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2017年11月28日(火)
日米兵器導入の舞台裏 『最新鋭』に潜むワナ

ゲスト

宇都隆史
前参議院外交防衛委員会委員長
織田邦男
元空将 元航空支援集団司令官
尾上定正
元空将 前航空自衛隊補給本部長

防衛装備導入の舞台裏 『輸入』急増の背景と余波
秋元キャスター
「今月6日、日米首脳会談の共同会見で、トランプ大統領は日米同盟についての質問に、『私が重要だと考えていることの1つは、日本の首相が大量の防衛装備をアメリカから買うことです』と答えています。そこで今夜は輸入か、国産か、日本が選択すべき防衛装備のバランスと、その先の安全保障の形についてじっくり考えていきます。日本周辺の安全保障環境が大きく変化していく中で、防衛省・自衛隊は新たな装備の導入を進めているわけですけれども。戦車や戦闘機などの兵器から制服に至るまで全ての装備品の調達方法が5つの方法に分類されるんですね。まず国産と輸入に分かれるのですが、国産の中には、たとえば、我が国だけで開発・製造する国内開発、外国企業の技術を導入し国内で製造をするライセンス生産、開発は他国と共同で行って製造は国内で行うという共同開発、この3つがあります。一方、輸入では、外国の防衛装備を外国の政府から調達するというFMS、日本語で有償軍事援助と呼ばれるものがあります。もう1つが、DCS、これは外国の民間企業から直接購入するものということなのですが。近年、FMS、つまり、外国の政府から調達する方法の比率の増大に注目が集まっているんです。このFMSが予算全体で占める割合の比率の変化を見ていきますとFMS、1000億円を超えました2012年度から急増傾向にありまして、2015年度には4705億円、14.3%と大きく伸びています。2018年度の概算要求も4804億円と、14.4%となっているんですね。まずは尾上さん、なぜこのFMSが急増する傾向にあるのでしょうか?その背景には何があるのでしょう?」
尾上氏
「もともとFMSは政府間の援助という形で、有償ではありますけれども、援助で、秘匿を要する秘の物件はFMSでしか調達できないという仕組みでした。なので、たとえば、暗号装置ですとか、火器管制コンピューターという秘匿度の高いもの、コンポーネントをFNSで調達していたわけですけれども。近年の主要装備品は、秘の塊と、F-35で言えば、ステルス形状、ステルス塗料、全てが秘の塊ということで、最新の装備においてはFMSで丸ごと買うしか仕方がないということで、このグラフの伸びを見ていると、まさにF-35の調達が始まった時期に合わせて、他にもたくさん、FMSで、主要装備品を購入するようになりましたけれども、それが如実に表れていると思います」
反町キャスター
「基本的な質問を1つだけ確認させてほしいのですけれども、たとえば、F-35に限らず、秘密性が高いものというのは、ロッキードならロッキード、マクドナル・ダグラスならダグラスがつくっているもの、そこから直接は買えないんですね?」
尾上氏
「直接は買えません」
反町キャスター
「買えない?」
尾上氏
「それがもうアメリカ政府の方針なんです」
反町キャスター
「そうすると、民間企業でつくっているにも関わらず、買う時にはアメリカ政府の許可を得て、アメリカ政府から買う形になる?」
尾上氏
「その通りです。たとえば、F-35を現在、三菱重工さんが、最終組立機能試験ということで、名古屋でつくっていますが、それはロッキード・マーチンの下請けとして契約して、つくっています」
反町キャスター
「なるほど」
尾上氏
「秘のセキュリティに関わる話とか、全てアメリカ政府が要求するスタンダードでつくっています。それをロッキード・マーチンに納入をして、ロッキード・マーチンはアメリカ政府に納入をして、それが日本政府に納入されると」
反町キャスター
「では、工場が日本にあると言っても、事実上、アメリカが日本にあるようなものなのですね?」
尾上氏
「端的に言うと、そうですね」
秋元キャスター
「アメリカ側にとってみたら、政府を間に入れることによってどういうことが…?」
尾上氏
「もともとMDA協定、相互援助防衛協定という、しっかりした枠組みが日米政府間で決まっておりまして。その秘の物件に対する秘密保全の措置は日本政府としてきちんと守らなければいけない話なんですね。なので、政府間でのみ提供される防衛装備品と、特別な扱いを政府としてやりますという前提の下で供与を受けているということになります」
反町キャスター
「供与と言うとタダみたいですけれど」
尾上氏
「高い買い物ですけれども…」
反町キャスター
「高い供与ですよね?」
尾上氏
「有償ですね」
反町キャスター
「たとえば、ロッキード・マーチンがアメリカ空軍に売っている値段と、日本に売る値段というのは、政府が噛んでいるので、異様に高くなっている可能性もありますよね?」
尾上氏
「そのへんがFMS制度の難しいところというか…」
反町キャスター
「なるほど」
尾上氏
「我々の歯がゆいところでもあります」
反町キャスター
「FMSの増加の問題点というのは、どこだと感じていますか?」
尾上氏
「もちろん、お金が全部、アメリカの軍事産業にいくわけですから、国内の防衛産業に対する育成、あるいは基盤の維持ということにはあまりなりません」
反町キャスター
「なるほど、うん」
尾上氏
「それから、先ほど、出てきた価格の話。また、援助という形でアメリカ政府の方が主導的に、主体的に運用しますので、たとえば、民間の契約であれば納期をきちんと守らなければいけないとか、あるいは品質保証の話とか、そういう話が当たり前のように出てくるのですけれども…」
反町キャスター
「ですよね?」
尾上氏
「そこはアメリカの方の運用で我々の要求に必ずしも合致しない場面もあります。 納期が遅れるとかですね」
