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2017年10月12日(木)
総選挙2017党首に聞く 立憲民主党・枝野代表

ゲスト

枝野幸男
立憲民主党代表
山田惠資
時事通信社解説委員長

総選挙2017『党首に聞く』 立憲民主党・枝野代表
秋元キャスター
「与野党の党首を迎えて、選挙戦略と政策に込めた狙いを聞く『総選挙2017党首に聞く』。今夜は立憲民主党の枝野幸男代表です。民進党の事実上の分裂・解党に伴い、公示のわずか1週間前に設立された新党はどんな旗印を掲げ、消費税や憲法改正・安全保障にどんな姿勢を打ち出すのか、2時間じっくり話を聞いていきます。立憲民主党の候補者数から見ていきたいと思います。立憲民主党候補者数は全部で78人、そのうち前職が15人、元職が21人、新人が42人ということです。党の体制としましては枝野代表以下、代表代行に長妻さん、幹事長に福山さん、政調会長に辻元さん、最高顧問に菅さんと赤松さんということになっています。まずは枝野さん、勝負ラインはどのぐらいでしょうか?」
枝野氏
「はい、そんなことを考える余裕もなくここまで走ってきているので、とにかく全員当選できるようにがんばるしかないです」
反町キャスター
「候補者はどうですか?78名ですけど、もうちょっと立てりゃよかったと思ったりします?」
枝野氏
「これでも、この短い期間で…」
反町キャスター
「1週間ですからね」
枝野氏
「立候補を決意していただいて、ネガティブチェックをちゃんとかけて、準備をしていただいて。本当にこんなにたくさんの方にお集まりいただけたということ自体が、本当にあの1週間前、10日前ですか、10月2日の時点では想像できない状況なので」
反町キャスター
「なるほど」
枝野氏
「今回はやむを得なかったと思っています」
反町キャスター
「特に希望の党みたいに、安保法制、最初は容認って書いたけれども、そのあと憲法内でどうのこうのみたいな、YES・NOですかみたいにどこかで線引きをした、これが飲めるかどうかを本人に直接確認をした、そういう条項はあるのですか?」
枝野氏
「いえ、基本的には政党ですので、これは民進党の綱領を基本的に引き継がせていただいていますが、綱領を見て、あるいは私が党首で民進党のこれまでの政策を基本的に継承する。先日、代表選挙で私が訴えたことがある、当然そういったものを見て、これに共鳴していただいている方だからこそ我が党から出たいと言っていただいているのだと。大前提ですので、そうでないのにウチから出たいという方がいたらおかしいわけですから、特に何か踏み絵みたいなことはしていません」
反町キャスター
「SNSにおけるフォロワーが増えているということは政党の人気に直結するかどうか、関心度が高いという意味とも思うのですけど、どう受け止めていますか?」
枝野氏
「中身も全部を見られるわけではありませんが、非常にもちろん、ネガティブなご意見もありますけれども、全体としては期待をしていただいている方が大部分だというふうに受け止めています。これが、たぶん我々の立ち位置自体が既存の永田町政治から新しい旗を立てたいというのが我々のコンセプトの1つですので、それがそういったことに期待と言うか反応していただいている方がSNSを活用されている方の中で多いということで。特にここからなんて言うのでしょう、目に見える支援っていうのが見えてきたということかなと思いますけれども」
反町キャスター
「この下に書いてある皆さんは、永田町インサイダーずぶずぶだと僕は思っちゃうのですけれども、そこは違うのですか?」
枝野氏
「たぶん永田町の常識から言えば、今回の希望の党、大きな枠組みで人気のあるリーダーのところで、そこで自分の主張は少し抑えてでも…」
反町キャスター
「そういう意味…」
枝野氏
「選挙に勝つ方が得だというのが永田町の常識かなとも思いますし、永田町の内向きに、くっついたり、離れたりと、こういうのに対する嫌気と言うか、批判と言うか、そういうものが世の中に広まっていたのではないか。我々ももちろん、永田町の中にいたわけですから」
反町キャスター
「そうですよね、政権官房長官をやられたし、総理やった人もいるわけではないですか」
枝野氏
「そういったものにお付き合いをしてきましたが、ちょっと行き過ぎだと、国民の方は見えていないと。だからこそ今回、私も実は永田町の常識から言えば、希望には到底行けないと思っていましたけれども、行くべきではないと思っていましたけれども、始めから地元では無所属でやることになるかなと地元の仲間には話していたのですが。永田町の常識から言えば、私も無所属の方が楽だったと思うのですが…」
反町キャスター
「個人的には、選挙として?」
枝野氏
「はい、ただ、ちょっと違うのではないかと。永田町でくっついたり、離れたりをやっている世界と違うところで旗を立てろという、これ自体がSNSの世界を中心にして背中を押していただいた。それに応えたという思いがありますし、それはかなり見ていただいているのではないだろうかと思いますけれども」
反町キャスター
「話を聞いていると、政策がどうこうと言うよりも、立ち位置と言うか、立ち姿、それに対する手応えを感じているという話に聞こえます」
枝野氏
「えっと…」
反町キャスター
「と言うか、まだ1週間なので、政策が国民に浸透して、それによって支持を得ているとはあまり思えないでしょう、正直言って?」
枝野氏
「うん、ただ、この立ち位置の違いというのは政策につながっていると私は思っていまして」
反町キャスター
「なるほど」
枝野氏
