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2017年9月14日(木)
陸海空元将官の国防論 北朝鮮暴発その時何が

ゲスト

渡部悦和
元陸将 元東部方面総監
倉本憲一
元海将 元自衛艦隊司令官
織田邦男
元空将 元航空支援集団司令官

半島有事『その時 何が』
秋元キャスター
「5夜連続企画、北朝鮮暴走の結末。4日目の今夜は、陸海空自衛隊の元将官を招いて北朝鮮の脅威に日本は何を備え、何をなすべきなのか、じっくり話を聞いていきます。北朝鮮メディアは国連安保理の制裁決議に反発し『日本列島を海に沈めるべき』と強い表現で威嚇をしています。もしも北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射した場合、日本はこれにどう対応するのか。イージス艦から発射して高高度の宇宙空間でミサイルを破壊するSM-3、SM-3の網をすり抜けたミサイルを大気圏内で迎撃するPAC-3と、日本のミサイル防衛はこの2段構えになっているわけですが。倉本さん、北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射した場合、日本はどこまでこれを防げるのでしょうか?」
倉本氏
「非常に難しい質問ですけれども、日本でBMDに対処できるイージス艦は現在、4隻しかありません。米国の第7艦隊にも8隻程度しかない。全部合わせても12隻」
反町キャスター
「アメリカの8隻は全部が日本の周りにいるわけではないですよね?」
倉本氏
「第7艦隊の船ですけれども、そういう意味ではそうです。その中の何隻がこのミッションに参加できるか。それから、その絵にありますけれど、位置ですね。いい位置を占拠しないと、撃てる範囲が狭くなってしまいます」
反町キャスター
「ほほう、なるほど…」
倉本氏
「1番簡単なのは、発射直後に撃つのがいいので、近くにいればいいのですけれど、それは相手も攻撃してくるでしょう。あとは落ちてくる近くに、要するに、野球で言うと真っすぐに上がったフライを下で捕るのは捕りやすいではないですか、横に行って、走りながら捕るのは難しいではないですか、あれと同じ原理だと。だから、一概に言えないのですけれども、何隻投入できて、どこに配置できるか、それが大きなポイントになると思います」
秋元キャスター
「イージス艦1艦につき1発ということになるのですか?」
倉本氏
「いえ、イージス艦は弾をたくさん持っていますので、1つのミサイルに対して、だいたい基本的には2発で、失敗した時のことを考えて2発を撃ちます。それを幾組か撃てるようになっているのですけれども」
反町キャスター
「なるほど」
倉本氏
「はい、だから、1発を必ず1発で撃ち落とすのではなくて、だいたいミサイルというのは、大雑把に言って、だいたい命中率50%ぐらいと思っておけばいいと思います。だから、2発撃って、撃ち損じた時はもう1発で対処するというような形をとっています」
反町キャスター
「日本まで届くミサイルというのは、北は何発ぐらい持っているということになっているのですか?」
倉本氏
「ノドンとか、短いので十分届くわけです。数はすごくたくさんあると思います」
反町キャスター
「300とか、400とか、言われていますよね?」
倉本氏
「そうですね」
反町キャスター
「そうすると、それが1度にとは言いませんが、ある程度まとまった数で来た時にお手上げになるという、現状を我々は覚悟しなくてはいけないですか?」
倉本氏
「基本的にはそうですね。攻撃する時は、飽和攻撃と言って、相手の対応する力よりもたくさんの弾を同時に撃ちこむのが…」
反町キャスター
「原則ですか?」
倉本氏
「原則ですね。だから、その原則に従って彼らが撃ってくれば、撃ち損じることもあり得ると。全部落とせるわけでは…」
反町キャスター
「要するに、自分達の捕捉したものは撃墜できても、それ以外の捕捉できないものがワーッと降ってくるという、こういう状況の可能性があると?」
倉本氏
「捕捉はできるのですけれども、それに対応…」
反町キャスター
「迎撃できないですね?」
倉本氏
「はい。ただ、1艦が1発に対して1回しか撃てないのではなく、1発撃ったあとに、違うところから上がってきたものにも対応できます、それも探知しますので。だから、1艦でいくつかは対応できるのですけれども、ただ、それが1度に40も50も来られるとかなり厳しいところ」
渡部氏
「海上自衛隊はイージス艦を持っています、SM-3です。空自はPAC-3を持っています。陸上自衛隊は持っていません。それで、私は心から思うのは、次の態勢として、イージス・アショア、これが来ます。そうしたらイージス・アショアを、たとえば、陸上自衛隊は装備して、これで対処すれば、陸海空の弾道弾ミサイルの統合作戦を実施できると、私自身は思っています」
反町キャスター
「ごめんなさい…、陸海空のどれにも属したことがない人間からすると、持っていないから持ちたがっているように見えちゃうんですよ、極端に言えば。PAC-3にしても、SM-3にしても、全部を海上自衛隊が一括管理していても、何ら問題はないのではないかと僕なんかは思っちゃうのですけれども、倉本さん、どうですか?それぞれが1つずつミサイルディフェンスのツールを持っていた方がいいのですか?」
倉本氏
「いろいろなところが持っていることが善いか悪いかと言うと、1番、現在、問題なのは陸海空それぞれ人がいない」
反町キャスター
「ヘッ?」
倉本氏
