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2017年11月16日(木)
『9人遺体事件』 容疑者の闇と残るナゾ

ゲスト

片山さつき
自由民主党政務調査会長代理
若狭勝
弁護士
出口保行
東京未来大学教授 犯罪心理学者
平松秀敏
フジテレビ社会部 警視庁キャップ

検証『座間9人遺体事件』 最新情報と捜査の焦点
秋元キャスター
「今夜は、神奈川県座間市で男女9人の遺体が見つかった事件について取り上げます。日本中に衝撃を与えているこの事件、さまざまなメディアがさまざまな形で伝えているのですが、いまだ事件の本質は見えてきていません。私達はこの事件をどう受け止め、どう対処していくべきなのか、じっくりと今夜は考えていきたいと思います。まず事件の概要を整理しておきます。8月21日の朝、神奈川県で21歳の女性が行方不明となり、その後、10月23日、東京の23歳の女性が行方不明になるまで、およそ2か月間で合計9人の男女が行方不明となりました。警察は10月30日、容疑者宅から9人の遺体を発見します。翌31日、白石隆浩容疑者を死体遺棄容疑で逮捕。現在も取り調べが続いているという状況です。平松さん、取り調べの状況、現在どこまで進んでいるのでしょう?」
平松氏
「状況がどこまで進んでいるかなのですが、実は最初に逮捕された死体遺棄容疑、この死体遺棄容疑は被害者を特定していないんですね。なぜ誰に対する死体遺棄容疑かというのは特定せずに、要は、逮捕して、その後、取り調べが進んでいるのですが。死体遺棄の取り調べの過程にも関わらず、逮捕直後から、その9人の遺体について殺害を認めているのだ、こういうような殺害の方法をしたのだと。遺体の要は、解体方法もここまでやって、こうやってクーラーボックスに入れてというのを本当に事細かに供述しているんですね」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「捜査幹部によっては、とにかくよく喋るのだと…」
反町キャスター
「ほう…」
平松氏
「ただ、喋り過ぎるからこそ、その裏づけを慎重にやっていかないと、あとで危ないんだよねというような言い方をする捜査幹部もいるんですね」
反町キャスター
「危ないというのはどういう意味ですか?」
平松氏
「要は、物証がないわけですから」
反町キャスター
「はあ」
平松氏
「と言うことは、白石容疑者の供述に乗っかって捜査が進んで、ひょっとしたら方向性を間違う可能性もありますから」
片山議員
「うん」
平松氏
「なので、とにかくよく喋るけれど、喋る内容を慎重に裏づけしていかなければというのが現在、たぶん警視庁の捜査1課の中では念頭に置かれていることだと」
秋元キャスター
「出口さん、どう見ていますか?」
出口教授
「この事件は計画性が高い犯罪だと思うんですね。先ほど、平松さんのお言葉の中にもありましたけれども、なぜこれだけ現在、ペラペラ喋ってるのだろうと?」
反町キャスター
「そうそう…」
出口教授
「普通の犯罪者の計画性は、どこまでを言うのかと言うと動機を形成して犯行を実行するまでが計画性だと思われているのですけれども、実はそんなことはないですね。多くの犯罪者とかを、刑務所とか、拘置所とかで分析していると、彼らの持っている計画性というのは、そもそも事件を起こしたあとに、自分がどうやったら検挙されないようにするかとか、逃げおおせるかとか、証拠をどうやって隠滅するか、そういうようなところまで計画性になるんです」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「ただ、今回の事件の特異性というのは何かと言うと、たぶん彼はこれをやることによって自分は検挙されるであろう、その先に公判があって、それでどういうような罪が想定されるだろう。ある程度いろいろなことを全部わかっていたと思うんですよね。わかっていたので、たぶん検挙されたあとの供述というところまで、彼の計画性の中にはあったと思うんですね」
反町キャスター
「ほう…」
出口教授
「ですから、ペラペラ、ペラペラ喋れるというのは、自分が書いているストーリーがある、そのストーリーに現在は則って話しているというようなところだろうと思いますね」
反町キャスター
「では、供述において嘘は喋っていないとすれば…」
出口教授
「はい」
反町キャスター
「全部喋った結果、自分がどういうペナルティを課されるかということも事前に想定している」
出口教授
「うん、はい…」
反町キャスター
「そこも計画のうちなのですか?」
出口教授
「ある程度、そこは考えているとは思うのですけれども、それもなんですよ、本人が現在、話していることというのは、本人にとっては非常に合理的で具体的なことを話している。なぜこんな細かいことまでと先ほど、おっしゃっていましたけれど、まさにそういうところまで、本人の中のロジック、論理立ての中では整合性があるのですけれど。捜査をする方にしてみれば、プロですから、いろいろな矛盾を突かれ始めるわけですよね。そこで彼がいろいろなふうに破綻をし始めているというようなところもあるので、供述がたまに2転3転…」
片山議員
「ああ、なるほど…」
出口教授
「と言うようなことが現在見られるような状況になってきている」
反町キャスター
「では、この容疑者は現在、罪から逃れようとしていると思うか?」
出口教授
「うん」
反町キャスター
「罪をキチッと認めようとしているのか?」
出口教授
「うん」
反町キャスター
「これは全然違ってくるのですけれど…?」
出口教授
「うん、認めようとはしているとは思いますよ、もちろん。逃れようというのはない」
反町キャスター
「そう言うと、1人や2人ではないわけだから…」
出口教授
「うん、そうですね、おっしゃる通りです」
反町キャスター
「死刑ということを意識した時に」
出口教授
「はい」
反町キャスター
「これはある意味において、自殺に見えてくるんですよ」
出口教授
「はい…」
反町キャスター
「彼は、要するに自殺したいのだと?」
出口教授
「うん…」
反町キャスター
「自殺ではない、死にたいのだと?」
出口教授
「うん」
反町キャスター
「そのために、たくさんの人を?」
出口教授
「うん」
反町キャスター
「そういう形に死に方を彼は選んだのかと?」
出口教授
「自殺というわけではないと思いますね。本人が自殺をする、そのために一緒に誰かをという、そういうような拡大自殺型の犯行ではないですね」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「でも、その先にあるのが自分の死であるということは…」
反町キャスター
「そう、そこそこ…」
出口教授
「ある程度もちろん、わかっていたと思いますよ。ただ、現在いろいろなことを、だから、世の中の理屈の中で通りにくい供述をすると、それはいったい何だと、ドンドン、ドンドン突っ込まれてしまう。だから、それがすごく本人にとっては煩わしいのだと思うんです。ですから、わかりやすい供述をする中で、だから、先ほど、おっしゃったような、細かいところまで全部話してしまいますくらいのことで、ある程度そこをサクッと済ませてしまいたいということは本人の中の気持ちにはあると思います」
反町キャスター
「では、嘘をついているかもしれない?」
出口教授
「もちろん、そうですね」
秋元キャスター
「片山さん、ここまでの話をどう見ていますか?」
片山議員
