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2018年2月1日(木)
黒字化延期と財政再建 成長か? 消費増税か?

ゲスト

越智隆雄
内閣府副大臣 経済財政担当
森信茂樹
東京財団上席研究員
野口旭
専修大学経済学部教授

『財政黒字化試算』2年先送り その背景とアベノミクス
松村キャスター
「内閣府は先週開かれた経済財政諮問会議で、基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化がこれまでの試算から2年ずれ込んで、2027年になるという試算を発表しました。今夜はこの新たな試算を検証し、財政健全化の道筋を考えます。まずは先週、内閣府が発表した基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化の試算を確認していきます。青の線が、昨年発表した経済再生ケースです。2020年度以降の名目GDP(国内総生産)成長率が、3.7%から3.9%で推移すると仮定し試算されたものです。このケースでは、2025年度、こちらで黒字化が達成されるとされ、歳出改革などを行うことで、2020年度の黒字化目標を掲げていました。ところが、こちらの赤い線、今回発表した成長実現ケースでは2020年度以降の名目GDP成長率が3.1%から3.5%と前回の試算より下方修正しています。黒字化の達成も2027年度と2年後ろにずれ込みまして、政府は2020年度の黒字化目標の達成は困難としています。まず越智さん、今回この試算では黒字化目標が2年先送りということですが、これはなぜなのでしょうか?」
越智議員
「まずこの中長期の経済財政に関する試算というものが何かということですが、これは経済財政諮問会議の審議のための参考として内閣府によってつくられるものです。年に2度、だいたい7月と1月につくられるものです。それで、経済再生と財政健全化の進捗状況の評価をすることに使ったり、今後の取り組みの検討に必要な基礎データを提供するというのが目的でございます。今回、この試算の前提になる、いろいろな条件が変わったということでありまして。なぜかと言うと、これは諮問会議の審議のために使うので、諮問会議の議員の人が昨年の12月の経済財政諮問会議で経済のシナリオについては、もう少し現実的なシナリオにしようという提言をされまして、それを受けて、さまざまな経済の前提を変えて試算をしたということであります。その中でも、特に1番大きいのが全要素生産性、TFPと呼ばれますけれど、この数字を今回、現実的に変えたことで、資産上のプライマリーバランス黒字化の時期が、2025年から2027年に変わったということであります。ただ、資産上の数字なので、これが目標ではなくて、目標値は、それは政策的に、たとえば、骨太の方針等で決めていくわけでありまして。歳出削減の努力効果もこの試算には入っていないということでございます」
反町キャスター
「茂木さんは当番組でこういう話をされたんですよ。『歳出改革は織り込んでいない』と、今回の試算に関して『歳出改革は織り込んでいない。4月くらいに歳出改革の中間評価を出し、黒字化の目標年次・改革項目・内容を、夏の骨太方針で示す』と、現在、越智さんが言われた通りの話です。『財政健全化の道筋を示すことで信認は得られるだろう』と。この部分というのは、要するに、先送りすることによって、マーケットからの信認、日本の財政に対する信用は失われないのですかという質問に対する答えで、これをいただいたのですけれども。まずこの上の部分で言うのですけれども、越智さんが言われように、夏の骨太の方針で示すということですけれども、歳出削減の努力というのはだいたいどのぐらいの見積もりがあるか?それがどの程度効いたうえで、さらに今回、消費税を引き上げる分の1.7兆円を子育て・働き方改革に使うという、行って来いで、いろいろあると思うのですけれども、行って来いをどうこの夏の骨太に反映されると見ているのか?そこをちょっと教えていただけますか?」
越智議員
「はい、具体的にどういう財政健全化の取り組みをするのかということがありますが、ちょっとその前に建つけと言いますか、仕組みをお話したいのですけれども。2つございまして。1つは2020年度にプライマリーバランスを黒字化するという目標を立てておりましたが、昨年秋からの新しい経済政策パッケージをつくるにあたってプライマリーバランス黒字化の時期は延期をするということにまずいたしましたと、これが1つ目です。もう1つは『骨太2015』、2015年の6月に、経済財政再生計画というのをつくって、2016年度から2020年度までの5年間で経済と財政の再生をやろうということを決めて、その真ん中の年の2018年度に中間評価をしようということになりました。それで、茂木大臣が言われた中間評価というのはそのことであります。ですから、プライマリーバランス黒字化の時期をいつにするのかというのを、あらためてこの夏に決めるということと、その前、春ぐらいに、ここには4月と書いてありますが、春に、これまでの5年間プロジェクトのちょうどド真ん中の3年目で中間評価をするということが合わさり、この話になっているということであります。だから、具体的な中身はこれからです」
反町キャスター
「なるほど」
越智議員
「中間評価に向けてずっといろいろな作業を進めてきましたので、これを具体的にどうするのかということを、中間評価と骨太の方針と、その2つの段階で具体的に決めていくということであります」
反町キャスター
「森信さん、この表にも見られるようにいろいろ試算をやって、先送りが出てくるのではないかという流れが出てくる中で、政府としても毎年毎年、歳出削減の努力をしていると…」
森信氏
「ええ」

財政健全化の道筋は
反町キャスター
「新たに使わなくてはいけない部分もあって、夏に見通しが出てくる?」
森信氏
「うん」
反町キャスター
「こうプライマリーバランスに対して政府は僕らから見た感じ、すごく気に留めていて努力しているのだなという感じも受けるのですけれど、このプライマリーバランスというものに対する政府の取り組み、これは森信さんはどう評価されるのですか?」
