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2017年10月17日(火)
総選挙2017 党首に聞く 改憲『けん制』の真意

ゲスト

山口那津男
公明党代表 参議院議員
山田惠資
時事通信解説委員長

総選挙2017『党首に聞く』 公明党・山口那津男代表
秋元キャスター
「先週から届けています『党首に聞くシリーズ』。今夜は、公明党の山口代表を迎えて、教育負担の軽減など公約に掲げた重点政策の狙いと公明党が展開する選挙戦略について話を聞いていきます」
反町キャスター
「野党再編選挙と言われる中での公明党、その存在感、どのように発揮しようとしているのか?そういった話を聞きながら、政策では消費税、財政健全化のバランス、教育負担、憲法改正問題、幅広く聞いていきたいと思います」
秋元キャスター
「先週木曜日から日曜日にかけてFNNが行いました衆議院議員選挙の情勢調査によりますと、自民党に関しては、単独過半数233議席を上まわるのは確実な情勢ということで、保守系・無所属の候補を合わせると公示前の議席を維持する可能性もあるということです。一方、公明党についてですけど、一部の選挙区や比例区で苦戦を強いられているということです。与党で3分の2の310議席に迫る勢いだということなのですが、山口さん、選挙戦のここまでの手応えはいかがですか?」
山口氏
「日に日に手応えを感じています。こうした調査結果に一喜一憂してはならないと。むしろこういう報道がなされることによって戦う側に緩みが出てきてしまう。ここは要警戒です。また、対する相手は引き締まって、より一層挑戦を強めてきます。ですから、ここからが1番大事なところです。個々の選挙区、比例区にしても事情が違います。わが党の場合はしのぎを削る選挙区がいくつかありますので、そこに注力して全力でがんばりたいと思います」
反町キャスター
「目標議席、勝敗ラインと言いましょうか、どのへんに線を置いているのですか?」
山口氏
「比例区で定数が減ったということを厳しく捉えて、現有議席を維持する、それを1つでも上まわる…」
反町キャスター
「35議席でしたか?」
山口氏
「そうですね。これは目指すというのが勝敗ラインですね」
反町キャスター
「選挙戦における、公明党の自民党に対する歯止め的な役割、安倍政権が走り過ぎないようにブレーキをかける公明党に対する期待があると思うのですけれども、憲法の問題が隠れテーマになってしまうと、独自色を発揮できないでいる。そんなケースにはなっていないのですか?」
山口氏
「憲法の問題はまだ議論するところまで至っていない。そういう前段階の状況だと思います。自民党も2つの意見が党内で分かれて、まとめてないです。ですから、本当の議論はこれからだと思います。我々は見守っていこうということでありますから、我々自身の考えをしっかり持って対応したいと」
反町キャスター
「北朝鮮の話というのはどういうふうに考えているのですか?」
山口氏
「ここは北朝鮮の考え方を変えさせる、そのために圧力を強める、世界の連携が必要である、これが安倍総理の方針ですから。それを考えますと、北朝鮮に直接的な影響力を持っているのは中国であったり、ロシアであったりするわけです。日米は当然結束をしてあたっていかなければなりませんけれども。そういう国々も引き込んで連携を強めて、迫っていく。そのために自民党と公明党の連携が必要、特に公明党の存在とういのが重要だと思います。たとえば、中国には何度も行きました。解散の直前にロシアにも行ったんです。ロシアの人達の中にはプーチンさんと安倍さんの個人的な関係で日ロ関係が進んでいると、こういう意見を言う人もいました。それはそうではないんです。自公の連立政権が 日露しっかり力を合わせて北朝鮮問題を解決していく。同時に、中国とも、アメリカとも、その他のヨーロッパの国々とも力を合わせて解決していくことが大事だと。政権の基盤が安定していることが大事だと、そういう訴えをしていく。そうすると、日本の国としての取り組みだということはロシアに伝わっていくわけですから、ですから、公明党が外交や安全保障の面で果たす役割というのは自民党ともに重要な役割があると思っています」
反町キャスター
