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2017年10月25日(水)
習近平新体制スタート 中国の思惑と世界戦略

ゲスト

松川るい
自由民主党 参議院議員
天児慧
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
朱建榮
東洋学園大学教授

習近平総書記『1強体制』へ 党最高指導部と『習近平思想』
秋元キャスター
「中国の政治において5年に1度のビッグイベントであります中国共産党大会が昨日、閉幕しました。今日、新たな最高指導部のメンバーが発表され、習近平新体制が発足しました。習近平総書記は中国をどう導いていくのかを検証していきます。党の最高指導部、政治局常務委員の新たな顔ぶれを見ていきますと、習近平総書記と首相の李克強氏は留任、5人が入れ替わったということなのですけれども。習総書記の最側近と言われています栗戦書氏は序列3位の常務委員となりました。天児さん、習近平体制、2期目の人事、どこに注目されましたか?」
天児教授
「これを見て1番左の李克強さん、これは胡錦涛さんに気を遣った、韓正さんは江沢民さんに気を遣ったと。その間は非常にこの5年間で習近平体制に貢献した人達。ですから、汪洋さんは、よく共青団と言われるけども、汪洋自身は中央の共青団ではないですよね、地方の共青団ですから。そういう意味では、別に共青団派と言えるかどうかということもありますし、習近平さんが彼の経済行政運営というものを非常に高く評価しているということがあるわけだし、王滬寧さんもナニナニ派と言うよりも、むしろ3代に仕えて、イデオロギー的な部分で非常に中国の特色ある社会主義思想というものをつくり出すうえで貢献した人ですから。そういう意味では、趙楽際さんはもともと地方の幹部で、青海省あたりでここから台頭してきた人ですけれども、そういう中で言うと、中央組織部に前回入って、そこでの組織人事というものに非常に高い評価をされたということ。この体制というのは習近平さんが非常にやり易い、習近平体制を強化するという意味において非常にやり易い体制であると。韓正さんは何になるのか?私の予想では政協の主席になるのだと思うのだけれども、ある意味では、名誉職的な部分ですよね。と言うような形で、だいたい習近平体制が固まったと」
反町キャスター
「なるほど。この中に習近平さんの座を脅かしそうな人は1人もいない?」
天児教授
「いないでしょうね」
反町キャスター
「まったくいない?」
天児教授
「ええ。ここではもうほとんどいないと思います」
秋元キャスター
「朱さんはどこに注目されますか?」
朱教授
「この新たに選出された5人と李克強さんというのは、基本的に実務担当の能力を持つ人ですね。ですから、そこのところを一応、形の上でどこかの派閥や勢力の代表というようなところも、なんとか、そういう部分も見える部分もあるのですけれども、実際には実務的に、これをやる人と。その背後に、それで考えれば、習近平さんと特に新たに選ばれた5人というのは格がかなり違うんですね。ですから、そういう意味で、この5人、6人というのが、習近平さんと、これから対等なような集団指導体制と言うより、リーダーシップを執る習近平さんに対して補佐すると。習近平さんは彼らを使って1つの方向に向かっていく、そのような人事ではないかなと思いますね」
反町キャスター
「そうすると、朱さんから見ても、この6人の中で、次はこの人だねと抜きん出た人は1人もいないのですか?」
朱教授
「この5人、6人の中でポスト習近平さんというところは、正直言って年齢で見ていても、能力をいろいろ見ていても、たぶんないのではないかなと思います」
秋元キャスター
「松川さんはどんなふうに見ていますか?」
松川議員
「1番の注目点は後継者を入れなかった、これは明白にそうだと思うんです。と言うことはすなわちこれから10年、自分がやりますよということを宣言したに等しい人事だなと。言ってみれば、集団指導体制のその形は残ってはいるけれども、事実上、習独裁とまでは言いませんが、そういう体制をつくろうと、その方が中国のガバナンスにはいいのであると、言うことなのではないのかなと思いました」
秋元キャスター
「今回の共産党大会で注目される部分がこちらです。『習近平”新時代の中国の特色ある社会主義思想”』と、習近平氏の名前を冠した思想が党の規約に入りました。党の規約に盛り込まれる指導理念で個人名が入るのは、建国の父・毛沢東の毛沢東思想や鄧小平理論に続くもので今回、習さんはこの2人に並ぶ権威を得たということになるわけですけれども。天児さん、習総書記の名前を冠したこういった思想が、2期目で党の規約に入って、ここまでの権威を得たというのをどう見たらいいのでしょう?」
天児教授
「実力をアピールしているということは客観的に言えると思いますね。要するに、そういう客観的な状況、条件というか、要するに、習近平自体はまだ5年しかやっていないし、それほどその5年間の中で、鄧小平がやったような、あるいは毛沢東がやったような目覚ましい成果をあげているとは思わないわけだけれど、しかし、客観的な、そのバックグラウンドを見てみると、中国がガンガン台頭してきて、国際的な影響力をすごくつけてきて、そういうものに彼は乗って、中国を抜きにして世界は語れないというような、そういった段階まできたわけでしょう。それをますます俺の時代に進めていくという強いアピールが党内でも受け入れられてきて、もちろん、先ほど、議論したような、そういう執行部を習近平色に固めていったような、執行部がイエスマンになっていくわけだから、これを受け入れるということはあると思いますよ。それと同時に、国際社会の中のインパクトの大きさ、こういうものが習近平というものを入れて、さらに中国を国際社会でアピールしようということが読みとれるような感じですけれども、私は」
