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2017年12月13日(水)
文大統領訪中の大誤算 中韓接近は夢か幻か?

ゲスト

山本一太
自由民主党政務調査会長代理 参議院議員
武藤正敏
元駐韓大使
朱建榮
東洋学園大学教授
李泳采
恵泉女学園大学人間社会学部准教授

『中韓接近』は夢か? 幻か?
秋元キャスター
「韓国の文在寅大統領は今日から16日まで4日間の予定で中国を国賓として訪問し、関係が悪化していた中韓関係の修復に向けた会談などを行う予定です。今日は、文在寅大統領の訪中から、韓国、中国、それぞれの思惑を検証し、今後の中韓関係と日本の対応について考えます。韓国の文在寅大統領は、今日から16日まで4日間、国賓として中国を訪問します。その主な日程ですけれど、今日、北京入りしました文在寅大統領、中国に在住している韓国人との懇談会に出席するなどしました。明日は、公式歓迎式典と首脳会談、国賓晩餐会などが行われます。明後日、金曜日、文大統領による北京大学での演説、李克強首相との面談などがあります。最終日、重慶市を訪問しまして大韓民国臨時政府の庁舎などを訪問して、帰国の途に着くという、こういった日程なのですが、まずは武藤さん、文大統領、国賓として訪中するわけですけれども、文大統領が中国に到着した時、習近平国家主席は南京事件の式典に出席していて北京にいないという状況だったわけですが。まずそれについてどう感じますか?」
武藤氏
「ちょっと不思議ですね。国賓が訪問した時に、相手国の元首とか、カウンターパートの方が首都にいらっしゃらないというのは、あまり聞いたことはないですけれども。なぜ文在寅大統領が今日行かれたのかね、明日行けばいいのに、なぜ今日行かれたのかというのが、そこは私もよくわからないですね」
反町キャスター
「可能性としては、何が考えられるのですか?主なき北京に入る…」
武藤氏
「後ろの日程が限られているし、中国にいる韓国人のビジネスがなかなか難しいし、特に今回300人ぐらいの韓国の財界のトップを連れていきますね。そういった方々との橋渡しをやろうとすれば、この日ぐらいしかないということなのではないでしょうかね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「だけど、ちょっと不思議ですね」
反町キャスター
「ビジネスセッションというか、それをまず先にやる?」
武藤氏
「ビジネスセッションを先にやろうということなのではないですかね」
秋元キャスター
「李さん、韓国側としては、中国の対応をどう見ているのでしょうか?」
李准教授
「もちろん、北京に入った日に最高指導者がいた方が温かいイメージはあるのですが…」
反町キャスター
「そうですよね」
李准教授
「別の意味では、最初はたぶん韓国側では、現在の日中関係上、習近平主席がこの記念式典に行かないのではないかなという雰囲気もちょっとあったので、それを調整したのですが…」
反町キャスター
「南京に行かない…?」
李准教授
「行かない、この記念式典に参加しない可能性もあったと。ただ、中国の内部の事情で、習近平主席も早めからは参加するとは言っていなかったので、内部でいろいろ調整の結果、行くようになり、韓国も実は現在の中韓関係を見ると、完璧なお互いに関係回復ではないので、雰囲気で見れば、習主席が思ったよりは、まだ韓国側に対しても距離を置いているという雰囲気を受け止めているとは確かです」
反町キャスター
「国賓と言っておきながら、行った時に主がいないというのは、韓国のメディアや世論で、失礼だよとは言いませんけれども、国賓として呼んでおいて、行った時にいないのはおかしいのではないかという議論にはならないのですか?」
李准教授
「もちろん、メディアでは一部そういう報道はあるのですが…」
反町キャスター
「ああ、そうですか…」
李准教授
「ただ、中国側の現在のもてなしの文化というのは、お客さんを呼んで最後には温かい雰囲気で迎えるということはあるので…」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「韓国がわざわざ、私達に、と要求するよりは、最初は韓国側の方が配慮してあげれば、逆に中国側の方にもっといろいろな配慮をしてもらうような期待も込められている雰囲気だと思います」
反町キャスター
「朱さん、これは最初に、もともと南京に行かないという選択肢もあるという情報になっていたのですか?」
朱教授
「あの…」
反町キャスター
「主席が?」
朱教授
「ええ、李先生がおっしゃったように、これまでに2年間は行っていないですね、2014年以降。ですから、今年は行くかどうかというのは、はっきりしていなかったというのは言えます」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「しかし、今回は80周年であり、19回党大会のあと、そういうようなところで、おそらく最後の、いろいろ考えたうえで、行くことになったと思いますけれども。しかし、文大統領が今日、北京到着ですけれど、今日の夕方以降は習主席も北京に戻っているので、ですから、最初に大統領を迎えるのは、中国の主席を代表する特使、外交部長や副首相が、ですから、そういう意味では、正式な公式な歓迎式典は明日の朝なので、午前なので…」
反町キャスター
「なるほど」
朱教授
「それ自体は失礼ではないと思うのですけれども。しかし、いずれにしても中韓は10月末にTHAADをめぐっての合意後、慌ただしく動きだした。韓国と中国の人の民族性、よく言われるのは、互いに走りながら考えると、まさに今回も…」
反町キャスター
「両方ともそうなのですか?」
朱教授
