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2017年12月1日(金)
大島衆議院議長に聞く 25年ぶり『皇室会議』

ゲスト

大島理森
衆議院議長(前半)
御厨貴
東京大学先端科学技術研究センター客員教授
所功
モラロジー研究所教授 京都産業大名誉教授(後半)
橋本寿史
フジテレビ編集委員


前編

大島衆院議長に聞く 『皇室会議』と『退位』
竹内キャスター
「皇族方や3権の長の意見を聞く皇室会議が開かれ、天皇陛下の退位は2019年4月30日に固まりました。今夜は天皇退位と新たな時代を迎える皇室について話を聞いていきます。皇室会議のメンバーですが、こちら、皇室から常陸宮さまと花子さま、議長は安倍総理、衆議院の大島議長、参議院の伊達議長、最高裁判所の寺田長官、宮内庁から山本長官ら合わせて10名が参加し、菅官房長官も陪席しています。大島さん、今日の皇室会議は1時間14分行われたということですが、どのような雰囲気だったのでしょうか?」
大島議員
「各皇室会議の議員の皆さま方、それぞれに自分の所見を粛々とお話いただきまして、全員の議員の皆さま方がご発言をされ、大変、陛下の今日を考えながら、特例法に沿った形でのご発言をいただいて、それらを受けまして、議長たる安倍総理の方から、ただいま報道がありましたような、そういうご提議がございまして、それらをまた各議員の皆さま方が了としたということでございます。まさに粛然と、皆さま方のご発言がそれぞれに真摯なご意見を出していただいて、このご退位と、ご即位を決めるに、いわば本当にふさわしい皇室会議であったし、こういう会議をちゃんと開くというのは、特例法に基づいて決められたことでございますから、非常にありがたいことであったと、このように思っております」
竹内キャスター
「天皇陛下の退位の日程ですが、再来年の4月30日とした理由について、菅官房長官はこのように述べています。『陛下に在位30年の節目をお迎えいただきたい』『4月前半は人の移動や行事が多い』『統一地方選挙が4月に実施見込みであること』、さらに『昭和の日、4月29日に続くことで、我が国の営みを振り返り決意を新たにできる』と、4つの理由を挙げています」
反町キャスター
「御厨さん、いかがですか?この4月30日の退位…」
御厨氏
「うん…」
反町キャスター
「これは確定していないので、おそらく5月1日が即位の日、即位の礼になると思うのですけれども…」
御厨氏
「はい」
反町キャスター
「この日取り…」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「ないしは年度の途中と言いましょうか、元旦がよかったのかどうかという話も含めて、この日程感については、どう感じていますか?」
御厨氏
「私はいわゆる公的な立場ではないですから、もともとの研究者というか、その立場から言うと、素直に言えば、1月1日がいいのではないかなとは思っていました」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「いろいろなことはあるけれども、日本人は大晦日を迎えた時に、ああ、1年が終わったなと。次の1日から新しい年だと思いますからね。そうすると平成30年を考えるのに大晦日がいいのではないかと。その次からということは、単純にはそういうふうには考えていましたね」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「だから、4月1日というのも最初、そのあとに話が出てきた時、うーん、これも、しかし、年度の終わりというような感じで、4月の1日というのは、なんとなくそぐわないような気が私はしていて。今度は5月1日というのが出てきて、この5月1日というのは、どうして決まったのだろうというのは今日、菅官房長官の先ほどの説明みたいなのを聞くまではよくわからなかった。なぜこうなのだろうかと。大島さんもおっしゃいましたけど、おそらくいろいろな事情があって、5月1日にして、5月1日を事前において、すごく意味があったとは私は思いません」
反町キャスター
「ほほう」
御厨氏
「ただ、5月1日に決まったら、そこにいろいろなストーリーを流し込んでいくというか、平成の歴史もそうですし…」
反町キャスター
「はああ…、なるほど」
御厨氏
「それから、今回、だって、150年間行われなかった、つまり、この国が近代国家になって初めてのことですからね」
反町キャスター
「うん」
御厨氏
「そういうことの意味合いを徐々にこの5月1日という日取りに、言い方は悪いですけれども、吹き込んでいくって言うかな、それで皆で共有をしていく。だから、最初から、この日に退位するなんて、ごく当然であるという感じになっていないところが1つはミソかもしれない」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「そこにいろいろな想いを、これからずーっと入れていける。だから、『昭和の日に続くことで我が国の営みを振り返り、決意を新たにできる』ということも含めて、いやいや、そんなに3つも並べることはないではないかという話もあると思いますから、それを含めて、これはおそらく現在進行形の話ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「つまり、なぜ5月1日に決めたかということを、我々がいろいろ憶測をするのではなくて、むしろそこでどうやって、それこそ生前に退位をされて上皇さまになられてと、新しい天皇が生まれて、というふうな、この新しい事柄を…」