反町キャスター
「革命第1世代とか、改革開放とか、それぞれ毛沢東さん、鄧小平さんは、こういうのをやったなというのがわかるではないですか?」
天児教授
「はい」
反町キャスター
「習近平さんは何をやった人になるのですか?」
天児教授
「ねえ、だから…」
反町キャスター
「いや、ねえ、ではなくて…」
天児教授
「だから、個人で見ると、習近平さんはそんな大したことをやっているわけではないのだけれども…」
反町キャスター
「腐敗撲滅は1つの看板みたいになるのですか?」
天児教授
「ならないでしょうね」
反町キャスター
「この人は腐敗を徹底的に撲滅した…」
天児教授
「うん」
反町キャスター
「それは、革命第1世代、改革開放、腐敗撲滅、これになりますか?」
天児教授
「ならないと思います。だから、よく言われるのは、要するに、毛沢東は中国人民を立ち上がらせて解放したと、鄧小平は中国人民を豊かにしたと、習近平さんはこれから強国をつくると、強い中国をつくる、まさにそれに向かって前進しているのだということですよね。ですから、私は、この表現というのは、ある意味では、非常に中身のない表現ですよ。たとえば、習近平思想とくるのなら、これは毛沢東思想、鄧小平理論と匹敵するようなそういう位置づけができると思うけれども、たまたま習近平という冠をつけているけど『新時代の中国の特色ある社会主義』と言っているわけです。これはもうずっと言っているわけですよ、中国は。だから、これを見てどうかという判断よりも、これからの俺の成果を見てくれよと、5年か10年先ぐらいに、やがて引退をする時に今度は習近平思想となるかどうかでしょうね」
反町キャスター
「国民の間における習近平さんに対する人気というのは、中国において内閣支持率とか、世論がどれほど意味あるかは、これはまた別ですけれど、人気はあるのですか?」
天児教授
「割にいろいろな人から話を聞くと、習近平さんに対する人気はありますね」
反町キャスター
「それは腐敗撲滅をやったからなのですか?」
天児教授
「それは、1つそうでしょうね」
松川議員
「有り体に言うと、何かをしたから人気があると言うよりも、これから中国が韜光養晦(とうこうようかい)の時代を経て、韜光養晦、頭を低くして、陰に隠れて力をつけて、その力が誰も抑えられなくなった時には、思い切りやらせていただきますよと。この思い切りやらせていただきますという段階に入った中で、中国がアメリカと伍し得る、もしかしたら2049にはアメリカにとって代わるような、そういう強い中国、世界の中心の中国というイメージを中国人の国民の夢として与えるという役割を体現しているから人気があると思うんですよ」
天児教授
「それはある」
反町キャスター
「中国国民は、国家の威信みたいなものがドンドン強くなっていくことについての快感度がある?」
松川議員
「はい」
反町キャスター
「手応え?」
松川議員
「うん」
反町キャスター
「それを感じているから習近平氏を支持しているとすれば、一方の生活、年率6.8%でしたか?」
松川議員
「うん」
反町キャスター
「成長が高速から中高速になって、これから中速にだんだんそうなっていく中で生活が苦しくなっても国家的な威信で満足するのですか?中国国民14億人は?」
松川議員
「両方あると思うんですね。今回のその報告でも、一生懸命、人民に向けての、全員が豊かになるように配分を変えますとか、いろいろなことを言っているのですけれど。上を叩き、上、ハエからトラまで叩きながら、人民に目を向けているよという姿勢、分配ですよね、言ってみれば。富の成長自体はこれまでみたいなことではなく質を重視しますとか、そう言っているので。ドンドン成長するよという数値目標すら今回、入っていないわけですから、そうではないんですね。だけど、人民に目を向けているという姿勢と、分配の姿勢と、もう1つは、中国の夢ですよね、このこれまでの屈辱の歴史を乗り越えて…」
反町キャスター
「いわゆる中華思想みたいなヤツですよね?」
松川議員
「うーん、むしろ失地回復…」
反町キャスター
「大中華の復活」
松川議員
「彼らからすると復活ですよ、別に新しくやるわけではなくて、昔あった…」
天児教授
「松川さんのおっしゃるのはそうだと思いますよ。だから、歴史的な屈辱感というのがずっと溜まってきていて、要するに、それを克服するというのが常にあったわけです。ところが、戦後、どちらかと言うと、徹底的に叩かれた日本がこれだけ復興、復活していて、その間に中国は貧しい世界をずっと歩んでいるという屈辱感もあるわけですよ。これが現在、習近平さんの時代になって、日本も超えたし、そういう今こそ我々は、そういう自分達の高まる感情を体現してくれるのだという、それはあると思いますよ」
反町キャスター
「朱さん、どうですか?大中華の復活みたいな、ナショナリズムに酔う人達が…」
天児教授
「大中華…」
反町キャスター
「大中華でいいのでしょう?」
天児教授
「中華民族の屈辱を回復すると…」
反町キャスター
「リベンジでもいいですよ、大中華の復活でも、大中華のリベンジでも結構です。そのナショナリズムに対しての皆の陶酔感とか、高揚感が習政権を押し上げていっているのですか?」