森信氏
「そうですね、ちょっと大きな話ですけれども、プライマリーバランスは、国と地方を合わせたものをさらにGDPですか、その比率か何かで表せていますので、だから、非常にわかりにくいですね。だから、一般会計ベースで、まず1番、国の意思が発揮できるのは一般会計ですよね。そこで、一般会計ベースで、どんなことをやるのだというのが国民にとっても1番わかりやすいと思うんです。それで、28年、29年、30年の、3年間で、社会保障費は毎年5000億円、本当は7000億円ぐらい伸びるのですが、それを5000億円にしようと、それから、それ以外の一般歳出、これは伸ばさないと、公共事業費も含めて、横ばいという、これはわかりやすい目標をつくったわけですね。だから、これは曲がりなりにも達成したんです。ただ、問題はそれだけではプライマリーバランスはまさにまた先送りになるということなので、それだけでは足りないということですね。何が足りないかと言うと当初想定していた経済成長に伴う税収増が足りない。さらに、足りないのはそもそもの歳入、税負担ですね、これが足りていないのではないかと。そういうような議論にこれからなっていくべきだと思うんですね」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「だから、そういう意味では、一般会計ベースでわかりやすく議論していきますと、結局この後半の議論かもしれませんが、何を優先させていって、財政バランスを回復させていくのかという議論になっていくと思うんですね」
松村キャスター
「2020年度時点の赤字幅を見てみますと、今回の試算ではマイナス10.8兆円です。昨年の試算のマイナス8.2兆円と比べまして2.6兆円赤字が拡大しているんですね。この大きな要因として考えられるのは、2019年10月に予定されている消費税増税の使い道が変更されました。1.7兆円が借金の返済にまわったことです。この分を差し引いたとしても赤字が0.9兆円拡大する計算となっているんです。森信さん、この0.9兆円の赤字拡大というのは、どのような要因が考えられますか?」
森信氏
「これは簡単ですよ。要するに、当初の想定通り、当初の、と言っても、半年前ですよ。半年前に想定した通りの経済成長をしていないということですよね」
反町キャスター
「ほお」
森信氏
「つまり、もっと大きく言えば、アベノミクスが必ずしも想定通りいっていないということ」
反町キャスター
「税収が伸びていないという意味でよろしいのですか?」
森信氏
「いや。税収が伸びていないということが、結果的にはプライマリーバランスには反映されていますけれども、その前にGDPが伸びていない」
反町キャスター
「なるほど。要するに、この表から2.6兆円の部分の1.7兆円を引いた残りの部分というのは、政治の失敗の部分と言っては変ですけれども…」
森信氏
「政治と…」
反町キャスター
「経済が拡大と言うか、景気が拡大していない?」
森信氏
「うん、想定通りいっていないということ」
反町キャスター
「想定通り…」
森信氏
「当時、半年前に想定した通りにはいっていないということ」
反町キャスター
「越智さん、この0.9兆円、9000億円、これは何のお金なのですか?」
越智議員
「まず今この議論をしている世界は、資産の世界で…」
反町キャスター
「もちろん、そうです」
越智議員
「前提条件を置いて試算をした世界なので。まず誤解のなきように、2027年にプライマリーバランスが黒字化することになっているという話ではないわけですね」
反町キャスター
「はい」
越智議員
「今回のこの0.9兆円というのは何かと言うと、これも試算の世界の話ですね」
反町キャスター
「もちろん、そうです」
越智議員
「TFPの前提を変えたわけですね」
反町キャスター
「試算の前提を変えたら9000億円も急に経済規模が下振れするのですか?」
越智議員
「はい。これは中身があって9000億円のうち、まず税収の減、これが1.3兆円」
反町キャスター
「ほお…」
越智議員
「加えて、地方税収、これも1.3兆円のマイナス」
反町キャスター
「はあ」
越智議員
「それに加えて、プラスになっている部分がありまして、これは歳出の増加幅が抑制されたところでありまして。これまでに歳出改革の取り組み等を行ってきたということと、あと物価・賃金の上昇率が低めに設定されたということで、プラス1.7兆円。ですから、マイナス1.3、マイナス1.3、プラス1.7、足すとマイナス0.9というのが0.9の正体です。これはあくまで試算の世界でありまして…」
反町キャスター
「はい」
越智議員
「もう一言申し上げると、TFPのどういう前提を変えたかと言うと、これまではデフレになる前のTFPの水準の平均、1983年から1993年のTFPの水準、この水準に近づいていくという設定をしたのですけれども。そうではなくて、1982年から1987年の上がり方、ペースと同じような形でTFPは上がっていくという、これを具体的に言うと、0.16ずつ毎年上がっていくということなのですけれども、水準で設定するのではなくて、ペースで設定して。これは先ほど申し上げた、経済財政諮問会議の議員の方が、現実的なシナリオにしてくださいということでTFPの前提の置き方を現実的にするということで、具体的には現在のようなことをしたということを含めて、前提が変わったことで、先ほどのように試算結果が変わってきて、1.7兆円の経済パッケージと、政策パッケージと、あと0.9兆円のその他の…」

成長か?増税か? 税制健全化の道筋は
松村キャスター
「では、ここから財政健全化への道筋について具体的に聞いていきます。まずは国・地方の公債等残高、つまり、日本の借金の額なのですが、右肩上がりに増えていて、2027年度には1200兆円を超える見通しとなっています。この借金を減らし、財政健全化を実現していくために、経済成長・増税・歳出改革をどのような順番・タイミングで行うべきなのか、今日は野口さんと森信さんにそれぞれロードマップを示していただきました。野口さんは、まず経済成長を目指して、歳出改革、増税という順になっているのですが、まずは成長ということですか?」
