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2018年3月12日(月)
佐藤優×山内昌之 世界を動かす独裁者論

ゲスト

今井雅人
希望の党国対委員長代理(冒頭)
田﨑史郎
時事通信社特別解説委員(冒頭)
山内昌之
東京大学名誉教授 フジテレビ特任顧問
佐藤優
作家 元外務省主任分析官

緊急検証!『森友文書問題』 明らかになった『新事実』
竹内キャスター
「先週、アメリカのトランプ大統領が初の米朝首脳会談に臨む意向を示したことから、朝鮮半島情勢が大きく動きだしました。その一方で、昨日、中国の全人代では習近平国家主席の任期撤廃が正式に決定。さらに今度の日曜日には、ロシアで大統領選が行われます。国際情勢が目まぐるしく変化する中、日本はこれらの国々とどう向き合えばいいのか、各国の情勢からリーダーの資質まで幅広い視点で話を聞いていきます。その前に、反町さん…」
反町キャスター
「国会が大揺れです。森友学園をめぐる決裁文書の書き換え疑惑に関連して、財務省が進めていた内部調査の結果が今日公表されました。そこでは数多くの削除が確認されたのですけれども。いったい誰がいつ何のために、誰の指示によって削除したのか、多くの疑問が残ったままの情報公開ということになっています。その狙い、今日、わかったこと、さらに今後、究明していかなくてはいけないこと、さらにはその先にある、求めていくべき方向性まで今日は聞いていきたい、こう思っています」
竹内キャスター
「森友学園への国有地売却に関する財務省内の文書の調査結果が今日、明らかになりました。主な結果はこちらです。2017年の2月下旬から4月の間に、合計14の決裁文書で書き換えが行われ、5月の国会にはこの文書が開示されていました。多くは元の文書にあった文言の削除で、具体的には『籠池理事長は日本会議大阪を始めとする諸団体に関与』、この『日本会議大阪』に関しての注釈がありまして、連携する組織の超党派の懇談会の役員に麻生太郎財務相、平沼赳夫議員、安倍晋三総理らが就任とあります。『本件は鴻池祥肇議員から近畿局への陳情案件』、さらに『安倍昭恵総理夫人を現地に案内』、2人が並んだ写真という、記載もあります。『通常の売り払いではなく、口頭により相手方に価格を通知する』、さらに『貸付処理は特例的な内容となる』というものが削除されていました。今井さん、これらの調査結果についてどのように受け止めていますか?」
今井議員
「財務省がこれを書き換えとおっしゃっていますが、だいたいこういう言葉を使うこと自体が姑息ですよ。決済したものを書き換えている、これはもう改ざんですよね」
反町キャスター
「ヒアリングをずっとやられていましたよね、夕方?」
今井議員
「はい。普通に考えて、官僚が自分達の独断でこんなことをするとはとても考えられませんので。その背景が何なのだということを聞いたのですけれども、存否以外のところは現在、人事も含めて、いろいろ調査中で、ヒアリング中だと言っておきながらですよ、政治家の関与のところだけを聞くと、それはありません、と言うんですよ」
反町キャスター
「なぜ削除をしたのかという説明はあったのですか?」
今井議員
「財務省の説明は、実は昨年の2月9日にこれは報道があって、そこからこの問題はスタートしているのですけれども、今回の改ざんは、昨年2月下旬から4月にかけて行われていると。その背景は国会で答弁をしたこと、理財局長ですね」
反町キャスター
「佐川さんです」
今井議員
「佐川さん。答弁をしたことが、誤解を招かれないように文書を換えた、と。すごい説明でしょう。ビックリしてしまいますよね。そんなことをしたら誤解を招くような答弁を国会でしている度に全部、改ざんされているのかという、そういうことになりますよね」
反町キャスター
「田﨑さん、いかがですか?」
田﨑氏
「今日、当初はこの文書を出すだけという予定だったんですよ。それをちょっと踏み込んで、麻生さんが、大臣がこう理由を、理財局で行われたことであると。そういう方針を示した安倍総理が、引き続き、麻生さんにやっていただく、と。だから、いわゆる取り沙汰されている麻生辞任はないということを明確にしたという、それは政治的な意味。この文書そのものについて申し上げると、削除した部分の多くは別紙と書かれている部分です。この昭恵夫人のことを書かれているのもその部分です。これは近畿財務局の文書で、そうなっているのですけれども、本省でこういう決裁文書をつくる時は別紙とか、何とか一切書かないですって」
反町キャスター
「ほお」
田﨑氏
「ええ。これを見ても、これは政治家の名前が平気でたくさん書いてあるので、財務省の決裁文書では、本省がつくるヤツではこういうものは他の文書にしちゃう、決裁文書の中に入れないんですって。だから、その部分を近畿財務局が入れているので、その部分は削除しましたという話ですね」
反町キャスター
「では、削除した部分というのは別紙になっているのですか?」
田﨑氏
「うん、別紙の部分ですよ」
反町キャスター
「別紙にもうなっているという、切り分けみたいな?」
田﨑氏
「うん、そういうことですよ」
反町キャスター
「その作業が行われたというのが財務省側の説明なのですか?」