朱教授
「いや、私はそうは思いません。毛沢東時代も既に立派な夢を描いていて、皆、特に、それだから毛沢東時代が全て素晴らしいという、文革の時はもう中国は世界革命のリーダーになると言っていて、皆、陶酔したわけではないと思います」

『社会主義現代化強国』
秋元キャスター
「ここからは習近平政権が目指す新たな国家像について聞いていきます。習近平総書記は、今回の共産党大会で建国100年、つまり、2049年までに中国を社会主義現代化強国に築き上げるという目標を掲げました」
松川議員
「ポイントは強国です。だから、強い国になりたいというのが1番のポイントです。ただ、どういう強い国かと言うと、アメリカではないけれども、いろいろな世界の国から憧れられるような、そういう国になりたいのだと。たとえば、この報告の中でも、たとえば、科学技術だったり、AI(人工知能)だったり、エコだったり、文化も大変強調していますし。全ての人民が富んでいる、美しいという言葉が何度も出てくるんですよ、メイハオ・シャンファ」
天児教授
「安倍さんと同じ…」
松川議員
「要するに、そうそう美しい国…」
反町キャスター
「まあまあ」
松川議員
「とにかくどういう国にしたいかという時はまず強い国、世界の中心にある国、かつ私が申し上げたような文化とか、自然体系とか、科学技術とか、たとえば、ノーベル化学賞がどんどん出てくるようなイメージ、要するに、世界の、欧米の国も中国すごいな、あんなふうになりたいなと憧れられるような国にしたいというのが伝わってくると、私は思いました」
反町キャスター
「ほう…」
松川議員
「うん」
反町キャスター
「それでよろしいのですか?」
朱教授
「いえ、私も本当に、松川さん、本当に中国のこの今回の習近平報告、こんなに長い報告、読まれたのですか?」
松川議員
「はい、中国語で読みましたですよ、はい」
朱教授
「すごいですね」
反町キャスター
「ただ、朱さん、その国をつくっていくということというのは、それが結局…、よく政治目標で言うと、安倍さんで言ったらGDP(国内総生産)600兆とか、2020年プライマリーバランスとか、数値目標的な具体的なものが一切ない、まさに抽象ですよ、具体がない。そういう目標を掲げ、5年、10年、政権を続けていこう、こういうことなのですか?」
朱教授
「現在の中国はGDPの目標はもう重要ではないということをはっきり言っているので。2010年の時点でその次に出した10年の目標というのは所得の倍増ということだったわけですね」
松川議員
「うん」
朱教授
「これから成長率がある程度下がっていくということは当たり前のことで。そういう中でどのように持続可能な発展にするか、国民の生活を上げていくか、そこのところに重点を置き、数値目標ではないのですけれども、他にまさにソフトパワーを目指すこと、そういう国内の安定や民衆の生活の安定、福祉、そういうところは挙げていますよ」
反町キャスター
「それは…、どうぞ」
天児教授
「おそらく福祉政策はもっと重視しなければいけないです、これは当然、老齢化社会は中国も受けるわけで。ですから、それはやる。それから、貧困対策に関しても、かなり習近平さんは具体的に貧困地区に対して支援をしてやるという、そういう具体的な目標は実践の中では出てくるとは思います。ただ、1番大きな問題は、要するに、具体的に提示しないで美しい言葉がドンドン並び立てられているという、これをどう見るかということですよ。裏返しの、中国の中で矛盾がドンドン、非常に深刻な矛盾が続いているわけですよ。これはもう単なる貧富の格差の問題だけではなくて、その他の、環境汚染の問題とか、いろいろ深刻ですよ。しかも、民衆という意味で言えば、かなり現在の体制に批判的な人々は徹底的に叩かれるという、そういう現実があるわけでしょう。そういうことを克服しますよと具体的に言えないではないですか。だから、そういう意味で、美しい言葉でずっと全部並び立てて、並べているところで、できることをやりましょうと、たぶんイメージとしては。それは非常に抽象的、本当に抽象的に美しい国・中国ですよ、どこかで聞いた言葉でしょう?」
反町キャスター
「まあまあ」
松川議員
「それは、もう1つの…」
朱教授
「今回は新たにこれから30年の目標を初めて打ち出したことで、この時点ですぐ具体的に指標を求めるのは無理ですよ。それはこれからの5か年計画、10年計画に徐々に盛り込ませていく、これからつくるということですよ」
反町キャスター
「なるほど。では、朱さん、言葉だけなら社会主義現代化強国、これは結構ですよ。これを目指すのだとしたら、つまり、社会主義現代化強国という言葉の中には、いわゆる俗に言われる民主化、政治の自由ですよ、多党制でも結構です、自由な選挙でも結構ですよ、そういうものというのはここには入っていないですよね?」
朱教授
「それが2つの角度から見ることが必要だと思うのですけれど。1つは、中国共産党、習近平さんが考える民主化というのはやると思います。なぜなら、だって2050年目標の中に…」
反町キャスター
「民主化、入っている…」
朱教授
「民主的な…それは入っているわけですね」
反町キャスター
「それはどんな民主化?」
朱教授
