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2017年10月24日(火)
徹底総括!衆院選2017 野党再編の行方と軸は

ゲスト

山口二郎
法政大学法学部教授
松井孝治
慶應義塾大学総合政策学部教授
中北浩爾
一橋大学大学院社会学研究科教授

総選挙2017 失速・躍進の背景
秋元キャスター
「今回の衆院選、自民1強は覆らないまま、立憲民主党が野党第1党となりました。民進党の分裂、いわゆる非自民勢力の地殻変動は日本の政治に何をもたらすのか。政治学者の皆さん共に衆院選の経緯と結果を総括しながら、野党再編とこれからの政治の行方をじっくり考えます。今回の結果、衆議院の勢力図はこのように変わりました。自民党は過半数を上回る284議席を維持し、与党で改憲発議に必要な3分の2以上の313議席を確保ということになりました。一方、野党ですけれど、小池代表の希望の党が公示前の57議席から50議席に減り、枝野旋風を巻き起こしました立憲民主党が15議席から55議席へ躍進しまして野党第1党となりました。まず山口さん、この結果をどう受け止められますか?」
山口教授
「選挙期間中の世論調査を見ると内閣支持率が低く、不支持の方が上まわっているという調査がいくつかあって、全体として国民はそろそろ安倍政権に飽きてきているというか、安倍政権に対する不満・不信があるのだけれど、選挙結果は自民党圧勝ということで。これはひとえに野党が分かれちゃったことの結果だと。こういう結果をつくって、民意をキチッと受け止められなかったということを非常に残念に思いました」
秋元キャスター
「松井さん、いかがですか?」
松井教授
「まったく残念ですね。独り相撲と言うか、大山鳴動で一瞬期待値は高まったけれども、そのあと見事に崩れていったというか。もともといろいろな小池さんの発言もありますけれども、政権選択選挙というようなことを言っておいて、小池さんの立場が、誰が首班候補になるかということを明らかにしない政権選択選挙というのはまったく邪道ですよね。だから、そういうことも含め、言葉の一言二言だけではないと思います。それから、民進党が27日でしたか、代表一任という、あれも非常に素直…」
反町キャスター
「両院議員総会?」
松井教授
「ええ、シャンシャンで決まったというのもの、これは長年の支持者から言うと何なのだと、異論も出ずに、選挙互助会かという批判もあったので。野党の自滅選挙だと思いますが、決して小池さんの言葉の『排除』発言とか、『さらさら』発言だけではない問題を内包していると思いますね」
反町キャスター
「小池さんは都知事を辞めて選挙に出るべきだったということですか?」
松井教授
「もし政権選択選挙と言うのなら、そうでないと筋が通らないですよね」
反町キャスター
「233以上の候補者を立てて、それで最終的に選挙に臨んだ、臨む以上は知事を辞めるべきだった?そういうことですよね?」
松井教授
「そういうことです」
山口教授
「もし辞めないのだったら、代わりの総理候補はこの人とはっきり選択肢を出さないと…」
松井教授
「前原さんでもいいんですよ。知事続投するけれど、国会のことは、首班候補は前原さんだということでもいいんですけれど。それなしに政権を獲ります、それは誰の政権になるのですかと。あとで状況を見て決めますというのは、白紙委任を求めるようなものですから、政権選択選挙と言えないですよ」
反町キャスター
「松井さん、どう見ていますか?小池さんの総理もやりたいけれども、簡単に辞められないのよねという、その思い切りのなさ、そこになるのですか?」
松井教授
「というのがまず第1にあって、そのあと前原さんを総理候補でいくのかと言った時に、自分の名前以外ではおよそ勝てないと、適切な自分の代替者もいないと、そこはまったく準備不足と言うほかないですよね」
反町キャスター
「最初から希望の党を立てて、政権を狙う、233人の候補者を立てる時点で、もう破綻しているのではないですか?」
松井教授
「そう思いますね」
反町キャスター
「端から負け戦だったということですか?」
松井教授
「負け戦とは言わないけれども」
反町キャスター
「どこかにチャンスがあるとすれば、どこにチャンスがあったか?ここはいかがですか?」
松井教授
「いや、それは、僕は小池さんの名前で勝負をしたのだから、もしチャンスがあるとしたら、きちんと小池さんが辞めて、出られて、きちんとしたその公約をつくって、もうちょっと政党の体をなして戦えば、違う…」
山口教授
「細野さんと若狭さんの動きを止めてリセットと言ったでしょう?」
反町キャスター
「言った」
山口教授
「その時に私が出る、私が総理候補と言えば、すごく大きなうねりが起こったかもしれないでしょうね」
反町キャスター
「期待したのですか、それに?」
山口教授
「いや、一気に安倍政権を倒すためには、こういう奇策もありかと、私も一瞬思いましたから」
反町キャスター
「へえ…」
山口教授
「前原さんからあの合流方針を聞いた時に…」
反町キャスター
「あの時は、だから、小池さんは明らかにいろいろやってもらっていたけれども『リセットします』と言って、私がやりますと言って、でも、出馬はまだ…だと、こういう。あそこからもう1歩踏み込めば?」
山口教授
「そうですね」
反町キャスター
「もしあのタイミングで出馬すると言えば、世論の中におけるまだ1年しかやっていないのだろうと…」
山口教授
「うん…」
反町キャスター
「豊洲と築地の問題だってどういう決着をつけたのだ、みたいな…」
山口教授
