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2017年9月12日(火)
猪木訪朝団は何を見た ▽ 北朝鮮脅威と改憲案

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣 自民党参議院議員(前半)
武貞秀士
拓殖大学海外事情研究所特任教授(前半)
岡田直樹
参議院自由民主党幹事長代行 参議院議員(後半)
斉藤鉄夫
公明党憲法調査会長代理 衆議院議員(後半)
階猛
民進党政務調査会長 衆議院議員(後半)
笠井亮
日本共産党政策委員長 衆議院議員(後半)


前編

武貞教授 北朝鮮の『5日間』 外交トップとの『会談内容』
秋元キャスター
「5夜連続でお送りしています北朝鮮暴走の結末。2日目の今夜は9日の建国記念日に合わせてアントニオ猪木議員と共に訪朝され、昨夜帰国されたばかりの武貞教授に北朝鮮の最新情勢と今後について聞いていきます。一方、北朝鮮の脅威が高まる中、自民党内では今日から憲法改正議論が再始動しました。番組後半は与野党の論客を迎えて、憲法9条をめぐる論議のあり方を検証します。武貞さんと猪木さんは北朝鮮の外交トップとも言える李洙?副委員長と会談をしているのですけれども」
反町キャスター
「佐藤さん、猪木さんと武貞さんが一緒に行かれるっていのは、まず行かれたことについてどう感じますか?」
佐藤議員
「昨年の2月に核実験や度重なるミサイル発射を受けて、拉致・核・ミサイルの包括的な課題を解決するという観点から、人・モノ・金の流れを止めるという観点で、日本独自の制裁を課しました。その中の1つに渡航自粛というものがあります。そういう中で今回、訪朝された、非常に残念に思います。特に現在、日本と北朝鮮は国交がありませんから、平壌には日本大使館がございません。万が一、日本人の方が事件とか、事故に遭遇された時に、極めて対応が困難というのが外務省の立場です。そのうえで今回、武貞先生という非常に発信力のある方ですから、特に現在、今回の時期というのは、国連安保理で国際社会が一致をして今回の核実験に対して制裁という新たなメッセージをかけるという、非常に大事な時期の訪朝ということについては全体から見ても残念な感じがしますし、北朝鮮から見れば、武貞先生は非常に発信力がある方ですから…」
反町キャスター
「我々も迎えて、何を聞いたのか、これから聞いていくわけですから」
佐藤議員
「発信力のある方ですから、北朝鮮にとっては非常に北朝鮮のメッセージを伝えてくれるという貴重な存在と、向こうが思ってもおかしくないぐらいの大物ですから。そういう方が今回、訪朝されるというのは、いろいろな面で、我々としては非常に残念に思うという感じは持っています」
反町キャスター
「さあ、武貞さんに李洙?さん、どちらかと言うと朝鮮労働党副委員長と言うよりも前外務大臣という印象の方が我々は強いのですけれども、意見交換の中身について聞いていきたいと思います。まず核・ミサイル、ここまでの進捗状況、開発の経緯について北朝鮮側はどのような説明をしているのですか?」
武貞特任教授
「そうですね、北朝鮮は核開発をするのは自分の生存権を守るためだと。しかし、生存権を侵そうとしているのが、アメリカであり、アメリカがリーダーシップをとって国際社会をそこに巻き込んだのだと。生存権は非常に現在危機に瀕していて、その理由は2つあって、1つは、米韓合同軍事演習が北の生存権を侵している。もう1つ、国際的な制裁がドンドン何度も繰り返されてきていると。この2つによって生存権を侵されているので、さらなる制裁がもし加わるということになれば、核実験の数、ミサイル発射の数が1つ1つ増えていく結果をもたらすだろうと、日本はアメリカよりも北朝鮮に近いということを覚えておいてくださいと」
反町キャスター
「どういう意味ですか、それは?」
武貞特任教授
「つまり、短いミサイルでも日本に届くので、ICBM(大陸間弾道ミサイル)はもうじきできるか、できないか、まだアメリカにはたくさんの弾頭が届く状態ではないけれども、日本には準備完了ですというニュアンスも含まれているわけ」
反町キャスター
「李洙?さんは、そういう言い方をするのですか?」
武貞特任教授