「現在のところの中国の解釈というのは、いろいろな大きいグランドデザインというのは、トップグループがやると、その下でいろいろな政治協商会議のところで建設的な意見を出すと。今回の人事も含めて、いろいろな政治報告も含めて、実は数千人に渡っていろいろな部署がいろいろ回覧をして、意見を出してからまとめていく。ただ、長期的に政治や地方のシステムが、民主化というのは、この中に具体的なものは出ていないと思うのですけれども、1つは現在の指導部が目指す民主化。もう1つは、中国社会の発展の成り行きとして、結果的に中国だけの民主化なのか、世界的な民主化の流れの中に中国の民主化があるのか、そこが…」
反町キャスター
「わからない、何を言っているのか?」
松川議員
「すみません、ちょっといいですか、あり得ないですよ」
反町キャスター
「世界の民主化の流れの中の中国の民主化とはどういうこと?」
松川議員
「ない、ない。本当に中国からしたら…」
反町キャスター
「ないでしょう?」
松川議員
「もう民主化していると、中国式の民主化をしているという理解で…」
反町キャスター
「何ですか?その中国式の民主化とは?」
松川議員
「要するに、1党独裁が正当化される民主化」
反町キャスター
「それが民主化なの?」
松川議員
「我々が言っている民主主義ではないですよ。中国式の民主主義が既にあって、それがいいのだと、それをこれからもやっていきますよということを、この長ったらしい名前で言っているわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
松川議員
「先ほど、言い忘れたというか、言い足りなかったかなと思うのですけれども、強国という意味がすごく大事と申し上げたのは、でき得れば、世界情勢がどうなっているかわからないですから、でも、それこそマイケル・ピルズベリーが言っているように、2049年には中国が、チャイナ・コンセンサスが、中国が世界の中心のアイデアをつくっていて、その頃にアメリカはたぶんとって代わっているかもねという、こういうことです。それが今回出されて、それこそ欧米の人が皆、こう…」
反町キャスター
「それはパワーの話でしょう?民主主義とか、そういうシステムとか、価値の話ではなくて、軍事力とか、経済力とか、パワーにおけるNo.1、それはわかる、でも、民主主義…」
松川議員
「いえ、それだけではないですよ」
反町キャスター
「違う?」
松川議員
「それはこれまでリベラル・インターナショナル・オーダーであるとか、いわゆるアメリカが、たとえば、中東の民主化だってアメリカがいろいろ火をつけて結局失敗しましたけれども。これまで民主主義というものが普遍的な価値だということでアメリカを中心にやってきたけれども…」
反町キャスター
「なるほど」
松川議員
「中国は、中国式の方が優れているのだと、見てみなさいと、英国がEU(欧州連合)から離脱しましたねと」
天児教授
「ちょっとそれに関連して…」
松川議員
「いろいろなところで格差が広がって困っていらっしゃるでしょうと、でも、見てください、中国をと。本当は中国だって矛盾はあると思うんです、経済だって決してバラ色ではないと思うけれども、ここで言わんとしていることは、中国式の1党独裁で、党の統制によっていろいろな秩序をはかったりするのが…」
反町キャスター
「…すれば、立派な社会がつくれると?」
松川議員
「それは中国式の民主主義であって、その方が、見なさいと、うまくいくではないですかと、私達はリーマンショックも乗り越えて、ずっとこの30年を超える成長を続けているのですという自信の表れだと思うんですね」
反町キャスター
「では、社会システムも合わせて輸出したい?統治システムも?」
松川議員
「それを広げること、中華…。だから、第1チャイナですよ、チャイニーズ・ティンシャーの方が皆さん、ハッピーではないですかと、こう言っているわけです」
反町キャスター
「活動報告の中でこういう発言があったんですよ。『党の指導と我が国の社会主義制度を堅持し、それらを弱めたり歪曲したり否定したりする、一切の言動に断固反対しなければならない』。これは言論統制なのか?情報統制なのか?ネット監視なのか?全部入る表現だと思うのですけれども」
天児教授
「うん」
反町キャスター
「これはどう我々は受け止めたらいいのですか?」
朱教授
「私は2つの側面が、1つは大きいところは、先ほど言った、中国の、自分の社会主義のその道を堅持するのだと、揺れることはないということ。しかし、具体的にやり方が、そういう中では、まだ自信がなかったり、あるいは党大会の前にはいろいろ、あまりにも過剰にいろいろ規制をしたり、そういうようなところと。一方、これが下の執行者が、中間のいろいろな指導者というのが、上に対して、自分のところは問題ない、結局、民衆から不満が出ても、それを厳しく弾圧したり、抑えたりして、上に対してウチのところは大丈夫と、そのようなところを含めて、それはあるので。これから、今の話というのは、あくまでも全般的な中国の道について、これは堅持すると、具体的に、世論弾圧を含めて、ちょっと異論があったら、すぐ捕まえる、そういうようなところを肯定するという体制であれば、それはちょっと違うと思います」
松川議員
「でも、指導者としての習近平さんというのは鄧小平と毛沢東の間をいこうとしていると思うんです。だから、ある意味、経済であったり、科学技術であったり、そういうところの発展に向けて必要な自由は確保しないといけないと思っているけれど、徹頭徹尾、社会主義者で、マルキストで、それでそれが正しいと思っているし、この活動報告でも党の統治、党の指導が必ず必要だというのが、何百回も、何百回も出てくるんです。ここに書かれている、まさに『一切の言動に断固反対しなければならない』というのは、共産党の支配、監督、これが、隅々まで行き渡らないと中国は発展できないし、秩序が保たれなくて、きっと混乱してダメになると思っておられると」