「我々は政治家で、国会に議席をいただくものですから、まず事件自体がどこからどう見ても許しがたい事件で…」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「ご親族の方から見れば、本当に鬼畜ですよ。もちろん、まだ何も認定されたわけではないけれど、非常に状況証拠として、少なくともその死の原因になっている可能性は高いわけでしょう、この人物が」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「まず止めなければいけないのは、先週、官邸の方で、官邸の連絡会議を大臣クラスで開き、実は明日、局長クラスでも開くのですが、模倣犯と言うか、こういうことが広がることがある…」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
片山議員
「それは、我々としては、それはそれこそ政治の、あるいは行政や議会の仕事として、それは避けなければいけないですよね」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「模倣はあり得ないことはないと思いますが、まず今回、利用されたサイトが、現在のところは、SNSのツールが、ツイッターと言われていて、ツイッター社が11月4日ですか、自殺や自傷行為の助長や扇動を禁じるということを初めて入れた。入れないよりはずっといいだろうし。利用者の方が自殺や自傷行為の兆候があるようなツイートをされた場合には、メンタルヘルスパートナーを、要するに、できるだけの対応をしますよと…」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「まず、自殺や自傷行為の助長や扇動のツイートは全部ダメだという形へもっていくということにして。12年前にも、集団自殺とか、いわゆる児童ポルノとか、そういうネットが原因で、みたいな話が相当あったのですが…」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「現在はもうSNSがはっきり言って社会生活から切り離せませんから、単純に何を禁止するとか、何を制限するというのはおそらくどこの国でも無理ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
片山議員
「ですから、早期発見し、芽を摘んでこういうことが起きないようにしていく、そのいろいろな監視強化、それはあると思うのですが。ただ、自由であることに魅力を感じ、ネットの社会がこれだけ大きくなっているということは、そこに竿差すということは、我が国は監視社会でも共産圏でもないから、すべきでないので。犯罪になりそうな行為をできるだけ取り締まると」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「こういうことではないかと思っています」

『動機』と『特異点』
秋元キャスター
「出口さん、これまでに起きた、こういった犠牲者が多数いる殺人事件に共通する部分ですとか…」
出口教授
「うん」
秋元キャスター
「今回の事件だけに見られる特異な点、何かありますか?」
出口教授
「1番、この中の事件の中で、どれも皆そうなのですけれども、大きな事件であります、被害者の方々も多いです。ただ、この事件、たとえば、大久保清であったり、2番目の事件で連続幼女殺人事件であったり、殺害をするということは手段ですよね、基本的には。たとえば、女性に暴行をすることが目的であったりとか…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「それから、その小さい女の子というものに非常に興味があったり。それから、社会に対する恨みであったとか、社会に対する、自分に対する評価に対する、それがこう自分の中で非常にひがみや嫉みになっていって、社会に対して復讐をするとか…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「と言うように、殺人をする、犯すこと自体というのは、基本的には自分が思っている動機は不満を解消していったり、自分が持っている欲求を充足するためにやっている事件がほとんどです」
反町キャスター
「はい」
出口教授
「ところが、今回の事件というのは、その動機の部分のところにいったい何があるのかというところが、非常に見えていない」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「なぜ、これをする必要があったのかということ、その部分というのが、たとえば、本人の言葉を借りたとしてもまったく出てきていないし、それがわからない、ブラックボックスに入った状況になっている」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「こういう事件というのは、殺人の中でも非常にレアなケースになるんですね、滅多にないです。何か目的がある。殺人の事件というのは普通の場合、多くの殺人というのは怨恨に基づいてやるというのが多いですよ、恨みですね」
反町キャスター
「はい」
出口教授
「それの場合は、最後、自分がどうなってしまっても構わないから絶対、相手を殺害したいというのがあって、これは基本的には怨恨がある、恨みがあるわけですから、それに基づいてやるわけですよ」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「怨恨でやる犯罪が多いということは、被害者という方というのは誰が多いのかというと肉親であり、知人であり、普段の人間関係がある方がターゲットになりやすいですね。でも、今回の事件というのは、そういうのがまったくない」
反町キャスター
「ない」
出口教授
「じゃあ、何が目的なのだろう?お金目的であると、たとえば、考えた場合に、では、高校生を狙ってお金を盗れるというふうに思う方がおかしいですよね」
反町キャスター
「おかしい」
出口教授
「と言うようなこと、それがまず、すごく特異な部分になります。もう1つは、また、あとでも話が展開されるわけですけれども、ご遺体を傍に置いておくというようなこと、これというのは普通の犯罪者がやることではない」
反町キャスター
「ほう…」
出口教授
「普通は証拠を隠滅するのですから、自分からなるべく離しておきたい。山の中に、たとえば、埋めるとか、川に流すとか…」
反町キャスター
「そうですね」
出口教授
「いろいろなことをするのですけれども、今回は自分の手元に置いている」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「それは部分的には、もちろん、皮膚を削ぎとったり、肉を削ぎとって、そういったことは遺棄はしていますよ。だけど、基本的に頭部が部屋の中にあります、人骨がたくさんありますというような状況というのは、普通の犯罪者が考えることではないと思うんですね」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「それが自分の家にあれば、今回も踏み込まれた時に検挙ということになっているわけなので…」
反町キャスター
「そうですね」
出口教授
「なるべく自分から離したいものを、自分の傍に置いているというようなこと。そう考えてみると、動機の部分で何が考えられるのか。非常に特異なのかと言うと、この容疑者というのは、基本、殺人を犯すということ、人を殺害するということに興味がある。もしくはご遺体というもの自体に興味があって、ご遺体を見ることによって、殺人をしている時、人を殺害している時の快感というのをフィードバックしている。いろいろなパターンが考えられるのですが…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「いずれにしてもこれまでの犯罪史上の中ではないパターンの殺人であると」