「いや、本来、そうではなくて。昨年は、交流をどのように進めていけばよいかという話を中心に、いろいろ議論をしたのですが。昨年も同じ3時間半ぐらいですけれども。今年は、この間、昨年から今年にかけ、いろいろミサイルの発射もあり、水素爆弾なるものが9月3日に実験が終わったということも踏まえ、昨年よりも非常に厳しい姿勢を、発言をしておられました。また、それに加えて、日本はアメリカよりも北朝鮮に近いということ…、ということで、日本がいつまでもアメリカの政策に追随をしているということについて、北朝鮮の方としては、それは受け入れるわけにはいかない、こういうこともおっしゃっていました」
反町キャスター
「武貞さん、その話は完全に武力による恫喝に聞こえるんですよ。これまで在日米軍の基地を目標にしているという発言はあったかと思います。そうではなくて、日本の一般国民に対して恫喝している。そういう印象でよろしいのですか?」
武貞特任教授
「これは初めての発言ではなくて、李洙?さんが今回、9月8日、9日に初めてされた発言というのは、もっと別の発言。実は、意外と対話に向けての、柔軟な発想を持っておられるなというところが新しい発言で…」
反町キャスター
「どういうことですか?」
武貞特任教授
「今、申し上げた点、日本も…、日本はアメリカよりも北に近いんですよということも含めて、これは公式報道で朝鮮中央通信、あるいは労働新聞でも、日本が迎撃ミサイル、迎撃システムを使用して迎撃する時には、日本の主なる都市は大きな被害を受けるだろうとか、ミサイル迎撃をするのであれば、日本全国は焦土化されるだろうと、これは大量破壊兵器を使わんばかりの言葉ですけれども、これらは労働新聞とか、公式の発言で昨年から随分出てきています」
反町キャスター
「そうすると、言われた新しい部分…」
武貞特任教授
「新しい部分…」
反町キャスター
「これまでの公式見解とは違った味わいの部分というのはどういう発言があったのですか?」
武貞特任教授
「これは1番の肝だから最後のところに持っていこうと思ったのですけど、もう最後にきているわけですか、これは?」
反町キャスター
「いえ、まだ全然最後ではないです」
武貞特任教授
「猪木さんも記者会見でおっしゃっていましたけど、国会議員の訪朝団というような話も出ていて、それについてどう思われますかということに対し、国会議員の訪朝団、これは受け入れるということが可能ですということをおっしゃっておられました。『自民党のある人物ができるだけ早く訪朝したいとおっしゃっていた』『意向に沿うようにしましょう』『議員団の訪朝を考えています』『喜んで』と。これは最後の方でだんだん話をしながら、懇談の席で、決してお酒を飲んで酔っぱらった席ではないですよ、ちゃんとした懇談の面談の、8日の、夕方の席の話ですよね」
佐藤議員
「私も自民党の一員ですけれども、いろいろ話があったように日本を恫喝しているのは北朝鮮です。これまでも確かに米軍基地だけでなくて、東京、あるいはそういう地名まで挙げて火の海にすると、ずっとそういうことを恫喝しながら、ミサイル発射を繰り返しているのは北朝鮮です。そういう状況の中で、こういう形で対話を引き出すために圧力をかけるという段階の中で、自民党の議員がこういう訪朝団で率いて行くというのは、私は非常に考えにくい」
反町キャスター
「でも、誰かが猪木さんに伝言したということですね?そうでなければ猪木さんが言うわけがないですものね?」
武貞特任教授
「それは、猪木さんに…」
反町キャスター
「猪木さんに聞いてみなければわからないということですよね?」
武貞特任教授
「そうですね」
反町キャスター
「一方で、李洙?さんの来てください、喜んでお迎えしますというこの発言。北朝鮮から見た時に、アメリカより日本がうんと近いことを忘れちゃいけないよと言いながら、来てくださいと。このバランスはどう受け止めたらいいのですか?」
武貞特任教授
「いや、そのバランスというのは、ちょっと顰蹙を買う表現だと思いますけれども、北朝鮮流の対話と圧力路線ではないですか」
反町キャスター
「日本に対する?」
武貞特任教授