反町キャスター
「言葉は悪いですけれど、言いなりなんですね、はっきり言っちゃうと?」
尾上氏
「残念ながら、そういう実態はあると思います」
反町キャスター
「織田さん、F-15をアメリカから日本が購入する場合、これも、FMS、政府からの購入だったわけですよね?」
織田氏
「ライセンス生産です」
反町キャスター
「ライセンス生産?」
織田氏
「はい」
反町キャスター
「では、それはFMSとはまたちょっと違う形になるわけですね?」
織田氏
「はい。ライセンス生産というのは基本的に設計図を買って、国内でつくると」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、現在、三菱重工はFACOという設備があるのですが、あれは基本的にはロッキードの下請けとしての…」
反町キャスター
「工場として?なるほど…」
織田氏
「はい。だから、ライセンスはまったく…、設計図はまったくありません。そうしますと、何が問題かと言ったら、私は現場の人間だったから、現場としては、即戦力がほしいです。つまり、命をはってやっているんですから、明日、敵と見舞うかもしれないということで1番いいヤツを早くほしいと」
反町キャスター
「そうですね」
織田氏
「それしか私は考えていませんでしたが、空幕でいろいろ後方とかも勉強しますと、戦力というのは正面装備の優劣だけではないですよ。いい整備をする、すごく大きなところなんです。まさにロジスティックですよね。旧軍の失敗と言ったら、情報と兵站を軽視したこと、1番大きな教訓であるんですけれど。これはF-35のケースで言いますと、F-35はまったくどこがどうなっているかはわかりません、組立だけ三菱重工でやりますと、こういう話ですね。そうしたら、それを飛ばした時、維持・整備をどうすんのと言ったら、維持・整備までFMSなんですよ」
反町キャスター
「修理する時も、アメリカの指定した工場に出す? 」
織田氏
「ええ。だから…」
反町キャスター
「どんな修理が行われているかもわからない?」
織田氏
「細部はわからない。現在、F-15であれば、ライセンス生産ですから、どこが壊れたと言ったら、その部品までつくっているわけですよ」
反町キャスター
「ああ、日本で?」
織田氏
「日本で」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、自由にこうできるんですね。ところが、F-35でありますと、これは初めてのケースですから、どうなるかわかりませんが、稼働率をFMSで買うわけです、稼働率。90%の稼働率をいくらで買う。そのいくらで買う値段なんて言うのはわからないですよね、それが適切かどうかというのは?」
反町キャスター
「そうですよね」
織田氏
「今後どうなるかと言うのは、吹っかけられた時に、それを払わざるを得ない」
反町キャスター
「吹っかけているかどうかもわからない?」
織田氏
「わからない、うん。だいたい吹っかけるんですよ、過去の例から…」
反町キャスター
「それはそうでしょうね、売る側だったら吹っかけますものね?」
織田氏
「ええ。あと、たとえば、ネットワーク端末が、JTRSと言うので、JTRS端末を入れるということを決めて、決める前にアメリカとやりとりで値段を聞いたら一億数千万だったそうです、決めた途端に、その倍の、倍以上の2億7000万円になったと、何なのだということで、揉めて。それはたまたま気迫のある先輩がアメリカに文句を言って、政治レベルまで上ったら、元の値段に下がったということですけれども。2倍、3倍になってもわかんないし、その価格は…」
反町キャスター
「織田さん、FMS、外国政府からの調達、F-35の例で聞くと、それは向こうの言っている日本への売却価格というのが明らかにアメリカ国内でアメリカ政府向けに売っている価格よりも高いとわかっている時に、値下げ交渉、現在言われたようなものというのは縦横無尽にできるものですか?」
織田氏
「あの…」
反町キャスター
「それとも、言われたような例はすごく稀で、つまり、F-35、日本はアメリカに値引き交渉できるのですか?ここはどうなのですか?」
織田氏
「それは、アメリカというのは日米同盟だから便宜をはかってくれるだろうと思っている節が、反町さんにうかがいますが…」
反町キャスター
「いや、それは別かなと」
織田氏
「…ビジネスです、ビジネスですよ、基本的には」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「はい、だから、日米同盟だからと言って、値引きしたりすることはないです。むしろ日本の足元を見て、これしか買うものないよねと言ったら、値段はつり上げてくる可能性があるんです。それはまさにブラックボックスで、中に手を突っ込めないところがありまして。以前、私が現役の時も会計検査が向こうに乗り込んだ時がありました。なしのつぶてで帰って来て…」
反町キャスター
「たとえば、アメリカ空軍がF-35を購入する時100億円だとしましょう。100億円でアメリカ空軍が買うのだけれども、ロッキード・マーチンが不満を言った時に、いや、お前ら、日本には300(億円)で売ってやるからというふうな、そういう商売をアメリカ政府はロッキード・マーチンとディールする可能性はあるのですか?」
織田氏
「十分あります、それは、うん」
反町キャスター
「自分に安く売って、その分、日本から金をとれと?」
織田氏
「うん。だから、米軍に入れている価格とまったく同じというのは、日本のイージス・システムぐらいではないですか?」
反町キャスター
「ほう。イージス・システムはなぜ同じ値段?」
織田氏
「たぶんそれは第7艦隊の、有力な、アシストだから、と私は思うんですね」
反町キャスター
