経済成長率ですね。そのうえ実質的な国民所得というのは、マイナス1.8%で下がっている。それから、都市部と農村との間の格差も確実に広がっていると。こういった問題をこれからどれだけプーチン大統領が盤石の政治体制の中で解決をしていけるか、これがこれからのロシアの発展を見ていく時のカギになるだろうと思いますよ。従って、これからその強大な権力を果たしてどこまで、特に1人あたりの国民所得の増大というのは、実は日本も池田内閣の時に所得倍増計画でやったことですよ。しかも、その時に同じく皆保険制度を導入して、日本は同じく国民の健康というものを確実に守る体制を整えて平均寿命が一気に、まさに10年ぐらいザーッと上がっていくんですね。こうしたことをやると確実に政治体制は安定化し、国は発展するんです。その中で、一定程度の中産階級社会ができてくる。おそらく盤石の政治体制でプーチン大統領がつくりたいロシアのある種の社会像というのは、そういうとこなのではないですか?」
反町キャスター
「分厚い中間層をつくるのがプーチン大統領の次の6年間の目標だと?」
武見議員
「安定した社会の基盤として、より大きな中産階級社会をつくることは国の安定の基盤になります。それをどこまで彼がその強大な権限を通じて実現できるか。国民はプーチンの政治というのが自分達の役に立っているという判断を下せるかどうか決まる」
反町キャスター
「話を聞いていると、要するに、プーチン大統領の次の6年間は内政と経済に主眼を置いた政治を行うのではないか。安全保障におけるすさまじい新兵器は?」
武見議員
「いや、それは両方やるんですよ。国内においてはそうした安定した社会基盤の強化は必ずおやりになる。他方で、強いロシアの復活ということは確実にやる。旧ソ連圏の中であらためて影響力の基盤を再強化するという考え方は確実に継続されるでしょう。さらには、今度は中国に対しても、いわゆるその風下に立つジュニアパートナーにはならないと言っているわけですから。従って、どこまで対外的に、そうした強国としての基盤を確立できるか、そこに日本の立場からすれば、ロシアとの戦略的なある種の利害関係というものが生まれてくる余地があるんですよ」
竹内キャスター
「プーチン大統領が大統領選で勝利したことで日露交渉は前進していくと考えますか?」
武見議員
「そう期待したいですね。しかし、実際に北方四島の中で新たな軍事基地を設ける。また、現実に、戦略的にあらためてオホーツク海という海域が重要な戦略的な意味を持ってきて、特に核攻撃をされた時の潜水艦から発射される大陸間弾道ミサイルのまさに基地になってくる海域である。その中で、戦略的に北方四島の重要性も増える。それから、北極海が新たに戦略的に重要視されていく中で出入口のその役割を果たすという観点からも、その戦略的な重要性が高まってくる。そう簡単に、この重要な島を現在の時点で日本に返そうという動機が働くためには相当なものがきちんと用意されて、確認されなければならないだろうと思います。しかし、我が国の立場としては、そういう戦略的な諸状況というものがあっても地道に、既に8項目の合意というものがありますし、こうしたロシアとの関係を実務的に改善をしていくこと、それによって粘り強く、こうした領土問題を含め、平和条約の締結の交渉を進めていくこと、これが、日本が現在とるべき基本姿勢だろうと思います」
竹内キャスター
「ピョートルさんは日露交渉の動きをどう見ていますか?」
ピョートル教授
「日本は自分の利益をどこまで自分で選ぶ、考える、また自分に関する決定をどこまで自分の力で決定するかということは非常に…」
反町キャスター
「それは、つまり、アメリカの指揮下に入っている国だからという意味で言っていますよね?」
ピョートル教授
「と言うのは日露関係がいまだに300年間の中で必ず誰か第3者が後ろ、また側にいたではないですか。時代によっては、オランダにしろ、イギリスにしろ、アメリカにしろ、そこのところで日本自身がそういう日露関係をどこまで把握できるかということは、ロシアから見れば、極めて疑問的です」
反町キャスター
「ロシアから見ると、日本というのは日露関係を自分の国の利害だけで考えたことがあまりない国で、常に、たとえば、オランダだったり、イギリスだったり、現在だったらアメリカの考えを聞きながら決める国だという、こう見ているわけですね?」
ピョートル教授
「と言うのは…」
反町キャスター
「日本は自分1国でロシアとの関係を決められない国だと見ている?」
ピョートル教授
「ちょっと待って。2年前にすごく偉い記念日だったことはご存知かしら?」
反町キャスター
「偉い記念日?」
ピョートル教授
「偉い記念日」
反町キャスター
「どんな?僕は知りません」
ピョートル教授
「1916年に結ばれた日露友好条約ですよ」
反町キャスター
「はい」
ピョートル教授