「イージス・アショアを海上自衛隊が持つのが1番、理に適っていると思います、同じ運用ですから、イージス・システムが一緒ですから」
反町キャスター
「船に積んでいるものを陸に上げるだけですよね?」
倉本氏
「はい、陸に上げるだけです。だけれども、それに対して人が純増、要するに、プラスαで貰えれば、やれないことはない。だけど、現在の人間でやりなさいと言われたら、これは非常に難しいです」
反町キャスター
「それはちょっと話が…。織田さんに聞いた方がいいかな?織田さん、どうですか?3自衛隊でそれぞれ別々のミサイルディフェンスのツールを持った方がいいのですか?」
織田氏
「基本的にはどこが持ってもいいですよ」
反町キャスター
「では、質問を変えます。別々に持っているのと、どこか空自でもいいですよ、空自が全部持つのと、どちらの方がオペレーションとしてより効率的にミサイルを叩き落せるか?」
織田氏
「たぶんあまり変わらないですね」
反町キャスター
「変わらない?」
織田氏
「ええ。ただ、先ほど言ったように、人員増というのは非常に難しいですね。で、1番たくさん人員がいるのは陸ですよ。だから、いずれにしてもたぶんイージス・アショアを入れても、その必要人間がたとえば200名だったら200名、はい、定員増になるかと言ったら、ならないですよ」
反町キャスター
「どこかから削って持ってこなくてはいけない?」
織田氏
「そういうことですよ。そうしますと、1番多い、たくさんいる陸上自衛隊の方が痛みは少ないと私は思うんですね」
反町キャスター
「なるほどね」
織田氏
「ええ。50名、現在、要は、航空から割けと言ったら、現在でも悲鳴を上げているのに、これは大変ですよ。海はもっと…」
反町キャスター
「では、空自さんにしてみたら、PAC-3のオペレーションを任命されているのは負担なのですか?」
織田氏
「いや、それはもう…」
反町キャスター
「本当はこちらに人を割かなくて、もっと他にやりたいことがあるのだけれども、しょうがない?」
織田氏
「いや、全体として全部必要です。しかしながら、現在まさに破壊命令がずっと稲田さんの時から出ているから、常にもうスクリーンを血眼になって見ている隊員が今でもいるわけですよ。それはもう大変な労力だと思いますよ。それで海は海で、たった4隻しかないイージス艦が常に日本海にいるわけですよ、それで見ている時には訓練もできないというような状況ですね。そういうギリギリの状況でやっている時に、本当に人を割けますかと言いますと、現実的には、スクラップ&ビルドでその部隊をつくれと言ったら、海も空もたぶんできないでしょうね」
反町キャスター
「たとえば、レーダーオペレーターの方が空自なら50人かもしれません、その人達がずっとその仕事をやっているわけではなく、配置転換とか、ローテーションがあるわけではないですか?」
織田氏
「もちろん、です、はい」
反町キャスター
「それを考えると、陸海空の3自衛隊に別々にいて、その中で、ジョブローテーションでいくよりも、エキスパートを育てるというのは?よく安全保障の話で僕らの間でも議論に出ますよ」
織田氏
「兵器がまったく違いますと、まったく違うんですよ。同じスクリーンだから…」
反町キャスター
「この場合で言うと、PAC-3とSM-3とイージス・アショアのこの部分というのはまったく違うのですか?」
織田氏
「まったく違います」
反町キャスター
「あっ、全然違うもの?」
織田氏
「それを統合して運用している、統合任務として運用しているわけです」
渡部氏
「この問題は、国会でも議論になると思います。イージス・アショアは、陸海空のどちらに持たせますかという議論は。どのようにそれを低負担にしますか、それは必ずなります。だから、私が言ったのは問題提起です。たとえば、イージス・アショアを配置するのであれば、どこに配置しますか、場所ありますか。たとえば、陸上自衛隊の基地、あるいは演習場、これはかなり有力な候補になる」
反町キャスター
「なるでしょうね」
渡部氏
「場所もあります、人もある程度出せます。3つの自衛隊が責任を持ってBMD対処をする。態勢ができるということは、私は素晴らしいことだと思っています」
秋元キャスター
「さて、日本に向けて、ミサイルが万が一飛んで来た場合、迎撃態勢と同時に国民に知らせる必要というのもあります。先月29日に北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過して太平洋に落下した時、発令されたJアラート、発射からおよそ4分後、『ミサイルが発射された模様』とする災害避難情報、Jアラートが出されました。その3分から5分後に日本上空を通過ということになりました」
反町キャスター
「織田さん、この間のJアラート、ないしは日本社会の反応を見ていて、どう感じましたか?」
織田氏
「早い話が危機管理ですね。危機管理にベストはないわけです。私はあるところに書いたのですけれども、Jアラートというのは銭形平次における八五郎だと…」
反町キャスター
「ごめんなさい…、いいや、どういうことですか?」
織田氏
「『親分、てえへんだ、てえへんだ、てえへんだ』と言うのは、危機管理の初歩としては1番大切だって、これは私のオリジナルではなくて、佐々淳行さんが書かれているのですけれども。それがJアラートですよ。つまり、数分しかないから、まったく意味がないとか、あるいはビルがないから、隠れるところがないから、意味がないとか。そうではなくて、危機管理というのは被害極減ですね。それで、自分の置かれている立場として、最適な行動をとって、まず自分を助けなさいということです。だから、原っぱで何もないところだったら、立っているよりはしゃがんだ方がいいですよ。しゃがむよりも伏せた方がいいわけですよ。それが危機管理ですね」