「なるほど。そうした中で、この間の日米首脳会談の時のトランプさんと安倍さんのこの発言ですけれども。トランプ大統領は『日本の首相が大量の防衛装備を買うことなんだ』と言って、総理は総理で『アメリカからさらに購入していくことになる』という、防衛装備にも関わらず、ほとんど日米通商交渉ですよ、これは…」
織田氏
「ハハ…」
反町キャスター
「純然たると言うか、性能とか、コストパフォーマンスとか、そういうものによって、国を守るか、守らないかというツールであるはずの防衛装備品が、ここの場面だけで見てみるとビジネスになっていますよね?」
宇都議員
「うん」
反町キャスター
「そのビジネスになっていることに関しては、我々は危惧は持たなくていいのですか?」
宇都議員
「ただ、両先輩方に聞くのが詳しいのでしょうけれど、海外においては、この防衛産業の現場というのはまさに国家の国富を、外貨をとるための非常に重要な産業手段になっているのは事実ですね。これは別に北朝鮮だけに限らず先進諸国も含めて。だから、このバーゲンというのに対して事実に向き合うという姿勢も日本にとって必要なのだろうとは思います」

『国産』の意義と未来は
秋元キャスター
「先ほども紹介したように防衛装備の輸入の額というのが急増しているのですけれども、こちらの装備については、これまでも国産化率が比較的高いものです。織田さん、日本の国内での開発・生産の能力はどう見ていますか?」
織田氏
「うん、まず国産のメリットは大きいと思うのですけれども。我々、日本の防衛戦略というのは、必ずしもアメリカと一緒ではないです。我々の防衛戦略があって、作戦構想があるわけです。それを遂行するために兵器があるわけですね、装備品が。それは、防衛戦略も違うし、作戦構想も違えば、おのずと要求されるものは変わってくるわけですよ。だから、1番合致したのを手にしようとしたら国産が1番いいわけですよ」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「マッカーサーが独立までの7年間、飛行機産業、航空機産業、あるいは技術についてまったく2度と立てない国にしてやろうという方針がありましたから、7年間の空白があるんですね。これまではその7年間をできるだけ圧縮しようという努力の歴史だったんですよ。それでライセンス国産を入れ、技術を我がものにしと、そういう歴史だったんです。これからを考えてみますとF-35になり、あるいはFMSが増えてくることによって、その流れが途切れると非常に弱い立場になりますよ」
反町キャスター
「国産でつくっている、戦車とか、支援戦闘機というものの技術水準…」
織田氏
「うん」
反町キャスター
「日本の戦車は、たとえば、アメリカの戦車とか、ドイツの戦車とか、ロシアの戦車とかに比べると性能的にはどうなのですか?」
織田氏
「戦闘機の話で言いますとわかりやすいから、世界一のものはつくれませんよ、日本は」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「F-35より上まわるものはできないかもしれない。しかしながら正面装備の優劣だけではないですよ、戦力というのは」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「それを支える維持・整備能力、何より戦場で傷ついた戦闘機を直すのは自衛隊ではないですよ、それは現在、民間企業ですよ」
反町キャスター
「なるほど、」
織田氏
「三菱を頂点とする、1500社の下請けがこれを支えている防衛産業ですね」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「これがなくなると、その技術的な水準もガーンと落ちてしまうというと、直すところがなくなる」
反町キャスター
「尾上さん、いかがですか?日本国内の、防衛装備生産産業、防衛装備産業、技術的な水準というのはどのようにあると見ていますか?」
尾上氏
「非常に高いものもありますし、織田さんが言われた、最強のものはつくれないというのは、実戦経験がありませんので、これが、兵器にとって1番の性能の証明は実戦で使われて、ちゃんと機能したということですから」
反町キャスター
「なるほど」
尾上氏
「それをつくろうと思うと、単なる要素技術の寄せ集めで、足したらできるかということではないですね。だから、システムインテグレーションの技術というものが必要ですし。そこには戦っていく中で培われてくるノウハウというものも活かされていかなければならないと。だから、これは立場がちょっと織田さんと逆転してしまっているのですけが、運用の人から言うと、そういう信頼できる装備品が必要だということにたぶんなるだろうと思います」
織田氏
「私も、言葉足らずだったので付け加えさせていただきたいのですが。世界一のものはできません、しかしながら40年使うわけですよね、50年と、そうすると状況、国際環境、あるいは技術レベルが変わってくる、ドンドン、アップグレードしていかなければいかんのですね」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「それができるのは国産ですね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、それは余地があるわけですよ。F-2の例で申しますと、F-2ができた時に、私、資格を持っていないから後席に乗せていただきました。そうしますと、なんだ、こんなチンケな飛行機は?と私、正直、パイロットとして思いました」
反町キャスター
「それは前にF-4に乗っていた時…」
織田氏
「ええ」
反町キャスター
「F-4と比較すると、という意味ですか?」
織田氏