「今回の選挙において比例の票をどう掘り起こすかといった時に、自民党との差別化をはからないと、比例で自民にいくのか、野党は嫌だけど、公明党だね、と引き込む時に、たとえば、北朝鮮に対する政策とか、安倍さんは圧力と言っているけれど、わが党は対話の可能性も捨てていないと言ってみるとか…、そういう差別化をどうはかるのかというところで苦労されているのではないか?連立与党でやっているのだから、そこはしょうがなく足並みを揃えているのか?ここはどうなのですか?」
山口氏
「これは外交・安全保障については足並みを揃えていくということが極めて重要だと思います。野党との差別化の方がここの問題は重要だと思います。彼らは、平和安全法制を廃止しろと言っているわけですから、そこが明確に違いますよ、ということをはっきり言う必要があります。だけども、武力行使も辞さずとは決して言いません、我々は。最終的には外交的解決、対話を通じて外交的解決が必要だと。ただ、現在は対話が、かわすため、隠れ蓑で利用されることになってはいけないという局面。ここが大事。そのためには世界が連携していくことが大事だと。日本が遅れをとってはなりません。政権の足場を固めて、世界の皆さんと連携するために、その信任をいただく選挙です、そこを強調するんです」
反町キャスター
「そうすると、自民党との差別化をそこでははからない方がいいんですね。与党だから、しょうがいないですね」
山口氏
「いや、自民党は武力行使して解決しろなんてことは言っていませんから。そこに公明党が平和主義をもとにして、対話をもとにして解決しようという基本姿勢、ここの安心感というのは国民の皆さんはおのずと感じていらっしゃると思います。むしろ公明党がウリにしているのは教育負担の軽減ですね。こっちです。実績を重ねて長年取り組んできた。いよいよ公明党が言ってきたことが連立政権の主要なテーマになったのだと、ここの方が、説得力があると私どもは思っているんです」
山田氏
「よく3極という言葉を使いますでしょう、私は書く側の立場で容認はするのですが、実は3極ではなくて三つ巴で、2極だと思います。と言うのは、安倍さんも、小池さんも保守の中でも保守色が強い方です。そうすると、そこに革新系と言いますか、リベラルがいて、空いている席はまさに中道のところです。本当は、公明党はそこに席があるのではないかと見ているのですが、本籍地は。しかし、現在は自公優先ということになので、本来であれば、3極というのはもともと存在する1つの極なのだけれど、そこに当てはまる政党がいないなということは思っています」
反町キャスター
「公明党はもともと中道と言われてきましたよね?」
山口氏
「現在もそうだと思います。だから、連立政権のバランスがとれ、安定しているのだと思います。多様な民意があるのは事実ですよ。政党がどう変わろうと、この民意は急には変わりません。多様な民意を受け止める力が政権にあるということが安定するもとなのです。昔、自民党は幅があったんです。過半数がとれなくなったということは、それだけ縮んだということです。現在、瞬間的には過半数はもちろん、ありますが、公明党がいることによって多様な民意を受け止めて、それで合意をつくる。ここに国民の皆さんは安心感を持っていらっしゃると思います。役割は重いと思っています」
反町キャスター
「それは憲法とか、安全保障ではなくて、消費税や教育というところに中道的な存在感でアピールしたい?」
山口氏
「よく言われます、アクセルとブレーキ、これを適切に使うと言っていますね。教育の負担軽減などはアクセルを踏んでいく場面だと思いますね。だけども、安全保障、外交の点では、補いあう、補完しあう面もあるし、時にはブレーキということもあるかもしれません。その役割というのは国民の皆さんに認識していただいていると私は思います。3極という話がありましたけれども、昔で言うリベラルな勢力というのは、かなり弱まってきているように思いますね。現在、これからのあり方を模索している政治の大きな状況かもしれません。その点では中道の役割というのは今後も大きくなることこそあれ、弱まることはないと思います」
秋元キャスター
「続いて、消費税のことについて聞いていきたいと思います。公明党の公約では消費税についてこのように書かれています。『消費税の使途について10%引き上げ時の配分割合を変更し、教育無償化などにも充当できる安定的な財源を確保』、『2019年10 月に予定されている消費税率10%への引き上げと同時に”軽減税率制度”を確実に実施』ということなのですが、まずは公明党の公約としては、消費増税は2019年10月に実施ということで、よろしいのですか?」