反町キャスター
「Jアラートというのは、日本のレーダーはちゃんと機能していて、告知・広報システムというものを、民間の機器も含めて、キチッと機能しているという前提でのアラートシステムですよ」
渡部氏
「はい、そうですね」
反町キャスター
「よくサイバー攻撃とか、この間、ちょっと話題になった、E…」
渡部氏
「EMP(電磁波パルス)ですね」
反町キャスター
「EMP攻撃?」
渡部氏
「はい」
反町キャスター
「電磁波でバーンと攻撃を受けたりする、そういうことがあった場合、サイバーとか、EMP攻撃とかを受けた時には日本のアラートシステムが全部止まるリスクありますよね?」
渡部氏
「まずサイバーに関しては、可能性ゼロとは言いませんよ、それはすごく少ないと思います。北朝鮮が持っているサイバー戦の能力を、アラートを機能不全にするために使うかと言ったら、もっと使うべきところたくさんあります。たとえば、日本の金融システムをダウンさせるとか、交通システムをダウンさせるとか、自衛隊のシステムをダウンさせる、そういうところにサイバーの能力というのは使われる。ただ、EMPをやられたら、これはJアラートだけではなくて、日本全体の…」
反町キャスター
「止まりますよね?」
渡部氏
「止まります」
反町キャスター
「まったく無警報の状態と、向こうが考えるとしたらですよ、日本上空の何キロかのところで核爆発を起こし、EMP状態を起こして、完全に日本のセキュリティを麻痺させたうえで、そこから落ち着いて1発、1発撃ち込んでくる。そういうことをやられるリスクというのを我々は考えなくてはいけないのですか?」
渡部氏
「だから、それはEMPを本当に現在、北朝鮮にやる能力があるのかどうか…」
反町キャスター
「それはもちろん、もちろん、そうです」
渡部氏
「そこにかかっているんです。先般、小野寺防衛大臣も言われた通り、この状況においてはあまり考えられない、という表現をされたかと思うのですけれども、そのEMPに関しては将来的に彼らが能力を持つ可能性がある、それに対しては十分対処する、現在からしておかなければいけないというのは確かだと」

米『武力行使』の可能性
秋元キャスター
「アメリカのマティス国防長官は、北朝鮮が7月4日にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射したことを受けまして『発射自体で我々が戦争に近づいているとは考えていない』と発言しました。しかし、今月行われました6回目の核実験を受けまして『アメリカ本土、グアムを含む、アメリカ領土、そして同盟国に対するいかなる脅威も大規模な軍事的措置で対応する』と武力行使の可能性に言及しているわけですけれど。織田さん、アメリカが北朝鮮に対して武力行使する可能性をどう見ていますか?」
織田氏
「武力攻撃をする可能性は極めて低いと見ています。ただ、結論から言いますと、戦争なんつうのは、錯誤と過誤と、読み違いで起こる可能性がありますから、それはゼロと言えないのですけれども。なぜかと言いますと、現在、金正恩は、たぶんアメリカは攻撃しないだろうという読みで、あれほどの挑戦的なことをやっていると思うんですよ。なぜかと言うと、1番のネックは、38度線に1万と呼ばれる火砲が南を向いて並んでいるんですよね。これは本当にソウルが火の海になるかもしれない。つまり、人質状態ですよね。それを何とかしなければ、アメリカは介入できない。と同時に、北朝鮮を叩くにも、もちろん、韓国の上空を飛ばなければいけないし、韓国の了承を得られるかというと、文在寅政権は断固として反対していますね。叩く時には湾岸戦争ぐらいの規模が必要だと思うんですね。湾岸戦争の規模で一気に、38度線の火砲を無力化して、必要な核施設を叩かなければいけない。湾岸戦争を例にとって見ますと、だいたい3000ソーティーぐらい飛んでいるんです、1日に。3000ソーティーというのは1回飛んで降りると3000ソーティー。作戦としては812回ですけれども、複数飛びますからね。それぐらいの攻撃をやれるかと言うと、それは、現在は数個飛行隊ですから、クルーズミサイルとか持っていますけれども、第7艦隊を持ってきたところで知れているんですよ。それはできない。そうすると、増派してやらなければいけない。湾岸戦争でも1.5か月ぐらいかかってね…」
反町キャスター
「準備段階で?見えていました、あの時は」
織田氏
「準備段階で。そうしますと奇襲的な攻撃はできない。それはジレンマですね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「では、中国との国境沿いにある、核施設はどうなのだと言うと、これは中国の、少なくとも暗黙の了解を取ってもらわなければできませんよ」
反町キャスター
「爆撃できない?」
織田氏
「ええ、ベトナムの時も北ベトナムと中国との国境から30マイルはノンフライゾーンにしたんですよ、中国を刺激しないように。だから、中国が暗黙の了解を取るかと言うと、私は取らないと思っています。それと、もう1つは、先制攻撃というのは、大義名分がなければ、国際社会で非難を受けますよ。だから、ある程度、トランプさんでも国連が武力行使について容認までいかないにしても、ある程度、黙認するような形でなければ、先制攻撃できないと思うんです」