「…比較するとあらゆる、いわゆる戦闘能力としてね」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「しかしながらそれから20年経って、開発集団司令官で乗ったらこんなに変わるものなのかと、いいように…」
反町キャスター
「改良されて?」
織田氏
「そういうことです」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、それは自在に改良ができるわけですよ」
反町キャスター
「国産だからね?」
織田氏
「国産だから」
反町キャスター
「宇都さん、いかがですか?国産品というのも変ですけれど、国内生産された防衛装備品の評価、どんなふうに感じています?」
宇都議員
「いや、非常に高いものもあると思います。たとえば、ここに出ている、戦車なんていうのは、戦車をまともに全部つくれる国はほとんどありません」
反町キャスター
「ほう、そういうものなのですか?」
宇都議員
「潜水艦もそうですよね、結局オーストラリアでも自分でつくれないから買うわけですから。だから、本当に1つの兵器として一体構造でつくれるという、それをまた中小企業がキチッと技術として下支えしているという意味で非常に層の分厚い力を持っていると思うんですね。つくり続けることの最大のメリットは、1つつくってみて、その知見をまた次の開発に活かせるわけですから。戦車についても74式戦車から次々と、3代の10になっていますし、潜水艦に至ってもドンドン新しいものができて、今やリチウム電池式の最新型と、ああいうのもつくり続けるから、職人のノウハウが受け継がれていってできると。だから、急につくれと言ってもできないですし、1回つくっても、30年、40年、次の開発をしないで放ったらかしておけば、それはゼロになっちゃうという世界なのだろうと思います」
反町キャスター
「現在の自衛隊は、自らの工場、製造現場は持っていないのですか?」
尾上氏
「持っていません」
反町キャスター
「アメリカは持っているのですか?」
尾上氏
「持っています。どの程度まで自前でやるかというレベルはもちろん、ありますけれども」
反町キャスター
「ただ、持っていれば、有事の際とかに、緊急の修理とか、応用みたいなものというのは、軍の中の工場でできるわけですよね?」
尾上氏
「やりますね」
反町キャスター
「それが即応性につながって、形勢などにつながるわけではないですか。日本の自衛隊というのは、そのバックアップとなる工場、技術面の部分というのは全部、民間企業に委ねているのですか?」
尾上氏
「その通りです。だから…」
反町キャスター
「ちょっと…、これはまずい話ですよね?」
宇都議員
「でも、その通りです。はい、それが事実です」
反町キャスター
「それはあまり議論にはならないもの?」
宇都議員
「いや、すごく議論になります。特にこの運用の現場では最大の問題で、有事になった時に民間企業との連携というのを本当にどうしていくのかというのは…」
反町キャスター
「有事になった時の民間との連携をどうしようという議論になるのですか?」
宇都議員
「うん…」
反町キャスター
「自らの工場を持つべきかどうかという議論にはならないのですか?」
宇都議員
「そこにまでは至っているという話は聞かないですね」
反町キャスター
「予算の問題ですか、はっきり言っちゃうと?」
宇都議員
「うーん…」
反町キャスター
「ないし自衛隊が工廠を持つこと、工場を持つことに対する異論が政府内にもあるのですか?」
宇都議員
「いや、そういう異論…」
尾上氏
「…わけでもないですね」
尾上氏
「ただ、効率からいくと、自前で持つよりは、たとえば、自衛官を退職した方が予備自衛官となって、工場に入って、やるといったような形はできると思いますし。現在、アイランという外注整備を、ある一定期間、運用した機体については三菱さんとか、川重さんに搬入をして、大きな修理をやるんですね、塗装、再塗装したり。これもこれまでのやり方ではなくて、部隊がやる整備と、そういう会社がやるアイランとを足し合わせて、一緒になってできないのかというような発想というのはあると思います。これによって、先ほど言われた、有事の時のロジスティックスの強靭性を高めるといったような効果も得られます。だから、そういう方向に発展させていくべきだと思います」
反町キャスター
「織田さん、あまり時間がないですけれども、1問…」
織田氏
「はい」
反町キャスター
「飛行機に乗って飛んで帰って来る時に、ずっと戦闘状態が続いたら、どこか壊れたり、どこか修理する時に、その度に民間に持っていくというのは実際の有事の際には…」
織田氏
「いや、それは、部隊レベルでできるものと、できないものとがあるんですよ」
反町キャスター
「もちろん」
織田氏
「それは、だから、部品の交換だとか、簡単な交換とか、レーダーの交換とか、そういうものはこれまでのライセンス国産ではできていた。それが、F- 35ではドアも開くことができないですから…」
反町キャスター
「触れない?」
織田氏
「触れない。だから、それは三菱に持っていかないと」

防衛装備導入『第3の手』『共同開発』の損得とワナ
秋元キャスター
「国産の1つとして、他の国との共同開発という方法があるんですね。たとえば、F-2戦闘機ですけれど、もともとは純国産の戦闘機・FSXとして計画をされていたのですが、アメリカが共同開発を主張してきて、アメリカ製のF-16戦闘機をベースに、国産の電子機器やミサイルを搭載可能にして、1995年にF-2戦闘機として完成したという流れでした。これまでに98機が製造され、現在もそのほとんどが第一線で運用されているということですけれども。織田さん、もともと国産だったものが共同開発になっていった経緯、どう見ていますか?」
織田氏