山口氏
「そうですね。はい。元をたどれば、民主党政権時代の3党合意という大局的な合意があります。それをわれわれの政権で8%に実行しました。しかし、消費が伸び悩んだというところの教訓もあります。そういう経験を経て、経済成長の成果をあらわしてきた部分もありますので、今回、消費税の使い道を大きく変更して、仕事をして所得を得る、収入を得る、そういう方々ではないところにちゃんと支援の手を差し伸べる。こういうところに踏み切ろうとしているところですね。消費税の使い方としても適切だと思っています」
反町キャスター
「今回、景気条項は撤廃されているのですけれど、それでも大変なことがあったら、緊急で様々な立法措置を講じてという」
山口氏
「それは排除されないことだろうと思います。よほどのことがあれば、ですよ。これまで10%、予定通りしないで延期しましたよね、2回。その都度、国政選挙で、衆議院選挙、あるいは参議院選挙で国民にちゃんと伺って乗り越えてきているんですね。今回の選挙はまさに時期も示して、2019年10月、消費税の使い道をこう変えます、軽減税率も実行します、これを国民の皆さんに示して選挙をやっているわけですから、ここで結論が出れば、その通りやるということになります」
反町キャスター
「軽減税率について。公明党と自民党の間でほぼ基本的な合意ができていると思うのですけれども…」
山口氏
「法律ができていますから」
反町キャスター
「これで、どこかいじって…、そんな話はないですね?」
山口氏
「むしろ事業者の方々が実施しやすいように、いろいろ支援の手を差し伸べるのが重要だと思っています」
反町キャスター
「どうですか、街頭で話をしていて軽減税率というのは人々の心に響く政策かどうか、どんな手応えがありますか?」
山口氏
「非常に反応がいいですね。税率が上がっていくことに不安を覚えています。8%の時はせっかく経済が上り調子になったのに 止まってしまいました。それを乗り越えるためにはどうしたらいいのかということを有権者の方は真剣に考えていらっしゃると思います。消費税をやらないで、一時的な財源にしようとすると、結局は、社会保障、子育て、長続きする保障がないではないか。不安感は解消されないわけですね。消費税という責任ある財源措置をやる。しかし、今回、私は選挙で言っているのは、3つの工夫をしていますと言っているんです。2019年10月というポイント、東京オリンピック・パラリンピックの1年前ですから、需要が伸びて景気が登り坂になる、そのタイミングに合わせました、工夫その1。消費が冷え込んで、経済の足を引っ張らないように、軽減税率を実施します、これが工夫のその2。3として、この使い道を大きく変更して子育てや高齢者の不安を解消するようにします、この3つで消費税を乗り越えて、良いところを活かし、不安なところを解消しましょう。こういうふうに訴えているんですね」
山田氏
「前回先送りした時に公明党はできれば先送りしないでほしいというのがあった。 軽減税率は、自民党単独政権であればおそらくなかったであろう項目を、自公政権であるが故に実現したという経緯がありますから。公明党にとってはこの軽減税率は大事な1つの成果であると言えると思うんですよね。それが先送りされてしまうと、成果を主張するタイミングがずれてしまうということもあるのですが、ですから、積極的に支持されるし、おそらく予定通りとおっしゃるのもそうした流れだと思うのですけれども、一方で、景気に対する影響というのは、安倍さんご自身も5%から8%に上げたことについては、悪影響があったということを認められる状況になっているわけですよね。景気に対する影響を抑えるということをおっしゃいましたけれども、そのへんのところはリーマンショック級かどうかは別としても、2年先の話なので、もう少し先の議論であってもいいかと思ってきていて、この消費税というのは、やや選挙の政局的な材料になってきているとちょっと感じます。来年の2月まで、法律をこのまま消費率引き上げのままいくという最終判断の段階でどういう経済状況かということがあると思いますが、本当に景気に影響を与えないのかどうかというところで、公明党としてモノを言うことがあり得るのかどうか、そこは現在から予想はできませんけれども、ちょっとそこは留保した方がいいのではないかと思っています」