反町キャスター
「アメリカが軍事力を行使する要件としてこの4つを挙げられて、ここに用意させていただいたのですけれども」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「これは、あくまで先制攻撃はまずない?」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「その中で、北朝鮮が第1撃をやって、それを受けて攻撃をするにしても、この条件が整わないとやらないと、こういう意味なのですか?」
倉本氏
「そうです。その1番というのは、逆に言えば、要するに、アメリカの国、本土、あるいは日本の基地が叩かれて、それに対してやり返すという意味で…」
反町キャスター
「それなら1ができます」
倉本氏
「はい。やる時にも、その3つ、2、3、4の条件が揃わないと、下手にちょっかいを出すと痛い目に遭うと。だから、1度にやらなければダメなわけですね、特に…」
反町キャスター
「えっ?ごめんなさい、2、3、4は、たとえば、弾道ミサイルの発射位置って、向こうが、モビリティが高まって、上にミサイルを載っけてゴロゴロ、ゴロゴロ…」
倉本氏
「やっていますね、はい」
反町キャスター
「どこにいるのかわからない。我々が騒いでいるのは1台いなくなったので、どこかで撃つかもしれないと思って騒いでいるわけではないですか?」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「それで、38度線周辺の火砲等を全て破壊できる。これも何門あるのだか知らない、5000門だか、6000門だか、10000門だと言われているではないですか?」
倉本氏
「まあ」
反町キャスター
「これを一度に全部潰していくということとか。さらに言えば、4番目ですよ、委員長の所在がどこにいるのか把握している。この2、3、4を全部1度にクリアできていないと、武力行使ができない、こういう意味ですか?」
倉本氏
「被害が…」
反町キャスター
「出る?」
倉本氏
「出るということです。それにどこまで耐えられるかと。それを全部被害なしにやろうとしたら、これだけ全部揃わないとできませんよ、ということです。ただ、これも通常兵器でやれば、非常に難しい」
反町キャスター
「なるほど」
倉本氏
「核の使用も可能性がある」
反町キャスター
「なるほど」
倉本氏
「そこは非常に難しいところですよ」
反町キャスター
「北朝鮮が1撃目に何を使ってくるかにもよるわけですよね」
倉本氏
「そうです、はい」
反町キャスター
「彼らが1撃目に通常弾頭で攻撃してきたり、通常の火砲によって攻撃してきた場合に…」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「それに対する報復、武力行使をする時に、先制核使用もあるという、そういう意味ですか?アメリカが先に核を使う、その選択肢も我々は考えた方がいい?」
倉本氏
「選択肢としてはあると。ただ、それをやらないと、これをクリアできない」
反町キャスター
「クリアできないということになりますよね?」
倉本氏
「韓国にソウルに多大な被害が及ぶ。それに耐えられるのですかという話…」
秋元キャスター
「渡部さん、アメリカが北朝鮮に武力行使する可能性をどう見ていますか?」
渡部氏
「大きな答えとしては2人と基本的には同じです。しかし、ちょっと別の切り口でお話をしてみたいのですけれど。マティス国防長官が9月3日の核実験を受けて『アメリカ本土、グアムを含む米領土、同盟国に対する、いかなる脅威も大規模な軍事的措置で対応する』という言葉を言っているんですね。この言葉というのは、アメリカの専門家達の論文等を見ると、マティス国防長官はこれまですごく言葉の使い方というのを慎重に使ってきたと、それで極めて理性的に、トランプ大統領がすごく激しい言葉で北朝鮮を非難したとしてもマティス国防長官は基本的に『あらゆる手段がテーブルの上にはあるけれども、外交でやるんだ』ということをずっと言ってきて。しかし、9月3日の核実験を受けて、この言葉を初めて言ったんですよね。同盟国に対するいかなる『攻撃も』ではないですよ、『脅威も』ということですよ。たとえば、1つ、私の頭の中に浮かぶのは、グアムの方向に北朝鮮が弾道ミサイルを撃って、グアムの島には到達しなかった、しかし、その方向に来て、たとえば、彼らが言う30kmとか、40km…」
反町キャスター
「言っていましたね」
渡部氏
「あの地域に、たとえば、落ちたとするならば、これは脅威となるだろうと私は思うんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
渡部氏
「だから、このマティスの言葉を解釈していくと、次、脅威を与えたら何らかの軍事行動をする可能性は無きにしも非ず」
反町キャスター
「なるほど」
渡部氏
「だから、武力攻撃をしない場合というのは、たった1つですよ。北朝鮮がアメリカ、あるいは同盟国、グアムに脅威を与えなかった時、この時だけは米軍は軍事行動を起こさない、私はそのように思っているんです」
反町キャスター
「では、あくまでも、先ほどの話になりますけれども、先制攻撃、予防的攻撃と言われる話というのは、アメリカは採らないだろうと?」
渡部氏
「採らない。採らないと思います」
反町キャスター
「では、グアム含む、米領土、同盟国に対する脅威、日本の上空をブンブン、ミサイルが通過していくというのは、これは脅威になるのか、ならないのか?脅威にならないのですか?」