「これは1980年代後半…、中頃、どういう状況だったかと言うとアメリカは貿易赤字、双子の赤字と言われて、アメリカでは日本車が席巻していると。アメリカの危機感としては、また、自動車産業だけではなくて、航空機産業、戦闘機産業もとられるのではないかという、いわゆる警戒心があったんですね。そこで国内開発をするというのが出てきて、政治問題化されたんですね」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「我々、防衛戦略を考え、作戦構想を考え、運用要求をガチガチに固めて、それでやったら、一夜にして2発のエンジンが必要だというのに、1発になったわけですよ」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「だから、何なのだ、我々の作戦構想はと、こういう話になるのですが。それは当時の政治状況を見たら、しょうがないと思うのですけれど。我々よくこの教訓から何を学びとるかということを考えなければいけないのですけれど、当時、何があったかと言うと、FMS、同盟国だから日本に手厚くしてくれるだろうと思っていたら大間違い、これはビジネスですから、あの時、何があったかと言うと、F-16を買わせたかったんですね」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「買わせたかったんですよ。それでF-16をベースとした共同開発にしましょうということで、それは日本が働きかけ、結局それで合意しました。でも、アメリカは諦めていなかった。なぜかと言うと、共同開発で、さあ、つくろうとしたら、いわゆるフライトの、フライトのソースコードがあるのですが、ソフトウェアですね、簡単に言えば、それをリリースしないと言う」
反町キャスター
「えっ?」
織田氏
「リリースしないと、そうするとできないですよ」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「それで、そこで、私は大したものだなと思ったのは、その前に、T-2を使って、いわゆるCCVという特殊な動きをするのを開発していたんです。そこでノウハウがあった」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「だから、3年間遅れましたけれども、いいよと…」
反町キャスター
「あっ、アメリカのその嫌がらせに負けなかった?」
織田氏
「一矢報いたわけですよ」
反町キャスター
「ヒヒヒ…」
織田氏
「だから、そういう経緯があったんですね」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「だから、非常にビジネスだということを考えておかないといけない」
反町キャスター
「うん」
織田氏
「それを前提に、我々はアメリカとやりとりをしなければいけない」
反町キャスター
「宇都さん、普通の共同開発においても日本へのアメリカの不信感やら、圧迫感やら、恐怖心やら、いろいろある中で、共同開発をアメリカから持ちかけてきて、結果こういうことになりましたと、何かアメリカの都合によって、ある意味、仕方ないんですよ、国力の違いや同盟関係もあるので、アメリカの都合によって、こういうふうに横やりが入って計画を変更せざるを得なかったという経緯を見た時に共同開発の是非、評価、どう感じていますか?」
宇都議員
「複合材技術をとられたり、結果お互いに共同開発とは言え、我々がとられた部分が多かったのではないかと、あとから…」
反町キャスター
「あっ、そうなのですか?複合材技術とは何ですか?」
宇都議員
「翼とかの、一体構造になった、日本の当時の最先端技術だったわけですよね」
反町キャスター
「もともとのF-16は、翼は金属だったのですか?」
宇都議員
「金属で、はい」
反町キャスター
「F-2はファイバーなのですか?」
宇都議員
「ファイバーの、ちょっとステルス性が少し入っているような、そういうのをとられちゃった」
反町キャスター
「はぁ…」
宇都議員
「しかしながら、当時エンジンを独自に開発する技術というのがまだまだ開発途上というところもあり、レーダー、いろいろな翼とか、機体とか、個々にはつくれても、それをキチッとした兵器としてシステムインテグレートする能力というのは非常に難しいみたいで、防衛産業の皆さんに聞くと、F-2の開発を超えたことで1つの兵器としてのシステムインテグレート能力というのが非常に、知見として蓄えることができたということがあるんですよね」
反町キャスター
「うん」
宇都議員
「だから、共同開発というのも、何でもかんでも悪いわけではなくて、うまく利用できるところはしなければいけないですし、相手に負けないような技術的な優位性というのは、最後は絶対にそこを崩そうとは、どの国もですけれども、しませんから。そこの競争というのに日本も勝ち残っていく努力というのをし続けていかないといけないとは思います」
反町キャスター
「日英の安全保障協力で、こういう話があるのですけれども、ポイントは、要するに、日本とイギリスが空対空ミサイルの共同開発をしているぞという話ですね。武器というのは、我々はずっとアメリカから購入したり、提供されたりしているものだとばかり思っていたのですけれども、この日英の安全保障協力、日本とイギリスのミサイルの共同開発はあまりピンとこないのですけれども、それがアメリカに対するレバレッジとは言いませんけれども、アンタだけが私のパートナーではないのだよ、とアメリカを意識させる、そういう意味でもあるのですか?」
宇都議員
「副次的なそういう活用の仕方ももちろん、できると思うんです。ただ、直接的にはイギリスと日本が次の戦闘機をつくらなければいけない、その要求に1番迫られていると」
反町キャスター
「同じ立場なのですか?」
宇都議員
