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2018年2月23日(金)
『70歳超』で 働く時代 高齢社会対策閣議決定

ゲスト

田中良生
内閣府副大臣
清家篤
慶應義塾大学商学部教授
宮本太郎
中央大学法学部教授

高齢社会対策大綱決定 高齢者定義『65歳』の転換
竹内キャスター
「超高齢社会となった日本ですが、2025年には団塊の世代が75歳以上になり、さらなる超高齢時代を迎えます。そうした中、国の高齢社会対策の中期的な指針が5年ぶりに見直されました。その中で政府は、全世代が意欲・能力を生かし活躍できるエイジレス社会の実現を目指すとしています。今夜は新しい『高齢社会対策大綱』を検証するとともに、今後の高齢社会のあり方について考えます。5年ぶりに見直された高齢社会対策大綱のポイントをまとめました。まず『65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換』、『全世代が意欲・能力を生かし活躍できるエイジレス社会を目指す』、『年金受給開始年齢の選択的拡大、70歳以降とするなどの検討』ということですが、まずは田中さん、この1つ目の『65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換』というのは、具体的にどういったことなのでしょうか?」
田中議員
「はい、我が国では個々の、法律ですとか、施策ごとに区切りの年齢、これを定めているんですね。ですから、国として、高齢者、この年齢に統一的な定義というのはそもそもありません。しかし、広く、社会一般には65歳、これが区切りとする、こういう傾向があるのも事実であります。しかし、近年、高齢者、体力的年齢は全体的に若返っていると。学会の、科学的、いろいろな分析では、ここ20年間で5歳から15歳ぐらい高齢者の年齢は若返っていると、こういうデータもあります。ひと口に高齢者と言っても大変個人差が大きくなっております。そのために今回の大綱ではこう書き記しております。『65歳以上を一律に高齢者とみる一般的な傾向がもはや現実なものではなくなりつつある』と明確化しました。『年齢区分をライフスタイルで画一化することを見直すことが必要』と、こういうふうに提言をいたしました。今後は産業界ですとか、NPO(特定非営利活動法人)をはじめ、さまざまな分野でこの元気な高齢者、あるいは意欲ある高齢者、多様な高齢者がいるという共通認識、これを持つことがこれから大事だと、そのように考えております」
反町キャスター
「たとえば、医療で言うのだったら、現在は65歳ではなくて70歳ですよね?」
清家教授
「うん、うん」
反町キャスター
「70歳までは3割負担だけれど、70歳を過ぎてからは徐々に減っていくというのが…現役並みの所得を持っている人達は別ですけれども、この70歳という線とか、年金の65歳の受給開始とか、法律的な節目となる年齢があるではないですか。たぶん政府としては一律であることの方が、行政コストも含めて、はい、65歳になりました、皆さん、一括で支給ですよ、70歳になりました、はい、一律で2割ですよと、そういう行政コストの面もあったとすれば、今回、『一律に高齢者とみなす考え方からの転換』と言うと、人によって、あなたはまだ元気だから3割ねとか、あなたは元気だから年金受給を70オーバーにしようとか、いろいろなアイデアが出てくるという、それは行政的にもいろいろな混乱が出てくるとか、そういう懸念はないのですか?」
清家教授
「それは確かに、年齢というのは非常に単純な、わかりやすい基準ですから、おっしゃるようなことはあると思いますけれども。しかし、我々が考えているのは、たとえば、この負担で言えば、年齢で負担を決めるのではなくて、応能負担ですよね。つまり、所得があれば歳をとった人でもそれなりに負担をしていただく。逆に若い人でも、所得が少なければと。ですから、所得というのは、捕捉率の問題がありますけれども、ありますが、しかし、所得というのは1つの基準ですので。年齢で一律に切るよりも、所得でさまざまな負担の割合等を決めていくという方が合理的であろうと、そういう考え方ですよね。ただ、もちろん、現在どうすべきだという具体的なところまでは、検討会ではもちろん、踏み込んではいないわけですけれども。考え方として、こういう年齢で区切るのではなく、たとえば、応能負担というような形で、所得に応じて負担を決めましょうという方向性にすべきだというようなことは言っているわけですね」
反町キャスター
「田中さん、元気な高齢者という言い方をされるのはわかるのですけど、実はそれが元気かどうかというところは、稼げるかどうかという、非常にわかりやすく言っちゃうと、そういう言い方で僕は理解するのですけれども、そこは間違っていますか?」