田﨑氏
「そうです、そうです、ええ」
今井議員
「田﨑さんがおっしゃっているようなケースも中にはあるかもしれませんけど、それだけではなくて、本文も書き換えられているし、いろいろなところが書き換えられていますから。これは相当、組織的に大掛かりにやっているという感じがしますね」
反町キャスター
「でも、出口は何をもって終わりにするのですか?出口論を今から議論してもしょうがないのかもしれないけれども、どういう決着になったら終わるという何かメドはあるのですか?」
今井議員
「すごくシンプルに言えば、我々は真相が知りたいだけで、何が真実なのかを知りたいだけです。もちろん、このヒアリングだけで全てが解明できるとは思いませんし、出て来られる方は次長級の方ですから、どうしてもそれは上から言われている範囲でしかものを言えないので、それはわかっているのですけれど。国会の場、こういうヒアリングの場、いろいろな場を使って、真相を解明していくという、複合的にやることによって、だんだん戸が開いていくというか、そういうのにつながっていくので、ヒアリングも、とにかく前に続けようということでやっているということです」
田﨑氏
「現在、国会のことを言われましたけど、国会で今日、6野党の幹事長で審議拒否を続けるということで合意しましたよね。これは予算委員会で審議すべきだと思うんですよ、この問題」
反町キャスター
「この件もね?」
田﨑氏
「ええ、この件も。それをなぜ拒否されるのですか?」
今井議員
「今日の段階は、まずその資料は出てきました、結果は出てきましたと。そのうえで、先ほど、おうかがいしたような経緯ですね、いったいどういうことで、こういうことが起きたのでしょうかということに対し、私が説明したようなどうも不可解なような説明しか出てこなかったので、ここをまず整理していただきたいと、ここが整理できたら、おそらく国会でこれをしっかり詰めていく」

官僚独断? 問題の真因は…
反町キャスター
「『佐川氏の国会答弁と決裁文書に齟齬があり答弁に合わせて書き換えたんだ』と。誰がやったかということに関しては『理財局の一部の職員によるもので、最終責任者は当時の理財局長である佐川氏だ』と。『自身の進退については考えていない。監督責任については申し訳ないと思う』という、こういうことですけれども。佐藤さん、この麻生さんの会見等々を含めて、今日の一連の動きをどう感じていますか?」
佐藤氏
「まず元霞が関村にいた者としては非常に不思議に思うんですよ。どうしてかと言うと1枚目が決済用紙のページが出てきていないことです」
反町キャスター
「それはどういう意味ですか?」
佐藤氏
「要するに、出ているのは2枚目以降ですね。1枚目にこの文書の件名、それから、どこが決済をしたか、起案者が誰であって、何課であって、それで誰が決済をしたのかということの欄が全部あるんですよ」
反町キャスター
「なるほどね」
佐藤氏
「その決済用紙さえ見れば、まずそもそも最初の書き換え前の文書というのは、どこまで決済しているのかと。それから、決済だけでなく、決済が終わったあと、外務省用語だと『追配』というのですが、追加配布です。決済としては次長クラスで決済をしても、重要な案件につき、特に総理夫人の名前が出ている、それから、有力国会議員が出ている場合には、外務省基準ですよ、外務省基準だったら、国会に国会担当審議官、それから、官房長には絶対にコピーを配布します」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤氏
「こういうのを追配と言っています。それで、だから、第1番目の段階においてどこに配布したのか。それから、形式面ですね。この文書が、要するに、秘が、秘密指定がないけれども、外部に見せてはいけないという取扱注意なのか、秘密指定がされている秘密文書なのか。それから、秘密指定の場合でも、それが普通の秘なのか、極秘なのか。極秘文書の場合には1部、1部の行き先と入った日と出た日までが全部記録されるというのが霞が関村の常識です。ですから、そこの外形的な部分の事実というものを、なぜ財務省が明らかにしないのかというのは、私には非常に不思議です」
反町キャスター
「その1枚目の部分というのがもし手元にあれば、削除前の文書がいつできて、誰がつくったもので、どこまでのクリアランスができていて、削除したあとは、誰がいつつくり、どこまでの許可・クリアランスをとったのかというのが全部わかるはずですよね?」
佐藤氏
「削除したあとのものによって、再び決済をとっているかどうかはわかりません」
反町キャスター
「とっていない可能性もある?」
佐藤氏
「とっていないということだったら、そういうことというのは行政で推奨されていることではないですよ」
反町キャスター
「ありますか?」
佐藤氏