反町キャスター
「そうですね」
御厨氏
「この日にちにどうやって合わせて、そこからまた始まるストーリーというのをどう考えるかという、そういう考え方になっていくのではないかなと」
反町キャスター
「大島さん、確かに退位の日は決まっても、即位の日はまだ正式には決まっていないのですけれども、ただ、即位と退位の日が1週間も2週間も空くというのは、当然あり得ないわけで…」
大島議員
「総理の今日の会見で、ご退位とご即位の日が決まりました、というご発言がございましたね」
反町キャスター
「はい」
大島議員
「それは…」
反町キャスター
「翌日ということでよろしいですよね?」
大島議員
「そこに間を置いてはいけません」
反町キャスター
「そうですね」
御厨氏
「切れたらいけない…」
大島議員
「ええ、これは。だから、当然に帰結としてそうなるわけ…」
反町キャスター
「同日ということも、もちろん、ありませんよね?」
大島議員
「同日はございませんよ。それは2人の天皇があるわけではございません」
反町キャスター
「そうですよね?」
大島議員
「はい」
反町キャスター
「そうすると29、30、1という3つの日を過ぎて、再来年のゴールデンウィークというのは、これまでとは違う雰囲気で迎えることになるのではないか?」
大島議員
「そうですね」
反町キャスター
「そんな意識で、我々は見た方がよろしい?」
大島議員
「ええ。御厨先生がお話されましたように、また、先般、先生がお書きになって、ある新聞に載せたのを、非常に私は30年を区切りにして、この30年をどう自分達が振り返り、これからの30年をどうつくっていくかという、そういう捉え方をして…」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「これは日本の歴史の中でも、いろいろな節目であったと、30年目の区切りというのは。また、そういうことをお考えいただく、また、天皇のご即位で、新しい天皇が即位していただいて、国民の皆さま方もそういうことをきっかけに、どういう自分の生活、自分の、日本の姿を考えていくかという、そういうふうにお考えになっていただければ、よろしいのではないかと思いますね」
竹内キャスター
「さて、天皇退位をめぐるこれまでの議論ですが、経緯を見ていきます。政府は昨年の9月、有識者会議を設置します。御厨さんらを中心に議論が始まりました。一方、国会でも今年の1月から全体会議を設置して、大島衆院議長ら衆参正副議長を中心に取りまとめが始まり、今年3月に国会提言を総理に提出しました。有識者会議も4月に最終提言を安倍総理に提出しました。この経緯について、大島さんは文藝春秋の8月号で『御厨教授のメディアでのさまざまな発言があり、まるで国会は下請け機関ではないかという憤りを国会議員からぶつけられるようになりました』と書かれていました。大島さん、この発言の真意というのは?」
大島議員
「私ども、陛下のご発言があって以来、先輩各位さまざまな方々からのご意見をうかがいました時に、国民の総意に基づいて象徴天皇があるという憲法第1章の文面の中で国民の総意というものを考える場というのは、国権の最高機関であり、主権者である国民の皆さんから負託を受けている立法府が、それをなすべきではないかという共通した認識がだんだん生まれてまいりまして。従って、これは御厨先生の、政治学者ですから、この問題だけはというか、政局にしてはいかん、それからためにするあれにしてはいかん、国民の総意という限りにおいてはどんな小会派でも意見を聞かなければいかん、そういうことから始めて、衆参議長、副議長の下で始めました。3段階ございまして、第1段階は場づくり、ご承知のように民主主義というのは、場づくりが失敗しますと、そこからは政策の議論が齟齬をきたす場合があります。場づくりの合意をつくる、その次には中身の議論をする、それで3段階目にはまさに御厨先生達がやっていただいている中を今度、政府が受け取って、そこで政府との、これは、いわば意見調整をしていかなければいかん。この3段階に分けていく、ようやく場づくりが終わり、議論をしていく中で、これは、御厨先生は御厨先生のお立場で、ブリーファーとしての発言をしなければならない。そうすると、当然それを次の日、新聞を見ると議員、各党・各会派はせっかくそういうふうに、国民の総意を我々、皆で探そうではないかと、こういった共通した認識の時に、政治家心理、政党心理というのがありまして」
反町キャスター
「なるほど、はい」
大島議員
「それで、大変失礼ですが…」
御厨氏
「いえいえ…」
大島議員
「御厨先生が言ったからといって、我々がなぜ聞かなければいかんのか。政府の下請け機関ではないぞと、これは本当は1つの筋論としてあったと思いますので…」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「それはその通りだと私は申し上げ、そういうことで、できるだけ合意を、1つ1つ、つくっていこうと、そういうことで、ああいう発言をさせていただいた。途中で率直に申し上げて、ちょっと中身の議論を詰めていっているから政府の方のご苦労、その会議の方はちょっと休憩してくれんかということを申し上げたのも事実です」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「ええ。それはあくまでも、最終的に、先ほど言った我々は国民の総意を探る責任が憲法上から見ても立法府にありと、こういう認識の中で申し上げたことで。決して、御厨先生個人を批判したのでもなければ、怒ったのでもありませんので、どうか先生、そこはご理解いただきたい…」