田中議員
「稼げるかという部分も1つのファクターであるのは事実だと思います。それは健康であって、体力的な年齢が若い、そういう要素もありますから。ただ、1つ、今、言いました医療費の一部負担割合、この件でありますけれども。先ほども大綱の部分でお話しましたけれど、65歳を一律に高齢者とみるというのが現実的なものでなくなりつつある、これが一部、どうも曲解されて、ネットでも、また、政府は医療費の負担割合をこれは増やすのではないか、こういうことがよく言われていますが。しかし、これは安倍総理も、加藤厚労大臣も、全然そういうことは考えていない、これは明言しておりますし、医療費の負担割合の見直しについては、現時点ではまったく見直す予定はありません」
反町キャスター
「さらに、もう1つ言うと、後期高齢者は現在、75歳以上ですよね。65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換。では、65歳以上の中でお元気かどうか、僕の言葉で言うのだったら、稼げるかどうかによって、いろいろ濃淡をつけるのであれば、75歳からの後期高齢者、ここの部分で言うのだったら1割負担になる皆さんですよ、そこのところの75歳という後期高齢者の線も当然、これも検討の対象になるわけですよね?」
田中議員
「検討というか、それは、この医療費負担は制度によって、年齢区分は違うということなので。今回の大綱に関しては、そういう医療費の部分ですとか、医療費負担、そういったものは直接入っているわけではないですね。つまり、全体的な大綱、指針を示しているということでありますから」
反町キャスター
「そうすると、指針というのは、それは別にただ単に年齢の線引きを決めるのが指針なわけはなくて…政府が指針を決めるのは、その指針に沿って行政サービスの支給開始とか、サービス開始の年齢が上がったり、下がったりするということだと僕は思うんですよ。1つの例として、ここに75歳ということを置いている限りにおいては、75歳というのは今後、65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方から脱却すれば、ここの部分も当然、検討の対象になるという理解でよろしいのですか?」
田中議員
「まあ…」
反町キャスター
「そうでなければおかしいですよねという意味ですよ」
田中議員
「はい。いや、今現在では一切そういうことは考えてはおりません」
反町キャスター
「考えていないというのは考えていないだけになっちゃうのですけれど。でも、制度全体をそのアイデアに沿って変更していかなければ、整合性がとれないという、この考え方はいかがですか?」
田中議員
「これは医療費だけでの問題でもありませんし…」
反町キャスター
「もちろん、そうです」
田中議員
「各省庁、各関係の制度があります。それの全体の見直しということで、とにかく今回の大綱は、その全体の政策としての大綱ですから」
反町キャスター
「なるほど」
田中議員
「議論をする出発点というか、そういったものを提示しているということです」
反町キャスター
「宮本さん、65歳以上を一律に高齢者とみなす考え方からの転換。制度には徐々に波及していくだろうという話かと僕は思ったのですけれど、どのように感じていますか?」
宮本教授
「20歳から65歳までの労働時間がだいたい10万時間と言われているんですね。65歳から85歳くらいまで、起きている時間がだいたい10万時間。2007年生まれの日本人が107歳まで半分以上は生きるという話があるではないですか。そこまでいったら20万時間ですね。と言うことは、65歳というのは折り返し点どころか、マラソンでたとえれば中継点にすぎないということになっちゃって。もっと分厚い人生後半がずっと支えられる側だというのは、これは支えられる側からしてもあまり納得いかないというか、ハッピーでないと思うんです。ところが、反町さんが先ほどからおっしゃっているように、それが何か素直に聞けないと…」
反町キャスター
「いや、僕は素直に聞けないと言っていないですけれども…、どうぞ…」
宮本教授
「…つまり、そういう支える、支えられるの、2分法というのはもうなくそうと。皆、能力に応じて支え合いをしましょうということですから良い話だと思うんですけれども。何か年齢で決められた権利だけとられちゃって、負担だけ、義務だけ押しつけられるのではないかという年金不信・生活不安みたいなのがついてまわっていて。なかなか素直に聞けないという現実があるわけですね。これをどう解消していくかということを、重視してかからないと、なかなか本来ならばハッピーなメッセージだと思うのですけれども、それが行き渡らないのかなと思いますね」

『エイジレス社会』の実現は?
