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2018年2月20日(火)
林文科相&宇宙飛行士 有人探査の新たな焦点

ゲスト

林芳正
文部科学大臣
向井千秋
宇宙飛行士 東京理科大学特任副学長
若田光一
JAXA宇宙飛行士 ISSプログラムマネージャー
油井亀美也
JAXA宇宙飛行士 宇宙飛行士グループ長

3人の宇宙飛行士に問う ISS国際宇宙ステーション
竹内キャスター
「昨年12月、トランプ大統領は、宇宙飛行士を再び月に送り、火星に向かう基盤をつくると発表し、安倍総理もこれを受け、有人月面探査に日本も参加する姿勢を打ち出しました。これからの宇宙開発において日本はどんな役割を果たし、何を目指すべきなのでしょうか。今夜は林文部科学大臣と歴代宇宙飛行士の皆さんを迎えて、日本のあるべき宇宙戦略と課題を議論します。日本の宇宙開発を担う、JAXA、宇宙航空研究開発機構が行っている主な事業を見ていきます。ISS、国際宇宙ステーションに滞在する、有人宇宙活動、ロケットの打ち上げなどの宇宙輸送システム、人工衛星や探査機による情報収集・研究などがあります。最初のこの有人宇宙活動なのですが、今月16日にはISS、国際宇宙ステーションに昨年12月19日から滞在中の金井宣茂宇宙飛行士が、6時間にわたる船外活動を行ったというニュースがありました。向井さん、この金井さんが6時間船外活動をされたというニュースを聞いてどのように思われますか?」
向井氏
「とても嬉しいですし、私は日本の飛行士第1期生なので、その頃から考えると、日本の人達が、若田さん、油井さんをはじめ、肩の力を抜いて、宇宙を1つの舞台に立つ活躍をしているというのは、本当に見ていて嬉しいです」
反町キャスター
「肩の力というのは、どういう?」
向井氏
「そうですね、うん…」
反町キャスター
「確かに、若田さんとか、皆さんと話をすると、リラックスして取り組まれているなと。向井さんの頃というのは、グーッとプレッシャーみたいなものを感じて飛んで行った?」
向井氏
「そうですね、私の頃は1985年ですからまだ日本の宇宙開発自体がN2ロケットという国産のロケットがやっとできているくらいで、まだ宇宙開発の技術的にも先進諸国に追いついていかなければいけない、ましてや有人は誰も行ったことがないし、自分を乗せるロケットもない、そういう時代だったのでその中で何とか乗っていくチャンスを確保しながら、というのが私達の時代。変曲点は宇宙ステーションですね。宇宙ステーションに日本が参画した、その宇宙ステーションのために選ばれてきている飛行士というのは、第2期の若田さんの時代ですから。そこのところから日本が開発の途上から宇宙開発先進諸国の一翼を担う国になっていっている。そういったものが暫く続いているので、現在の日本の飛行士達は、肩の力を抜いてと言うと、実力を出せば普通に地上と同じように仕事をしていけばいい、そういう時代になってきている。それが時代の流れではないかと思います」
竹内キャスター
「今お話にもありました、ISSなのですが、地上からおよそ400キロ上空を飛行していまして、およそ90分で地球を一周しています。1998年から建造が開始され、2011年に完成しました。現在、参加国は、日本、アメリカ、ロシア、カナダ、ヨーロッパ各国など15か国で、日本は実験棟の『きぼう』、補給機の『こうのとり』などを提供しています。ISSの目的は、宇宙の特殊な環境を利用したさまざまな実験や研究を、地上の生活や産業に役立てることにあるということです。若田さん、有人の宇宙拠点であるISS、世界15か国が協力して運営・維持している意義についてどのように考えていますか?」
若田氏
「国際宇宙ステーションと言うように、国際協力というのが1番大きな意義なのですけれども。日本もアジア唯一の参加国として、国際宇宙ステーションに参加していて、『きぼう』日本実験棟、『こうのとり』という物資輸送機で参加しています。その15か国が同じことをしているのではなくて、それぞれの強みを活かして参加することによって、科学技術分野での1番大きなプロジェクトですよね、国際宇宙ステーション、費用なりを分担して、その成果を皆が享受できている、これは国際協力ならではの成果ではないかなと思います。それから、国際宇宙ステーション、1998年から組み立てが始まっていますが、実は大きな問題がありました。たとえば、スペースシャトルが事故を起こしたとか、その時はソユーズ宇宙船が人間を運んだと。それから、アメリカとロシアと、アメリカの宇宙船が物資を届けられなくなった時に、日本の『こうのとり』が重要な役割を果たしたと。だから、国際協力があったから国際宇宙ステーション計画が存続できたという、そういう効果もあると思うんですね。だから、そういったところは国際協力でやっている意義ではないかなと思います」
竹内キャスター
「油井さんはこの国際協力という意義をどのように考えていますか?」
油井氏
「若田さんが述べられましたけれども、国際協力というのは素晴らしくて。私は以前、自衛隊にいましたので、この国際宇宙ステーションが世界平和にどれだけ貢献しているのかというのを、ひしひしと感じるんですよね。正直、私が自衛隊にいる頃はロシアと一緒に仕事をするなんて考えたこともなかったです。正直ここではっきり言っちゃうと、敵だと思っていましたけれども、実際に仕事をして、彼らの考え方がわかる、彼らも同じなのだ、協力できるのだというのがわかって、それを皆にアピールできるだけで、地上でどんな問題があっても宇宙では協力できるのだというのを示すのがすごく大きなことだなと思っています。当然、実験を一緒にやって成果を出すというのもそうなのですけれども、私のバックグラウンドからすると、平和への貢献というのが1番大きいですね」
反町キャスター
「油井さん、その話、ちょっともう一押し聞くと、中国も一緒に飛んでいたらなと思う時はありません?」
油井氏
「いや、ありますよ、それは」
反町キャスター
「宇宙から見ていたら、尖閣だって見えるわけでしょう?」
油井氏
「はい」
反町キャスター
「南シナ海だって見えるわけではないですか?」
油井氏
「それは見えます、はい」
反町キャスター
「そこに隣に中国人の宇宙飛行士がいたら、どういう会話を交わすのだと想像したことはあります?」
油井氏
「いや、それは仲良くやると思います…。実際、面白いのは私がロシアに行って、ロシアのニュースを見て初めて、自分の見方が偏っていたというのに気がついたんですね」
反町キャスター
「はあ?」
油井氏
「あっ、俺、自分はこの歴史にしても、ニュースにしても、日本側からしか見ていなかった。あっ、こういう見方もあるのかというのを学んで、真実というのは両方から見て、その真ん中にあるのだなというところを実感したんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
油井氏
「ですから、中国も実際わかり合えると私は思っています」