反町キャスター
「若狭さん、いかがですか?この大量殺人事件と比較をした時に…」
若狭氏
「はい、私も実際の殺人事件、調べをしたのですけれど、普通の人間は、本当に怖いんですよ、自分が殺した人が傍にいると」
反町キャスター
「はぁ」
若狭氏
「私のやった事件は、その容疑者からその供述を聞く。で、殺したあとに山、川に捨てに行くんですよね」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「車に乗せて…」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「その時に、信号待ちをすると、後ろから、この殺した人がスッと出てくるのではないかと…」
反町キャスター
「なるほど」
若狭氏
「だから、信号待ちするのがすごく怖いと」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「だから、ずっと突っ走ったというような供述をするぐらいですよ」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「だから、普通の人間は殺した当該の人が、近くにいるというのは、本当に怖いはずですよ」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「ところが、今回はその9人、間近に置いておくというわけですから、もう異常人格です」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「この異常人格が、先ほどの取り調べにおいてペラペラ、ペラペラ、喋っていると。たとえば、それは自己顕示欲だとか、普通の人格ではないところが表れているという面があると思うんですね。ですから、少なくとも今回の連続殺人で、これまでとは明らかに違う、今回はそういう意味では新しい、しかも、だから、これはどういう動機なのか。どういう心理なのか。どういう人格異常なのかというのを、そこを十分調べておかないと、場合によっては、弁護人が責任能力の問題とか…」
反町キャスター
「そうそう、それ」
若狭氏
「と言うようなことを持ち出す可能性もあるんです。要するに、普通の人ならば到底できないようなこと、あるいは普通の人だったら考えないことを平気でやってしまうとか、この9人そのまま傍に置いておくとか、普通は怖くてしょうがないのを置いておくとか、異常人格そのものだから、これは普通の、要するに、人格の体をなしていないと、だから、責任能力がないとは言わないまでも、落ちているというような主張をしてくる可能性もあるんですよね」

『殺意』は認定されるか?
秋元キャスター
「現在、死体遺棄の容疑で逮捕されていて、20日にも起訴される見通しの白石容疑者ですけれども、供述でこのように述べています。『9人全員を殺害した』『本当に死にたいと思っている人はいなかった』『同意殺人の方が、罪が軽いのは知っていたが、私が犯したのは殺人だ』ということですけれども。平松さん、殺人罪が成立するために、殺意の認定というのが必要だと思うのですが」
平松氏
「はい」
秋元キャスター
「この供述の現段階では殺意を認めていると?」
平松氏
「はい、もう完全に確定、要は、しっかりとした殺意を認めていると。その殺害方法に至るものも細かく供述しているので、供述だけ見ると、殺意は完全に認定できると思います」
反町キャスター
「うん」
秋元キャスター
「容疑者は、供述調書へのサインを拒否するという姿勢も見せているということですけれども…」
平松氏
「はい」
秋元キャスター
「この背景というのは?」
平松氏
「背景と言いますか、全ての供述調書にサインをしないというわけではなくて、一部の供述調書にサインをしないというような姿勢を見せている。その一部というのが、どうも自分が殺害したご遺族だとか、あとは自分の家族だとか、そういう人に対して影響のあるような、要は、自分が喋ったことがそういう人達に影響を及ぼすような、そういう供述については、ちょっと調書にサインするのをためらっているということです」
反町キャスター
「それは…」
平松氏
「なぜかと言うと、要は、現在、警察署内に拘留されているのですけれど、自分が起こした事件がどのように扱われて、自分が喋った内容がどう取り上げられているのかというのを知っているらしいんですよ」
反町キャスター
「何で?」
平松氏
「それは、おそらく…」
反町キャスター
「新聞が読めるの?」
平松氏
「新聞は読めないです。確か自分の関与したような事件のところは…」
反町キャスター
「削られるんですよね?」
平松氏
「削られるはずですけれども。それとは別に、弁護士と接見をしていますから…」
反町キャスター
「ああ、なるほど」
平松氏
「そういう、弁護士から教えられているのかもしれないのですが」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「いずれにしても、自分がやったことがどのようになっているかというのは知っていて、その影響が、要は、遺族だとか、家族だとかに影響が出るようなものについては、ちょっと嫌だなというような姿勢を見せているということなので。先ほど、自己顕示欲というようなことをおっしゃっていたので…」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「そういう部分ではないのかなというのは、これは私の想像ですけれども、と思うんですね」
反町キャスター
「一方、犯行前ですか、ネットでいろいろと調べていたという…」
平松氏
「はい、そうですね」
反町キャスター
「それはどういうことなのですか?」
平松氏
「インターネットの、要は、形跡で、殺害方法だとか、遺体の解体方法を調べていたというのはあるのですけれども」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「それとは別に、たとえば、嘱託殺人というのはどういうものであるとか…」
反町キャスター
「犯行前に?」
平松氏
「犯行前に。自殺ほう助というのが、どういうものであるかとか…」
反町キャスター
「なるほど」
平松氏
「死刑制度がどういうもので、何人以上で死刑になるのかというような、基準のようなものがありますので、そういうことまで調べていたということで。自分がやろうとしていること、やったこと、もしくは現在、進めていることがどういうものにあたるのかということをちゃんと把握していたと、そうみられるんですね」
反町キャスター
「犯行前に、1 人目の殺人とはまだ言わない、1 人目の事案に関与する前から、その事象を調べていたと?」
平松氏
「おそらく、その前からだと言われています」
反町キャスター
「若狭さん、その準備、用意周到ぶりとか、どう見ていますか?」
若狭氏
「これは、明らかに計画性というのは、そこで裏づけられるのですけれども」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「そういうことを調べていた、実際にこういうことをしでかしたという…」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「…ことであれば、計画性という意味においては非常に大きな証拠だということで。それはちゃんと、いつ、そういうネット情報を手に入れたのかとか、それはちゃんと警察の方で、要するに、じっくりと、しっかりと調べると思います」
