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2018年2月8日(木)
なぜ今?軍事パレード 北朝鮮の真意と照準は

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣 自由民主党参議院議員
武貞秀士
拓殖大学特任教授
平井久志
ジャーナリスト 共同通信社客員論説委員 元ソウル支局長
福江広明
前航空総隊司令官 元空将

『五輪開催前日』軍事パレード 北朝鮮の狙いと注目点は
松村キャスター
「平昌オリンピックの開幕を明日に控えた今日、北朝鮮が兵力で1万3000人規模の軍事パレードを行いました。また、金正恩委員長の実の妹、金与正氏の韓国訪問を急遽決定するなど、朝鮮半島情勢がめまぐるしく動いています。そこで軍事パレードの内容と北朝鮮をめぐる最新動向を検証、北朝鮮の次の一手を読み解きます。軍事パレードの概要を見ていきます。北朝鮮は軍の創建日を記念して軍事パレードを開催、昨年まで4月25日だったこの記念日を2月8日と変更しています。韓国政府筋によりますと参加した兵力は1万3000人規模で、時間ですが、およそ1時間半、昨年4月はおよそ3時間ということでしたので、およそ半分になっています。内容としましては、特殊部隊を含む、陸海空軍部隊、戦車・自走砲、『火星15』含む、弾道ミサイル5種類が見られたということですが。佐藤さん、今回この特殊部隊を含む陸海空軍部隊と、かなり特殊部隊をフューチャーされているのですけれども、どのような意味合いがありますか?」
佐藤議員
「これは昨年のパレードでも出てきているんですよ、特殊部隊と。特に北朝鮮の強みというのは、対象戦ではない非対象戦という部分の中で、普通の陸軍の正規兵力、たとえば、戦車とか、あるいはそういう大砲を比べたら、韓国が圧倒的に上なので、そういう意味で、この特殊部隊という、韓国よりも違った分野での勢力、強いものを持つことによって極めて優位に立つと。今回も演説の中でも『1人で100人を倒す』と述べていますよね、この象徴が特殊部隊です」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「うん。だから、そういう意味において、非常に特殊部隊における能力というものを重視しながら、韓国に対して優位性を持つと。特に国境地帯が山岳地帯ですから、分離地帯が、特殊部隊が侵入するには、まさにうってつけの地形ということでもありますから、非常に重視していると思います」
反町キャスター
「その意味においては、特殊部隊をそういう形で見せるというのは韓国に対する軍事的なプレッシャーを当然狙っているということですね?」
佐藤議員
「そうですね、はい」
反町キャスター
「武貞さん、一方、ミサイルなんですけれども、パレード後半…、だから最初、歩兵が出て、火器が出て、それからだんだん長いもの、大きいものになっていくなかで、最後の方で火星12号、14号、15号というのがワーッと出てきたのですけれども。このICBM系の長いミサイルを連続で見せてくる、この狙いはどう見ていますか?」
武貞特任教授
「昨年11月29日に火星15を発射して国家核戦力の計画は最終段階、これは終わりましたと金正恩委員長自身も宣言をしたわけで。現在、北朝鮮の軍事力の強化のプロセスというのはICBMが1番の肝です。大陸間弾道弾、ワシントン・ニューヨークにまで届くもの。最後に行進をした火星15というのは、これはまっすぐほぼ水平に飛ばせば、1万3000㎞ぐらい飛ぶ。これはワシントン・ニューヨークまで届くものですね。これを撃てば、アメリカはワシントン・ニューヨークが火の海になるよと。つまり、最後に出したものというのは北朝鮮の核プログラムの最終目標と関連している装備ですよという意味で出したわけですよね。アメリカとは戦争する関係にはないです、アメリカはそれを悟ってくださいというメッセージを込めていますよね」
佐藤議員
「なんですよね」
武貞特任教授
「それと特殊部隊との関連で言えば、アメリカがもう手出しできなくなる、世界の警察官、朝鮮半島の警察官をやろうとして、朝鮮半島に軍事力を送った場合、あるいは在韓米軍をそのまま置いた場合、ワシントン・ニューヨークに数十万人の死者が出ると、これはアメリカ・ファーストに反するのではないかと、アメリカの大統領は言いそうですから。言ってもらっちゃ困りますけれど、言いそうですから。それを考えて北朝鮮としては、あとは何で統一できるかと言えば、特殊部隊ですよ。特殊部隊は必ずしもドーンと大量の爆発をするもので攻めていくわけではないから、韓国社会の対応の仕方によっては仲良く自主的に統一できるのだよという気持ちも込めて、ややローテクノロジーの特殊部隊をワーッとプレイアップして行進させた。これは対話路線、微笑み外交と密接に裏表…、同じコインの裏表ですよね、非常に巧妙に考えている」
反町キャスター
「どういうことですか?ローテクの特殊部隊を見せることによって話し合いの土壌ができるのですか?」
武貞特任教授
「韓国が武力で反抗しても、この特殊部隊の前に、あなた方の社会は簡単に瓦解してしまうでしょうと」
佐藤議員
「…」
反町キャスター
「脅しているっちゅうことですよね、要するに?」
武貞特任教授
「ミサイルとか、短いスカッドミサイルとか、多連装ロケットとか、もう300㎞、280㎞飛ぶものをずらっと並べたら、これはもう北朝鮮と真っ向勝負、我々も武器を持って戦わなければならないと韓国人は思うかもしれない。でも、韓国社会を1発の弾も撃たずに平定するようなものを全面に出し、民族同士、ケンカするのをやめましょう、特殊部隊をこれだけたくさん持っているけれども、これはいざとなったら、あなた方、話し合うのなら使いませんよと言う時には非常に印象が良いとは思いませんけども…」