反町キャスター
「データも含めながら、高齢者の働く意識。2017年度の高齢社会白書ですけれど、65歳を超えても働きたいという気持ちを持っている人というのは80%、79.7%ですよ、特に『働けるうちはいつまでも』という皆さんは42%にものぼる。それは働くことが楽しいからという、そういう自己実現とか、そういう言葉の話として我々は素直に受け止めていいのかどうか、そこはどう感じますか?」
宮本教授
「自己実現と言わないまでも、そう希望されている方々はやりがいのある仕事をしたいと思っていらっしゃると思うんですね。そこでエイジズムというか、エイジレス社会の対局が年齢輪切り主義、これは経済同友会が一時使った言葉だと思いますけれども。本当に日本はエイジレスの対局で、エイジズムというか、年齢輪切り主義になっていて。小学校・中学校から職場に至るまで、ビシッと同年齢集団で仕切られていくわけですね。人生で最初に年齢集団と構造的に出会うのが大学の1年で、これは1浪をした人が入ってくるから『先生、1浪の人間とタメ口を聞いていいのですか』とか、皆、真面目に聞くわけですよね。かほど左様に、年齢輪切り主義が続いているのはなぜかと言うと、これを号令をかけてやめられるならばいいのですけれど、日本は、清家先生を前にして、ですけれど、ジョブ型の社会ではなくて、いろいろなことをやってもらって評価していく場合、リファレンス・グループとして同期の集団というのが非常に大きな役割を果たす。だから、同期集団で競争していきましょうということでずっとやってきた。それで今これをやめようと言った時に、とりあえず、たとえば、65歳以上の人達、もうエイジレスですよね、入ってきなさいと。あるいは性差もあまりこだわるのはやめようということで、子供を産んだお母さんに入ってきなさいと言う。ところが、職場そのものが先ほど、言ったように、年齢輪切り主義が続いていて苛烈な競争、若い連中も倒れちゃうほどの長時間労働という状況だったら、先ほどの希望に沿って入っていこうとしてももたないですね。それを考えると、そういうメッセージを受け止めて、エイジレスはいいなと皆、思いつつも、具体的にどの会社に行こうかとかを考えた時に、もう大丈夫かなと、皆、当然、不安につきまとわれると思うんですよね」
反町キャスター
「宮本さん、高齢者の就労意欲というのは生活苦なのですか?それとも、家でボーッとしているのも何だからと、そういう意味なのですか?いろいろ理由はあると思うのですけれども」
宮本教授
「65歳あるいは60歳以上の中高年層の就労率は国際比較からして非常に高い」
反町キャスター
「日本の場合ですね?はい…」
宮本教授
「しかし、理由を挙げると経済的な理由からというのが1番多いですね。もちろん、それだけではないとは思いますけれど、そういう意味では、自発的に望んで喜んでということには必ずしもなっていない。それはそれでちゃんと受け止めなければいけないのかなと思いますね」
反町キャスター
「日本の高齢者の就職環境、それはどうなっていると感じているのですか?」
宮本教授
「清家先生がご尽力された『高年齢者雇用安定法』ができ、これで定年というのが事実上、質的に変化したと言っていいと思うんです。定年までは年功的な処遇が続くけれども、定年というのはそれが終わるタイミングになって。でも、年功的処遇は終わるけれども、そのあと5年間は皆、会社にいていいですよということが、それが1つの環境ですけれども。ただ、悩ましいのは、そのあとどうするかと言った時に、これは、地域でいろいろな高齢者の労働力に対するニーズがあると思うんですよね。それは、パーソナルサービス、保育や介護の現場もそうだし、現在、自伐型林業と言って、地域で林業がドンドン大きな可能性を見せていますけれど。そんな現場に入っていってほしいのですけれど。だけど、65歳ということになると、ちょっとトゥー・レイトと言うか、そこから気分を新たに地域に入っていくというのはなかなか大変な面もあって。いずれにせよ、受け皿…」
反町キャスター
「生活苦から働きたいとすれば、地域の話とか、そういう仕事というのは当然、ペイからすれば、十分に満足できる収入を皆さん得ることができるのですか?」
宮本教授
「いや、それはなかなか厳しいと思いますから。それは年金兼業型というか…」
反町キャスター
「なるほど、その話になるのですね?」
宮本教授
「そういう形になっていかざるを得ないし、また本当にエイジレスということでいくならば、これまでは高齢者の賃金がなぜ高いかと言うと、先ほど、年功の処遇が終わるのがこの定年になってくると申し上げましたけれども、日本というのは、教育とか、子育て、住宅に関わるコストが社会保障みたいな形で公的に供給されないで男性の稼ぎ主の賃金に積み上がっていたわけですよね。だから、その分の責任を背負いこんでいたのが中高年だったということです。もし本当にエイジレスに、自由に行き来するようにするとするならば、そのコストというのを外出しして…」
反町キャスター
「どういう意味ですか、外出し?」
宮本教授
「つまり、住宅手当と言っても会社の福利厚生ではなく、ヨーロッパのように家賃を補填する給付を公的に出したり…」