「そう、そう。どこの国も軍事と外交というものは絡ませていますよね。これは佐藤先生が防大時代からずっと考えてこられたことで。外交は外交、外交をやっている時、軍事やめなよねとか、外交の関係がいい時は軍事力を削減していきましょうねというのは日本人的なナイーブな発想であって、どこの国も、アメリカも、中国も、韓国も、対話をすると同時に、軍事力をせっせと磨いているわけで。だからこそ外交で相手を説得する時に言葉に力が出てくるという発想を持っているのですけれど。なんだ、対話の提案をしたら、喜んでと答えた北朝鮮が、かたや日本はアメリカよりも北に近いですよと恫喝をしていると。信じられないその言葉は、と言ってしまうのではなくて、我々式の対話と圧力、対話か圧力ではなくて、対話と圧力路線を持てば、皆が同じ舞台で、同じリングでそれぞれの国益を表に出して接点を探し出すことができるわけですね。そういう意味で、私は彼らなりのやり方なのだろうと思います」
佐藤議員
「ただ、それは冷静に聞くと、北朝鮮が軍事力を使って、日本に対して、核・ミサイルというものの実戦配備の中で、この自民党の議員を呼んで対話をしようというのは、向こうの外交、軍事力を背景にした外交に我々が屈してしまうと。ましてや拉致問題も解決しない中で、これはどう考えても向こうの方に利があるというものに乗ってしまう感じがしますよね」
武貞特任教授
「ただ、拉致問題も、拉致問題が、これだけ未解決で膠着状態であるからこそ私は以前から連絡事務所を平壌に設置して、1週間の拉致問題に関する調査活動の報告を直接、自分達に話をしてください、という連絡事務所を平壌につくって、1週間刻みで問いただしていくという直接対話、これが必要だったと、私は3年前から自民党の機関紙に連載して書いたんですよね」
佐藤議員
「私も拉致対策の方でいろいろ絡んでいますけれど。拉致被害者の家族、家族会というのがあります、家族会の方々も、現在は対話の時期ではなく、圧力をかけるべきだというのが、拉致被害者の家族の方も我々と同じ考えですので。こういう形の向こうの誘い、恫喝に乗るべきではないと私は思います」

『制裁決議』効果と反応
秋元キャスター
「日本時間の今日ですけれど、国連の安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議案を全会一致で採択をしました。原油の供給について、過去1年間の総量以内。石油精製品調達について年間200万バレル以内。天然ガスや副産物については輸出禁止。公海上の船舶検査は北朝鮮の同意によると。繊維製品の輸出は禁止。さらに出稼ぎ労働者の受け入れは原則禁止と、こういった内容になったのですけれども。武貞さん、北朝鮮はこの制裁決議についてはどう受け止めているのでしょうか?」
武貞特任教授
「厳しい制裁が下ったと受け止めているでしょう。ただ、北朝鮮にとって致命的ではないと理解しているでしょうね。中国・ロシアが9日間で同意してしまったということについても比較的緩い制裁で終わったというふうに。比較的と言うのは、厳しい制裁だけれども、原油の禁輸と、石油の禁輸というところまでいかなかったということで。やむを得ないかなと、こうなって、これが実行されてでも、北朝鮮は核開発を続けていくという決意はおそらくしているでしょうね、北朝鮮の人達は。1番のダメージというのは、出稼ぎ労働者…」
反町キャスター
「原則禁止ですね」
武貞特任教授
「新たに8 月の制裁は増やしてはいけない、新たに派遣してはいけないとなっていたのですけれども、今回のこの文言は、現在いる人達、だいたい3年間ですよ、外国で労働をやるのは。3年経ったら本国に帰って次の同じ人数がまた来るわけですけれど、同じ人数が今度来る時に、更新をして新規に契約をするわけですけれど、それを禁止するということは3年後にゼロになる可能性がある」
反町キャスター
「減っていくということですね?」
佐藤議員
「ビザ発給できないことですよね」
武貞特任教授
「そうですね。それと繊維の輸出、これは日本円で830億円ぐらいの損失になりますよね。これらは北朝鮮の外貨獲得のダメージになるでしょうね。ただ、原油については200万バレル以内、だいたい27万トンぐらいですか、北朝鮮は多い時150万トン、中東、ソ連、旧ソ連、中国から輸入していたのに比べると、年間マキシマムが27万トンというのは相当低い数字なのでしょうけれど。ここで注意しなければいけないのは、これは誰もまだ指摘していないことだけれども、輸出、他の外国の北への輸出する原油は200万バレル以内と言ったでしょう、中国が無料で差し上げますというのは…」
反町キャスター
「ODA(政府開発援助)は別なんですよ」
武貞特任教授
