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2017年10月30日(月)
北朝鮮『次の一手』と日米中の対北シナリオ

ゲスト

若宮健嗣
自由民主党国防部会長
宮本雄二
元駐中国日本大使
渡部恒雄
笹川平和財団上席研究員
礒﨑敦仁
慶應義塾大学法学部准教授

北朝鮮『静けさ』の背景 金正恩委員長狙う『次の一手』
秋元キャスター
「北朝鮮問題打開に向けた道筋について話を聞いていきます。来週日曜日から始まります、アメリカ・トランプ大統領初のアジア歴訪なのですが、同盟国である日本と韓国を訪問したのちに、中国を訪れるという予定になっていまして、北朝鮮対応をメインテーマに首脳会談を行うとしています。半島情勢・事態の打開に向けて動き出すのでしょうか。北朝鮮問題の転換点として期待されます、米中首脳会談を前に、各国の内情と北朝鮮問題の見通しについて、話を聞いていきます。まずは北朝鮮をめぐる最近の主な動きを見ていきます。礒﨑さん、今年に入って毎月のようにミサイル発射を行っていた北朝鮮が、このところ少し静まった気配もあるのですが、静けさの背景をどう見ていますか?」
礒﨑准教授
「日本で総選挙がありましたので、その間、北朝鮮に関して小さなニュースはそれほど報道されない傾向にあったのですが、実は北朝鮮の国内ではかなり大きな変化があったと私は見ています。出していただいた日程、クロノロジーをご覧いただくと10月7日に朝鮮労働党中央委員会総会というものをこれ1年5か月ぐらいぶりに開催しているわけですね。アメリカとの戦争に備えているならば、そもそもこんな大規模な委員会を開くというのはちょっと疑問に思うわけです。しかも、ここで行われたことは大型の人事だったんですね。大型の人事、中国ですとチャイナ7ですか、常務委員会が7人いて、北朝鮮の場合ですと常務委員会が5人です。北朝鮮の党の政治局常務委員が5人いることは知っていた、公表されていたのですが、その下の政治局の委員ですとか、委員候補、さらにその下まで人事がかなり動きまして。これは、金与正さんという金正恩国務委員長、金正恩委員長の妹さんが格上げしたと、昇格した、ここだけ報道される傾向があったんです。ちょっと長くなりましたが、全体で1番のポイントというのは、生粋の軍人が大きく昇格していない、1人も昇格していないということですね。政治局の委員ですとか、委員候補にさまざまな人が昇格しているのですが、昇格をした顔ぶれを見ますと、外務大臣、経済を担当する幹部達ばかりで、生粋の軍人はなぜ1人も入っていないのかと。戦争に備える体制にはなっていないわけですね。しかも、その前後、9月の下旬からは、金正恩委員長が7月、8月にはまったく1回も行ってこなかった、民生関連の国民生活の向上に関係のある活動というものを再開しているわけです。リンゴ畑に行って笑顔を見せたり、田んぼに行ったり、靴工場に行ったり、一昨日は化粧品工場ですか、そういういったものを見せて、経済の方に舵を切りたいと、アメリカとの対峙ではなくて、経済の方に舵を切りたいという想いは明確に出てきていると思いますね。『並進路線』という言葉があります。これは2013年3月に金正恩委員長自らが提示した路線です。経済建設と核武力建設の並進路線、我々はどうしても並進路線という言葉に引っかかってしまうというか、並進路線という言葉をそのまま受けとりがちなのですが。実は当時、現在に至る金正恩氏のスピーチをきちんと見ておくと、これは2段階論ですね。つまり、核開発して、核・ミサイル開発をして、抑止力を確保できたら、ようやく自分達は堂々と経済建設にいけるのだという、こういう感覚。ですから、最近の論調を見ていくと、この第1段階の抑止力の確保というものはうまくいったのだという感じを、彼ら自身が示し始めたという…」
秋元キャスター
「この並進路線というのがまず核を持って抑止をして、それから、経済の方にシフトしていくという話がありましたけれども、そこまで国際社会が時間を与えてしまったという部分はありますよね?」
若宮議員
「そうですね。率直に言って、そういった時間を与えてしまったのは否めないと思います。実は私自身も、毎年2月にミュンヘンの安全保障会議というのが開催されていまして、日本ですと予算委員会のちょうど真っ盛りですので、なかなか防衛大臣、あるいは副大臣が出向くことが難しい時期、タイミングなのですが、たまたま2年連続で昨年と今年とうかがわせていただきましたのですが。北朝鮮の脅威に対する、国際的な目と言いますか、あるいは関心度合いがまったく変わってまいりました。実は昨年の時にはまだそれほどご認識をいただけていない部分もあった。確かにその事実は知ってはいるけれど、はっきり言って、正直、この欧州の部分と東アジアの部分というのは物理的な大きな距離がありますので…」