「これは街頭などでも訴えているのですが、永田町の内側から、権力の側から、国民を上から見ているという政治の構造、それは少なくとも国民の皆さんの多くが、そう受け止めている。実際に政策も、要するに、豊かなものを豊かにすれは、そこから引っ張り上げられて全体が良くなっていくという、いわゆるトリクルダウン論。要するに、上からですよ、政策が、社会をどう良くしていくのかというのが。これは、我々は違うと、草の根からだと、社会をボトムアップするのだと、下から支えて押し上げるのだというのが私達の立ち位置であり。それから、政策と言うべきなのか、微妙な線かもしれませんが、合意形成というのを大事にしなければいけないし、多様な国民には民意がある、多様な立場がある、それを大事にしなければならない、多様性を重視するのだと。こうしたことと立ち位置と言うか、姿勢というものは、僕はつながっていると」
秋元キャスター
「ここからは立憲民主党の選挙戦略について聞いていきます。まず気になるのは、同じ民進党から袂を分かった希望の党と無所属で立候補する人達との関係なのですけれども。枝野さんは会見でこのように話をされています。『自公政権を倒して新しい政権をつくっていくという同じ思いを持っていた皆さんなので、敢えて候補者をぶつける必要がない』ということなのですが。枝野さん、ただ、希望の党側は枝野さんを含む立憲民主党の候補がいる選挙区にも対抗馬を立てているわけで、立憲民主党側から希望の党に対して対抗馬を立てないというのはなぜなのでしょうか?」
枝野氏
「希望の党に立てないのではなくて、例の問題の両院議員総会、ここで前原代表はとにかく自公政権を倒して新しい政権をつくる、新しい希望の党の中で民進党の理念・政策を実現すると、だから、皆で行こうという提案をして、皆で了承したわけです。それに対して現状が違っていると。希望の党の中では民進党の理念・政策を実現することが不可能だと思ったので、私は無所属または新党だという判断をしたわけですが。少なくとも28日、両院議員総会の時点で皆、同じ思いを持っていたはず、その後の状況に対する受け止めの違いですから。自公政権を倒そうと、民進党の理念・政策を実現する政党をつくろうと、僕らは、それは無理だという判断をしましたが、できるという思いでたぶん希望の党から出られているのだと思うので、その方に少なくとも現時点で違うのではないですかと言ってぶつけるという状況ではないという判断です」
反町キャスター
「向こうがこっちに立てて、立憲民主党にぶつけてくるのは、しょうがないと?」
枝野氏
「それはもうあちらの判断です」
反町キャスター
「向こうの判断ですからね。それは、でも、たとえば、連合にしても1つの選挙区で応援するのは1人にしたいと思っている部分もある、連合側の意向にもあった、そういう判断だということでよろしいのですか?」
枝野氏
「仮に立憲民主党が民進党出身の希望の党の方にぶつけたとしても、それは、要するに、民進党で推薦をした人をどの党であっても推薦するのですから、そこは、連合は迷いとか、困惑はなかったと思いますけれども」
反町キャスター
「なるほど。一方、安保法制反対で一緒に戦っていたけれども、向こうは安保法制賛成の軸に立って、こちらは反対に立っているわけではないですか。その人達がいる中で、対立候補を立てない。政党としての政策があって、それに明らかに反対する人達がいるところに対立候補を立てない。ここはどう見たらいいのですか?」
枝野氏
「我々、全選挙区に立てているわけではないですし、いろいろな状況判断の中で、別に希望の党全部に立てないという話ではありません。民進党から希望の党に行った方については安保法制には違憲部分があると私は現在も思っていただいていると、そう信じていますし」
反町キャスター
「もう1回、どういう意味?」
枝野氏
「安保法制、つまり、彼らがこんな急に選挙のために自分達の考え方を変えた方はいらっしゃらないだろうと期待していますし、信じていますから…」
反町キャスター
「行った人達は嘘をついて行っているということ?」
枝野氏
「いや、それはよくわかりません。あちらの党の中のことですから」
反町キャスター
「なるほど」
枝野氏
「それはおそらく、たとえば、同じような問題が生じた時には従来の筋を通した行動をしていただけるだろうと現時点ではそう信じています」
反町キャスター
「選挙協力の話を聞きたいです。社民・共産との選挙協力、非常にある意味、時間が短い中でパパパッとできましたですよね?」
枝野氏
「正確に言いますと民進党の時代から立憲民主党はそれを引き継いで、市民連合という広範な市民の皆さんを象徴する代表する皆さんと7項目の政策合意をしました。これは喫緊、非常に重要度の高いテーマであるので、この7つの項目について一致をしている各党と喰い合いをできるだけしないように、とご要請をいただいて、その範囲の中でできることを最大限やる。同じような合意を市民連合とされた社民党さんや共産党さんが、直前に候補者を降ろすという党の組織論としては大変困難なことをなされたことについては敬意と感謝を表しているということです」
反町キャスター
「選挙後も、たとえば、院内活動とかも含めて、選挙だけの協力なのか、その後も含めて、視野を先まで見越した協力関係なのか?」
枝野氏
「国会内は、たとえば、かつて民主党政権の時は野党自民党と野党共産党も協力していたんです。そういう意味では、野党同士であれば、当然のことながら協力することはたくさんあります、国会内で。それから、7項目については市民連合がもちろん、全ての市民を代表しているわけではありませんが、かなり広範な皆さんの声を代弁して、そこと我々も7項目について合意をしているので、その7項目を実現することについては、同じ合意をしている他党と共同する行動をすることはあると思いますが、それを超えたものが今、何か決まっているとか、想定されているということではありません」
反町キャスター
「その共産党との選挙におけるさまざまな連携・協力というものは市民団体の要請に基づいてやりましたという話がある中で…」
枝野氏
「我が党は我が党でしました。共産党さんは共産党さんの判断でされたことに、敬意と感謝を申し上げているので、我が党と共産党との間でやったわけではありません」