「ですから、大変です。先ほど、田﨑さんがおっしゃったように、もしかしたら財務省ルールでは、こういった別紙という形で処理するのかもしれませんけども、外務省の私、政治関係のところにかなりいましたから、ですから、東京地検特捜部のお世話にもなったわけですから。その時の経験からすると、政治家の関与に関しては外務省は非常に細かく記録に残しますね。なぜならば特殊な案件だった場合にはなぜそういうことをしたのかという意思について、全体で共有できるような文書にする。通常の秘密指定では極秘になります。それから、永田町用語を理解していないと、直接の関与なんてするはずないです。たとえば、反町君、君の方で気にしておけ、と言う時は、そんなこと絶対に政治が言わないですよ。俺は気にしていないからなと言いますよ」
反町キャスター
「これは田﨑さんではないと反応できないこと…」
佐藤氏
「それから、たとえば、近いうち反町局長に挨拶に行くかと、それは永田町用語では、すぐに来い、という意味ですから」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤氏
「ですから、そういう永田町用語で尻尾をつかまれるような直接介入をするはずないですよ」
反町キャスター
「政治側が?」
佐藤氏
「はい」

『政』と『官』と問われる責任
山内氏
「私も大学でずっと30年間以上教えてきた立場からして、東京大学で30年間教えてきたのですが。いわゆる若い世代においてこうした役所に進路として選ぶとか、官僚になって日本の国と国民のために働くという、こういう気概や使命感というものがますます希薄になりつつあるんですね。そのことが、今回の事件などによって、若い世代の間から、こういう政府等々の下支えをしていく人間達がますます少なくなるとすれば、国と国民にとっても由々しきことで、そういう意味でも大変残念だということ。それから、もう1つ、内政と外交というのは、なかなか区別し難いところがあるわけです。とりわけ国と国民の安全保障や安全というものがいろいろ問われている時、たとえば、安倍総理のあり方について、プーチン大統領は安倍・プーチン関係の蜜月ということをこれまで強調されがちでありましたけれども、…失礼、トランプさんですね。トランプ大統領は今回、頭越しに進めたのではないかと、あるいは無視したのではないかと。こういう問題というのは、我々は知りたいわけですよ。この点を国会において議論していただかないと困るわけです。従って、野党の追及のあり方というのは、もう少し柔軟かつ多角的にやってほしいというのが現在の私の感想です」
佐藤氏
「ノーパンしゃぶしゃぶ以来、本格的な検察と財務省の緊張が高まっています。それと同時に、本件を政争の具にしてほしくないです、与党も、野党も」
反町キャスター
「どうすればいいのですか?」
佐藤氏
「要するに、そもそも民主党政権の時に、政治主導というのを非常に強調した、ある意味で、その負の芽の部分が大きく伸びて過剰に官僚が忖度するようになっちゃった面があると思うんですよ。これは国民主権ということから考えると、国政調査権を国会は持っているのですから、与野党双方が納得できる形の第三者委員会を国政調査権によってつくって、それで与野党ともに、こういうような官僚のあり方ではマズいねということをまず真相究明…」
反町キャスター
「佐藤さんの話をどう感じますか?」
田﨑氏
「うん、なるほどなと思って聞きました」
反町キャスター
「それをやると、野党にしてみたら点が稼げない国会になっちゃって…」
田﨑氏
「そうなんですよね。だから、先ほど、今井さんが、こういうことが起きるとは考えられない、理財局でやるというのは考えられないと、それも1つの意見ですけれども、本当に理財局だけで処理していた可能性も十二分にあるわけですね」
佐藤氏
「その方が深刻ですよ」
田﨑氏
「その方が深刻ですよ。だから、最近、役人になりたがらない大学生が増えたと言われているのですけれども、官僚の質そのものが劣化している可能性があるんですよね。たとえば、厚生労働省のデータ問題があったではないですか。あんなデータをつくるはずがないと思うことが起こっていて、官僚機構の劣化そのものの方が深刻だと思うんですよ」
佐藤氏
「ですから、ここのところというのは本当に安倍総理が現在、言っていることというのは、真摯なところ驚いているというところだと思うんですね。そうすると、政治家は政争がいろいろある、それは当然、それなのだけれども、そこを超えた形で、これは真相究明をがんばってほしいなというのは率直に思うんですけどね」
今井議員
「1点だけいいですか?我々野党は別に点数を稼ぎたいわけではありませんから。真相を解明したいだけですね」
反町キャスター
「真相を解明するのだったら、国会、やったらどうですか?」
今井議員
「いや、…ですから」
反町キャスター
「そこに大臣がいるのだから…」
今井議員
「いや、ちょっと待ってください。ずーっとそれを出してくれなくて、我々は国会でそれを出してくれないまま、がんばって闘っていたわけです。そうしたら、出してくれたんです。そういう時も必要なんですよ。局面、局面、そういう場面も必要だし、審議でちゃんと明らかにする場面も必要だし、両面必要で。ちゃんと環境が整ったら、私達、ちゃんと国会の中で明らかにしていきますから、もう少しだと思いますよ」
反町キャスター
