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2017年11月1日(水)
女性の活躍と日本社会 男女平等の理想と現実

ゲスト

吉田晴乃
BTジャパン社長
山田昌弘
中央大学文学部教授
竹信三恵子
和光大学現代人間学部教授

『国際女性会議WAW!』 世界の『女性の活躍』
秋元キャスター
「今夜のテーマは安倍政権の最重要課題の1つであります『女性の活躍』です。そもそも女性が輝く社会というのはどういう社会なのか。ゲストの実体験と共に、制度だけでなく、男性、女性の意識という視点からも女性活躍社会に向けた方策を考えていきます。吉田さんは、女性が輝く社会を国内外で実現するための取り組みの1つとして、今日から開かれています国際女性会議『WOW!』に参加されまして、その足で今日、来ていただいたんですね」
吉田氏
「そうです」
秋元キャスター
「ステキな着物で…」
吉田氏
「こんな格好になってしまって、クールジャパンをアピールしてまいりました」
秋元キャスター
「今日から国際女性会議『WOW!』が東京で開かれています。その『WOW!』をあらためて説明いたしますと、国際女性会議『WOW!』は、安倍政権の最重要課題の1つであります『女性が輝く社会』を国内外で実現するための取り組みの一環として、2014年から開催されています国際会議で、今回が4回目の開催ということです。毎回、世界の地域や国際機関・企業から女性の活躍推進に取り組むトップや、リーダーが参加をしていて。今回はイバンカ・トランプ・アメリカ大統領補佐官による特別講演をはじめ、世界銀行の最高経営責任者や大企業のトップなど著名な女性リーダーが参加しているということなのです。吉田さんが経団連の役員として今日、挨拶されていますね」
吉田氏
「そうです」
秋元キャスター
「どんな空気を感じましたか?」
吉田氏
「すごいですよ、テンション高いんですよ。同じ人数、男性が集まっても、あの華やかさとエネルギー感は出ないような気がするんですね」
秋元キャスター
「基本的に参加しているのは女性が多いのですか?」
吉田氏
「多いです。これは4年目に入ったとおっしゃってくださったのですけれど、皆さん楽しみにしてカレンダーのスケジュールを1年前から押さえてくるぐらいのイベントになりましたね」
秋元キャスター
「女性の参加の状況は全然違うわけではないですか?それを1つの共通のテーマでこう…?」
吉田氏
「おもいしろいですよね。だから、女性の活躍推進、ウーマノミクスと一言で言っても国によっても200か国、レベル感は全然違うわけではないですか。教育から始まりましょうと言うところもあれば、我々みたいに経済成長とか、参画率が、社会の…と言えるところもあれば。いや、ドライバーズライセンスを初めてとれるようになりましたと、この前もニュースになって、あれはサウジでしたか?」
山田教授
「サウジアラビア…」
秋元キャスター
「サウジアラビアですね」
吉田氏
「と言うレベルが全然違うわけですよ。でも、この共通の、現在で言う何ですか、S…SDGでしたか?1つの皆さんの課題というのがあって。この中で、この共通の課題意識の中でつながっていく女性達の妙な絆と言うのですか、これはすごいです。だから、もうリターンしてくるお客さん、お客さんと言うとアレですけれど、ああ昨年、1年早かったねなんて言うような方々ばかり。だから、これはすごく楽しいですね。私も、だから、楽しみに、ちゃんと早くからカレンダーを開けて…」
秋元キャスター
「女性の活躍と言うことで見ていきたいのですけれども。世界でドイツやイギリスの首相ですとか、国際通貨基金・IMF、アメリカ連邦準備制度理事会・FRBのトップなど、政界や国際機関そして企業で女性トップが多いわけですけれども。山田さん、この状況というのは一時的なのか、それとも傾向的に増えてきているということなのか、どう見ていますか?」
山田教授
「ええ、もちろん、アラブの一部の国は別です、もちろん、別ですけれども。アジアもそうですね、もちろん、ヨーロッパ・アメリカはもちろんのこと、東アジアの国々で、だから、私は台湾や韓国で女性大統領が出たというのはすごいことだと思っているんですよね。いわゆる儒教思想があるにも関わらず、女性をリーダーにしないとなかなか国がやっていけないという時代になったっていうのを象徴していると思いますね」
秋元キャスター
「その背景というのはどういうことがあるのですか?なぜそういう状況になったのか?」
山田教授
「韓国ではクォータ制をとるとか、いろいろやっていますし、裾野が広いのだと思います、はい。ここ2、30年の間にヨーロッパ・アメリカだけではなく、アジアの東アジアの国々もドンドン経済成長をして、そういう豊かな国を引っ張っていくためには、女性の力、女性固有というわけではないのですけれども、男女平等に扱わないと、なかなか引っ張っていけないということになっているのだと思います」
吉田氏
「私は、勢いに負けて、そういう事態になっていると思っているんですよ。この前、マレーシアに行ったのですけれども、マレーシアの経済界にいるおば様方の怖いこと、怖いこと。私も圧倒されちゃうぐらいでしたから。この人達が、企業家とか、多いですよね、会社の社長さんとか。これがドーッと固まってビジネスを始めたら、皆もう何も言えなかったのだろうなという、その勢いがあるのではないですか?」
山田教授
「そうですね」
吉田氏
「アジア諸国の勢いって、日本もやっちゃえばいいわけですよ。どちらかと言うと、日本は難しいところから入っちゃって、仕組みだとか、スキームだとか」
秋元キャスター
「…そうなんですよ。こう見ていただくと、議員や管理職における女性の割合の国際順位を見ますと、アメリカ11位、ドイツ75位などある中で、日本は144か国中113位ということですよね。山田さん、日本で女性のトップリーダーが少ないというのはどうしてなのでしょうか?」