反町キャスター
「消費税を予定通り上げてもらわないと、軽減税率が発動しないから、実績をアピールするチャンスを逃してしまうわけではないですか。そうすると、2019年10月にはやってもらいたいとアピールするのは当然では」
山田氏
「ただ、景気が何かのケースで悪くなる、これはアベノミクスがうまくいくのかどうかは別として、世界的な状況になった場合、結局あの時に消費税をやったということに対しては共同責任なりますから。そこはまた別のリスクを負うことに…」
山口氏
「法律で既に決まっていることなのですから、やるか、やらないかをこれから考えるのではないですね。法律で実施の時期も、軽減税率も、決まっていることですね。よほどのことがなければ法律を改正してやめると、違う選択肢は出てきません。現在、経済の状況は決して悪くはありませんし、むしろ良い方向に向かっています。オリンピック、パラリンピック前を考えれば、そこの状況も良くなる方向が見出せると思います。野党の皆さんは消費税を凍結しろとか、中止だ、廃止だと言う人もいるんですよね。その割には幼児教育の無償化をやれとか、給付の方は目いっぱい言っている、だから、責任ある財源論がないですよ。責任ある財源論を示しながら、国民、消費者の不安に応える。経済へのマイナスな影響を回避できるようにする。その大事な役割が軽減税率にあるということをしっかり訴えていくことが大事だと思っています。公明党にとって主張するのが得か損かとか、実績を強調してとか、そういう観点だけではない。むしろ社会保障の安定財源確保と、消費者、経済への影響の回避、ここをしっかりやるのが軽減税率の重要な役割だと思っています」
反町キャスター
「軽減税率は1兆円ぐらいいくのでしたでしょうか?」
山口氏
「財源ですね、1兆円と言われていました。もう4000億円は確保されている。残り6000億円ということになりますね。ここは経済成長による税収増、自然増というところもありますし、消費税率引き上げによる増収ということもあります。また、歳出カットなど、不断の努力が必要と。そういう中で総合的に財源を見出せるだろうと我々は思っています」
反町キャスター
「使い道の話、自民党の公約にはこういうことが書いてあるんですよ。10%時の増収分について、5.4兆円のことです、社会保障の充実と財政健全化とのバランスを取りつつ、子育て世代へ投資を集中することで全世代型社会保障へと大きく舵を切ると。これは公明党も…」
山口氏
「同じですね。基本的に変わりません。民主党政権時代の使い道、財政再建に8割充てるとなっていました。だけれども、我々が政権を獲ってから、経済成長をさせて、国債の発行額も抑えたり、税収を増やしたり、努力をしてきていますから、この財政再建のところは少し我慢をして、しかし、放棄するわけではない。我慢をして、使い道を社会保障や子育てのところに大きく変えると。厳密に制度をつくったうえで、税収の見込みも変わってくると思いますから、それらに基づいて、新しい財政再建の道をちゃんと示すという方針です」
反町キャスター
「財政再建に対する熱意が薄いのではないかという批判に対してはどう答えるのですか?」
山口氏
「ここはむしろ連立政権の努力ということをきちんと評価すべきだと思います。3党合意の時はデフレの状況下、民主党政権は経済成長の説得力ある施策というのはあまりなかったですね。あるものを分けてしまえ、給付ばかり、配分ばかりでした。だけど、我々の政権は、経済成長を重視して成果をあげてきたんですね。税収増、国・地方合わせて22兆円増えました。また、GDP(国内総生産)そのものも50兆円近く増えました。株価は8000円だったものが2万1000を超える勢いですね。これは年金積立金の運用益の増加という結果に結びついています。そういうことで、良い結果を生み出してきているわけです。国債発行額も抑制しました。ですから、そういう現在の状況、デフレを脱却しつつある、こういう状況下で新たな財政再建の道を組み立て直すということはあって然るべきなのだと思います」
反町キャスター