反町キャスター
「良くないですよ」
武貞特任教授
「すごく破壊力を持ったものよりは、韓国人はまだ何か話し合いの余地があるかしら。南と北だけは話し合いの余地があるかしら。そう言えば、平昌オリンピック…」
反町キャスター
「この発言がポイントでしょう?『南と北だけは』というふうに韓国に思わせる。アメリカとか、日本とかを抜きにして、半島の問題は半島の中で片づけようという機運をつくらせるのが目的になっているわけですよね?」
武貞特任教授
「それはそうですよね」
佐藤議員
「ただ、一方で、現在、先ほどの映像があったように、ICBMの1番長いもの、火星15号が初めてパレードに出てきたんですよ。昨年まではなかった。しかも、1台ではないですよ。見ても、3台か、4台ぐらいあるんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「だから、このぐらい…」
反町キャスター
「ああ、これですね」
佐藤議員
「火星15号が同時に3台も、4台もこういう発射台つきのものがパレードしたというのは初めてです。これは完璧にアメリカに対するメッセージです」
反町キャスター
「福江さん、いかがですか?火星15号が3台、4台出てきたのは初めてだ、これの意味はどうなのだと?」
福江氏
「私も基本的には、佐藤副大臣と同じです」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「最初に出てきた弾道ミサイルもどきのようなミサイル、これはわかりませんが、おそらく弾道ミサイルシリーズ、SRBM(短距離弾道ミサイル)からICBMまでの各形態をシリーズで見せてきたというのがあるのだと思います。かつ米本土・グアム・ハワイといったアメリカの脅威になるものを見せる、規模的にも数台見せるというのは、アメリカに対する強いメッセージだと私は見ています」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「それと、もう1つ特徴的だったのは、地上発射型ではありますが、固体燃料のICBMをこの中に見せてきたというのは、これからも固体燃料の弾道ミサイルについては、研究開発を継続するぞという強い意志がそこに入っているのではないかなともみました」
反町キャスター
「北朝鮮の軍事パレードに触発されたとは申し上げませんが、こういう記事が出ています。アメリカのワシントンポスト電子版の6日付、トランプ大統領が首都ワシントンで、アメリカの首都ワシントンで年内に大規模な軍事パレードを行うよう国防総省に指示をした。これはマティス国防長官がその旨を話しているというようなことです。軍事パレードの候補日としては、5月28日メモリアル・デー、7月4日独立記念日、11月11日退役軍人の日、このような日などが検討されているということですけれど。佐藤さん、うーん…」
佐藤議員
「私も思いたくないですよ、北朝鮮に触発されて…」
反町キャスター
「そう」
佐藤議員
「トランプ大統領がパレードを、しかも、首都のワシントンでやると決めたとは思いたくないですね。前にツイッターであったような、『俺の方のボタンが大きい』と、それと同じラインですから、そうは思いたくないのですけれども。ただ、パレードをやるという意味合いもゼロではなくて、軍事的に。それなりに自分達の規律、あるいは威容というものを国民に見せると。今年は中間選挙がありますから、そういう意味において強いアメリカというものを国内向けに誇示するということはあるだろうし」
反町キャスター
「票になります?」
佐藤議員
「わかりません」
反町キャスター
「現在のアメリカ国内の状況を見て、トランプ大統領の支持基盤は保守派はもうガッチリ固まっているわけで、パレードをやったら票になります?」
佐藤議員
「それでも、共和党の中でもまだ、たとえば、これまでトランプ氏を応援してきた人間も若干離れている部分もありますよね。だから、共和党と保守層を固める意味でもメリットはゼロではないかもしれませんけれども、国内的にそういう威厳っていうのを示すというのは、価値としてはあるのかなと」
反町キャスター
「平井さん、いかがですか?韓国から見たら、トランプ大統領の姿勢というのはどう見えるのですかね?」
平井氏
「いや、韓国はわからないですけど。平壌も平壌なら、ワシントンもワシントンなら、両方とも愚かだと思います」
反町キャスター
「その結果、どうなるかと言ったら、アメリカに頼るのではなく、半島の問題は半島でという、南北の対話を後押しするような姿勢にならないですか?」
平井氏
「うーん」
反町キャスター
「トランプ大統領、あの大統領は…?」
平井氏
「それは関係ないのではないですか?」
反町キャスター
「関係ない?」
平井氏
「だから…」
反町キャスター
「えっ!?では、つまり、トランプ大統領が現在、何を言おうと、あまり南北関係に影響しない影響力しか持っていないという意味で言っています?」
平井氏
「だから、僕は金正恩さんという人も困った人だけれども、トランプさんという人も困った人だなという、そういうのを実感するしかないですが、あまり私は深読みするほどの何か意味があるのかなという…」
反町キャスター
「なるほど。単にトランプ大統領が反射神経で言っているのではないかという、こういう意味で言っています?」
平井氏
「うん、もし本当に考えているなら極めてバカげたことだし」
反町キャスター
「福江さんいかがですか?何か感じることがあります?」
福江氏
「私もやったらやり返すということではないとは思いますが、その真意がどこにあるのかはわかりません。ただ、元自衛官の1人としては非常に興味を持っています」
反町キャスター
「どういうことですか?」