御厨氏
「ああ、いや…、それはわかっております、わかっております」
反町キャスター
「大島さん、その件に関してもう1つ、要するに、今回の退位に関する特例法等々の制度的な取りまとめというのは、政府の有識者会議と国会の全体会議という、2つの会議がワッとまわっている中でまわりだしたら、有識者会議の方が外見上は、そちらの方が早くまわりだして、ちょっとこちらが先に出たかなと。でも、国権の最高機関たる国会の全体会議もちゃんとまわって追いついて同着、ないしは本当だったら、国権の最高機関の方が先んじなくてはいけないという見方、これはあったと思うんですよ。そうした中で有識者会議の先行ぶり、取りまとめるお立場からすると…」
大島議員
「ですから、有識者会議の皆さま方のご意見は、総理から私ども、受け取ったわけです。それはあくまでもこれから議論をする1つの、立法府の中での議論をする題材としていただきましょう、参考としていただきましょうという位置づけをさせていただきました。最後は法律にしなきゃならん。そこで侃々諤々の議論をまた始めると、政治はそれだけで政治が動くのではなくて、その周りの…」
御厨氏
「うん」
大島議員
「たとえば、あの時はいろいろな…」
反町キャスター
「ありましたね」
大島議員
「いわゆる共謀罪みたいなものもあった…」
反町キャスター
「はい、他の政局もあった」
大島議員
「あるわけです。ですから、先ほど、私は場づくりと言いましたが、院内では1回も会議をやっていないです」
御厨氏
「うん」
大島議員
「1回も、と言うのは失礼ですね」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「だから、全部、議長公邸を使ったので」
御厨氏
「あぁ」
大島議員
「それは、たとえば、常任委員長室でやりますと、匂いが残るんです、激しい対決の…」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「あっ、そうか、そうだ」
反町キャスター
「まだ温かい…、皆さんが来られますから」
大島議員
「ええ、そこはそういう場づくりから分けて。皆、協力してくれました」
御厨氏
「うん」
大島議員
「本当に真摯にやって、もちろん、いろいろな論争はありましたよ」
反町キャスター
「はい」
大島議員
「いろいろな論争はありましたが、御厨先生方が一生懸命やっていただいた、その報告を私どもとしては参考にさせていただくということで、引き取って、それらも踏まえて、また、議論をして、やって、立法府の意思として内閣に申し入れをして、内閣にそれを尊重していただいたという形で、ほとんど満場一致みたいな形で…」
反町キャスター
「はい、そうですね」
大島議員
「衆参が決めていただいたことに、日本の立法府をいろいろ言われる方はありますけれども、本当に真摯に皆さんが対応した姿を見た時に、うーん、やろうと思えば、こういうこともできるのだと。もちろん、または、いろいろそういうことができないのもありますけれども。私はそういう意味で、衆参の両院議長、副議長、各党各会派の姿に本当に感謝と確信をあの時、持ちました」
反町キャスター
「御厨さん、この国会における全体会議の進捗状況をどんな想いで見ていましたか?」
御厨氏
「ですから、いずれは、だって、現在、議長がおっしゃったように国会で最終的には決めなければならないことですよ」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「ただ、僕らが先行して走り始めたのは、それはそれなりの理由があって。陛下があれを言われた時に…」
反町キャスター
「8月の?」
御厨氏
「高齢であるということを盛んに強調されて。我々は、だから、それを、これは危機管理だと思って受け止めたから、それを一刻も早く始めなくてはいけないということがありましたね」
反町キャスター
「そうですね」
御厨氏
「当然、安倍総理もそういうお気持ちで、有識者会議をまず走らせるという感じだったと思うんですよ。ですから、当然、そういうのはありながら走ったんです。ただ、なかなか大島さんがおっしゃったように、メディアは結構これで燃えちゃってね」
大島議員
「フフフ…」
御厨氏
「我々の会議の、要するに、ヒアリングというのは毎回、1面から2面にドドドッと、出たわけですよ」
反町キャスター
「そうですね」
御厨氏
「これが僕らにとっても意外で…」
反町キャスター
「困っていたのですか、もしかして?」
御厨氏
「困りました。だって…」
反町キャスター
「だって、結構、味つけの濃い方をたくさん迎えて、いろいろな…」
御厨氏
「だけど、味つけの濃い方に来ていただかないと、これはまたこれで、そうした人達を外しちゃうと。だから、全部、およそ言いそうな人は全部入れたんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「それで、そこで自由に言っていただいたんですよ。だから、それはそうですが、自由に言っていただいたら、そこは…」
反町キャスター