「中国もそうです。ですから、そこが、今回は。しかし、スケージュール的に見れば、中国は18日以降、いろいろな中央経済工作会議、一連の予定があるので、結果的に逆算すればこの時期しかないということで決めた、年内で、それは最後の1つの外交首脳訪問の最たる行事として決めたということ」
山本議員
「なぜ現在、中韓首脳会談をやるのか?当然、中国の方は、日米韓の連携に楔を打ち込もうと思っているのは当然ですよね、これは」
反町キャスター
「はい」
山本議員
「これまでのいろいろな経緯を考えれば。それで、習近平国家主席というか、中国の戦略で思うのは、全て文在寅大統領の置かれている立場を計算して、わかっているわけですよ。文在寅大統領としては、THAADをめぐる、嫌がらせ、あれは単なる嫌がらせではなくて、それは観光業界が大打撃を受けているわけではないですか」
反町キャスター
「はい、そうですね」
山本議員
「ロッテのお店もほとんど開けないわけではないですか。韓国のシンクタンクの調査だと、GDP(国内総生産)の0.5%やられているわけではないですか」
反町キャスター
「うん」
山本議員
「これをちゃんとしなければいけないから、正常化しなければいけないというのもある。それから、北朝鮮の暴発を抑える、北朝鮮の姿勢を変えるのは、これはキーになるのは中国だっていうのはわかっているから、それも働きかけなければいけない。あとでいろいろ議論になると思うのですけれども、平昌オリンピック、2月の…」
反町キャスター
「はい」
山本議員
「これは文大統領としては絶対に成功させ、外交的得点にしなければいけない。トランプ大統領は来ないですから、文大統領としては、習近平国家主席と安倍総理に来てほしいわけでしょう。そういうことを全て計算に入れて、国賓として呼んだと。今回おそらく共同声明とか、会見とかないわけですよね?」
反町キャスター
「はい、そこです」
山本議員
「だけど、その中でおそらく、中国側はこれからの議論かもしれませんけれども、相当きつく、10月末に韓国側と合意をした3つのNO、ありますよね?」
反町キャスター
「はい」
山本議員
「アメリカのミサイル防衛システムには組み込まれない、THAADの追加配備はやらない、日米間の関係は軍事同盟にはしない。こういうことを相当厳しく言ってくるのではないかと思うんですね」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「だから、そういう意味で言うと、李先生のお話をいろいろ聞かなければいけないと思うのですけれども、ここ何か月かは、文大統領にとっては非常に正念場がやって来ると思います。その最初の関門がこの首脳会談ではないかと思いますね」
秋元キャスター
「国賓として到着した時、主席がいないのに加えて、今回の首脳会談後の共同声明の採択は見送られて、共同記者会見も行われる予定はありません。また、共同報道発表文も見送られ、中国・韓国それぞれの立場表明にとどまると見られているのですが、李さん、この件についてはどう感じますか?」
李准教授
「これまで、中韓首脳会談、7回ぐらいやったのですが、6回ぐらいは最低限、共同記者会見ぐらいはやりました。ただ1回、ちょうど1993年ですね、北朝鮮の核問題で、金泳三大統領の時代には何も発表もなしで終わったケースですが。ちょうど中韓関係が、THAAD問題で韓国が10月末でこれが解決済みだと思って、封印したと思ったのですが、中国側は次の意向を習近平主席が言ってくるので、ギリギリまで詰めができなかったまま、現在、訪問するようになったので、結果的には発表文もなしなのですが、実はこれは韓国側では、中国側が逆に配慮をしてくれたというような認識の方が多いです。なぜかと言うと、逆に記者会見をしましょうとした場合には、必ずTHAAD問題に対して…」
反町キャスター
「それは、そうだ」
李准教授
「あるいは3つのNOに関して韓国は認めますということを入れてもらわないといけないので。しかし、韓国としては、3つのNOに関してすぐ答えることはできないし、THAAD問題に関しても曖昧にしたままなのに、記者会見までされちゃうと困るということですので。韓国としては中国とそんなに悪い状況ではないかなとは思います」
反町キャスター
「武藤さん、大使として、たとえば、韓国に行った時に日本の総理が韓国にいきます、韓国の大統領が日本に来ますという時の、向こうから来る時だったら一緒に来たりするわけではないですか。共同声明も、共同会見も、共同報道文もまったく出さないという時に、その両国の首脳会談、たとえば、日韓首脳会談で全部3つとも出さないと言ったら、その首脳会談は成功だったと言えますか?」
武藤氏
「国賓訪問ですから出すのが普通でしょうね。ただ、今回の場合に、これを仮に出した場合に、あの3つのNOの扱いをどうするかというところの問題があるんですよね」
反町キャスター
「先ほどから出ているのは、この3つのNO」
武藤氏
「これを共同声明に書けと言われたら、アメリカとの関係でそれは文在寅大統領、もたないでしょうね。だから、これはとても書けないということになって結局、この共同声明も、共同記者会見も、共同報道発表もなくなったということなのだろうと思います」
反町キャスター
「武藤さん、康京和外務大臣のこの発言、韓国の国会で発言したというのは、外務大臣はどういう形式で、中国とこういう合意をしましたという形で発表したのですか?」
武藤氏
「と言うか、最初に康京和外務大臣はこれを言っていないですね。中国側の報道官が発表しているんですよね」
反町キャスター
「中国が先に発表?」
武藤氏
「康さんはもうこれ以上、追加配備しないとか、そういうことしか言っていないはずですね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「それで、これがあとで出たわけですよね」
反町キャスター
「はい」
武藤氏
「いったんそういう発表が行われたら当然、韓国国会で追及されますから、嘘を言えないから、こういう話が出たと。これは一方的な意思表示だということを言ったはずですよね」