山田教授
「いろいろあると思って。毎年、OECD(経済協力開発機構)等が報告、世界経済フォーラムで報告するのですけれども、毎年順位が下がっていくんですね、日本の順位が…」
秋元キャスター
「なぜなのですか?」
山田教授
「いや、他の国が…」
秋元キャスター
「あっ、周りの国が上がっちゃうから?」
山田教授
「…上がっているので、多少増えたところで日本の順位が下がってくる。そういう意味では、スピードが遅いですね」

『女性活躍』と日本社会 『ガラスの天井』との戦い
秋元キャスター
「さあ、今日は女性の活躍について話を聞いているのですけれど、女性の活躍について話す際によく耳にするのがこの『ガラスの天井』という言葉です。ガラスの天井とは、組織の中で男性が優遇され、能力のある女性が要職に就けない状態など、目に見えない制限を指す言葉なのですけれども。この言葉が日本でも広く知られるようになったのは昨年のアメリカ大統領選挙で女性初のアメリカ大統領を目指したヒラリー・クリントン氏の発言からでした。選挙中はガラスの天井を破ると訴えていたクリントン氏なのですけれど、選挙に敗北して『女性大統領という最も高くて硬いガラスの天井はまだ打ち破られていないが、いつか誰かが達成してくれるだろう』と語っています。竹信さん、日本の新聞社で活躍されてこられたわけですけれども…」
竹信教授
「ええ」
秋元キャスター
「竹信さんが新聞記者になられた頃というのは、どういう状況だったのでしょうか?」
竹信教授
「女性は1%もいませんでしたからね」
秋元キャスター
「うん…」
竹信教授
「はい。ですから、ガラスの天井というのは、見えない天井でしょう?見える天井ですから。当時、日本の女性は竹の天井、バンブーシーリングという…」
秋元キャスター
「竹の天井?」
竹信教授
「ええ。見える、竹というのは東洋のイメージですよね」
吉田氏
「うーん…」
秋元キャスター
「ああ…」
竹信教授
「見える天井です。と言われていたので、アメリカの友達がよくそう言って…」
吉田氏
「へえー」
竹信教授
「日本は、バンブーシーリングですよねと」
秋元キャスター
「竹信さんはお子さんも…」
竹信教授
「はい」
秋元キャスター
「いるということですけれども」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「あー、そうですか…」
秋元キャスター
「入社されて、その中で仕事をされて、結婚もされて、だいたい何年目ぐらいの頃に子供は?」
竹信教授
「えっと…」
秋元キャスター
「入社されてから?」
竹信教授
「27歳ですから、4年か5年ですよね。うん、早くつくろうと思っていたので、早くつくって、早く活躍したいと思っていたのですが…」
吉田氏
「ふーん」
竹信教授
「大誤算で、1番大事な時期に足を引っ張られ続けたという形に結果的にはなりました」
吉田氏
「うーん」
秋元キャスター
「早く活躍したいというのは、仕事上でという意味ですか?」
竹信教授
「ええ。つまり、早く本当に子育てを終えて、幼育児期を終わってしまえば、いいと思ったんですよ、でも、全然逆に、その時期が、1番競争が激しくて、大変な時期でしたよね」
秋元キャスター
「そのタイミングで仕事を辞めたいなとか、辞めちゃおうかなとかは思わなかったのですか?」
竹信教授
「と言うか、私、シングルマザーの娘です。だから、うちの母がいつも、男は生ものよ、死ぬのよ、そういうものに経済力を依存してどうするの。辞めちゃダメ、というのは、子供の頃からの家訓なので」
吉田氏
「なるほどね、すごいですね」
竹信教授
「それは仕方ないということですよね」
吉田氏
「でも、とても正しくないですか?」
竹信教授
「うん、正しかったです」
吉田氏
「ね?」
竹信教授
「はい」
吉田氏
「まさに現在の時代に本当に死なないにしてもですよ、大企業に勤めていたって企業自体がどうなるか…」
竹信教授
「雇用が不安定になっていますからね」
吉田氏
「本当にそうですよ」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「素晴らしいアドバイスだ」
竹信教授
「せっかくなったので、発言力があるではないですか?新聞記者というのは」
吉田氏
「うん」
竹信教授
「部数が多いですから。それで、働き方がおかしいと思っていたんです、私も入ってからずっと。子供を育てられないですよね、延長時間で…」
秋元キャスター
「子供はどうやって?」
竹信教授
「母が見ていました、だから」
秋元キャスター
「あ…」
竹信教授
「なので、それを変えないと…」
吉田氏
「そうなのね…」
竹信教授
「それを、新聞を使ってやりたいと思っていました」
吉田氏
「そうなのね」
秋元キャスター
「それをどうやって突破されて、仕事をずっと続けられたのですか?」
竹信教授
「私は、はじめはケンカばかりしていたんですね、そういうことで。だけど、途中から、味方になる男性がいるわけですよ、ある程度」
秋元キャスター
「えっ、男性で、味方になってくれる?」
竹信教授
「いや、男しか周りにいないから」
秋元キャスター
「あっ、そうですよね」
竹信教授
「その人が言っていたのは、彼がちょっと私の悪口、陰口を言っているという話があって、すぐ上の先輩でキャップだったんですね。それで皆に聞かれたんです、あの人、どうか?と。君の悪口を言っているけれど、酷いキャップなのではないかと言われた時に、いや、でも、私、こんなにすぐ書いちゃう女って、私は間違ってはいないと思っていたけれど、キャップは大変だなと思っていたから、そういうのもあるでしょうね、別に悪い人ではないですよねと言ったら。彼がそれを聞いて、助かったと言ってくれました」
吉田氏
「へえー」
竹信教授
「その時に、そうですよね、あの人のせいでと言ったら彼は管理職としての…」
吉田氏