反町キャスター
「共産党に対する、ハードルの高さというのは希望の党と立憲民主党とでは激しく違うと思うんですよ。選挙協力はおろか、そのあとの…。この間、細野さんを迎えた時や、他の希望の党の方を迎えた時にも、非自民連立やるのですかと、自公が過半数を割った時にですよ、いや、やらないと、なぜなら共産党がいるからだとはっきり番組中にもおっしゃるわけですよ。自民、非自民というところにおいて、野党連携というのはいろいろな選択肢が広い連携があると枝野さんは言うけれど、希望の党に行った細野さんはウチの番組においても、たとえ、自公が過半数を割れても共産党も入れた連携で非自民連立があるあるかと言うと、それはできないと、こういう話になる」
枝野氏
「我々も共産党さんをもとより、どこか他の党とこの選挙のあと連立をつくることありません」
反町キャスター
「しない?」
枝野氏
「しません」
反町キャスター
「政権を狙っていない?」
枝野氏
「この選挙では政権は獲れない。次の選挙に向けて足場を固めさせてくださいと。日本の政治に新しい政治勢力をつくる第1歩をつくらせてくださいということです。どの党との関係でも連立政権を組めるような包括的な政策の一致はできていませんので、この選挙のあとにどこかと連立を組むということは考えていません」
反町キャスター
「キャスティングボードを握る可能性もゼロではないですよね?」
枝野氏
「いや、それでも、そういった永田町の内側のくっついた、離れたで、政治を動かすことはダメだ、やり過ぎだというのが我々の1つの立ち位置ですので。包括的な合意ができる政党が他にない以上は、我が党は単独で首班指名は枝野幸男と書いていただくと、ここまでです」
山田氏
「ちょっとおうかがいしたいことは、共産党も未来永劫、現在の共産党かということも別問題としてあるので、そこに条件をつけていくという戦略は1つあるとは思うんです、実際、現実的になるか、どうかは。しかし、それを現在は完全に排除されているということでいいのか。それとももっと遠い将来、共産党も綱領を変えたこともある、ですから、将来変わることだって、それは絶対ないとは言えないわけで、そうしたことを想定すると、単独だけでいくかということを、今それを断言されるということは…」
反町キャスター
「未来永劫、連立を否定するのですかと」
枝野氏
「まず他党が今後どうされるのかということを、別の党の立場の人間から、ああしてくれと、ああした方がいいと言うのは、これは僭越な話だと思っています。繰り返し申し上げますが、他のどこかの党と連立を組めるような包括的な一致があるという状況ではないという現状を前提にした時には単独政権を目指して1歩ずつ前に進んでいくということですので。あらゆる可能性を将来、全部否定しているわけではありませんが、現状では単独政権を目指していかないといけないだろうと」
山田氏
「そうしますと、次の次の選挙、その時は完全にフルスケールの候補を出して単独過半数を目指すという、当然、そういう戦略を目指していかれると。選挙が終わったら、国会が始まって、次の選挙がまた4年後以内にあるという状況になりますから、そこに展開されていくという、そういう理解?」
枝野氏
「まずそういったことを展開できるような議席を与えてもらえるようにがんばらないといけない。選挙の結果では、とてもそんなとても不可能だという議席にとどまってしまえば実現可能性はないわけですし。しかし、一定の議席を与えていただければ、そうしたことに向けて、いろいろな作業を進めていくベースができると。そこに向けた選挙だと思っています」
秋元キャスター
「立憲民主党の選挙公約には『安保法制を前提とした憲法9条の改悪に反対』と、『辺野古移設について再検証をし、ゼロベースで見直す』とあるのですけれども。まずこの上の部分について、枝野さん、安保法制に反対をされているのは集団的自衛権を認めているということが問題ということですか?」
枝野氏
「そうです、はい。その部分が憲法違反である。憲法違反を前提とした安保法制があるのに、自衛隊を明記すれば、その憲法違反の部分を追認することになると。従って、安倍さんの言っている通り自衛隊を書くだけでない、従来の解釈が変わってしまうということですので。だったらそのことを堂々と問えと。これまでと違って専守防衛から離れて、世界中で戦争をするような改正をしたいんですと国民に問えと、そういうことです。だから、それが賛成できない」
反町キャスター
「そうすると、旧民進党の安保政策の部分を大半継承するとすれば…」
枝野氏
「そうですね、はい」
反町キャスター
「個別的自衛権でやれることがあるのではないかということを、ずっと主張されてきました」
枝野氏
「そうですね」
反町キャスター
「その話で言うと先日のウチの番組、立憲民主党の方、日替わりで出演いただいているので、今度、長妻さんの発言ですけれども、長妻さんはこういうことを言ったんですよ。『個別的自衛権には着手という概念があって、物理的に被害が及んでいなくても着手があれば我が国としても反撃できる』と、こういうふうに言ったんです」
枝野氏
「はい」
反町キャスター
「この部分、着手は何だろうという話になると明らかに日本に向かって撃ってくるとみられるミサイルに燃料が注入され始めたとか、あるいは発射の状況が刻々と迫っていることがわかった時、この状態に対して攻撃できるというこの理屈を長妻さんは言いました。これは枝野さんも同じ考えなのですか?」
枝野氏
「これは国際法的に常識です」
反町キャスター
「はい、もちろん。だから、これは個別的自衛権を広げていった限りにおいて、ここまで可能だという話になるわけですか?」
枝野氏
「それは従来の政府見解でもあるし、何か特別なことではないですよ、これは、とりあげるほどの。当たり前のことですよ」
反町キャスター