反町キャスター
「ただ、たとえば、自殺関与とか、同意殺人ということならば、これは死刑にならないよ、何人やっても死刑にならないよということまでわかったうえで犯行に及んで、逮捕されて、供述している限りにおいては、殺人だと言っているという、これは終始一貫していないように見えるのですけれど、矛盾している。ないしはそうではなくて、どこかの段階で供述をひっくり返したら…」
若狭氏
「はい」
反町キャスター
「ああ、この時に調べたヤツを現在、出したのかと。ここはどう?」
若狭氏
「あの…」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「これは一般論としてお聞きしていただきたいのですけれど、これだけ客観的に、遺体が9人もあれば、絶対にそれは殺人だろうと言って自分が否認しても追及されると」
反町キャスター
「なるほど」
若狭氏
「それをあらかじめ自分の方から、殺しましたよと言うと、追及の手が、警察の取り調べの追及の手が緩むのではないか」
反町キャスター
「ほう」
若狭氏
「と言うことを考えて、とりあえず最小限のことは言うという高等戦術をとる人がいるんですよ」
反町キャスター
「それは本人が考えるものなのですか?弁護士と接見したりする前から、この計画が立っていたとしたら、かなり周到…、本当にそうだとすれば?」
若狭氏
「だから、それはあらかじめ同意殺人とか、自殺どうのこうのとか、死刑がどうのこうのというのを調べているということであれば、捕まった時の、先ほど、出口さんもちょっとおっしゃいましたけれども、捕まった時の、自分がどう言おうかというものを、シナリオも考えている可能性はあるんですよね」
反町キャスター
「ふーん…」
若狭氏
「ここは絶対に追及が、否認していたら、それこそすごい追及になるわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
若狭氏
「だから、真実と嘘を織り交ぜて、最後はひっくり返そうというような、計画的なことを考える人も中にはいます」
秋元キャスター
「そこまで全部を計画しているとしたら、出口さん、かなりゲーム感覚みたいなものも?」
出口教授
「当然、あるだろうと思います。次々とというところの中には、それがかなりあったと思う」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「この容疑者というのは、特徴は何かと言うと非常にコミュニケーション能力が高いということですね」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「このコミュニケーション能力は、普通はポジティブな方に作用することですよね、人間関係をうまくつくる。だけど、彼の場合はこれをかなり悪用していて、だからこそこれだけ短期間でSNSというのを媒体として短時間の間に人と出会えるというところまでいっているわけですよね。この短時間、普通だったら、SNSで知り合ったって、すぐ会うなんていうことは選択しないですよ、気持ち悪いですから、相手が誰だかわからない」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「その時に、彼は、基本的にはいくつものアカウントを使い分けながら、これもたぶん、その中に書いてある、書き込んでいるような内容も、随分、違うものを使っているんですよね」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「たとえば、『首吊り士』なんていうアカウントの中では、これは自分が自殺ということに関しては、テクニカルに、非常によく知っていますよ、楽に死ぬ方法を知っていますよ。死にたいと言う方のアカウントの中では、今度は、いやいや、私も死にたいんですよ、では、そうおっしゃっているのだったら、私がご一緒しましょうというような、いろいろなスタンスを使い分けているんですよ。現在、捜査でこの担当者からいろいろなことも聞かれているけれども、相手が現在何を求めているのかということは十分察知しながら、その中の最小限のこと、相手が納得しやすいこと、それを自分の口から外に出しているというようなところがあるのだろうと、そうは思います」

『人身安全』は機能したか?
反町キャスター
「平松さん?」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「公判になってからひっくり返す可能性、どう見ていますか?」
平松氏
「はい、先ほど、若狭さんもおっしゃっていましたけれど、取り調べ段階で認めて、公判で一転、否認に転じるケースというのは、時々あるのですけれども。重大事件という意味でいくと、私は 1 番記憶に新しいのが、いわゆる今市事件という、栃木の旧今市市で小学1年生の女の子が殺害されたという事件。なかなか容疑者が捕まらなかったのですが、捕まりました。これが2014年で、結局は起訴された、現在、勝又被告と言うのですけれど、起訴されたのですが、取り調べ段階では認めていました」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「その様子は録音、供述の様子は録音・録画されていました。ところが、裁判が始まって一転して否認に転じました、やっていませんと言い始めましたと。要は、まったく逆です」
反町キャスター
「なるほど」
平松氏
「結局、裁判員裁判だったのですけれども、録音・録画の様子が法廷で流されたんです」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「では、どちらが正しいではないですけれど、どちらを信用するのですかというので結局、法廷での勝又被告の供述ではなく、録音・録画の方が信用できるということで、無期懲役の有罪になった。先月から控訴審が始まっているのですけれども」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「これも、要は、変な話ですけれど、物証にとっても乏しい事件だったんです。供述頼みの部分があった。それで、要は、裁判で一転させて、どうなのだというのが争点になって、現在、2審目はどうだという段階ですよね」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「今回も、物証でいくと、そんなに物証が豊富なわけではないので…」
片山氏
「うん…」
平松氏
「もしも公判でひっくり返ったら、どうなのだろうというのが捜査、捜査本部、警視庁捜査1課としては、ここをどうにかして食い止めなければ、押さえなければというのが1番の、要は、課題と言ってもいいのだろうと、そう思うんですね」
反町キャスター
「容疑者が犯行以前にさまざまに調査をしている段階で、自殺ほう助の刑の、関与のところとかも調べていたかもしれないけども、この今市事件のことについて細かく、彼がリサーチしていたかどうかというのは?」
平松氏
「そういう事実は現在のところ明らかになっていないです」
片山議員
「うーん…」
反町キャスター
「それはない?これはよく研究していたとしたらかなりリンクが出てくるかもしれないという…」
平松氏
「ええ」
反町キャスター
「それはないですね、現状では?」
平松氏
「それはないですね、はい」
