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2018年3月8日(木)
韓国文政権の本音と謎 半島急変の波紋と日本

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣
武藤正敏
元駐韓国特命全権大使
黒田勝弘
産経新聞ソウル駐在客員論説委員

南北接近 慰安婦問題再燃… 韓国・文政権の本音と謎
松村キャスター
「今週、韓国の特使団が北朝鮮の金正恩委員長と会談し、来月末に南北首脳会談を行うことなどで合意しました。今日午前には韓国の特使団トップの2人が説明のためにアメリカに出発しました。北朝鮮への圧力を最大限まで強めることでアメリカや韓国と一致していた日本は、この情勢の変化にどう対応すべきなのか、今夜はじっくり話を聞いていきます。今週火曜日、韓国大統領府は平壌を訪問した特使団と北朝鮮の金正恩委員長との会談における合意内容を発表しました。主なものがこちらです。『4月末に板門店の韓国側にある施設"平和の家"で第3回南北首脳会談を開催する』『両首脳間のホットラインを設置する』『北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、体制の安全が保障されるなら核保有の理由はないこと』『非核化協議と米朝関係正常化に向け、アメリカと虚心坦懐に対話する用意があること』『対話が続く間、核実験やミサイル発射など戦略的挑発をしない、核や通常兵器を韓国側に対し使用しない』など、このようなことが明確化しました。まず武藤さん、この合意内容の全体をどのように感じますか?」
武藤氏
「一言で申し上げて非核化と言っても、これまで北朝鮮が言ってきたことを、形を変えて言っているだけでもって、核・ミサイルを放棄するということはコミットしないでもってきましたよね。だから、金正恩委員長として非常にうまくいったと思っているのではないでしょうかね」
松村キャスター
「黒田さんはいかがですか?」
黒田氏
「代表団が北に行って、非常に歓待を受けたと。たとえば、金正恩の奥さんまで一緒に出ているわけですから、ファーストレディまで出ているわけですからね。しかも、フランスワインが出て、西洋料理が出たとか、非常に普通の国家的なソフトなイメージに出て、非常に歓待されたということですから、そのへんが話題になったのですけれども。ただ、合意内容と結果については、当初は非核化の意思を明らかにした、みたいな受け止め方だったのですけれども、暫くすると、よく考えていると、昔にも…、昔も同じようなことを言っていたなという話が随分メディア等で出まして。この非核化というのも、朝鮮半島の非核化というのが金日成以来の遺言であると言っているわけで、自分達の非核化と言っているわけではないわけで、必ずしも非核化の意思を明らかにしたとは言えないよと。これはもうちょっと見てみないとわからないなと」
松村キャスター
「佐藤さんは、どう見ていますか?」
佐藤議員
「北朝鮮がうまくやったなという気がしますね。韓国側がほしがるものをしっかりわかったうえで、うまく抱きついた、まさに北朝鮮の今回の合意、全般を見て、非常にうまい形で抱きついて、韓国を取り込んだような、という全般的には思っています」
反町キャスター
「武藤さん、いかがですか?北が韓国を取り込んだという?」
武藤氏
「取り込んだということは取り込んだのですけれど、ただ、文在寅大統領がそれに乗りたいと思っていたから取り込めたということもあるんですよね」
反町キャスター
「取り込まれたかった?」
武藤氏
「取り込まれたかった」
反町キャスター
「フフフ…、はい」
佐藤議員
「だから、双方の思いが合ったのでしょうね。特に文在寅大統領は、選挙でも公約で1年以内に南北首脳会談をやると言っていましたから。それが5月に着任しましたから、まだ4月末というのは1年のギリギリです、それまでにはやりたいという気持ちはずっと言ってきましたから。まさに6月13日に統一地方選挙がありますからそれに向けて何かこういう国内向けにも首脳会談はすごく大きなタマになりますし、しかも、この合意のように板門店でやると言ったら、これは効果が出ますから。これは6月13日の統一選挙には大きな影響が出ると私は…。というのを見たうえで、韓国のそういう想いを見たうえで、北朝鮮はいろいろなカードを切ってきたと思います」
反町キャスター
「合意内容の中で我々が気になるところが上から3つ目、非核化協議の話なのですけれど。この場合の非核化というのは、黒田さんもちょっと言いましたけれど、黒田さん、ここで言っている南北の合意内容における非核化、いろいろなところで非核、非核と出てくるのですけれども、これは北の非核化なのですか?それとも朝鮮半島の非核化なのですか?その場合の違いはどこにあるのですか?」