「あー、そういうことか」
竹信教授
「失墜してしまうわけでしょう」
吉田氏
「なるほどね」
竹信教授
「君がそう言ってくれたおかげで…」
吉田氏
「あー、そう…」
竹信教授
「僕は割りと、正直言うと助かって…」
吉田氏
「あー、そう…」
竹信教授
「人間って、自分によくしてくれた人は味方になってくれるのだから」
吉田氏
「うん」
竹信教授
「今は対立していても、味方はつくれるから」
吉田氏
「うん、うん…」
竹信教授
「味方をもっと増やしなさいと言ってくれて」
吉田氏
「なるほどね」
竹信教授
「私もケンカをしないようにして、味方が増えていったために、その人達が、これをしたいと言った時に、理屈さえ通っていれば支援してくれて、紙面がとれるようになったりとか…」
吉田氏
「うん、うん…」
竹信教授
「それはありました」
吉田氏
「うーん…」
秋元キャスター
「そういうふうにこう気持ちを持っていけるというのも、なかなか私はすごいなと思ったのですけれども」
吉田氏
「いや、だから、彼女のキャリアへの執着心の方が強かったということでしょう」
竹信教授
「ハハハ…」
吉田氏
「乗り越えられちゃうんですよ。私だって、海外でシングルマザーですよ」
秋元キャスター
「海外で仕事をされていましたものね?」
吉田氏
「で、皆に言うの。いや、世界の男性社会に助けられてここまできましたと」
竹信教授
「ああ…」
吉田氏
「だって、男性しかいなかったから、もう必ず…。そこが我々の場合、休まるんですよね。当然、わからないわけですよ。子供を持って、シングルマザーという事実を隠しながら…」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「夜のディナーにも行く、ゴルフにも行く…」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「そういう仕事の仕方をしているということが、存在することすら、気持ちも及ばないという、それはしょうがないですよね。それが、マイノリティというものではないですか?」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「私達が言わない限り。だって、我々だっていっぱい理解できないマイノリティをいっぱい無視していると思うんですよ」
竹信教授
「そうですよ、うん」
吉田氏
「ただ、それは意地悪をしようとか、そういうことではなくて、気づかない」
竹信教授
「ああ、そうですよね」
吉田氏
「あまりにも日々、バタバタ忙しくて。そんなものってあるわけではないですか?そういう時代だったと思うんですよね。でも振り返ってみると心を割って話してみて、えっ?あなた、なぜそんなこと早く言ってくれなかったのとか」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「そこから、彼らも工夫して、いろいろ手を考えてくれたりとか。あとはそう言うことを言わなかったとしても、シングルマザーとか。能力だけを見てちゃんと引き上げてくださる方がいた。そういう意味では、私も4か国5企業で勤めて、現在に至るわけなのですけれども、世界の男性社会に救われて現在に至るんです、本当に、と言う感じですね」

男女平等の現実と理想
秋元キャスター
「これまで日本では男女の格差を解消するために法整備を進めてきました。1986年に、雇用における男女差別の禁止などを定めた法律、『男女雇用機会均等法』が施行されました。1999年には、社会活動全般での男女平等を目指すことを規定しました『男女共同参画社会基本法』が施行されました。2016年には女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定などを義務づけた『女性活躍推進法』が施行されました。こうした法整備によって男女格差の改善傾向がみられているわけですけれど、まだまだのようです。と言うことで賃金について見てみますと、短時間労働者以外の、女性の一般労働者の平均賃金24万4600円で、格差は縮まりつつあるのですが、男性の73%に留まっているんですね。また、会社役員や企業の課長以上などを指す管理的職業従事者に占める女性の割合は13%で、賃金・管理職の割合でも男女差が開いたままなのですけれども。竹信さん、国が先ほどのような法整備を行っても、いまだに男女のこうした格差が縮まらない…」
竹信教授
「うん」
秋元キャスター
「原因はどこにあると見ていますか?」
竹信教授
「男性に合わせて女性を働かせるというか、無理ですよね。たとえば、人間というのは仕事の裏に必ず家事・育児・介護とか、生活のことがありますよね。それを両方加味した働き方というものの再設計をしないといけないはずです。でも、これまでの施策はほとんどが男性に合わせなさいと」
吉田氏
「そうですよ」
竹信教授
「長時間なのだから、長時間働いてくださいとか、そうなっちゃっているので。結局、本当にそれができる条件の一部の方しか、そこにはついていけないとなってしまいます。それによって男性も苦しいです、女性が入ってきて競争を新たにさせられますから。皆が長時間労働になってしまったりとか、皆、家事ができない、育児ができない。そういうことが大きいですね」
秋元キャスター
「うん」
竹信教授
「それから、あとは保育とか、女性が家に抱えている仕事を支える、代替、代わりになるというシステムが非常に足りないということですよね」
秋元キャスター
「うん」
竹信教授
「あとは、仕事の評価に格差が、差別と言っていい格差があって。公平な評価ができる方法がまだ日本ではうまく定着していない。3つあると思います」
秋元キャスター
「よく根本的に育児・保育を女性だけで抱えるのではなく、男性も一緒にやろうという…」
竹信教授
「そうです」
秋元キャスター
「そこを変えるということはよく…」
竹信教授