「それは、理屈はあとからつく、やってくるので…」
反町キャスター
「最近、その発言する人、多いですよ、この界隈で…」
山口教授
「東京を変えるためにも国を変えるとか、彼女だったら言うし。そういう理屈に共鳴する部分も世論の中にあったのではないかなと思います」
秋元キャスター
「なぜ決断しなかったんだと…?」
山口教授
「それは彼女が勝てるかどうか、ずっとギリギリまで瀬踏みをしていたというのが僕の見解ですけれども」
反町キャスター
「ほう…」
松井教授
「この番組で若狭さんがいみじくもおっしゃったじゃないですか、次の次と」
反町キャスター
「うん」
松井教授
「まさに冷静に読めば、そう簡単にはいかないだろうなということはわかっておられたのではないですか?」
反町キャスター
「なるほど」
松井教授
「だから、本当に突っ込めなかったという部分もある」
反町キャスター
「今回の選挙結果によって次の次の芽は残っているのか?小池さんは?」
松井教授
「いや、残っていない…」
山口教授
「残っていない」
反町キャスター
「残っていないでしょう?残っていないと思いますよね?」
山口教授
「残っていない」
反町キャスター
「結局全部、ワヤになっちゃったということですか?」
松井教授
「…」
山口教授
「うーん」
反町キャスター
「どう見ていますか?」
中北教授
「排除が原因、小池さんが出なかったことが原因だと言われていますけれども、そもそも本質はそこになく、地力がないのに戦線拡大して突っ込んでいったというところにあるのではないですか。政権選択と言っていながら、お粗末な政策を急造でつくって、ベーシック・インカムとか言うわけですね。こんなので政権獲ったら、国民が不幸になりますよ。若狭さんの事務所でいろんなことをやっているとか、そんな状態であるわけですよね。役員すら決まっていない、樽床さんしか決まっていない。小池さんと。資金も組織もないと。だから、国政進出にそもそも進出する力量がないですよ。これを誘発したのは安倍さんの解散の判断ですけれども。維新ですら、橋本さんが府知事になってから2年かけて地域政党をつくって、2年かけて国政に出ているんですよ」
反町キャスター
「そうそう」
中北教授
「それに対して小池さんは都知事になって1年余ですよね。さすがに無理ですよ。無理なところで突っ込んでいったという、これは自滅ですよね」
反町キャスター
「その意味で言うと、安倍さんの解散がタイミングとして、これから先、時間が経て経つほど、小池さんの準備が日増しにできてくるから、早くやるしかないと。その判断は正しかった?勝ち負けに関しては?」
中北教授
「そうですね。だから、道理はなかったけれど、合理的だったと思っています」
反町キャスター
「中北さん、政党を立てるにあたって、政策の同一性は?」
中北教授
「はい」
反町キャスター
「それが必要かどうなのか?排除ではなくて、選択だったら良かったのか?言葉遣いという意味ではなくて、要するに、誰とでも一緒にやるわけがないだろうと、ある程度、政治志向の考え方の同じ人ではないと一緒にやれないよねと思っていた可能性は十分あると思うのですけれど。言葉遣いの話ではなくて、政治的な志向、安保法制なら安保法制、憲法なら憲法という、そういう意味において、同じ考え方の人をまとめようとした今回の小池さんの行動は、これは間違っていたのですか?」
中北教授
「いや、同じ方向性でまとめることには私は反対ではないのですけれど、では、まとまっているかという結果を見たら…」
反町キャスター
「憲法のところ」
中北教授
「うん、憲法改正という踏み絵をつけました。踏ませました。でも、いるのは、こころの中山さんと民進の人達ですよ。同じ憲法改正という踏み絵を踏ましたのだけれど、一緒に踏んでいるのだけれども、バラバラになっているわけですよね。だから、方向性がまったく違う憲法改正ですよね」
反町キャスター
「なるほど」
中北教授
「ですから、やっていることが、ある程度の一致性と言っているけれども、全然一致していなくて。相当チグハグというか、戦略性がなかったと思いますね」
反町キャスター
「山口さん、いかがですか?この選択、排除、政治的な統一性をどう考えますか?」
山口教授
「私は最初、小池新党が政権交代と言った時に想像したのは細川連立政権ですよね。あの時は、社会党から、当時の小沢さんの新生党からいろいろな人がともかく呉越同舟で自民党ではない政権をつくる、やることは政治改革、非常に単純明快な異質性を抱えた連立だったわけで。今回は安倍1強を止めるために、細川連立みたいなことをやるのかなと思ったら、細川さんも全然アドバイスをしていなかったみたいだし、細川さんの時の政治改革みたいな旗印がないままで単に自民党政権、安倍政権を倒すとか言っても、結集軸がなかったということになるのでしょうね」
反町キャスター
「細川連立政権の時には非自民、非共産での連立でしたよね?」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「今回、解散の直前まで護憲4党と言ったら、そうではないと怒られるのですけれど、リベラル系4党で、共産党も入れて選挙における協力・連携を模索されていましたよ。今回、非自民連立政権をもし模索するとしたら、共産党も入れた枠を考えるべきだったと思います?」
山口教授
「いや、小池さんが中心になる場合には、そこまでは無理でしょうね」
反町キャスター
「できない?」
山口教授
「うん、だから、民進プラス希望、プラスという感じで、中はかなり距離感があるけど、とりあえずは安倍政権を倒してこれだけはやるみたいな、シングル・イシューでいいからテーマが…」