日本の宇宙開発の現状と課題
竹内キャスター
「では、ここから日本の宇宙関連技術について聞いていきます。JAXAの主な宇宙関連事業の2つ目、『宇宙輸送システム』、つまり、ロケットの打ち上げについて話を聞いていきます。日本の主力大型ロケット『H‐ⅡA』は、これまで37回中36回と97.3%の成功率を誇っていまして、現在、31回連続で発射に成功しています。小型の人工衛星を運ぶ新世代固体燃料ロケット『イプシロン』も3回発射して3回とも成功と、100%の成功率です。宇宙ステーション補給機『こうのとり』を搭載した『H‐ⅡB』ロケットも、これまで6回発射して6回ともに成功していると。日本のロケット打ち上げ実績ですが。若田さん、国際的に見まして日本の宇宙ロケット関連技術はどのくらいの水準にあるのでしょうか?」
若田氏
「このチャートで説明していただいたように、信頼性、最も重要なのは信頼性、安全性だと思うのですが、そういう観点からは世界の最高水準にあるのが日本のロケットだと思いますね。ですから、世界のマーケットでこの強みを活かしていく時に、もう1つ重要なのは、経済性というか、コストですかね。そういった観点から『イプシロン』とか、新しく開発している『H‐Ⅲ』ロケットとか、そういった観点に注力しながら開発を進めてきているということですね」
反町キャスター
「97.3%はすごいなと思いながらも実際、宇宙飛行士の人をISSに持ち上げるソユーズの運用実績とか、安全性については、僕は、すみません、知らないのですが、限りなく100%に近くなければ人を乗せられませんよね?そういう比較からすると、97.3%というのは有人飛行、人を運ぶという前提まで考えた時にはどうなのですか、評価としては?」
若田氏
「たとえば、ソユーズも、私は厳密な数字は覚えていませんけれども、九十八点何パーセントだと思いますね。ですから、100回打ちてば、1、2回ぐらい、1回ぐらいは…、それが有人宇宙活動の現状で。これはリスクを負って、スペースシャトルはちょっと危なかったのですけれども、ですから、そういう観点からは本当に世界最高水準のもので。将来、私も日本のロケットで宇宙に行きたいなと思いますけれど。そういう水準に達してきているのではないかなと思います」
反町キャスター
「若田さんが言われたお金の話なのですけれども、こういうものを我々はつくったのですけれど。主なロケットの打ち上げ経費、林さん、『アリアン5』『H‐ⅡA/B』『プロトン』と、こういうのを見てみると、日本のロケットというのは少し割高ではないかなという、そこの部分…」
林文科相
「うーん…」
反町キャスター
「価格競争力。ペイロードあたりの打ち上げコストとかを考えてみると、日本のロケットというのは多少、コストに割高感があるのですけれども、そのへんの今後、宇宙ロケットのビジネスまでも視野に入れた時に…」
林文科相
「うん」
反町キャスター
「…では、価格競争力を日本のロケット産業は持つべきなのか、持てるのかどうか?その将来性をどんなふうに感じていますか?」
林文科相
「今からやっていくうえで科学技術の振興ということに加えて、民間に入ってもらって、まさに商用をやっていくと…」
反町キャスター
「なるほど、はい」
林文科相
「…いうことに、今からやっていこうということは、これまであまりそういうことはなしにやってきていたので。どちらかと言うと、科学技術としてしっかりやるとか、安全性ももちろんでしょうけれども、そういうことでやってきて。ある意味でコストが、ある意味で商用と比べると割高になっているかもしれないと。しかし、それは民間の力が入ってきて、こういうことは安全性が第一だとは思いますけれど、こういうことはできるのではないですかとか、いろいろなことが出てくるとは思いますので。これからの1つの課題であることは課題であると思いますね」
反町キャスター
「向井さん、いかがですか?このコストというのはあまりこれまで意識しないものだったのですか?これからは否応なく意識せざるを得ないものと感じているのか、どう感じますか?」
向井氏
「コストパフォーマンスが良い方が良くて。あと打ち上げ回数が多くなれば、1回あたりのコストというのは減ってくる。そこらへんがまだ日本というのは、日本からの打ち上げ回数というのは限られちゃっていますので、そういったことも加味して、ちょっと考えないといけないかもしれないですね」
反町キャスター
「そうすると、ロケットビジネス、打ち上げビジネスなるものがもっと順調になって、たくさん、要するに、スケールメリットが効いてくる、そういう意味ですよね?」
向井氏
「はい」
反町キャスター
「たくさん打ち上げれば、この90億円から120億円というのもドンドン下がってくるかもしれない、こういう気持ちで見ている?」
向井氏
「うん、そうですね」