野口教授
「そうですね。要するに、1番重要、1番優先すべきはそれであると、成長だと。それで、歳出削減とか、増税を、その成長がまだしっかりしていない時にやれば、当然、成長を妨げます。そうしたら…」
反町キャスター
「なるほど。消費税の話みたいな話ですね?」
野口教授
「そうです。そうしたら消費増税、消費税の税収が上がったとしても、全体としての税収はなかなか上がりにくいという状態が続いてしまうわけです。ですから、とにかく日本経済が正常な成長軌道に乗るまで、完全雇用が実現されるまで…」
反町キャスター
「でも、現在2.8%です…」
野口教授
「2.8%ですよね」
反町キャスター
「2.8%は、まだ完全雇用ではない?」
野口教授
「まだ完全雇用ではない。なぜか?いや、要するに、完全雇用というのはそこにいけばインフレ率が適正な水準に、どの国だって、普通は2%ぐらいのインフレ率が適正な数字ですから。しかし、景気が悪い状況ではそこまでいかないわけですね。現在、ですから、世界中でだいたい2%ぐらいを目標に金融政策・財政政策をやっています。ところが、日本ではまだそれを目標にしていますけれど、結局5年経って、アベノミクスをやっていますけれども、いろいろな要因があって、まだできていないということは結局、まだ失業率を下げる余地が十分あるということですね」
反町キャスター
「ごめんなさい。それは物価上昇率と失業率の関係…?」
野口教授
「そうです。要するに、現在ようやく賃金、賃上げがようやく出てきましたよね。これまで日本の経済は、デフレの時代は賃金が下がり続けてきたんですよ。ようやく現在、下げ止まったんです。これを上げていかなければいけないわけです。だから、賃金が現在、安倍内閣で3%を目標にしていますけれども、当然、ですから、物価が2%ぐらい上がる経済を目指すのであれば、賃金は3%上げられなければいけないので、私は、非常に良い目標だと思っています」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「まだそこまでいっていないですね、と言うことは、人手不足、人手不足と言っても、まだ人手不足が足りないということです。だから、賃金…、もっと人手不足の時は皆、賃金を上げますから、日本の高度成長期は失業率1%台ですよね」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「もう十何パーセントですから、賃金の上昇率が。ですから、現在はまだそこまでいっていないです。だから、まずそれを達成する。おそらく、ですから、2.5%ぐらいまで失業率を下げないと、なかなか賃上げがスムーズにいかないと思います」
反町キャスター
「さらに一段と労働市場がタイトな感じになれば…」
野口教授
「はい」
反町キャスター
「一気に賃金が上がってくるだろうと?」
野口教授
「もちろん、そうですね」
反町キャスター
「そういうことだと?」
野口教授
「ええ」
反町キャスター
「そうすると、ここで野口さんの言っている成長政策というのは、現在、言われた、たとえば、賃上げに向けた誘導というのがもちろん、あるのでしょうけれど…」
野口教授
「はい」
反町キャスター
「あと財政出動ももちろん、ある?」
野口教授
「もちろん、ですから、現在の…」
反町キャスター
「公共事業やら、何やら、要するに、政府が締めている部分…」
野口教授
「はい、そうです。ですから、現在のアベノミクスの方向をとにかく粘り強く続ける。現在の日銀の異次元金融緩和を当然続ける。そのうえで、だから、財政というのは本来、アベノミクスの第2の矢は財政も使ってデフレ脱却をする予定だったわけです。ところが…」
反町キャスター
「内政・財政が足りない、まだ?」
野口教授
「まだ。ですから、あと…。7、8割まできていると思うんですよ、7合目か、8合目ぐらい、目標まで。ですから、もう一押し少なくとも現在、財政引き締めは、緊縮はすべきではないということです」
反町キャスター
「あと、他に、たとえば、お金がかからない政策として規制緩和がいろいろあると思うのですが」
野口教授
「はい、ありますね」
反町キャスター
「そういうのも全部含めて、とにかくお金がかかるにせよ、かからないにせよ、成長に向けた政策は惜しまずやるべきだと?」
野口教授
「ええ、もちろん、そうですね。ただ結局、生産性を上げるとか、成長戦略と言っても、これは企業がやることなので、政府がいくら音頭とりをしてもなかなか難しい問題があるわけです。ですから、1番、政府及び日銀にとって重要なのは、要するに、良好なマクロ的な環境をつくるということですね」
反町キャスター
「その良好なマクロ的な環境の中には、要するに、国と地方の借金が1000兆円、1200兆円になるという数字もありました。借金を増やすことは、マクロ的な環境を良くすることなのですか、悪くすることなのですか?」
野口教授
「いや、当然、ですから、成長すれば、当然、税収が増えるわけですから…」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「まずそれが、どのぐらい増えるのか。実際、目標が達成されましたと、完全雇用が実現されましたと、潜在成長が伸びましたと。そこで、財政赤字が残っているのであれば、当然これは構造的財政赤字ですから。まず歳出改革をする。それが、ですから…」
反町キャスター
「ああ、2025年以降?」
野口教授
「ええ。2020…、このぐらいには少なくとも目標が達成できているはずだと」
反町キャスター
「この頃までには、おそらく1200兆円とか、1300兆円に借金がなっているわけですよね?」
野口教授
「借金は、しかし、プライマリーバランス自体は現在、ドンドン縮小しているわけですから。非常にゆっくりした歩みですけれども…」
反町キャスター
「現在の財政緊縮方針を維持しないのではないですか。だって公共事業や何か、皆、締めているではないですか?」
野口教授
「ええ、そうですね。ですから、ちょっと先走りすぎだと思います、私の考えでは」
反町キャスター
「もっと、もっと緩めていい…?