「ユーロファイターも、もうそろそろ現役から退く状況ですから。タイフーンが退いたあとどうするのか。日本はF-2が退いたあとどうするのか。それに対して、この新しい戦闘、空対空戦闘をする時においてミサイルをどう開発していくのか、同じような需要を持っている国と組むというのは正しいやり方だと思いますし、結果として、それがアメリカに対して、さまざまな我々のカードに使えることになればいいですね」

『国産』の可能性と現実
秋元キャスター
「2014年に日本はそれまでの方針を改めまして、防衛装備移転、つまり、これまで行っていなかった輸出を可能にすることになったのですけれど。宇都さん、この防衛装備を輸出することの安全保障上のメリットをどう見ていますか?」
宇都議員
「うーん、輸出することの安全保障上のメリットと言うか、まず輸出をできる体制をキチッと構築していかなければいけないと思うのですけれども、買ってもらえれば外貨を獲得できるというメリットもありますし…」
反町キャスター
「そうですよね」
宇都議員
「相手がそれを本当に使ってくれるようになれば、その国の、言ってみたら、軍事的技術を我々の掌握下に置くことができますし、先ほど言ったように戦闘機であれば、だいたい10年、15年、20年と使うわけですから、その間のメンテナンス、あるいは人材の育成、さまざまなことに関与していけますよね。その国がなんらか我が国に対して、心良くないような状況になれば、締めれば…」
反町キャスター
「先ほどの、アメリカのFMSのビジネスのやり方とか、やられた方からすると酷いことやるなと思うけれども、売却する側からすると、そういうビジョンが頭にくるのも、これは当たり前なのですね?」
宇都議員
「そうですね。軍事的な優位性を絶対に他国に先行させないというのは鉄則だと思います」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、ロシアは中国に戦闘機を売るんですよ」
反町キャスター
「ほう」
織田氏
「あれは、中国に売るヤツは分解できないようにしているんですね」
反町キャスター
「そうなのですか?」
織田氏
「溶接していると言っていました、書いていました。だから、結局は、それは、オーバーホール、ロシアに持っていかなければいけない」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「ロシアがメンテナンスする、となると、絶対に歯向かえないですよ。安全保障上、非常に武器を輸出するというのは強いですよ」
反町キャスター
「ほう…」
織田氏
「うん、そこは」
反町キャスター
「溶接までしているのですか?」
織田氏
「ええ、セグメントは…」
反町キャスター
「バラバラに、リバースエンジニアリングと言いましたか?」
織田氏
「ええ」
反町キャスター
「それは中国でやらせないのですね?」
織田氏
「ええ、やらせない。エンジンのメンテ…、オーバーホールもですね」
反町キャスター
「ほう」
尾上氏
「これまで、それでだいぶとられていましたから、中国に、ロシアも…」
反町キャスター
「技術を?」
尾上氏
「はい」
織田氏
「パクられていました」
反町キャスター
「それをとられないように、ガチガチに固めたヤツだけを売っていると、そういうことなのですか?」
織田氏
「だから、F-35も2年ぐらい揉めていましたけどね。F-35ではなく、スホーイの…」
反町キャスター
「スホーイ、はい」
織田氏
「それ最先端ですね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「それを40機売るというのは、プーチンさんがサインしたという記事の傍らに、分解できるところを、できないようにしている、というのはありましたが、それは、そのままパクられると、ある時、歯向かってくるかもしれないというのは当然考えていますよね。だから、歯向かってこられないように。だから、相手の外交政策まで左右するという面があるということです」
反町キャスター
「アメリカが日本に対してFMSというパッケージングで、メンテも全部やらせろと売るやり方と、ロシアは中国に対してそういうやり方はしないのですか?ないしはそういうディールが中国には通用しないから…」
織田氏
「うん」
反町キャスター
「もうガチガチの溶接づけにして売って…」
織田氏
「ああ、だから、それは今までずっとパクられ続けて歴史ですね。だから、スホーイ27がJ-11とか、もうカンカンに怒っているわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「それは真似できないような…。真似できないのは、エンジンと、そういう特殊なブラックボックスのとこなんですね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「そこは分解できないようにしているというのが…」
宇都議員
「いやらしい面だけちょっとクローズアップされちゃいましたけど、この装備品の互換性であったり、お互いの供給できるような態勢で、同盟の仲間をつくっていくというのは、非常に重要なことですよね。現在の日本、あるいはイギリス・オーストラリアとACSA(物品役務相互提供協定)を組んでいますけれども、自分達と同じような、たとえば、米国製、あるいは米国製と互換性がある日本製の武器を使ってくれることであれば、部品のお互いの供給体制がとれますし、何かあった時に、現地でお互いに整備し合えたりとか。だから、相手の国を全部、掌握下に置くという、そういうエグイ面だけではなくて、本当にリージョンな、地域であったり、そういう全体の平和構築のためにも非常に有効性のあるやり方ですよね、同じものを使っていると」
反町キャスター
「なるほど。宇都さん、さまざまなメリットがあるであろう日本の防衛装備品の輸出、販売ですけれど、パッと見たところ、こんなものが売れたらいいなというのが、輸送機C-2とか、US-2は、これは日本のお家芸ですね、水上飛行艇は。そうりゅう型潜水艦、こういうものがあるにも関わらず、売れていない…なぜですか?」