中国・インド・民間企業 群雄割拠の宇宙開発事情
竹内キャスター
「一方で、近年、宇宙開発の新興勢力としまして、中国・インドなどの新興国が勢いを増すと同時に、アメリカのスペースX社やブルーオリジン社、さらにヨーロッパのアリアンスペース社などの民間企業が参入するという動きが加速しています。若田さん、現在、中国やインドの技術水準はどのレベルにあると思われますか?」
若田氏
「着々と有人宇宙技術を高めてきている。実際に独自の宇宙輸送手段、有人輸送手段を持っていますし、インドの方も人工衛星の打ち上げロケットに関しては非常に高い水準のものを持っているということで。新興国ではありますけれど、着実に力を伸ばしてきているなという印象を強く持っています」
反町キャスター
「油井さん、中国・インドのロケット技術、どう見ています?」
油井氏
「継続的に努力してきているだけあって、急速に追いついてきているのかなと。もしくはもう追いつき、追い越そうとしているのかなと思っていますけれど。ただ、一方で、先ほど価格の話もありましたけれども、1つは、日本の得意なところというのは信頼性だと思います。安くても失敗率が大きければ、載せている衛星をまたつくらなければいけないとか、いろいろな不利点がありますので。私達は信頼性で、なるべく定時に、安全に上がっていくというのが非常に重要なことではないかなと。そこは日本の勝負できるポイントではないかなと思っています」