反町キャスター
「へえ…」
宮本教授
「それから、廉価な教育制度で、過大な教育負担をしないで済むようにしたり、というふうにもっていければ、もっと反町さんがおっしゃった…」
反町キャスター
「宮本さん、今の話、たとえば、この賃金カーブの話で、賃金カーブで、たとえば、男性でこのへんのあたりですよ、子育てやら、家のローンやらというのがある時に賃金がグッと上がっていって、ほぼそういうのが終わったところで賃金が落ちていくという話だと、たとえば、このへんでフラットにし、あとの部分は外出しというのは公的な補填をするとか、ないしは教育費を安くするとか、そういう形で賃金の上昇カーブを緩やかにするというのが1つの手ではないかと。その結果、要するに、高齢になっても…」
宮本教授
「そうです」
反町キャスター
「賃金はここまで下がらずに、比較的フラットな賃金曲線が描けるのではないかと、そういう意味で言っている?」
宮本教授
「そうです。それで、会社の中での不必要な世代間対立というのもなくなってきますし、先ほど申し上げたような、住宅や教育のコストを外部で負担するということは、若い世代もありがたいことですよね」
清家教授
「もう1つの考え方というのか、実際に起きていることは何かと言えば、既に定年とも関係なく、年功賃金カーブというのはだんだん緩くなってきているんです、実際に。もちろん、定年の延長に伴ってというのもありますけれども。それはなかなか日本の企業がグローバル競争をしていく中で、これだけ立った年功賃金を維持することが難しくなってきている。そこで何が起きるかと言うと、これは実は日本だけではなく、アメリカもそうですけれど、反町さんは私より10歳ぐらい若いので見たことないかもしれませんが、私が小学生の頃は、よくアメリカのホームドラマというのが日本のテレビでやっていたんですよ、『パパは何でも知っている』とか、それはいいのですけれども…」
反町キャスター
「…はい、どうぞ」
清家教授
「その基本的シチュエーションというのは専業主婦世帯ですよ、アメリカの…」
反町キャスター
「はい、わかります」
清家教授
「それは何かと言うと、アメリカの企業が圧倒的な産業が競争力を持っていたので、世帯主賃金を男性に払えたからですね。だけど、さすがのアメリカもそれこそ70年代から80年代の初めの日米貿易摩擦あたりにかけて、グローバルな競争の中でなかなか、アメリカの平均的な産業が平均的な労働者に世帯主賃金を払い切れなくなってきた。それがアメリカでは女性の就労の促進につながったわけですね。つまり、ザクッとした言い方をすれば、世帯主1人の、いわゆる世帯モデルから、共働きでちゃんとした生活が、あるいはより豊かな生活ができるような世帯モデルにしていこう。そういう面では男性の年功賃金カーブがフラットになると同時に、女性の年功賃金カーブはもう少し上がってくる。そういうような形で、1人の稼ぎ手で豊かな生活を実現すると言うよりは、2人の稼ぎ手がいて、豊かな生活が実現できるようになってくるという姿だと思います」
反町キャスター
「男性の賃金カーブで言うと、急激なピークというのを、よりフラットに、こういう緩やかなカーブにして、このへんのところが着地点としましょう、そうなると、全体のこの面積を見てみなくてはわからないのですけれども、生涯賃金を減らすことが、要するに、エイジレス社会、高齢社会においては生涯賃金を減らしてフラットな賃金体系にすることが社会維持の…、どうぞ…」
清家教授
「それは違います」
反町キャスター
「違う?」
清家教授
「生涯賃金を変えずに、定年を伸ばすということですよね」
反町キャスター
「逆に言うと、増えない?」
清家教授
「生涯賃金…、いや、いやいや…」
反町キャスター
「70歳まで働いても生涯賃金の総額は変わらない?」
清家教授
「いや、生涯賃金は増えますよ。つまり、何を言いたいかと言うと、この年功賃金というのが、どういう仕組みかと言えば、定年の時に会社に対して、たとえば、反町さんが提供した貢献と会社から受け取る賃金がちょうどバランスしているということです。何を言いたいかと言うと、若い時にたぶん、あるいは働き盛りには会社に対する貢献より少し安い賃金で我慢したかもしれない。でも、それこそ、子供が大学行ったりするようになった頃には、もしかしたら会社に対する貢献よりも高い賃金を受け取るかもしれない。しかし、それがちょうど定年のところでバランスするというのが理屈のうえの考え方ですね。と言うことは、働いた分はキチッと貰っていると、定年までは。と言うことは、定年が延長されればその分だけもちろん、貰う賃金は増えるわけですが。それは会社に対する貢献度とちょうどバランスするだけ貰っているという意味では、増えも、減りもしないと、そういうことですよね」
反町キャスター
「それは企業側から見たら、いい話なのですか?それがもしも企業側にとって良い話であれば、定年延長とか…、もっとスムーズにいろいろな企業が導入してもいい。もっとわかりやすく言っちゃうと、日本の企業が採用する時の年齢差別…、敢えて年齢差別と言いますけれども、年齢差別というものについてはなぜいまだにそれが残っているのですか?」