「いや、それだけではダメですね。男性と社会的支え、それから、労働時間、3つやらないと、この労働時間では男性も手伝えません」
秋元キャスター
「山田さん、いかがですか?」
山田教授
「それを解決するのには、実は世界的にはいくつかの方法があるのですけれど。竹信さんがおっしゃったのは、いわゆるヨーロッパ型で労働時間短縮、男性の育児という、双方向もありますし、アメリカとか、アジアの新興国ではキャリアで働いている夫婦には、いわゆる住み込みのメイドさんでやっているというケースもあって、もちろん、少数ですけれど。いろいろな形でいろいろな手段が用意されているというのはありますね。日本は保育園に入らなければ、それもきちんと時間を守る保育園に入らなければ、もう知らないよという形で、全然多様化していない、そこも多様化していないので、そういうところもあると思いますね」
竹信教授
「それはたぶん労働時間をオランダ型みたいな形で、自分で選べて、短い時間でも大損をしない、時給が同じ仕事は同じとか、そうなれば、まずその部分はかなり保育園の負担も減りますよね、労働時間を短くできますから。もう1つは、メイドさんというのは確かにやっているのですけれど、私はシンガポールに2年いましたよ、だけど、そこはまったくその通りにやっています、でも、扱いがかなり酷い。住み込みなので、虐待が起きたら止める人がいません」
秋元キャスター
「あっ、子供に対して?」
竹信教授
「いや、ではなくて、メイドさんへの虐待です」
秋元キャスター
「ああ…」
竹信教授
「外国人なので、すごくそういう差別的なこともありますし。密室の労働ですから、そうなると止める人が、メイドさんイジメが始まった時に止める人がいないです。だから、しょっちゅう問題になっていて。香港でもそうですよね。なので、最近では家事労働者条約というのをアメリカのミネソタなんかが中心になってつくって、家事を労働として認めてくれと。家事労働者を使うのだったら週休2日とか、普通の労働者並みの労働条件をちゃんと認めてくれるような仕組みをつくってくださいと国連で採択されていますから。もし入れるのなら、その条約を批准するのというのが正攻法だと思います」
秋元キャスター
「うん」
吉田氏
「あとは、決定的に使っていないのは、デジタルですよね。日本は相当、19世紀です、はっきり申し上げて」
秋元キャスター
「デジタル?」
吉田氏
「デジタル、要は、IT(情報技術)です、IT」
秋元キャスター
「ああ…」
吉田氏
「私がよく言うのはこれだけITを使っていない、私も海外まわりで日本に帰ってきた方なので、ITを使っていなくて、女性の活躍をこれだけやっていなくて、GDP(国内総生産)3位の国はすごいよね、これは伸びしろはどうなの、どれだけ化けるのだろうと思っているぐらい。そのITというのは現在、グローバル企業でこういうふうに使われているわけですよ。多様な人材の活用は女性の活躍とか、高齢者の活用とか、それだけではなく、いろいろな現在この瞬間、事情下にあるという、あなたの10分、あなたの10分、あなたの10分、あなたの10分というのを、仕事をさせるという、これがICTですよね。それは交通渋滞なのかもしれないし、いや、子供が今日、風邪ひきました、なのかもしれない。本人がちょっと頭が痛くて、お化粧して会社に行くのが嫌なのというのかもしれないし、雪が降っちゃって、駅にスタックしましたなのかも。そういう時にそれでも仕事ができる環境という、それだけ技術進化は進んでいるわけですよ。それを無理して5時間かけて、雪なのに会社に出社しましたとかやっていませんかとか。その5時間はもしかしてサクサクどこかで仕事ができるのだけれども。そういうふうなことに使って、この10分、この10分を、たとえば、社員が10万人いたとしますよね、グローバルで、これは生産性ですか?生産性ではないのですか?生産性ですよ、間違いなく。こういう環境整備をしていないとしたら、このいろいろな制度の議論は時間もかかるんですね、託児所も。でも、同時並行でまずできるということというのは随分ありそうだなと」
山田教授
「あと1つちょっと言いたいのは、果たして管理職に女性がなりたがっているのだろうかと、そちらの方の前提というものをもう少し疑って、制度を組み立てなければいけないと思っている」
秋元キャスター
「13%という数字がありますけれども」
山田教授
「あっ、その13%のうち、かなりの部分が看護師、看護師長と小学校の校長・教頭です」
竹信教授
「うん、そうですね」
山田教授
「それを除くと、民間企業だと7、8%です、課長以上だと」
秋元キャスター
「ただ、もともと、いわゆるサラリーマンでいう、総合職で働いている女性が少ないという、その絶対数の問題も?」
山田教授
「ええ、辞めていく人ももちろん、いますし」
秋元キャスター
「あるのですね」
山田教授
「日本は、いわゆる終身雇用・年功序列です。かつ日本は中間管理職、管理職の中でも中間管理職はあまりいい状態ではないですよね。労働時間は長く、責任は重く…」
竹信教授
「うん」
山田教授
「給料はたいして増えないと言うか、残業代がなくなるので増えないと。なぜそれになりたがるかと言ったら、男性は昇進しないと周りに比べて恥ずかしいという意識がありますよね。かつ昇進すると妻が喜ぶ、配偶者が喜ぶと言うよりも、昇進しないと妻から尻を叩かれるというのがあります。逆に女性の場合は、昇進したからと言って、いわゆる家族から喜ばれるとは限らないですよね」
吉田氏
「先ほどのロールモデルの話ですけれども、私も実はあれだったらやりたくないわというのが随分ありました」
竹信教授
「あります」
吉田氏
「ええ。あれだったら…」
秋元キャスター
「そうなのですか?」
吉田氏
「いや、それは…」
竹信教授
「つまらないですよ」
吉田氏
「いや、できたら女性だし小綺麗で華やかで、その…」
竹信教授
「ああ、そういうことか」