野口教授
「もっと緩めていい。とにかく、そっちが優先ですからね」
反町キャスター
「そうすると、プライマリーバランスの2027年とかということよりも…、よくこの頃、財政健全化の1つの物差しで、プライマリーバランスではなくて、GDP分の借金という流れが、その分数の数字が小っちゃくなっていけばいいのだという理屈があるではないですか?」
野口教授
「それはありますね、ええ」
反町キャスター
「それを物差しにすべきだ、という話を財務省が出してきた時に、両方ですか、どっちかですかという話になった時に、いろいろ揉めたりもしたのですけれども」
野口教授
「そうですね、ええ」
反町キャスター
「野口さんの考えとしては、別にプライマリーバランスにこだわるのではなくて…、財政出動して、公共事業をバンバンやって、結果的にGDPが大きくなれば、上の借金が多少大きくなろうとも、その分数自体が小っちゃくなっていく。この物差しで日本は大丈夫だと、この考えでよろしいですか?」
野口教授
「大丈夫だというか、だから、実際に完全雇用になってみて、どれぐらい構造的に財政赤字があるかどうかはわからないですよ。税収の弾力性と言っていますけれども、それはかなり、実際になってみると、想定外ということが、上振れしたり、下振れしたり、するわけですから。しかし、実際に、だから、2%という目標が達成され、完全雇用が達成されてみて初めてどのぐらいの構造的財政赤字が、プライマリーバランスの赤字が残っているのかと。その時点で大きく残っているのであれば、それは当然、歳出改革をし、増税も必要、やむを得ないということになるわけです」
反町キャスター
「そうすると、このロードマップは多少アバウトになっているとしても、2025年までは、このロードマップに現実に乗れば、2025年までは、プライマリーバランスとか、赤字の拡大というものがいろいろあっても、とりあえず目をつぶって…」
野口教授
「いや…」
反町キャスター
「景気拡大に走ろうよと?」
野口教授
「と言うか、あの…」
反町キャスター
「言葉が下品でごめんなさい」
野口教授
「いや、いや…」
反町キャスター
「そうではない?」
野口教授
「いや、そういうことは言っていませんね。と言うのは、なぜかと言うと何回も言っているように、この5年間、着実に改善しているんですよ。それは、ですから、何よりもアベノミクスによって、ある程度、これまでの、縮小均衡から脱出しつつあるから」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「…あるから、税収も何とか増えていっているという事実があるわけですから。とりあえずそれを、おおらかな目でまず見て、見極めてからで全然遅くはないということです」
反町キャスター
「もう1つ、この話になると必ず出てくるのが、借金が大きくなることが怖いか、怖くないかという非常にシンプルなことです。1000兆円が1200兆円になったら怖さがどのくらい増すのかという、こういう話、僕らもよくわからないです。いろいろな方の話を聞いていても、何か新しい財政金融政策という新しいステージに入ったから、別にそこは怖いものではないのだよという方も中にはいる。野口さんは、この国と地方の借金が1000兆円とか、1200兆円とか、世界でこんな国はないですよ…」
野口教授
「うん」
反町キャスター
「この状況ということに関して恐怖を覚えるのですか、覚えないのですか?」
野口教授
「まったく覚えません」
反町キャスター
「まったく覚えない?」
野口教授
「まったく覚えない」
松村キャスター
「先ほど、日本の借金が増えていくことについて、野口さんはまったく怖くないと話されましたが、それはなぜ?」
野口教授
「現状で、まったく問題がないというのは、たとえば、ギリシャの財政危機、財政危機になれば、皆、要するに、何が起きるかと言ったら、国債がもう暴落して、国債金利がドンドン跳ね上がるわけですね」
反町キャスター
「はい」
野口教授
「では、日本の国債金利はどうですか。この20年間、ほとんど現在に至るまで、ドンドン趨勢的に下がり続けて、現在、ゼロ、マイナスになった時期もあって、10年ものの長期国債の金利がマイナスになっていたという時代ですから。現在、ゼロに日銀が、そういうふうにコントロールしていますけれども。いずれにしてももし日本の財政破綻が近いのであれば、皆、国債を売って、金利がドンドン上がっていかなければおかしいのに、起きていることはまったく逆ですから。要するに、市場参加者は、マーケット参加者は日本の財政破綻、何回も言われてきました、この15年間ぐらいの間、小渕政権以来、まったくそうやってやった、やった投資家は皆、皆、撤退しているわけです」
反町キャスター
「うん」
野口教授
「だから、日本の国債を売りしかけた…」
反町キャスター
「チャレンジャー、来ましたよね?」
野口教授
「そうです、ええ。ですから、皆、墓場トレードと言うぐらいで、日本の国債を売っちゃいけないというのが現在の…、皆、考えているわけです」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「だから、少なくとも市場参加者は日本の財政破綻ということは微塵も信じていないということです」
反町キャスター
「その意味で言うと、だったら、プライマリーバランスは全然関係ないのではないのですか?」
野口教授
「いや、しかし、長期的に見れば、ずっと赤字だとこれは破産してしまいますから、債務というのはずっと赤字だったら…」