反町キャスター
「自信がないのですか?」
松川議員
「いや、自信がある、あると同時に、ないんですよ。中国の歴史を振り返っていただいたら、必ず下からの不満で…」
反町キャスター
「あります」
松川議員
「…人民ですよ、中国の敵は人民ですよ、敵というか、政権からすると」
反町キャスター
「懸念?」
松川議員
「懸念は」
反町キャスター
「はい」
松川議員
「懸念というのは、常に中国の何千年の歴史を見ていただいても、必ず王朝が倒れる時には下からの革命というか、その不満で倒れるわけです。今回のその報告の中にも、これはちょっと懸念すべきだと、私は中国人ではないのでいいですけれども、地方に至るまで、上下の関係での監視、それから、同僚同士の監視、これをちゃんとしましょうということが書いてあるわけですよ。これは明らかに、経済、科学技術の面ではないかもしれないけれど、党の指導に関わる部分については一切容赦しない、密告し合いましょうねと、これは毛沢東支配と同じですよ、と私は思いました。ですから、そういう意味で、共産党の指導に関する、もしくは政体、習近平さんの指導も含めまして、そういうことに対する統制というのは、これは党指導部層だけではなく、党指導部層も含めて、一般民衆まで含めて、非常に締めつけというのは厳しくなる方向になるのではないかなと思います」
反町キャスター
「では、IT(情報技術)とか、SNSにおける監視もこれからますます…、もう十分強化されていると思いますけれども、さらに強化していくことになる?」
松川議員
「うーん、これは気づかれない形でそうなるのではないですか?」
反町キャスター
「そうそう」
松川議員
「もう中国というのは、ビッグデータの宝庫だし、たとえば、WeChatからアリペイ、いろいろなものにしてもフィンテックなんかは1番進んでいますし、別に人民を怒らせない形でも十分…」
反町キャスター
「監視?」
松川議員
「監視できちゃうんですよ。ですから、気づかれないで監視するということは強化されていくのではないですか」
反町キャスター
「天児さん、いかがですか?」
天児教授
「我々が外から見れば、非常に締めつけが厳しいと、実際そうですけれども。ただ、そればっかりかと言うと、そうではない空間が中国の中にあるということも我々は見ておかなければダメだと思うんですよ。それは割と一般の、体制に不満を持っている人は別として、あまりそれを感じていない人は結構自由だよと。いろいろなことを言ったりしているし、でも、モノも結構豊かだしという形で別に現在の共産党に敢えて逆らう必要もないやというような、そういう空間ができているということですよね。だから…」
反町キャスター
「この活動報告に対して、もちろん、だから、こんなのダメだよ、自由が拘束・束縛されるなんて言う人はどこにもいないわけではないですか、中国の少なくとも共産党の中においては?」
天児教授
「うん」
反町キャスター
「これはこういう形で、習近平氏という人が党並びに国の統治をやっていくぞということで、皆が、万人が受け入れたということでいいですね?」
天児教授
「受け入れたというか、それを受け入れざるを得ないという意味も含めて、受け入れているということですよ」
朱教授
「現在、中国の経済、割に順調にまだ続いているので、問題が出てもいろいろなお金でいろいろなところを解決できると。実際に国民のネットを通じて海外の情報ももう止めることはほぼできないぐらい入っているのと、それは経済発展の中で海外旅行も含め、それを通じてこの権利意識というのが台頭している。そういうような中で実際にいろいろな問題は、不満はもう出ているんですね。たとえば、中国の退役軍人…」
松川議員
「うん」
反町キャスター
「あー、年金」
朱教授
「現在は既に、ここ1、2年間は数万人単位のものが北京で何度も起きているわけですね。これからそれも出ていくと。しかし、現在の経済発展がまだ順調な時代にはなんとか対応できるんですけれども、経済がさらに成長がちょっと鈍くなった時に、その時、いろいろな経済的な対応ができなくなった時点、一方、国民の意識というのはさらに権利意識が上がっていく、その時には1つ、バッティングするというところが出てくるのだと思いますね」
反町キャスター
「朱さん、中国の共産党を、たとえば、自民党みたいなものに見た時に、中国共産党、今回、習さんが、他の人を全部やっつけちゃって派閥がなくなったかもしれないけれども、たとえば、太子党という派閥があるとか、共青団という派閥があるとか、地方派閥があったり、軍閥があったり、それぞれが、政党みたいな機能を果たしていて、共産党の中で疑似政権交代が起きているという見方はアリ?ナシ?どちらですか?」
朱教授
「毛沢東、鄧小平まで、まさにおっしゃるように、党の中にグループがあって当たり前というところを、毛沢東もうまくいろいろなグループを操って…」
反町キャスター
「昔はそうでしたよね?」
朱教授
「戦わせて、いろいろアレしたのですけれども。現在、習近平さんはどこかで、全党がまとめて1つの方向にいけというところは言っているのですけれど、しかし、それは現時点でこれを引っ張っていこうとするのですけれども、その途中であまりにも大き過ぎる中国で、そういう中で、これでイコール、これから中国ずっとこれでいくのではなく、試行錯誤しながら、途中でもうちょっといろいろなところを分担して、牽制し合う、来年は国家監査委員会もつくると、そういうようなところでいろいろな党の組織に対して別の機関が監査する、そういうような動きはまだ中国は試行錯誤していると思います。1つだけで…」