反町キャスター
「共産党さんも選挙が近づくにつれて、自衛隊はいろいろあるけれども、すぐにはなくさないよとか…」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「憲法についてのどうこうだとか、天皇制についてのどうこうだとか…」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「要するに、自社さの時の村山首班の時にやったみたいなことに…」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「ちょっと近づくような、基本政策の修正?」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「現実的な対応というものを徐々に出してきていましたよね?」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「あれは共産党にしてみたら、政権参加に対する精一杯のシグナルではないですか?」
山口教授
「そうですね」
反町キャスター
「そこを汲み取るというのは無理だったのですか?」
山口教授
「うーん、そこまで大きなプラットフォームができれば、それは芸術的ということになったのでしょうけれども」
反町キャスター
「松井さん、そこですよ。つまり、聞きたいのは小沢さんと小池さんの違いですよ」
松井教授
「うん」
反町キャスター
「小沢さんはあの時、共産党はやらなかったにせよ、政策的にいろいろなことを言う人はいるけれど、とにかく自民党政権を倒そうよと、皆でとにかく集まって、倒してから相談しようという感じで、連合を後ろに乗っけてガーンとやったではないですか?今回、小池さんは、明らかにこの考え方、この言葉、排除という言葉を使ったということはその1点、自民党を倒すという1点で共産党も含めた、1つの大きな輪をつくろうと思わなかったところで終わったのではないかという人もいます。どう見ていますか?」
松井教授
「それは、小池さんだけではないと思うんですよ。前原さんも含め、前原さんが10月の頭でしたか、ツイッターでいくつもいくつもツイッターを重ねた、どんな心境でこういう結論になったのかということを呟かれたことがありますけれども。前原さん自身、憲法とか、安全保障法制で、民進党の中で、左右の対立が激しくて物事が決められない、議論ができない、そこに相当真剣に悩んでおられた、あるいは先にこの党に合流した細野さん自身も、そこで随分悩んでおられた。だから、彼ら自身も含めて、現在の立ち位置がまったく明確で、何をやろうとしているのかがわからない民進党をなんとかしなければという思いがあって、そこが小池さんにも共有されたということだと思います」
反町キャスター
「なるほど」
松井教授
「ただ、こういう排除とか、選別ではなくて、もうちょっと自発的な形で自然体で、ある種の大物の方々は合流しないということで、なんとなくうまくいくのではないかと甘く思っておられたかもしれないけれども。だから排除発言というのは、実は民進党の右派の中にもあった思いが、小池さんにももちろん、同じ想いを共有されて、ああいう結果になったと、結果としては言葉がきつくなってしまったと」
反町キャスター
「そうすると、端からその意味で言うと、自民党を倒して、安倍政権は妥当と口では言っていても、現実的な頭の中はそうではなくて。とにかく民進党の中で、民主党からずっと続く、民進党まで続いている党内の右左の対立みたいなものに、疲れ切ったから、とにかくこれを終わらせたいだけなのだよという、非常に内向きな理由による離党・新党というイメージしか伝わってこないですよ?」
松井教授
「いや、そういうものがあったことは事実だろうと」
反町キャスター
「そこからもう抜け出さないと、次の一手できないのだよという…」
松井教授
「いや、それだけではないと思いますよ。もう少し理念を明確にしたうえで、真ん中のセンター界隈を狙いにいく。それが今回の選挙で可能かどうかは別として、将来の、次の次ぐらいの政権選択選挙にはつながっていくっていう想いはおそらく前原さんや細野さんにはあったのではないかと思うんですよね」

民進分裂と『前原判断』
秋元キャスター
「今回の選挙に大きく影響しましたのが、民進党の分裂だったわけですけれども」
反町キャスター
「山口さんが見て、今回分裂してしまった、しかも、総選挙直前という非常に微妙な際どいタイミングで、ギリギリの非常に重要なタイミングで分裂しまったというのは、これはもう前原さんのミスとしか言いようがないのですか?」
山口教授
「いや、ですから、小池さんとの間でどういう話があったのか、それは是非聞いてみたいですけれども。合流するにあたって、要するに、どういうふうにして公認するのかという、そこの1番大事なところで両者の間にどういう合意があったのかと。たぶん前原さんは皆、行けるという判断をしたけれども、小池さんはそんなことを言った覚えはないという感じで、食い違いがあったということでしょう」
反町キャスター
「松井さんは前原さんの判断、結果的に党の分裂をもたらせてしまった前原さんのこの判断というのをどう見ているのですか?」
松井教授
「いや、それは賭けだったと思うんですね」
反町キャスター
「賭け?」
松井教授
「ええ」
反町キャスター
「どういうギャンブルをしたのですか?」
松井教授