アメリカ新宇宙計画 有人探査の狙いとは?
竹内キャスター
「昨年の12月に、宇宙開発の転換点とも言うべき方針が日米で相次いで表明されました。トランプ大統領は12月11日に、将来の火星探査に向け、アメリカ人宇宙飛行士を再び月に着陸させることを命じる大統領令を発令しました。するとその翌日、日本政府は宇宙政策の基本方針を定める宇宙基本計画の工程表を改訂、月近傍や月面の国際宇宙探査計画を念頭に検討することを明記しました。林さん、アメリカが再び人類を月に送る計画を立ち上げた、その背景には何があると思いますか?」
林文科相
「この話を聞いた時、大統領が『Make America Great Again』とずっと言っていましたよね。まさにこれは初めて月に行くわけではないですよ。ケネディの時ですから、彼は戻すと言っているんですね。1回、俺達は行っているのだと。そういう意味で、先ほどから他の新興国の話がありますけれども、宇宙と言えばアメリカと旧ソ連だって言われた時代があったわけですね、独壇場の。だから、そういうリーダーシップを、失われたと見られているのを撥ね返して、もう1度リーダーシップを握るのだということを現在の政権ははっきりと打ち出したと見ています」
反町キャスター
「油井さん、いかがですか?どう感じますか、トランプ大統領の方針?」
油井氏
「いや…」
反町キャスター
「日本政府の方針も含めて…」
油井氏
「これを聞いている人というのはすごくワクワクすると思うんですよね。私自身、人間というのは…」
反町キャスター
「油井さん、月に自分で行く、順番だと思っているのではないですか?」
油井氏
「いや、もう行きたいですよ、正直、かなり、はい。このニュースを聞いた時に、やったぜ、と思ったけれども。もしかしたら日本もと当然、思いますよね」
反町キャスター
「なるほど」
油井氏
「そうやってワクワクした人が多いのではないかと思っていて。それこそ、そのワクワク感こそがフロンティア精神であり、人類の活動の場を広げていったり、あるいは究極的に見ていくと、そのワクワク感というのが景気を向上させたりとか、するわけですよ。私はそう思っています。人間の未来が明るいと思えば、消費も活発になるし、それは月に価値を見いだせば、そこに投資してみようかと思うわけです。だから、もしかしたら何倍にもなるかもしれないと、そういうことだと」
反町キャスター
「日本の経済政策にまで応用できるようなワクワク感という、そこまではなかなか?」
林文科相
「もう少し政策論的に言うと、ディマンド・アーティキュレーションというのがありまして…」
反町キャスター
「何ですか、それは?」
林文科相
「まずケネディさんの例でよく使われるんです。『まず人を送ろうではないか』と大統領が言っちゃうわけです。そうすると、ああ、政府が本腰を入れてこれをやるのだということになると、いろいろな研究資金とか、いろいろな投資がそっちに向かってくるんですね。だって、政府が中心になってやっていこうと言うことは、そこが、ドンドン、いろいろなものの中心になって、予算も重点的に配分されるという予測の下に官民のお金がそっちに吸い寄せられていくというのがディマンドをアーティキュレートする、ここにやることがあるんですということをはっきりさせるという、シンボリックな意味があって。それをやることによって、それに合わせて自分達も、民間の方も、開発を進めていこうということになると、実際、言ったことが現実につながっていくという効果が政策論として認められていまして、あの時も」
反町キャスター
「なるほど」
林文科相
「ですから、そういうことをよくぶち上げると言いますけれども、まさにぶち上げてワクワクしてもらうというのも、俺、行きたいな、と思って、そっちの勉強しようかなということにもつながっていくかもしれませんから。いろいろな意味で、トップが、はっきりと姿勢を出すというのは大きな意味があると思いますね」
反町キャスター
「でも、日米のタイアップした政策パターンみたいに見えるのですけど」
林文科相
「うん」
反町キャスター
「たとえば、本当に日本の技術の、それこそイノベーションというか、大躍進を考えるのであれば、『では、我が国のロケットで』という、荒唐無稽と思われても、そういう柱を立てるという、それは日本の政治の構造としてはアメリカとあくまでもって、こういう話になるのですか?」
林文科相
「せっかく同盟国で緊密な関係があるアメリカが、これをやっていこうということになったわけで。我々もこれだけの皆さんがいらっしゃって、これまでの積み重ねを持っているわけですから、これは『一緒にやっていこう』と言わない手はないということだと思いますし。現在ここに出ている、実際にはこのアレが出る前だったと思いますが、日米首脳会談でもお互いの言及がもうそこに入っているわけです。そういうことを通じて、この一緒になってまったく同じことをやるというよりかは、一緒に協力して、役割分担もしながらやっていこうということではないかと思います」
反町キャスター
「若田さん、この話をどう感じますか?日米の枠というものを、基本としてやっていくということなのか、日本独自でやっていくという可能性についても含めて、どう感じますか?」
若田氏
「そうですね、国際宇宙ステーション、世界15か国で、これだけいろいろな成果を出している、技術的なところ、科学的なところ、世の中を平和にするという観点からも。その延長線上に有人宇宙活動はあるべきだと思いますね。そうしないと1国だけで、米ソの冷戦時代のような、巨額を投入して1国が成し遂げるというのも、そういうことはできない時代になっていると。ですから、今回もアメリカはリーダーシップをとるのだけれど、日本のような同盟国も含めて、一緒に協力してやっていきましょうっていうことが大きな方針だと思いますので。そこで、我々も参加することによって、自分達の強みを活かして、日本人宇宙飛行士が、油井さんが行ったり、金井さんが行ったり、大西さんが行ったりと、そういうベネフィットを得られるという観点から国際協力で進めるのが妥当と思います」
反町キャスター
「若田さん、用意した図なのですけれども、アメリカが構想する有人月探査計画、こういうものではなかろうかと僕ら用意した、これを説明いただけますか?」
若田氏
「そうですね…」
反町キャスター
「この黄色い部分というのが、日本が協力できるであろうというエリアでよろしいのですか?」
若田氏
「そうですね。ここの黄色い4つの技術というのが、私達、日本が国際宇宙探査に取り組んでいく中で技術力として高めていかなければいけないものとして識別しているものですね。それ以外に、我々はすごくもう重要な技術を持っています。『こうのとり』でありますとか、先ほどのロケットのような高水準のもの、信頼性のもの。それですとか、超小型衛星を放出する能力は宇宙ステーションで『きぼう』にしかないです。それに比べ、この4つの技術はこれから私達がより主体的に探査に取り組んでいく時に必要なものと。これは、宇宙ステーションは400キロですけれども、ここに拠点というのがあるんですね、この拠点というのはいろいろなアイデアがあるのですけれども、現在、可能性としては、たとえば、月に1番近いところで4000キロ、遠いところで7万キロぐらいの超楕円軌道を飛ぶような形で、月の周り、特に南極がいつも見えるような、そこには水が、たぶん水と氷があると思われているので…」
反町キャスター
「月の南極ですね?」
若田氏
「そうですね、はい。そこを見ながら回れるような。そこの拠点には、ここに書いてあるように、たとえば、物資を補給するモジュールであったり、電力を発生する装置であったり、また、宇宙飛行士達が4人ですけれど、最初は4人が居住できるような…」
反町キャスター
「4人というところはもう決まっているのですか?」
若田氏
「…最初、それはこの拠点に往復するロケットが現在はアメリカの『スペース・ローンチ・システム』という、スペースシャトルのメインエンジンを使ったロケットなのですけれども、現在開発中で、来年ぐらいに無人機を打ち上げる予定ですけれども。そのロケットに、このNASAの有人宇宙船は『オライオン』『オリオン』と言うのですけれども、これが4人乗りですね、基本的に。これで往還をして、拠点まで行って、そこから実は月基地着陸船に乗って、月に降りてきて。たとえば、数週間、40日ぐらい滞在して、また、この拠点に戻って行って、最終的には『オライオン』宇宙船で地球に降りるというようなミッションを…」
反町キャスター
「月面で何をやるのですか?」
若田氏
「月面は特に資源探査、特に重要なのが、水の探査でして。宇宙ステーションにモノを打ち上げると結構、コストがかかりますけれども、月あたりに打ち上げると、その方が、100倍ぐらいコストがかかるんですね。だから、たとえば、水、これは将来、火星に行く時に燃料となるものですね」
反町キャスター
「水が燃料になるのですか?」
若田氏
「そうです、はい。水素と酸素に分離してですね」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
若田氏
「それを地上から、地球から、持っていくとすごく重たいのでコストがかかる。それがふんだんにあれば、月に、それを見つけなければいけないのですけれど、あることはわかっているのですけれども、どれだけあるかはまだ現在、調べているのですけれども。月の水と氷を活用できれば、ここで燃料を見つけて、精製して、火星に行けると。アポロの時とアメリカの政策がまったく違うところは、これは月だけがターゲットではないですね。月をターゲットにすると、アポロは6回、月着陸をして、それで終わってしまったんですね。よく国連が持続可能な開発目標ですかね、SDGをやっていますけれど、SDGに則れば、これは火星を目指すというのが重要ですよね。だから、月で終わらない」
反町キャスター
「火星?」
若田氏
「それから、この拠点は月に降りるだけではなくて、この拠点から実は火星に行けると。今度は火星の探査、それから、火星の衛星に行ったりするという」