反町キャスター
「一方的?」
武藤氏
「合意ではないと」
反町キャスター
「中国側の意思表示だと韓国の外務大臣は言ったと、そういうことですか?」
武藤氏
「いや、あの…」
反町キャスター
「そこが、ちょっと意味がわからないです」
武藤氏
「韓国側の意思表示として、こういうことを言ってくれ、と言われたということなのでしょうね。そういうことですよね?」
李准教授
「ちょっとプロセスをちゃんと見るべきなのは、この3つの原則に関し、10月30日に国会でTHAAD問題はどう対策するのかと問われた時に、康京和さんがこの発言をして、31日に中韓合意が行われただけです。逆にこれは国会の場を借りて、中国に公式的に韓国がTHAAD問題に関する原則を発表した形であって、必ずしも、これはもちろん、水面下でそういう約束はあったのかもしれませんが…」
反町キャスター
「中国の報道が先なのですか、まず?」
李准教授
「いや、韓国側でそういう原則を発表したことを引き受け、中国が合意をしてくれたということで中韓関係の収束についたわけです。ただ、この内容をよく見ると実は韓国で特別な内容はないです。これまで韓国はアメリカのMD(ミサイル防衛)に入らないことは何回も言ってきました。THAADに関しては臨時配置であって、これ以上の追加配置はないという話です。それから、日米韓軍事協力云々ですが、実は、これは日米韓、現在、軍事協力でさまざまな軍事行動はやっていますよね。ただ、なぜか日本から見れば、日韓で軍事同盟とかしないのというような誤解があるかもしれませんが、実はこれは、日本は現在、憲法9条があるので同盟国家にはならないです。米韓同盟にはなるのですが、日本がどの国と軍事同盟を結ぶという条件にはなっていないので、いくら韓国がやろうとしても、日韓は軍事同盟にはなりません。だから…」
反町キャスター
「韓国がやりたいのに、日本が拒否しているという意味ですか?」
李准教授
「いや、日本の現在の憲法9条上、片務的な条約で、日米安保条約みたいに助けてもらうことはできるのですが、韓国とアメリカの関係は完全な軍事同盟です」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「だから、日韓関係は軍事同盟関係にはならないので。日米韓軍事協力はやります。ちょうど現在、新しく北朝鮮の弾道ミサイル探知の訓練もやっていますし。だから、これは誤解をしてはいけないのが、日米韓軍事協力はやるのですが、軍事同盟をしないという話が必ずしも日本を排除するわけでもないので。この3つの原則が韓国で必ずしも、主権を諦めたような、ちょっと韓国側では、中国側に弱腰を見せたような方針ではないんです。ただ、これは韓国の内部方針であって、これが必ずしも中国との間で、声明文で書かれるようなことの、公式的な方針にはしてはいけないということなので…」
反町キャスター
「その違いは何ですか?国会で外務大臣が言って、翌日に中韓の合意であるというような、非公式な発表まであったうえで文書にはしたくない。だから、今回の文大統領が訪中しているのにあたっても、声明や、会見や、発表文をしないというのも、つまり、これが書かれるのが嫌だから紙を出さないわけでしょう?」
李准教授
「基本的には、韓国側としてはこういう方針をまとめたわけですが」
反町キャスター
「なぜそれを紙にするのを嫌がるのですか?」
武藤氏
「韓国国内で、随分批判されているんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「いや、もちろん、保守の中ではそう…」
反町キャスター
「ちょっと待って…」
武藤氏
「要するに、韓国は自分達の主権を売り渡したのかということで、相当、韓国の主だった新聞はそういう批判をしているんですよ」
反町キャスター
「ごめんなさい、売り渡す?」
武藤氏
「要するに…」
反町キャスター
「中国に対して、ということですか?」
武藤氏
「…中国に対して」
反町キャスター
「はあ…。それは、要するに、この3つのNOいうのがあまりにも媚中的な政策であるという…」
武藤氏
「媚中…」
反町キャスター
「…批判が、保守派からの批判が、ということですね?」
武藤氏
「要するに、自分達で主体的に動きがとれなくなるような、自分達の行動を縛るようなことをしているということで批判されているわけですよね」
反町キャスター
「朱さん、中国はこの3つのNOを歓迎しているわけですよね?」
朱教授
「私もいろいろ中国の専門家の意見を聞いたのですが、それは中国と韓国の両方が妥協しあう結果だったと。2番目のTHAADの配備で現在の6基以上は追加配備しないということですけれども、言い返せば、これまで中国は1基も絶対ダメと言っていたのを、6基まで、これ以上は配備しないというところで妥協した。韓国側の説明はここで書かれた1と3というのは既定の方針であると。内部の方針ですけれど、今回、中韓の合意をつくるうえで、これが最後にこの3つ、中国としてもこれをとりつけるものもほしかったので。ただ、私が言いたいのは、今回の共同声明、共同記者会見そのものが、それは行われないから文在寅大統領の訪中が失敗する、失敗したということにはならない。直前のトランプ大統領の訪中も国賓として正式訪問、共同記者会見も共同声明もなかったんです。それは習近平さんがそういう記者会見を一緒にやるというのを、あまりしたくないという部分もあるのかもしれません。しかし、ここまで揺れるというのは、もう1点。この3つの原則というのが現在、正式に文書化するかどうかはともかく、一応合意しているんですけれど、中国側はその背後に、3つのNOと共にもう1つの限定的使用、もう1つの限定、という合意もあったと」
反町キャスター
「この3つ以外に?」
朱教授