「小池さんというカードを使って、中道からセンターライトぐらいまでの現在、空いているところを獲りにいくという賭けをされたのだと思うんですね。だから、それが結果的には、立憲民主が出てきてしまうというようなことも含めて、計算違いがいくつも起こった。あるいは希望の党の、小池さんの出る、出ないという話、また、政策をつくるところのちょっと練れていない部分があって、いろいろな計算違いが重なってこうなったのだと思いますよ」
反町キャスター
「そうすると、27日の両院議員総会で、要するに、今回は民進党からは公認を出しません、皆さん、希望の党に行って希望の党の公認で選挙に出ましょうという、あの両院議員総会の取りまとめまでは、ここまではうまくいっていた?」
松井教授
「いや、賭けですけれど」
反町キャスター
「うん」
松井教授
「城を焼いて兵を救うという判断をされたわけでしょう。それがうまくいけば良かったけれども、結局、兵も救えなかったと、城は焼けたけれど、と言うことになってしまったということではないでしょうか。その背景には、先ほど言ったように前原さんが現在の民進党では政権政党に足り得ない、何をやろうとしているのかが見えない、だから、もう少し右に舵を切るという判断をされたのだと思うんですよね」
反町キャスター
「政権政党足り得ないというのは、でも、あの時の民進党の状況はそこに至るまでの時点において大阪は維新にやられて、国会議員はおろか、市議、府議、地方議員もほぼほぼ全滅の状態で、まず大阪を失っている…」
松井教授
「東京も失って…」
反町キャスター
「東京も失った。でも、民進党は承知の通りで、連合がついている限り全国政党ですよ。それは今回の選挙を見てもわかる通り、小池さんの風と言ったって立憲もそうですけれども、東京とか、神奈川とか、そのへんだけ。全国的に風が吹いたかと言えば…、北海道は別です、あれはもともとやっていたのだから。そういう意味で言うと、全国組織、全国政党としての民進党の強みというのをもうちょっと前原さんは大切にしても良かったのではないか?」
松井教授
「かもしれません」
反町キャスター
「安売りしたのではないか?ここはどうですか?」
松井教授
「結果論としては、そういうことでしょうね」
反町キャスター
「いかがですか?」
中北教授
「民進党の中では、野党共闘に対する閉塞感があったと思うんですよ。だから、当面の選挙のためには、共産党とある程度、調整しないといけないと、議席は増えないと。しかし、共産党と連立政権は組めないということですよね。ですから、政権から遠のくと。このジレンマにずっと苛まれてきた。そこに希望の党に合流すれば一気に政権まで握れるのではないかという選択肢がボッときたわけですよ。だから、皆、飛びついて、解散の日の両院議員総会で、ある種の高揚感があったというのは、こういうことなのだと思います」
反町キャスター
「それは、このままいくと選挙戦はかなり厳しいものがある中で、その選択をした民進党の議員の皆さん、あの両院議員総会において前原さんに一任をした民進党所属の国会議員の皆さんは、明らかにそこは小池人気にすがりたい気持ちが溢れていた、こういう理解でいいのですか?」
中北教授
「だから、閉塞感があるから、上から来た糸にバーッと皆、飛びついたんです。でも、それは非常にバブルであって、それはある種の救命ボートだったかもしれないけど、穴が開いていたわけです。だから、皆、沈んじゃったということであって。それは高揚感というか、あんなところに飛びついてしまったというのはその原因があったということではないでしょうかね」
反町キャスター
「松井さん、いかがですか?」
松井教授
「いや、その通りですね。支持率が低位安定で6とか、7とか、8ぐらいの支持率で、期待値もないという状況で、政権政党としてもう1回、民進党を生き返らせるためには、ある種のカリスマ政治家とくっついて新たな票田を、そのセンターを耕していくという、それしかないという判断をされたのでしょうね」
反町キャスター
「うーん、それは党としても、松井さんから見ていると民進党全体の党としても、そういう雰囲気だったと見ていますか?」
松井教授
「党の少なくとも右派の人達はもうこのままではどうしようもないと。共産党との連携ではとてもではないけれども、政権政党としては無理だと、野党としてそれなりの存在感を残すということだったらできるかもしれないけれども、何のためにこの政党に入ったのだと言う人は少なからずいらっしゃいましたよね」

立憲民主党・躍進の先
秋元キャスター
「野党では立憲民主党が15議席から55議席へ躍進しまして、野党第1党となったわけですが。山口さん、希望の党が失速していく一方で、野党第1党となった立憲民主党、この躍進の背景、何だと考えますか?」
山口教授
「立憲民主党を支えた市民層というのは、旧民進党で言えば、左派的な部分を支持していた人達でしょう。それで前原さん達が保守的な人を希望に連れて行ってくれたので、すごくすっきりしたクリアな政党ができて万歳みたいな感じで、入れた人が大勢いると思いますね」
反町キャスター
「なるほど。すっきりしたというのはいいことなのですか?たとえば、政治とか、外交の中で…」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「すっきりした政策というのは、リスクが高くて先がないのだよという人がいますよ。それは、たとえば、国際連盟からの日本の脱退みたいな、そういうことも全部、例に引きながら…」
山口教授
「うん、外交とか、財政というのはあまりすっきりすると失敗するということはありますけれども」