「ニュースになりますよ、それは」
御厨氏
「ニュースになっちゃって、ニュースになっちゃってと言うのは、なりすぎて…」
反町キャスター
「はぁ」
御厨氏
「私が見ていていても、これはちょっと何か火がドンドン燃えているという」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「こうなるとなかなか処置できない。だから、早く次の、要するに、この方向性というのを言わないと、ますますと言うので。やや、これはあったのですけれども、やや先走る形で、1つの方向性を示した、これは意図的に示したと自分でも思っています」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「当然…」
反町キャスター
「意図的に示したところあたりで、大島さんの方から先ほど、ちょっと待ってよねというシグナル…」
御厨氏
「そうそう」
反町キャスター
「これをどう感じていますか?」
御厨氏
「いや、だから、来たなと…」
反町キャスター
「来たな?来たなというのはどうですか…」
御厨氏
「だから、つまり、僕は、それ以前にもいろいろなところで、現役の政治家の皆さんに会う度に、そう言われていましたからね。これは最後はというか、本来は国会が先にやらなくてはいけないこと…」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「それは、国民に自分達は選ばれている…、お前達は国民に選ばれているのではないからと」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「だから、『待っとれよ』とか、そういうのはずっとありましたから。『待っとれよ』が遂に来たなという感じでした」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「あれがあったから、逆に官邸は、僕らの、要するに、会議をちょっと止めようというブレーキを踏めたんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「そうでなかったら、メディアと我々はダンスをしているような状況でしたから」
反町キャスター
「うん」
御厨氏
「これを止めなければいけないと。それを止めるには、官邸は一応、頼んでいるのにね…」
反町キャスター
「止めろとは、なかなか言えないですよね」
御厨氏
「止めろと言えない。だから、そういう意味で、大島さんのそういう話があって、これは少し議論を控えた方がいいという、それをそうだなと、だから、2月、3月、冬眠と言いましたけれども、寝ていたわけですよ。寝ている間に、今度は国会の方がずっと追いついてきて。今度、要するに、最後に、3月にもういっぺん起き上がった時は、我々の位置づけは、最終的には、これは国会の要するに参考意見として提出しますよということを、総理から言われ、わかりましたと、それで我々の位置づけもはっきりするということで。最終的には、だから、いろいろなことがあった中で、うまく仕上がったわけです」
反町キャスター
「今日の大島さんの会見で『今後の安定的な皇室のあり方に関しては、付帯決議に基づいて政府が考えるべき』と言っています」
大島議員
「うん」
反町キャスター
「特例法の付帯決議とは何かという、ここの部分ですけれど、『皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について本法施行後速やかに…、国会に報告すること』、これは政府に対する注文が付帯決議でついているのですけれども。『付帯決議に基づいて考えるべき』というのは、つまり、女性宮家の創設等も含め、皇室の持続可能性について政府は早く結論を出しなさい、考えなさいと?」
大島議員
「これはもっと前からやるべきだというご意見もありました。私は、実は1番こだわったのは、法施行後とこう書いてある、法の施行後、つまり、国民の皆様方…」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
大島議員
「ええ、そこが1番、私としては…」
御厨氏
「うん」
大島議員
「絶対これを譲らんと言ったのはそこです」
反町キャスター
「うん」
大島議員
「それは、ご退位、ご即位を国民の皆様方と共に、今、象徴たる天皇のご存在を、国民と一緒に我々も考え、そして、敬意とそれから祝意をまずキチッとさせたうえで、そのあとにまず政府が考えてくださいと」
反町キャスター
「うん」
大島議員
「いずれにしろ、しかし、皇室の安定性という問題については、この問題が残っているということについては諮問された御厨先生達も同じ思いであり、立法府での議論も、その思いは皆、同じであると」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「その時に、女性宮家の創設等と書いたのは、いろいろな意見がある」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「あります」
大島議員
「いろいろな意見があります。男系でなければいかん…、この議論になりますと、ですから、イデオロギー的な論争になりがちであるからこそ…」
反町キャスター
「なります」
大島議員