福江氏
「本来は、軍事パレード、つまり、閲兵式、自衛隊で言うと観閲式、こういったものは愛国心であったり、自衛隊や軍に対する帰属意識、これがしっかり、部隊、隊員達が持っているかっていうことを見るためにやるんです」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「もっと丁寧に言えば、軍事力の誇示、あるいはこういう装備品を持っていますよということを、透明性を出すことによって他国に対する抑止力という本来目的があるんですね。でも、見てくれは、統一性、斉一性、立派なパレードを北朝鮮もしていますが、実はモチベーションが全く裏腹で、愛国心ではない、ひょっとすると、いつ粛清されるかという恐怖心、いつ困窮と飢餓に悩まされるかという軍人達の気持ち、こういったものに支えられて出しているものと、先進諸国の戦力構成もしっかりした非対称戦力ではないものを見せることによって、また、モチベーションも愛国心から出てきているものだというのをこう比べると、相当な違いが見えてくるのではないかと。また、それが読みとれるのではないかなという、個人的な趣味もあるのですけれども、見てみたいなという気がします」

金正恩氏『妹』韓国派遣 南北融和の行方と波紋
松村キャスター
「平昌オリンピック開幕に合わせて派遣される、北朝鮮代表団の顔ぶれから北朝鮮の狙いを読み解いていきます。序列2位とされる金永南・最高人民会議常任委員長をトップに、金正恩委員長の実の妹、与正氏、与正・党統一副部長、崔輝・国家体育指導委員長、現在進んでいる南北対話で北朝鮮代表団のトップを務める李善権・祖国平和統一委員長、随行員18人を韓国に派遣するとしています。さらに10日、文在寅大統領と昼食会も予定されているということです。武貞さん、ロイヤルファミリーの一員、金与正氏が韓国を訪問するのはこれが初めてということですが、韓国を訪問すること、また、10日に昼食会が予定されていること、これについてはどう考えますか?」
武貞特任教授
「非常に重要な意味がありますね。金永南さんはナンバー2で最高人民会議常任委胃腸で、プロトコールの面で1番重要な役割を果たす元首級ですけれども。お歳は90歳、私も、昨年、一昨年、9月、向こうに平壌に行った時にお会いしましたけれども、年配で非常に重厚な感じの方ですけれど、具体的な南北のこれからの対話のロードマップを議論する人ではない。となると、この4人の写真の中で、金与正さん、この方は労働党の中でも既に政治局員候補になっています。政治局員と政治局員候補を合わせると37人、その中の重要な1人ですね。その人が金日成さんのDNAを受け継いでいる人として初めて韓国を訪問する。昼食会、これは相当、1月9日の南北の協議の時に何か決まっていたと私は思いますね、金与正氏の名前がその時から出ていましたから。南北が一致して、具体的なこれからの南北の対話のロードマップも含めて、議論をする機会になるだろうし。北はそれを求め、また、文在寅大統領自身も金与正さん、ランクの人が来てほしいということをおそらく求めたでしょうね。相当、突っ込んだ話を、昼食会、10日にすることになるのだろうと思いますよ」
反町キャスター
「李善権さんは、この間の南北対話の時に来ていた人ですよね?」
武貞特任教授
「そうですね。団長で、1月9日に来られていたわけで。韓国の統一省大臣のカウンターパートになる方です。ですから、この冬季オリンピックへの北朝鮮の参加の道筋をつくった共同報道文を出した、北側の責任者ですから、当然、来られるということですね」
反町キャスター
「感じとしてはグループ…、たとえば、5対5とか、そういうイメージになるのか?ないしはどこかの段階で、文大統領が与正さんとサシで5分会ったとか、10分会ったとか、そういう情報も出てくる可能性もあると見ています?」
武貞特任教授
「うーん…」
反町キャスター
「文大統領から見た時に話すべきは金永南氏なのか、金与正さんなのか、ここですよ、どっちだと見ていますか?」
武貞特任教授
「いや、ですから、両方もちろん…」
反町キャスター
「両方一緒に会った方がいい?」
武貞特任教授
「間違いなく会う、会うだろうと思いますけれど。金永南さんというのは、過去のオリンピック大会にも北の代表として参加していますし、ASEAN(東南アジア諸国連合)等の元首クラスが会うところでは北の代表として元首クラスで、金永南さんは東南アジアにも訪問していますね」
反町キャスター
「なるほど」
武貞特任教授
「ですから、事実上、金永南さんと文在寅さんの会談は、南北首脳会談と言ってもおかしくない」
反町キャスター
「だったら、金正恩委員長に対しての、最も太いメッセンジャーとしてだったら、金永南さんで十分なわけではないですか?」
武貞特任教授
「うん、十分ですが、それはやや形式的なところで。具体的な、軍事会談、協議もこれから行うと、1月9日に決めていますから。特にパラリンピックが終わる3月18日以降のことは具体的に現在決めなければいけないわけですね。そうしないと4月1日から米韓合同軍事演習ほぼ始まることが内定しているみたいですから。それまでにロードマップを決めて、南北の軍事協議をやりましょう、あるいはいろいろな文化分野の交流も続けていきましょうねという話し合い、具体的な話は、金永南さんの担当ではないです」
反町キャスター
「なるほど」
武貞特任教授
「儀典担当で、金正日さんの時代には地方視察を金正日総書記がする時に、事前に、2、3日前に、この金与正さんは現地を視察して、いろいろ手配をして、その手腕が誠に見事だというので、金正日総書記は、次の後継者はこの娘の金与正さんか、金正恩さんか、どちらにしようかと迷ったけれども、最後は男の子だということで金正恩さんに決めたというエピソードがあるぐらいで。本当のところはどうかわかりませんけれども。それだけ北の中では非常に実力があって、実は2番目の右腕ですよ、金正恩委員長の」