反町キャスター
「では、どこまでという…?」
野口教授
「いや、だから…」
反町キャスター
「本当にくだらない質問でごめんなさい、1000兆円は怖くない、1200兆円は怖くない…」
野口教授
「ええ」
反町キャスター
「では、何兆円だったら怖いのですかという、こういう話になっちゃう」
野口教授
「要するに、先ほど言いましたように、日本が完全雇用になって、成長軌道に戻った時に赤字だったら、それは困るんです。ですから…」
反町キャスター
「それはプライマリーバランスですよね?」
野口教授
「そう、プライマリーバランス、黒字にならなければいけないということです」
反町キャスター
「野口理論で国家財政を建て直したら、だいぶ状況が変わりますよね?」
越智議員
「賛成できません…」
反町キャスター
「あっ、そうですか…」
越智議員
「はい。2つ。借金が多いというのは、リスクをずっと持っているという話ですから、おっしゃるように質への投資ということで、何か国際的な、経済的な危機が起こると、日本円とか、日本の国債に投資家のお金が来て金利が安くなったり、いろいろしますけれども。現在はそうかもしれませんけれども、そのリスクの蓋然性、それが表面化する。それをずっとはめ込むことになるので、これはなるべく早くなくした方がいい、これが1つです。もう1つは、財政…」
反町キャスター
「でも、野口さんはリスクではないと言っていましたよ?」
越智議員
「いや、長期的にはリスクで。国債というのは、1回出したら、一応、法律では60年間の枠をとって、あとは国債の年限だけは、その国債が市場に流通するわけですから、現在の話ではなくて、長々期の話ですよ」
反町キャスター
「でも、長々期の国債も日銀がバンバン買っているではないですか?80兆円上限と言いながら…」
越智議員
「それは現在の話です。ですけど、国家運営というのは、長い目で見て、そのリスクを溜めこまないというのが1つですね。もう1つは、国債を出すということは現在使うわけですけれども、将来返したり、あと利払いをするわけですよ。その将来の予算を使う裁量権を1部取り上げていくことになるわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
越智議員
「要は、利払い費とか、返済とかに使わなければいけないわけですから」
反町キャスター
「なるほど」
越智議員
「そういう意味では、次世代へのツケということを残さないためにも、国債、国の借金というのはコントロールされるべきであって。そういう意味で、政府としては、財政健全化の意思、これを明確に持っているし、その計画は常にアップデートしながらお示しして、それに向けた最大限の努力をしていって、いずれ必ずプライマリーバランスを黒字化することと、国債と対GDP比を、これを安定的に下げていく、これを実現しますよ」
松村キャスター
「では、続いて、森信さんのロードマップを見ていきましょう。こちらです。森信さんは経済成長と歳出改革を同時に進めながら、2019年に予定されている増税に続いて、2021年から2023年に再び増税を行うとしています。どういうことでしょうか?」
森信氏
「まず成長については中身がちょっと違います。私の場合は所得再分配しながら、安心する経済をつくりながら、経済成長をしていく、消費性向の高いところに少しお金をまわすことによって、全体がうまくまわるようになるというのが1つ。それから、当然、歳出改革は、これは毎年やらなければ、継続的にやらなければ、非常に問題が累積する。特に、たとえば、2025年というのは1つのキーポイントだと思いますけれども、社会保障というのは制度を変えないと歳出改革にならないですね」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「たとえば、年金の支給開始年齢を先延ばしするとか。制度を変えるというのは、一たび甘い制度をつくってしまいますと、これは既得権になって、それを巻き戻すというのはほとんど不可能です」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「医療の無料化とかがかつてありましたし、それから、現在でも高齢者の、後期高齢者の窓口負担とか、高額療養費の窓口負担とか、甘い制度をつくっているものですから」
反町キャスター
「ありがたいですよ、でも」
森信氏
「うん、わかります。現在になってそれを見直そうではないかという議論があるのですが、ほとんどそれは政治的にも受けつけられない。だから、その前に見直しをしておかないと、一たび甘くなると、2度ときつくなる方にはいかないということですね。それでずっとやるべきだと思います」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「それで、このあとは税負担の増加というところなのですが、これは、私が1番引用する言葉ですが、小泉総理が任期の最後の経済財政諮問会議で、こうおっしゃられているんですね。歳出改革をしっかりやっていけば、国民が悲鳴を上げると。もうそこまでやらなくていいではないかと。それだったら税負担を上げてくれと。増税してもいいから、キチッとした社会保障をつくってくれと国民側から声が出ると、そこまで歳出改革をやれとおっしゃっているんです」
反町キャスター
「これはちょっとかなり荒っぽくないですか?小泉さんの時は、毎年2200億円ぐらいずつ社会保障費を…、大変なことに…」