清家教授
「ですから、定年をもし延長するのであれば、同時に賃金カーブをフラットにすれば企業にとって損はないですよね。つまり、賃金制度の下で定年のところでちょうどバランスしているものをそのまま延ばせば、これは企業にとってその分コストになりますので。ですので、年功賃金をフラットにして、定年を延長することによって、企業も損失を被らず、労働者にとっても企業に対する貢献に見合った分は生涯でキチッと受け取れるということになるわけですね」
反町キャスター
「宮本さん、いかがですか?」
宮本教授
「うん、私は若干、違いがあるとすれば、企業の側はこれまで年功賃金に積み上げていた部分を、外出しのコストとしてちゃんと税金である程度こう払わなければいけないのではないかなと思うんですね。内部留保に貯め込んでいるのではなくて…」
反町キャスター
「400兆円ですからねえ…」
宮本教授
「ええ。それはキチッと、そういうエイジレスな賃金体系を支える外部の制度整備にある程度は、そこは貢献してほしいと。それが企業そのものを非常に自由闊達で、競争力あるものにしていくということも言えると思うんですね」
反町キャスター
「宮本さんから見て、清家さんが先ほど言われた企業がフラットな賃金カーブにするためには現在の、現職の人達の賃金水準をどうするのかというのは、これはたぶんすごく難しくて、非常に時間をかけてゆっくりと賃金カーブを是正して、フラット化していきながら定年も延長していくという、そういう非常に時間をかけた工夫が必要かなと思って聞いていたのですけれども、そこはどうですか?」
宮本教授
「だから、そこは、だからこそ政府なりが大きな展望を示していく必要があると思うんですね。多少ここが下がってきても、それはキチッと給付という形で、住宅手当みたいな形で家賃が補填されるのだ、みたいなことが見通しがあれば…」
反町キャスター
「納得感ですよね?」
宮本教授
「本人達も現在、別に高賃金というのは、それなりに生活を賄わなければいけないわけでありまして。結果的に自分達が解雇整理の場合は、まずターゲットとして浮上しちゃうわけですよね。年齢差別的な扱いも受けるわけですよ。あんたは賃金が高いから来ないでよろしい、と。別に自分のために使っているわけではなく、それをキチッと家族のために使っていても、それが言われなき差別の温床になってしまう。だから、そこを変えていくということで考えていくならば、これは会社にとっても、本人にとっても、社会にとっても良いことになっていくと思いますので。そこをあとは、政治と政府の責任で、その見通しをこう立てていくということだと思いますね」

働き続けるための年金制度とは?
竹内キャスター
「大綱のポイントの3つ目を見ていきます。『年金受給開始年齢の選択的拡大、70歳以降の検討』というところなのですが、現行の年金制度では、原則65歳が受給開始年齢ですが、需給開始の年齢は前後にずらすことができ、それによって受け取る金額が変わります。前倒しして60歳から受給する場合は、月額30%減。反対に遅らせて70歳から受給する場合は、月額42%増となっています。今回の見直しでは70歳を過ぎても年金を受け取れるようにするなど、柔軟な制度を検討することが盛り込まれました。田中さん、受給開始年齢をさらに引き上げる、70歳以降にする、その狙いはどこにあるのですか?」
田中議員
「はい、70歳以上の、もちろん、高齢者でも体力・意欲が高い方がドンドン増えていく状況に現在あります。これまでの知見ですとか、能力を活用して、フルタイムで働きたい、そういう方も今後ドンドン増えていくことと思います。現在の制度では、そうした方も年金受給の開始時期、これは70歳以降に延ばすことができないという状況です。つまり、そうすると、年金が大幅にカットされる状況になりますから。これは就労意欲、これを阻害している面も否定できないのではないかと。そこでこれはそれぞれ、各高齢者の方でありますとか、本人が希望すれば、年金の受給開始年齢、これを70歳以降に引き上げるような選択もできる、そういう制度、これを整備するということは十分検討に値する課題ではないかなと、そういう思いであります」
反町キャスター
「宮本さん、この制度は、70歳まで年金貰うのを我慢すれば、月額42%アップだよ、インセンティブですよと、はっきり言えば。それによって何をしたいのかと言うと、たぶんシミュレーション、いろいろ試算が出てくればわかるんですけれども、5年我慢して70歳で受給して、何年生きればトータルでお得だよという、その線が出てこないと、僕らはそこを勝負しようかどうか納得できないわけではないですか。しかも、その42%という増額分がインセンティブとして、釣り餌として、十分かどうか、ここも含め、どう感じているのですか?」
宮本教授