「3つ以外ですね。即ちこのTHAAD、この6基の配備というのは中国も黙認すると。いざ運用する時、そのハイレベルのですね、このレーダーが、中国内陸部の2000kmまで、そういうところまで見えるというところ、なるべくそういうところでそれをしないと。中国側の説明では実はそれについていったんは合意した、しかし、アメリカ側の強い反対を受けて、韓国側としてはそのままの約束で、限定的使用というところはできないと。しかし、それに対して今回、文在寅大統領が訪中直前に昨日、中国CCTVのインタビューを受け、わざとこういう発言をしたんですね。北の核・ミサイルに対する防御目的を超えて中国の安全保障を侵害することのないように格別に留意すると発言しているんです。しかし、中国はもっと具体的なものを要求する。そこは韓国としても約束できないものがあるので、そういう意味で、今回は共同声明や共同記者会見でなく、裏で互いにもう少し踏み込んだ話をして、一種の約束をして、合意をするということで、決裂はしたくないというところの配慮ではなかったのかと思います」
武藤氏
「ただ、これ結局、運用をするのは在韓米軍でしょう?」
反町キャスター
「そう」
武藤氏
「韓国軍がこういう約束なんかできないですよ。今後の運用については、また、さらに検討…、お互いに話し合っていきましょうということになっているのだけれども、それ自体がおかしいですよね。アメリカがこれについて相当、反発しているはずですよ。この中身がこれまでをそんなに大きく踏み出すものではないと言っても。韓国の国内世論もおかしいではないかと、こういう感じになっていますよ」
山本議員
「今回、この3つのNOも含めて、THAADをめぐるいろいろな、いろいろなこれまでのやりとり、それから、今回の国賓としての訪中、これを、全体を見ながら、朱先生に申し訳ないのですけれども、これはまさに他山の石であって。中国とは、朱先生もおっしゃる…、同意、同じ意見だと思いますけど、戦略的互恵関係を進めていかなければいけないと思うんですよね。ただ、今回、韓中関係を見て思うことは、中国に生殺与奪を握られては絶対にいけないということですよね」
反町キャスター
「うん」
山本議員
「申し訳ないけれど、現在の韓中関係を見ていたら、ほとんど、これも言葉に気をつけないと失礼になっちゃうのですけれども、まるで属国のような失礼な扱いだと思いますよ。まず、この3つのNOについて、いろいろ、李先生の方からご説明があって、なるほどと思ったところもありましたけれども、韓国側がこんなこと言いたくなかったのだから。これはなぜそう思うかと言うと、韓国の外務大臣がもちろん、認めたと言うか、言ったのですけれども、その次の日に人民日報の環球時報に、合意したという話が出て、韓国側はすごく慌てたんですよ。だから、つまり、韓国側はそれだけ慌てたということは、こういうことはあまり外に出してほしくないという思いがあるわけですよね。さらに今度の文在寅大統領の訪中の前に、11月の末か、12月の初めぐらいに、王毅外相がもう1回、この3つのNOを守れ、みたいなことをおっしゃっている。しかも、韓国は、この間のTHAAD問題のいろいろな経験から学ぶべきだと。極めてこれは申し訳ないけれど、高圧的だと思いますよね」
反町キャスター
「高圧的です」
山本議員
「韓国の保守系のメディアは皆、批判している。朝鮮日報は社説とか、コラムで批判しているのですけれども、一言で言うと、誇りを失ったのかと。これで本当にいいのだろうかと。韓国は中国にとっては実は1つの駒なのではないかと、歩なのではないかと。大きな将棋盤の上でいう。そういう中で、あまりにも中国に期待していくというのはどうなのかと。たとえば、このTHAADをめぐる中国の嫌がらせ、これは相当酷いと思うんですよね。だって、少なくともTHAADの配備に不満だから、ロッテを締め出したわけでしょう。THAADの配備に不満だから、韓国の主要な輸出品である化粧品をブロックしたわけでしょう。韓流のドラマも放送できないようにして、それで団体旅行も基本的に禁止したわけでしょう」
反町キャスター
「そうそう」
山本議員
「善い悪いではなくて、それはある意味、中国の戦略なのかもしれませんけど、これはよく韓国が我慢しているなという感じがします。これが文在寅大統領にとってなぜ試練かというと、あまりにもどっちつかずの、残念ながら進歩系の政権にとっての宿命かもしれませんが、東アジアのバランサーと言わざるを得ない宿命、だけれど、あまりにもどっちつかずだとかなり難しいと思いますよ。たとえば、武藤元大使がおっしゃったように、アメリカは非常に不満に思っていると思いますよ」
反町キャスター
「それはそうでしょうね」
山本議員
「これは李先生がおっしゃったように確かにこれまでの文在寅大統領が言ってきたことから言えば、そんなに矛盾はないかもしれないけれども、これを敢えて中国が、たとえば、人民日報、環球時報で合意したと言うことによって相当トランプ政権は怒っていると思います。あとで話が出てくるかもしれませんが、この12月6日と7日にヘイリー国連大使、これまさにトランプ大統領が、ティラーソン国務長官の後任に据えようとして打診までした人ですよ、この人が、こんなに文在寅大統領にとって、韓国にとって大事な平昌オリンピックについて行くかまだ決まっていないと言ったと。その次の日には、サンダース報道官もまだ決まっていないと言ったと。その次の日かなんかに、別の報道官が楽しみにしていると。参加すると言わないのだから。これは明らかに、アメリカの韓国に対する不満だと思いますよ」
反町キャスター
「そうですね」
山本議員