「非常に記念日のことには慎重に、いろいろ見ていただいている、また、とても記念日が、大好きな日本側がなぜか100周年記念日ということをまったく無視していたんですよ。昨年のロシア革命の100周年記念日は結構響きが大きかったのですけれど、友好条約が結ばれたことはまったく話題にならなかった。と言うのは、あれは第1次世界大戦中のことで結ばれた条約なので、おそらくその他の大国は皆は戦争で忙しく、あまりにも干渉も影響も与えることはできなかったではないですか、と私は勝手に思っています。ところが、それはさすがプーチンに会った時に安倍首相をはじめとした日本側からは、このような偉い出来事が過去にあったことを発言しなかったのは、それはできなかったのではないでしょうかと思っています。それとは別としても、また、他にもいろいろ見たら、このような日本政治とか、政策はどこまで独立であるかということは、おそらくロシアの政界がとても疑わしく思っているかと思います」
反町キャスター
「そういう国との交渉において、ロシア議会、大統領が、日本との領土交渉、平和条約交渉、領土交渉を進めるつもりになるかどうか、ここはどうなのですか?」
ピョートル教授
「それは、私はわからないですよ」
反町キャスター
「あまり進めるつもりがあるように感じているように聞こえないです」
ピョートル教授
「それは証拠か証明がある限り、交渉にはなることはできる。ただし、証明、また、明らかに理由が説明されない限りあまり動きはさせられないかなと思います」
竹内キャスター
「袴田さんはいかがですか?」
袴田教授
「日本ではこういう見方があるんです。プーチン大統領の権限、あるいは地位が強く安定していたならば、これが最後の任期になるから、彼は次の選挙を気にしないでもいい、つまり、支持率をさほど気にしなくてもいいから、思い切った決断ができると。だから、最後のこの任期にこの領土問題は進展するのではないかという、そういう見方が結構あります、専門家の間にも。私も実はそう期待します。期待しますけれども、しかし、現実問題を考えますと、安倍首相があれだけ一昨年、ウラジオストクでプーチンさんに対して、我々の責任で、我々でこの問題を解決しようと、熱っぽく語りかけた。しかし、その2日のちにG20の会合でプーチンさんはロシア人記者だけを相手に、安倍首相の価値は、彼は能弁家であるけれども、彼の価値はそこにあるのではなく、8項目の提案を、経済協力を提案をしたことにあると言い、昨年11月のベトナムでのAPEC(アジア太平洋経済協力)の首脳会談のあとの記者会見では平和条約締結、その時、安倍・プーチンが両国のトップなのか否かは関係ないし、重要でもないと、そこまで言い切っているんですよ。これはある意味で、ちょっと侮辱的と言ってもいい言い方ですが。これは、はっきり言えば、私の任期の間に平和条約を締結するつもりはありませんよ、と言っているのとほぼ同じような意味合いのわけで」

平和条約締結への道筋は
反町キャスター
「袴田さんが言われたのは、この下の部分、プーチン大統領のこの発言ですよね?要するに、安倍さんは、今、私とプーチン大統領でやるのだ、とずっと言い続けていますよ。一方で、プーチン大統領は先ほど言われたみたいに『その時、誰が政権についているかは関係ないし、重要でもない』と。日露の平和条約締結、領土問題解決に向けた前のめりの姿勢・熱意というものが両者の間で温度差があるように感じるのですけど、袴田さん、これは温度差があるのですか、ないのですか?」
袴田教授
「完全にあります」
反町キャスター
「ある?」
袴田教授
「あります」
反町キャスター
「日本だけが前のめりになっているのですか?」
袴田教授
「ただ、こういう側面があるんです。中露関係、ロシアにとってアジアで1番重要なのはもちろん、中国です、日本ではなくて。ただ、エネルギー問題、その他の問題で中国に現在、押されっぱなしという側面がありまして。対中トレードというか、交渉のためにも、日本と我々は交友関係を持っているのだというのは非常に重要な意味を持っている、戦略的に。その側面はもちろん、十分自覚する必要はあるでしょう。しかし、現在、安倍さんがあと3年続くかどうか、現在1番問題になっているところですけれども、その間にこの領土問題が大幅に前進する、あるいは解決する、そういうのはあってほしいとは思うけれど、残念ながら特に最近、これまで言わなかった、つまり、日米安保条約というのはもう1960年代以来ずっとあるんですよ、それをここ2、3年、プーチン大統領はそれを理由に、そういう日米安保条約が現在のような形で存在する限り、アジア全体が平和にならないと到底返還できないということも言っていますから、非常に難しい問題ですね」
反町キャスター
「ピョートルさん、プーチン大統領というのは、安倍さんが前のめりに熱く語っているのに対して、燃えていない?」
ピョートル教授
「私が思っているのは、プーチン大統領と安倍首相の1番大きい違いは、安倍さんが、なるべく私とウラジミールの間でと、私達がいる間に、このようなことを出したいという…」
反町キャスター
「解決したいと言っている」
ピョートル教授