反町キャスター
「なるほど」
武貞特任教授
「その人が来て具体的な話を、この4人の中で話し合うとしたら、金与正さんしかいないということで、役割分担を、この金永南さんと金与正さんはソウルで役割分担を行う」
反町キャスター
「どういう?外交的な、表面的とは申し上げません、その部分は金永南さんにやってもらって、実際の芯を食った話というのは与正さんが担当すると、そういう意味で言っていますか?」
武貞特任教授
「ええ、南北首脳会談というのを韓国でやったことはないわけですよね」
反町キャスター
「ああ、そうか…」
武貞特任教授
「金大中さんの時も廬武鉉さんの時も平壌でやった。次は、次回は韓国でということになっていたのに、2回とも平壌になってしまった。今回、金永南さんがソウルで、あるいは平昌で、文在寅さんと会った場合は、会談をした場合は、お互いの相互主義がある程度実現したねということにもなるし、韓国としてはどうしても来てほしかったでしょうね」
反町キャスター
「えっ!?これで首脳会談級に見るのだったら、次は文大統領が平壌に行くのかと、こういう話になるのですか?」
武貞特任教授
「もう相当早い時期に行くと思いますよ。だって、選挙キャンペーン中、昨年の5月の選挙キャンペーン中…、5月に当選した時の選挙キャンペーン中に当選したら1年以内に南北首脳会談をやりますと言っているわけで」
反町キャスター
「はい、言っていました」
武貞特任教授
「金大中さんの時からずっと、廬武鉉さんの時も、南北首脳会談をやった時のブレーンがそのまま延世大学の教授、私の友人もその側近の1人として、おられますけれども。その方々がアレンジしてきた南北首脳会談、文在寅さんは、当然ですけれども、やらなければならない。金大中さん、廬武鉉さんを超える業績を南北関係で達成をするということは、南北首脳会談でさらに突っ込んだ合意を南北間でしなければ、文在寅さんは文在寅さんらしくならないわけですよね。そのプレッシャーもあるし、選挙キャンペーン中も1年以内に会うと言ったわけだから、当然ですけれど、今回、南北首脳会談、ロードマップを決めるでしょうね。決めても新聞に出るかどうかわかりませんよ」
反町キャスター
「平井さん、金永南さん1人ではない、与正さんもつけてくれと韓国がリクエストしたと、平井さんは見ています?」
平井氏
「リクエストしたかどうかはわかりませんけれども、非常にそれを高く評価しているでしょうね」
反町キャスター
「結果的に、要するに、文大統領の狙いは、自ら平壌に行くための環境整備をしたい?平壌に行くための環境整備として、金永南氏1人だけでははっきり言って軽量だから、2枚重ねてくれたら、それは準首脳級の韓国訪問になるから、お返しとして、私が平壌に行けるようになる、そういう政治的な韓国側の思惑が今回のメンツに出ているのかどうか、ここはどう感じますか?」
平井氏
「1つは文在寅さんのトラウマと言うか、廬武鉉政権時代の、南北首脳会談が任期末期になってやったんですよ。ですから、単に約束をしただけで何もできなかった。それが失敗だったというトラウマがあるんですね。ですから、南北首脳会談というのは非常に、韓国内では保守と進歩の対立が厳しいですから、政権に力がある時にやらないと何もできないですよね」
反町キャスター
「なるほど」
平井氏
「そういう意味では、彼は少なくとも政権の前半にやらなければいけないという、そういう考えを絶対に持っていると思いますね。それで今度の平昌オリンピックなのですが、私は金永南さん、金永南さんもいなくても、この会談が最大に注目されるのは金正恩さんのメッセージを持ってくるかどうかですよね」
反町キャスター
「はあ…」
平井氏
「だから、メッセージの伝達をこの代表団がやるわけ。金永南さんがメッセージを持ってきた場合には、ある意味で形式的なメッセージになる可能性がありますけれども、実の妹さんが来るわけですから金正恩委員長の本音というのですか、たとえば、南北首脳会談についてどういう展望を持っているか、非核化の問題についてどういう展望をもっているのか、そういうことを本音ベースで、兄さん、何を考えているのだということを聞くためには、それは…」
反町キャスター
「あなたの兄さんは、どう考えているのと?」
平井氏
「金永南さんにそれを聞いたって、通り一遍のことしか返ってこないわけで」
反町キャスター
「なるほど」
平井氏
「そういう意味では、実の妹が韓国に来るというのは、韓国側としては、1つは、南北対話を重視している表れだし、北側の意図を読み解くとか、金正恩さんのメッセージを受けとる意味では、妹さんが来ることに高い意味を置いているということですね」
反町キャスター
「韓国側は、グループで会うのではなくて、1人1人というか、崔輝さん、李善権さんが必要かどうかは、僕は知りません、少なくとも、金永南さんと金与正さん、互い別々に話をとらないと、韓国側とすれば…」
平井氏
「いや、それは…」
反町キャスター
「牽制し合って、あなた、こんなこと言っているのという…」
平井氏
「北の中はそんなことはまったくありませんから」
反町キャスター
「あっ、ないのですか?」
平井氏
「ええ。金永南さんの言うことを、他の崔輝さんや李善権さんが否定したりすることはできませんから、形式的な元首の金永南さんがおそらくメインで話をするでしょうけれども。だから、僕は会食のスタイルをとったのだと思いますね」
反町キャスター
「ほお」
平井氏
「正式の首脳会談だと、金永南さんの話が大変になりますけれども、会食という場にすれば」
反町キャスター
「いろいろ話ができる…」
平井氏