「中国は現在、李先生がかなり配慮したと言ったのですけれども、そんな生易しいことはしないと思っています。日本だって、これから話題に出てくるかもしれませんが、タスクフォース、慰安婦問題の、これも李先生のご意見も聞きたいと思って来ましたけれど、タスクフォースの中身によっては、それは日中韓の首脳会談にも影響があるので。そういうすごく文大統領の難しい立場というのはわかるのですけれども、どっちつかずの外交をやっていると、アメリカからも不信を買い、中国をもちろん、甘く見ていないとは思いますけれども、中国の厳しい追及に遭い、しかし、日本との関係も悪くするという、こういう本当に難しいところに文大統領が来ていると思ったので、ここから何か月間かは本当に試練だと申し上げたんです」

対北朝鮮『圧力』の行方
秋元キャスター
「ここからは明日行われる予定の中韓首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル開発への対応がどう話し合われるのかというのを聞いていきます。先月末、文在寅大統領は北朝鮮が新たな弾道ミサイル・火星15型を発射したことを受けまして、アメリカのトランプ大統領と電話で会談を行いました。その中で『北朝鮮が核・ミサイルの放棄に向けた対話に応じるまで、強力な制裁と圧力を加えていく方針を確認した』ということなのですが、武藤さん、文大統領、明日、首脳会談を行いますけれど、中国に対してもこういった同じようなことを言えるのかどうか、どう見ていますか?」
武藤氏
「制裁ということは言うと思うんですよね。なぜかと言うと北朝鮮を変えるためには制裁を強化していかなければいけない、石油の禁輸もやっていかなければいけない、これは間違いないことなのだろうと思いますね。それをすることによってアメリカの軍事行動を抑えられるという側面もあるし、制裁が強くなれば仮に北朝鮮がその後、核・ミサイルを開発したあとでも、制裁を続けないと、これは既成事実になっちゃいますからね。制裁を続ければ、北朝鮮のクーデターが起きるかもしれないし、変わるかもしれないわけですよね。だから、制裁ということは言うと思うんですよ。対話ということも言うと思うんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「中韓で対話が重要だ、それで朝鮮半島で軍事行動を起こしてはいけないというメッセージをアメリカに送りたいという意思もあるのでしょう。我々としては、そこは、ちょっとレザベイションのあるところで、そこはフリーハンドにしておかないと。中国も、軍事行動の恐れがある時に、北朝鮮に対しての圧力を強めるわけでしょう?」
反町キャスター
「はい」
武藤氏
「だから、韓国のこういう行動が、日米韓の連携を損なうという側面もあるわけですね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「だから、どういう対話になるかということは非常に注目していますけれども。こういう内容のことはおそらく話し合われると思います」
反町キャスター
「李さん、文大統領は習主席に対して、経済制裁をきっちりやってくださいと言いますか?」
李准教授
「中国にいて大きな意見の違いは、たとえば、現在、米朝関係の会談もあまりない、南北関係のチャンネルもまったくない、中朝関係さえも非常に冷ややかな中、でも、北朝鮮を動かす唯一の希望は、文在寅さんから見れば中国しかないのが現実です」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「だから、中国に対しては2トラックと言いますか、1つは、中国はもっと積極的に制裁に加えてくださいと。しかし、中国の立場は国連で現在、制裁のレベルでやろうとしてやって、それを乗り越えるということはしないという方針なので。ちょうど、プーチンさんのロシアに行って、プーチン大統領に韓国が石油の提供中止を要求したことで、プーチン大統領からは感情的な外交をしてはいけないというような一言で門前払いされてしまったんですね。だから、その経験があるので、今回、石油提供禁止を要求するのか、しないか、そのレベルまでは非常に難しいのですが。ただ、もっと中国が積極的に、1つは北朝鮮を説得して、制裁まで加えてくださいということは言うと思います。たぶんいろいろな形で、文在寅さんにとっては、現在、それは利益ですし。だから、唯一、北朝鮮が現在、韓国との対話もしていないので、そうすると、交渉のテーブルに出させることは、経済制裁方法しかないのが現実ですので。韓国が今回、行く前に経済制裁措置を、第2回目を行いました。しかし、これはもちろん、象徴的なことではあるとは思いますが、現在もっと世界的に北朝鮮への制裁は必要だというような立場です」
反町キャスター
「李さん、国連の安保理で決めている経済制裁というのがシンボリックなものに留まっているのか、実際に効力があるのかどうかということのうえの話として、石油を止めるかどうかという話があるんですよね。たとえば、習主席に対して文大統領が、大慶油田から北朝鮮につながっているパイプラインですよ、止めろと、要求するか、しないか?そこはどうですか?」
李准教授
「韓国が要求したからと言って、中国がそれを受けるかどうかはまた別ですので…」
反町キャスター
「ただ、言うか、言わないのかというのは、それは国の矜持がそこに出でくる」
李准教授
「ロシアでは言いましたので。ただ、中国でそこまで言って、どこまで実効性があるのかの問題はあるかと思います」
反町キャスター
「効果がなかったら、言わないのですか、最初から?」
李准教授
「だから、たぶん石油の提供のことはもちろん、韓国が言うことがあるのかもしれませんが、ただ、北朝鮮にとって、本当に石油を止めることで経済効果があるのか、いろいろな説がありますよね、北朝鮮の…」
反町キャスター
「あるでしょう?」
李准教授
「それは…」
反町キャスター
「対価を払わずに、来るんですよ、タダで、ドンドン、ドンドン…」
李准教授
「私達、北朝鮮に制裁は、1993年以降ですね25年もやり続けて、毎回、制裁はこれまで地球上最大の制裁だと言い続けてきて、またここです」
反町キャスター
「はい」
李准教授