月面探査は火星への足がかり
反町キャスター
「火星は若田さん、片道5年とか、6年とか、それぐらいのスケジュールで考える話なのですか、これは?」
若田氏
「うーん、半年ぐらいかかっちゃいますね、行くまでに」
反町キャスター
「半年ぐらい?」
若田氏
「往復で2年半とか」
反町キャスター
「ですよね?」
若田氏
「はい」
反町キャスター
「そういうところまで、国と国との間で国家プロジェクトとしてやっていくということに関して、僕はちょっと正直言うと、財政的なこととか、政治的な安定性も含めて、ちょっと不安を覚えるんですよ」
向井氏
「これは、だから、民間が入ってきて、投資したら、それが回収できてくれば、それをその総額が大きくても、それ以上に回収できればいいと。私は、日本がこうやっていくうえで、月は特に滞在技術、そういったところをやると、非常に日本のリソースが少ない中、現在の電力にしても、水にしても、食料にしても、そういった閉鎖系の日本が諸外国に頼らなくて済むような国をつくっていくというのは、宇宙ステーションが月面に行って自立性を高めるのと同じ方向性ですよね。それはもう、すごく日本はそういう民間の技術のポテンシャルが高いですから。そのロケットで送るとか、衛星とか、そういう宇宙開発で、ロケット・衛星で行きますけれども、滞在技術のところを、私は日本がやれば、非常にこの部分で世界的なシェアを獲れると思う。そうすれば、投資した分だけ、それを回収できると。それはなぜかと言うと、そういったもの、極端な場所で使えるものが非常にこの地球上で使えれば、それは技術にしても、あるいは薬品だとか、そういったものが老齢化社会に役立つとか、そこはいくらでも回収できるチャンスがあると思います」

国際宇宙探査フォーラム 宇宙での国際ルールのあり方
竹内キャスター
「来月3日、宇宙探査に関する閣僚級の国際会議、ISEF2、第2回国際宇宙探査フォーラムが東京で開催されます。概要は2014年にワシントンで開催されたISEF、ISEF1から4年ぶりに開催されるISEF2は閣僚級を含む、政府関係者や宇宙機関など最大60か国、500名程度が参加し、宇宙探査や共通原則共有の重要性と国際協力のあり方を議論し、国際宇宙探査の持続的な進展を促すための会議です。議長は林文科大臣で、若田さんが全体進行を務めるということなのですが、林さん、なぜ今回、これを日本でやることになったのでしょうか?」
林文科相
「前回、アメリカであったので。当時、下村文科大臣。アメリカ側から打診があって、それなら、ということで、喜んでお引き受けをしたという経緯がありますので。それだけ信頼関係があったということです。これだけたくさんの皆さんが来る予定にしていただいているというのも、それだけ意見を交換したいと、いろいろシェアしたいということと、日本に対する信頼感というのもそれぞれの国にあるのだろうなと思って、嬉しく思っています」
竹内キャスター
「今回の議論の焦点は何になると考えていますか?」
 