黒田氏
「これは有名な話ですけれども、これは『朝鮮半島の非核化』ということで特に今回も金正恩さんが、おじいちゃんの金日成の遺言だと言っているわけですが、金日成は1991年、たとえば、私はずっと昔からソウルにいて取材していますけれど、1991年に南北で、首相、総理会談というのをずっとやって、そこで南北非核化宣言というのもしているわけですよ、その時、既に。しかも、南北不可侵宣言もやったし、その時の非核化というのは『朝鮮半島の非核化』ですよ。だから、つまり、北はその時に核を持っていないので、その時に、意味は何かと言うと、在韓米軍が持っている核を撤収しなさいということで、それでアメリカは、それをOKしたんですよ」
反町キャスター
「現在の時点で北が核を持ち、運搬手段も持っているとされる状況下における非核化協議をアメリカと虚心坦懐にやるという、この意味は?」
黒田氏
「非核化の原則は、我々は否定しないんだということの、一種の原則論であって、具体論ではないわけですよ」
反町キャスター
「たとえば、在韓米軍が撤退すると、つまり、在韓米軍が核兵器を持つ可能性があるという意味においてですよ、在韓米軍の撤退と引き換えに北の非核化の話し合いみたいな、こんなイメージなのですか?」
黒田氏
「たとえば、在韓のみならず、米軍、あるいは米国の核の傘も、非核化の対象だと彼らは言うわけですよ。言ってくるんですよ、当然」
反町キャスター
「グアムから飛んで来る爆撃機やら、本土から飛んで来るICBM(大陸間弾道ミサイル)やら?」
黒田氏
「そう」
武藤氏
「そうそう」
反町キャスター
「できないでしょう?」
黒田氏
「だから、それが非核の意味であって、それが保障されるのだったら、我々も、やめてもいいよと。それはもう1つの合意にある、つまり、出ているではないですか」
武藤氏
「体制の安全が…」
黒田氏
「体制の安全が保障されるなら核保有の理由はない、そのことを言っているわけですよ。体制の安全は北にとって何かと言うと、要するに、米軍とか、米韓軍とか、米軍の脅威がないということですよ。と言うことはイコール、アメリカの核の傘もないということで。それをちゃんと保証されるなら、我々も放棄しますよという意味であって…」
反町キャスター
「言葉は美しいけれども、無理な話ですよ」
黒田氏
「そういう意味ですよ」
武藤氏
「そうですよ。だから、体制の安全保障というのは、朝鮮半島平和協定を結ぼうと北がずっと言っているわけです。韓国の政府は皆、これを危ないと思って、それに慎重だったわけですよ。これはなぜかと言うと、朝鮮半島の平和協定のために北が言っているのは、在韓米軍を撤退しろ、米韓軍事同盟もやめろと、こういう話ですよ。そうなったらどうなりますか?北の圧力をもろに受けるわけです。だから、過去、これまで政府は反対…。文在寅大統領はそれに対して割と前向きだっていう話ですよね。だから、アメリカ軍がいなくなったら、それは、北朝鮮は本当に安全だと思うんでしょうね。だけど、核の保有の理由はないと言っているけれども、だけど、核を放棄するとは言っていないでしょう?」
反町キャスター
「うん、なるほど。佐藤さん、この非核化の定義とか、さらに言えば、核保有の話、『体制の安全が保障されるなら』という話を考えると、南北が合意した半島の非核化というのは日本にとって必ずしも歓迎すべき状況ではないような気がだんだんしてくるのですけれども、いかがですか?」
佐藤議員
「このフリップの2番目で『北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され』とあるではないですか、もともとの合意はその前に『朝鮮半島の非核化』と書いてあるんです」
反町キャスター
「はい、あります」
佐藤議員
「そこが1番大事なところで、『軍事的脅威が解消され』の中にまさに在韓米軍というものが入っているのであれば、それはとんでもない話ですよね。もう日本にとってはそこが空白地帯になりますから」
反町キャスター
「そういうことですよね?」
佐藤議員
「はい。軍事的脅威というのが何かという部分を詰めないとなかなか難しい話だと思います」
武藤氏
「それを韓国の特使が行って合意してくるということですよ」
佐藤議員
「朝鮮半島の非核化…」
反町キャスター
「佐藤さん、話を聞いていると、日本はこの合意内容を歓迎すべきではない」
佐藤議員
「そこはまだ…」
反町キャスター
「強い懸念を表明すべき内容なのではないのですか?」
佐藤議員
「まだ、これからその中身を、徐薫さんが来た時にいろいろと詰めますけれど。そういう意味がわからないわけです、まだ、字面だけでは、北朝鮮は、朝鮮半島における非核化の意思を明確にして、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消されれば、体制の安全が保障されるなら保有の理由はないと、つながっているんですね」