「全部終わって、それから、冷静に皆で考えてくださいと。その間、それぞれの政党が勉強されることも構わないし、終わってから、新しい天皇がご誕生になられて、その後に皆で考えましょうということで書いたのであります」
反町キャスター
「うん。ただ、法律の施行後というのは、既に法律は施行されていますよね?」
大島議員
「…」
反町キャスター
「これはまだ…?」
大島議員
「いやいや…」
反町キャスター
「ごめんなさい、僕もよくわかっていない。退位特例法というのは退位をもって施行になるのですか?」
大島議員
「そうそう。だから、その…」
反町キャスター
「そうなのですか?まだなのですか?」
大島議員
「まだです。だから…」
反町キャスター
「今すぐ始めるという意味ではない?」
大島議員
「反町さん、ちゃんと勉強してください」
反町キャスター
「すみません」
御厨氏
「ハハハハ…」
大島議員
「だから、今日、皇室会議をやったわけです。これは施行期日を決める会議なわけですよ」
反町キャスター
「なるほど、そういうことですね?」
大島議員
「従って、それらが全部終わって」
反町キャスター
「期日が決まってからですね?」
大島議員
「終わって、新天皇が生まれた後に、皆で、国民こぞって考えましょうと」
御厨氏
「うん」
大島議員
「…簡単に言えば」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「これから準備しなきゃならん時に、たぶん御厨先生は1番、その議論をして、苦労をされた…」
反町キャスター
「はい」
大島議員
「根本的なイデオロギー的な部分というのは…」
御厨氏
「はい」
大島議員
「それはつながっていく可能性があるんですよ」
反町キャスター
「はい」
大島議員
「だから、終わってからやりましょうということで」
反町キャスター
「御厨さん、この特例法の施行日というのは退位の日になるのですか?それとも、もうちょっと前、準備期間なんかも含めると…」
御厨氏
「いやいや、準備期間はないでしょう」
反町キャスター
「ない?」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「そうすると、施行日が退位の日だと思っていいのですか?」
御厨氏
「そうそう…」
大島議員
「そうそう…」
反町キャスター
「なるほど、そこからの議論になるんですね」
大島議員
「はい」
反町キャスター
「女性宮家の創設等について議論すると言っても、2年先の話ですね?」
大島議員
「まだ…、はい。そうそう」
御厨氏
「だから」
大島議員
「それはその通りです。だから…」
御厨氏
「国会でやるということですよ」
反町キャスター
「なるほどね」
大島議員
「各党ではお勉強したって構わないです」
反町キャスター
「なるほど」
大島議員
「何でしたら(資料を)置いていきますか?」
反町キャスター
「いただきます、よろしくお願いします」
御厨氏
「ハハハハ…」

大島理森 衆議院議長の提言 『敬意と祝意』
大島議員
「国民はどう臨むべきかという、上から目線の話ではないとは思いますが。私自身、1人の国民として、今上天皇には敬意、即位される天皇には祝意、こういう気持ちでお迎えしたいと、こういう想いで下手な字で書かせていただきました」


後編

天皇と政治の関係
竹内キャスター
「ここからは天皇と政治の関係について話を聞いていきます。そもそも退位をめぐる議論のきっかけとなったのが天皇陛下の『お言葉』でした。御厨さん、陛下のお言葉によって事実上、政治が動いたということをどう見ていますか?」
御厨氏
「あのお言葉を聞くのが、最初に、NHKの7月にニュースに、報道がありましたでしょう?」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「あの時から、そこはすごく気になって。なぜ直接、天皇陛下が国民に対して話しかけなければいけないのか。うまい具合にそこが結びつくというのが、ちょっと違和感がありました」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「そこは、戦後憲法の則をちょっと超えるか、超えないか、ギリギリかなという気持ちでいましたから。ただ、それでもこれを推進しようと思ったのは、そこにあった、陛下ご自身がとにかく象徴としてのお務めをずっと追及してきたと。それがもう高齢化で、もうやがてやれなくなるという、この切羽詰まった状況というのは人道上、何かを超えてもやらなければいけないなと、それは思いました。だから、有識者会議をお引き受けしたんですよね」
竹内キャスター
「所さんはどう見ていましたか?」
所教授
「はい、私も昨年の7月のNHKの報道、8月のお言葉で知ったのですが。しかし、もっと詳しいことは文藝春秋の10月号に非常に詳しい事情がわかりまして、実は、陛下ご自身は平成22年7月の参与会議で、はっきりと譲位をしなければならないとおっしゃっていたわけですね。だから、いきなりおっしゃったのでなくて、内々に、関係者にその強いご意向を示された。なかなか、いろいろな政治的な事情もあってか、それを受けて、政治なり、あるいは国会なりが動くまでに至らなかった。だから、ギリギリまできて、当初は70半ばにして言われたことが、80を過ぎても表に出なかった」
反町キャスター
「はい」
所教授
「結果的にギリギリのところでおっしゃったのだと思います」
反町キャスター
「所さん、憲法第4条になるのですけれども、天皇はこの憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない…」