「ただし、では、自民党が安保法制をつくるにあたって、個別的自衛権を極限まで広げていくのではなく、集団的自衛権の一部限定容認とした背景にはどちらの方がより危険性が高まるかという議論が向こうの方にはあったと聞いているのですが?」
枝野氏
「それは違うでしょう。だって、現在の安保法制の条文を読めば、国会での安保法制の時の答弁でも、制度上はホルムズ海峡まで行けますと、政府は明言しているんです。ただ、政策判断としてやりませんと。憲法解釈としても法律上も地球の裏側まで行けるという法律をつくっちゃっといて、この方が限定的ですというのはまったく理屈に合わないですよ」
反町キャスター
「小野寺さんが現在、防衛大臣ですけれども、自衛隊の中の、入閣する前に、小野寺勉強会、委員会みたいなのがあって、聞いたと思いますけれど、敵基地反撃能力に関する考え方をまとめました。僕らもその話を、小野寺さんを迎えて聞いたんですけれども、小野寺さんが説明する限りにおいては、北朝鮮を想定した場合ですよ、北朝鮮からのミサイル1撃が来る時に、1発目が日本に撃ってくるとわかった時点で、そこに攻撃できるのですかと。いや、そうではないのだと。1撃目はミサイルディフェンスで迎撃して、2撃目が来そうになった時、そこに対して攻撃するのが、我々が考えている敵基地反撃能力だと。こういう説明を小野寺さんはされました。この考えだと、それよりも先手ですよね?向こうが着手した時点で攻撃できる。それは、憲法議論、憲法解釈、過去において内閣法制局の人達がそう言ってきたのはわかっています。ただ、どちらの方がより攻撃性が高いのかという議論にするなら、小野寺さんは、1発目はミサイルディフェンスで止めて、次はこちらからいくのだぞと、そのための制度を整えたいという話。この着手論に入ってしまうと法律論としてこれは明らかに小野寺さんの考え方よりも先に敵に、この場合で言うと、北朝鮮のミサイル基地に対して攻撃を可能ならしむる考え方、ここはいかがですか?」
枝野氏
「いや、まさに法律論としてはそうかもしれないけれど、北朝鮮がこれから日本に向けて撃ちますと言って、燃料注入なんかしませんから。どこに向かって撃つかわからない状態で燃料を注入するので、その場合には着手があったという認定はできませんから」
反町キャスター
「できない、そう…」
枝野氏
「だから、それは事実認定としては変わりないです」
反町キャスター
「なるほど」
枝野氏
「これは…」
反町キャスター
「変わらない?」
枝野氏
「変わらないです」
反町キャスター
「小野寺さんのやろうとしている敵基地反撃能力の考え方というのは、集団的自衛権か個別的自衛権か、そこに法律的に書き込むわけではないのだから、考え方としては同じだということでよろしいのですか?」
枝野氏
「敵基地攻撃能力の問題については理屈のうえでは現行憲法上可能だという解釈が成り立つのだろうと思いますが、まったく現実的ではないです。なぜかと言ったら…」
反町キャスター
「それも否定される?」
枝野氏
「いや、それは、すみません、それは理屈で否定するのではなくて、現実問題として現在、北朝鮮が持っている、日本に向けて撃てる可能性のあるミサイル基地を日本が同時に、と言うか、そもそもまず敵基地、北朝鮮まで攻撃にいける能力がありませんし、そもそもが」
反町キャスター
「それを研究しようというのが小野寺さんのアイデアです」
枝野氏
「それをつくりあげたとしても全てのミサイル基地を全部同時に破壊できるような能力を身につけることは、これは現実問題として不可能ですから。従って、そのことを今、研究するというのは国際政治のうえからまったくリアリティがない話だと思います」
反町キャスター
「抑止力というのは相手の武器を全部撲滅できるだけの武器を持つことが抑止ではないですよ。ある程度、反撃する能力を持つことによって相手にこちらへ攻撃する意欲を減退ならしむる、そこはいかがですか?」
枝野氏
「敵基地攻撃能力の話が憲法上、理屈のうえであり得るということの話は、あくまでも相手の攻撃能力を壊す範囲の話ですから。抑止力としての力、つまり、たとえば、平壌に対して攻撃するみたいな話は憲法上、絶対に許されませんから。相手の攻撃能力を壊すだけですから、攻撃能力を全部破壊できるような能力まで備えないといけないということになります。結局…」
反町キャスター
「それは極論でしょう?そんなこと言ったら、全部そうなっちゃう」
枝野氏
「だけど、現実問題、ですから、敵基地攻撃能力は理屈のうえではあるけれども、それは基本的に我が国が持つということについて想定する必要はないし、すべきではないと思っています」
反町キャスター
「ごめんなさい、ちょっと一段の飛躍がある。つまり、抑止力として、北朝鮮の基地を全部叩く能力を持つ、それは大変です、だって、300基、400基持っているわけだから。そうではなくて…」
枝野氏
「では、その中の、1基2基を倒す能力を持っているからと言って、それは抑止力になりますか?抑止力として、向こうがこれをやったら全部ミサイル壊されちゃうという状況ならともかく。我々は、これは我々だけではなくて、国際法上、ミサイル基地を攻撃するということは法制上あり得るかもしれないけれど、たとえば、反撃として平壌を爆撃するということは、これは国際法上も、我が国の憲法上もあり得ない話ですから。それをやらないで基地だけ壊すという話の時に、半分壊せますけれども、半分は残っちゃいます、そこはバンバン、ミサイルを撃ってきます、という状況が抑止力になりますか?それはちょっと机の上の話ですよ」
反町キャスター
「この間の長妻さんの話を聞いても、枝野さんの話を聞いても、わからなくなるのは、ある程度の部分までは法律的には可能ですと言い、そこから先の具体論に入ろうとすると、それはリアリティがないと言って弾く。どっちなのですか?」
枝野氏