渡部氏
「この脅威というのは、誰が認識するか、アメリカ人は認識しないと思います、脅威と認識していないと思います。それは日本人が、その場合のケースというのは日本人が脅威感を持っているということです。ここでアメリカ人のメンタリティというのは普通なのですけれども、アメリカに脅威がなかったら脅威ではないです、脅威ではないです。だから、これは本当に1番大切なところです。だから、1番厳しいアメリカにとっての脅威というのは、いや、アメリカ本土に届く核ミサイルが発射された時。それは、たとえば、ハワイの近くに発射される場合もあるでしょう、グアムの近くにも発射される時があるでしょう、そういう時です」

暴発…その時 自衛隊は
秋元キャスター
「北朝鮮が暴走した場合ですけれど、自衛隊はどう動くのかということを聞いていきます。日本が直面する事態、さまざまなケースが考えられますけれども、大きく分けますと、この3つです。防衛出動、存立危機事態、そのどちらでもないという、この3つなのですが。まず渡部さん、防衛出動となるケースというのは具体的にどういう状況が考えられますか?」
渡部氏
「日本が直接攻撃される事態です。それは弾道ミサイルでされるにせよ、正規軍である特殊作戦部隊が攻撃する場合もあるでしょう。そういう、日本が直接、攻撃対象になった時です」
反町キャスター
「国、または国に準じるというヤツですか、ここは?」
渡部氏
「あっ…」
反町キャスター
「防衛出動の対象となるの、別によくわからないけれども、国籍不明の人が来たって、これは防衛出動の対象にすぐなるのですか?」
渡部氏
「それは、それも本当に状況によるとしか言えないのですけれど、明らかにその前の段階で、弾道ミサイルを撃つ、あるいは特殊作戦部隊が来る、その前に、さまざまな行動を北朝鮮が行っていて、それを分析しながら、首相以下で、政治的な決定をするのでしょう。当然ながら、防衛大臣以下がそれに対して意見具申もするでしょう。その結果として、これが国に準ずる組織であるかどうか、国そのものであるのかどうか、これを判断していくのだと思います。私は厳しめに見てやった方がいいです、国に準ずる組織なくて国だと、北朝鮮の国家意思がそこにあると認識すればいいと、私自身は思います」
反町キャスター
「倉本さん、存立危機事態の話を聞きましょう。存立危機事態のケースというのは、どういうケースになるのですか?これは今、渡部さんが言った、国または…、国だ言いました、存立危機事態というのは、どういう状況を想定していると思ったらいいのですか?」
倉本氏
「非常に難しいです。日本の国が直接攻撃を受けたら防衛事態になります。それが国、または国に準ずるなんとかかんとかがありますけれども、どちらにしても武力攻撃を受けたのだから、問題はないですね。存立危機事態というのは、日本の国が直接受けていませんけれども…」
反町キャスター
「そこです」
倉本氏
「グアムだとか、そういうところが狙われる可能性があります。だけど、その時は1発目がグアムにもし仮に飛んでいったって、1発目は対応できないです。グアムに本当に着弾をして、2発目、3発目がそちらの方向に向かって飛んでいく時は、日本としては対処しないと日米同盟が危ないと思います」
反町キャスター
「要するに、グアムに北のミサイルが飛んでいって、着弾ないしは被害を及ぼした時に…」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「それを政府は存立危機事態と認定するかどうかというこの話です」
倉本氏
「そうですね」
反町キャスター
「小野寺さんも、一時、国会でその件について踏み込まれたあと、またちょっとステップバックするような、微妙なところの、まさに現在、そこのせめぎ合いだと思うのですけれども。倉本さんの感じで言うと、たとえば、グアムが攻撃された場合、これは日本の存立危機事態に当たると感じますか?」
倉本氏
「当てないと、逆に言えば、日米同盟がもう危うくなると思います」
反町キャスター
「その場合、存立危機認定が出てしまうと、当然ながら、日本海等々のアメリカ空軍や海軍の北朝鮮に対する武力攻撃に対して、日本が後方支援やら何やらを、連絡通信手段やら何やら、全部バックアップで入っていくことになるわけですね?」
倉本氏
「そうですね」
反町キャスター
「そのリスクというのは当然のことながら日本は負わなくてはいけない、こういう話なるわけですよね?」
倉本氏
「そうですね。リスクと言うよりも…」
反町キャスター
「責任だ」
倉本氏
「そうですね」
反町キャスター
「なるほど。それは説明を、政治家がすごく国民に対して説明しなくてはいけなくなる…」
倉本氏
「難しいですね」
反町キャスター
「そこですよね?」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「それでも日本は現在の状態で存立危機事態とされてしまったら、これは米軍とある意味、一体化してオペレーションしなくてはいけない。こういうことになるわけですね?」
倉本氏
「はい。アメリカの行動に対して、日本ができる限り、できるところを…」
反町キャスター
「支援する」
倉本氏
「支援する。これをやらなければいけない。それは、できません、とは言えない。言ったらそこで日米同盟は終わりですよね」
反町キャスター
「ほう…。織田さん、いかがですか、ここの部分?」
織田氏