林文科相
「まず、そこにちょっと書いていただいていますが、共通の原則を共有しようということで。条約というのは既に1967年から宇宙条約というのがあるのですが、さらに、今回、皆が参加して、共通の原則を共有しようということにしまして。宇宙探査における国際協力を円滑に進めていくうえで非常に大事なことだと思うんです。デブリ1つとっても、皆がわかっていて、ルールがあってと。たとえば、道路1つとってみれば、わかるのだけれども、右側か、左側か、決めていないと、決めるのと、誰も損しないわけですよね。右、左と決めてもね。だから、たとえば、そういうようなことも含めて、皆でこうだよねということを共有しておくという、これをまずはやりたいと思うんですね」
反町キャスター
「これまでそういうルールは、宇宙はまったくノン・ルールというか、決まりごとは何にもなかったのですか?」
林文科相
「条約はあるので最低限のことはあるのですが。もう少しソフトな、条約よりは、しかし、皆でこれを守った方がお互いに良いですよねというようなことを、さらに、共有原則として是非、だいぶ経っていますから、宇宙…」
反町キャスター
「それは先ほど、名前を出したインドとか、中国とか、いわゆる日本の宇宙開発におけるパートナーではない国々も含めた会議になっているのですか?」
林文科相
「そうですね。来られた方が全員で共有できるものをつくらなければ共有原則になりませんので、インドや中国にも来ていただいて、これを共有していくということが大事ですし、今度はそれぞれ政府関係者がいらっしゃるので、当然、今から商用という話も出てくれば、それぞれの国で、それぞれの国の民間の方にも、これを共有してもらうというようなことになると思います」
反町キャスター
「中国・インドも来るのですか?」
林文科相
「はい、そういう予定になっています」
反町キャスター
「政府機関ではない民間企業はいかがですか?」
林文科相
「これは政府関係者が集まるということですので、企業向けのサイドイベントはやるのですけれども、基本的に参加者という意味では政府関係者」
反町キャスター
「政府関係者?」
林文科相
「はい」
反町キャスター
「若田さん、いかがですか?今回のISEF2、その最も大切な部分は何だと感じていますか?」
若田氏
「今、林大臣からおっしゃってくださったように、探査を国際協力で進めていくための、基本的な枠組みづくり、基本的な方針、それを共有するということが最も重要なことではないかと」
反町キャスター
「具体的な枠組み、方針はどこで?宇宙に手を伸ばそうとしている世界各国のどういう方向性を一致させたいのですか?」
若田氏
「たとえば、これは私の宇宙飛行士としての私見ですけれども、今、先ほどから説明させてもらっています地球低軌道から月、火星へと、そういった道筋ですよね。どういう方向で、どういった国が参加して、どういうルールに基づいて仕事をしていこうかと、実はこの国際宇宙ステーションは国際間協定という『インター・ガバメンタル・アグリーメント』というのがあるのですけれども、これも条約みたいなものですね。これをつくるのはすごく結構大変な作業です。宇宙ステーションをつくる時に、IGAをすぐつくれないんですよね。そういうのがあって初めて、その国家間の協力体制というのが確固たるものになるのですけれども。それに向けた閣僚が参加して、ベクトルを合わせていきましょうという、そういう意識合わせという意味では、こういったISEFというのは、非常に重要な機会ではないかなと。しかも、それを日本でできるということは、我々が信頼されるパートナーになっている証。向井さんから先ほどお話がありましたけれど、スペースシャトルで向井さん、毛利さん、土井さんが飛ばれた時というのは、我々、大学院生に対して幼稚園生みたいなところから始まったのですけれども。国際宇宙ステーションを通して、日本が有人宇宙活動でも世界最高水準のレベルに達して、お互いに信頼できるイコール・パートナーとして認められることになったので、今回、林大臣が議長を務められるこういったISEF、この2回目が日本で開催される、そこは本当に大きな意義の1つではないかなと思います」