反町キャスター
「あとは、要するに、可視化、可視化とこの番組でも何回かやりましたけれども」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「それの証拠、それと犯人の法廷におけるその場での発言と、どちらの方が重要性と言うか、信ぴょう性の問題、これはどういうふうにこの事件、まだひっくり返してはいないけれども、この問題についてもそれがポイントになる可能性があるということですか?」
平松氏
「今回の事件でもそうなれば、ですけれど…」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「ただ、この今市事件、この事件を傍聴した記者に聞いたのですけれども、その録音・録画の様子を見ると、もう私も当時は本社でデスク業務をやっていたのですけれど、間違いないですと」
反町キャスター
「ほう…」
片山議員
「ふーん」
平松氏
「勝又被告が犯人ですというような報告を受ける、それぐらい迫真の供述をしていたということです」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「ところが、法廷では一転したので、どっちなのだと、非常に難しい選択を裁判員の方は迫られたので。なので、今回ここまでベラベラ喋っているので、これがひっくり返った時というのを心配しているということです」
反町キャスター
「それは、警察側も心配しているんですね?」
平松氏
「そうですし、1番はたぶん検事も心配しているだろうと」
反町キャスター
「ほう…」
平松氏
「だから、本当に検察…、若狭さんはご存知だと思うのですけれど、検事調べと言いまして、容疑者の段階で検事に何度も何度も会って、取り調べするんですよ」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「すごい回数で検事調べしているんですよね」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「だから、もう組み立てから、供述の信用性から検事が現在の段階からじっくり取り組んでいると…」
片山議員
「うん」
平松氏
「それぐらい難しい事件だというのは、東京地検もそう思っているだろうと」
秋元キャスター
「今回、事件が発覚したのは警視庁の『人身安全関連事案総合対策本部』の担当捜査員が白石容疑者の自宅を訪れたことがきっかけとなったということでが」
平松氏
「人身安全関連事案総合対策本部、非常に長いのですけれど。要は、ストーカーだとか、DV(ドメスティックバイオレンス)だとか、あとは行方不明事案、女の人、子供、犯罪に弱い、そういう女性や子供をいかにして守るのか」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「もし事件に巻き込まれたら早期に解決できるのか?そのためだけにできた」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「そういう、要は、1つのセクションですね。これは2014年7月に設置されて…」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「どこの部署にも、要は、所属していない、たとえば、殺人事件になると刑事部というところが捜査します。たとえば、女性にまつわるような事件だとか、そういう被害相談というのは生活安全部というところがやったりするのですけれど、どこにも所属せずに、副総監の直轄部隊として、結構な人員がいるんですけれども、部隊として専門に、要は、女性や子供だとか、そういう弱い人達を守るためにつくったという部署ですね」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「これは警視庁だけではなくて、全国の警察でも同じような体制をつくっている。これのきっかけは、あの三鷹の女子高生ストーカー殺人事件が…」
片山議員
「あぁ、はい…」
平松氏
「…ありました」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「あれは、要は、最大の教訓、最も重い教訓というのが、相談を受けていた…」
片山議員
「受けていたのにね…」
平松氏
「にも関わらず、1人の尊い女子高生の命が奪われてしまったという、要は、衝撃、ショック。こういうことはもう2度と起こってはいけないと…」
片山議員
「うん」
平松氏
「では、どうすればいいんだ?では、女性だとか、あと児童虐待も増えていますから…」
片山議員
「うん」
平松氏
「子供を児童虐待から守るために、それを本部、警視庁だったら警視庁の本部につくりましょう、一元的に管轄しましょうと。垣根があるんです、先ほど、言ったように。刑事部だとか、生活安全部、あとは地域部というので、いろいろ垣根はあるのですけれど、その垣根を取っ払って横断的にそういう人達を守ろうというためにつくったので。だから、動きとしてはかなりスピーディーに動けるという…」
反町キャスター
「たとえば、女性に関する問題であれば、生活安全部でも捜査しているし、人身安全?」
平松氏
「はい、人安ですね」
反町キャスター
「人安のところでも同時に進めていると。対応が同時に進むということですか?」
平松氏
「いや…」
反町キャスター
「それとも人安に移っちゃったら、生活安全部は手が離れちゃうのですか?」
平松氏
「はい、これは、要は、女性の、たとえば、行方不明という事案だけでまずここにいくんです」
反町キャスター
「あっ、最初にそこにいくの?」
平松氏
「最初にここにいく」
片山議員
「それが正解ですよね」
平松氏
「たとえば、どこかの警察署で相談があります」
片山議員
「うん…」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「そうすると、そこの警察署で受けますけれども、これが、あっ、これは女性がひょっとしたら事件に巻き込まれたのかもしれない、これは児童虐待が疑われるかもしれない…」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「と言うと、速やかにここにいくんです」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「そこがそれぞれのところに振り分ける感じ?」
平松氏
「振り分けるんです」
片山議員
「うん…」
反町キャスター
「継続的に振り分けたあともフォローアップを?」
平松氏
「当然しています」
反町キャスター
「どうなっているの、あの件は?と…」
平松氏
「当然です」
反町キャスター
「でも、今回の件は警視庁に絡むだけではなく、神奈川県とか、埼玉県とかでも起きていますよね?」
平松氏
「起きていますよね」
反町キャスター
「神奈川県とか、埼玉県にも、この人安はあったのでしょう?」
平松氏
「あるんです」
反町キャスター
「それはどうなのですか?」
平松氏
「そこは、要は、それぞれ組織が違う、違うことは違うので…」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「警視庁は副総監直轄ですけれども、たとえば、埼玉県警はまた違うような組織のスタイルではあるし、神奈川県警は確か生活安全部の中に人身安全の確かセクションがあるんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
平松氏