反町キャスター
「その意味で言うと、黒田さんが言ったみたいな『体制の安全の保障』とか、ないしは『半島の非核化』というのは、在韓米軍の撤退で、アメリカのグアムからでも、本土からのICBMでも構いません、核の傘からも韓半島が全部除去されて、完全にニュークリア・ニュートラルみたいな、核についての完全な空白地帯に韓半島がならないと、北朝鮮はその時点でようやく『核保有の理由はない』と思うと読めちゃうんですよ」
佐藤議員
「だから、そう簡単な話ではないですよ、これは。だから、これはまさに米朝で協議する時に、この部分が軍事的脅威というのが何なのかによっては、そんな簡単な話ではないですよ、当然。この合意自体が非常に、だから…」
反町キャスター
「危ない?」
佐藤議員
「うん、よく見ないとわからない。まさにいろいろな見方ができると思います」
反町キャスター
「政府として歓迎するというコメントはまだ出していませんよね?」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「そこは、そういう意味において、まだわからないから?」
佐藤議員
「まだ、韓国の方から徐薫氏が来て、いろいろ話を聞き、意見交換しますから。でないと、わからないですから」
松村キャスター
「さて、北朝鮮の金正恩委員長と会談した鄭義溶国家安保室長と、徐薫国家情報院長らが今日、アメリカ側に合意内容を直接説明するため、韓国を出発しました。北朝鮮との対話を始めるよう働きかける方針です。その後、鄭室長は中国とロシア、徐薫院長は、先ほどから話が出ていましたけれども、日本を来週、訪問し、今回の合意内容を説明するとしているのですが、佐藤さん、その時、韓国側にどのようなことを日本側としては確認すべきなのですか?」
佐藤議員
「まさに今回の北朝鮮との会談、特使としての会談の時の中身、どういう合意をしたのか?あるいはアメリカに行って米朝協議の橋渡しをやったのであれば、その中身というのを当然聞きます。だから、プラス、今後どういう形で北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるかということについても当然、すり合わせをしたいと思います」
松村キャスター
「今回、鄭義溶国家安保室長が、中国とロシア、徐薫院長が日本ということで、分かれて、ばらける意味はあるのかどうかということはいかがでしょうか、武藤さん?」
武藤氏
「それは何か国もまわらなければいけないから手分けするということでしょう。だけど、事実上、鄭義溶さんが団長みたいな形だから、それは中国・ロシア行って、大国に行って、日本はその次の徐薫さんと考える人もいるかもしれない。ただ、実際に力を持っているのは徐薫さんですよね」
佐藤議員
「そうですね」
武藤氏
「だから、そういう人が日本に来るということは、日本を大事にしているという側面はあると思うんです」
反町キャスター
「じゃあ、この役割の振り分けに関しては、特にどうこうという、政治的な意図をそこに見るものではない?」
武藤氏
「ではないと思います。要するに、中国とロシアというのは対話を重視しているから、黙っていても歓迎するだろうと。日本はなかなか難しいことを言っているから徐薫さんをやってキチッと説明…」
反町キャスター
「難しいこと言っている、今の話はちゃんと詰めるからという意味ですよね?」
佐藤議員
「そうです。実際に現在、来週この徐薫氏が日本に来る方向で調整していますけれども、過去の2回の南北首脳会談に同席しているんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「2回とも平壌に同席しているし、これまで対北という観点での、統一を含めた、交渉を含めた、筋書きとかを書いている可能性がある1人ですから。いろいろな情報を持っているという面では、彼が日本に来るというのは意義が大きいと思います」
黒田氏
「佐藤先生がおっしゃったのは非常に良い指摘。つまり、情報機関の大ベテランですよ。つまり、通ですね、北通と言うではないですか、通と話ができるのは非常に重要であって、単なる外交官ではなくて。その際、つまり、拉致問題、彼に喋らせればいいと思います。つまり、あるいは拉致を解決するためにどうしたらいいですかと。何かアイデアないのと。つまり、あるいは金正恩さんにつないでよと。そんな話だってできる相手だと思いますよ」
反町キャスター
「なるほど」
黒田氏
「うん、使いでがある。なんと言いますか…」
反町キャスター
「ただし、過去2回の南北首脳会談に立ち会ったということは、おそらく韓国の中で、最も南北の話し合いの進展とか、平和的なプロセスとか、統一に向けて熱心な人と言ってもいいぐらいの人ですよね、おそらく?」
黒田氏