宇都議員
「はい、これまで防衛装備品、武器輸出3原則がありました。これを安倍政権になって、これは民主党政権から進めてきたことですけれども、防衛装備品移転3原則で、一応オープンにはなったんですね。ただし、全体の大きなどんがらができただけで、輸出していいですよと、第3国に輸出しないようなキチッとした管理ができたらいいですよというところまではできたのですが、実際に輸出をしていくとなった時の細かいスキームであったり、制度であったり、あるいはもっと言うと国内に、たとえば、これは完成品ですけれども、完成品ではなくてもいろいろなものがあるわけです、部品であったり、要素であったり、技術であったり、どういうニーズが存在するか。逆に海外側がどういうニーズ、海外側は日本のものをどういうものをほしがっているのかというニーズ、こういうものの掌握はまったく実はできていない、現状…」
反町キャスター
「それは政府が把握する話なのですか?それとも三菱重工とか、メーカーが、企業の名前はあまり言わない方がいいのかな、US-2をつくっている会社、どこの国がウチの飛行艇をほしがっているかというのをメーカーが調べなければいけないですか?」
宇都議員
「これは全部でやる必要があると思います。軍事の様々な知識というのは軍人同士にしか話さない部分はありますし、民間は民間で、そういうのをとっていかなければいけないですし、実際にやりとりをするのは商社ですし、政府は政府でいろいろなルートを通じて…。だから、一体構造で、本当に、皆でやっていかないと、そんなに簡単に輸出なんちゅうことはできないと思いますね」
反町キャスター
「間口だけ開けても、売れていないというのはそういうビジネスの体制がまだ日本国内でできていない?」
宇都議員
「整っていない。はい、ですから、実際に表のプライムメーカーではなくて、その下にぶら下がっているような、2次、3次のベンダーさんに言わせると、防衛装備移転3原則でゲートを開けましたので、どうぞ行ってくださいと言われても売る手段もなければ、売る武器も持っていない。すごくセンセーショナルだったのですけれど、言われた言葉が、まるでサファリパークの中で、これまでは檻の中に入って猛獣から守られていたけれども、武器も持たせられずに檻が開いた感じだと。だから、実際に日本のさまざまな細かい技術をとりにきているという実態も既にあるんですよね」
反町キャスター
「織田さん、なぜ売れないのですか?メーカーが悪いのですか?」
織田氏
「だから、日本版FMSの制度をつくらなければいけないと思うんです。現実的な話として、C-1がそのまま売れましたと言って誰が持っていくのですかと言うと、航空自衛官ですよね」
反町キャスター
「向こうの現地まで?」
織田氏
「はい。航空自衛官がたぶん訓練するんですよ」
反町キャスター
「はい」
織田氏
「そんな任務を持っていませんから。資格も持っていない」
反町キャスター
「あっ…」
織田氏
「それは、だから、FMSでは、F-35を買いますよね、そうしたら政府間の交渉で、アメリカは米空軍で訓練を受ける、現在受けているわけですよね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「だから、それはちゃんとそういう任務があるわけです。そういう細かいところがまったくなくて、秋葉原で家電を買うような…」
反町キャスター
「さあ、それと言ってもなかなか売れない?」
織田氏
「だから、家電を売ったり買ったりするような話ではなく、トータル的に戦力化するまでの間、それを面倒見なければいけないFMSは。その体制がまったくできていないですよね。では、会社がC-2、川重の人達が持って行って…」
反町キャスター
「操縦してね?」
織田氏
「操縦して行って、向こうのパイロットを教育するのですか。そんな能力はありませんよ。それを言うと、いやいや、もう結構ですと、そこまでお金をかけてやるというのはとんでもないですよということで嫌がるんですよ、皆」
反町キャスター
「はぁ…」
織田氏
「だから、そういう現実がある」
反町キャスター
「潜水艦はもっと大変ではないですか?」
織田氏
「ええ。そこには日本の戦略が必要ですよ。先ほど、ルールを申し上げました。日本版FMSとして、その目的は何なのだと。いろいろありますよね、日本の安全保障そのものだと私は思うのですけれども」

変化する日本の防衛戦略 『国産』の可能性と現実
反町キャスター
「平成30年度の概算要求、技術優越の確保、防衛生産・技術基盤の維持等を踏まえ、防衛力の整備と謳って、新たな研究開発費が盛り込まれています。特に1番上に書いてある『島しょ防衛用新対艦誘導弾』、具体的にこれまで自衛隊が保有しなかったステルス性のある、巡航ミサイルに見えるのですけれども、織田さん?これは、つまり、2018年度概算要求の研究で予算をつけて、日本は巡航ミサイルを国産化しようとしていると見えるのですけれども、どう感じますか?」
織田氏
「基本的には、研究開発というのは、10年単位ですね、10年だったらまだ早い方です、ものになるのは。では、10年先、15年先を読んで、予想して現在、何をやるのかというのを考えておかんといかんのですね。そうすると、現在の縛り、政治的な縛りというのは一夜にして変わるわけですよね。たとえば、敵基地反撃能力というのは現在、持っていませんが、必要だと言った時には、何だ…」
反町キャスター
「これが必要になりますよね?」
織田氏
「…そんな計算もしていないのか。そんな開発もしていないのかと、受けると思うんです、非難を。だから、研究開発というのは10年、15年先を読んでやるものだと。そう言う意味からしますと、私は非常に不満足です」