秋元キャスター
「遠い話だから?」
若宮議員
「はい。まさに自分のことのようにはあまり受けて止めていない部分が…。逆にIS(イスラム国)などに関します件については、大きな課題で、難民の問題とかがありましたので、そういったことが大きな課題でしたけれども。今年、行きますと、まったく違いまして、もちろん、それは引き続き大きな課題ではありましたけれども、この北朝鮮のミサイルというのはともすると自分のところも場合によっては、今回の場合はそうですけれども、射程がドンドン伸びてきていますので、これはアメリカに向けてというのが、もちろん、一般的に言われていますけれど、これは向きを変えれば、これどこまでも距離があろうと飛ばすことが可能ですので。そういった意味も含めて、あるいは国際社会の中で、これはちょっと看過しておくわけにはいかないなという意識が、各国首脳の方々の中でもう芽生えているのかなというのは実感いたしましたね」
渡部氏
「先ほど、国際社会はこんなに北朝鮮に時間を与えてしまった。それは甘く見ていたんですよ。北朝鮮の体制が今にも崩壊すると。戦争になるよりは、あるいはきつく追い込むよりは崩壊するのだから待っていよう、これは1番責任があるのはたぶんアメリカだと思いますね。アメリカの場合は特に4年ごとに政権交代をして、その都度、前政権を批判するものだから、一貫性のある政策をとれなかった。つまり、過去20年以上、ずっと政権交代の度に全然違うことをやっていて。しかも、国際社会はさすがにアメリカと足並みを揃えなくてはならないから、そのまま放置を、放置と言うか、結果的にはですけれど。片や北朝鮮の方は、そこはよくわかって、すごく学んできていると。片やアメリカはまたゼロからやり直し。トランプ政権になって、過去の政権の失敗、アメリカの政策から学んだ人がどのぐらいいるかという話ですよね。だから、非常に難しいのですが。ただ、本気になっているのは間違いなくて、若宮さんがおっしゃられた、ヨーロッパの人が本気になっている、これは私もヨーロッパの人と話して、アメリカまで届くようになりましたと言ったら、ヨーロッパの人が、それはヨーロッパにも届くようになったということだと。そういうことで現在チャンスなのだと思います」

中国『制裁の本気度』と内情
秋元キャスター
「ここからは、北朝鮮に対する中国の向き合いについて話を聞いていきます。国連安保理の北朝鮮制裁決議について、これまで常に中国の本気度というのが議論の的になってきたわけですけれども。制裁の概要について、あらためて見ていきます。8月の国連安保理決議では北朝鮮からの石炭・鉄鉱石・鉛・海産物の輸入禁止、出稼ぎ労働者の受け入れ、合弁事業も禁止となりました。9月に採択されました決議では北朝鮮から繊維製品が全面輸入禁止、北朝鮮への輸出では原油・ガソリンなどに対して上限が設けられて、制限されることになりました。中国の外交部は、この制裁に関して『中国は安保理が必要な措置を講じることに賛同し、決議内容が全面的に完全な形で履行されることを望む』とコメントしています。宮本さん、中国による北朝鮮への制裁の現状をどう見ていますか?」
宮本氏
「トランプ大統領が北朝鮮問題に強い関心を持って今年4月のフロリダにおける最初の米中首脳会談において、この問題を重要な課題にしたということが、実は中国の北朝鮮政策の見直しにつながったのではないだろうかという感じがしています。中国国内では昨年の1月に、第4回の地下核実験を北朝鮮はやったのですけれど、それを契機として、きっかけとして、有識者の間でこのままの北朝鮮政策でいいのだろうかという相当激しい議論が起こって、国内での議論が進んだと、そういう背景はありますが。全体としての、国としての見直しというのは、私は、トランプ・習近平会談、これがきっかけをつくったのではないだろうかと。習近平さんがアメリカに訪問する前に、それがほぼできあがって、北に対してはもう少し、かなり厳しいところでやっていくと、アメリカとそこでは波長を合わせるという線を打ち出したのだろうと思います。背景として北の核は中国にとっても脅威だと、中国の安全保障の専門家の方々は昔から言っていたんですね。ただ、こういう安全保障の方の意見が中国全体の意見にならない。何を言っているのだ、朝鮮戦争であれだけ一緒に苦労をした国ではないかと、それを理由に、あそこを冷たく扱うとは何事だという声も強かったわけです。