反町キャスター
「危ない?このすっきりはいい?」
山口教授
「政党を立ちあげる時に、この政党はどういう政党かというアイデンティティに関して言えば、すっきりしたものが中心にある方が応援する方は気合が入りますよね」
反町キャスター
「それは自分のことを言っている…」
山口教授
「ハハハ…」
秋元キャスター
「松井さん、どう見ていますか?」
松井教授
「そういう部分は確かにあると思いますね。だから、すっきりしたという人が両側にいるのではないですか?」
反町キャスター
「あー、なるほど」
松井教授
「保守的な民主党支持者、民進党支持者の方々も何を左がかったことを言っているのだというフラストを溜めていた部分、左側の人は左側の人でフラストを溜めていたから、そこはすっきりしたのかもしれませんけれども。ただ、運動論のつくり方としては上手だと思いますよ」
反町キャスター
「上手?それはどういう意味?」
松井教授
「今回、街頭演説で、従来だったら、街宣車をドーンと横づけにして…」
反町キャスター
「そうそう」
松井教授
「前面に聴衆がいて、そこに訴えかけるという、舞台があって、聴衆がいる。今回は小さな、それこそ…」
山口教授
「そうそう…」
松井教授
「これぐらいのお立ち台みたいなものを真ん中に置いて…」
反町キャスター
「周りを見ながら、360度ですよ」
松井教授
「360度を見ながら、人々と共に語っていく」
山口教授
「それはSEALDsにいた若い子が、いろいろとメディア、SNSとか、そういうイベントとか、彼らの知恵ですよね」
反町キャスター
「はあー」
松井教授
「だけど、支持層は中高年が多いと」
山口教授
「うん」
松井教授
「かつての闘争のノスタルジーなのかわからないけれども、50代から60代…」
山口教授
「それは、安保法制の反対運動以来、ずっと流れがあるわけですよ。ああいう国会前でワーッと言っていた人が今回、喜び勇んで立憲民主党に…」
反町キャスター
「喜び勇んでとか言って…。松井さん?」
松井教授
「いや、そうすると、本当に新しいことが発揮されているかどうかは別ですよ」
山口教授
「そう、だから、それが、広いもの、大きなものに成長するかどうか、これはまた別問題」
反町キャスター
「いかがですか?広がると思います?」
松井教授
「どうでしょう、今回は、相当、希望の失望感の受け皿になったという部分があると思うんですよ。希望に照らされて光っているという。信念を貫いたとか。だけど、僕が見ていると、旧民進党の左派寄りの人達が元職も含めて、だいぶ復活しておられて、本当に新しさ…、枝野さんが演出されようとしておられる新しさと実態が伴っているのかどうかは、ちょっとこれからの政策展開とかを見てみないとわからないですよね」
反町キャスター
「いかがですか?」
山口教授
「いや、枝野さんが自分は保守だって口を酸っぱくして言っているのは…」
反町キャスター
「あれは何の作戦なのですか?」
山口教授
「そういう狭さを克服するために、イメージを広げようとしているわけですよ。だから、基本は、安倍政権の政治姿勢とか、憲法改正路線に対して、普通の、要するに、ヨーロッパ・アメリカ的な意味での自由民主主義を守るという路線ですね。だけど、周りを囲んでいるのは結構、左派的な人達が多い」
反町キャスター
「そうですよね?」
山口教授
「だから、枝野さんは、少しでも幅を広げようとして、保守だと言っていて。たぶんこれから立憲民主党がもうちょっと大きな政党になるためには、それこそかつての自民党の宏池会みたいな路線を…」
反町キャスター
「わかります」
山口教授
「…打ち立てていくと。それで中間から保守的なところ、穏健保守まで手を伸ばすということがないと、ちょっと大きめの社民党みたいなことで…」
反町キャスター
「止まっちゃう?」
山口教授
「頭打ちになっちゃう危険性はあるんですよね」
反町キャスター
「立憲民主党が大きくなるためには現在のメインエンジンとなっている、50代、60代、昔ちょっとデモに参加しようかなみたいな、そういう想いをいまだに抱えている皆さんにちょっと1回退場願って…」
山口教授
「いや、退場と言うか、それは政党だから幅があって…」
反町キャスター
「それは、もちろん…」
山口教授
「左側のエンジンもあれば、中間もエンジンもという」
反町キャスター
「右とは言いません、真ん中よりの、もっとわかりやすく言っちゃうと、そういう人達がいることによって、ちょっと引いちゃう人達が入ってこられるような組織にしないと、広がらないという意味に聞こえますよ?」
山口教授
「うーん、中に入るかどうかは別として、選挙の時に支持してもらうためには、枝野さんが言うところの保守というのかな、本来…」
反町キャスター
「枝野さんが言っている保守とは何ですか?」
山口教授
「いや、だから…」
反町キャスター
「リベラルかと言うと、自分はリベラルではない、保守なのだと…」
山口教授
「現在の日本の政治では、安倍さん的な保守というのは戦後の憲法とか、戦後の自民党のある種の良い遺産というのは、全部ひっくり返して憲法改正という話で。枝野さんが言う保守というのは、戦後デモクラシー、特に1960年代以降の戦後デモクラシーを保守するということではないかなと私は思うんです」
反町キャスター
「ごめんなさい、松井さん、よくわからない、今の話」
松井教授
「いや、私もよくわかりませんけれども、だから、大平さんみたいな…」
山口教授
「そうそう、だから…」
松井教授
「イメージは、要するに、時代は右傾化しているけれども、自分が狙っているところはそこなのだと」