「うん」
武藤氏
「うん」
反町キャスター
「その人が日本に来る。日本は拉致の問題やら持っているし、対話か、圧力かと言えば、圧力だと世界で1番言ってきた国ですよ」
黒田氏
「うん」
反町キャスター
「そこにこの人を送ってくるというところ、我々は冷静に受け止めた方がいいとは思いますが、どう見ているのですか?」
黒田氏
「だけど、あまり表面的に考える必要はないと思います。先ほどから言っているように、要するに、プロではないですか。つまり、北の情報のプロですから。プロはプロ同士のある種の呼吸っちゅうのが、あるのであって。それは何でも言っていい、何でも聞いていいと思いますよ、これは」
佐藤議員
「特にこれから米朝協議の中身というのは、たぶんこの徐薫氏もずっとたぶん考えている1番の方だと思いますから。その方と米朝協議の今後の方向性とかいう部分も意見交換できたらありがたいと思っていますし、今回、アメリカの方も、核・ミサイルの他に、現在、アメリカ人が3人、北朝鮮に拘束されていますから」
反町キャスター
「ああ、そうなのですか?」
佐藤議員
「はい。その解放したいというのは核・ミサイルとは別なトラックでアメリカは持っていますから。それも米朝協議の1つの、たぶんテーマに…」
武藤氏
「そうですね」
佐藤議員
「…出ます」
反町キャスター
「佐藤さん、4月の末の南北、板門店、米朝協議というのは、どのレベルの米朝協議を、4月の末の南北よりも前か後かというのは、どう見ていますか?」
佐藤議員
「たぶん韓国・北朝鮮の思いとしては予備協議的なものかもしれませんけれど、それは首脳会談の前にやりたいとい思いはあって」
反町キャスター
「やりたいというか、やらせたいんですよね?米朝を先にやらせたいという意味ですか?」
黒田氏
「そう」
武藤氏
「うん」
佐藤議員
「そうです。と言うか、北朝鮮もそういう思いはあるかもしれません。だから、今回この団長の鄭義溶さんが空港で、米朝協議を早くやらなければいけない、そのために行くのだということも言っていますから。おそらく首脳会談の前に、米朝の予備的な協議、形をやらないと、首脳会談の中身も詰まらないという部分もあろうかと思います」

南北『合意』の余波 軍事演習再開『理解』の裏
松村キャスター
「これまで北朝鮮が頑なに中止を求めていた米韓合同軍事演習ですが、韓国側の発表によりますと今回の会談では『金正恩委員長は4月からの米韓合同軍事演習を例年と同規模で実施することに理解を示した』ということですね」
反町キャスター
「黒田さん、韓国側の発表における『同じ規模の軍事演習に理解をする』という、これをどう見ているのですか?」
黒田氏
「これも、米韓演習だから韓国もやるのだけれど、韓国に言っているのではなく、アメリカに言っているわけではないですか。要するに、そういう理解を示したということをアメリカに伝えてくれという話です。つまり、俺達はこれぐらいの余裕というのですか、つまり、懐の広さがあるんだよと。だから、早く米朝の交渉に出てください、話し合いをしましょうと。そのメッセージですよ、これは。それを使ったっちゅうことですね」
反町キャスター
「なるほど。その間は一時緊張感を持って、軍事対応をして、それこそ、シルクワームみたいな300㎞ぐらいのミサイルをピュー、ピュー、撃ったりもせずに…」
黒田氏
「そうです」
反町キャスター
「淡々と北朝鮮軍は…」
黒田氏
「今回、そう」
反町キャスター
「通常営業する可能性がある?」
黒田氏
「今回、そうですよ、ええ」
反町キャスター
「それは、北にとってもハッピーなことですよね、おそらく?」
黒田氏
「金正恩さんはそういうふうにある種の戦術的転換をしたわけではないですか、新年の辞以降ね。だから、平和攻勢をやっているのは、そのせいですけれども」
反町キャスター
「なるほど」
黒田氏
「だから、これもアメリカ向けのメッセージで。アメリカはこれをどう受け取るかですね」
佐藤議員
「うん」
武藤氏
「アメリカ向けメッセージと言ったら、これは全部、アメリカ向けですよ」
反町キャスター
「武藤さんにも聞きたい。そうすると、米韓合同軍事演習を派手にやります、でも、北朝鮮軍はピクリとも動かない。普通に訓練して、普通に田植えをしているということが世の中に知れて、もしかしたら北朝鮮はメディアにその様子を撮らせて放送するかもしれない。こういう状況になった時に、アメリカはどういう状況になるのか?」
武藤氏
「平和国家ということを訴えるでしょうね。全てアメリカ向けのメッセージですよ。米韓首脳会談をやらなければ、やる…口実にこれを全部言っていることですよ。実際、中身はあまりないと思いますよ」
佐藤議員