進展する中国の宇宙開発 中国に求めるものは?
反町キャスター
「林さん、この質問は文科大臣と言うよりも元防衛大臣としての質問になっちゃうのですけれど、中国のこういう話ですよ。2003年に有人宇宙船神舟5号を成功させて、1番たぶん問題になるのは2007年、弾道ミサイルによる衛星破壊実験に成功しました。その他諸々、2013年、2016年という、中国は宇宙開発をドンドン進めているのですけれども、安全保障的なニュアンスも含めて、当然、安全保障的なニュアンスがメインの話になるのですけれども、宇宙空間における安全保障的なルールづくりは可能なのですか?各国それぞれ、GPS(全地球測位システム)の衛星も全部含め、通信衛星、観測衛星、全てを含め、安全保障の話が絡んでいないともたない話になっていると思うのですけれど、中国とこの話、すり合わせはできるのですか?」
林文科相
「そうですね。共有原則の方向性というのは平和目的ですと。それから、たとえば、全人類に等しく恩恵がありますと。こういうものを具体的に各国どういう役割分担をするかとか、民間でどうするかと共に、大きな方向性として共有したいと思っているんですね。これは反対できないと思っています。これは反対すると、えっ?どういうこと、ということになりますから。だから、そういう形で、しっかりと共通の原則の中で、割と目標みたいなのをもっと、もう少し細かいところと、いろいろと出てくると思いますが、そういうことをキチッとやること。それから、安全保障も先ほど、デブリの話をしました、これも安全保障ですね、実は宇宙における。ですから、そういう意味で、キチッと中国にも当然、他の参加国と同じようにいろいろなご意見を聞いて、最後はコンセンサスにしなければいけませんから、それはキチッと運用しなければいけませんけれど、そういう形で、大きな目標を掲げることによって、まとめをしっかりとできるなと思っています」
反町キャスター
「そうすると、今回のISEF2は現在、平和利用と林さんは言いましたが、いわゆるその昔、レーガン大統領が言った『スターウォーズ計画』みたいなものとか、2007年に中国がやった弾道ミサイルによる衛星破壊実験であるとか、軍用目的による宇宙利用については、今回のISEF2においては議論の課題にはならない?なるのですか?」
林文科相
「これは、各国が意見を言っちゃいけないというルールはないですけれども。我々としては平和目的で宇宙を使いましょうねというような原則を案として我々は打ち出したいとは思っているんですね。そのうえでいろいろなご意見を出してもらうということだと思います」
反町キャスター
「そこの部分に関しては、国際会議なので当然、中国側とは事前にある程度サウンディングすると思うのですけれど、中国は安全保障に関してのテーマについての設定のテーブルに乗ってきそうな感じはあるのですか?」
林文科相
「どういうテーマの設定の仕方かにもよると思います。たぶん平和目的という共有原則の非常に大きな部分については、いや、その目的は外してくださいというようなことにはならないとは思っていますけれど、そこはしっかりと、そのために集まって議論をするわけですから、やりたいと思いますね」
反町キャスター
「ただ、元防衛大臣としての林さんへの質問になっちゃうのだけれども、中国という、かの国の軍事戦略というのは非対称ではないですか。正面装備に対して正面装備ではなく、アメリカに対して、では、我々はサイバーだったり、宇宙だったり、そういうところでの優位性を求めているのが彼らの現在の軍事戦略の1つの柱ですよ。宇宙における優位性というものを求める姿勢をそんなに簡単に諦めると思えないのですけれども、そこはいかがですか?」
林文科相
「共有原則で、たとえば、大きな目標を立てた文言に対して、彼らとして矛盾を感じなければ、共有はできると思うんですね。何か書きぶりもあると思うんです。ですから、あくまで条約の交渉をして、たとえば、バイでやる交渉というわけではなく、これだけ各国が集まって共有原則をつくろうというわけですから、それは最終的にはなるべくコンセンサスを目指すということは当然だと思いますね」
反町キャスター
「油井さん、宇宙の軍事利用に関する中国の国家的な目的ですよ。それが今回のISEF2において、彼らがどれぐらいの思いを持って、この会議に臨むのか、どう感じていますか?」
油井氏
「いや、私は、中国は協力できるパートナーを探していると思いますので。ですから、そういうサインが出てきていて、宇宙飛行士を選ぶ時、これまで軍の方からばかり選んでいたのですけれども、今度は民間から選びましょうというような話をしていたり。私が実際、中国の方と話してもそういうことを言っていますので、一緒に協力できないかなという話をしています。ルールは守って協力する方が得だという認識はあると思います」
反町キャスター
「では、人工衛星を撃墜する、破壊するという、ああいう物騒な話は…」
油井氏
「これからはなくなってくると思います」