「でも、国会の動きを見ていると、野党6党、つまり、維新抜きですよ、野党6党の結束を確認して固めて、それで自民党に対しての圧、ないしは政府に対しての圧を確認するというようなプロセスがずっと続いているように見えるのですけれど。そうではなくて、佐藤さんや田﨑さんが言われたみたいに第三者委員会、全党・全会派が乗る形で、そこに有識者も入れた形で何かやるという、そういう提案というのは…。今井さんに、今日の2時間半のヒアリングで、フロントローのセンターに座っていた人に、それではなくて、第三者委員会、どうですかというのも無茶なフリだとは思いますけれど、そういう方向性…」
今井議員
「私は各党を代表しているわけではないのでここでそういう発言はできませんけれど、個人的には、解明できるのなら、いろいろな方法があってもいいと思いますから。そういうやり方が1番解明に近づくのであれば、それも十分検討できるのではないか、と個人的には思いますよ」
反町キャスター
「政局化して大臣のクビをとりにいくとか、そういうことより今みたいな形を野党のイニシアチブでやって、第三者委員会でカチッとした答申を出すことの方が、下品な言い方ですけれども、そっちの方が政権の近道になるような気がしないですか?」
今井議員
「うん、それはいろいろな方の考え方ですから」
反町キャスター
「すみません…」
今井議員
「ただ、私はすごく単純で、真相が明らかになる方法が1番近いのなら、そういう方法をとるということは間違いではないと思うし、そういうことは十分考えられると思いますよ」
反町キャスター
「具体的な動きになったら是非、こういうのをやることになりましたと教えてください」

混迷世界の『強権』リーダー
竹内キャスター
「習近平国家主席は、昨日の全人代で任期を撤廃する憲法改正、が認められたため、2023年以後も務めることが可能になりました。ロシアのプーチン大統領は、今度の日曜日に行われます大統領選で再選をすれば、その任期は2024年まで続きます。金正恩委員長は事実上無期限、韓国の文大統領は2022年、アメリカのトランプ大統領は2021年。日本の安倍総理は9月の総裁選でもし再選されることになれば2021年までとなりますね。佐藤さん、この中国・ロシア・北朝鮮と長期政権になることが見込まれる国が並んでいる北東アジアの状況なのですが?」
佐藤氏
「北東アジアの状況というのは、確かに緊張が非常に高まっているとともに、世界的な傾向ですよね、今のご説明の中でもあるように独裁が強まっているんです。あるいは独裁的な人が強まっているわけですよ。トランプ大統領もある意味は選挙で選ばれた王様のような感じがしますから。どうしてかと言うと、単なる権力欲には還元できないですね。国際情勢の変動が激しいです。ですから、民主的な手続きをとっているというと時間がかかる。その結果、国益、それは国家益と国民益の双方が失われる。こういう状況の中では、これは若干、独断専行に見えても早く決定した方がいいのではないかという、何となくそういう雰囲気がある。そこのところというのはあちこちの国での長期政権化、独裁化というものを可能にしている、客観的な要因ではないかと思います」
反町キャスター
「それは時代の要請みたいな?」
佐藤氏
「時代の要請です」
反町キャスター
「どこかに独裁政権ができることによって隣の国もそう対応しなくてはいけないというような、そんな玉突きのレベルではなくて、もうちょっと同時進行的な?」
佐藤氏
「大きな構造の変化だと思います。それで、これはむしろ山内先生におうかがいしたいのですけれど、結局、東西冷戦が終わったあと、そのあとというのは、いわば単一の原理、グローバリゼーションみたいなもので、世界というのは基本的に、人、モノ、金の移動が自由になって、そこのところで1つの世界になっているのではないか。少なくとも先進諸国はそうなっていくし、ロシアや中国もそこについていくのではないかと思ったのですけれども、思ったよりも、国家機能とか、民族とか、あるいは宗教という要素というものが抵抗する要素になって。その結果、イデオロギーでスパッと分かれていた時代と違って、各国のいろいろな文化的な背景にあるものによって、モザイク状の形での国家エゴが強まっていると、こういう構造があるのではないかと思うんですよ」
反町キャスター
「いかがですか?」
山内氏
「そうですね。EU(欧州連合)というのも1つの単位としてなりましたけれども、EUの現在、1番の直面しているのはまさにその問題で、たとえば、東方拡大をして、ポーランドやハンガリー、あるいはチェコ、あるいはスロバキア、こういった国々がEUに入ったり、あるいはNATO(北大西洋条約機構)に入ったりするという現象が起きましたが、現在、EU問題の大きいのはこういう後発の、あとから加入したような4か国と、それから、独仏などを軸とした原加盟国との間のカルチャーの違いというのはあるわけですね。それから、ワルシャワ機構のもとにあった国々ですけれども、その国々の安全保障というものに関して、NATOがどれほど最終的にこれらの国々を保護できるかという問題。ロシアの方は昨年、2017年においても、バルト三国を意識した、ベラルーシや、カーリニングラード特別区という、ポーランドや外へ、バルト海に面したところで圧力をかけているんです。そうするとバルト三国は孤立する運命にある。そこを集団安全保障でNATOがどれほど守れるかというのは、そういう具体的な担保がないんです。ですから、ポーランドなどは法を改正しまして今後、毎年、軍事予算を増やしていくという、20年だったと思いますけれども、増やしていけるというのをつくったんです。それで、間もなく15万人ぐらいになる。もう少し増えるかもしれない。つまり、予備役という名のもとにおける民兵兵力も含めると、もっとなるはずです。こういうふうにポーランド自身も、NATOとか、あるいはEUというような枠の中だけでは考えられない。本来、1つになるはずだったのだけど、自力でやっていかないと、いつドイツがまたロシアと手を組んでという、独ソ不可侵条約のようなことの再現が起きるとも限らない。そういう時代というか、歴史というものをよく見ている国々ですから。バルト三国が再統合され…」