「だから、今回、気をつけないといけないのは現在、北朝鮮に対する圧力を緩めてはいけない時期ですね。何にも動いていないわけだから。そういう時に米韓合同軍事演習の中身が、今回のこの南北合意によって、韓国側が少し数を減らしたとか、そうならないようにしないといけないと個人的には思っています。実際、今日、アメリカの太平洋海軍トップと韓国の国防長官が会談した時に、韓国の国防長官が原子力潜水艦は来なくていいというようなことを言って、いや、来ると打ち消していますけれど、そういうことを」
反町キャスター
「どっちが打ち消しているのですか?韓国がそんなことは言っていないと?」
佐藤議員
「いや、言ったのだけれども、アレは冗談で言ったのだという形で打ち消しているんですよ」
反町キャスター
「そういうの、冗談にならない話ですよね?」
佐藤議員
「だから、そういうのが流れているので。だから、そういうふうに今回の合意が本来の圧力を弱める方向に動いてはいけないですよ。まだ何も向こうは行動していないわけですから。だから、そういう時にこの合意が何らかの心理的な影響を及ぼして、米韓合同軍事演習で中身が若干、弱くなってしまうというのは絶対によくなくて。しかも、4月末に南北首脳会談でしょう。その間をずっと前と後ろを挟むわけですから、演習が、やる場合は。気合が入りにくい演習にならないようにしないといけないですよ」
反町キャスター
「原子力潜水艦の入港を拒否するということを冗談半分でも言ったとしたら。言ったんですよね。原子力潜水艦と、つまり、何かと言ったら、核搭載の可能性が極めて濃厚だという意味ですよね?」
佐藤議員
「入港ではなくて、演習に参加という」
反町キャスター
「演習に参加?」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「つまり、韓国の領海に核搭載可能な原子力潜水艦…」
佐藤議員
「領海かどうかはわかりませんよ、公海…」
反町キャスター
「近海?」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「近海に来るということを、それを来ないでくれと言ったということは、つまり、それは…」
佐藤議員
「冗談だって、今、言っていますよね 」
反町キャスター
「韓国の軍人ですよね?文民で政治家が言うのだったら、まだわかるんですよ」
佐藤議員
「でも、国防部長官ですからね」
反町キャスター
「その人が言うということは、つまり、韓国の軍部までもが既に南北の対話ムードに飲まれているような印象を受けるのですけれども、そこはどう感じるのですか?」
佐藤議員
「それは、これから見てみないとわからないです」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「そういう断片的な報道が今日あって、それを現在、打ち消しているという話ですから、冗談だと…」
反町キャスター
「でも、冗談になっていませんよね?」
佐藤議員
「だから、結構、向こう、米海軍、太平洋海軍の司令官は、えっ?と思ったでしょうね」

慰安婦問題『再燃』 文政権の狙いと日韓関係
松村キャスター
「日韓関係の最大の障害である慰安婦問題について文大統領は今月1日の3.1の独立運動記念式典で、慰安婦問題について『加害者である日本政府が"終わった"と言ってはならない』、このように発言しているのですが、3.1の独立運動記念式典という場で、このように述べた意味というのは?」
武藤氏
「記念式典の時は歴史問題をいろいろ扱うというのは、過去の例から別に珍しいことではないのですけれど、終わったと言ってはならないというのは、最終的かつ不可逆的な合意というのは政府間の正式な合意ですよね。彼は、被害者がこれを納得していないからダメだと言っているんですけれど、ただ、朴槿恵大統領が他の大統領と違うところは、すべての慰安婦の人達と接触しているわけですよ。だから、7割の人が理解を示して、日本政府からの資金も受け取ると言っているわけですよ。文在寅大統領は、それに納得していないわけですよ。彼の言う納得していないという被害者は挺対協とナヌムの家に属している慰安婦ですよ。日本としてそんなの受け入れられないと言えばいいんだと思います」
松村キャスター
「黒田さんはどう感じますか?」
黒田氏
「基本的には武藤さんと同じ意見ですけれども、3.1というのは、約100年前に、日本統治時代に起きた抗日・愛国運動記念日ですから、その時に毎年記念式典で演説して、そこで日本に触れるということはあり得ることで問題はないのですけれども、特に前の朴槿恵大統領も就任最初の時の演説で、こう言ったではないですか。歴史において、加害者と被害者の立場は1000年経っても変わらないと言ったでしょう」
反町キャスター
「ありました」
黒田氏