「金与正さんは発言をすることが、自然に発言をすることが可能になるわけですから。だから、そういう会談形式をとったのではないのかなという気がします」

半島情勢『五輪後』の行方 日韓首脳会談の焦点と効果
反町キャスター
「北朝鮮をめぐる今後の対応について日米両国いろいろ連携しているのですけれど、先日、安倍総理とペンス副大統領の会談、昨日か…の中でも取り上げられています。それに先立って日米電話首脳会談の中でもやったのですけれども、電話首脳会談においては北朝鮮の『微笑み外交』に目を奪われず、圧力を最大限強化しようということを確認し、ペンス副大統領と安倍総理の間では『日米韓で連携して、あらゆる方法で圧力を最大限まで高めていく必要性を改めて確認した』、ペンス大統領からは『アメリカはまもなく最も厳しく、最も積極的な経済制裁を発表する。我々は核と弾道ミサイル計画を完全に破棄するまで北朝鮮を孤立させ続けていく』と、こういう話が出ています。佐藤さん、ずっと言われていた南北の会談を前にして、日米の連携、それが韓国にどのように効いていくのかという、ここの部分、どう感じますか?」
佐藤議員
「これはワン・ボイスですよ。昨日の会談で、発表でもそんなに目新しいものはないです。要は、日米が一枚岩となって北朝鮮に対抗する。その中で日米だけではなく、日米韓という枠組みでしっかり対抗、対峙をするということが大事であって。今回ペンス副大統領から文大統領にもたぶん同じ話を、同じ話でいいですよ。安倍総理からも、また繰り返し、こうだよと。まさにそういうメッセージで日米韓が一枚岩となって、この状況を朝鮮半島の非核化に向かって歩むということが大事なわけで。だから、そういう意味で、昨日、まさにペンス副大統領と安倍総理が会って、今日、ペンス副大統領と文大統領、その結果はまだ入ってきていませんけれども、おそらく北朝鮮の話が主体だと思います」
反町キャスター
「平井さん、同じ話でいいのだと、ワン・ボイスだという佐藤さんの話、どう感じますか?」
平井氏
「それはそれでいいのですけれども。ただ、最近の、僕は日本とアメリカの対応・アプローチを見ていると、圧力をかけていけば、北朝鮮が、すみません、ごめんなさいと言って、謝ってくるのではないかという、そういう発想がちょっと強すぎるのではないかという、そういう危惧はありますね」
反町キャスター
「それは日本側ですか?日米両国?」
平井氏
「日米両方とも、ええ。ですから、そういうものに苛立ちがあるから、アメリカ側では『鼻血作戦』だとか、そういう限定的な軍事行動の話が出るのだろうと思うんです」
反町キャスター
「なるほど」
平井氏
「少し、出口と言うのですか、圧力をかけながらどういう方向にもっていくのかと、そこの議論が日米間でもちょっとあまりにも出なさすぎるのではないのかなという気はするんです」
反町キャスター
「たとえば、南北会談の進捗状況とか、文大統領の南北会談に向けた早仕かけの姿勢とか、それを容認、事実上、容認したアメリカの国際会議における姿勢とかを見ると、アメリカは安倍さんとの向き合いにおいては、最大限の圧力で協力するとは言いながらも、日本よりも結構したたかに北とのアプローチをはかっている可能性、ここはどうですか?」
平井氏
「それと、アメリカのおそらく政権内部でも随分、ポジションによって違い、考え方が違うような気がしますね」

対北朝鮮抑止&包囲網 日米韓連携に『隙』は?
反町キャスター
「アメリカはワン・ボイスのではないのだ?」
平井氏
「はい。国務省とホワイトハウス、特に最近出ている限定的攻撃をめぐる意見の違いというのは、国務省とホワイトハウスでは随分、意見が違うみたいですし、マティスさんがその中に入って、もちろん、現在の、現段階では、国務省寄りの姿勢を示しているようですけれども。ですから、アメリカ自身も政権内部で北朝鮮に対する対応というのが、ワン・ボイスではないような感じがしていて。だから、トランプさんサイドと安倍さんはすごく電話会談を通じて意思疎通ができているのでしょうけれども、トランプさんも手のひらを返したように、私は友達になれると言ってみたり、非常にブレが大きいわけですよね。だから…」
佐藤議員
「2月2日の首脳会談は1時間ぐらいやったんですよ。この電話会談が1時間とは相当長い…」
反町キャスター
「長いですね」
佐藤議員
「はい。まさにその時に主題は北朝鮮で、まさに言われたように、安倍総理とトランプ大統領は北朝鮮に対することは100%、日米は共にやるというぐらい言葉に表れるように、そこは齟齬がないと思います。言われたように政権内部の1部の部分はまだいろいろな動きがあるのかもしれませんけれども、少なくとも首脳間、あるいは昨日のペンス副大統領と安倍総理の間ではまったく齟齬はないです」
反町キャスター
「うん。でも、佐藤さん、ホワイトハウスと国務省、ないしペンタゴン、ホワイトハウス、国務省、その間における北朝鮮に対する姿勢の多少のブレが…。日本はほぼないとした場合、アメリカのブレというのは、アメリカ外交の幅につながっていないか?それが日本にはないということが、日本にとっての不安要因にならないのか?ここはいかがですか?」
佐藤議員
「そこはトップ同士があれだけ信頼関係があれば、そこは他の一般の国の場合と比べたら全然違うと思いますね。ホワイトハウスの権限というのが1番ですから。その中で誰かと言うとトランプ大統領になると。そこと安倍総理が意思疎通できると。それと、2月2日の電話会談が実は18回目です」
反町キャスター
「うん、すごいですね」
佐藤議員
「そこまでやっているのはダントツ、他の国と比べても。相当な、そういう面では、特に北朝鮮に関しての意思疎通というのは、これはかなりできていると」
反町キャスター