森信氏
「…ご自身は消費税を上げずに、退任されたのですが」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「でも、おっしゃっていることは、そういうことですよ」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「つまり、たとえば、医療費を削減すると言っても、これは自己負担を上げるということでもあるわけでしょう。だから、歳出削減と自己負担の増加というのはコインの表と裏ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「だから、どっちが白、どっちが黒というわけでもなくて、医療費を削減しますと言った時に、1番手っ取り早いのは自己負担を上げる。自己負担が上がったら、負担は上がるわけですよ。だけど、増税ではない社会保険料だからというような、そういうようなこともありますから。私がここで…」
反町キャスター
「はい、この増税の部分ですよね?」
森信氏
「3つ書いているのは、どういうことかと…」
反町キャスター
「1個、2個、3個…」
森信氏
「これは2025年の前までに、キチッとしたプライマリーバランスも回復させて、社会保障をキチッとするために、消費税増税が…」
反町キャスター
「消費税ですか?まずこの時点で10%になっていますよね?」
森信氏
「ええ、なっています。その10%以降の議論が、おそらくこの夏にできる財政…」
反町キャスター
「骨太?」
森信氏
「はい、骨太の中に入る新財政計画の中で、そうすると、2020年代ですから当然、10%以降の議論になるというわけです。そこから議論が解禁されると思うのですが、これにポツ、ポツ、ポツと書いているのは、消費税の引き上げを毎年1%ずつぐらいあらかじめ決めて、たとえば…」
反町キャスター
「11%、12%、13%という意味ですか?」
森信氏
「うん、そうです。イメージとして1%ずつ。そうすると駆け込み需要もそんなに起きないですよね。日銀の金融政策もやりやすいですし、物価に与える影響があらかじめわかります。そうすると、皆の中にこう入りますよね」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「経済的な混乱も最小限に収まると思うんですよ。ただ、消費税というのは物価の上昇、モノの価格を引き上げることを通じて負担を求めていく税ですから、この1%ずつ事前に国民にわかるような形で上げていけば、本当にそれなりの…」
反町キャスター
「それが先ほど言われた、再分配政策とちゃんとリンクして…」
森信氏
「はい」
反町キャスター
「…消費税で上がったぶんを再分配でキチッと必要とされる人々に配ることによって、いわゆる財政ではない形での国家の経済の循環が起きるのではないかと、こういう話ですか?」
森信氏
「ただ、そこはちょっと難しいです。そう言うと簡単ですよ」
反町キャスター
「すみません…」
森信氏
「だけど、それだと財政再建にならないですよ」
反町キャスター
「はあ…」
森信氏
「だって、消費税を上げたけど、全部使うと言ったら…」
反町キャスター
「そうそう、そういうこと。あっ、そうか、健全化に…」
森信氏
「ええ。だから、半分かどうかは、それはこれからですが、ある程度、健全化に使う、プライマリーの黒字化に使う部分を残しておかないと。全額社会保障に充てることになりますと、プライマリーは改善しない」
反町キャスター
「なるほど」
森信氏
「そうすると、大きな税制リスクが残ってしまう」
反町キャスター
「この星印・矢印3つ、13%で打ち止めなのですか?」
森信氏
「いや…」
反町キャスター
「よく同友会は18%と言っているではないですか?」
森信氏
「言っていますね」
反町キャスター
「どのへんを視野に入れて…。この星印、あといくつ並ぶのですか?」
森信氏
「…それは、でも、これをあまり最初から決めますと、歳出改革が緩みますよね」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
森信氏
「だから、全体を見て、現在、そこまで私の能力ではわからないですよ」
反町キャスター
「まず越智さんから聞きます。この成長と歳出改革から進める、これは現在、同じ立場ですよね?」
越智議員
「そうです」
反町キャスター
「問題は、消費税だと思うんですよ」
越智議員
「はい」
反町キャスター
「消費税をこういう形で10%に上げたあと、さらに足りない分を国民に対して説得力を持って、1%ずつの階段型でどうですかと…」
越智議員
「2019年10月、上げてから議論するべき問題で、現在、議論することでは私達にとってはないと」
反町キャスター
「それは本当に下品な話で恐縮ですけれど、政治家として議論できないというのは、僕は、理解はするのですけれども。たとえば、越智さんが民間シンクタンクのメンバーとか、銀行にそのままいた時とか、官僚だったりしたら、今みたいな話で10%上げてから、そこから先だよと言われた時に、どう感じますか?」
越智議員
「これは…」
反町キャスター
「先々の責任を放棄しているというふうに…」
越智議員
「いやいや…」
反町キャスター
「…思ったりしません?」
越智議員
「いい質問…」
反町キャスター
「目配せをしてもダメですよ…」
越智議員