「現在も60歳から70歳まで選択できて、平均余命を生きれば、どっちを選択しても基本的には変わらないという仕組みになっているんです。ただ、先ほど申し上げたように、年金不信は大変ですよ。年金は、公的年金はもう1番信頼に足る生活保障であると私も思っているのだけれども、不信が広がること自体によって、これが内部から空洞化していくということは十分あるわけですね。だから、こういう問題も70歳以降、年金支給を開始したら損してしまうのだろう、働かせようという陰謀なのだろうという、そういう話が一人歩きすると、それは皆、損してしまうということになるわけなんです。だから、そこは、この年金不信をしっかり受け止めて、もっと丁寧な説明というか、ネットなんかでは、それ見たことかと…。70歳を基準にして、うん、65歳を基準にし、そこから早く受け取ると減額され、あとに受けとると増額されるという仕組みを、たとえば、70歳を基準にそこから早く受け取ると減額されるのではないかとか、すぐそういう議論は広がるわけですよね。だから、そこをしっかり受け止めて、丁寧に説明していく必要がありはしないかなと思いますね」
反町キャスター
「田中さん、いかがですか?宮本さんの話、策を労した結果、不信感を招く可能性もあるのではないかという話だと思うのですけれども、策を労したという言い方も失礼ですけれども」
田中議員
「この選択肢の拡大ということだけで、高齢者の雇用促進が飛躍的に向上するということは、すぐはないなという気も正直言ってしています。これも併せ、他の施策と併せて、総合的な施策を打っていくことが必要だと思います。しかし、希望する方もいるのも事実であります。私は、一定程度は、それを希望する高齢者の方も間違いなくいると思います。そうした方々のためにも、この制度自体を70歳以降というものも検討するのは必要不可欠ではないかなと思っています」
反町キャスター
「田中さん、今回、70歳以降まで受給開始を遅らせることが可能になるということであれば、たとえば、70歳まで我慢すれば42%アップというのであれば、75歳まで我慢すれば倍額になるとか、そういう数字はまだ出てこないのですか?」
田中議員
「…」
反町キャスター
「それが、だってインセンティブではないですか?僕はそこを知りたいわけですよ。その試算というのは出ているのですか?」
田中議員
「これは、大綱の中ではこの70歳以降に見直すというような、この課題提起はしております。しかし、実際にはまだそこまで進んでいないですね。これは厚労省の中で制度設計を行う、検討するということであり、その中で推計ですとか、見込み、こういうものはしっかりと検討していくことが重要ではないかなと思っています」

高齢社会対策大綱の課題
竹内キャスター
「5年ぶりに見直された高齢社会対策大綱ですが、宮本さんから見て大綱の課題をどのように考えていますか?」
宮本教授
「はい、大きな方向性としては、私もこれでいいのだと思っているんですね。座長の清家先生もご苦労され、本当によくうまくとりまとめていただいたと思っています。ただ、もちろん、課題はあるわけで、皆さん、お読みになって、高齢世代がもう皆、元気でバリバリだ、みたいな、そういう描かれ方がされているわけですよ。皆、多くの人達が、俺は違うけどな、みたく思っているのではないかなとも推測するんですね。特に高齢世代というのは長い人生のいろいろな経緯で、特にばらけているわけ、ばらけるという言い方はよくないですけれども」
反町キャスター
「わかります」
宮本教授
「非常に多様であるわけです。もちろん、元気な高齢者もいらっしゃるけれど、現在、急速に増えているのが単身の世帯ですよね。それも、離別とか、死別ということではなく、若い頃に非正規で働き始めて、ずっと結婚できないまま、厚生年金にも入れないまま年老いてきたという人達が現在、高齢世代に入り始めているわけですね。その人達の年金というのを見てみると、かなり厳しいと。仮に厚生年金に入ったとしても、厚生年金に入っている単身男性の場合、年収150万円以下が28%と…」
反町キャスター
「厚生年金に入っていても、ですね?」
宮本教授
「はい、だから、もし入っていないとすると、もっと厳しい。先ほど、年金のマクロ経済スライドというのが、これからフル稼働していくわけですけれども、基礎年金しか入っていないと、基礎年金に1番響くんですね。そういう意味では、年金の給付も、ドンドン下がっていくということがある。さらに、単身の女性です。この場合は厚生年金に入っていても、45%が150万円以下で、しかも、日本の場合、女性が死別すると、パートナーの厚生年金の4分の3が得られて、それなりに落ち着くのですけれども、離婚してしまったり、それからもともと未婚であったりすると、非常に年金の水準が厳しくなっていく。あるシミュレーションによると離別や未婚の女性の場合、これから年金の額がドンドン下がっていく中、収入が生活保護の水準以下になってくる人達が半分くらいになってくるのではないかという、そういうシミュレーションもあるんですね」
反町キャスター
「それは数で言うと、何十万人という数字はあるのですか?」
宮本教授
「これは稲垣さんという年金と経済の賞をとった有名なペーパーですけれども、そこでは本当にシミュレーションをきちんとやっていて、これはまんざらフカシではないということになっていきます。だから、この層をどうキチッと、安心して社会に参加し、可能であるならば働いていただけるようにするかということが、この大綱だと見えてきていないというような」