「それは、ごめんなさい、嫌みっぽい質問になるのですけれども、佐藤さん、18回というのは多いのだけれど、このくらい頻繁に釘を刺さないとブレちゃうかもしれないトランプ大統領という見方はアリですか、ナシですか?」
佐藤議員
「いや、そういう感じではないけれども」
反町キャスター
「ない?」
佐藤議員
「いろいろな国の、東アジア情勢はプレイヤーとして、相手として、北朝鮮もあれば、あるいは中国もあるわけで、いろいろなことがありますから。そこで話すことは非常にあって。実際トランプ大統領のこの前の一般教書演説、あれだけ長く時間をとって北朝鮮のことを…」
反町キャスター
「やりましたね」
佐藤議員
「しかも、その中身はまったく我々と同じ…」
反町キャスター
「同じです」
佐藤議員
「…考えの中身を言ってくださった。そういう面では、非常に、私は安定感があると思います」

北朝鮮『次の一手』 日本『その時』への備えは
松村キャスター
「ここから北朝鮮の弾道ミサイルに日本はどう備えるべきか聞いていきます。弾道ミサイル防衛能力の大幅な向上のために日米が共同開発している新型迎撃ミサイル『SM‐3ブロックⅡA』ですが、これまで3回、迎撃実験が行われています。最初の実験では成功したものの、昨年の6月に続き、今年1月の実験でも迎撃に失敗、2回連続で失敗しているという状況があります。こうした事態を受けて先週には、小野寺防衛大臣は『改善することは十分可能だ。取得計画や予算要求の変更が必要になるとは考えていない』と発言しています。福江さんに聞きます。『SM‐3ブロックⅡA』はどんなミサイルなのでしょうか?」
福江氏
「まず『SM‐3』、スタンダード・ミサイル3という、その開発の目的ですが、短距離弾道ミサイル、それから、準中距離弾道ミサイルを主に対処、破壊、無力化することを目的とした、現在は艦船搭載型の迎撃ミサイル、迎撃ミサイルシステム、その一環で極めて槍の矛先として重要なミサイルであるということはまず言えると思います」
反町キャスター
「なるほど。現在、日本は配備しているのは『ⅠA』ですか?」
福江氏
「『ⅠA』ですね」
反町キャスター
「『ⅠA』と『ⅡA』の性能的な違いというのは何なのですか?」
福江氏
「先ほど言いました、その『ⅠA』は準中距離、あるいは中距離の弾道ミサイルの、限定的ではありますが、対処能力を持っています。これが『ⅡA』になると限定的ではありますが、ICBMにも対処できる可能性が出てきます。つまり、単純に言うと高さも、範囲も向上しますよということです」
反町キャスター
「脚が長くなるということですね?」
福江氏
「その通りです」
反町キャスター
「脚が長くなる『SM‐3ブロックⅡA』を日本が持つ意味についていろいろな議論があるということを僕らも聞いています。たとえば、日本に向かってまっすぐ飛んで来るミサイルだったらば、『ⅠA』でいいのではないかと。『ⅡA』というのは高さがこれ300㎞とか、500㎞ぐらいまでいくのですか?高いところに届く『ⅡA』を持つということは、つまり、日本の上空を通過する、アメリカ本土、ないしはグアム、サイパンとか、アメリカの島々、領土に行くミサイルを存立危機事態という認定の下なのでしょうけれど、迎撃するための、つまり、日本の本土を守るためのミサイルではなくて、アメリカに行くミサイルを途中で迎撃するためのミサイルではないかというこの指摘。ここはいかがですか?」
福江氏
「そこは必ずしもそうではなく、現に脅威として、先般あった火星15号のように、4000㎞を超える高度でロフテッドで撃たれた時に万万が一、我が国の領土に弾着する可能性があるから、その脅威を排除するために『ⅡA』でないといけないです、という言い方をしていますね」
反町キャスター
「うん、なるほど」
佐藤議員
「要は、言われるロフテッドというのは高く撃つんですね」
反町キャスター
「高く、この間、四千何キロか、上がったヤツ…」
佐藤議員
「高く撃った時に、遠くまで撃てれば、1回だけではなく、2回、3回、撃てるわけですよ」
反町キャスター
「うん」
佐藤議員
「遠くまで届けば…」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「だから、そういう面でも今回、防護能力とか、高さも増えます。もう1つの波長が、これまで1つの波長が2つの波長になるので、2波長になるので、今度は識別とか、かなりしやすくなるので、そこでも目標を見つける、あるいは当てる時にそこは違う部分はなりますね」
反町キャスター
「高さのことばかり、僕は言いましたけれども、高さだけではなくて…」
佐藤議員
「…」
反町キャスター
「精度も高くなると、こういう理解でいいのですか?」
佐藤議員
「そう…、目標を捜索する範囲も広がったり、識別能力も高くなると」
反町キャスター
「日本ではなく、アメリカを守るためのミサイルではないかという疑念に対しては、佐藤さんは、それは違うと言うのですか?」
佐藤議員
「はい。当然これまで…、たとえば、日本というのは北海道から沖縄まで広いわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「現在全部を守ろうと思うと『ⅠA』だとイージス艦3隻配置しないといけない。これが『ⅡA』になると、この防護範囲が広がりますから、置き方によってはイージス艦にそれを搭載した場合、2隻でカバーできる、ということになれば、そこはイージス艦が他にも使えますし、…含めて、防護範囲が広くなる。そのあと、逆に傘が1重ではなく、2重、3重の傘ということにも使えますから。そういう面では、こんなに広い日本を守るには当然、防護範囲が広い方が、2つ、3つあった方がいいに決まっていますから。そこは日本の防衛という意味でも必要だと私は思います」
反町キャスター