反町キャスター
「いくわけではないと?」
朱教授
「…ではないと思う」

軍事力による『強国化』戦略
秋元キャスター
「習近平総書記は、共産党大会で行った活動報告の中で『2035年までに国防・軍隊の現代化を基本的に実現し、今世紀中葉までに人民軍隊を世界一流の軍隊に全面的に築き上げるよう努める』と、さらなる軍事力の強化を打ち出しているのですけれども。朱さん、中国が目指す世界一流の軍隊、これはどういうことなのでしょうか?」
朱教授
「ええ、今の表現で見ると当然アメリカということを想定しているので、現時点ではまだまだアメリカには及ばない。これから経済力はおそらくあと10年前後でアメリカに追いつく可能性があると、しかし、軍隊というのはただの軍人の数ではないので、ハイテクの兵器とかもアメリカにははるかに水をあけられているので、そこは追いついていくと。その考え方の背後にある中国的な発想ということも、私はある程度、知る、理解する必要があると思うのですが。中国から見れば、これがアメリカという覇権国家が絶対、他の国に並べられるというところをもう見たくない、絶対そういうことを阻止すると、蹴り落とすと。中国の学者が言うには、20世紀には3つの国のGDPなどが、アメリカの国力の3分の2まで追いついた時点でいずれも蹴り落とされた、ドイツやソ連や日本だったんですね」
反町キャスター
「日本です、そうです…」
朱教授
「ですから、現在の中国、まさにアメリカの3分の2まできた。アメリカはあの手この手を使って中国封じ込めを始めているのではないか。少なくともオバマ政権の次に、もしヒラリー・クリントン政権になったら、その道にいくのではないか。そういうようなところを警戒し、それに対して、アメリカといざという時には対抗できる軍隊にすること。もう一方、私は台湾が、これから軍事力を使うことはもうますますできなくなっていると思うのですけれども、しかし、中国の孫氏兵法的に、戦わずして勝つためにも、圧倒的な軍事力ということが必要と、そういうような発想は背後にあるのではないかと思います」
反町キャスター
「松川さん、どうですか?2035年までに、一流の軍隊にする中国、たとえば、尖閣の周辺とか、東シナ海、どうなると我々は覚悟しなくてはいけないのですか?」
松川議員
「もっと大変になると覚悟しないといけない。中国は非常に長い視点でものを考えていて、私は中国のまさに海洋進出を担当していたことがあります。2008年の時点で初めて接続水域、尖閣の、通過するという話があって。もちろん、抗議をしたのですけど、その時に、中国は日本に慣れてもらわないといけない、と言っていました。我々、慣れてしまっていると思いませんか?私はますます世界一、要するに、アメリカに伍し得る軍隊をつくります、ということであれば、南西諸島防衛を日本1国でも、局所防衛ですから、できるぐらいの防衛力を高めることが非常に必要だし、日米同盟の堅持ももちろん必要ですし、非常に難しい舵とりというか、外交でも防衛力の強化でも両方必要になってくるなと非常に感じます。ここでもポイントは、日本に手を出すと面倒くさいと、コストの方が大きそうだという、ニューサンス・バリューを上げることが非常に大事だと思います」
反町キャスター
「それは、要するに、防衛費をもっと高めろという意味なのですか?」
松川議員
「防衛費もそうだけれども、たとえば、いろいろなことがあり得るんですよ。たとえば、ちょっと何かあったら日本国民がキャーキャー騒いで手に負えないことになるとか、いろいろな貿易とか、いろいろなところで摩擦が起きるとか。そういう面倒なことになるなと、つまり、尖閣に手を出さない方が得だと、中国にどれだけ長い間思わせられるかということを、総合的に、別に防衛力だけではなくて、防衛力、日米同盟強化だけではなくて、いろいろなことを使って、やっていくことがこれまで以上にもっともっと必要になってくるなというのを、今回、これを見て非常に感じました」
反町キャスター
「なるほど。天児さん、いかがですか?我々はどう備えたらいいですか?」
天児教授
「力と力の対決ということになってくると日本はアメリカとの連携というものを、これはそれに依存せざるを得ないということが1つですよね。しかし、同時に、中国の中に日本が必要であると、中国にとって日本が必要であるという構造をつくっていくという、それはこれまでは経済が主に市場、日本の直接投資というものがあり、ODA(政府開発援助)があり、そういう形で改革開放の時期にはきたわけですけれども。今後の中にどういう1つのフレームをつくっていけば、中国にとって日本が必要なのだ、日本と全面的に対決すると俺達にとっても損だというようなものをつくり出していくという、それが非常に大事だと思うんですよ。ですから、よく言われるような環境の問題なんかは中国にとって非常に差し迫った問題ですよ。それは差し迫った問題で、日本も中国は環境が大変だから協力しようねと言っているけれども、バラバラなんですよ。もっとそこに戦略的な接近というのが、アプローチというのがあっていいはずなのが、ないですよね。それから、少子高齢化が中国もこれからすごい勢いで進んでいく。中国も老人ケアをどうするかというようなことを、習近平さんのこの中にも、全面的にと、そういうシステムをつくると言っているわけだけれども、それをつくるうえにおいて日本の経験とか、日本のノウハウとか、そのようなのが非常に必要になってくるんですよ。必要になってくることを、必要だなと認識してもらうという、そういうような関係だよね、これから。そういうものができてくると、一方、中国の指導者は結構、大人であるし、打算的でありますから、損することはしない。だから、脅すことはしても、実際に尖閣を獲っちゃうとか、あのへんを全部、中国の軍艦で押さえてしまうというのが、どれだけマイナスの面の結果を生み出すかということも計算するわけですから。そういうような組み合わせを真剣に日本側は考えていかなければ…」