山口教授
「そう思いますよ」
反町キャスター
「自分はセンターなのだと?」
松井教授
「と言うことを…」
反町キャスター
「安倍さんが右に振れているだけだから?」
松井教授
「おっしゃりたいのではないでしょうか」
山口教授
「だから、安倍さんが従来の自民党から右にはみ出しちゃったから…」
反町キャスター
「なるほど」
山口教授
「空き家になっている、かつての経世会・宏池会的な穏健保守路線で立憲民主党を打ち立てるということではないのでしょうか」
反町キャスター
「どう見ていますか?」
中北教授
「うん、おっしゃっている通りだと思いますけれども。今回、立憲民主が支持を得たのは、政治スタイルの部分ですね。右左と言うよりは、先ほどから出ているように、草の根から正義を体現して立ち上がったということですけれども。結果としては希望の党と共産党の票を食っているだけで、自公にはリーチできていないと…」
反町キャスター
「はい」
中北教授
「…ということですね。ですから、保守だって言う以上に、どうやってそこに食い込んでいけるかということは課題で。ただ、政党はいっぺん縮んで伸びる必要があるわけですよ」
反町キャスター
「ほう?」
中北教授
「厳しい時に支えてくれる人を充分に固めるという、そういう瞬間も必要で、自民党も野党時代にそれをやったわけですよ。だから、2012年の評判悪い…」
反町キャスター
「憲法改正草案でしょう?」
中北教授
「そう」
反町キャスター
「右跳ねが効きまくっているヤツですよね?」
中北教授
「それが必要な作業だったんですよ」
反町キャスター
「はい」
中北教授
「いいか、どうかは別ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
中北教授
「そこから幅を広げた、安倍さん。ですから、今回も野党もいっぺん縮んで、草の根というところの基盤をきっちり固めたうえで、ウイングを広げていく。ですから、そうした1歩になるのであれば、今回は非常に重要な1歩だったということになるのではないでしょうか」
松井教授
「立憲民主は縮んだかと言うと、ちょっと立憲民主はむしろ膨らんじゃったと」
山口教授
「うん」
松井教授
「実態よりもね?」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「なるほど」
松井教授
「僕は希望の党の人はがんばってほしいと思うのは、酷い状況だったけれども、結構、自力のある人が残っていることは事実ですよ」
反町キャスター
「それはそうですよ」
松井教授
「逆風の中で通ってきているので」
反町キャスター
「はい」
松井教授
「だから、ここで本当に今回のいろいろな騒動の中でそれこそ穏健保守みたいな人が1番、希望の党みたいなやり方を嫌ったのだと思うんです、政治的な動き方という意味では。だから、そこにもう1回、信頼を取り戻せるかどうかというのも、現在、立憲民主の話で希望の話ではないかもしれないけれども、そこは1回しゃがんでジャンプするという意味では、希望はここでバラけてしまうのではなく、踏ん張って、本当の保守中道のもう1つの塊をつくっていくというのは、ここでどれだけ踏ん張れるかだと思いますね」
反町キャスター
「松井さん、希望と立憲民主の将来を決める1つの大きなファクターとして、連合があると思うのですけれども」
松井教授
「はい」
反町キャスター
「連合は運動体としての立憲民主をどう見ていると思いますか?」
松井教授
「いや、それは連合の、特に官公労系はそれなりに評価していると思いますよ」
反町キャスター
「左派系の労組ですね?」
松井教授
「はい、ただ、民間企業労組はどうでしょう、アレルギーがあるのではないでしょうか、率直に言えば」
反町キャスター
「なるほど。そうすると、連合全体が立憲民主党を支えるということはなかなか難しい?」
松井教授
「なかなか難しいのではないですか、特に現在の体制においては」
反町キャスター
「それは、今後の立憲民主党の伸びしろの天井になる?」
松井教授
「うん、ただ、ひょっとしたら枝野さんはその連合にだけ依存するような政党ではない、国民運動的なことを、展開を考えておられるのかもしれませんね」
反町キャスター
「それは、でも、持続性がないでしょう?」
松井教授
「なかなか難しいとは思いますよ」
反町キャスター
「1発…、たとえば」
松井教授
「ある種の風ですからね」
反町キャスター
「そうそう。山口さんの前で申し訳ないけれども、たとえば、国会周辺の安保法制反対デモ、ウワーッと盛り上がったけれども、それが10年、20年、政党の基盤として続きますか?」
松井教授
「なかなか難しいですよね」
反町キャスター
「難しいですよね。1ショットで終わる部分というのもあるわけではないですか?それがクールダウンしたあと、また盛り上がってくるのかもしれないけれども。そうすると、安定した組織による後援というのが必要になってくる時に立憲民主党は現在のままでいいのですかと、そこの部分はどう見ていますか?」
松井教授
「いや、だから、ただ、そこで数合わせに走らずに、草の根的なところで掘り起こしながら、他のところから崩れて、自分達に集まって来る、集結してくるところを待っておられるのではないでしょうか、枝野さんは現在の戦術としては…」
反町キャスター
「それ旧社会党より大きくなれます?」
松井教授
「なかなか難しいと思いますね」
反町キャスター
「難しいですよね?」
松井教授
「個人的には、わかりませんよ。枝野さんがまったく新しい政治文化みたいなものをつくられようとしているのかもしれないし、それはちょっとわからないけれども」