「だから、北朝鮮はその体質にもうなっているんです。石油が止まっても場合によっては軍隊の中に10年以上の石油が備蓄されている説から、北朝鮮内部に石油開発があるという説まで、いろいろあるんです。だから、基本的にはもちろん…」
反町キャスター
「…いいや、はい」
李准教授
「北朝鮮の、要するに、止めること自体がもちろん、まったく影響がないわけではないのですが、すぐその交渉1つで、中国が加わることもわからないまま中国に圧力をかける必要はない。ただ、もっと実力的に、制裁はもっと積極的に…」
反町キャスター
「ごめんなさい、経済制裁は何のためにやるのですか?経済的に相手を困窮させて、武力制裁までいかないまでも、経済的に相手を追い込むことによって、相手が対話に応じざるを得ないところまで引っ張りだせるかどうかが経済制裁でしょう?」
李准教授
「そうですよね」
反町キャスター
「相手が1番困ることをやるのが経済制裁でしょう?なぜ石油を止めろと言わないのですか?」
李准教授
「石油を止めることを…」
反町キャスター
「石油を止められたら困るでしょう、北朝鮮は?」
李准教授
「北朝鮮が困るのではなく、外交をする時に、私達のもちろん、感情はわかります、石油を止めて、1番は出させればいいですが、外交の最高首脳を。これが非常に実効性もないで、門前払いされるような内容を…」
反町キャスター
「それは韓国のメンツの話であって…」
李准教授
「メンツではないです」
反町キャスター
「制裁の話とは違う」
李准教授
「首脳会談の議題はいろいろあります。文在寅さんにとって1番、首脳会談でやりたいのはもちろん、北朝鮮の問題もあるのですが、中朝関係改善で経済協力のレベルをもっと上げるのが、現在1番実利、利益です。だから、幅広いテーマの中で、石油提供のこと自体を首脳会談でわざわざ文在寅さんが言わなくても、韓国とたぶん中国の間では今回、記者会見の中でもっと積極的に北朝鮮への制裁を、もっと促進するという話は出ると思います」
朱教授
「それから、石油について実は最近、アメリカはただ単純に石油を止めればいいということはこの2、3週間、言っていないです。どういうことかと言うと、実は米中の間に、トランプ大統領の訪中後、いろいろ、パイプで、トラック2、あるいはトラック1.5、ひいては政府間同士のアレで話をして、たとえば、石油を完全に止めるシミュレーションをする、しかし、それを止めると、李先生がおっしゃるようにそれが単純に現在、北朝鮮が、当局がこれまでの方針をやめるかどうか、それに直結はしないです。なぜなら、これまで20年、あるいは少なくともこの数年間、最後の備蓄というのは、軍と首脳部のために貯めておくわけです。全面的に石油を止めるという瞬間に何が起きるか。それは人道危機ですよ。北朝鮮のそういう中で、それが病院でも電気がつかない、手術ができない、そのような人道危機を日本もそれを先にやっていいのかと。それをやっていて、北朝鮮の当局がそれでやめるのか。まさにこれを、ただ石油を止めるということが、北朝鮮の第1反応というのは難民を大量に出すことです。それで政策をやめないです。ですから、その部分を含めて考えたうえで対策するならいいです。それをただ何も考えないで、責任はあたかも中国が止めないから北朝鮮がやっているということではなくて、現在は明らかに米中が、北のこの核をめぐって先にしないといけないというところは一致している。それで文在寅大統領もたぶんわかっていて、今回の北京ではここ最近の動きで見るとティラーソン国務長官が北との無条件の交渉もあり得ると…」
反町キャスター
「言い出している、言い出している」
朱教授
「実はその背後にはどうも北朝鮮がこれまでのいろいろな制裁やアメリカによる軍事圧力、さらに中国側の国境でのいろいろな動き、現在の中国の国境のところには15万人の軍隊あると言われています、延辺の上空を中国の戦闘機がドンドン飛んでいるとも伝えられています。そういうようなところで、北朝鮮もなんとか降りる道をもちろん、彼らは現時点では核を放棄しないままで何かしようと、しかし、そういう時にこそ、実は中韓日米などが、これまでの制裁のところを協力してやっていくことが1番大事で。中国だけやれば、中国から見れば、そもそも北朝鮮の安全保障の脅威が、アメリカは自分でしないで中国だけにやらせる、それ自体もまた問題ではないかと。そこのところが…」
武藤氏
「中国だけではなくて、国際的な締めつけがドンドン強くなってきていますよね。エジプトとか、スーダンが軍事協力を止めたり、それから、北朝鮮の大使を追放したり、いろいろなところが増えてきています、シンガポールも積み荷をかえるのをやめさせたりとか。最近はアメリカが北朝鮮の船の海上遮断というようなことを言っていますね。これがもっと行き着けば、海上封鎖になって、この場合には北朝鮮の船を撃沈させることも含めてあり得るでしょうけれど。遮断でも、きっと北朝鮮の船は抵抗したり、逃げたりすると、撃つことはあるかもしれませんから、だから、これは軍事衝突の可能性もあるわけですよ。ありとあらゆる形で締めつけを強化していますね。北朝鮮をテロ国家再指定、これも国際的な包囲網を強めるという意味でアメリカはやっているのだろうと思うし、その次の日にやった中国の個人と、それから、団体に対する制裁ですよね、金融制裁。これもその一環ですよね。現在ドンドン締めつけが強くなってきているわけですよ」
反町キャスター
「話し合いの機運は高まっていると見ますか?」
武藤氏
「高まっていると思いません」
反町キャスター
「思わない?」
武藤氏
「相当、北朝鮮は困ってきていますよ、だから、国連の事務次長なんか…」
反町キャスター
「困ったうえで向こうが話し合いに出てくるかどうか?それは高まっていないというのは?」
武藤氏