「ちょっと待って。これは我々の意見ではなくて、従来の政府の見解を説明しているんです。従来の政府の見解を違うこと言ったらおかしいではないですか。政府は従来こう言っているし、それについては我々も政府になっていましたから、それは継承しないとおかしいわけで、それについての説明がこうで。だけど、現実的に理屈のうえではこういう理屈になっているけれども、じゃあ敵基地攻撃能力を持つというのが、現在の国際環境と、日本の自衛隊の防衛力と、全体の国際法の秩序とか全体を考えた時にリアリティがあるという話ではないという話は、まったく食い違わないではないですか。どこが食い違うのですか?」
反町キャスター
「長妻さんのあの時の発言は、僕はここにいて覚えているのですけれど、反撃できるという意見が政府見解であるという説明ではなくて、反撃できるというような趣旨の話だった」
枝野氏
「いや、できる、反撃できる、政府見解だってできるんですよ、制度としては」
反町キャスター
「枝野さんも、この考え方、理屈・理論上は反撃できる?」
枝野氏
「理論上は政府もそう言ってきているのですから、実行の着手があれば、反撃ができますが、だけれど、それを本当にやるのか、やれる準備をすることが日本の安全を高めるのか、現に北朝鮮のことを考えた時には、相手はミサイルでバンバン攻撃できる能力を持っているのですから。それを10個や20個壊したからと言って、他のところからバンバン撃ってこられたら一緒なわけですから。ミサイルディフェンスも撃ち落とせないものがたくさんあるわけですが、金もたくさんかかるわけですが、しかし、我が国が、ずっと専守防衛でこちらからは攻めないのだと。敵基地攻撃能力というのは、これは専守防衛の範囲にギリギリ入りますが、でも、向こうに行ってやるという意味では、国際社会の印象からも、国内的な国民の理解からもちょっと超えますので、だったら、キチッとミサイルディフェンスをさらに充実強化をさせていくとか、外交的にもっとキチッと圧力をかける、その努力をさらにやっていくとか、もっと地に足のついたことを議論すべきだし。敵基地攻撃能力を、仮に小野寺さんの理屈でやったとしても、その能力を備えるのに10年、15年かかりますよ。10年、15年の話ではなくて、半年、1年の危機をどうするかと今、問われている話の時に、それに便乗して、15年後どうしようかという話をしている、私はこれこそリアリティがない話だと思います」
反町キャスター
「これから北朝鮮のリスクが何年続くのか、枝野さんは北朝鮮の現在の状況というのは半年、1年で終わると思いますか?」
枝野氏
「いや、半年、1年のことが現在1番問われているのに、その10年、15年の…」
反町キャスター
「小野寺さんはアイデアを提示しただけですよ?」
枝野氏
「だから、私も、彼らがそういった研究をされることがけしからんなんて、一言も言っていないですよ。私はそんなことを議論するのはリアリティがないと思うと。特に足元のところで現在の北朝鮮危機に対応できる話じゃまったくないのだから、そのことの議論をするよりも、ミサイルディフェンスシステムでどれぐらいの金で、どれぐらいの防御ができるのか。まさにここは、日米同盟は今後も維持強化ですから、日米同盟の中でアメリカの抑止力と日本の防衛力との組み合わせの中で、実際にどうやって北朝鮮を封じ込めるか、地に足のついた議論をしなければいけないのに。そのことがしっかりとできていないのに、もちろん、10年、15年先のことを研究されるのはどうぞですが、そのことを派手に打ち出して、これで日本が守れるのだみたいな勘違いを国民に与えようとしているのではないかと。それは別の次元で、むしろ地に足のついたことをやるべきだという立場です」
秋元キャスター
「さて、立憲民主党の公約からもう1つ聞きたいと思います。2つ目ですね。『辺野古移設について再検証をし、ゼロベースで見直す』とあるのですけれども、枝野さん、これはどういうことなのでしょう?」
枝野氏
「今日、私自身、沖縄に行って遊説してそこでも言ってきましたが、軽々に何らかの結論を出せるという話ではないと。ただ、鳩山政権の時に県外とかいうことを言って、実現できなかった、そのプロセスであるとか、その後、米軍のいろいろなオペレーションであるとか、国際戦略も全部変わってきている中で、まずしっかり検証は本当にこれしかないのかというのはしたいと。あの鳩山政権の時にうまくいかなかったのは、どうすれば日米同盟、抑止力とか、安全保障の観点から、マイナスなく違う選択ができるのかという十分な想定・準備なく移設をやめると言ってしまったということがあるので、そこは慎重にやらなければいけないと思っているのですが。国際状況の変化の中で現在の米軍、日米同盟関係を弱めることなく、違う選択肢があり得るという意見はいろいろなところで既に出ているんですね」
反町キャスター
「鳩山さんの時から同じことではないですか、それは?」
枝野氏
「いや、それは、それで実際にアメリカのオペレーション自体が変わっていますから、この5年の間にも。そういったものはもう1度キチッと検証させてもらいたいと、本当にこれしかないのかということについては、ということです。何らかの結論の方向性を示しているわけではありません。それは逆に無責任だと、沖縄の皆さんに。過剰な期待はしないでいただきたいと。ただ、常に本当にこれしかないのか、これだけ県民の皆さんの強い反対と、沖縄にだけ過重な負担をお願いしているという状況の中では、常に別の道はないのかということを模索し続けることが日本政府の責任だと思うし。我々の立場としても、特にこの5、6年の間のいろいろな変化というものと、あの時なぜうまくいかなかったのかという検証はまずしっかりしたいと、こういうことです」
反町キャスター
「今回の選挙では与党は目指さないと言いました。野党ということは、結局、そういう意味で言うと、枝野さんのところに票を入れたとしても与党にならないということであれば、それによって辺野古の基地の工事が止まるということになるのだろうか?与党にはならないけれども、野党だけれども、反対の皆さんの声には耳を傾けるよと、気を持たせるだけのようにも聞こえます」