従って、核は反対、しかし、平和と安定は守らなければいけないという、こういう中国の外交政策になって、中途半端だったんですね。それを習近平さんは整理をして、北に対しては厳しくやるというのを決めたんです。しかし、外交部はにもかかわらず、外交部はずっと伝統的な政策でやろうとしていましたから、習近平さんがそういうふうに前向きの姿勢を出したにもかかわらず、安保理には消極的と、これが続いたわけです。最後の、9月の安保理決議の前に、実はトランプ・習近平電話会談があった、行われているんですよ。それで変わって、中国はこの安保理決議に賛成をして、こういう内容のものに賛同したんですね。従って、現在は習近平さんがより厳しい北に対する対応というのを決め、それをやるべきだということをやりましたから、従って、中国外交部のそこに書かれているような対応になるということですね。これはまた口先だけではないかという見方も十分あり得るのですが、私は、習近平さんの関心事項になって、折に触れて、それの見直しがなされるという状況に置かれれば、末端も真面目にやりませんと、これは習近平さんの逆鱗に触れるということになりますから、前よりは真面目にやっていくのだろうと思います。1番嫌だったのは、アメリカから、あれをやれ、これをやれと言われて、それに従った形でというのは、これはとてもではないけれども、中国の人達だとやれないのですが。安全保障理事会、かつ中国は常任理事国ですから、国際社会の一致した声という形で出てきたものに対しては彼らとしてはそれをキチッとやるということについては、国内的に何の問題もないのみならず、国民に対して中国は安保理の常任理事国で、世界大国で、世界に対する責任を果たしているのだと言っていますから、そういう立場上、ちゃんとやらなければいけない、こういう外交部の声明になっていくんですね」
秋元キャスター
「中朝関係は現状どうなのですか?」
宮本氏
「良くないと思います」
秋元キャスター
「良くない?北朝鮮の金正恩委員長から共産党大会の時に祝電を送ったというのがありますよね?」
宮本氏
「ええ。ただ、これは、中身は3分の1ですか」
秋元キャスター
「量は少なかったですよね」
宮本氏
「量は少ないし、だから、送らないと中朝関係がさらに悪くなります。しかし、関係の現状に照らせば、そんなに見え透いた嘘的な内容にするわけにはいきませんから、おかげで3分の1のそっけないものにして。だから、現状維持を続けるために、出したという感じではないでしょうか」
秋元キャスター
「うん」
宮本氏
「従って、それから、もう中朝の、パイプは基本的に断たれているんです」
秋元キャスター
「はあ…」
宮本氏
「中国に近かった人っていうのはドンドン歴代、粛清を受けてきますが、最終的には、あの…チャン…」
礒﨑准教授
「張成沢」
宮本氏
「張成沢さんですね。彼が粛清され、中国とのチャンネルはそこで切れたんですね。現在はないと言っていますよ。従って、普通の大使館ルートとか、そういうチャンネルしかないので。従って、中朝の関係は非常に良くない。逆に言うと、チャンネルが詰まっていますから、中国が効果的な影響を及ぼすという道もそれだけ弱くなっているということですね」
秋元キャスター
「中朝関係はあまり良くないという現状なのですが、たとえば、原油の禁輸措置については、宮本さん、この制裁、当初はアメリカの案では全面禁輸ということだったのですけれども、中国に配慮する形で上限設定となったりですとか、全面というのは中国にとっても…」
宮本氏
「全体のシナリオがキチッと見えてないというのが1番大きな理由だと思います。すなわち、あまりに追い詰めると、北がどういう動きに出るか予測が不可能だという問題もありますし、一挙に追い詰めてしまうと。他方、追い詰めたあと、どこに逃げ口があるのだと、国連大使が言った4つの条件というのは、まさに出口を、あなた、核を放棄する、核を放棄したら、こういうことをちゃんと保証しますよと…」
秋元キャスター
「体制保証しますと」
宮本氏
「…いうことです。そういうものが国際社会としてキチッとできあがっていない中、つまり、制裁だけ強めていくということに対する懸念があるんですね。しかし、これからは北の対応いかんで、こういうものについて中国も踏み込んでいくのではないだろうかと思います。たとえば、もう1回、地下核実験をやる、あるいはミサイルでアメリカの非常に神経を逆なでするような行動をとるとか、そういうことをやった時には、その全部100%とは思いませんけれども、原油についてはさらに踏み込んだ形でやっていく可能性は、私はあると思っています」