次世代育成に何が必要か
竹内キャスター
「宇宙開発の担い手について話を聞いていきますが、宇宙探査に関する国際会議ISEF2においても、若手の人材育成を目的としたサイドイベントが開催されるということです。林さん、宇宙開発に携わる日本の次世代の育成をどのように考えていますか?」
林文科相
「この制服を見ていただいて、今日、ワクワクする人がいると思うんですよ。油井さんだ、若田さんだ、千秋さんだって皆、モデルになっていますから、そういうことがまず大事。たとえば、ウチの地元にJAXAの出先があるのですけれど、そこに前、若田さんに来ていただいた時に、たとえば、ペットボトルをちょっと廃品利用して、ロケットをつくるんですね」
反町キャスター
「ああ、水のヤツ?」
林文科相
「うん、水ロケット。そうすると、幼稚園とか、小学校ぐらいの子が、キャッキャッやって、何回もどうやったら遠くに飛ばすか、本当に一生懸命やるんですね。そういうのがとても大事。今回もせっかくこれだけのイベントですから、サイドイベントで、若者向けの、このヤングISEFというのを学生や若手の社会人がアイデアを出し合って議論をするということや、高校生が宇宙探査に関連したテーマについて英語で研究発表するという、これは、スチューデントISEFと言っているのですが、こういうサイドイベントを楽しくやって、皆に関心を持ってもらって、いいなと、俺もやりたいな、私もやりたいなと思ってもらうというのをやりたいと思っているんですよね」
反町キャスター
「向井さん、いかがですか?次世代育成。日本の問題をどう感じているのですか?現在、実際に教育の現場に立たれている中、日本の宇宙産業、宇宙開発の将来を担う人材の育成、現状と課題、どう感じていますか?」
向井氏
「若い人達は、宇宙は本当にロマンに満ちていて、自分もそういうところに入りたいと。そういったところで自分達が働いていける、あるいは興味を持って研究できる、そういう受け皿がきちんとできさえすれば、若い人達はドンドン入っていくと思います。宇宙開発というのは、1つの、技術開発だとか、技術立国日本をつくっていくうえでの本当に決め手となるものなので、是非こういったものを中心に若い人達に活躍の場、自分達が教育を受ければ、その教育が、自己実現ができるツールとなって自分の人生を豊かにしてくれるという、そう思って、勉強してくれる学生達が増えてくれることを期待しています」
反町キャスター
「それは学部で言うと、宇宙工学とか、何とか工学とか、それだけではたぶんないですよね?」
向井氏
「うん。ですから、国際枠組みもそうですし、宇宙もそうですし、すごく包括的ですね。ですから、学部が、宇宙学部があるから宇宙学部しか行かないとか、たとえば、私がいる東京理科大学は宇宙学部がありませんけれども、現在は学問が非常に縦割りで細かくやったものを、たとえば、宇宙という軸で通して包括的なものができると。包括的なものができる最大のものは滞在技術」
反町キャスター
「あっ、先ほどの話ですね?」
向井氏
「ロケットとか、衛星になっちゃうと敷居が高いのですけれども、私は敷居を下げることで、滞在技術は衣食住ですね。そうすると、日本の民間の人達もドンドン入ってくるし、学生達も自分が勉強した、たとえば、光触媒ですとか、そういったものを使っていける。そうなると、敷居が下がる。そうすると、裾野も広がる、民間企業も入ってくるということで、宇宙産業の規模が大きくなると、そういう良いサイクルをつくればいいのではないかと思うんですね」
反町キャスター
「若田さん、いかがですか?次世代育成、現状と課題をどう見ますか?」
若田氏
「アポロ計画の成果の1つというのが当然、コンピュータを速くするとか、小型化するとか、強いゴルフのクラブの材料をつくったというのがあると思うのですけれども。それと同時に次世代を育てた。私、宇宙飛行士のクラス、1992年のNASAの宇宙飛行士の訓練クラスに行きましたけれども、その同級生のアメリカ人はほとんどがアポロを見て、ここに行こうと思ったと。宇宙飛行士だけではなく、NASAとか、関連企業で働いているような人もアポロがあって、この仕事を選んだという人が多いと思うんですね。統計的なデータですと、そのアポロ計画の5年後ぐらいに、博士課程が1番増えたというのがアメリカの事実ですね。そういう意味で、次世代を育てるために何らかのきっかけとなるイベント、宇宙開発というのは先日、金井さんが船外活動で6時間大活躍してくれましたけど、ああいう苦労をして生身の人間ががんばっているという姿を見て、ここに自分の将来を見たいというような人が出てきて、そういう夢を与えることによって学部によらず、次世代を育てることにつながっていくのではないかなと。そういう意味では、この国際宇宙探査の果たす役割というのは大きいのではないかなと思います」
反町キャスター
「油井さん、いかがですか?」
油井氏
「教育というのは本当に未来への投資ですから、若い人達をどうやって育てるかというのは、本当に国の一大事だと思っているのですけれども。私が宇宙から日本を見て思ったのは、本当に日本はすごく小さな国ですね。なのに、なぜこれだけ、世界で第3位の経済大国として、あるいは技術大国として成り立っているのかというのを考えた時に、教育の水準が高くて、他にマネができないような技術力を持っているからだと思っているんですね。ですから、文部科学省全般に対する投資というのは非常に大事で、教育であり、科学技術であり、そこには最低限の予算は必要であるし、優秀な人材というのをドンドン投入していって、将来に備えないといけないなと思っています」

林芳正 文部科学大臣の提言 『果てなき宇宙への挑戦』
林文科相
「『果てなき宇宙への挑戦』ということで、先ほど、ちょっと出ましたけれども、月へ行っておしまい、有人でということではなく、その先がありますということで、ネバー・エンディングな大志を持ってやっていくことと、これはISEF2の、今回のキャッチコピーですね、主催者としてもCMも兼ねて出させていただきました」

宇宙飛行士 向井千秋氏の提言 『人類のための宇宙開発を!』
向井氏
「私は、宇宙というのは、広くて無制限、無限のように思いますけれど、宇宙というのが限りある有限の資源なので、皆のための宇宙、『Space for everybody』ということで、大所高所で、広い視野と長期展望でビジョンをつくって、そういったビジョンの中で若い人達をドンドン育成していくと、そういったことが必要と思います。ですから、広い意味で、日本1国だけではなく、人類のため、皆のために宇宙開発をする、だから、皆が仲良く一緒にやらないととても太刀打ちできる相手ではない、それが大きな宇宙だというふうに思ってやれればと思っています」

若田光一 JAXA宇宙飛行士 ISSプログラムマネージャーの提言 『科学技術創造立国 日本の強みを生かして宇宙を拓く』
若田氏
「宇宙は皆のものだと思いますし、宇宙を切り拓くことができる国というのは限られていると思います。我が国は科学技術創造立国、宇宙を切り拓く仕事というのは我々の使命、義務だと思うんですね。私達の持つ、優れた技術、知見を活かして、世界が享受できるような成果を生み出すような宇宙開発、国際宇宙探査を進めていきたい、そういう思いでこの提言を書かせていただきました」

油井亀美也 JAXA宇宙飛行士 宇宙飛行士グループ長の提言 『信頼』
油井氏
「私は『信頼』と書きましたけれども。今日、何回か信頼性、日本が優れているところだという話をしたのですけれども、その高い信頼性を武器に、他の国と仕事をする時に他国から信頼されるよう、何か難しい仕事があれば日本に任せようと言われるぐらいの国になってほしいと。それは一足飛びにはできないので亀のマークを書きましたけれど、一歩一歩、遅くとも前に進むことが大事だと思っています」