「現在は船上発射の話になっていますけれども…」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「陸上配備も前提にした『ブロックⅡA』というのはそういうミサイルなのですか?」
佐藤議員
「今回、だから2か所に配備するというのは、この『ⅡA』であれば、2か所に配備すれば、北海道から沖縄まで24時間365日、少ない人間で、これは最低でも1つの傘を使えるということでイージス艦が常時、日本海に展開しなくても済むと。イージス艦を守るための護衛艦も展開しなくて済むと。つまり、海上自衛隊の船を他の目的にも使える」
反町キャスター
「…にも使える」
佐藤議員
「ということもあって、今回、『ⅡA』を意識して、この『イージス・アショア』、これを考えているということだと思います」
反町キャスター
「福江さん、現在、この表にあるように、最初だけ成功、あと2回失敗、この状況というのは、どう受け止めたらいいのですか?」
福江氏
「私は、端的に言うならば、さほど気にする必要はない、まさに小野寺防衛大臣がおっしゃる通りです。開発ものというのは、こういうステップを踏んでいくことはあります。それはアメリカから買ってきたペトリオットでも同じように、開発の途中にはこういった不具合が生じて、それを是正することによって。問題はここで失敗するのではなく、それを納入された以降、自衛隊なり、米軍がそれを運用する立場に立った時に、有効な弾を適時発射できればいいのであって。開発の途上には膿を出すというような形で、私は、これはごく普通のありようかなと見ていますね」
佐藤議員
「しかも、このバツの中身が大事です」
反町キャスター
「うーん、わからない、その中身を教えてくださいよ」
佐藤議員
「要は、それはまだ…」
反町キャスター
「安心できるバツはあまりないと思うのだけれども」
佐藤議員
「そうではなく。本当に致命的な欠陥のシステムのミスで失敗したのか、そうではなくて致命的なものではない、ちょっとした何かの不具合で失敗したのかと、バツの場合の意味合いが全然違うんです」
反町キャスター
「どっちのですか?今回のバツは?」
佐藤議員
「今回はまだ分析中…」
反町キャスター
「あまり言えない部分?」
佐藤議員
「うん、分析中ですけれど、大臣が言われるこの言葉からしても、私が聞いている話としても、そこはまだ平成33年度に納入予定です、失礼…、配備予定。平成33年度というスパンを考えた時にはまさに福江さんが言われるように、今回の失敗というものがそこまで大きな影響を及ぼす失敗ではないと思います」
福江氏
「通常の研究開発をやる時、先ほどの『ブロックⅠA』、つまり、スタンダード、プロトタイプの弾の時にでも、20発以上、試射をしています。その中で成功率、あるいは破壊率というのは9割ぐらいを達成していて…」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「ようやくそれはシステムとして完成して、納入されるという、ステップがあるのですけれども」
反町キャスター
「はい」
福江氏
「これも、たかだか3分の1ですね、成功率は。そこだけを見ると、あまりにも近視眼的な見方かなと思うんです」
反町キャスター
「将来的に、この『ブロックⅡA』なるものが日本の、はっきり言えば、北朝鮮のミサイルに対してかなり決め手となる、ディフェンスの武器になると、そう見ていますか?」
福江氏
「もう間違いないと思います」
反町キャスター
「ほお」
福江氏
「見通せる範囲で、おそらくこのあと『SM‐3』は『ブロック3』『ブロック4』とスパイラルで、つまり、その開発の途中にいろいろな機能を付加していく形に発展していきますから。が、現在、見えているのは『2A』、ここに大きな期待をしています」
佐藤議員
「さらによくミサイル防衛の時は福江先輩が専門ですけれど、弾だけではなく、これを見つけるレーダー、これとの組み合わせです。だから、いくらこれが、長い距離が、ミサイルが届いたとしてもレーダーがそれを超える範囲で届かないと意味がないわけですね」
反町キャスター
「なるほど」
佐藤議員
「現在やっている『スパイ1レーダー』というものではなかなかこの『ⅡA』の能力を十分活かすことは難しいので。この『ⅡA』だけではなく、レーダーも併せて現在、『スパイ6』と言われていますけれども、そういうレーダーと併せて、これを整備しないと、十分な日本の防衛という面では能力が発揮できないという側面もあるので。レーダーと弾、両方を見ながら整備しないといけないと私は思います」
反町キャスター
「福江さん、でも、この『ブロックⅡA』が日本に配備されたとしても、何百発も配備するわけではないですよね?」
福江氏
「…」
反町キャスター
「飽和攻撃と言うではないですか。北朝鮮が持っている限りの中長距離のミサイルを全部使ってきた時に、1度に全部、日本に撃つとは僕は思いませんよ、でも、少なくとも何百発というもので来た時には、これはどうにもならない、これは前提として我々は考えなくてはならない、これでよろしいですよね?」
福江氏
「それは正しいです」
反町キャスター
「飽和攻撃というものは、日本の安全保障を考えるうえでは、北朝鮮の飽和攻撃というのは、あまり念頭に置かないで、現在さまざまなミサイル・ディフェンスの議論というのが行われているのですか?」
福江氏
「決して念頭に置いていないのではなくて、蓋然性をちゃんと見てくださいと。持っている200発、300発と言われるようなノドン、スカッド級のミサイルを全弾、我が国に対して射撃するという蓋然性ですね」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「そこを見た時に、そのための態勢をしっかりと整えないといけないですねと言った時には、当然ながら国力・国情に応じたものとしては、つま先立ちになっているので、そこはもう少し検討の余地があるのではないかなということで現在の状況に収まっているのだと思っています」