秋元キャスター
「渡部さん、アメリカはその状況をどう見るのでしょう?」
渡部氏
「アメリカは、これはトランプ大統領と、トランプ政権の中でも多少違うところはあると思うのですが、ただ、中国をある程度、頼らないと、制裁もできない。あるいはもっと強硬路線で、もし軍事力に訴えるとすれば、この可能性だってまったくないわけではないのですけれど、それはますます中国との話が必要になるんですよ。なぜかと言うと、米中の戦争というのは、望まないわけです、アメリカだって、中国だって。ところが、北朝鮮に関して何かしらの軍事行動をとる際には、必ずそこは米中で話をしておかなければ、危なくてしょうがないではないですか」
秋元キャスター
「はい」
渡部氏
「そこはよくわかっているわけですよ、どちらも。その部分があるので、現在の中国がかなり北朝鮮に対して厳しく動いているということはアメリカもよく理解していて、ここはきちんとした形で、制裁できつく、厳しく動きながら、封鎖、閉鎖、封鎖網というか、制裁を強くすると。ただし、中国はもちろん、極端なものは望まないのですが、アメリカもある程度はそうだろうと。中国…、もちろん、要求はしますけれども、トータルでジワジワと絞めていけばいいぐらいに思ってはいると思います。ただ、抜け穴が多過ぎても困ると思っているから、そこはこれからせめぎ合いの部分もあると思います。アメリカは中国…、北朝鮮の暴発を望んでいますかと言えば、そこは望んでいるかどうか。つまり、そうなった時のリスクは大きいですよね。これは中国もそうですけれど、アメリカだって、トランプ政権だって、経済が現在、良いから。トランプ政権は現在、支持率が低いのですけれども、40%を切っていますけれども、でも、そこそこ三十数パーセントのコアな支持層があって、ここでなんとかなっていると。それはなぜかと言ったら、1つは経済が良いからですよ。そこまでリスクを冒したいとは、たぶんトランプ政権自身は思っていないし。だいたい、トランプ大統領というのは、ビジネス、経済の人ですから、あまり安全保障のことはわかっていないと思うのですが。でも、たとえば戦争になったり、あるいは戦争1歩手前になって、経済が冷えるということはたぶんよくわかっていて、それは望まないと。そういう意味では、中国とある程度、足並みを揃える部分もあるし、国連安保理決議に関してある程度、中国に妥協をしたことはよしとしているのは、その証拠だと思います」
秋元キャスター
「ジワジワという感じになるのですか?」
渡部氏
「はい、ジワジワですね」
秋元キャスター
「若宮さん、どう見ていますか?ジワジワしていくと…」
若宮議員
「皆様方がおっしゃられたように、原油の禁輸というのが、北朝鮮に対しては非常に、この中国からの原油、大きなボディーブローどころか、直接的にテレビの映像でもよく出ていますけれども、ガソリンスタンドが閉めてしまっているとか、あるいは配給制になっているというような画像も、映像も流れていましたけれども。実際にもう効果が出始めているのだと思うんです、あるいはガソリン価格が北朝鮮の中では高騰しているということもありますので、これが徐々に、徐々に、効果を出すことというのは、これは間違いないと思っています。それから、もちろん、この北朝鮮の問題というのは現在、いろいろご専門家の皆様方からお話がありましたけれども、アメリカにしても、中国にしても、安全保障上の問題はもちろん、最大、大きいのですが、それに伴って、他の国との関係で経済の問題というのも非常に大きく絡んでくるかと思いますので、そのあたりのバランスを現在、渡部さんおっしゃられましたけれど、トランプ大統領がどうとらまえておられるか。あるいは宮本大使がおっしゃられましたけれど、中国の習近平さん自身がどういった形で、安全保障を絡めた形で北朝鮮のこのある意味、落としどころ、あり方、今後の対応、存続の仕方自体をどういった形で置いておくのが自分の国にとって望ましいかどうかというのも考え方の1つには十分にあると思いますので。そのへんのところのバランスと頃合いからしますと、徐々に大国としての振る舞いをしていかなければいけない中国の立場というのもありますし、国内的な基盤というのは、一応はこの党大会で確たるものというのが確立されてきていますので。さらにこれが国際的な社会の中で、中国のトップとしてある程度、信任を得ていきたいという中では、北朝鮮に対する対応の仕方というのが、ある意味、試されているというのも1つの大きな尺度になっていると思いますので。このあたりは徐々に徐々にやりながら、包囲網を縮めていきながら最終的な落としどころとしては外交交渉でテーブルにつかせ、いろいろな条件のやりとりがあるにしても、平和裏な解決を望んでいるというのは各国の最終的なところではないかなと考えています」