「…望んでいらっしゃるわけです。ただし、プーチンさんの立場から見たら、表現的なことから見ると、将来のことはいったい何になるかということは、日本側をまったく無視しているみたい。と言うのは、もしも、仮定法で言いましょうか、もしも日本側が望んでいる問題の解決が実現できたら、明日、明後日はどうなりますかね。それ以降の日露関係、オホーツク海とか、そういうことも含めて、どのような側面から、スタートするか、どのように展開するかと。むしろ、またもしもということで、問題が、日本が望んでいる方向で解決したら、ロシアはとにかく隣国の立場から消えないでしょう、地図からも消えないでしょう、それ以降は日本がロシアをずっと無視して、日本が望んだことを取得して、これでお終いということになるのではないか」
武見議員
「いや、それは絶対あり得ません」
ピョートル教授
「ただ、それまでの発言とか、日本からの提案の中ではまったく明らかな話はないですよ」
反町キャスター
「でも、この8項目の提案というのは、比較的、これは長期間にわたる日露の経済協力のベースになる話ですよね、武見さん?」
武見議員
「そうです」
反町キャスター
「だから、平和条約も済みました、4島だか、2島だかの返還になったところで、はい、バイバイということには…」
武見議員
「それはありません」
反町キャスター
「…ないですよね?」
武見議員
「むしろ中長期的にロシアと日本は特に対中国という観点から、かなり戦略的な利益を共有していますよ。あまりにも中国が大きくなり過ぎることに対する警戒心は、日本もロシアも同じです。従って、その戦略的利益を具体的にどう表現して、一定の協調関係をつくりあげていくのかということが現在、共に、両サイドから模索されているわけです。だから、プーチン大統領も大統領選挙が終わった直後にラブロフ外務大臣を日本に派遣するという、その意思は、日本との関係をある程度しっかり重要視してくれているのだろうな…」
ピョートル教授
「それはもちろん、そうです」
武見議員
「…というふうに私達は理解している」
反町キャスター
「そうすると、武見さんの考え方からすると、強い中国は日露を進めるにはフォローになる?」
武見議員
「むしろ追い風になりますね」
ピョートル教授
「ただし、私達は他のことも過去にはあったから、それを記憶からは外してはいけません」
反町キャスター
「他のこととは何ですか?」
ピョートル教授
「たとえば、これまで、日本は別として、アメリカといくらも話し合いがあったり、約束があったりしても、たとえば、NATO(北大西洋条約機構)の東欧進出…」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
ピョートル教授
「ああいうところは、前の大統領が約束したことを必ずしも次の大統領が守ってくれるかは知らないし…」
反町キャスター
「それはアメリカの話でしょう?」
ピョートル教授
「もちろん。ただ、日本もG7の一員だからこそG7 の総合的なポリシーにどこまで従うかということは、ロシアから見たらとてもいかがわしいことです」

袴田茂樹 新潟県立大学教授の提言 『熱い心 醒めた眼』
袴田教授
「私は『熱い心 醒めた眼』と書きましたが、安倍さんが政治家として是非とも平和条約を結ぶという熱い熱意を持つ。これまでの誰よりも、どの首相よりも熱い熱意を持って望んでいる、それは高く評価しますけれども。醒めた眼で見てくださいというのは、幻想を抱くのはダメですよと。これは安倍さんだけではなくて、日本の政治家もマスコミ関係者も全部含めてです。現実をリアルに見てくださいよ、そんなに甘くないですよ、ということがこの醒めた眼という。この両者をともに基盤にしてということです」

ポダルコ・ピョートル 青山学院大学国際政治経済学部教授の提言 『物ごとを現実的に自業自得は自縄自縛にならないように』
ピョートル教授
「さすが同じく教職員で、私のもちろん、先輩先生であり、私より豊富にいろいろご存知である袴田先生と偶然的に結構似ている発言を選びました。物事を現実的に考えてほしいです。また、自業自得ということがありまして、これはまさに自縄自縛にならないように、がんばっていただければと思います。特に空想、幻想などのことを必ずやめて、本当に取得が可能なことに絞っていただかないかなと思います」

武見敬三 自由民主党参議院政策審議会長の提言 『原則に基づく戦略外交』
武見議員
「この原則に基づく戦略外交というのは、安倍内閣の中で常に民主主義、基本的人権、それから、自由、法の秩序、これをしっかりと踏まえていくことが中国に対しても、あるいはロシアに対しても、共通の1つの基盤として、その原則を大事にしながら、なおかつ醒めた眼で現実的な対露政策というものを打ち出さなければなりません。まさにそうした視点に立って日露関係を改善し、日本のアジアにおける戦略的な立場というものを強化していく、外交的な試みというのは何としてでも達成させなければなりません」