反町キャスター
「いかがですか?」
山口教授
「うん、難しいですけれども、全体として投票率も低いままだし、それから、安倍政治に対する不満感も溜まっているし、で、野党も全然期待できないみたいな、八方塞がりの状況で、この政党に何か言ったら何か聞いてもらえるとか、何か政策の1部にそういう自分達の声が反映されているとか、そういう手応えの持てる政党というものをつくりたいというのが、たぶん現在、枝野さん達が言っている国民運動ということなのでしょう」
反町キャスター
「言っていますよね?街頭演説でも、要するに、投票が終わったあと、ずっと我々を監視してください、ものを言い続けてくださいと、非常にマゾヒスティックな発言が続いているのですけれども…」
山口教授
「ええ」
反町キャスター
「それはまさにそういう意味で言っている?」
山口教授
「ですから、保育所とか、介護、いろいろ重要な政策課題、現場でいろいろと苦労している人達がいて、そういう人達の声をちゃんと聞くとか、そこから党として政策提言を出すとか、国会の質問にそういうのが出てくるとか。何か新しい回路を開かないと、もうブームはすぐ終わると思いますよね。だから、非常に地味な作業ですけれども、そういうのを、地方組織の整備と並んで、市民参加のチャンネルをつくるという工夫が必要になっていくと思う。今回の選挙、結構、普通、普通と言うか、まあまあプロではない市民が選挙の応援に入って、一生懸命ボランティアとかをやっていて、多少政治文化の新しい要素というのは出てきているなとは思いました」
反町キャスター
「なるほど。ただ、山口さん、たとえば、旧民主党・民進党の衆議院でも結構です、そういった中で党の組織をつくってきた人、これは松井さんにも聞いた方がいいかもしれない、党の組織をつくってきた人、地方組織を育ててきた人、そういう人達は立憲民主党にたくさん行っていますか?」
山口教授
「うーん…」
反町キャスター
「僕はそこの人材の部分というのはあると思うんですよ」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「そこはどう感じますか?」
山口教授
「まだ地域的にすごく偏りがあって、北海道とか、新潟とか、まだ1部ですよね、そういった基盤があるというのは」
反町キャスター
「松井さん、いかがですか?これからの運動を広げていくにあたって、そういう組織づくりとか、基本的な党の基礎づくりをする人が、慣れている人がいるのかどうかというのもポイントだと思う」
松井教授
「それは希望の方に…」
反町キャスター
「いるのでしょう?」
松井教授
「いると思いますね」
反町キャスター
「そうです、僕はそこが言いたいんですよ。そうすると、立憲民主党は、比較的、立ち技の政党で、街頭でワーッとやるとは言っても、本当に民衆との連帯感とか、一体感と言っていても、そこにグーッとやっていく人達が本当にいるのか?ここです」
松井教授
「そうですよね。具体的に言うとポスターを貼ってくれる人はどういうところにいたのだ。そういう街頭演説会に来るような人が、たとえば、本番のポスターも貼ってくれるかどうか。そこらへんの地力がどこまであったのかどうかは、僕にはわかりません。わかりませんが、言われているところは、そこは官公労系の労働組合の人達がやったと」
反町キャスター
「でも、連合はそれを嫌がりますよね?」
松井教授
「嫌がりますね」
反町キャスター
「実質、総評と同盟の分裂みたいな形になる…そういう選挙はやめてくれということになりますよね?」
松井教授
「ええ、だから、そこでどういう伸びしろを、これから立憲民主党がつくっていくかが課題だと思います」
反町キャスター
「いかがですか?」
中北教授
「結局、自公という巨大な岩盤があるわけです。それに対し政権交代をしようとするならば、これはいわゆる民進党の保守系議員がつくっている、馬淵さんとか、前原さんとか、細野さんがつくっている個人後援会もやらないといけないし、連合の支援はもちろん、全体として必要だろうし、山口先生がおっしゃられているような市民の運動も有用だと思います。総がかりで本当にやっていかないと自公に勝てるわけがないですよ」
反町キャスター
「なるほど」
山口教授
「うん」
中北教授
「どうやってこれをまとめあげるかということが必要なのだと思いますね」

野党再編の行方と軸は
秋元キャスター
「野党再編について、まず民進党出身者は現在、立憲民主党、希望の党、民進系の無所属となった人で、さらに民進党の参議院の、4つのグループに分かれています。今日、立憲民主党が両院議員総会を開催して、民進党も参議院議員総会を開いたわけですけれども。山口さん、この再編の決着、どういう形でいつ頃に?」
山口教授
「1つのイメージは1996年にできた第1次民主党に1997年に分裂した旧新進党の人達がいろいろなルートを通って集まって行って、1998年に民主党をつくったという、あの先行事例みたいなイメージがあり得るのかなと。つまり、希望の党の人に悪いけれど、ちょっといろいろな意味で、これは持続性のない政党ではないかと思っているので…」
反町キャスター
「なるほど」
山口教授
「希望の党で比較的、左側というか、不本意に希望の党に入った人は立憲民主に行きたいみたいなそういう話で、立憲民主党を軸に希望の党や無所属から人が集まって行って、野党第1党をつくるというのが1つのシナリオかなと思うのですけれども」
反町キャスター
「それは参議院民進党もそこに集まって?」