北朝鮮問題『打開への糸口』
秋元キャスター
「目前に迫る、トランプ大統領のアジア歴訪ですけれども、まずはそのスケジュールを見ていきます。最初に訪問するのが日本です。11月5日に来日しまして、日米首脳会談、拉致被害者家族との面会などが予定されています。続いて韓国へ、中国を訪れ、7月のG20以来となります首脳会談が行われるという流れになるわけですが。若宮さん、トランプ大統領は最初に日本を訪れるということですけれど、これは日米でどんなことを話すと思われますか?」
若宮議員
「これは何よりもトランプ大統領が先般の演説の中でも横田めぐみさんの拉致の問題についてもお触れになられたように、非常に日本の安倍総理が、トランプ大統領が昨年の大統領選挙で勝利をされたすぐそのあとに訪米されて、お会いになられ、また今回、トランプ大統領が正式なる訪日ということになってきているわけですけれど。非常に日本とアメリカとの関係というのは現在、いい関係が私自身はできていると思っています。と言うのは、ちょうどトランプ大統領が勝利をされまして、その後の展開でマティス、現在の国防長官が2月に、最初に日本と韓国に訪問をされ、それから、また、いろいろな展開が、ティラーソンさんとか、ドンドン来だしていますけれども、そうした中で、トランプ大統領が安倍さんとは本当にホットラインの電話で、ツーカーで話せる関係を、人間関係として構築をしていますので。まさに北朝鮮の問題はもちろん、最大の大きな話題になろうかと思いますけれど、今後の経済問題も含め、それから、さまざまな課題について話し合いがなされていくのだろうなと思っていますので。北朝鮮の問題に関して言えば、なんとしてもここは、現在のところの段階では圧力をキチッとした形でかけて、テーブルにつかせるという状況までもっていかなければ、話の解決の道にはたどり着きませんので、どういった形をとってその最終的なところまで周りの関連諸国も巻き込みながら、やっていくような。これはある意味、もちろん、中国の存在というのも非常に大きいです、もちろん、ロシアもこれに関わってきますし、お隣の韓国も重要な当事者国でありますので、そのあたりを含めて、最初に日本と、トランプさんと安倍総理との会談が最初に行われるという、この意義というのは非常に大きいと思いますね」

日本が果たすべき役割は…
秋元キャスター
「会談の事前に電話で会談が行われるという報道も現在、出ていまして。今夜、日米首脳による電話会談が行われる、北朝鮮問題など地域情勢を中心に現状の認識を共有するということなのですけれども。訪日の前に電話会談も行うというのは、これはよくあることですか?」
若宮議員
「通常ですと皆様方よくご存知の通り、事務方が、ある意味、トップがある国を訪問するならば、それなりの積み上げがあって、成果というものが、それぞれ双方にあって、共同声明なり、共同記者会見なりの形でやる形が多いと思うんですね。ところが、確かにご存知の通り、トランプ政権の中には、ある意味、トップダウン的なところがありますので、特に今回の国務省関連については、国防総省についてはだいぶマティスさん他、また、補佐官でもマクマスターさんらついていますけれども、どうしてもまだスタッフが完璧に整っている状態ではないようにもお見受けいたしますので。これはトランプさんのトップダウンでいろいろなことが全て、ある意味、決まっていくのだろうと思っています。そうした中では、その直前であろうとなかろうと、電話でポンと話を、お話の内容はもちろん、外には、私もわかりませんけれども、何かしら本当に意義があることだからこそ、お電話がかかってくる、また、お電話するということになっていますでしょうし。また、そうした形で、こういうことで、こういう方向に韓国とはやっていこうと思っているのだ、あるいは中国とはやっていこうと思っているのだけれど、シンゾウ・アベはどう思うと、こういう質問もおそらく多いと思うんですね。だから、そのあたりのところというのは、信頼関係の構築はかなりお二人の中ではできていると思いますので。日本にとっては非常にいい、トランプ大統領のアジア歴訪になるのではないかなと考えています」
渡部氏
「若宮さんは割と外交的に控えめに言いましたけれども、正直言って、アメリカの国務省の幹部クラス、特に局長が埋まっていないので」
秋元キャスター