松川議員
「ただ、いいですか?おっしゃること、いろいろ必要だと、まったくその通りだと思うのですけれども、ただ、我々が認識しておかないといけないのはその中国が現在、まさに海軍をブルーウォーター・ネイビーに、太平洋とか、インド洋からアフリカまで行ける軍隊にしようとしているわけですね」
天児教授
「もちろん…」
松川議員
「その時に太平洋に出るための出口というのは限られていまして、沖縄本島と宮古島の間…」
天児教授
「そうです、うん」
松川議員
「これしか、だって他はオホーツクと津軽海峡と台湾海峡ですから、尖閣諸島というのは、沖縄の今言った太平洋の出口に位置していて、そういう意味で、いくら環境協力をしてあげたから(といって)、そこを突破したいと言うか、自由に使える海にしたいという、安全保障上の中国の要求が減るということはあまり考えられないという…」
天児教授
「いや、僕はそんなことは言っていない」
松川議員
「いや、あの…」
天児教授
「安全保障においてはアメリカとの連携をキチッとして、そういうものの防衛システムというのはつくっておかないかんというのを、一方で言っているんですよ」
松川議員
「そうですよね、はい…」
反町キャスター
「ちょっと待って。でも、天児さんが言ったのは、環境とか、社会福祉、中国の高齢化社会に対する対応というのは、向こうもニーズがあるし、日本からも出せるものがあるのだけれども、もっと国策として中国に入って行ったらどうかと、こういう話だったのですけれども、それは国として足りていないのですか?」
松川議員
「私は、そんなことはないと思います」
反町キャスター
「要するに、オムツメーカーが向こうで売れているよとか、そんなレベルの話ではなく、国策として中国とキチッと社会保障の話をやりましょうという、ここまではなかなか?」
松川議員
「私は、個人的にはですけれど、安全保障の問題は安全保障として考えないといけないというところは置きまして、中国とは互恵的関係というのを築くというのは非常に大事なことだと思うんですね。しかも、これからたぶんイノベーションも起きてくる、そんな国ですよ。だから、これまでの工場下請け中国ではなく、これからますます世界的な科学者が出てきたり、いろいろな新しいビビッドな経済的発展があるかもしれない中国だから、当然、日本としてうまくやっていく必要はあると思うのですが、その時に国家として、ODAとか、そういういろいろな協力でできるレベルはいいのですけれども、大きなものを中国に突っ込むという発想自体が間違っていると思うんです。常に間違ってきたし、それは民間の中で、常に変わるかもしれない中国を念頭に置きながらやるレベルでやればいい話だと思います」

『強国化』戦略と米中関係
秋元キャスター
「今後の米中関係を見るうえで非常に重要となるのが、11月上旬のトランプ大統領の中国訪問、米中首脳会談があるわけなのですが、天児さん、どうですか?」
天児教授
「現在、トランプ政権が戦略的に、はっきりした方向性をどこまで向いているのかというのが見えない部分がありますね。ですから、習近平さんは、むしろ現在のアメリカというのはトランプ政権登場の時よりも明らかに組みやすしと思っているのではないかと思うんですよね。もちろん、トランプ政権が1番の大国だというのは認識していますけれど、習近平さんはこれから着々と現在、自分の戦略を進めていっているわけで、そういう意味で言うと、1番こだわりたいのは、お互いの、共通の協力のメカニズムをつくっていくということがどこまでできるか。これは、1つは北朝鮮の問題で、協力の体制が一緒に何かをするというのではなくて、それぞれが分担しながら、その役割を果たすという構造であるし、それから、おそらく南シナ海の問題はあまりここでは触れさせない」
反町キャスター
「なるほど」
天児教授
「むしろ中国は一帯一路をはじめとして、経済建設を現在ドンドンやってきているわけで。これは100%、東南アジアの国々が喜んで受け入れているかと言ったら、中国の脅威を感じながら受け入れているわけですよね。そこのところがもう少し中国としては、中国に向く、その向くものをその国々がそれを強めていきたいというのが1つ大きなことであって、それが皆、中国を向くような形にでもなれば、南シナ海問題はもうアメリカが手を出せなくなっちゃうんですよ。そこを狙っていると思いますよ」
反町キャスター
「なるほど」
天児教授
「ですから、現在のところは、できるだけ触れないように、知らん顔しておくという態度をとるのではないかと」
秋元キャスター
「松川さん、どう見ていますか?」
松川議員
「1番大きいのは間違いなく北朝鮮だと思うんです。北朝鮮に対して安保理決議2375をやって、成果が、それなりに厳しいものが出ていると思うのですけれど、ただ、今回このタイミングでの米中首脳会談では、北朝鮮が本当に核放棄をしない場合、アメリカはもしかしたら軍事攻撃をするかもしれませんよと。その時にそうなるかもしれないので、そうならないように、中国に働いてほしいというのもあるでしょうけれども、その場合に、だって、中朝の間は一応、軍事同盟があるわけではないですか」