「1000年でいろいろなことが変わるのではないのと、皆、驚いたのですけれども、そういう歴史に触れて何か耳目を引くような、格好いいことを言うことはあり得ることで、今回もそうなのですけれども、従って、これを聞いた時に必ずしも日本を意識して言っている感じはしなかったですね。と言うのは、近年、3.1独立運動記念日の演説では真の我が民族の独立の方向というのは、南北統一だということを言って、必ず北の問題に触れたんですよ。今回北の問題にまったく触れなかったので、こういう状況にあるにもかかわらず、皆、びっくりして、おかしいのではないか、と言っているのだけれど、つまり、現在、彼は対北接近で融和策をとっているわけではないですか。これに対しては韓国の保守派とか、世論のかなりの部分が、ちょっと北にのめり込み過ぎではないのと。韓国、我が国の自尊心というか、誇りを持った対応をするべきではないのかというのがあって、たとえば、3.1のその日に、ソウルの都心は反文在寅政権の数万人のデモがあったわけです、これは保守派ですね、キリスト教などもそうですけれども、これは、要するに、このままだと韓国は北に呑まれそうだとか、左翼、社会主義勢力に韓国はやられてしまうのではないかという、そういう反文在寅政権へのデモですよ、数万人ですよ。中心街は埋まりましたよ。国旗と星条旗で。つまり、文在寅さんは北にのめり込んで、アメリカをないがしろにしていると、見えるわけですから、保守派からすると。米韓同盟が我が国の基本という主張で、そういうデモがあったのですけれど。このこころは何かと言うと、文在寅さんは、大韓民国をないがしろにしておるという、あれは本当に愛国者なのかと、北に売っちゃう売国奴ではないか、極端に言えば、そういう雰囲気が保守派の間にはあるんです。だからこそ、私は売国奴ではありませんと、民族主義者で、愛国者ですと、韓国の歴史をしっかり押さえていますと。それで日本の問題を出して、愛国シンボルの竹島・独島問題と慰安婦問題を出して、私はこんなに気を遣っているんですよということを国民に見せたわけですよ。何も日本に嫌がらせをするつもりはなかったと思いますよ。僕はそういう解釈をして、あたっていると思います。ただ、文在寅さんがそういうところで、ああいう発言をするのは日本の世論を刺激して、また、厭韓、嫌韓感情が広がるのに、まずいことをいっちゃったなと、私は思いますよ」
反町キャスター
「韓国の政治家が愛国心を国民にアピールする方法というのには、日本のことを言うしかないのですか?」
黒田氏
「それはちょっと。武藤さんが長く外交官をやって…」
反町キャスター
「他にないのですか?」
黒田氏
「うん。私はせつないと言っているんですけれども」
反町キャスター
「北に接近する時には日本を叩いて、バランスをとると言うのは、どういうメカニズム?」
武藤氏
「どういう心理状態なのですかね。私はわからないですよ。ただ、終戦記念日の演説で、徴用工の問題、南北一緒になって、日本の歴史問題について調査しようと。南北と言ったって、北は敵でしょう。日本は同盟国ですよ。敵と一緒になって日本の歴史問題を叩くなんて、こういう言い方をするというのはセンスがないですよ、外交的に」
反町キャスター
「韓国において、その発言は評価されるのですか?メディアは前向きに報道するのではないですか?」
武藤氏
「あまり前向きに報道したことはないでしょう」
黒田氏
「うーん」
武藤氏
「あまり問題意識を持たないと思うんですよ」
黒田氏
「今回もこの演説で日本絡みの部分は世論にアピールしたことは特にないわけなので。世論は、仏教には申し訳ないけれど、ある種の、お経という感じで、お経は善いことを言っているわけですから、それに反対する必要はないわけですけれども、だけども、それをすぐその通りに実践するとか、共鳴して一緒に叩くとかではないわけですけど」
反町キャスター
「それはおかしいですよ」
武藤氏
「そうだなと」
黒田氏
「文在寅大統領からすれば、最初の就任の最初の年の3.1記念演説でそういうことをちゃんと言ったと記録に残る。そうすると、あの人は、そのあとに何か悪いことをするかはわからないけれども、愛国者だったのだなということになりますから」
武藤氏
「ただ、オーディエンスでも、一般国民と自分の支持者は違うわけですよ。彼は挺対協とか、自分の支持層に向かって言っているんですよ。現在、あちこちで少女像とかできているでしょう」
黒田氏
「少女像ではなく、慰安婦像と呼んでほしいのですが」
武藤氏
「私はそう言っているのだけれども、日本では一般的でしょう。八十何点あるのですか」
反町キャスター
「そんなにある?」
武藤氏
「そう。誰も関心がないんですよ。だから、総領事館の前につくるんですよ。こういう少女像…、慰安婦像とか、慰安婦博物館ができるのは、それだけ関心が薄れているから、それを思い出させるためにつくるという側面もあるんですね」
反町キャスター
「1番いいのは無視することなのですか?」
武藤氏
「無視すること」
反町キャスター
「騒がない方がいい?」
武藤氏