「ああ、人事の問題?」
渡部氏
「人事の問題、これはアメリカの問題です。しょうがないので。ただし、トップダウンでやらなくていいのかと言うと、やらないわけにはいかないので、しかも、それがいい方向に日米はいっているんですね」
秋元キャスター
「うん…」
渡部氏
「ある意味、日本のラインで進めているようなところもあるんです。アメリカの方はそれで文句があるかと言うと、そうでもなくて、むしろそれでホッとしている人達もアメリカにいるぐらいの話でして。そこは基本的な国益が合致している部分があると思います。特に韓国に関して言えば、たぶん安倍さんがむしろ、韓国とアメリカの関係のバランスとっているようなところもあります。ただ、中国に関して言うと、どうなのでしょうというところが、たぶん日本にとっては試されるところで、なかなか難しいです、中国は。それは米中で、それなりに関係もいいですし、米中で話しているところもあって、それは必ずしも日本とは共有されていない部分もあるのではないかなとは思います」
秋元キャスター
「日本の訪問後に行われます米中首脳会談なのですけれども、トランプ政権のマティス国防長官・ティラーソン国務長官は、過去に『アメリカの目的は朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮の体制転換やアメリカ軍による北朝鮮侵攻を目指していない』ということを連名で寄稿をしています。一方、トランプ大統領は今回のアジア歴訪に際して『歴代大統領が解決しなかった北朝鮮の問題を私が解決してみせる。うまくいけば歴史的で前向きなものになる』と、FOXニュースのインタビューに答えているのですけれども。渡部さん、トランプ大統領はどういう話で中国にアプローチしていくと見ていますか?」
渡部氏
「おそらくトランプ氏という人はいろいろな相手に手の内を見せないで驚かせるのが好きですね、ディールで。だから、何か事前に予想することは難しいですが、たぶん脅しと脅しではない部分。脅しというのは何かと言ったらば、それは軍事的な圧力を使うぞという脅しもありますし、他にも中国がすごく嫌なのは経済的な問題ですね、トレードとか、あるいは為替の問題もそうだし、そういうところを実はかなりジワジワと中国に嫌なことはやっているんですよ、アメリカは。そういう部分で脅しをかけて、でも、うまくやれば、合意できれば、そこはあまり変なことはしないぞと。現にトランプ大統領は中国に対してかなり経済的には厳しいことをずっと言っていて。たとえば、為替操作国に認定しますと言っていたけれど、しなかったりとか。あるいは中国との貿易不均衡が困ったぞと、関税を高関税、最初は45%の関税をかけるぐらいまで言っていたのですけれども、言っているけれども、やっていないですよね。そういうような駆け引きみたいなことも、たぶんやってくる可能性はあるということだと思います」
秋元キャスター
「北朝鮮との対話については何か前提条件を変えるとか、そういう話はありそうですか?」
渡部氏
「聞いてはいませんが、現在のところ前提は厳しく、つまり、テーブルに乗るのだったら、それはきちんと核放棄をするという条件でということを言っていますが。もちろん、そんなことを言って、最後までそこでいけるかどうかわかりませんし、ここは中国との話次第だし、あと北朝鮮がどう乗ってくるかにもよると思います」
秋元キャスター
「そこは、でも、核放棄というのを前提条件につけるとなると、結局、これまでと同じですよね?」
渡部氏
「そうです」
秋元キャスター
「ずっと平行線ということになりますよね?」
渡部氏
「はい。だから、いろいろな意見がありますね。せめて核の凍結ぐらいにしたらとか、あるいは体制維持というようなことを贈るとか、こればかしはもちろん、交渉だし。とりあえずアメリカと日本である程度、足並みを揃えなくてはならないし、韓国も入れて。今度は中国とどういう話をするか。これは別にトランプ大統領がどうのこうの、ディールだからという話なくて、過去の、それぞれの国の歴史や、そうやってバランスをとったり、いろいろな交渉をしてきたので、そこはもちろん、ある程度フレキシブルなところもあると考えておいた方がいいでしょうね」

米中首脳会談と日本の役割
秋元キャスター
「宮本さん、どう見ていますか?米中首脳会談、どのような流れになると見ていますか?」
宮本氏
「誰が大統領であろうとアメリカ合衆国の大統領ですから、従って、その人との間の良い関係、それは中国としては保っておきたいということで。従って、トランプ大統領の特徴であるとか、やり方であるとか、いろいろなものを学習し、トランプさんが満足して自分の訪中は良かったと思わせて帰すことをいろいろ考えているというのは間違いないと思います」