「いや、何を感じているかと言うと、消費税の引き上げというのは簡単なことではないですよ」
反町キャスター
「はい、それはわかります」
越智議員
「3%を入れた竹下政権、5%の橋本政権、そのあと政権から離れていらっしゃいます」
反町キャスター
「そうですね」
越智議員
「今回、安倍政権でも1回上げました。今後、2回目を上げるわけです。2回も延期して上げるわけです。ですから、よっぽどこれに全精力を集中してやらないと、もし何か他のことに気をとられているうちに、もしできなかったら、1億総活躍社会、経済…、新しい経済パッケージでも、また、しっかりと厚くしたわけですけれど、これができなくなっちゃうので、まずは…」
反町キャスター
「ただ、具体的にここでピキピキやるとは言わないまでも、このぐらいの感覚でやっていかないと、要するに、財政健全化を加速化させることはできないという。もっと言えば、消費税を上げないで、他の税を上げるのか?ないしは消費税も他の税も上げないで、景気の改善速度を上げるだけで、自然増収だけで財政健全化がはかれると思います?」
越智議員
「2点ありますね」
反町キャスター
「はい、どうぞ…」
越智議員
「1つ目は、この夏の骨太の方針でPB黒字化のスケジュールを決めるわけですよ。ですから、まずはPB黒字化ですよね。あともう1つは、消費税を上げるか、上げないかというのは国民の皆さんのご了解も必要ですけれど、一方、経済にどの程度インパクトがあるか、あるいはダメージがあるか、あるいは経済が痛まないような強い経済になっているかどうかということなので。ですから、財政と言いますか、消費税の引き上げによる財政健全化の話と、経済実態という話は、両方合わせて考えなければいけない話なので」
反町キャスター
「なるほど」
越智議員
「今から、越智さん、責任ある1人の社会人としてというか、人間として、責任ある立場でどうなのだと言われたとしても、それは、答えは変わらない」
反町キャスター
「失礼しました…。野口さん、野口さんはこの森信さんのプラン、成長と歳出改革をパラレルでいきながら、ちゃんと増税もカチッ、カチッとやっていって財政健全化をはかろうよと、いかがですか?」
野口教授
「増税は、私の立場からすると、もうこれはちょっと論外なんですよね」
反町キャスター
「でも、3ポイント上げた時のことが、あれが失敗だったとずっと言うのであれば、小出しにしていった方がいいのではないかという…」
野口教授
「そうですね」
反町キャスター
「3%でドンといくよりも、小出しの方が、そういう話はないのですか?」
野口教授
「うん、だから、3%上げるのだったら、1%ずつ上げた方が確かにいいです、それはその通りですね」
反町キャスター
「なるほど」
野口教授
「ですけれども、もう既に3%上げちゃって、その悪影響が2年ぐらいは続いているわけですから、消費の減少という形で。ですから、そう考えると現在になって、そういうことを言うのかという感じになっちゃうわけです、私の立場からすると。現在、問題になっているのは、だから、この2019年の話ですよね、この2%というのをどうするか。ですから、私はもう…」
反町キャスター
「あっ、そうか、それも上げない方がいいですね?」
野口教授
「本当はそうです。ただ、現実の問題として、もしかしたら難しいのかもしれないということで、そうも、思います、正直。しかし、絶対にそれで成長を途切れさせてはいけないわけです。たぶん大臣も、そういうお考えだと思うんです。では、どうするかということで、1つの方法としては、森信先生の方から再分配と言われました。ですから、かなり思い切って、低所得者に定額給付金、昔、麻生内閣がやったような、ああいう形の再分配を、増税のあとの反動減で落ち込んでいる時に、相当手厚いことをやらないといけない。その場合には、そういうバラ撒きというか再分配でやってしまうっていうのが1つの考え方だと私は思っています」
反町キャスター
「森信さんの再分配は、そういう再分配ではないですよね?」
森信氏
「うん、私は…」
反町キャスター
「たぶん、違う再分配ですよね?」
森信氏
「ええ。所得税をもう少し高所得者に負担をいただいて、低所得者の方の負担を軽減していくという、今回、30年度税制改正で少し兆しが見えましたが、ああいうことを継続していくということ。30年度税制改正、日経新聞が世論調査を直後にやっていましたが、賛成される方が55%ですよ。ネット増税です、あれは」
反町キャスター
「はあ…」
森信氏
「ネット増税で国民の過半数が賛成するというのはかつてないですよ。私、経験したことがないから。それほど、国民の方が再分配というものを評価されているのだなと私は思いましたね」

『歳出改革』方向性と課題
松村キャスター
「今後の社会保障費の増加について聞いていきます。団塊世代の高齢化に伴いまして、社会保障費は今後急増する見通しです。こちらは2014年の医療費と介護費の1人あたりの国庫負担について、財務省が公表したものです。75歳以上の後期高齢者は、65歳から74歳の高齢者に比べて医療費でおよそ5倍、介護費でおよそ10倍かかるとしています。2025年には団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となりまして、423万人増えて、2180万人となる見通しです。社会保障費の急増が問題視されて、2025年問題とも言われていますが。森信さん、この問題についてどう考えますか?」
森信氏