「内部留保課税という言葉は、希望の党とか、社民党から出てきているということは、アベノミクスの恩恵が偏っているのではないか、内部留保は400兆円あると。中小企業が120兆円で、大企業が280兆円ぐらい。要するに、アベノミクスの恩恵が均等に行き渡っているのか、一部の輸出関連の企業に集中して、溜めこまれているのではないかという疑念、それに対する1つの回答としてこういう政策でアピールしようとしているのかなと。本当にアベノミクスの恩恵は世間の人に行き渡っていると思いますか?」
山口氏
「働いて収入を得る人、サラリーマンや事業主、ここにはある程度の効果、これは全業種です。大規模な製造業だけではありません。非製造業にもその効果が及んでいるし、中小企業に賃上げが及んだというのは、今年の春闘の特徴でもあったわけです。ただ、働いて収入を得る人ばかりではありません。そういう方々は全体の人口の中の5000万人~6000万人ですね。だけども、3000万人、4000万人の人が年金だけで生活していたりするわけです。そういうところにもちゃんと支援の手を差し伸べるというのが今回の政策です。しかも、高齢者も大切にしますけれども、より若い世代に光をあてていく、これがのちの日本社会の成長力に結びついていくわけですね。そういう大局観に立ってやっているのが重要だと思っています」
秋元キャスター
「公明党の重点政策、表紙では教育負担の軽減へと書かれているのですけれども、どういう想いが込められているのでしょうか?」
山口氏
「公明党は教育の党と言われたりもするんです。古くは教科書の無償配布、これを野党でありながら強く推進し、実現してきました。また、児童手当、これは地方議会で実施をして、それが国の制度になったという歴史も公明党が拓いてきたものです。今回、教育負担の軽減、幼児教育も高等教育もやりますが、たとえば、高等教育で実績ができているのは給付型の奨学金、これは公明党が結党して間もない頃から返さなくてもいい奨学金をつくるべきだと強く訴えてきました。ようやく実現した。それから、幼児教育の無償化、2006年に少子社会トータルプラン、少子高齢化ではありませんよ、福祉社会トータルプランで高齢化のことは指摘しました。少子社会トータルプランの中で初めて提言をして、翌年の参議院選挙でマニフェストに入れて訴えたんですね。民主党政権でそれが中断しました。2012年、政権を取り戻して、政権合意をつくる時に、公明党から幼児教育の無償化をやりましょうと。財源を見出して、がんばりましょうと提案をして、これを政権合意に入れた。財源を見出して少しずつ段階的に進めてきたんですね。今回は一気に0歳から5歳まで、これを無償化するというところまできた。まさに公明党が拓いてきた教育負担の軽減の流れが現在ようやく大規模に大きく花開こうとしている。まさに公明党が推進力になっている、こういう政策だと思いますね」
秋元キャスター
「教育無償化に関する公明党と自民党の公約はこのようになっています。公明党ですが、2019年までに0歳から5歳児の幼児教育無償化。年収590万円未満世帯を対象に私立高校授業料の実質無償化ということです。自民党ですが、2020年度までに3歳から5歳児の幼保費用の無償化、所得の低い家庭の0歳から2歳児に関しても無償化すると。所得の低い家庭の高等教育も無償化すると書いてあります。山口さん、幼児教育無償化に関して、自民党以上に対象の幅を広げているのですが、これはどういう考えからですか?」
山口氏
「これは公明党の一貫した幼児教育の無償化の理念を表しています。2019年は、消費税の引き上げの時期ですね。ですから、その時までにこの無償化の制度をしっかりとつくりますよというメッセージになっているわけですね。ただ、現実には自民党が少し細かく書いていますけれども、これは消費税が10月実施なものですから、2019年で…」
反町キャスター
「先食いになってしまうんだ」
山口氏
「そういうことですね。だから、平年度ベースで完結するのは2020年度、自民党はそういうことを言わんとしているのだと思います。それに敢えて反対するものではありません。これからの制度設計によると思います。それから、0歳から2歳のところですね。実際に3歳以上と就園率と言いますか、保育園、幼稚園に行く子供が同世代で何割ぐらいいるか、ここが大きく違うんです。3歳から5歳、特に4歳児、5歳児のところは9割以上、保育園か幼稚園に行っています。だけれども、0歳から2歳になると全国平均3割ぐらいになるんですね。ここをどう見るかというところにかかっていると思います。