吉田氏
「いや、そういうのもありました」
竹信教授
「私は、仕事がつまらなそうだなという…」
吉田氏
「それでそのお給料で髪振り乱して、子供を悲しませて、それだったらなという。私、随分、そういう判断をしたことがありますよ」
竹信教授
「あとは意識の問題もあるかもしれないけれども、同じ学歴で同じ条件でも、男性の方に、先にやらせたいという会社の方の…」
吉田氏
「元が違いますよね、そうそう」
竹信教授
「ピックアップもそこはあるんですよ。性差別的なものがある、ある」
秋元キャスター
「そこは現在もある?」
竹信教授
「ある、あります」
山田教授
「現在もありますね」
竹信教授
「あります」
吉田氏
「これは、性差別的という表現もあると思う。ただ、こういう表現もあるんですよ。そろそろ家を持たせ、車を買わせて、家族もいるしという。そういう言い方もしていますよね?」
竹信教授
「それも、あります」
吉田氏
「そういう時代だったという。だから、男にはそうやってゲタを履かせていたのよ…」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「という大企業も」
竹信教授
「あります」
吉田氏
「ね?あったわけで…」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「だから、そこは時代の流れ、いろいろなコンテクストの中で、そういう事実があったというのは、そこは理解して。あと、もう1つの24万円で73%、これは日本だけではないです。この賃金格差というのはイバンカさんがまさにおっしゃっている、ここは是正しなければいけないよねと、欧米社会でもそうです。イギリスでもここを透明化して、ちゃんと同一労働…同一価値・同一賃金、まだやっているんですよ。30年先…」
竹信教授
「度合いの問題がね?7割なのか、8割なのか?」
吉田氏
「7割です」
竹信教授
「イギリスはそうですよね」
吉田氏
「イギリスで…」
竹信教授
「ええ」
吉田氏
「だから、ここはまず透明化して、企業がまだそういうことやっているのという社会的制裁を受けるような、この環境をつくっていかないといけないのかもしれないです」

安倍政権の方針と課題
秋元キャスター
「政府が今年6月に決定しました『女性活躍加速のための重点方針2017』というのがありまして。この中であらゆる分野における女性の活躍を実現するための方針、このように立てています。『女性活躍に資する働き方改革の推進』ということで長時間労働の是正、テレワークの推進など多様で柔軟な働き方の推進などということになっています。『男性の暮らし方・意識の変革』ということで、男性が家事・育児などに参画する社会の実現に向けた気運醸成ということもあげています。さらに『あらゆる分野における女性の参画拡大・人材育成』をはかるとしているのですけれども。まず竹信さん、安倍政権が掲げたこの方針、どう評価されますか?」
竹信教授
「女性活躍というのを言ったこと、これが大事だと、一丁目一番地にしたこと自体は成果です」
秋元キャスター
「成果?」
竹信教授
「ええ。これによって、やっと日本でそれは問題があるのだって、悪いけれど、初めてですよね、そこは」
吉田氏
「本当ね」
竹信教授
「だから、そこを私は評価しますが、他の労働時間も100時間未満という残業規制の緩さと、あと1日の労働時間規制がほとんどできていない。女性は1日の労働時間規制が本当はすごく大事です。だって、帰ってから、もう1つ仕事が毎日あって、子供が口開けて待っているわけですから、そこのところを一定程度、目安を示さないといけないのですけれど。インターバル規制というのを一応やりましたけれど、努力義務に終わってしまったので。そこを1日ごとにちゃんとかえさなければいけないということは、経済界は、否定的なのは知っていますけれども、そこはやらないと、女性は絶対活躍できない、子供もおかしくなります。そこをやっていただくことがすごく大事ですね」
秋元キャスター
「こう見ていきますと…」
竹信教授
「うん」
秋元キャスター
「『推進』ですとか…」
竹信教授
「はい」
秋元キャスター
「『気運醸成』という…」
竹信教授
「はい」
秋元キャスター
「何と言うか…?」
竹信教授
「ムード」
秋元キャスター
「そうですよね。あまり具体的にどうするのというのが見えてこない気がするのですけれども…」
竹信教授
「ええ」
秋元キャスター
「そのあたりはいかがですか?」
竹信教授
「いや、そこですよね。言ったことを評価というのは、ムードは盛り上がったけれど、実際はどうなのと言うと労働時間問題とか、保育園も一生懸命、増やしていますけれど、でも、規制緩和を現在していますよね?」
秋元キャスター
「はい」
竹信教授
「これは当面仕方ないという気持ちもわかります。でも、どこかで戻すという、長期の方針を示さないと、中が悪くなっていくと、お母さんが預けたがらなくなります」
秋元キャスター
「うーん」
竹信教授
「日本のお母さんは保育園に預けることについて、すごく暗いイメージが結構、実はあるんですよ」
秋元キャスター
「ありますね」
竹信教授
「ええ、それは、悪かった時期があることは語り伝えられているからですね。現在は結構いいと思いますけれども、それがまた規制緩和の方向で、悪い方向というか、床面積が1人当たり詰め込んでもいいというように行き過ぎるとまた戻ります。せっかく入れても預けたがらなくなる可能性も場合によってはあります。なので、現在は緊急避難だということを明らかにしながらやらなければいけないですし…」
秋元キャスター
「うーん…」
竹信教授
「そういう具体性が、本気度がちょっと感じられないですよね」
秋元キャスター
「吉田さん、どう見ていますか?」
吉田氏