「私はその方がいいと思います」
反町キャスター
「メディアが騒ぐのは、かえって向こうが喜ぶだけ?」
武藤氏
「困っているから抗議するのでしょうと、そういう感覚ですよ」
反町キャスター
「黒田さん、我々の番組でそういう問題を扱わない方がいい?」
黒田氏
「それは悩ましい。無視するというのは最大の否定というのですか、なるのですけれど、そうかと言って、それが知られるわけですから、我々国民に。そうしたら不愉快であるし、侮辱を感じるし、国民として、国として何かやらざるを得ない」
佐藤議員
「そこは抗議しないとね」
黒田氏
「そこのところの折り合いは、民間が反日のパフォーマンスとしてやるのは仕方がないと。だけども、日本大使館前、日本総領事館前の慰安婦像は、これはけしからんと」
武藤氏
「抗議はすべきだと思うんですよ。抗議の仕方だと思うんです。たとえば、日本は、慰安婦だった人達を強制的に連れて行ったことはないと。強制的に連れて行ったのはけしからんと言うでしょう。強制的に連れて行ったという証拠はないですよ。だけれど、韓国の人達は皆、そう思っているんですよ。アメリカにはかなり知れ渡っているんですよ。だから、これを否定しようとすると、かえって日本は何だとなるんです。むしろやるべきは慰安婦の問題についてキチッと調査をして、『帝国の慰安婦』という本を書いた人がいるんですよ。それを発禁にしているんですよ。誰がやらせているかというと挺対協ですよ。挺対協の連中は、自分でもって慰安婦の歴史を韓国でつくっちゃって、それ以外の客観的歴史の事実を全部否定していると、けしからんではないかと、こう言った方がアメリカでウケルでしょう。わかりやすいでしょう。国際的にわかりやすい論理で彼らがやっていることは否定しなければいけないですよ」

国民感情と大統領の末路 韓国社会の本質とは
反町キャスター
「我々がつくった表ですけれども、韓国歴代大統領の末路。亡命、退任、暗殺、退任、死刑判決、実刑判決、逮捕、逮捕、自殺、出頭要請、逮捕と、恐ろしい歴史なのですけれども、こういう状況下の中で、前大統領の朴槿恵さんはどうなっているのかというと、先日求刑が出ました。その求刑というのが懲役30年、罰金118億円ということですけれど、武藤さん、この懲役30年、罰金118億円の相場観、どう我々は受け止めたらいいのですか?」
武藤氏
「大統領の権限が非常に強いんですよ。だから、大統領の力があるうちは皆、寄って、たかって、近寄ってくるわけです。だけど、朴槿恵大統領は力を失くした、つまり、総選挙で負けてから、皆、彼女を叩くようになったんです。そこに出てきたのが、崔順実事件です。特に運動系の人達がデモをやって、労働組合が相当デモに参加しているんですよ。朴槿恵大統領を悪人に仕立てているんです。文在寅大統領がそれに乗っかっている。それで彼自身が、弾劾によって、大統領になったのですから」
反町キャスター
「今回、朴槿恵大統領が問われている罪に対し、30年、118億円というのは、バランスのとれている求刑と、韓国の皆さんは受け止めるものなのですか?」
黒田氏
「いや、思っていないですね」
反町キャスター
「重いと思っているのですか?」
黒田氏
「そう、極端だと思っている。だけど、これは検察の求刑ですけれども。検察はイコール政権と見ていいわけですから」
反町キャスター
「えっ?韓国の検察というのは政権のいいなりなのですか?」
黒田氏
「いいなりというか、あるいはその時々の世論、雰囲気、空気に弱いということですね。だから、現在、朴槿恵バッシングが続いていて、その締めく切りですけれども、締めくくりとして検察からすれば、これが相場観だということだと思います。一般の人が、別にこれを大変だなとか、30年も入っちゃうのとは思っていないですね。これはいったんこの求刑があって、次に判決があって、しかし、最後はおそらく朴槿恵さんも現在の政権の任期中に赦免で出てくるでしょうと。政治報復がおわったということですよね。そういう構造が、過去の大統領もそうですね」
武藤氏
「死刑判決でも出ていますから」
黒田氏
「死刑判決を受けても出ているわけですから。深刻にこの刑を考えることは…」
反町キャスター
「では、こういうものも、死刑判決も政治ショーではないですか?」
黒田氏
「つまり、法治主義と言ってもある種の見せしめ、感情だと思いますけどね。日本円で118億円の罰金ですけれど、朴槿恵さんにそんなお金はありませんよ。財閥に頼んで、崔順実という友人に、財団に協力してやってくれと、それでいくらかお金を出させた。それは賄賂だと言うのですが、朴槿恵さんが受け取ったわけでもないし、彼女のポケットには一銭も入っていないし、彼女の自宅自体が既に裁判の費用のために、借金をして、それをカタに出したというくらいですから、お金はありませんよ。だから、罰金と言ったって、彼女が払えるわけがないから、あまり意味がないね、と皆が言う」