反町キャスター
「武貞さん、いかがですか?北朝鮮は日本に対する飽和攻撃を考えたりするものなのですか?」
武貞特任教授
「いや、いざとなったら窮鼠猫を噛むということもあり得るわけですから。あり得る、あり得るので日本の防衛予算の中で、いかにそれを防ぐかということを考えるのは無理な話で」
反町キャスター
「なるほど」
武貞特任教授
「飽和攻撃するよ、飽和攻撃、2日後に迫った、と言う時は、そういうことをしたら、平壌はアメリカのICBMで焼け野原になりますよ、と言ってもらって、防衛が成り立っているわけでしょう、トータルに…」
反町キャスター
「現在?」
武貞特任教授
「いや、これからも」
反町キャスター
「これからも?」
武貞特任教授
「そのためにも安倍さんがペンス副大統領としっかりと昨日、確認をしたというのは、非常に重要なことで。トータルに考えていく過程で、日本がこれで大丈夫かという議論だけ切り離してすること自体、日本の現在の世論を考えたって無理です。現在の防衛予算を10倍にするわけにいかないわけだから」
反町キャスター
「その話は、でも、突き詰めると、要するに、ミサイル・ディフェンスではなく、はっきり言えば、策源地攻撃とか、敵基地攻撃、ないしは日本がちゃんと攻撃する能力を持てば、単体で、日本1国で抑止力を持つべきだという議論になりません?」
福江氏
「いや、そこには行きたつべきではないと思います。現在は安倍総理も矛と盾、従来の米軍と自衛隊の棲み分けは、キチッとそこは変えないということを前提とすると、では、先ほどの飽和攻撃に対して、無力ということを受け入れるのですね、自衛隊は、ということになるのですが、私は決して解決策がないわけではないと思います。だからこそ、現在で言う『IAMD』という、統合の防空ミサイル…システムというのを、米側との協力によってネットワークで、つまり、米側の戦力を我が国の防衛、あるいは東アジアの防衛のために活用すると言うのは生意気かもしれませんけれども、連携をとっていくのだということの方が極めて現実的だと思います」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「膨大な予算を投入し、いろいろなアセットを、弾道ミサイル防衛のためだけに整備するというのは、極めて私は…」
佐藤議員
「それでも現在の予算よりも増やさないと、現在、福江さんが…」
福江氏
「それはもう…」
佐藤議員
「福江先生が言われたことを、ミサイル防衛を日本がしっかりし、そのうえで、アメリカの防衛を引き込むということをまさに考えた時に、現在の防衛予算でやるというのは、それはかなり厳しい部分はあると思います」
反町キャスター
「それでよろしいですか?」
福江氏
「はい。ただ…、いいですか?」
反町キャスター
「どうぞ」
福江氏
「ただ、『イージス・アショア』にしてもペトリオットの『MA‐3』という強化弾が入って来るのは5年先ですね」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「なるほど」
福江氏
「結果的に、この5年の間にいくら予算をつけたとしても…」
反町キャスター
「間に合わない」
福江氏
「そこは能力向上しないわけですよ。その時にどうするかと言うと、日米共同…」
反町キャスター
「そうですね」
福江氏
「この態勢の強化しか私はないと」
佐藤議員
「そこで、役割分担で、日本の方もイージス艦を、4隻態勢を8隻態勢にすると。現在5隻まできました。ミサイル防衛態勢も日本も枠割を増やし、『PAC‐3』の方も自分なりに努力をしながら、役割分担の中で責任を果たしていくということが大事だと思います」

佐藤正久 外務副大臣の提言 『日米韓』
佐藤議員
「日米韓が一枚岩となって、北朝鮮だけではなくて、キーマンの中国、これと連携しながら対応をするということが極めて大事だと私は思います」

武貞秀士 拓殖大学特任教授の提言 『対話』
武貞特任教授
「対話と圧力という現在の政策を継続する必要がありますけれども、圧力・制裁はもう目一杯してきたわけですね。残っている課題は対話だと思います。アメリカはアメとムチ、両方使うことができるだけの大国ですから、これまではアメとムチ、両方使ってきたんですよね。条件抜きで、前提なしに対話もすることができると、ティラーソンさんは12月の初めにちょっと失言をしましたけれども、両方使っているアメリカのムチの部分だけを共有していても日本はダメで、アメリカと本当に緊密に対処しようと思ったら、アメリカがもう1つ持っているアメを、私達も使いましょう、というぐらいの勇気が日本に必要です」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言 『出口を考えながら対北圧力』
平井氏
「出口を考えながら圧力ですね。先ほども言いましたけれども、圧力一辺倒では、どうなるのというところがないわけですね。圧力をかけてどういう出口を持っているのか、それを特に日米韓で共有する必要があると思います」

福江広明 前航空総隊司令官の提言 『共同強化 常備不断』
福江氏
「北朝鮮情勢というよりも、将来さらに緊迫するのであろう東アジア情勢を見た時に、自国の国益は自国で守るというスタンスも大切なのですが、日米同盟、日米の共同対処能力を強化していくことが極めて重要。そういった強化をしながらも国、省庁、自衛隊、自治体、国民に至るまで、いついかなることの事態が発生した時も、常に備えていることを怠ってはいけないということが重要なのではないでしょうか」