反町キャスター
「なるほど。その2040年問題というのは、その話とほぼ被るのですか?」
宮本教授
「そのことに被りますけれども。2040年までは、要するに、毎年60万人から80万人ぐらい、先ほど来、清家先生が強調されているように、労働力人口が減っていくんですね。だから、これをどうカバーするか。高齢者が増えてきますから、その中で元気な人には労働力に加わっていただこうというのは、まさに王道を行く働きかけではあるとは思います。ただ、2040年以降は高齢世代が高齢化していく、つまり、65歳以上を高齢世代と言うわけですけれども、その中で85歳以上の人達の割合がだいたい30%近くなっていくわけですね」
反町キャスター
「65歳以上の高齢者の中で、85歳以上が30%?」
宮本教授
「…近く」
反町キャスター
「では、全体の人口構成からいくと、85歳以上の人達は…」
宮本教授
「9%ということになりますけれど」
反町キャスター
「うわっ、10人に1人が85歳以上ということですね?」
宮本教授
「はい。そうなってくると、ここで、実は2040年というと遠い未来のように聞こえるかもしれませんけれども、我々は皆、その時に80代に入っていっているわけです。反町さんはちょうどギリギリぐらいかもしれませんけれども…」
反町キャスター
「…どうぞ、続けてください」
宮本教授
「その段階でもちろん、頑張ろうよ、働こうよというメッセージはありがたいのだけれども、それを受け止められるかというと、かなり厳しいばかりか、この年、死亡人口もピークになっていくわけです。167万人くらいが亡くなると」
反町キャスター
「年間?」
宮本教授
「はい。これをどこで受け止めるかという、そういう終末期に入っていく人達をどこで受け止めるか。しかも、この時期、単身世帯、高齢者の単身世帯も4割くらいになっていく。ところが、特別養護老人ホームは56万床くらいしかないし、医療型・療養型の病床も合わせても二十数万床、もしこのままいけたとしても、…しかない。そうなってくると、介護難民という言葉がありますけれども、まさに終末期難民、失礼な言い方かもしれないけれど、これは自分達に関わってくるという意味で申し上げますけれど、それが身寄りがないような状態の場合、どうなってしまうのだろうという、2040年問題というのはかなり深刻だと」
反町キャスター
「何か真っ暗な話にしか聞こえない…」
宮本教授
「いや、もちろん、そこまでにどう支え手を増やしていくかということ次第で、見通しは変わってきますけれども。たとえば、居住をどうしていくかということを含めて、この段階に備えるというところまで、この高齢社会大綱の射程が届き切っていないのではないかと」
反町キャスター
「いかがですか?」
清家教授
「おっしゃる通りだと思いますね。宮本さんが指摘された点は、私もその通りだと思いますよ。特にその意味でも是非、この大綱とか、あるいは検討会の報告書の中の、年金の話ではなくて、医療・介護のところ…」
反町キャスター
「ああ、今の話もそうですね」
清家教授
「…もっと注目してほしいと思います。と言うのは、実はこの社会保障、年金・医療・介護と考えた場合に、年金と医療・介護はまったく性格が違うんですね。2つ理由があります。1つは、年金の給付、確かに高齢化に伴って増えていきますけれども、年金給付額は増えるとしてもたかだか高齢者が増えるのと同じ比率でしか増えない。しかも、宮本先生が言われたように、マクロ経済スライドというのは実質額が減るような仕組みが組み込まれていますので、そう考えれば、高齢者が増えるよりももう少し緩やかな程度でしか増えないですね。これに対して医療や介護は、まさに75歳以上の人が増える、あるいは85歳以上の人が増えることによって、高齢者の中で医療や介護を必要とする人が増えることに伴って、高齢者の増える比率以上に増えていきますね。これがまず第1の違う点。第2の点は、年金は保険料とか、税金を国民から国が受け取って、国が年金給付というお金で払う。いわばお金の世界の中で完結した話ですよ。そうすると、保険料とか、税金とか、あるいは給付額とか、あるいは支給開始年齢を変えれば、そこで問題は解決するわけですね。もちろん、これは大変ですけれども、そこで解決する。ところが、医療の場合は保険料や税金という形で国が国民からお金を受け取って、サービスを提供するわけです。お金ではなく、医療サービス、介護サービス。そうすると、どんなに保険料や税金が集まっても、たとえば、介護をしてくれる人達が十分に確保できなければ、絵に描いた餅になってしまう。あるいは医療や介護に従事する人達がその給料であればきちんと働きましょうという条件が整わなければ、実現できないわけですね。そういう面で言うと、年金に比べて、医療や介護はずっと深刻で、かつ複雑で難しい問題なので、ここのところにもっと政治やメディアが注目してくれないといけない」

超高齢社会にどう向き合う?