山口教授
「そうですね、いずれは。と言うか、うーん、路線的にもうちょっと真ん中に寄って、連合も応援できるような体制をつくらなければいけないとは思いますけれども」
反町キャスター
「ただ、立憲民主党に行っている人の中でも、たとえば、憲法観とか、いろいろ考えると、もっと右寄りの人が何人もいますよね?希望の党にも行けなかったし、希望の党で行こうと思ったのだけれども弾かれた人もいて、それで立憲民主党から立候補して通っちゃった人、明らかに数名、僕も簡単に思いつくくらい…」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「いますよ?そういう人達は立憲民主党にいながら、政策的には不本意だけれども、ここにいる方が勝てるから残る、そういう形が続くのですか?」
山口教授
「そういう少数派がいるのはもうしかたがないでしょう」
反町キャスター
「しょうがない?」
山口教授
「うん」
反町キャスター
「松井さん、いかがですか?この4グループ、最終的にどう収束、ないしはさらに分裂していくのか?行く末をどう見ています?」
松井教授
「それは正直言ってわかりませんけれども。ただ、私が注目をしているのは、この岡田さんの顔写真がついている無所属の人達が連合との接点にもなりながら、いかにこの立憲民主のちょっと左派色が強くて、連合に抵抗感があるところをもう少し中和して、できたら希望で不本意な人も含めて吸合して。そこにできるだけ、1年9か月後に選挙を控えている参議院のグループはまさに連合の組織内候補もおるわけですから、そこは乗ろうというような形で再編を考えていると思います。それがどううまくいくのかわかりませんし、また、そういうやり方で、せっかくこういう希望の党というような、小池さんというシャッポの問題は別として、保守中道のもう1つの2大政党に向けた動きが出てきている中で、ここが死んでしまうというのは、僕はもったいないとは思いますけれども。現実にはそういう形で無所属の人達が仲介に入って、ひょっとしたら立憲民主と吸合するという動きが出てくるような気はしますね」
反町キャスター
「かつての民主党の右が切られただけというイメージになりますよね?」
松井教授
「だから、ひょっとしたら、55年体制の再来にもなりかねない…」
反町キャスター
「そう、旧社会党の再現」
松井教授
「社会党と民社党ということにもなりかねないので…」
反町キャスター
「そうそう」
松井教授
「そうならないためにも、希望の党に残っている人達が、小池さん以外の実質的な国会議員団の団長をどう固めて、本当に理念とか、政策をもう1回つくっていかないと、同じことの繰り返しになっちゃうと思いますね」
反町キャスター
「それは、でも、皆さんがまとまっちゃうと、今度はただ単にまた民進党に戻るだけですよね?」
松井教授
「そう。何だったのだ、この騒動はと」
中北教授
「結局、民進党というのは連合とセットでできているわけですよ、連合の幅でできているわけですよね。自公に対抗しようと思うと、連合というバックがないと選挙もできないし、金もないし、人もいないと、票もないということなので。結局、連合の幅をもういっぺんつくり直すということにしかならない、そこにプラスαどこをつけていけるかということであって。1998年、新民主党ができた時も連合のまた裂き状態の解消という形で、鷲尾さん、かなり一生懸命、当時やられて実現をしたわけで。その役割を神津さんができるかどうか、ここがカギなのではないでしょうか」

山口二郎 法政大学法学部教授の提言 『構想力』
山口教授
「構想力と書きました。誰がトップとか、ブームとか、風とか、と言うのではなくて、自分達がどういう日本をつくりたいのかというアイデアやビジョン、これをひとまずしっかり議論して、もう1回出し直すということが何よりも必要だと思っています」

松井孝治 慶應義塾大学総合政策学部教授の提言 『地に足つけて』
松井教授
「地に足をつけてということで。浮足立ってしまった。賭けに出た、その分、地に足がついていなくて、政策づくりにしても、組織にしても、それが今回の希望の失敗だったと思うんです。だから、もう1回、あまり拙速ではなく、しっかり地に足をつけて政策理念を再構築するというところからやらなければいけないのではないかと思います」
反町キャスター
「松井さん、前原さんはまだチャンスがあると思います?もう前原は終わったよという人も永田町にはたくさんいます。嫌な質問かもしれないけれども」
松井教授
「嫌な質問です。でも、そこは、前原さんの責任として、政治家としての責任として、彼が表に出られるのかどうかは別として、後ろに構えて、彼が責任とらなければいかんと思いますよ」
反町キャスター
「なるほど」
松井教授
「保守中道の2大政党をつくるということは、そこは前原さん、当然、希望の党に行かれると思いますけれども、そこの中で誰を支えるのかわかりませんが、あるいは本当に他にやる人がいないのなら前原さん自身がトップに立つということも含めて、やらないと、男・前原、廃ると思いますよ」

中北浩爾 一橋大学大学院社会学研究科教授の提言 『地力をつける』
中北教授
「松井先生と似ていますが、地力をつける、ちょっと違いますけれども。今回、希望の党にドタバタで合流してしまったのは、民進党の実力のなさ、地力のなさ、だから、風に負けてしまったと。苦しいけれども、個人後援会をつくり、連合と提携をして、党員・サポーターを増やし、市民とも連携をして、総力戦でやっていかないと、自公の岩盤には勝てないということではないでしょうか」