枝野氏
「いや、それは実は民主主義のプロセス、議会のプロセスの誤解を国民の皆さんはされていて、たとえば、国会で成立している法律の7割から8割は野党第1党の民進党は賛成していました、約半分は全会一致でした。なぜか?それは野党の意見もできるだけ取り入れるんですよ、基本的には、政府与党の姿勢というのは。それは国会で揉めない方がいいですから、全会一致ならそれでスッスッと通るわけですから。野党第1党も賛成をしてくれれば、それは我々が与党の時も思いましたけれども、国会の審議の時間も短くて楽で済むんですよ。それが政治の姿勢としても正しいですよ。できるだけ広範な皆さんの賛成を得て進める方が正しいわけですから。だから、かつてNHK予算というのは全会一致が慣習だったですよ、安倍政権になってぶっ壊されましたけど。それは皆様のNHKだから全会一致になるように努力をして、それで予算が決まるから。皆様のNHKなのに、それを強引にやったわけですよ。ですから、野党であったとしても、それは一定程度、政府与党に影響力を及ぼすことは可能なんですよ。まずは野党という立場しか今回、78人では与党にはなれませんから、しかし、その次で、政権を目指す足掛かりをつくらせていただきたいというのと、野党であっても我々の声というのは一定程度影響を及ぼすことができる。特にそのまさに議論の進め方、強引に進めるのではなくて、幅広く合意形成をする、こういうプロセスを踏まないと、本来の民主主義ではないですよということ、そのプロセス…象徴としての辺野古の問題、これについては強く言い続ける勢力が国会の中に一定の影響力を持つことによって、それは間違いなく影響を与えますよ」
反町キャスター
「でも、連立政権は目指さないですよね?」
枝野氏
「それは違います」
反町キャスター
「そこは違うのですよね?」
枝野氏
「中に入ってしまえば、全てのことについて一致しなければいけないわけです。それは無理です。だけど、ここは一致して物事を進めた方がいいでしょう、あるいは意見は違うけれども、野党の意見もあるけれども、聞かないとおかしいでしょう、本来の民主主義、議会政治はそういうものです。安倍さんはあまりにも強引なことをやり過ぎている、そのあり方自体も変えたいと思っているわけで。ですから、野党だから何もできないということはないと。何もできなければ7割も8割も賛成できないです、意見を取り入れさせているんです、野党の。政府も基本は取り入れるんです、可能な限り。そこの中では一定の、たとえば、78人全部勝たせていただければ、それは相当な影響力を持ちます」
反町キャスター
「憲法について聞いていきます。公約の中にこう書いてあります。『解散権の制約や知る権利など、この原則を深化するための憲法論議を進める』と。憲法論議を進めるという立憲民主党の姿勢、ポイントによっては憲法改正論議にキチッと応じますよと、こういう理解でよろしいのですよね?」
枝野氏
「要するに、憲法は変えるか変えないかではないですから。良く変わるなら賛成だし、悪く変わるなら反対です。これは当たり前の話で、どの条文をどういう方向に変えるかというテーゼが出なければ、賛成か反対なんか言えっこないですよ。解散権を制約する方向の議論だったら、我々は基本的に前向きです。それから、知る権利を強化する方向であれば、我々は賛成です。ただ、憲法改正だなんてエネルギーを使わなくてもできることはたくさんあるんですね。教育の無償化なんかそうだし、分権もそうだし、もしかすると知る権利も情報公開法とか、そういう法律をちゃんと整備することによって、憲法に手をつけるという政治的なエネルギーを使わずにもっと大きな効果をあげられる。実は個人的には、解散権の制約というのが1番優先度が高いと思っていて、これは法律ではなかなかできない、憲法でないとできない。だから、憲法を変えるという、国民投票をやれば600億かかるという政治的エネルギーをかけてでもやらなければいけないのであって。憲法を変えなくてもできることに、憲法を変えるエネルギーをかけるのは明らかに不合理だと思っています」
反町キャスター
「安倍総理、総理と言うか総裁ですよね、これまで言われた通りにいくとすれば、年内に取りまとめ、年明けの通常国会、憲法審査会に何らかの案を出すというような、これまでスケジュール的にこういう話をされてきました。自民党が自民党としての憲法改正案を衆参両院に出した時に、各党の皆さんはどうするのだ、その賛否を議論するのか、賛否を出す議論をするのかで揉めるのか?ないしは我々として憲法改正にこういう案があるのだと自党の考えを示すのか?いろいろ対応が分かれると思うのですけど、この話を聞いている限りにおいては出すのですか?」
枝野氏
「なぜ自民党が出したらウチが出さなければいけないのですか?よくわからないのだけれども、その理屈がよくわからないのだけれども。少なくとも自民党が何を出してくるかは知りませんが、出してきたものに対して、それなら現在より良くなるから賛成だ、になるのか、現在より悪くなるから反対だ、になるのか、そういう話ではないですか」
反町キャスター
「解散権の制約だったら直ぐにでもやった方がいいとの考えではない?」
枝野氏
「それは、出したら自民党は賛成してくれるのですか?」
反町キャスター
「それは、だって、審査会で議論する話ではないですか?」
枝野氏