「ただ、いずれにしろ、そういうところで女性・子供を守るという体制はできたのですけれども…」
反町キャスター
「うん…」
平松氏
「ただ、見落としてしまった部分が非常に多い…」
反町キャスター
「あるのではないかと?」
平松氏
「あるのではないかと思うんですよね」
反町キャスター
「この9人の被害者の中で最初に家出人捜索願みたいなのが出たというのは、これは8月21日の神奈川県の女性が最初なのですか?」
平松氏
「はい、そうです。この方が最初に出ています。このいずれの9人の方についても行方不明が把握された直後に…」
片山氏
「うん」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「翌日とか、直後に、届けが警察署に、最寄りの警察署に出されていると」
片山議員
「うん」
平松氏
「場合によっては、特異不明者という言い方をするのですけれども…」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「行方不明者・失踪者というのは2つあって、普通のと言ったら変ですけれど…」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「そういう行方不明者とは別に事件に巻き込まれているかもしれないという特異な事例…」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「この人が自殺するかもしれないという、そういう特異な事例については、特異不明者という、要は、位置づけをして…、なので、捜査のレベルが1個上がるんです」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「ふん」
平松氏
「なので、特異不明者であれば、たとえば、それまでは防犯カメラは調べないかもしれないですけれども、特異不明者になったらば、防犯カメラまで調べましょう」
片山議員
「防犯カメラは当然チェックするよね」
平松氏
「あとは最近よく新聞にも載っていますし、フジテレビでも伝えていますけれど、位置探というのがあるんですね」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「これは携帯電話の微弱電波から…」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「どこにいるのか?最後に発信、要は、消息はどこなのかというのを調べることができるんです。それは、位置探というのも特異不明者になればできますから…」
反町キャスター
「なるほど」
平松氏
「なので、捜査のレベルが上がるんです」
反町キャスター
「そうすると、最初に家出で捜索願が出た、受理したはずの神奈川県警とかね、そこの初動が遅かったという話に、話を聞いてると、出てくるのですけれども、そこはどうなのですか?」
平松氏
「それぞれ各県警は、それぞれ捜査、捜査なり、ちゃんとやっているはずです」
反町キャスター
「うん」
平松氏
「やってはいるのですけれども…」
反町キャスター
「うん…」
平松氏
「神奈川県警は神奈川ですけれども…、県境をまたぐケースというのがどうしても出てくると、動きが遅くなり、鈍くなるというのが事実ですよね」
反町キャスター
「それは一般論としてですよね?」
平松氏
「一般論として」
反町キャスター
「でも、今回、だって、座間ですよ?神奈川県警に最初に家出人捜索願が出て、その人安なるところにいって、それで特異不明者?」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「…なる判断、特異不明者なる判断を県警がしたかどうか、ここはまだわからないところですか?」
平松氏
「いずれの方も特異不明者に…」
反町キャスター
「なっている?」
平松氏
「…なっています。位置探等もやっています。でも、及ばなかったという現状がある」
反町キャスター
「そうすると、もうこれ以上、この話をしていくと、今度はどこそこが一生懸命やっているけれど、どこそこは反応が鈍かったという話になっちゃうので、そこはあまりしたくないのですけれど、県警によって対応に濃淡があった、これは言い切っていい?」
平松氏
「それは言っていいと思います。最後に、これは最後にこの事件を、要は、行き着いたのは、警視庁ですけれども」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「警視庁は、先ほどおっしゃられましたけれど、現場のアパートに最初に行った捜査員というのは、捜査1課の人でもなければ、鑑識課の人でもないですよ。先ほど、言ったように、人身安全関連の生安部の、受け持ちが生安部だったのですけれども、要は、人身安全関連の捜査員・警察官があそこに行って…」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「うん」
平松氏
「要は、バラバラ事件ではない、要は、殺人事件、まったくわからない段階で、女性の行方不明事案として人安関連の捜査員の人が行って見つけたのが9人の遺体だった」
反町キャスター
「そうすると、この10月の23日の…」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「東京都の女性23歳…」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「これが、警視庁が人安でやったケースですよね?」
平松氏
「そうです。唯一、都内にいた行方不明者です」
反町キャスター
「それが…、これは八王子ですよね?」
平松氏
「八王子です」
反町キャスター
「この人安案件が、八王子署に話が下りていって…」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「八王子の人が探していく中で、座間のところに行ってという、これが引き金となって、それ以前の8件が出てきた、こういう理解…?」
平松氏
「全部、出てきたということです。変な話ですけれども、警視庁の高尾警察署の人安関連の人があそこに行き着けなかったら、行き着かなかったらば…」
反町キャスター
「さらに…」
平松氏
「さらに…。実際クーラーボックスが1個空いていたとか…」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「ロープ、使われていないロープがあった、1本あったらしいんですよ」
反町キャスター
「はい」
平松氏
「そうすると、10人目のひょっとしたら被害者を探していた可能性はあるので、もっと被害が拡大していた可能性はあると」
反町キャスター
「欠席裁判の話にはしたくないので、簡単に聞きますけれど、たとえば、8月21日の朝に行方不明になった女性の案件が出ました…」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「人安に、神奈川県警の人安に行って…」
平松氏
「そうですね」
反町キャスター
「特異不明者の扱いになって…」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「たとえば、この人が住んでいるところの所轄の警察が何らかのことをやったかどうか…、8月21日から10月23日、2か月間あるではないですか?」
平松氏
「はい」
反町キャスター
「この2か月間の間にもっと早く止められた可能性というのは、これは?」
平松氏