反町キャスター
「そうすると、大きな親分がいっぱいいるみたいな話ではなく、大きい親分の間にいる小っちゃな親分達も自分の身を守るのに大変になっている?」
山内氏
「結局、ですから、ポーランドやバルト三国は1番犠牲になるんですよね。その時に、ヨーロッパの中のドイツではなくて、ドイツのためのヨーロッパになりつつあるという状況さえ言う人達がいるわけでしょう。こういう中でのドイツとロシアの、ある意味では、ディールのようなことが起こる可能性がないとは言えない。こういう全体的な変動の中で東アジアにおいても大きな構造的な変動が起きて、中国の今回のような、全人代で任期というものを事実上取り払うというような決定が行われてくる。つまり、民主主義というものがEUが目指して、我々も目指しているものですけれども、これが危機への対応能力が非常に弱いと言うか、難しい、相性が良くない」
佐藤氏
「その通り」
山内氏
「佐藤さんが使われているけれど、議会によって行政府への批判、今日も日本がまさにそうですけど、議会によって総理や政府、行政府に対する批判、今度は官僚が直接問題になっていますから。これは理屈としてはまったくその通りなのだけれども、しかし、コンセンサスや手続きという点において日本全体をまとめて、これが今度は内政の延長に外交や安全保障があるとすれば、それで、どうやって現在のこういう変動に立ち向かっていくかということについて、先ほど、私も少し申し上げましたけれども、著しくテンポが現在、遅れているんですね、この問題に関して。ですから、この大きな変化・変動に見舞われているグローバルな規模の変革に現在、日本だけが対応できないというよりは、民主主義国家というのはそういうものですね、本来」
反町キャスター
「世界の実力者、政治リーダーの皆さんです、3つに分けた1番左というのは、この人達(中国、北朝鮮)は選挙なしです」
佐藤氏
「はい」
反町キャスター
「選挙なしで、強い権力ですよね」
佐藤氏
「はい」
反町キャスター
「ここ(ロシア、米国)は一応、選挙あります」
山内氏
「直接…」
佐藤氏
「はい」
反町キャスター
「選挙があります。非常に、この人達もおそらく権力が強いと」
佐藤氏
「はい」
山内氏
「強いと…」
反町キャスター
「ここ(日本、英国)の皆さんというのは、2人とも議会制ですから」
山内氏
「議員内閣…」
反町キャスター
「議院内閣制ですから。議員内閣制で、山内さんの言葉で言えば、危機に弱い。こういうような分け方でよろしいのですか?」
山内氏
「危機対応能力が弱いということか…」
佐藤氏
「それは確かだろうと。議院内閣制というのは、ある意味では、独裁者的なものが出ないようにするという仕組みですから」
反町キャスター
「ああ、なるほど、もともと?」
佐藤氏
「そうです」
反町キャスター
「そうすると、議員内閣制をやっている限りにおいては、プーチンさん、トランプさん、金正恩さん、習近平さんみたいな長期の、非常に強い、ある意味、独裁とも言われるような強い人達というのはもともと日本政治システムではできないはず?」
佐藤氏
「想定していない。だから、安倍さんの5年間というのは長すぎるんです。安倍さんがいくら良い政策をやっていても、議員内閣制の下では飽きられるんです」
反町キャスター
「飽きられる?」
佐藤氏
「それで、議院内閣制の良さというのは、ハイブリッドです。要するに、選挙区に行ったら、ポピュリズム的なことを言えばいいわけですよ、票を獲るために。ところが、当選して議会に来たら、今度は国家のことを基本的に考えるということで、ポピュリスト的な公約とは別の行動をとることができるという、ハイブリッドというか、2つの顔を使い分けることができるわけですね」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤氏
「大統領は使い分けにくいんですよ。独裁者はそもそも民意を心配しないでいいですから。そうすると、選挙のことが心配だから、そこのところにおいては選挙区のケアをしないといけない。他方、国家のためということだと選挙区とは言っていることが違うことをやらないといけない。そのジレンマの中にいると身動きとれなくなっていくというのが通常ですよね」
反町キャスター
「そうすると、国際情勢が変化して、強いリーダー、長期政権というのが世界の趨勢だと、先ほど、佐藤さんも言いましたけれども」
佐藤氏