「…出てきたら、金正恩は自分は潰されると思っていますよ。だって、これまで50万人ぐらいの人が死んでも、核開発・ミサイル開発をやめなかったわけですから。それから、多くの人達を公開処刑して、恐怖政治でもって核・ミサイル開発を続けているわけですから。これで金正恩委員長が妥協したら、国民に叩かれると思っていますよ」
反町キャスター
「でも、たとえば、この間の発言にしても核ミサイル技術は完結したと言ってみたり…」
朱教授
「核ミサイルは…」
反町キャスター
「完結したということは、つくったのだから、あとは話し合いだって…」
武藤氏
「解決…」
反町キャスター
「完結…」
武藤氏
「完結。要するに、国民に対してどう説明しているかと言うと、あなた方はこれまで苦労した、だけど、これから核・ミサイルが完成すれば、あなた達の苦労は報われるのだという言い方をしているわけですよ。だから、国民をなだめるうえでも、これは完結したということにしたいわけですよ」
反町キャスター
「言わなければいけない?」
武藤氏
「言わなければいけないです」
反町キャスター
「それは話し合いへのシグナルではない?」
武藤氏
「ではないと思います」
反町キャスター
「山本さん、どう見ていますか?」
山本議員
「北朝鮮への制裁はいろいろ諸説ありますけれども、先ほど、李先生が備蓄もあってという話だったのですけれど、効いている気がするんですよね。それもいろいろな情報があるのでわからないですけれど、北朝鮮の車は現在、ある特定のナンバーしか給油しないとか」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「あるいはガソリンの価格、2倍か3倍になっているとか、そういういろいろな情報があるとか。あとは国連のフェルトマン次長が北朝鮮に行きましたよね」
反町キャスター
「行きました」
山本議員
「あれは一応、よくわかりませんけれど、いろいろなところから聞いてみると、どうも北朝鮮側から働きかけたらしいと」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「フェルトマンさんと言ったのかどうかは知らないのですけれども、行った人ははっきり、最も適材でしょう、アメリカ人でありながらオバマ政権の時の国務次官補で、アメリカ人だけど国連の高官という。アメリカも一応認めて、当然、アメリカにも了解をとっているから、これももしかしたら北朝鮮が望んだことかもしれない。それから、あといくつかの有力なシンクタンクのところに昨今、北朝鮮の政府関係者が来て、アメリカとつないでくれと言っているらしいので。そこはもしかすると武藤大使がおっしゃったように、制裁の効果は出ているのかもしれない。ただ、先ほど、同じく大使がおっしゃったのですけど、金正恩さんが出てくれば、もしかしたら政権が潰れるというのが1番気になるのは、どう考えても核放棄しないですよね。だって、彼らにとっては核を放棄した瞬間にやられると思っている。しかし、トランプ政権も絶対、戦略的な忍耐にはいかないですよね。だから、ここが交わらない限り、結構危険なチキンゲームがずっと続く気がしないでもないですね」
反町キャスター
「中国に対して要求してもしょうがないのですか?2人の話を聞いていると、中国に原油を止めろと言っても、しょうがないのだと…」
山本議員
「でも、先ほど、朱先生がちょっとおっしゃっていたのですが、だって、中国としては、石油を止めたら、人道的な配慮もあるかもしれませんけれども、まず難民が出てきたら…」
反町キャスター
「難民が…」
山本議員
「中国が迷惑を、というか、大変な被害を被る。プラスα、朱先生が何かの論文に書いていたのを読んだのですけれども、窮鼠猫を噛む、背水の陣にしちゃいけないという、中国のきっと考え方があって、包囲…」
反町キャスター
「相手を追い詰めないですよね?」
山本議員
「そうそう。包囲しても、朱先生の言葉によると、4か所包囲しても1か所は開けておくみたいな」
反町キャスター
「それは豊臣秀吉の政策…」
山本議員
「でも、中国の古いことわざで…」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「中国としては追い詰めても…、ただ1つだけ申し上げたいのは朱先生がこの番組でも前々回、前々々回ぐらいにおっしゃっていた、中国の中で、だんだん雰囲気が変わってきていて、中国の学会は、いや、むしろアメリカと協力をしながら、北朝鮮の体制転換も頭に入れながらコンティンジェンシープランを考えなければいけないという論調が出てきたというところは結構、北朝鮮にとっても痛手だし、金正恩委員長ももしかしたら、すごく中国を警戒しているのではないかなと思います」

日韓合意と慰安婦
秋元キャスター
「ここからは今後の日韓・日中韓の関係について聞いていきたいと思います。まずこれから日韓関係についてですけれど、2015年12月に日韓で交わされました慰安婦問題に関する合意では『最終的かつ不可逆的な解決を確認する』『今後、国際社会での本問題の非難・批判を控える』ということになっています。日本からは元慰安婦を支援するための10億円の資金を一括拠出。韓国は、慰安婦像の扱いは関連団体との協議を通じ解決に努力するということだったのですが、この日韓合意に関して、韓国は現在検証中で、その報告書というのが年内に出される予定ということですけれども。李さん、今年ももう残り2週間ほどですけれども、この報告書はいつどういう内容で出されると見ていますか?」
李准教授