「ちょっと私、違うのは、グアムに撃たれたら、先ほど、マティスが言ったように、これは脅威ですよ。それは攻撃、戦争状態ですよね。そうしたら、北朝鮮を攻撃する、攻撃してきたら、日本に必ずミサイルが来るんですよ。それはもう防衛事態です」
反町キャスター
「なるほど…」
織田氏
「北朝鮮が日本に撃つのだから。だから、グアムで終わるわけがない。グアムが攻撃されたから存立危機事態ではなくて、防衛出動も存立危機の事態も、あともう1つ、重要影響事態がありますよね、これは混然一体として起こるんです。これは法律用語ですから」
反町キャスター
「法律上の…」
織田氏
「うん。1発でも日本にミサイルが落ちたら、それは防衛出動ですよ、有事ですよ」
反町キャスター
「なるほど。ただ、それは、今日はちょっと政治向きの話をしてもなかなか難しい議論になるのですけれども、たとえば、グアムに1発落ちた時に、それを存立危機事態として認定するのか?ないしはそれに対するアメリカ軍の報復攻撃が当然、日本の基地を使って行くことも考えたら、在日米軍基地が北朝鮮の攻撃の対象となることも踏まえて防衛出動だというところまで、日本の防衛大臣ないしは政府が判定するのか?」
織田氏
「うん」
反町キャスター
「ここは政治の判断が求められる場ですよね?」
織田氏
「うん。だから、そのシナリオ自体が、私はないと、そんなものは」
反町キャスター
「ない?」
織田氏
「つまり、グアムだけ攻撃されるというのはないですよ。グアムを攻撃したら、アメリカと北朝鮮は戦争状態になるんです。それはマティスさんが言っているわけです。大規模な戦争状態になるんです。そうすると、在日米軍を抱える日本にミサイルが飛んできますよ。その時点で防衛事態ではないですか?だから…」
反町キャスター
「敢えて聞きますけれども、織田さん、それは巻き込まれていることにならないのですか?」
織田氏
「いえ、それは違うのではないですか」
反町キャスター
「違う?」
織田氏
「うん。もともと、要は、北朝鮮は在日米軍基地を攻撃すると言っていますよね」
反町キャスター
「言っています」
織田氏
「それを巻き込まれていると言うのであれば日米同盟は解消しなければいけないですね」
反町キャスター
「なるほど」
織田氏
「では、それが起こらないのかと言うと、北朝鮮の威嚇・恫喝のあるがままですよ、それは国家がないのと一緒、主権がないのと一緒です。特に、核なんつうのは、使うのにはすごくハードルが高いわけです。しかし、ルトワックという戦略家が言っていますよ、核兵器は使われない限り有効である。これはルトワックのパラドックスと言うのですけれども、核兵器を持っているけれども、それは使えない、しかしながら、威嚇・恫喝には極めて有効なんですよ。日米同盟がなくなったら、攻撃するぞと言ったら、いや、従うべきだって日本人はなりますよ。たぶん、今でも対話、対話なんて言っているのですから。ね?そうすると、それはもう主権がないのと一緒。だから、それは日米同盟がないと日本を守れないのですから、それは巻き込まれるもクソもないですよ…」
反町キャスター
「織田さん、答えにくかったら結構ですけれど、たとえば、現在の日本国民における世論形成とか、日本の政治家の発言の踏み込み方を見た時に、グアムで何かあった時に、存立危機事態もすっ飛ばして、これは防衛出動だと、日本の政治家が判断をくだして、日本国民に対して、そういう意思表示ができる政治状況にあると思います?」
織田氏
「いや、それはシナリオ自体がおかしいです、先ほど言ったように、グアムだけを攻撃するというのは…」
倉本氏
「別れているから、そういろいろなケースを考えるだけであって、軍事的なことを考えれば…」
反町キャスター
「1度に全部起こる?」
倉本氏
「日本を越えてグアムを攻撃することはあり得ないですね」
織田氏
「だから、混然一体ですよ、だから、法律用語ですからね」
反町キャスター
「え?何があり得ない?」
倉本氏
「日本を、日本の米軍基地を攻撃しないで、グアムを攻撃することは基本的にはあり得ない」
反町キャスター
「やる時は同時に来る?」
倉本氏
「ううん、逆に言えば、先かもしれない」
反町キャスター
「ごめんなさい…、ちょっと待ってください。そうすると、この間の北朝鮮のアメリカに対する恫喝のアレですよ、グアムの周囲30kmから40kmの間に4発の包囲射撃をするという」
倉本氏
「はい、ありましたね」
反町キャスター
「アレをやるぐらいだったら、日本にやった方がまだ…、なんだろう、同じような意味を持っているという意味で言っていますよね?」
倉本氏
「いえ、そうではなくて。日本にやるのは、日本の米軍基地はごく一部ではないですか?で、グアムというのは米国そのものではないですか?」
反町キャスター
「なるほど」
倉本氏
「ただ、四方に30kmあけて撃つというのは、領土・領海ではないわけですよね。そうしたら、衛星を撃って、事前通告なしに撃つのと同じぐらいでしかないわけですよ。だから、そこは大きな差がある。領土・領海に落ちるのと、それよりも外に落ちるのでは、すごく大きな差がある」
渡部氏
「いろいろなケースを考えなければいけないと思うんです。お二人が言っているように存立危機事態の時に既に日本への攻撃があって、日本はもう防衛事態、防衛出動をやっている事態だということと、反町さんが言うように、たとえば、グアムへのミサイル攻撃しかなくなってなくて、そうして存立危機事態というのは出せるのですか、どうですかというお話ですよ。そういう場合だって、私はあると思うんですよね。そういう時に、グアムへ向かって弾道ミサイルを撃った時、米軍がどのような行動をするかを政府としてはずっと見ているはずですよ」