「可能性はあります。これを1つの、要は、女性、事件に巻き込まれた可能性のある特異不明者で、緊急に調べなければいけないという危機感が神奈川県警にあったのであれば、そこで、タラレバですけれど、止まっていた可能性はあると思います」
反町キャスター
「片山さん、警察の対応をどう見ていますか?」
片山議員
「いや、ここまでのイマジネーションが沸くものかどうかというのがありますが…」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「ただ、事こうなった以上は警視庁並みの体制をとらなければいけない、都市型の大型の県の県警について、そのぐらいの整備をしようということを全ていろいろと調べた結果、つまり、ある程度、余力がなければそこまでできないということはあります」
反町キャスター
「もちろん」
片山議員
「精密な調査には人員も必要です、レベルアップも必要、そういうことはあるでしょうね。ただ、現在、私がそれを断定できる状況にはなくて…」
反町キャスター
「もちろんです」
片山議員
「おそらく明日の局長会議ではもう少し…」
反町キャスター
「あぁ」
片山議員
「そういったところも入ってくると思います」
反町キャスター
「なるほど」

再発防止と実効性
秋元キャスター
「さあ、今回の事件では、ツイッターを接点として容疑者と被害者が知り合って事件に発展したということから政府は同様の事件の再発防止策を検討しています。『自殺に関する不適切な"サイト" "書き込み"の削除や制限強化』『インターネットを通じて自殺願望を発信する若者の心のケア対策強化』などということなのですが、若狭さん、この政府の対応をどう見ていますか?」
若狭氏
「そういう方向で考えるということ自体は、私はあるべき方法、方針・方向性だと思います。問題は、ですから、今度は具体論になって『不適切な』というところがどの程度のところまでを言うのかとか、その線引きがもっともっとじっくりと詰められないといけないと。抽象的な、要するに、総論的なところというのは結構、こういう形でいいと思うのですが…」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「問題は、この程度でも削除とか…」
反町キャスター
「ああ、はい、はい…」
若狭氏
「権限強化されるのというようなことになってしまうといけないので…」
片山議員
「それはそうですよね」
若狭氏
「そこの線引きだと思うんですね」
反町キャスター
「これは、具体的な線引き、ボーダーの話になってくると、いわゆる、表現の自由との対立みたいな…」
若狭氏
「そうですね…」
反町キャスター
「こういう議論に…」
片山議員
「うん…」
反町キャスター
「この事案でもなりますか?なりますよね?」
若狭氏
「そうですね、これはアカウントを特別つけて『死にたい』とか、『首吊り士』と言うので、そういう意味では、若干ちょっとこれはいき過ぎている感はしますけれども。しかし、その『死にたい』という言葉自体は、要するに、気持ちの中では…」
反町キャスター
「あぁ、はい」
若狭氏
「一般的にも『こんなことだったら私は死にたい』というようなことをそれなりに言うこと、しかし、それは別に真意ではなくてということってよくあるわけですけれど」
反町キャスター
「はい…」
若狭氏
「そうした自分の心の状況を『死にたい』という、これだけ苦しいのだよということを表すための…」
反町キャスター
「うん…」
若狭氏
「単なるツールとして『死にたい』という言葉を使ったとした場合に…そういう『死にたい』という言葉だけで、それを、要するに、削除とか、権限強化とか、それは問題だと言ってしまって、言い切ってしまっていいかとか…」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「そのへんのところを詰める必要はあると思いますね」
反町キャスター
「その『死にたい』という言葉1 つでも、人によって全然意味が違っているではないですか?」
若狭氏
「そうですよ」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「本当のどん詰まりの人が言うのと、要するに、『もう死にそう』と言うのと、全然違うわけで…」
若狭氏
「そうですね」
反町キャスター
「それは、でも、字にしてしまうと、皆、同じになる中で…」
若狭氏
「そうですね」
反町キャスター
「それを一律に、たとえば、キーワード検索みたいなヤツで弾くというのは、そこは、僕は敢えて問いかける意味で言うと…」
若狭氏
「はい…」
反町キャスター
「そこの線引きは非常に難しい?」
若狭氏
「難しいと思います」
反町キャスター
「一方、そうではなくて…」
若狭氏
「はい」
反町キャスター
「リテラシーと言いますか?」
若狭氏
「うん」
反町キャスター
「SNSに対する向き合い方みたいなものを、個々のレベルにおいて強化というのは、これは逆の意味の張り方ではないですか?」
若狭氏
「うん、そうですね。アプローチが違うのだと思うのですけれども」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「だから、むしろ、だから、その先ほど、申し上げたように『不適切な』というところをキチッと皆が共有できるような線引きができるかどうか?」
反町キャスター
「はい」
若狭氏
「それが1つは考えるべき方向性。もう1つは、それとは違う、こっち側の、要するに、方向からの、そういうケア対策とか、リテラシーとか…」
反町キャスター
「うん…」
若狭氏
「そういう、SNSに対する、皆の意識をきちんと高めるということも当然、必要になってくると」
反町キャスター
「うん」
若狭氏
「そこの両面だと思うのですけれども」
反町キャスター
「なるほど、出口さん、いかがですか?」
出口教授
「はい、おっしゃった通りですけれども。基本的にこれのチェック機能の精度を上げていくというのはたぶん非常に難しいと思うんですね」
片山議員
「そうですね」
反町キャスター
「ほう…」
出口教授
「たとえば、おっしゃっていたみたいに、非常に多義的ですよね、『死にたい』という言葉1つに、いろいろな意味…」
反町キャスター
「そうですよね」
出口教授
「死にたいぐらい大変な状況である、本当に自死を求める、いろんなパターンがあるわけで。そのチェック機能の精度を高めるというのは、本当に物理的に難しいと思います」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「うん…」
出口教授
「という、それも、だから、高められるのであれば、高めた方がいいのですが、というのが一方であるのですが…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「こういうようなことを、SNSを利用して、こういうようなことを企んでいる人間がいるよ、犯罪に関連するような落とし穴があるよ、というような、こういうようなことを、だから、1つのきっかけとして啓蒙活動の一環としてきちんと使っていく。だから、そこらへんは、要するに、防犯につながっていくことになるわけですよね」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「それから、犯罪に対して、こういう犯罪があるのだから、それに気をつけてねというような警鐘を鳴らしていくことにもつながる」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「もちろん、精度を上げられれば、1番それがいいのですけれども…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「ここをきちんと議論をして、社会の中に問うていって、社会の中できちんと発信していくということというのは、最終的には防犯にもつながるし、被害者を出さないというような、あっ、こういうことって危ないのだということで、戻れれば…」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「被害者にならなかったことって、たぶんたくさんあるのだと思います」