実際には無償化という理念を示して、幼稚園か、保育園に入れたいという方々にはちゃんと無償化の道が開かれている、そういう制度をつくることが大事だと思います。ただ手元で育てたいという保護者もいらっしゃいます。それから、実際に行かせるには受け皿をつくらなければいけません。ですから、受け皿をつくり、そこで働く人も要請し、周辺のニーズに応じて、実際にはやっていくということになると思います。その点での考え方の差というのがここに出ていますけれども、しかし、理念としては幼児教育を無償化することで、少子化対策の安心感、それから、未来に対する社会の安定感、こういうものをつくり出すメッセージというのは極めて重要だと思っています」
秋元キャスター
「無償化することによって、当然保育所の需要は増えますよね?」
山口氏
「増えると思いますね。ですから、それも財源を見出して待機児童が出ないように今後も引き続き努力していく。現在も結局やってもやっても待機児童が言われるのは、掘り起こされていくるんです、新しいニーズが。以前は1割程度しか言っていなかったのが、2割、3割を超えてきているわけですから、まだまだ高まることが予想されます。待機児童解消のための受け皿づくり、これは今後も引き続き、強力に推進していく必要があると思います」
反町キャスター
「0歳児から5歳児までの幼児教育というのも事実上義務教育と同じ意味を持っているという考えでよろしいのですか?」
山口氏
「行きなさいという義務、そこにはまだ至っていませんね。年によって就園率というのは差がありますから。ただ、4歳、5歳レベルになると9割超えていずれかに行っているというところを考えると実態に応じた支援をつくるというのが先だと思います。法律で何か行くことを義務づけるかということではない。現に0歳から2歳のところは、手元で育てたいという保護者がまだまだ半分以上いらっしゃるわけです」
反町キャスター
「それを比較するのだったら高校の方がほぼ義務教育に近い、高い進学率がある」
山口氏
「実態は近いですね」
反町キャスター
「ならば、なぜそれに所得制限をつけるのか?」
山口氏
「ここは、むしろ我々は私立高校の生徒にも支援の手を差し伸べるべきだということを強調したいです。ここは公立高校で受け皿が全部整っていないということですね。ですから、親の所得によって私立高校で学ぶチャンスが制限されるということはやるべきではないと思います。ところが、全国自治体それぞれ何らかの支援策を持っているんですよ。バラバラ、差があり過ぎる。ですから、全国で均等な等しい支援を受ける、どこに住んでいても、どこの学校に通っても等しい支援が受けられる制度をつくるべきだと思っているのが今回の提案です。安倍さんも検討するとおっしゃいました。ただ、所得レベルは全国で違います。また、私立高校はそれぞれ特色がありますから、所得の比較的高い生徒が集まる特別な教育をやっている学校もあるわけです。一定の支援にふさわしい所得水準を決めてやる。それが、590万円ぐらいが全国の平均的な支援のレベルになっている実態を踏まえて、これを提案しています」
反町キャスター
「公明党は大学の無償化についてはどういう姿勢なのですか?」
山口氏
「これは、給付型奨学金を古くから訴えて、今年初めて実現しました。これは返さなくてもいいんですね。しかも、学生生活も含めて応援する。経済的に非常に厳しいご家庭の学生さんを支援する仕組み、これを来年以降、拡大をしていきたいと思っています。この点では自民党とそんなに大きく変わらないと思います。拡充の幅、条件について今後検討していくようになるかもしれません。公明党がユニークな点は私立高校の授業料無償化、これは自民党の公約にはなかったんですね。ですから、高等教育の中には高校生も含まれると考えれば、この実質無償化というのは進めるべきテーマです。そこで公約が違うので、安倍総理に党首討論で質問したわけです。安倍総理は賛同しました。これから与党として、これを進めるという調整をしていくことが大事だと思っています」
秋元キャスター
「公明党の衆院選の重点政策についての最後のページ、憲法についての基本姿勢という項目があるんですけれども、山口さん、なぜこのようなページを敢えて設けたのでしょうか?」
山口氏