「ですから、大統領制以外の国で、要するに、首相、議員内閣制をとっている国、大統領が実権のないようなドイツみたいなところは別ですよ、そこで強いイニシアチブを発揮できている国は今ないではないですか」
反町キャスター
「そうすると、議院内閣制を敷いている国というのは現在、この時世においては強い立場をとれない?」
佐藤氏
「その代わり、大きなミスもしないですよ」
山内氏
「ただ、選挙というので現在、ポピュリズムという言葉をお使いになられましたけれども、それはポピュリズムというものに傾く可能性はあるわけです。選挙で現在、小選挙区制で、日本の場合はかなり振り子が揺れますよね。その場合に、このポピュリズムというのは理屈のうえでは、歴史をたどって言えば、下等支配と呼ぶような、つまり、手続きとしてはちゃんと選ばれている、しかし、その手続きの中から独裁をしていくことは不可能ではないんですよ。それは、ヒトラーの出現というのは、もともとはワイマール共和国のある種、合法性の中から出てきて、彼も首相からなっていくわけですからね」

ロシア・プーチン政権の狙いは…
竹内キャスター
「プーチン大統領は今後の政策方針を演説する中で、新たな兵器開発の計画を次々発表しました。アメリカが公表している新型兵器と並べてみますと、アメリカ、ロシアともにレーザ―兵器や、超音速でターゲットに突入して破壊するタイプの新型兵器を開発中。その他、新型のステルス機や、原子力潜水艦を使った無人攻撃システムなど、核兵器に代わる軍事技術の開発を競っているという状況です。佐藤さん、なぜロシアは、このタイミングでアメリカに対抗するような新型兵器の計画をお披露目したのでしょうか?」
佐藤氏
「これはトランプさんに対して1つのメッセージを出しているわけです。かつてのソ連崩壊の時に、戦略防衛構想SDI、現在のミサイル防衛システムと非常に似ていますよね。鉄壁な盾をつくる。それによって防衛するという構想をレーガンが打ち出したと。それに対して、ゴルバチョフは、よし、ウチもつくるぞと言ってやってみた。その結果、経済的に失速して、ソ連は崩壊しちゃったんです。今回アメリカはミサイル防衛システムで盾を強化すると言っていると。それに対して、我々は矛を強化するぞと。競争はしないと。攻撃の方が守りよりも金をかけないで、すごいものをつくれるのだと。どうだ、フロリダの写真を事実上、映して、そこに突入ができるのだと、挑発的なことですよね。あるいは低空で飛ぶ巡航ミサイルで、これだったら防衛できないだろう。それを見せるという形で、プーチン流のやり方なのですけれども、軍拡やめませんかと?」
反町キャスター
「あっ、そういう問いかけなのですか?」
佐藤氏
「軍拡やめませんかというメッセージですね」
反町キャスター
「トランプ大統領に対する?」
佐藤氏
「はい。北朝鮮と近いの。要するに、北朝鮮とロシアは近いです。求愛を恫喝で表すという文化があるんです。ですから、これだけ怖いことをたくさんやるということは、だから、お互いやったっていいことないから仲良くしましょうよと、こういうメッセージです」
反町キャスター
「それは、旧ソ連流の外交を北朝鮮が学んで現在やっているという?」
佐藤氏
「そういうことです」
山内氏
「結局、ロシアがいろいろなことをやっているのは、武器というのは優秀なのだと、かつ安いのだと。従って、いろいろな引手が来ている。それがどこで示しているか、シリアですよ。戦争で毎日のように空から陸に至るまで。地中海の東にはウラジオストクにある太平洋艦隊の旗艦、ヴァリャークと言うのですが、これが出かけて行ってS300Fといったようなものを撃ったりしている。あるいはタルトゥースという地中海沿岸にもそれを置いていると。こういう形でミサイル防衛システムをつくって。実際、シリアはそれによってアサド大統領が生き返って、それでIS(イスラム国)を叩いたりして、全部、これロシアの力ですよ。ですから、ロシアは実績を上げている、現在。トランプさんに対してそういうことを挙げつつ、佐藤さんが言われたようなメッセージも出していると。受け身だけではないわけ、当然。それから、自分達の方の武器の優秀性も示していると。しかし、かつてのSDIの時のような軍拡、実際には軍拡になったのですけれども、新しい軍拡競争にいくことだけは避けたいと。ですから、シリアにあれだけ軍事力、最新のを展開しながらイスラエルとの間にロシアはいざこざを起こしていないです。それはイスラエルとロシアの間の関係が非常に制御された、ある種のわかり合える関係だからです」
反町キャスター
「隣国シリアにそれだけ軍事協力・軍事援助をしていながら、イスラエルとロシアの関係は悪くならない?」
山内氏