「そこまで全部、政府がやるのかなという感じがしていて。経済界とするとここからバトンを持って、それぞれ皆、走り出しているんですね」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「経団連としては何をしているか、自主行動計画というのを立ててもらっていて、メンバーカンパニーに、1300社の、そのうちのもう7、8割かな、我々のホームページに見える化して、記載しているんですね。結構細かく、皆さん、自分達の計画、行動計画、ここを改善して、たとえば、託児所を社内につくるとか…」
竹信教授
「はい」
吉田氏
「いろいろな工夫の中でやって、変わってきています。でも、何と言ったって、まだ4年目、せいぜい何年目なので。まだまだ道半ばではありますけれど、面白いのが、このウェブサイトで見える化してから、皆さん、他社のを、見にいくわけですよね」
竹信教授
「うん、これは面白いですね」
吉田氏
「あっ、これは、いいやと、競争環境が生まれて…」
竹信教授
「私もよく見ています、ええ」
吉田氏
「すごくいいですよ」
竹信教授
「わかります。あれは効果がありますよ」
吉田氏
「そう、そう」
竹信教授
「あれは評価する、してもいいと思います」
秋元キャスター
「どういう効果があるのですか?」
吉田氏
「だから、まずその業界の中で結構、コンペをしてくれるわけですよ」
竹信教授
「つまり、どこまでやったかを見える化しているから…」
秋元キャスター
「はあ」
吉田氏
「そう。たとえば、A社がここまでやって何パーセントになったのかと」
竹信教授
「ええ、比較されるんですよ」
吉田氏
「次の週にここも少しずつターゲットを上げていくとか、こういうことをつくりますと宣言…、結構、だから、ヒット数も多いし、皆さん、見ているんですね、ステークホルダーも」
竹信教授
「ただ、私は、敢えて…」
吉田氏
「うん」
竹信教授
「先ほど、仕組みとか、もっとちゃんとしろと言ったのは」
吉田氏
「はい」
竹信教授
「大手企業とか、そういうところはいいですよ」
吉田氏
「はい」
竹信教授
「でも、女性が働いているところは非正規や中小企業だったりするんです」
吉田氏
「ええ」
竹信教授
「かなりブラックなところも結構あります」
吉田氏
「うん」
竹信教授
「そういう、もともとのところは、きちんとシステムで規制していかないといけない部分があって…」
吉田氏
「そうね、そう」
竹信教授
「底上げするのなら、規制は重要ですよね」
吉田氏
「その規制も、あるべきこういう姿というのを、まだ皆、いろいろ模索しながらやっているところで…」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「そこで、絶対に忘れちゃいけないのは、これは4年目ですよ。4年を長いと言うのか、短いと言うのかというのはアレですけれど、模索しながら現在、進んでいるということ。諦めずに、この過渡期に生きた女性達として、気合を入れて、腰を据えて、やっていこうよというメッセージはすごく送りたい。ネガティブな、どうしても記事であるとか、メディアの取り上げというのはどうしても多いではないですか?」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「そこにくじかれてほしくないですよね」
秋元キャスター
「うん」
吉田氏
「私もだって、人生25年生きてきて…」
秋元キャスター
「うふ…」
吉田氏
「こんなモーメンタムを見てきたのは初めて、もったいないと思うわけね。とりあえず、こういう雰囲気は出てきましたと。その中で経済界もバトンを握って自分達でも走り出した、ようやっと。次に私がしたいのは、とは言っても、経済界はすごく競争社会に晒されていますから、このROIというものを、そろそろ見せていこうよねというのは、経団連として号令をかけだしています。号令をかけていますと言うのは私が号令をかけているわけですけれども。これだけいろいろなプログラムであるとか、いろいろな規制も行われている、人員も割いて4年間やってきたことにどういう変化ができてきたのか。ここは見据えていこうよねと。このアイデアをもらったのが、イバンカさんが率いる女性活躍推進のチームがあって、ディナ・パウエルという大統領補佐官が出て、私達はこうやってやっていると、BRICsの話ですよね。だから、とりあえず女性がまず自分達の人口の半分の知というものをマーケットに出す、これが既に風であると、風が吹けば桶屋が儲かる、必ず、必ず経済効果というのが出ているから、それをちゃんととらまえ、見据えていこうよねと、これが先進諸国のウーマノミクスというものだろうと。要は、これがありません、あれが足りません、これをしてくださいという話はとっても多いわけですよ。ところが、朝起きると、たとえば、ミサイルが飛び交っている、天災もあればブレグジットもあれば、本当に皆さん、政界、それから、経済界共に、火消しで毎日必死ですよね。今日は女性の活躍推進やるぞと思っていても、朝起きるととんでもないことが起きていて、プライオリティ93になったりすると。こういう中で私達が持続的に変革を続けていく、ミッションを担うためには、効果というものはそろそろ見える化させていかなければいけないというのはすごく感じていて、経済界としては」
竹信教授
「うーん…」
吉田氏
「これをうまく数値に変えていこうと」
竹信教授
「それは反対ではないのですけれども、でも、だからこそ、ここが足りない、あそこが足りない…」
吉田氏
「もちろん、両方です」
竹信教授
「…を言わないと」
吉田氏
「絶対に」
竹信教授
「特に声が出せる女性じゃない人が…」
吉田氏
「もちろんです、もちろんです」
竹信教授
「私もシングルマザーの母、娘ですから言いますけれども…」
吉田氏
「いや、おっしゃる通り」
竹信教授
「…とてもそんなことをやっている暇はないです」
吉田氏
「これに投資をするためにこっちも見せる、両方です。だから、両方がそろそろ大事になって」