反町キャスター
「ええ?」
織田氏
「これは、ステルス、それは開発されています、また、対艦ミサイルというのももうできています。超音速ミサイルも、超音速対艦ミサイルもできています。要は、そのアップグレードですね。10年、15年先というのは、もっと現在、形は見えないけれども、もっとゲームチェンジャーのようなものを考えないといけないと。だから、これは在来の技術のアップグレードにしか過ぎないと私は思う」
反町キャスター
「そうすると、レーザー兵器とか、EMP・電磁パルス弾みたいなヤツの方が10年、15年、20年先を見越した研究としては的を射ている?」
織田氏
「そうですね」
反町キャスター
「尾上さん、いかがですか?研究項目、開発項目、どう感じますか?」
尾上氏
「織田さんがおっしゃる長期レンジの話としては、下の方に出ているものになると思います」
反町キャスター
「1番下ですか?下から2番目ぐらいですか?」
尾上氏
「下から2番目です。特にBMDではレーザー兵器というのはアメリカもかなり研究が進んでいますし、開発進んでいますので」
反町キャスター
「はい」
尾上氏
「次のBMDは、質的にこちらに移行すべきだと思います」
反町キャスター
「飛んで来るミサイルを1発のミサイルで落とすのではなく、レーザーだったらば、安価で継続的にずっと撃ち続けることができる?」
尾上氏
「その通り、経費という面も考えなければいけない。上のヤツは2018年度に開発予算をつけて…」
反町キャスター
「上のヤツというのはレーザー兵器のことですか?」
尾上氏
「違います」
反町キャスター
「巡航ミサイル?」
尾上氏
「24年度に試作品の完成を目指すと言っていますから。と言うことは、もう本当に10年レンジではなくて、現在もう必要だと」
反町キャスター
「目の前ですね?はい」
尾上氏
「もう現在、島しょ防衛に必要だから、やるべきだということで。対艦誘導弾はこれまでにも開発をしてきていますので、88式ですとか、改良型の90式だとか、93式を持っていますから、それをアップグレードしてより精密にステルス性で確実に相手を撃破できるものが現在、必要だということなのだと私は思います」
反町キャスター
「EMP・電磁パルス弾というのは、EMP攻撃というのは、下ではなくて高いところで核爆発をさせて、電磁波によって地域の送電能力とか、通信能力にダメージを与えるという、そういう攻撃ですよね?」
宇都議員
「そう言われていますね」
反町キャスター
「それを日本が持つということは日本が核兵器を持つということですか、これは?」
宇都議員
「いや、これは織田さんの方が詳しいと思いますので…」
反町キャスター
「核爆発を伴わないEMP爆弾はあるのですか?」
織田氏
「…核を使わないで、EMPを発生させる装置、これはアメリカが研究しましたが失敗してもうやめたんですよね」
反町キャスター
「それを日本がやるのですか?」
織田氏
「いや、それは攻撃される側として、攻撃兵器をつくることによって防御兵器ができるというちゅうのがある、それは実際に…」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「はい。どんな世界でも、矛と盾の世界だから」

尾上定正 元空将の提言 『官民一体となって選択と集中』
尾上氏
「官民一体となって選択と集中を進めるべきだと考えます。防衛産業なくして、航空自衛隊、あるいはどの自衛隊も、ロジスティックス・サポート、そういったものは不可能です。必ず防衛産業と一緒になって進めていかなければいけない。それから、輸出の話にしても、開発の話にしても、どのようなニーズがあって、どういうものを持ち寄って開発をするのか、あるいは輸出をするにしてもどういうレジームで輸出をしていくのか、これは官と民が緊密に調整をし、連携をし、その枠組みをつくっていかないとできないと思います。これまでやったことのないことをやっていくわけなので、経験不足というのももちろん、ありますし。でも、できないわけではなく、本当にいい技術を持っているわけですから、だから、官民一体となって新しいものを選択と集中していくということを提言したいと思います」

織田邦男 元空将の提言 『防衛戦略 作戦構想 主体性』
織田氏
「防衛戦略と作戦構想、主体性ということを書きました。トランプ大統領が軍事の素人のセールスマンのようなことを言って、アメリカのものを買えと、装備品というのは基本的に防衛戦略が詰められて、それを達成するための作戦構想が詰められたうえで、それを果たすのに最適な兵器を選ぶという順序ですから、そこは順序が逆になってはいけない、つまりは装備品を買え、兵器を買え、と言って、その兵器で何ができるのだ、そういう話ではありませんので。あくまで防衛戦略と作戦構想というのをしっかり詰め、制服が土俵際に追い込まれないようにした方がいいよと。あとは主体性をどう確保するのか。アメリカの言いなりになる、FMSはその危険性がありますので、日本の独立国家としての主体性を確保してもらいたいと思います」

宇都隆史 前参議院外交防衛委員会委員長の提言 『政治主導による挙国一致体制』
宇都議員
「政治主導による挙国一致体制ということで、防衛の問題を防衛省だけに一任していても絶対に埒があきません。国防は国家が一体となって、総力戦でするものだと思っています。そのためには、国内防衛産業も含めて、経済産業省や、あるいは文部科学省、あるいは総務省、国土交通省との連携をしたような体制を早くとらなければいけない。そのためにも、国家安全保障会議設置法の中にある第2条の3、防衛産業に関する産業等の調整計画の大綱、これを1日も早くNSC(国家安全保障会議)が議論して、どういう形で、各横並びの省庁で連携をしていくのかということを早急につくり、総理に提言することが、NSCの次の役割だろうと思っています」