「1つは、ソ連解体の前後から、ユダヤ人がしつこくして、イスラエルをつくって、イスラエルにおいてヘブライ語の次に有力な事実上の言語はロシア語ですから。そういう移民達、ロシアというものがだいたい大きなファクターを持っている国がイスラエルです。ですから、ロシアの行動様式、ロシアとの人的関係、こういうものがキチッとできている、読める国ですよ、イスラエルも、ロシアも。従って、個々の領域に関してはイスラエルを侵犯してもイスラエルは絶対に落とさない。落とさないです、ロシアの飛行機を。ですから、そういうようなことがあって、制御された関係がある。しかし、イランは別ですね、イスラエルにとって。イランを同盟、あるいは友好関係で持っているロシアが何とかイランというものを制御しながら、アサド政権を支援しているという構造をつくると。その背後にあるのが、今のような武器体系のある種の能力や有効性を毎日のように証明しているということです。それによってシリアの子供達や一般市民達が実は多くの犠牲を受けているということも見ておかなければいけない。ですから、ロシアのそういう、ある種のグローバルパワーとしての力というのは、そういうシリアの日常的な現在の問題にも絡んできているということ」

米ロ中… 大国指導者の実像
反町キャスター
「佐藤さん、2人からロシアの軍事的なプレゼンスを通したアメリカとの対話の話を聞いたような理解をしているのですけれど。では、中国はどうなのだと?中国は空母を現在、1隻、2隻持ち、さらにいろいろな空母をつくろうとしているし、ミサイルもやるし、いろいろなことをやろうとしている。中国の、習近平さんと言ってもいい、習近平さんのトランプ大統領との会話の仕方と、プーチン大統領のトランプ大統領との会話の仕方というのは、同じなのですか?それとも、回路、やり方、アプローチの仕方は違うのですか?」
佐藤氏
「だいぶ違うような感じがしますね」
反町キャスター
「どう違うのですか?」
佐藤氏
「特に軍事に関しては、プーチンさんの方がずっと合理的で怖いと思います」
反町キャスター
「どういう意味ですか、それは?」
佐藤氏
「たとえば、中国の航空母艦、前の方がスキーのジャンプ台みたくなっていますよね?」
反町キャスター
「なっています、はい」
佐藤氏
「カタパルト技術がないので、匠の技で飛ばないといけないんですよ。これは訓練が大変です。相当、飛行機、落ちますし、人が死にますよ」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤氏
「ですから、これで、航空母艦の場合、3隻ないと実質の運営できないですから。たぶん早くて10年かかるんです、運営できるようになるには。その頃どうなっています、世界の兵器体系は?おそらく無人戦闘機が主流になって、航空母艦は単なる迎撃対象、単なる攻撃対象、すなわち標的になっちゃうだけです。それを皆、わかっているわけですよ。ところが、国家の威信として大きな航空母艦を持ちたいということ以外の合理的な理由が見つからない。だから、ここだけの話ですけれども、おおいに航空母艦をつくればいいんですよ」
山内氏
「つくればいいんですよ」
佐藤氏
「そんな無駄なことにお金を使って、その代わり、航空母艦をつくるのをやめて、潜水艦と無人飛行機とサイバー戦にその分のお金を投入される方がずっと怖いです」
反町キャスター
「ほぉ、それは、なぜロシアはそういう対象戦を組まないのですか?」
佐藤氏
「ロシアはそういったことによってソ連帝国が崩壊していますから」
反町キャスター
「先ほどのSDIの話?」
佐藤氏
「あの経験があるわけです」

日本が示すべきリーダー像
竹内キャスター
「国内から懸念や反対の声も上がる中、安倍外交はたびたび政治決断をしてきました。佐藤さん、安倍総理の決断力をどのように評価されますか?」
佐藤氏
「決断力はありますよ。よくやっていると思います。ただし、日本という国が、マイナーリーグなの」
反町キャスター
「へッ?」
佐藤氏
「それで現在起きていることはメジャーリーグ戦なんです、基本的に、北朝鮮も。どういうことか、核保有国家のゲームです。ですから、日本の国の置かれている状況からして、このアメリカ・中国、あるいはロシア・北朝鮮、これが、展開しているゲームにはフルメンバーとしては参加できないです。そういう要件の中において、できるだけ最大のことをやっているので、他の人が総理をやって安倍さん以上の外交ができたとは思わない」
反町キャスター
「まずメジャーとマイナーの入れ替えをするためには、日本が核保有をしなくてはいけないという前提の話だと思うのですけれども」
佐藤氏
「しかし、それは、その必要は、私はないと思うんです」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤氏
「まずできない。これは時間が短いから、なぜできないかということを説明すると15分ぐらいかかるので言えないのですが。結論からすると、できません。やるべきではない。マイナーリーグはマイナーリーグとしての生き方があるんです。それはEU諸国と一緒です。ですから、そういう道を探ったらいいと思う」
反町キャスター
「メジャーとマイナーの仕分けのルールが、核を持つか、持たないかではなくて、たとえば、これから先、ミサイルディフェンスの発達等々によって核を持っていることが何らアドバンテージにならないような時代になるとか、そういう…」
佐藤氏
「予見する未来においては、それはならないと思います。なぜならば、防衛よりも攻撃をするのは、たとえば、多弾頭弾、要するに、大気圏内に再突入した時に10発以上でてくるようなものが出てきた場合には、その防衛というのは簡単にできない」
山内氏