竹信教授
「はい、両方のベクトルをやる」
吉田氏
「そうです、そうです」
竹信教授
「ともすれば、見える方だけではなくて…」
吉田氏
「そうです」
竹信教授
「見えない人達のこともやっていく力をつけないといけないと思います」
吉田氏
「そうですね」

『真の女性活躍社会』が日本にもたらすもの
秋元キャスター
「山田さん、女性の社会進出が進んで、男性も女性も同じように家事を分担して働いていくようになった場合に家族ですとか、夫婦の形というのは変わっていく可能性がありますか?」
山田教授
「それほど、現在とは変わらないと思いますね」
秋元キャスター
「あまり変わらない?」
山田教授
「はい。だから、逆に女性の活躍が進むと少子化が起きたりとか、そういうデータはまったくなくて。むしろ女性が活躍している国であればあるほど、出生率が高くなって。日本とか、イタリアとか、スペインとか、女性があまり進出しない国ほど出生率は低くなるんですよね」
秋元キャスター
「へえ」
山田教授
「要は、2人で働かないと2人、3人の子供をちゃんと育てられないというのは浸透してきますからね」
秋元キャスター
「うーん。つまり、経済的に余裕ができると少子化もある程度…?」
山田教授
「解決するはずですけれども。でも、現在はなかなか、なので、専業主婦志向が現在、復活してきているんですよ、実を言うと」
秋元キャスター
「あっ、そうなんですね?」
山田教授
「若い人達の間で、収入の高い夫は少なくなっているのですが、それを承知のうえで少ない男性をゲットし、中間管理職みたいな形で働きたくないという女性も増えてきているので。仕事のあり方の変化というのと、家族のあり方の変化というのを同時に、あと社会制度のあり方の変化を同時に進めていかなければいけないですよね。ただ、女性活躍、仕事しろと言うだけでは、なかなか、特に若い人達はついていかないですね」
秋元キャスター
「うーん。吉田さん、どう考えますか?家族ですとか、夫婦の形の現在、日本にあるものがドンドン変わっていくのかどうかというのは?」
吉田氏
「女性の活躍が変えると言うよりは、私は社会が変えるのではないかなと思いますね。私の娘は大都会が嫌いな子で、ママは大都会でショッピングが大好きなのですけれども、娘は…。娘はカナダにいるんですよね、カナダのカルガリーという割と田舎と言うとアレですけれども、素朴な国、町にいて、彼女はそういうところが大好きで、そこの学校に通っていて。だから、彼女のコミュニケーションというのは、いわゆる技術進化、ICTを使って、随分前からですね、テレビとかでチャットをしたり、あんなことばかりをやっていたのですけれども。こういうことはこれからドンドン、ドンドン起きるのだろうなと。なぜ思っているかと言うと、私、テレワーク社長なんて言われちゃって、現在4つのワラジを履いているんですね、いろいろなことして、経団連の役員ということと、あと規制改革、国民…民間議員、規制改革推進会議のメンバーというのもやらせていただいて。現地法人の社長でしょう、日本とイギリスを行ったり来たりして、海外出張はすごく多いものですから。母親の部分は絶対に力を抜かないぞとやっていると、4つのワラジになって。いやしないですよね、オフィスに」
秋元キャスター
「うーん」
吉田氏
「でも、そこで私の仕事が、生産性が下がっているかと言うとまったくそういうことはないと思って。まず1つ、それをKPIで見ているのが売上げですよね、私達の業績はちゃんと右肩上りになっているから。ここをKPIとして見て生産性を上げるべく、技術進化というものを、革新というものを最大限に使っているのですけれども。この前、ヒースロー空港から羽田に帰ってくる飛行機の中で、今もうサクサクですよ、14時間」
秋元キャスター
「サクサクとは何ですか?」
吉田氏
「サクサク、ごめんなさい、オンラインでネット、要は、まったくストレスなく」
秋元キャスター
「あっ、なるほど…」
吉田氏
「最終的には私、この技術進化のおかげで電話会議に出て、そのうちテレビ会議にも出ちゃって、すごく仕事もはかどるんですよね、ジャマが入らないものですから」
秋元キャスター
「うーん」
吉田氏
「もう昔みたいにシャンパンか、ビールか、ワインを飲んで、ハリウッドの映画観てみたいな幸せがだんだんなくなっていくと思いますよ。だから、そういう時間と空間がほとんどなくなっていきますという、こういうデジタル社会を迎えるにあたって、必ずしも家族と言え、いつも身体がそこに寄り添っていなくてはいけないのだと言うと、そういうこともおそらくなくなっていく社会になるのだろうなと。働き方がこうやって変わるということ、その中で、だから、いろいろな人生を並行して走ることができると、それも100まで。どれだけやらないといけないかということですよね」
秋元キャスター
「そうですね」
吉田氏
「おじいちゃん、おばあちゃん達の時代に比べるとね」
秋元キャスター
「うん。竹信さん、どうですか?」
竹信教授
「現在のままでは活躍できないので、女性は」
秋元キャスター
「ええ」
竹信教授
「もっと、先ほど、労働時間問題とか、ありましたよね」
秋元キャスター
「はい」
竹信教授
「女性が安心して活躍できるような支えが必要ですね。先ほど、専業主婦帰りが始まっているとおっしゃっていましたが、それは確かに学生を見ていてもそうなの」
秋元キャスター
「そうなのですか?」
竹信教授
「あまりにも大変に見えるんですよ」
秋元キャスター
「ふーん」
竹信教授
「だから、こんなのとてもできないというか、楽しくなさそうみたいになってしまうところがあって。ただ、同時にそれは男性にとっては困ることです。だから、女性活躍はもし本当にちゃんとうまく安定的にできれば、男性は助かる。と言うのは、それはウチの学生の話ですけれども、専業主婦志向というのが強まっているというのをどう思いますかというのを討論したんですね、その時にそのうちの1人が、これは女性から男性へのテロですと言ったんですね」