反町キャスター
「はい」
松川議員
「その時に北朝鮮をどのようにして対処するか、その時に、中国にどうしてほしいかということまで、もしかしたら言う可能性もなくはないのではないのかと。もちろん、軍事攻撃というのは最初にあるわけではなくて、交渉というか、ベストシナリオというのは金正恩氏が現在たぶんすごくビビっているところだと思いますから、本当にマズいなと思って、わかったと。ちょっとこの前、モスクワでやった不拡散協議でも少し北米局長、北朝鮮の、発言もちょっと変わってきていますから、無条件で交渉のテーブルにつくことは考えてもいいみたいなふうに読めなくもない、『米国が核保有した北朝鮮と共存、使用しない限り、北の核保有は交渉のテーブルには置かない』、これは言い換えれば…」
反町キャスター
「裏裏だとしたら…」
松川議員
「裏裏だとしたら、少し言うことも変わってきていますから」
反町キャスター
「なるほど」
松川議員
「そこをどうするかというのは、真剣に話し合うという、1番大事な場所なのではないかなと思いますよね」
反町キャスター
「そうすると、中国にしてみたらアメリカが北朝鮮のことばかりにカマかけている間に、たとえば、南シナ海における基盤を強化できるし、米中間の貿易摩擦の問題、ないしは知財の話なんかも当然出てこないし、今のうちにやっちゃうおうぜというところは出てきます?」
松川議員
「あ、北に対してですか?」
反町キャスター
「いいえ、米中間…」
松川議員
「米中間で…」
反町キャスター
「アメリカが北朝鮮ばかりに関心を持っている間に他のところにおいてアメリカが見えないところで自分の…」
松川議員
「うん、それはあるかもしれない。ただ、どうでしょう。これはタクティカルな世界で、ストラテジーの世界ではないのですけれども、現在、北朝鮮の案件というのは、これはすごくアメリカと、言ってみれば、協力アイテムにもなり得るし、失敗すると本当にマズいアイテム、米中関係を股裂きするアイテムにもなり得るわけで、私は現在、体制を固めたばかりの習近平体制が、南シナ海でこっそりわからない程度にはやるのでしょうけれども、北でアメリカが忙しい間に、いかにもとっととやりますというのをやるかなと、ちょっとやらないのではないかなと思いますね」
朱教授
「私はその点、まったく…」
松川議員
「それは、そんなにアホではないというか…」
朱教授
「せっかく昨年の仲裁…」
松川議員
「そんなに、せっかくここでアメリカを…」
朱教授
「…のあとにね、そういうところで現在フィリピンと少し関係が改善していると。それから、CoC、行動規範をめぐって大枠合意で、そこまでいっていると。そういうようなところで中国が軍事行動に出ると結局、中国は東南アジア諸国との関係がさらに悪化する。となると、もっと孤立するというようなこと、そこはしない…」
松川議員
「うーん」
朱教授
「一時見られていたスカボロ礁の埋め立てや、ああいうところは、党大会のあとに中国はすぐやるのではないかと、正直言って現在からの延長で見れば、それはやらないと思いますね」
松川議員
「いや、たぶんそれはドンドンやっていくのだけれども、今やる必要はないという意味で、申し上げただけで、ドンドンやっていくと思います」

天児慧 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授の提言 『聖徳太子精神を 毅然、学ぶ、和』
天児教授
「私は、聖徳太子精神をということを強調したいんです。この場合、聖徳太子精神というのは、毅然とするという、要するに、日の没する国の天子につぐるというようなそれだけではなくて、ここに書きましたように、学ぶという。先ほど、イノベーションの話もされましたが、中国はこれからドンドン、そういう意味では発展していく。日本は、聖徳太子は遣隋使を派遣して学んだわけで、最後は、和をもって貴しとなす、でしょう、そういう気持ちをもう1回思い出そうと。強い中国、それに対して我々日本は、この聖徳太子精神をよみがえらそうということです」

朱建榮 東洋学園大学教授の提言 『日中 長期戦略の対話』
朱教授
「中国は今回、習近平主席は、2050年までの長期戦略を打ち出したので、日本も互いに日本のこれから20年、30年後の姿ということを考えて一緒に対話すると。そういう中で、先ほど、尖閣、島の紛争の話が出ましたけれども、日本がいろいろ警戒する、中国に獲られるということを心配するなら、もっと早くそれについても率直に議論をし、互いに、これから互いに30年、もう触れないようにするという凍結の合意をしてもいいのではないかなというところが、大事なのではないかなと思います」
松川議員
「ダメです」

松川るい 自由民主党 参議院議員の提言 『硬軟+仲間』
松川議員
「硬軟プラス仲間づくりということで。毅然、守るべきものを守る毅然とした外交と、あといろいろなことに柔軟に、中国と向き合っていくという姿勢、それは経済であったり、文化だったり、人の交流、若者交流とかも。日本は自分と、価値と、それから、ストラテジックなポジションを共有する仲間、それはアメリカであり、オーストラリアであり、インド、そういったいろいろな国との連携というのを深めながら中国とエンゲージしていく、これしかないと思います」