「最近のシリアでも…、兵器体系がそういう多連装、多元的に攻撃した場合に、なかなか難しいという。それをもう少しシステムとしてつくった場合にはさらに太刀打ちできないという、そういう問題ですよね。先ほど、核のことをおっしゃいましたけれども、日本はそうかもしれませんけれども、韓国は違うと思うんですね。韓国は南北の統一と言った時に、もしこれが仮に平和裏に統一した場合、韓国は究極的に北との関係がどうなるかは別として、そこで朝鮮半島で核を持つ単一国家が誕生するということになるんですね、現在。その場合に、日韓関係、あるいは日本と朝鮮半島の関係というのは地政学的、あるいは国際政治の構造で、全然、根本的に変わってくるんですね。その時に日本はどういうシナリオを描くかということはまだ何も考えていないという、少なくとも表面では、我々自身も。大変難しい問題ですよ、これは」
反町キャスター
「山内さん、北が赤化統一をした場合に当然、北は核兵器を手放さないと思うんですけれども、南が経済的な力をもって北を吸収する形で南主導の統一があった場合でも、統一朝鮮は北の核を手放さないと思っている?」
山内氏
「その赤化統一という言葉もなかなか懐かしい言葉なのですけれども…」
反町キャスター
「ありがとうございます」
山内氏
「南が主導で経済的云々というようなことでも、政治の意思と、政治の収斂していく、コンバージしていく力の強さは、現在の統一のあり方を見れば、少なくとも現在の文在寅政権のような、これは北に併呑されるんですよ、飲み込まれる。だから、その時に、核をわざわざ廃棄していくか。あるいは核というものを無力化していくのか、非核化していくかというと、そういうシナリオは統一朝鮮のシナリオとしてはなかなかそれはつくりづらいものになるだろうという。これは大変、心配なところです」
佐藤氏
「私も非常に懸念します。これは最終的な責任は神様にあるんです」
反町キャスター
「へッ?」
佐藤氏
「どうしてかと言うと、日本は人形峠のウランを掘り尽くしちゃいましたよね。ですから、ウランはとれない。北朝鮮は掘ればザクザク出てくるわけですよ。ですから、統一朝鮮がどういう形でできるにせよ、そこは自力でウランを掘り出すことができるわけです。仮に核を北朝鮮が廃絶したとしても、そのノウハウを持った技師達は残るわけです。ですから、すぐにつくれるわけです。となると、現在はNPT体制、核拡散防止体制がありますけれども、たとえば、イランが核開発に成功するとなった場合には、パキスタンの核がおそらくサウジアラビアに行くでしょうから。そうしたら、中東に核拡散が起きると、NPT体制が無実化する。その時に、統一した、平和裏に韓国が北朝鮮を統一したとしても、そこでウランがとれ、核兵器をつくれる技術を持っている人達がいるならば、国家意思でただちにつくれるわけです。日本は意思があっても、どこからウランを買ってくるのか、実験場をどこにつくるのか、そういうデータは日本にはないですから」
山内氏
「日本人は核保有に関してかなりのパーセンテージで反対ですよ。8割、あるいは9割かもしれない。しかし、たとえば、イランの場合、反対するのは保守・進歩、立場の左右を問わず、反対する人間なんてほとんどいません。それと同じような状態が朝鮮半島でも起こり得るということ。いちいち非核化というようなことにいくかどうか。自分達の手にしたテクノロジーを手放すかどうかという、そういう問題。ですから、我々の基準で見ていきますと、なかなか国際関係の冷酷さ、この厳しい状況に我々はあるということを、今回の北朝鮮とアメリカの、いわゆる対話なるものについてもそうですけれども、温度差があまりにもあるのではないかと、この国内の状況と」

佐藤優 元外務省主任分析官の提言 『誠実に!』
佐藤氏
「誠実に、ということだと思います。これは現在の安倍総理だけではなく、特にこの番組を見ている高校生・大学生に問いたいのだけれども、あなた達が将来のリーダーなのだから。是非、今日、冒頭ではいろいろな嫌な話があったのだけれども、官僚を目指してほしいと思うの。優秀な人に財務官僚、外務官僚、防衛官僚、経産官僚はじめとして、官僚になって国家・社会のために尽くす、誠実にやってほしいと思う。ですから、現在の政治家に望むとともに、若い人達にこの日本を諦めないでほしい、がんばってほしいと思うんです」

山内昌之 東京大学名誉教授の提言 『足ることを知って足る者は常に足る』
山内氏
「私も共通するところがあるかもしれませんが。『足ることを知って足る者は常に足る』という、こういうある古典の話です。つまり、核保有、核国家でないと、保有国家でないと、現実のこういう権力政治では発言権を持たないと。だから、核を持つのかと言ったら、そうではない。日本は平和主義、あるいは憲法、それから、国民の何よりも重要な勤勉さと平和への希求という、こういう大きな武器があると。これが足りているということ、このことを知るという者は、いつも自分が満ち足りているということにもつながる。安倍さんをはじめとするリーダー達は、日本の政治家は、この『足ることを知る』、これが大事なことではないか。基本的に言えば、国際関係でもそうで、外国の政治家もこういうような志で物事を考えていけば、このように世の中が不幸なことにはなっていないのではないかということです」