秋元キャスター
「うん」
宮本氏
「それから、習近平さんにしてみれば、中国でも毛沢東、鄧小平に次いで自分の名前を冠した習近平思想というものをあれだけやって、新しい時代の新しい指導者だと国民に対して宣言をして、最初に迎える外国の賓客がアメリカ合衆国の大統領だというのはすごく大きな意味があるんです。従って、中国もこの大統領の訪問を失敗させるわけにはいかないです」
秋元キャスター
「ええ」
宮本氏
「トランプ大統領ももちろん、失敗させるわけにはいかないと。こういうことであれば、普通、外交的には必ず両国政府は成功だったという結果を出すように仕組みますので、それは結果としてはそうなると思います。ただ、中身として中国がトランプさんの要求するような強硬な制裁にどこまで同調するのかということに関して言えば、キチッと準備がない中での強硬措置というのは事態を悪化させるということもあり得るので、ここはしっかりと踏みとどまる。しかし、他方、今度40人ですか、企業のトップを連れていくという話も聞きますので、経済面で中国はよくやりますけれど、ボーイングから航空機を何機買うとか、こういう話は相当お土産としてやるのではないでしょうか。結果はうまくいくという形にするけれど、サブスタンスでは中国はちゃんと自分の考えた通りにやっていくのではないだろうかと思っています」
秋元キャスター
「中国が整えてほしい環境、要するに、難民がワーッと来られても困るとか?」
宮本氏
「そういうことです。ですから、中国がこれまで言ってきたようにまずあそこで戦争が起こること自体、これはできるだけ避けたいですね、それは当然のことですけれど。それから、その結果、不安定化しますから、難民という問題があるわけです。依然として、これを回避しながら非核化を実現するのが1番いい策だと、これは間違いなく思っているわけです。ですから、それをできるだけ追求したいと。しかし、同時にそういう緊急事態、もし万が一、戦争が起こって、そういう時にいろいろなことを対処しないといけないわけです。北朝鮮が持っている核兵器、あるいは大量破壊兵器である化学兵器とか、こういうものを誰が行って最初に確保するかとか。そうしないと、おかしな人間がそれを持って、テロ集団に売るかもしれませんから」
秋元キャスター
「ええ」
宮本氏
「それから、混乱した時に誰が平和維持、平和を維持する役割を誰がするかとか。そういうことです。中国はアメリカ・韓国と話し合わなければいけないということを言いだす学者・研究者も出始めているんです。それは中国語で出されていますから、従って、中国国内でもう知られている話ですね」
秋元キャスター
「そうすると、そのへんの話を、もしかしたらアメリカと米中首脳会談でも詰めることになるのですか?どうですか、渡部さん?」
渡部氏
「そこまで細かい話をする段階にはまだないし、そこまで細かい話をするほど、これもアメリカ側にスタッフがいない、任命されていないという状況だと思います。ただ、方向性としては、そういうのは視野に入れて、という話は出てもおかしくないでしょうね」
秋元キャスター
「アメリカと中国がどういう形の、歩調を合わせると言いますか、どういう形で合意していくと北朝鮮にとっては苦しい状況になるのですか?」
礒﨑准教授
「米中とロシア、周辺の大国、日本、日本はちょっと違いますけれど、日本、韓国も含め、いわゆる6か国協議に参加していた北朝鮮以外の5か国がまずきちんと歩調を合わせることができるか。歩調を合わせられたことは一切ないと思うのですけど、温度差というのはどうしても出てくるわけですし。この段に至って、9月3日の6回目の核実験、この段に至ってこの程度の圧力なのかと解釈する人達もいる一方で、中国は長い目で見ると。ここまで歩み寄ったのだという想いはあるでしょう」
秋元キャスター
「先週、安倍総理は『世界のリーダーが集うAPEC(アジア太平洋経済協力)などの場で、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平主席とも北朝鮮問題について議論したい。毅然として強い外交力によって、北朝鮮の核・ミサイルの問題と拉致問題を解決する』と意欲を示されたのですけれども。皆さんに聞きたいのは北朝鮮対応において日本にどういう役割があるのかということなのですが。宮本さん、いかがですか?」
宮本氏