「現在、このタスクフォースという役割なのですが、政権が交代されると、前政権の政策がどういう形で決まったのかを、内部プロセスを検証する作業です」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「これは韓国国内の文脈ですね。キャンドルデモで政権が途中で代わりました。前の政策が非常に公開的なもちろん、プロセスの政策もあるのですが、慰安婦問題とかTHAADは密室政治で決まったという一般の国民に国会でも説明もされていない、だから、そういうような政策が2度とそういう形で決まってはいけないし、内部でタスクフォースを使って検証作業をやっている。1つは国家情報院があります、そういうケースになっています。あらゆるプロセスを現在、検証しました。19件の事件を検証したら、もちろん、その中に賄賂問題も出てきたりするので、国内で法的措置をとった場合もあります。慰安婦の協議もどういう形で決まったのかを検証しているので、これはあくまでも国内向けの政策プロセス検証です。これがあったからと言って、私は必ずしも日本に慰安婦問題に関して白紙化とか、再交渉とか、これは文在寅さんの現在の立場上、言えないし、言うこともないと思います」
反町キャスター
「いつ頃、どんな内容の報告書が出ると見ていますか?」
武藤氏
「いつかというのはいろいろな憶測がありますから、はっきりわかりませんが、ただ、このタスクフォースのトップになっている方がハンギョレ新聞の、かなりこういう問題については厳しい見方をしておられる方がなっているから、そんな優しい報告が出るとは思いません。白紙化するかどうかという問題はあるのですけれども、ただ、こういう問題はいったん火をつけたら収まらないでしょう」
反町キャスター
「…なるほど」
武藤氏
「この合意ができた、これは日韓双方が譲り合ってつくった合意という意味で、これまでこういう歴史問題が起きた中では、1つのモデルケースとして考えるべき合意なのだろうと思うんですよ。それがこういう形でもって再度、また蒸し返されるということは、日本人にとってはとても同意ができないところなのだろうと思うんですね。白紙化しないまでも、この問題は来年、相当、尾を引いてくるのではないかということを心配します。この合意をできたあと、朴槿恵大統領は何をしたかと言うと、これまで韓国政府は慰安婦支援団体としか接触してこなかったのだけれど、今回、全ての慰安婦と接触して、7割の人達がこれを受け入れると言っているわけです。だから、文在寅大統領が言っているように国民情緒としてこれを受け入れないと、あれは嘘ですよ。だって、慰安婦当事者が7割受け入れると言っているわけですから。それをもうちょっと素直に受け入れてくれないと、こういった国のこういった難しい問題は…」
反町キャスター
「では、白紙化はしないけれども、調査の結果を見て、日韓合意の成立過程にはさまざまな問題点があるという報告書が出たとしましょう。白紙化はしないけれど、国民の大多数がこの日韓合意に反対であるというベースをもって文大統領は日本に対してどういう向き合い方をしてくるのですか?これは、白紙化はしないけれども…」
武藤氏
「だから、そういう状況になってきたら、何かもう少し色をつけてくれとこんな話になって…」
反町キャスター
「また、それですか?」
武藤氏
「だから、これは日本では受け入れ…」
反町キャスター
「金の話という意味ですか?」
武藤氏
「お金の話ばかりではなくて、気持ちの問題、法的な責任を認めてお詫びをするとか、こんな話ですよ」
反町キャスター
「…」
武藤氏
「これは、日本はとても受け入れられないですよ。だから…」
反町キャスター
「山本さん、どうすればいいのですか?」
山本議員
「李先生のおっしゃる通りにいけばいいけど、でも、武藤大使のおっしゃったように、1回、感情に火がついたら、なかなか収まらないのではないかなということを心配しています」

李泳采 恵泉女学園大学人間社会学部准教授の提言 『梅経寒苦』
李准教授
「これは結構、中国人が好きな四字熟語なのですが。梅は、寒い冬を経て良い香りを発するのだということ。まさにこれは現在、文在寅大統領が置かれた立場でもあるし、中韓関係、日韓関係、東アジア、北朝鮮問題を含めて、非常に冬の時期なのですが、ちょっとこの時期をうまく乗り越えることが、この時期がまさに危機ではなくてチャンスだというような意識を持つべきだと思います。安倍首相も、是非、中国と韓国に対して、もっと東アジアの安定の幅広い眼目でアプローチしてほしいです」

朱建榮 東洋学園大学教授の提言 『北の脅威に 日中韓、歩調を』
朱教授
「私は、北の最大の核・ミサイルの脅威に対して、日本・中国・韓国、歩調を合わせないといけないと。現在の時期に、日中韓で互いに相手が悪いと言うところではない。日中の最近の改善も、一方的に、ただ中国が日本を必要とするだけでなく、日本も中国を必要とする、中韓も同じですね。ですから、そういうところを考えながら、既に切っても切れないような関係。しかし、最大の脅威ということで、北朝鮮の最近の動きで見ると、日中韓がもう一押しというところで協力していくことが1番大事だと思います」

武藤正敏 元駐韓大使の提言 『どのような事態にも対応できる準備を!』
武藤氏
「現在、日本では北朝鮮の問題で戦闘が起きては困るから北朝鮮に対して制裁を強化して、北朝鮮を対話に引き出そうとしていますでしょう。だけど、その対話というのは、北朝鮮は非核化の対話はしないです。だから、これから事態はドンドン厳しくなってくるのだろうと思います。我々は期待だけでもって考えないで最悪の事態も想定しながら、ありとあらゆる状況に対して、対応できるような準備をしていかなければいけないということだと思います」
秋元キャスター
「山本さん、皆さんからの提言を聞いていかがですか?」
山本議員
「今日はこの3人の方と議論できて幸せでした。武藤大使のおっしゃったように、アメリカの軍事行動の可能性は低いとは思いますが、そこにある以上は、有事の対応みたいなことについても安倍政権としてしっかりと国民に説明していく必要があると思うんですね。これまで日本は、起こったら困ることは起こらないことになっているという、そういう結構、文化があったのですけれど。だから、この間の予算委員会の質問でも総理に申し上げたのですが、よりはっきりと、いろいろなケースを国民に説明していくべきだと思います」