反町キャスター
「なるほど」
渡部氏
「ずっと見て、たとえば、在日米軍基地からも発進するような事態になったら、明らかにこの存立危機事態になりますよ」
反町キャスター
「なるほどね」
渡部氏
「だから、それはケースを分けて考えて、詰めていく。いずれにしてもこの存立危機事態というのは、グアムへの脅威があったならば出るだろうし、最終的には防衛出動にならざるを得ないと」

『敵基地反撃能力』保有の是非
秋元キャスター
「防衛大臣就任前の小野寺さんが座長を務められた、自民党の弾道ミサイル防衛に関する検討チーム、今年の3月に『北朝鮮が弾道ミサイルを撃ち、それをミサイル防衛で防ぐことは大変重要だが、2発目、3発目を撃たせないためには撃ってくる策源地に対して反撃をし、無力化することが大変重要だ』と小野寺さんが語っているように、こういった話を安倍総理に提言しています」
反町キャスター
「倉本さん、この敵基地反撃能力、どう感じていますか?」
倉本氏
「と言うよりか、まず陸海空軍、全部そうなのですが、戦後できた自衛隊というのは非常に歪な形の戦力ですよ。バランスが取れていない。海上自衛隊で言ったら、対潜だとか、掃海だとかは強いけれども、攻撃能力はない。すごく歪ですね。だから、それをできるだけバランスの取れた形にしていく1つとして現在、言われたようなことは必要だと。できるだけバランスの取れた形、小さくてもいいからバランスの取れた形にしておくことが重要だと思うんです。イギリスなんて日本よりもずっと小さな規模ですけれども、バランスが取れている、だから、フォークランドも戦えた。今もしああいうのがあったら、日本はフォークランドみたいな戦いはできない」
反町キャスター
「倉本さん、そのバランスというのは、つまり、何かと言ったら、憲法9条にあるところにおける2項の戦力という言葉。これと絡んでくるのと違うのですか?」
倉本氏
「いや、それはもう現在の自衛隊だって戦力ではないですか」
反町キャスター
「そうですよ」
倉本氏
「だから、守るか、攻めるかだけの話であって」
反町キャスター
「そういう意味です、その意味です」
倉本氏
「はい」
反町キャスター
「だから、憲法9条における、表現とのつじつま合わせの中において、いわゆる防御的な兵器は持つけれども、攻撃的な兵器は持たない、みたいな?」
倉本氏
「これまでそう言われてきましたね、はい」
反町キャスター
「たとえば、今、言われた、ゼロフェーズ、敵基地攻撃能力というのも、これもはるかに何百キロも飛んでいって相手の基地を破壊するのだから、これは立派に長い槍だし、攻撃兵器ですよ。けれども、これを防御的な兵器であるからという理屈の中で整備しなくてはいけない」
倉本氏
「そうですね」
反町キャスター
「そういうことになるわけですか?」
倉本氏
「だから、まさにそこですね。だから、そこが非常に大事なところなのですが、要するに、自衛というのは、どこからどこまでが自衛なのかと。地上にロケットを立てたところから自衛なのか、上がったところなのか、あるいは自分に向かってきた時なのか。いろいろな段階があるわけです。アメリカはすぐ準備した段階で自衛的な処置をとりますよね。日本はたぶんとれない。これまでとれなかった」
反町キャスター
「とるべきだと?」
倉本氏
「とる手段を持つべきだと思います。やるか、やらないかは別にして、持つべきだと思う」
反町キャスター
「ただ、そのとる手段を持つべきだ、やるか、やらないかは別にしてと。持つということは、つまり、他国から見た場合、明らかにそれは防御も攻撃もなくて長い槍を持ったということになりますよね?」
倉本氏
「なります」
反町キャスター
「それは日本が戦後歩んできた国防における対外的なイメージ?明らかにそれを少し脱却する、変化させなくてはいけない、そこはどう感じますか?」
倉本氏
「あのイメージと言いますか、先ほど、憲法の話がありましたけれども」
反町キャスター
「そうです、これです」
倉本氏
「占領中に無理やり変えられた憲法ですよね。いや、形は、日本が決めたことになっていますけれども、実態はそれは国際法違反なわけではないですか、だから、そんな憲法もうやめちまえと。平和憲法、平和憲法と言われていますけれども、小学生も読んでもわかるような憲法にしてほしい。憲法の話になっちゃいましたけれども」
反町キャスター
「なるほどね」
倉本氏
「だから、私達は他国を侵略しません、ただ、侵略を受けた時は戦います、そのために軍隊を持ちます、それが平和憲法ではないですか。他の国の平和憲法は皆そうですよ。日本だけですよ、武力を持たないとか、その他、交戦権は認めないとか、余計なことを書いていますね」
反町キャスター
「渡部さん、敵基地反撃能力、どういう思いで見ていますか?」
渡部氏
「いや、本当に自民党、特に当時の小野寺議員を中心として、よくやってくれたと、よくこの提言をやってくれたと、私は本当に感動しているんですね。と言うのは、核抑止の問題があります、それは拡大抑止だということですけれども。私は通常戦力による抑止という概念を打ち出しているんです。通常戦力、科学技術の進展と共に通常戦力でも核兵器と似たような破壊力がある兵器が逐次出てきている。だから、通常戦力を持つことによって抑止をする。その通常戦力というのは、実は敵基地攻撃能力です。弾道ミサイルをさらに強力にした、極高速な滑空飛翔体というのがあるんです」
反町キャスター
「はい」
渡部氏