所教授
「はい」
反町キャスター
「僕らがなぜこういう問題を皆さんに聞くのかと言うと、この4条との向き合いの話になります。お言葉があり、政治が動いたと、見える部分において、国政に関する権能を有したのかどうか、ここですよ」
所教授
「そうですね。ここが非常に大事なところで、そもそもこれ『国政に関する権能』というのは、どういうことかと言えば、もっと具体的な政策とかに関わることであって…」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「実は、皇位というのは、憲法の第1条で象徴とされて、第2条で世襲と書いてあるわけですから、世襲の地位を必ず次のバトンタッチをすることは決して国政に関することではないと思うんですね」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「むしろ象徴たる役割を万全に果たしてきた、これを次にちゃんとバトンタッチしてほしいということを、しかも、これを本当に自分の想いと漏らされただけで、制度を変えろとおっしゃったわけではなかった。だけど、それを聞いた多くの国民が、陛下のお気持ちは、全力で象徴たる役割を果たしてきた、これを次にも果たしてほしいという想いを述べておられるのだなとわかったわけですね。それに国民の多くが理解と共感を示した。結果として、政治が動いたということですから、このことには何ら抵触しないと思います」
反町キャスター
「御厨さん、いかがですか?」
御厨氏
「うん、それはその部分はあると思います。ただ、この『国政に関する権能』というのは、いかようにも理解できるところで…」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「皇位が代われば、それは国政についての、直接的かどうかは別にして、影響力というのは、それは変わりますよ、当然。だから、それをこれまでは崩御原則ということによって、まさにこれを保証してきたわけ、『国政に関する権能を有しない』と」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「つまり、亡くなられたら代わるというのは、これはすごくネジとしてはキチッとねじ込んであるわけです。ところが結局、今回のようなことになるとネジが緩むわけね」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「緩んだ場合、今回は陛下のご意思もよくわかり、間違いなく陛下がされてきたことについても国民は知り、そのうえで、しかも、80%から90%の人が、陛下、どうぞお休みくださいと言ったわけですよ」
反町キャスター
「はい」
御厨氏
「だから、そのあと一瀉千里にきましたけれど、国民に直接話しかけるという方法で、あれ以外の、より政治に近いようなことで、もし陛下がご発言になったら、これは間違いなく『国政に関する権能』にもろぶつかるわけです」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「だから、所先生が言われたのは非常に正しく、あの問題に関して言えば、そこがギリギリ、だから、私もそう思ったけれども、それに該当しないと思いました」
反町キャスター
「うん。それは、特例法、いわばワンショットの法律、形式上は…」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「そういうことにしたというのも、この憲法4条…」
御厨氏
「うん」
反町キャスター
「それを、たとえば、恒久法にして、いつでも退位できるようになると、ケースによっては国政に関する権能を有するグレーゾーンが出てくるかもしれない、そういう懸念があったということでよろしいのですか?」
御厨氏
「その懸念もありましたし。同時に言えることは、できるだけ最短距離で、とにかく実現しなければならないという時に、これからの天皇が皆、崩御原則と並んで、要するに、退位原則なり、譲位原則と言いましょうか、これがもう1つ入ってくることによって、絶対にこの崩御原則が揺らぐわけですよ」
反町キャスター
「うん」
御厨氏
「その事態をできる限り避ける、相変わらず崩御原則だけれども、とりあえずは今の陛下ということで考えると、これは1代限りですよ」
反町キャスター
「なるほど」
御厨氏
「しかも、それを特例法でやったら極めて使いやすい。皇室典範の改正となると、これは議論が出てきます。しかも、そこだけ改正するのですかと。それをやるのだったら、もっと他のところも、いろいろ問題ではないですかと言ってきたら、言って、その議論を始めたら、これは一朝一夕では終わらないと思いました」

25年ぶり『皇室会議』 『退位』と『その後』
反町キャスター
「もう1つ、上皇と天皇の二重権威になるのではないかという話ですが、その件に関して、昨日、秋篠宮さまが会見で、こういうことを話しています。『陛下はもともと、譲位をする時には、それまでされていた国事行為をはじめ、全ての公的な活動を次の天皇に譲るという気持ちを持っておられました。そのことからも二重権威はあり得ないと、私は、それははっきりと言えます』と、秋篠宮さまは、このように会見で発言されているのですけれども。上皇、天皇、秋篠宮さまは皇嗣となられるわけですけれども、その権威の分散、ないしは権威の2重、3重の構造、そこは、所さんは全然心配はされませんか?」