「現在、もともと国際社会が一体として動くというのは難しいことですし、それだけ勝手に動くというのがもう常なのですけれども。しかし、アメリカもそういうことでキチッとした対応ができていないと。中国も言われているほど、末端においてはキチッとした作戦は立ててない、立てられていない。現在、日本しかいないと思うんです。従って、日本が中心となって、これから本当に国際社会をまとめて、北朝鮮はうまく分断をして、国際社会の圧力をドンドン軽減する、そういう手練手管に長けていますから、それに対抗し、いかにして国際社会を1つにできる限りまとめて北に対する圧力なりを高めていって、我々の望む方向に1歩でも北朝鮮を近づけると、それが現在1番望まれているのではないかと、日本としてやるべきことではないかという気がしています」
秋元キャスター
「渡部さん、いかがですか?」
渡部氏
「最初に若宮さんがヨーロッパの方もそろそろ本気で考えだした、北朝鮮の問題をと。なぜかと言うと、北朝鮮がもし核保有国として事実上認められてしまうと世界中が、あっ、あんな北朝鮮みたいな小さな国でも核を持てるのかと思って持ちだしますよね」
秋元キャスター
「うん…」
渡部氏
「そうすると、何が起こるかと言うと、管理の緩い核が広がってしまうんですよ、世界に。これは実はすごく怖い話でして、世界に危険をふりまくと。この話を実は日本はする必要があるんですよね。広島・長崎以来、実は核兵器というのは使われていないです。それは一定の人達、一定の国だけが管理をしていたからかもしれない。これが広がったらどうするか。テロリストが核兵器を持ったらどうするか。そういうアピールをするためにも日本の存在は極めて重要なのではないかなと思っています」
秋元キャスター
「礒﨑さん、いかがですか?」
礒﨑准教授
「アメリカも中国も核大国なわけですけれども、日本は核を持っていないと。しかも、唯一の被爆国としての立場もありますから。そこで安倍首相とトランプ大統領の関係があるのであれば、そういう日本の独自のポジションから何かを訴えることもできるでしょうし、もう1つが、拉致問題について、安倍首相がこれだけ強いことを言い続けていますから、他の残留日本人帰国運動などで帰った日本人の問題も含めて、人権問題をどうやって解決していくかということはもう少し考えていくべきだと思います」
秋元キャスター
「若宮さん、いかがですか?日本にできる役割、日本だからこその役割というのは?」
若宮議員
「現在おかげさまで先の選挙で非常に安定的な政権の、しっかりやれ、と言う国民の皆様方の負託を受けましたので。お三方、皆様方がおっしゃったご指摘はもっともだと思います。私ども日本として見れば、いろいろな国々のいろいろな調整がある中でのコーディネーターとしての役割を今こそ大きく発揮できるチャンスではないかなと思っていますし、安倍総理であれば、現在、各国の首脳と本当にツーカーで、それこそ先ほどお話になった、電話ができる関係を各国の首脳とつくりあげていますので。そういった中で、いろいろな首脳との、首脳間同士の調整役のような非常に大きな役割が期待できるのではないかなと思っています」

若宮健嗣 自由民主党国防部会長の提言 『国際社会との確たる信頼関係の構築の上で実効性ある圧力と交渉』
若宮議員
「国際社会との確たる信頼関係の構築のうえで実効性のある圧力と交渉だと思います」

宮本雄二 元駐中国日本大使の提言 『国際社会をまとめよ!』
宮本氏
「国際社会をまとめよ。先ほど申し上げたことです。現在、日本は非常にこれができる、いいポジションにいるんです、能力が備わっているんです、安倍首相がそういう人間関係をお持ちになっていることも含めて、他の国はモタモタしているんです。現在、日本が出番だとつくづく思います」

渡部恒雄 笹川平和財団上席研究員の提言 『戦略的持続性』
渡部氏
「戦略的持続性。何かと言うと、アメリカはコロコロこれまで変わってきたわけですよ、北朝鮮に対して。実は中国もそうです。日本は、まあしょうがないと思っていたのですが、いよいよ待ったなしなので、日本のポジションはそういうアメリカとか、中国を巻き込んで、ずっとジワジワと北朝鮮に圧力をかけるようにもっていくと。ここが日本の役割だと思います」

礒﨑敦仁 慶應義塾大学法学部准教授の提言 『日本独自の外交も』
礒﨑准教授
「本日の話は各国がそれぞれ国内政治の延長として外交が動いているように聞こえるわけです。日本も安倍首相はあれだけの議席を獲得されたわけですから、もっと政治的決断をしても、日本人の生命、拉致被害者を含めて、とり戻せるような、そういう外交を行っていただきたいと期待するばかりです」