竹内キャスター
「清家さん、私達国民は超高齢社会をどのように迎えればいいのですか?」
清家教授
「我々が高齢社会を迎えたのは、1人1人が長生きをするようになった結果ですよ。ですから、この豊かな長寿社会を、しっかりと将来の世代にも伝えていく責任があると思うんですね。そのために現在、いろいろな改革をする必要がある。私は1つのキーワードは、豊かで活力ある長寿社会を実現するために、生涯現役社会を実現する必要があると。生涯現役社会というのは働く意思と仕事をする能力のある人がその能力を十分に活用することができ、社会を支え、また社会に必要な時には支えてもらうことができると、そういう社会を実現すると。豊かで活力ある長寿社会を実現するためにも、生涯現役の仕組みをつくっていく。それが今、考えるべきことではないかなと思います」
反町キャスター
「楽をしてはいけないですか?もういいや年金でと、そういう生き方はしてはいけない?」
清家教授
「そういう選択肢を確保するためにも、生涯現役社会が必要だと思います」
反町キャスター
「わかりました…」
清家教授
「皆さんがそう考えていないというのが、日本の社会の素晴らしいところですので」
反町キャスター
「失礼しました」
清家教授
「そういう選択肢もあっていい、もちろん」
反町キャスター
「わかりました」
竹内キャスター
「宮本さんはどう向き合うべきだと思われますか?」
宮本教授
「先ほど、2040年問題というめいっぱい暗い話をしてしまったので。基本的には、夢に見た長寿社会ですよ。それが何でスッキリしないのかなということを皆、考えていくべきかと思うんですね。今日は私、特に先ほど、単身高齢者の経済問題を言いましたけれども、もちろん、この経済的な不安というのがあるでしょう。それから、もう1つは、これも田中副大臣がおっしゃいましたけれども、孤立の問題ですね。特に単身高齢者が増えていくということもあるし、男性高齢者が会社の中では肩で風切ってやっていたけれど、地域に行くと、それ以外のコミュニケーション方法がわからなくて、人とつながれないと。有名なデータですけれども、内閣府がやって、65歳以上の単身高齢者、1週間のうちで誰かと口をきいた回数が1回以下という人が17%近くいるんですよね。それを考えていくと、女性は単身高齢者でも収入は客観的に少ないはずですけれども、生活が苦しくないと言う人の割合は、男性の単身高齢者より多いですよ」
反町キャスター
「生存能力が高いんですね?」
宮本教授
「つながりがあるのでしょうね。ところが、男性はそれなりに所得、年金収入があっても、苦しい、苦しいということになっちゃう。これは我々の側もちょっと心を入れ替えて、何か今の仕事のプライドにしがみつかないで、もっと自由にいろいろな人とつながれる鍛錬・訓練を今から…」
反町キャスター
「どうしたらいいのですか?」
宮本教授
「いやいや…」
反町キャスター
「何を始めたらいいのですか?」
宮本教授
「保育園のパパ会はすごく盛り上がるんです。皆まだあまり偉くなっていないから」
反町キャスター
「ああ、若いからですね?」
宮本教授
「異業種の人達と出会うと面白くてしょうがないと。ところが、皆、ちょっと偉くなっちゃうと、そこにしがみつこうとしちゃうから…」
清家教授
「なるほど」
宮本教授
「…なかなか楽しめなくなっちゃうというところ、特に男性はあるわけですよね。だから、これは何とかしていった方がいいのかなと、今から思いますね」
田中議員
「社会保障の話が結構出ていたので、ちょっとそれに触れたいと思うのですが、我が国のこの厳しい財政状況を見れば、これからまた人口減少、高齢化、こういう社会が進んでいくわけで、社会保障費を無尽蔵に増やすということは到底できない、これはもう明らかです。そうは言っても、高齢者ですとか、女性、働き手が増えるということはもちろん、担い手が増えて、税収増になる、これはプラスの面があるのも事実です。しかし、これは財政の健全化だけを自己目的化してはいけないと思うんですね。必要な社会保障費をむやみに削ることもできませんし。また、高齢者・女性に働けと圧力をかけることも、これは政治がやることではないと思っていますし。もちろん、それでは国民の納得・理解が得られることは絶対ないと思います。そうではなくて、働きたい、こういう希望を叶える環境を整備するということ、これが結果として担い手が増えることになって、税収も増えることにつながっていくと。また、健康診断なども健康寿命を延ばすことにつながるわけです。これをもって、結果として医療費が減っていく。こういう国民の福祉をもっと増進していくこの施策、これを通じて、結果として財政の健全化にも資するようなことができる。こういう施策の好循環を実現していくこと、これが実は社会保障費の削減、いろいろなこういう経済的な問題に関しても近道になるのではないかと、そんな気がしてなりません」

田中良生 内閣府副大臣の提言 『いつか行く道』
田中議員
「『いつか行く道』ということです。日本は長い歴史の中でも、いつでも長寿、これは喜ばしいことだと尊ばれてきた、そういう国であります。そんな中で今の時代でも、誰もが長生きして良かった、こう思える社会を築いていきたい、そういう想いでこの提言をしました」

清家篤 慶應義塾大学商学部教授の提言 『生涯現役社会の実現』
清家教授
「『生涯現役社会の実現』ということで。豊かな長寿社会を本当に喜べるようにするために、将来の世代に伝えるためには、働く意思とその能力が年齢や性別などに関係なくしっかりと活かせるような、そういう社会を実現していくことが大切だと思います」

宮本太郎 中央大学法学部教授の提言 『交差点型の社会へ』
宮本教授
「『交差点型の社会』というのはどういうことかと言うと、現在の日本が一方通行ですね。教育を終えて働いて、社会保障へという。それを見直して、交差点で老若男女が出会うようにいろいろな出会いがその交差点の活力になるわけです。渋谷の交差点ばかりが注目されている日本ですけれども、社会全体が交差点として注目されるような、日本にしていくということだと思います」