反町キャスター
「うん」
出口教授
「そこの議論をする中で社会の中に伝えていく必要性、それが現在、非常に求められているのだろうなとは思いますね」
反町キャスター
「片山さん、規制と自由のバランスをどう感じますか?」
片山議員
「基本、人類が、人間が…」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「…ネット社会、デジタル社会に踏み出してしまって、グローバルにつながれるシナジー効果の中に生きてしまった以上、後戻りはムリですよ」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「ですから、いたずらな規制強化よりもフィルタリングというのは、私もいろいろな有識者の方とか、政府、あるいは政治の関係者と話しても、そちらなんだと思うんですよ」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「まずこういう形で、『もう辛い、いなくなりたい』みたいな話があれば…」
反町キャスター
「ちょっと小っちゃくて見えないから…」
片山議員
「まずそこにキチッと手を差し伸べることを、SNS上でもできないかと」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「先ほど、ツイッターがメンタルヘルストレーナーを…ということを、もっとキチッとある程度、広範にやるということになると、大変申し訳ないけれども、ネットの世界の提供により膨大な広告料と収入を得ておられる、インターネット・ジャイアントの方も含めて、もっとネットの中の自らによる浄化みたいなことにお金をかけてほしい」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「啓発も含めて。それは当然であって、そこまでしないと、公的機関としても、したくもない規制を世論に押されてせざるを得ないということにならないためには、自らを律するために、もっとそこにお金をかけてほしいと思いますよね」
反町キャスター
「片山さん、中国のネット文化というのは監視社会ですよ…」
片山議員
「あれはすごいですね…」
反町キャスター
「政治面で…」
片山議員
「ええ」
反町キャスター
「政治面で監視社会ですよ」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「共産党批判系の言葉が入るとパチンと弾かれて、そこの出元までくるみたいな、こういう状況がある中で…」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「システムとしてはほぼ同じことを言っているように聞こえるんですよ」
片山議員
「いや…」
反町キャスター
「キーワードでフィルタリングをかけて、こういう人、何回も同じことが出てきた人にと…、要するに、システムとして、方向性は違うかもしれない?」
片山議員
「うん」
反町キャスター
「システムとしては、ほぼほぼ同じような気がするんだけども、そこはいかがですか?」
片山議員
「中国の場合は、よりプロバイダー集団なるところが政府とどういう関係なのかというのを考えると…」
反町キャスター
「それもある」
片山氏
「日本の場合、今回ツイッター社自身がアメリカの会社、フェイスブックもそうであって、グーグルだってそうであってということになると、そもそも日本においては、日本国の政府管理下に置かれるようなメジャーなインターネットプロバイダー…メジャーなツール自体が少ないので、そういう状況が起きにくいというか、起きにくいと思います」
反町キャスター
「起こせないという意味ですか?」
片山議員
「起こすこともできないのですけれど。たとえ、そういうことをするにしても、自由がもたらすシナジーのプラスの方が明らかに大きかったわけですよ」
反町キャスター
「はい」
片山議員
「だから、それだけの発展性もあり、皆がそれを認めている、リスクはあってもねと」
反町キャスター
「うん…」
片山議員
「ですから、リスクを最小限にする努力は、そこまでしなくても、反町さん、できますし…」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「あと1番重要なのは、日本は、メンタルトレーナーやメンターの地位が低いというか、その重要性にあまり重きを置いていないですね。欧米社会というのは精神科医に行っちゃう前に、メンターですよ。そこら中にありますよ」
反町キャスター
「うん」
片山議員
「これは現在の社会では必要ですよ」

片山さつき 自由民主党政務調査会長代理の提言 『実効ある自主規制&若者へのメンター』
片山議員
「私もツイッターのユーザーであり、フォロワーが22万人近くになっている者ですが、米国大統領は4000万、おそらく世界で1番影響力のあるソーシャルメディアですから、その矜持をもって実効ある自主規制を、こういう世界がつくられないように、自由を標榜しながらやれるかどうかという、SNSの1つのチャレンジと。あとは全般的に若者へのメンター機能が現在の社会構造では日本はまだ弱いという部分をキチッとしなければいけないと思いますね」

出口保行 東京未来大学教授の提言 『素人理論』
出口教授
「素人理論と書いているのですが。これは犯罪というようなことに関しては、非常に私達の思い込みが強い分野だって言われているんですね。これは、こういうことによって起きたに違いがないというのが、実際とはかなりずれていることが多い分野だって言われています。ですから、今回の事件を通し、この事件の背景に何があったのかということ、私達が単純に思い込むことではなくて、事実として客観的に捉え、次の防犯であるとか、次に2度と同じ悲惨な事件が起きないように使っていかなければいけないと。そういう面で、私達の主観的な現実、思い込みというのをなるべく排除して、この事件と取り組みたいと、そう思っています」

弁護士 若狭勝氏の提言 『本案件ははじまり』
若狭氏
「本案件ははじまりであると。このSNSなどを通じて、経済犯罪はもうこれまでいっぱい起きてきているのですが、まさしくこういう殺人やなんかも、これから起きてもおかしくないというぐらいの危機意識をまず皆さんが持つ。たとえば、先ほどの人身安全関連事案の特殊部隊を警視庁関連、県警がつくりましたけれども、あれは、私は、警察庁に1つ置かないといけないと思うんですよ。各県警を全部、情報収集する。警察庁にそういうものを置くというのは、『大規模テロ対策法』というのを自分なりに法律案をつくった時に、警察庁にそういうのを置いたんですよ、置く案をつくったんですよ。だから、そういう形で、警察庁が本当におかしいのを集約しないと、現在ボーダーレスですから、県境やなんかに関係なく、こういうのが起きるので。そのへんを考えるためにも、はじまりだという意識を皆が持つべきだと思います」