「これはもうアメリカと中国とロシアが開発をやっています。特に中国はすごく積極的に実験もやって、かなり成功している部分もあるんです。この兵器こそ自衛隊が、僕、敵基地攻撃能力の骨幹として私は持つべきだという。だから、敵基地攻撃能力が実は核抑止と同じような通常戦力の抑止に成り立つということで。その芽は30年度の概算要求で出てきています」

『憲法9条』改正の必要性
反町キャスター
「倉本さんは、この安倍総裁の改正案をどう評価されますか?」
倉本氏
「ちょっと後退してしまったのかなと。もう少しはっきりと書いてもいいのではないかなと思います」
反町キャスター
「具体的には?」
倉本氏
「具体的には2項、少なくとも2項は、要らないのではないかなと。小学生が読んで理解できるような文章にすべきだと思います。先ほどもちょっと申しましたように、自国は、日本の国は侵略をしませんと、でも、侵略をされた時は戦いますと、そのために軍隊を持ちますと、それがはっきり書いてあればいいではないですか、と思います」
反町キャスター
「安倍さんはこの時に憲法学者の中における違憲合憲論というのに終止符を打ちたいと言われました」
倉本氏
「ああ…」
反町キャスター
「さあ、憲法学者以外の世論調査を見ると、自衛隊は違憲ですか、合憲ですかという議論については、世論調査を見ると、僕は国民の間では決着が着いていると思いますよ」
倉本氏
「はい、そうですね」
反町キャスター
「そういう意味で言うと憲法学者の中における違憲合憲の議論に終止符を打ちたいということだけとは言いません、それを主眼に置いた憲法改正、もったいないなと思うという、そんな感じですか?」
倉本氏
「そうですね。先ほども言いましたように、押しつけられた憲法ですので、日本語になっていないような言葉でつくられたような気がしているのですけれども、要するに、読んでもわからない。すごく深い、行間を読まなければわからない。芦田修正とかなんだかんだ言われていますけれども」
反町キャスター
「はい」
倉本氏
「だから、そこらへんはもう少し整理をして、あるものを修正するのではなくて、新しくつくってもいいと思います」
秋元キャスター
「渡部さん、いかがですか?」
渡部氏
「安倍首相が3項の加憲の話をされた時に、あー、そういう手でこられたかと。それは極めて政治的で、しかし、考えてみれば、公明党が加憲を言っているし、公明党を賛成の方向に導くためには、ああよく考えた案だなと私は思いました。とにかく憲法改正というのは、これまで1回もやってきていなかったんです。これを1歩前進させるということはすごい1歩だと思うんですよ。もしも国民の合意を得て加憲で憲法が改正されるのだったら、これは素晴らしいことだと私は思います」
反町キャスター
「でも、渡部さん、憲法改正はすごく政治的なエネルギーを使うので…」
渡部氏
「そうですね、はい」
反町キャスター
「1回やってジワッと動いたから、たとえば、先ほど倉本さんが言われたみたいに、本格的な9条の改正というものが次にあるから、最初はちゃんと変えることを見せようではないかということで、済むものか?」
渡部氏
「うん」
反町キャスター
「次のチャンスはいつ来るのだと?」
渡部氏
「うん」
反町キャスター
「20年後、30年後、100年後という議論すらありますよ」
渡部氏
「はい」
反町キャスター
「そう考えた時に、このチャンスを活かす時にこのぐらいまでしかできない…。この部分というのは、それでも是とするわけですか?」
渡部氏
「これは、加憲というのはすごく大きな進歩だと私は思いますよ。自衛隊を本当に憲法的に合憲な存在として認める、このことさえ担保できれば、私はそのあと本当に変える必要があるのかとさえ思うぐらいの大きな変化です」
織田氏
「私は、倉本さんも言われた、あるいは石破さんが言われる、正論ですよ、正論、そうあってもらいたい。でも、自民党案だったら、あと70年変わりませんよ」
反町キャスター
「でしょう?」
織田氏
「だから、1歩でも前進すればいいという意味で先ほど、渡部さんが言われたように、私は非常にウェルカムですよ」

渡部悦和 元陸将の提言 『進化無限』
渡部氏
「進化無限です。これは私のモットーです。現在北朝鮮の脅威に日本は晒されています。このピンチをチャンスとして捉えて、この大きなピンチを利用して、憲法改正をはかる、敵基地攻撃能力、これも持つ。専守防衛とか、非常にネガティブなものというのを全て捨て去って、日本がまっとうな普通の国に脱皮する、進化をする、その時だというのが、私の進化無限の意味です」

倉本憲一 元海将の提言 『覚醒 ・国連信奉 ・日米同盟 ・まず自分で』
倉本氏
「覚醒としました。国民の人に目を覚ましていただきたい。国連信奉にそろそろ限界があることがわかったのではないでしょうか。それから、日米同盟、これは大切だと。先ほどから何回も出ていますけれども、自助、まず自分でやるべきことをやりましょうということです、以上です」

織田邦男 元空将の提言 『オストリッチファッションからの脱皮』
織田氏
「私はオストリッチファッションからの脱皮と書きました。オストリッチというのはダチョウですけれども、危機が訪れますと、穴に首を突っ込んで見ないフリをして、平和がきたと思っているんですね。これまで日本はそれでやっていけたでしょう。9条にもあるように、9条があるから守ってくれるのだみたいなことを言う人がいる。しかしながら、我々が戦争を放棄しても、戦争が日本を放棄してくれないです。だから、現実に向き合う、現実を直視する。国民的議論でどうするかというのを考える。そういった意味で、オストリッチファッションからの脱皮ということにしました」