「新しい政党が2つできましたね。憲法についても言及があります。ですから、その点での公明党の姿勢というのをあらためて比べられた場合に理解してもらえるように確認したということであります。実質的な争点になるとまでは考えていませんでした」
反町キャスター
「野党の再編騒ぎの前につくられていた?」
山口氏
「そうですね」
反町キャスター
「敢えてここの部分において9条のことを含めて、グッと踏み込んだというのは、それは総選挙後を意識して、そういう意味ですか?」
山口氏
「安倍さん自身が自民党総裁として、政党のトップとしてご提案をされて、それを公約にも入れているわけです。言及しているわけです。公明党はどうなのですかと必ず聞かれると思いまして、ですから、基本的な立場をあらためて確認しておいたということです」
反町キャスター
「総裁の私案で、今年の5月3日言ったことで1項、2項を残して明文化という、この部分ですが、この部分に関して安倍さんは憲法学者の多数が違憲とするような状況を何とか正したいという想いを述べられています。この点についてはいかがですか?」
山口氏
「ここが憲法学者で違憲という方が多くて、教科書にも載って、自衛隊員の子供達が学校でいろいろ言われると、そこを解消したいという安倍総裁の想い、そこの意図というのは理解できないわけではないと言いました。しかし、多くの国民がどのアンケート調査をやっても、7割、8割の人が自衛隊の存在を認めているんですね。だから、そのことは憲法を変えないと自衛隊が、仕事ができないかというと、必ずしもそうではない。この現行憲法の下で平和安全法制をつくりました。現在その法律に基づいていろいろな活動が行われています。なお、国民が8割の方が容認しているわけですね。ですから、その点では憲法の問題は落ち着いて、よく議論していきましょうということです」
反町キャスター
「世論調査、FNNが行ったものですね。9条の条文を維持したうえで、自衛隊の存在を明記することについて、安倍総裁私案ですよ、それについてどうですかと、賛成53.5%、反対35.8%と。これは今月の14日から15日かけての調査なのですけれども、まさに山口さんが言われた部分、7割、8割の人達が自衛隊の存在をちゃんと認知しているのだと。そのうえで憲法に明記することについて賛成が5割を超えている、この世論調査の結果はどう感じますか?」
山口氏
「自衛隊を容認している人はもっと多いですね。7割、8割ですよ。他の世論調査だと賛成が半分に届かないと、反対が多いという調査のところもありますし、また、反対、どちらとも言えないが半分以上の調査もあります。まだ、国民の皆さんは、自衛隊は容認しているのだけれども、憲法に明記することについては果たしてどうなのだろうかという方がまだ半分以上いると見た方がいいと思います。その点ではちゃんと議論を尽くして、憲法審査会で衆議院も参議院も議論を深めて、国民の皆さんの理解が伴っている、国民の理解が成熟している、ここが大事だと思います」
山田氏
「加憲という立場をとっておられます。以前、加憲の対象に憲法の9条も、あるいは対象になるかなという時期があったのですけれども、しかし、それは政治決定されていなかった。その後、安保法制ができてから、むしろその必要性がなくなったという立場できたと思うのですけれども、安倍さんはかつて加憲が検討対象になりそうだったことを意識して、5月3日に発言をされたと思うのですけれど、この最後のところの憲法9条についてという公約集に出ていることについて、明確に必要性を理解できないわけではないけれども、基本的には、その議論は今は必要ないと言わんとしているわけで、ここは明確な…、加憲は加憲なのでしょうけれども、1つの憲法9条に対しての立場がここで明確になったなと。ただ、自民党内での議論がどうなるかということもありますから、公明党の立場がこれではっきりしたということは、むしろ自民党の今後の議論に影響してくると思いますから、先手を打たれたなと思います。安倍さんもそれに反応した面もあって、憲法9条について現在はほとんど語られなくなった。ですから、自民党の議論がどうなるのかなんですけれども、ここは選挙前に明確になったということは、選挙民にとって憲法改正は必要だけれども、9条についてどのようにしようかと。しかも、与党を支持したいという方にとっては明確な選択肢ができたと思いますけれども」
反町キャスター