「そんなものを出したから賛成するわけがないではないですか、そんなものよくわかっているではないですか。議員立法だって、議員立法ですら我々が準備して相当中身を詰めて、我々が、我々野党だけでは通りませんから、自民党さん、賛成してくださいと持っていって、事前に持っていったうえで、賛成の時には共同提案にしないと賛成しないんですよ、法律ですら。野党が先に、これが改正案だって出したら賛成するわけがないではないですか。事前に我々はこういう案だけれど、賛成しますかと、賛成するなら、それは第1党と共同提案ではないとそちらも顔が立たないから、賛成しないでしょうと。これが現実ではないですか。だから、出しちゃうということはやらないということですよ、法案を出すということは、改正案を出すということは。改正案を出す前に、これなら皆、合意形成ができるかというような段取りがいわゆる議員立法的な、これ議員立法的な形になるわけですから」
反町キャスター
「自民党から、そういうアプローチが?」
枝野氏
「ええ、それがなくて出してくるということはやる気がないということですよ」
反町キャスター
「なるほど」
枝野氏
「こちらも本当にやろうと思ったら、と言うか自民党からも解散権の制約、それが必要だと我々も思うと言ったら、それは共同して条文づくりをするという話になるかもしれない。でも、全然、現在、相手にしていませんから、そんなところに案だけ出して、それこそパフォーマンスですよ」
反町キャスター
「事前にそういうこの案についてどうだろうかと、向こうは9条とか、教育の無償化とか、いろいろ4つぐらい出しているではないですか。その件について憲法審査会の前に、事前に協議をしましょうかと、こういうこと?」
枝野氏
「それをぶっ壊しちゃったのが安倍さんだって。それをぶっ壊し続けているのが安倍さんですよ。安倍さんが総理の時以外は、憲法調査会以来、実際に本当に憲法を良い方向に変えるとしても、各党の合意形成をちゃんとしないと物事が進まない、各党が俺はコレだ、俺はコレだ、なんてやり始めたら、絶対にまとまらないと、中山太郎先生の下でそれをずっとやってきて、そういう信頼関係がずっとあったのを、常に安倍さんが余計なことを言ってぶっ壊してきたんですよ。だから、その進め方自体、これまで間違っていましたと、ちゃんと皆で合意形成をして進められるように、もう1回仕切り直しましょうと、そういう話がなければ無理ですよ。今回だって、勝手に、俺はコレだ、アレはコレだと、上から、自民党の憲法の担当者の皆さんすら知らないところからボーンと下ろす、これではものは進まない。いや、こういうことは各党一致できるのではないのと、だったら皆で円満に変えられるのではないのと、もしそういうのがあるのだとすれば。そういったことの瀬踏みから始めていって、やらなければ合意形成なんかできないですよ」
秋元キャスター
「民進党は前原代表が消費税について『消費税率を上げ、教育・子育て・医療・年金など恒久財源をしっかりと担保していく』と話していまして、増税を容認していたわけですけれども。一方、立憲民主党の公約では『将来的な国民負担の議論は必要だが、直ちに消費税率10%引き上げはできない』ということで、増税を凍結しているわけです。枝野さん、基本的な政策は民進党の政策を引き継ぐという立憲民主党の公約、一転して、消費税増税凍結を謳っているわけですけれど、消費税は基本的な政策ではないということですか?」
枝野氏
「いや、基本的な部分というのは仕組みとして将来的などういう社会をつくっていくのか、そうした意味では、消費税の負担をお願いすることで、教育・子育て・医療・年金などの恒久財源をしっかり担保して、その充実をはかっていく、この基本はまったく変わりません。しかしながら、再来年ですか、予定されている10%への引き上げは、これはできないという足元のところについては、敢えて言えば、時期尚早と言うか、前提が整っていないと、それは国民の理解・信頼が得られていない。ここで強引に上げれば、逆に言ったら、また、その後の議論が停滞しますよ。なぜかと言えば、直間比率という言葉が昔ありましたけれども、逆になっていて、その直接税の部分があまりにも減税され過ぎていて、大衆増税である消費税の方に偏り過ぎていると、この間、法人減税もなされていると。消費税が上がって税収が増えるのに従って、法人減税…法人税収というのは下がっていく、これは逆だろうとか、こういう不信がある。使い道に対する不信が高まっているし、こういう状況と、経済状況を考えたら、これは現在決まっている10%への引き上げはできないと。従って、10%に引き上げるにあたっては、その他の税目とどう関係、それから、税の使い方について、同時ではダメですよ、これは国民の皆さん。私も3党合意には所管大臣ではありませんでしたけれど、閣僚として絡んでいた責任がありますが、反省は同時ではダメですよ。つまり、社会保障の充実と負担をお願いするのと同時では国民の皆さんにはもう信頼されない。社会保障の充実をやって、こういうふうに充実をしたでしょうと、従って、そのための財源、これはお願いしますねという、この順番をちゃんとつけないと、同時にやると、要するに、悪いところ取りというか、されると国民の皆さんは思っている。従って、ここを変えないといけないと」
反町キャスター
「制度が先行だったらいい?」
枝野氏
「でないと国民の理解が得られない。かつその前に他の税目との公平感、他の税の使い方に対する信頼感、これが前提です。この2つがなければそれも無理です。まずはこの2つをやらないとダメです。つまり、片方で公共事業をバラ撒きながら、消費税を上げろと言うのは無理だし。実際に8%に上げて、その裏側では建設国債を増発しているわけですから、これでは国民の理解は得られないということです」
反町キャスター
「そうすると、先にちゃんとした受益なり、恩恵なりをやってからではないと上げられないという話になると、そもそもの自公民の3党合意自体が間違っていたということに?」
枝野氏
「だから、あれの反省教訓と申し上げています」
反町キャスター
「あの時の前提が間違っていたと、今思うとそういう判断になるということですか?」
枝野氏
「そうですね」
反町キャスター
「ただ、前原さんがこれを言った時には、皆さん、賛成されたんですよね、民進党の皆さんは?」