所教授
「そうです。大事なことは、陛下ご自身が象徴天皇たる責任と役割を全て、次の天皇、現在の皇太子に譲るとおっしゃっておられるわけですね。私も、そのことを信頼すべきだと思います」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「同時に、それを受けて立たれる皇太子さまもそう思っておられると思いますし、また、ご発言になった秋篠宮さまもそう思われておられる。つまり、当事者は必ず天皇を立てて、それでその下に可能な限り、それぞれの役割を、上皇は上皇として、あるいは皇嗣は皇嗣としてされようとしておられるわけですから、問題はそれを見る、もしくはそれを見守る、我々の側にあって、我々が何かそれを2重だとか、3重だと理解しないで、あくまで天皇はオンリーワンなんですね。天皇がまさに天皇という役割を果たされるうえでそれに類似なことがあっては、それは天皇ではなくて、あくまで上皇として、皇嗣としてなさっておられるのだということの理解の仕方を明確にしていけば、何ら問題ないと思います」
反町キャスター
「たとえば、上皇と天皇と皇嗣という、この3つがあることによって、それぞれのせめぎ合いみたいなことが起きるかという、ある意味で、うがった見方をどうしてもメディアの人間というのはするのですけれど、所さんとして、こういう議論が出ることをどう感じますか?そういう疑問も、ちゃんと我々の間で議論をして、それに対してキチッと専門家の皆さんが懸念を共有し、それに対して懸念を消去していくプロセスを、それを是とするのか?そもそも、そういう議論自体がこれはおかしいのではないかとか、どう感じますか?」
所教授
「いえ、そうではなくて。実はまさに、御厨先生が非常に苦労されました、あの有識者会議とか、ヒアリングというのは、そこで皆さんの懸念とか意見が出たわけですね」
反町キャスター
「出ました」
所教授
「それにも関わらず、結果として意見が集約され、ちゃんとした特別法ができたわけです。と言うことは、そういうことは確かに懸念はされるけれど、それにこだわっておったのでは、本当に象徴天皇制というものがきちんと続いていかないということを、皆さん、理解されたうえで、ああいう特例法ができたわけですね」
反町キャスター
「うん」
所教授
「我々、法というものができるまでのプロセスでいろいろな議論をしていいですが、できあがった以上、それをまさに守る形で、これが、天皇が中心となられ、上皇とか、皇嗣がその脇におられて成り立っていく、新しい皇室像というものを我々はしっかりと見守っていけばいいと思います」
竹内キャスター
「現在の皇室は、天皇陛下を含め17人、未婚の皇族は悠仁さまを除くと7人全員が女性となっています。眞子さまのご婚約も内定し、今後もご結婚などにより皇族が減っていく中、御厨さん…」
御厨氏
「はい」
竹内キャスター
「皇統の維持をしていくためには、何が必要なのでしょうか?」
御厨氏
「うん、ですから、これは我々の会議の時も最後のところでたぶん言ったように、すぐにもその皇統をどうしたらいいか、我々が常に考えている問題に移ってほしいというのはありました。大島さんは、要するに、法の施行後と言ったけれども、法の施行を待っていたら遅いと思ったから、要するに、我々の会議が一応は閉じるけれども、夏ぐらいからやってほしいという気持ちはあったので、これは私だけではありません。今井座長以下、他の委員も皆、同じ気持ちで。要するに、なるべく速やかに始めてほしいと。現在まさに天皇の問題と、それから、その跡継ぎ問題、あるいは、そういう問題に、皆、割と関心が集まっている、現在がチャンスだと、議論を始める。これはいったん静まっちゃうとなかなか火をおこすのは大変だから。大島さんは、ああ言われたけれども、2年後というか、法施行後までいくと、なかなかもういっぺん火おこしをするのは実は難しいと、私は思っています」
反町キャスター
「所さん、いかがですか?」
所教授
「まったくおっしゃる通りでして、実は随分、手遅れとは言いませんが、非常に時間がかかり過ぎていると思います。もっともっと早くから将来を見越して、どうしたらいいかを考えるべきだったと思うんですね」
反町キャスター
「はい」
所教授
「特に今回、現状で大事なのは、明らかに現在、皇位継承者はおられるわけです、おられる間に…」
御厨氏
「そう」
所教授
「将来どうなっていくかと考えたなら、今の制度はキチッとしているというより、し過ぎていて、非常に間口が狭くなっているわけですね。あまり狭くなりすぎますと行き詰まってします。そうすると、それをもう少し広げておいた方が結果的には長続きするということは普通に考えてもわかることですから、そうすると、現在の皇太子さま、秋篠宮さま、悠仁さままでは、それでちゃんと続いていくとして、その先を続けていくためにはどうしたらいいのか。その時に大事なことは歴史を踏まえて同時に未来を展望する。そのためには、実は長い間の皇室の中には女性天皇もおられたのだから、可能性まではまず認めると」
反町キャスター
「うん」
所教授
「しかし、男系か、女系かという問題はもっと先の話ですから」
御厨氏
「うん」
所教授
「それはまたその時に考えたらよいということであまりに閉じ過ぎた、カッチリし過ぎた制度をもう少し広げておくということをもっと早くすべきでしたけれども、現在からでも遅くないし、御厨先生がおっしゃったように、もう1年、2年も待たずして、直ちにしていただければありがたいと思います」