秋元キャスター
「女性から男性へのテロ?ほう」
竹信教授
「つまり、男でしょう、私を養いなさいと言って…」
吉田氏
「なるほど、うん」
竹信教授
「専業主婦の私を養いなさいよ、と脅しているようなふうにさえ聞こえると。もう僕達はできない、そんなことはと。雇用が不安定化しているし、非正規だって増えているのにね」
吉田氏
「うん」
竹信教授
「そんなこと言われたって、できない。それを女性から、専業主婦願望、と言われると、恐ろしくて生きていけないというふうなことを言っている子まで出てきてるんですよ。だから、もうもたないですね。女性がどうこうという以前に、男性がもたないと思います、はっきり言って」
吉田氏
「でも、その若い女性達は、どうなのですか?経済的に、男性に養ってもらえるほどのもう収入がないわけではないですか?」
竹信教授
「知らないです、イメージだけ先行している」
吉田氏
「イメージが」
山田教授
「格差があるので、そういう男性もいるんですよ」
吉田氏
「うーん」
山田教授
「だから、そちらに入りたいと思っているけれど、全員分入れるわけではない」
竹信教授
「そう、自分だけがそこにいくと勝手に思っているんですよ」
吉田氏
「なるほど」
竹信教授
「ええ。それは最近の特徴です」
吉田氏
「シンデレラ志向ね」
竹信教授
「うん。そこだけは大丈夫と思っている。だから、非常に非現実的ですよね」
吉田氏
「ということか」
竹信教授
「ええ。で、そういう話をすると、ガッカリしましたと言うんですよ」
吉田氏
「ああ」
竹信教授
「だから、そうではなくて、ちゃんと条件をとらなくてはいけないわけですよね。そうしないと、もうそんな男は滅多にいないのだから、だったら、それこそ安心して活躍できる、そういう仕組みというものを皆で考えて…」
吉田氏
「そうだね」
竹信教授
「…つくっていくということを、自分達からまずやらないと、と言うしかないですよね」
吉田氏
「うーん。だから、そういう収入源というか、お金を稼げるという以上に、自己表現、自分の自己実現みたいな、働くって楽しいことですよと言うと結構、驚いたりする若い人も随分多いですよね」
竹信教授
「イメージが悪すぎる…」
吉田氏
「そう」
竹信教授
「確かに過労死しているし」
秋元キャスター
「そうですね」
竹信教授
「高橋まつりさんみたいな例も出てきちゃっていますからね」
秋元キャスター
「ええ」
吉田氏
「私は、でも、シングルマザーで、海外で仕事をしてここまで、辞めろと言っても、辞められないぐらい楽しかったのは間違いないです」
秋元キャスター
「うーん」
竹信教授
「やってみればそういう局面というのはありますよね」
吉田氏
「そう。それを知ってほしいの。そういう議論は全然、先行しないではないですか。お金を稼ぐのは苦労することだって、もう直結しちゃっているので、それも相当違うと思うの。そんな稼ぎ方だったら、大した稼ぎ方できないはずですよ」
秋元キャスター
「うーん」
竹信教授
「でも、それができないという人がすごく多いし。あと、自分のお母さんが、そういうふうに働いているかと言うと、そうではないケースの方が多いからですよね」
吉田氏
「だから、そこがまた再びロールモデル、私達がどういう姿を見せてきちゃったのだろうというのはありますよね」
竹信教授
「うん」
吉田氏
「ここから、だから、そうではないということもあるよという事例は、皆にも見せていきたいなと、私は個人的には思う」
竹信教授
「うん…。モデルだけでは難しいかもしれない。最近、いいモデルを見せると、むしろそっぽ向かれることさえあるぐらいです」
山田教授
「自分とは関係ない…」
竹信教授
「そう、関係ないし、何かきっとあの人は?あの人はねと、こういう…」
吉田氏
「もちろん」
竹信教授
「それぐらい格差が広がっているんですよね」
吉田氏
「でも、スイッチオンしてくれる人が1人でもいるのだったら、スイッチオンはしていただいた方がいいとは思う」
竹信教授
「うん。私はモデル論よりも、悪いけれど、実は格差を縮めていくための社会システム転換を必死になってやらなくてはいけないという方が、むしろ強いです」
吉田氏
「うーん」
秋元キャスター
「両方かもしれないですね」
吉田氏
「両方です。現在はジャングルの中に文明社会をつくれと言うぐらい、あれが先ですか?これが先ですか?全部やってください悪いけど、と言うぐらいやっていなかったので、やりましょう」

山田昌弘 中央大学文学部教授の提言 『家族、恋愛の多様化を』
山田教授
「私は、敢えて家族や恋愛の多様化と言ったのですけれども。男が仕事で、女は家事でなければダメだとか、そういうような固定化した意識というものが非常に妨げになっていると思います。だから、そこを多様化して、たとえば、女性が働いて、男性…、キャリアの女性が働いて、男性が専業主夫でいいみたいなような、いろいろな形の家族を認めていくということが必要になっていくと思います」

吉田晴乃 BTジャパン社長の提言 『攻めのウーマノミクス』
吉田氏
「攻めのウーマノミクス。ウーマノミクスを始めて4年目になるのですけれども、いろいろな前向きな、ポジティブな経済効果というのは間違いなく出ているんですね。新しい、こういう商品が売れるようになった、こういうサービスが出るようになったとか。こういったものを数値化して、皆で自信を持って楽しんでやっていこうよ、そんなかけ声をお送りしたいですね」

竹信三恵子 和光大学現代人間学部教授の提言 『活躍より安心!』
竹信教授
「活躍より安心と言うのは、活躍しようというかけ声はすごいのですけれども、その条件が先ほど、言ったようにいろいろ足りなくて、皆、心配して暗くなっている子が、人が結構いるんです。なので、まずは安心して生きていける、そういう仕組みをきちんとつくることが活躍を生むと思います」