枝野氏
「いや、だから、代表選挙の争点ではないですか。10%に引き上げはできないというのが、私の…」
反町キャスター
「だけど、勝ったのは前原さんですよ?前原さんがこの政策をぶち上げて、自分が反対したから反対して、しかも、代表選挙で前原さんに自分が負けたからと言って、自分の政策はずっと温めていて、離党して新しいところでは…」
枝野氏
「いや、前原さんは代表選挙で上げるとおっしゃいましたが、自分の意見であって、これから党内で議論をして決めると前原さんは言ったので、議論する前にこんなことになっちゃったんですよ」
反町キャスター
「ああ、前原さんが言っていたAll for Allというのは、民進党全体の政策としては機関決定されていない?」
枝野氏
「All for Allの考え方は機関決定されていましたが、10%への引き上げを予定通りやるということは機関決定されていませんでした」
反町キャスター
「そういうことなのですか?」
枝野氏
「はい」
反町キャスター
「2%上げることについて前原さんの時の前原執行部を支えていた立場として、あの時には10%というのに賛成をしたけれども、離党したらいきなり8%のままかよというこの部分というのは、齟齬はないですね?」
枝野氏
「ないです」
反町キャスター
「ないですね?」
枝野氏
「ないです」
反町キャスター
「皆さん、そう説明されて、有権者の人達にはその説明が通るのですか?」
枝野氏
「いや、だって、皆…」
反町キャスター
「機関決定されていなかったという話…」
枝野氏
「10%に上げると決めたなんて話自体が、ニュースはないと思いますよ。そんなニュースどこから出ています?」
反町キャスター
「でも、前原さんが番組に来た時、2%上げてその使い道はこうなのだと」
枝野氏
「それは前原さんの代表候補としての個人の意見としておっしゃっていたので。同時に代表選挙の時にこれは自分の意見だけれども、独裁者ではないから、ちゃんと党内で議論して決めるということを代表選挙の時におっしゃっていたし。その後私は、28日までは代表代行でしたが、10%に上げるということを決めるという機関決定がないのは間違いありません。そもそも議論する時間がなかったですから。なおかつ希望の党は10%に上げないという話をおっしゃっています」
反町キャスター
「そうすると、前原さんの言ったこと、代表を選んだ人達、少なくとも…、枝野さんが前原さんに投票していないのは確信するけれど、前原さんの考え方に賛同して代表選挙で前原さんを支えた人達がいるわけですよ、あの人達が…」
枝野氏
「それはまさにこの選挙の場合もそうなのですけれども、一般の選挙の場合も、選挙の時にはその人の掲げた政策を全部支持して投票するわけではないと。だから、安倍晋三さんが、自民党が多数を持っているからと言って、国民の皆さん、自民党に投票した人も安倍さんに白紙委任しているわけではないし、その掲げた政策の中で自分は反対だという意見、政策はたくさんあっても相対的にどこかを選ぶのが選挙だし。代表選挙は2人しか出ていないのだから、消費税のところでは意見は違うけれども、前原さんに投票したという人は、私は何人も知っています」
反町キャスター
「なるほど、その意味で言うと、これは齟齬はきたしていない?」
枝野氏
「全然、齟齬はきたしていないですよ」
反町キャスター
「あと財源ですけれども、直接税の話、所得税とか、法人税の累進性の強化の話をされましたよね?」
枝野氏
「はい」
反町キャスター
「まずそちらを先にやるべきだということになるわけですか?」
枝野氏
「少なくとも信頼、税に対する国民の信頼という観点からもその前に国税庁長官を代えないとダメでしょうけれども」
反町キャスター
「それはまた別の話…」
枝野氏
「別の話、でも、税に対する信頼はそういうことですよ。国民の皆さん、納税者の皆さんがこれなら、嫌ですから皆、税金を払うのは、でも、しょうがないよねと思うような条件を整えるのは政治の責任。それはあの国税庁長官、個人がどうこうではなく、それでは増税なんかできませんよ、納税者の方だってバカにするなになりますよ。税に対する信頼というのはそういうことです。そういう意味で、前提としてそれが財源でいくら出てくるかではなくて、こちらを下げといて、こちらとるのはおかしいだろうと。そこは政治の信頼として先にやらなければダメです」

枝野幸男 立憲民主党代表の提言 『まっとうな政治を取り戻す。』
枝野氏
「まっとうな政治を取り戻す。要するに、民主主義は、主権者は国民であって、政治はそこから権力をお預かりしているにすぎないのだと。お預かりするにあたって憲法を守って、憲法の範囲でお預かりしているのだし。それから、権力を現在持っているから何でもやってもいいわけではない、白紙委任をされているわけではなく、国民の幅広い多様な意見に耳を傾けながら、もちろん、限界がありますよ、できることは。だけど、その姿勢がない政治はまっとうではない。そういう政治だから暮らしの現場の声が届いていないという、株価だけは上がっているのに国民の暮らしが良くなっていないという声は一定程度ありますよ、相当なボリュームでありますよ、そんなことになっている。ちゃんと本来の民主主義と立憲主義、近代国家なら当たり前のことをちゃんとやる、まず全てはそこからだということです」
秋元キャスター
「山田さん、枝野さんのご提言いかがですか?」
山田氏
「まっとうという言葉は、フワッとした言葉ですよね。これは国民の持っている、つまり、現在、立憲民主党を支持している人達が持っている、いろいろなこのモヤモヤを吸収しようとしていることで。ある意味では、党派性、今、3極とか、いろいろ言いますけれど、それよりはもう少し幅広く受け止めようという、いろいろな方の意見を、というのが読みとれるのですが。政治的にはなかなかめずらしい言葉ではあると思います」