反町キャスター
「所さん、この付帯決議に入っている『女性宮家の創設等』というのは、お世継ぎの話ではなくて…」
所教授
「ないです」
反町キャスター
「いわゆる皇室の行事をやる人達、人数が足りなくなるから、女性宮家を創設するなどして、要するに、さまざまな行事に行く皇族の数をとりあえずキープしましょうと、確保しましょうという、このお話だと思うのですけれども…」
所教授
「そうですね」
反町キャスター
「今の所さんの話は、女性宮家による当面の行事をご担当される皇族の数の確保ではなくて、その先の世継ぎの話、そこまで、法律的な準備をしなくてはいけないと、ここの話ですよね?」
所教授
「ええ、両方あります」
反町キャスター
「はい」
所教授
「たとえば、今回、秋篠宮家の眞子さまが結婚される、民間人になられる。すると、妹さまはどうなさるのか、他の女性がどうなさるかを考えたら、現在のままでいけば、ほとんど全部、出ていってしまわれる」
反町キャスター
「はい」
所教授
「おそらく20年後には悠仁さま以外に若い方はおられないということを考えれば、いわゆる女性宮家を創設するなどということではなく、現在ある宮家を継承していただくというようなことが必要になる」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「そういう意味で、たとえば、現在は秋篠宮家は残りますけれども、やがて皇位につかれるとか、あるいは悠仁さまが、皇太子、天皇になられたら秋篠宮家はなくなってしまうわけですね。そういう意味で、宮家が続いていくこと、それが現在おっしゃった、後続の役割を分担されることになりますね。そういうことを考えながらいけば、おそらく将来的に悠仁さまを支える人々が周辺におられるということが大事なんですね。そういう意味で、まずは皇室の活動を十全ならしめるために、女性にもその可能性を担っていただく。しかし、将来的には万一、男性が本当に継承者としておられなくなることが考えられるならば、その可能性も開いておくと、そこまでいってからでは遅いわけですね。そういう意味で、おそらく制度そのものの改正は相当早くからして。実は私どももそうですけれども、おそらく皇室の方々も、そのお生まれではありますけれど、実はそのつもりで皇室に残るのか、出るのかということがわかっていないと、ご教育にしても、お心にしても変わってくると思うんですね」
反町キャスター
「はい」
所教授
「そういう意味で、現在の愛子さまにしても、あるいは他の方々もいずれは出るのだということでお育てになるのか、それとも残られることになるのか…」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「…大きな違いだと思います」
反町キャスター
「ただ、話を聞いていると、人手としての女性宮家なのか、お世継ぎとしての女性天皇も視野に入れたものなのか、僕は大きく段差があると思うのですけれども、上まで1度にやらないといけないのですか?」
所教授
「いや、だから、問題はそのことをリアルに考えますと、つまり、物事は一挙に何もかも解決できるわけではありません」
反町キャスター
「はい」
所教授
「当面は皇室活動の担い手としての皇族女子あるいは皇族としてお残りいただくことが当面の課題ですよね」
反町キャスター
「うん」
所教授
「だけど、皇位継承問題というのは2代、3代先まで見越せますから…」
反町キャスター
「なるほど」
所教授
「そこまでは現状でいけるだろうと。では、その先にどうするかということが、その段階でまた考えたらよい。しかし、それは、考えたらよいということは制度を直しておかないとできないことですから。そういう意味では、皇室典範の改正問題というのは、いくつかの段階があって、それは今回のことも、そういう意味では、皇室典範と一体を成す特別法、特例法ですけれど、明らかに皇室典範の改正の第一歩を踏み出したと考えていいと思うんですね」
反町キャスター
「うん」
所教授
「けれど、それはあくまでも原則を残して、いわば特例をつくったわけですから、このことも大事ですね。原則は大事にしていく。けれど、同時に原則には例外があり得る、その例外をどこまでどう認めていくかということが大事だと思います」

御厨貴 東京大学先端科学技術研究センター客員教授の提言 『よりそうこと』
御厨氏
「私は『よりそうこと』と。寄り添うことというのは、国民が天皇に寄り添い、天皇がまた国民に寄り添うという形で、その心を通わせることが、たぶん今後ともに天皇制が安定して継続していくことの所以だと思いますので、寄り添うというその言葉、一言で表現をいたしました」

所功 モラロジー研究所教授の提言 『高齢譲位の新例が未来を拓く』
所教授
「私は、今回の陛下のご意向、もしくは法律ができましたことは、実は退位とか、譲位、一般ではなくて、高齢化社会におけるまさに典型的な問題を提起されたことになると思います。そういう意味では、今回は、敢えて言えば、『高齢譲位』だと思うんですね。言葉として退位という言葉を使うのではなく、単にお退きになるだけではなく、次の方にちゃんとバトンタッチができるという意味で『高齢譲位』。しかも、それがまさにまったく新しい例として拓かれたわけですが、これを今後とも先例となっていくことが望まれる。それがまさに皇室の未来を拓くことになると思います」