反町キャスター
「そういう国民がいて、その国民の感情とか、情動的なものに、敏感に反応する政治とか、検察がいるという、この国を我々どう見ていったらいいか、黒田さん」
黒田氏
「これはすごい課題ですけれども。1つは、こういう求刑が出る、似たような判決が出るかわからない。この刑罰思想というのですか…の違いがあると思います、我々とは。我々は事実に基づいて、法律に基づいて、細かく考えるのだけれども、韓国の場合、伝統的には、悪いことをしたら見せしめとして国民、あるいは世論の前に、こういうイメージとして、印象として罰を与えましたよということで済むわけですね」
反町キャスター
「イメージで許してもらえるのですね?」
黒田氏
「そう」
武藤氏
「前の政権がいかに酷いことをやったか、私はそれをいかに直しているかということを言いたいのでしょうね」
佐藤議員
「前の政権がやっているんですよね」
武藤氏
「だから、韓国は法治ではなく人治だと言われるんです。法律に基づいてキチッとやるのではなくて、大統領が変わるとガラッと変わってしまうんですよ」
佐藤議員
「私はまさに体験者ですから」
反町キャスター
「入国拒否の時?」
佐藤議員
「私と新藤先生と稲田先生が、鬱陵島にある、竹島の博物館、いろいろな展示品があるよね」
反町キャスター
「竹島に行こうとしたのではなく、手前の鬱陵島に行こうとしたの?」
佐藤議員
「はい。その博物館にいろいろ間違いがあるので韓国の国会議員と3人で議論しようということで、入港しようとしたのですけれども、いろいろ反対運動があって、結局、入港できなかったと。その時の理由があとで知らされたんですね。テロリスト扱いの法律に基づいて入港させなかったと」
反町キャスター
「そういう韓国とどう我々は向き合っていったらいいのですか?」
佐藤議員
「まさに武藤先生が言われたように人治主義というのを体感した1人なので。そういう中でも引っ越せませんから。そこは粘り強く付き合って、韓国を、特に北朝鮮との関係では、日米韓の連携のこちら側にもってこないと。そこを粘り強くやるしかないと」
反町キャスター
「同じ文化を共有していると思います?」
武藤氏
「純粋に客観的に見れば、共有していると思います。だけど、国民感情が間に入ってしまうと、ダメですよ」
反町キャスター
「韓国という国が様々な国家的な意思決定のプロセスとか、国民感情の噴出から考えると本当の国柄というのは日本より北に近いと思った方がいいのですか?」
武藤氏
「同一民族だという意識は持っていますね。だけど、協力していかなければいけないのは日本だと思っていますよ」
反町キャスター
「そこは安心してもいいのですか?」
武藤氏
「そこは安心してもいいと思います。だけど、同一民族だと思っているから、北に対して甘いですよ。北は自分達を叩くことはないだろうと思っている。だから、北に対する恐怖意識が少なくて、文在寅大統領みたいな行動になってくるんですよ」

黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員の提言 『拉致問題のチャンス』
黒田氏
「日本にとって固有の拉致問題というのが北との関係であるのですけれど、今回、金正恩がやっと表に出だした。しかも、韓国といろいろ突っ込んだ話をしだしたと。場合によってはアメリカと話をするかわからない。金正恩が表に出たところだから、我々も金正恩を取り込まなければいけないということですね。そういう意味で、拉致問題解決の何かのチャンスになるのかなと。したいなと思っているわけですね」

武藤正敏 元駐韓特命全権大使の提言 『客観的に国際感覚で』
武藤氏
「純粋に日韓関係という観点で書いたのですけれども、特に慰安婦の問題ですが、韓国は日本との関係はいいんですよ。対日感は。だけど、政治と歴史の問題になってくると悪くなるんですね。それはなぜかと言うと、日本を客観的に見られないから。だから、これから先は日韓のお互いに知り合っている人が少なくなるわけしょう。普通の外交関係をやっていかなければならないわけですよ。その時に国民感情が入ってくるわけですね。国民感情が入ってくると日韓関係が悪くなるんですよ。だから、客観的にお互い国際感覚で付き合っていくという、そういう習慣をつけていくことが日韓関係で1番大事ではないかと思います」

佐藤正久 外務副大臣の提言 『行動なくして対価なし』
佐藤議員
「行動なくして対価なし。まさに北朝鮮対応が日韓関係の1番の焦点ですので、現在、南北対話、これはこれで非常に評価できる部分もありますけれど、一方で、北朝鮮はまだ具体的な行動を起こしていないわけですから。行動なくして、過去2回の南北首脳会談のような体制支援とか、あるいは経済支援というのをやるべきではないと。その点については日韓が連携するということが大事だと思います」