「ここまで、国庫負担が、同じ高齢者でも、後期高齢者とそうでない方との差が出るというのはちょっと驚きですよね。これは、1つはもちろん、後期高齢者になりますと非常に医療リスクが高くなるというのはその通りですけれど、おそらく負担が低くなっていることだと思うんですよ、ここも影響している」
反町キャスター
「なるほど、個人負担が?」
森信氏
「個人負担が。だから、その分が全部、国庫負担についている。それで、これは政府の方針でもあるのですが、これからは年齢に関わらず、余力のある人は皆、負担を、普通の負担をしてもらいましょう、勤労者と同じということに方針がなっているんですね」
反町キャスター
「はい」
森信氏
「私はそこにもう1つ加えたいのですが、高齢者の特色は資産を持っておられる方が結構いらっしゃるということですよ。だから、所得要件だけで窓口負担を決めるのではなくて、現在はそうですが、それに加えて、資産の要件も加えて、1部では介護の分野で、預金が1000万円以上、あるいは2000万円以上ということで出なくなるようにするような制度が既にあるんです。もっとマイナンバーが入ります、現在預金不安が始まっていますよね。そういうことでICTを活用して、資産というものを活用した高齢者の負担を、特に後期高齢者の場合、10倍も違う、5倍も違うというのはあまりにも違いすぎるので、そういった手直しを私はすべきではないかと思うんですよ」
反町キャスター
「森信さんが言われたのは豊かな高齢者の負担を考えていいのではないかと。フローである所得だけではなくて、ストック、資産もちゃんとマイナンバーを活用して捕捉して、捕捉という言い方は悪いのかな、把握して、そういうある程度一定以上の資産を持っている人に対しては、窓口負担等々のところもちゃんと負担してもらうような形というのはどうなのだろうかと。こういう提案については、どう感じますか?」
越智議員
「これは考え方としてはあると思いますよ。あとは納得性の問題ですね。これからマイナンバーが入ってきて、それでいろいろなものがわかりやすくなってくるというか、透明になってくると。要は、データが大切な社会になってきますから、世界中が。そういう中で、民主主義の中で、納得性の高いようなやり方が見つかっていく中で、変化していく部分だと思っているので。それが良いとはいいませんけれども、いろいろ変化してくると思います」
反町キャスター
「マイナンバーはまだ抵抗感がありますよね?」
越智議員
「うん」
反町キャスター
「捕捉されること、見られることに対する抵抗感があると思うのですが、これをどうやって除去していくか、何かアイデアを政府の皆さんは何か持っているのですか?要するに、マイナンバーを徹底的に使うことによって、大金持ちほど、負担が増える。小金持ちになっていくほど、だんだん負担が小さくなっていって得する部分が増えていくということは頭でわかっていても損益分岐点みたいなものがわからないから、自分はマイナンバーを使うようになったら損するのではないかと皆、思っているから、抵抗しているんですよ」
越智議員
「うん」
反町キャスター
「ここの壁を取っ払う方法は何かないのですか?」
越智議員
「マイナンバーについては最近、政府の中でも、活用をもっと積極的にやろうという機運がかなり盛り上がってきました。現在、ですから、税と社会保障と災害が対象で、番号は厳密に管理しなければいけないということになっていますけれど、これをこれからどこに紐づけ、どう国民の納得性が得られるような形、本人が安心できるような形で使えるかということをまさにちょっとアクセルを踏んで検討していこうという状況です」

越智隆雄 内閣府副大臣の提言『経済成長にイノベーション、才出改革にイノベーション』
越智議員
「『経済成長にイノベーション、歳出改革にイノベーション』と書かせてもらいました。生産性革命をしっかりと進めていって、世界的なディストラクティブ・イノベーションの世界でしっかり競争力をつけていかなければいけないという話と、税収も増えていくという話。歳出改革も国民の皆さんのご負担を最小限度に抑えながら歳出をしっかりとコントロールしていく、そのためのいろいろな知恵を絞っていくと、この2つによって財政健全化をはかっていきたいと思っています」

森信茂樹 東京財団上席研究員の提言 『受益と負担のリンクした議論が必要』
森信氏
「受益と負担のリンクした議論を進めるべきだと思うんですね。これは先ほど、越智副大臣の言葉の中にもありましたが、負担というのは国民の納得感が必要ですよね。そのためには受益がいくらあるのかというのをはっきりさせて、それとの関連で負担を考える。負担は負担、受益は受益だけで議論されている。それを一緒に考えるようなことを、これからは政治家の方もされるような議論の場をつくっていただきたいと思っています」

野口旭 専修大学経済学部教授の提言 『政策の優先順位を間違えてはならない』
野口教授
「何回もお話していたことなのですが、政策の優先順位を間違えはならないということです。現在、1番重要なことはデフレ脱却、インフレ目標の達成、それから、完全雇用の実現です。これらの足を引っ張るようなことはやってはいけないということです。それが達成されて、まだプライマリーバランスの赤字が残っているという時に、初めて、まず歳出改革、それから、それでもまだ足りないという時に増税と、この順番を絶対逆転させてはいけないというのは私の考え方ですが、残念ながら今回、増税がどうなるのかというのが気がかりです」