「公明党は憲法について加憲という、加える憲法ということをずっと言ってきた。環境権、知る権利などについても加憲、その意味で言うと、総理が言ったのも、ある意味、変化球であるけれども、加憲ですよ。明文化というものを加えましょう。ただ、憲法、自衛隊の明文化という加憲は公明党の加憲には入らないのですか?」
山口氏
「入らないかとか、入りますとか、そういうので出しているわけではありません。国民の理解が成熟していくことが大事。憲法を変えるからには、加憲であれ、変えないと困ると国民が思っている。そういう状況が大事だろうと思います。その議論はまだ深まっていないという状況だと思います。冒頭に申し上げましたけれども、自民党で2つの異なる意見がまだ残っています。集約されていません。ですから、ここは自民党の議論を見守る。これは改憲政党、自民党の主体性を尊重しているわけですね。公明党が、こうでなければいけないと、こうすべきだと言うことによって、自民党の議論に干渉するようなことも避けたいと思っています。議論すべき土俵はあくまでも国会ですから、しかも、衆議院も、参議院も、両方、深めないといけません。その議論を通じて、国民の理解が伴っていく、そこにはまだ時間も、エネルギーも必要だと」
反町キャスター
「公明党の言う加憲というのは、現在あるものをいじらずに新しいものを加えるという手続き論ではなくて、手順としての加憲だったら何でもいいというわけではないということですね?」
山口氏
「そういうことですね」
反町キャスター
「前提として何があれば加憲でいいのかというのはどうなのですか?」
山口氏
「現在の憲法は優れた憲法だと評価しています。そのうえで、3つの基本的な原理はこれからも堅持していく、保っていく、こういう主張をしています。国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義、この恒久平和主義の柱の規定が9条1項、2項ですね。これは変えるべきではない、前文にも関連する規定があります。国際協調主義などもあります。そういったことも含めて、基本的な原理は変えるべきではない。そのうえで、技術的な規定もありますから、時代と共に変えた方がいいという意見が出てくるかもしれませんし、まったく新しい価値観がつくられて、これは憲法に加えた方がいいという考えも出てくるかもしれません、そういうものを加憲として、加えていくアプローチをとるべきだと」
反町キャスター
「希望の党は、憲法9条を含め、憲法改正論議を進める。維新は、国民の生命・財産を守るための9条改正についての議論をしましょうというところがある一方、反対、反対、反対というようなところがいろいろ出ているのですけれども、野党の間で今回の総選挙において憲法に対する姿勢、はっきり分かれてきました。これは、今後の政局にどう影響を与えるのか、どう見ていますか?」
山口氏
「共産党や社民党の反対論というのは従来の護憲、頑なな護憲の域を出ていないと思いますね。だけども、他の野党はもう少し実質的な憲法論議をしていると思います。立憲民主党と希望の党は旧民進党の人が主体でありながら分かれていますね。ここも本質的に、旧民進党の憲法観をえぐられているという結果だと思いますね。今後どうするのか、それぞれの政党の責任をもって国民に明らかにしていく必要があると思います」

山口那津男 公明党代表の提言 『教育負担の軽減』
山口氏
「教育負担の軽減、これが今回の選挙でのわが党のスローガンであります。公明党が従来から教科書の無償化や児童手当てで実績を積んできたことはご承知の通りでありますが、今回、さらに教育は国の基でありますから、将来を見据えて、教育負担の軽減をはかり、若い世代が特に子育てに自信を持って取り組んでいただく、そういう政策、幼児教育の無償化や高等教育の無償化、特に私立高校の授業料実質無償化も独自に提案をしました。これを給付型奨学金の充実を含めて、取り組んで、実績をつくりたいと思います」
山田氏
「残りの選挙戦、あと4日しかありませんけれども、1番大きなテーマとして走られるのかと思うのですけれども、対する、当面のライバル立憲民主党は安倍さんと戦うのだという、ですから、議論としては必ずしも噛み合っているわけではないのだけれども、ひたすらこれを訴えられて、最後に結果が出た時に、国民はどちらに関心が高かったのかというのが出ると思いますから、ここは最後までぶれずに、これを1番大きく掲げて選挙の審判を仰いでいただきたいと思います」