「輸入と輸出、全然違うではないですか。50万トンは、確実に川底から北朝鮮に流れているものはこの事項に当てはまらないということを考えると、トータルで80万トンぐらいは流れ続ける可能性がある。そうすると、必要にして十分とは言いませんが、兵糧攻めに遭ったなという状態ではない」
反町キャスター
「そこですよ」
佐藤議員
「ただ、今回の安保理決議というのは、目的は北朝鮮の政策を変えることです。政策を変えるためにこれまでにない高いレベルでの圧力をかける。この前の8月の5日に出された決議2371と今回出された2375、両方合わせたら、これはかなり北朝鮮にとっては効く内容だと思います。特に現在、武貞先生が言われたように繊維製品、これと8月5日の制裁、鉄鉱石・石炭・海産物と合わせると、北朝鮮の輸出の90%、まさに9割が禁止されたんです。外貨収入でも非常に厳しいし、出稼ぎ労働者もいずれゼロになりますから、ビザの発給がない、これは5億ドルの外貨が入らないということになります。今回初めて、原油とか、石油・天然ガス等に触れたというこのメッセージ性は大きいし、ここに書いていませんけれども、最後にさらなる核とか、ミサイル発射をやれば、さらなる制裁を課すという決意を皆で合意したと。今回いろいろなメニューが出ました。次にやったらさらにこれまでよりも強い段階の制裁を課すぞ、ということも最後に書いていますから、これは結構大きなメッセージ。また、制裁というのは時間がかかります、効果が出るのに。今年の8月5日、で、今日、これからドンドン期間が過ぎる、時間が経つに従って、しっかりこれが実行できれば相当、私は効くと思います」


後編

北朝鮮危機と憲法改正 与野党論戦『9条』と平和
秋元キャスター
「ここからは北朝鮮の脅威と憲法9条の改正について聞いていきます。まずは北朝鮮の脅威が高まる中、今日午後3時から暫く止まっていました自民党憲法改正推進本部の全体会合が再開されました。岡田さん、今日は憲法9条を中心に話し合われたそうですが、どういった内容になったのでしょうか?」
岡田議員
「今日は9条、自衛隊に関する2回目の全体会合、党所属の国会議員なら誰でも参加できる、いわゆる平場の会議が開かれまして。憲法9条の1項、2項をそのまま維持しながら自衛隊を明記するか、あるいは2項も含めて、もっと抜本的に改正を目指すかといった意見交換が行われて。今日は保岡本部長、高村副総裁という、いつもの、トップのメンバーの他に、二階幹事長、竹下総務会長、それから、岸田政調会長もフルメンバーで出席されて。北朝鮮情勢の緊迫を受けてか、非常に多くの議員が参加をして熱を帯びたと」
反町キャスター
「会議の頭撮り、カメラが入ってやる部分で、その中で保岡さんはこういう話をされています。次回、今回は2回目ですから『次回3回目の議論では、皆さんに案文を示しながら先に進めたい』と、これは9条の話ですよね?」
岡田議員
「そうです」
反町キャスター
「会議の終わったあとのぶら下がりでは、記者団に対するインタビューです、保岡さんはこう言っています。スケジュール感、これは前提として安倍総理が先日、『スケジュールありきではない』と総理会見で言いました。保岡さんはどう言うのかと思って記者団が質問したところ、スケジュール感として『目標として取り下げる必要は毛頭ない』と。つまり、来年の通常国会で憲法改正発議を目指すのだという話をされています。ここから聞いていきたいのですが、自民党は、総理が『スケジュールありきではない』と言った中で、次の会で早くも案文を示しながらの議論に入り、通常国会における憲法改正発議を目指している、これでよろしいのですか?」
岡田議員
「案文というよりは叩き台と思っています」
反町キャスター
「なるほど」
岡田議員
「ええ。各党の先生方に叩いて揉んでいただく…」
反町キャスター
「各党?まず自民党内で決めなくてはいけないから」
岡田議員
「そう。自民党の中でまず議論を尽くすわけですけれど、それを早く具体的なイメージの湧く、そういうものを叩き台として示さないと。これは衆参の憲法審査会等で議論をしていただくし、また、国民の皆さんも参加して、この憲法改正の議論をしていくためには、早目に具体的な叩き台を出して、それで党内の議論も進めていこう、そういうことを保岡本部長は言ったのだと思います」
反町キャスター
「次回で案文を出そうと。そのうえでこれはどうなのですか?通常国会での憲法改正発議?」
岡田議員
「うん」
反町キャスター
「これを目指している?」
岡田議員
「はい」
反町キャスター
「『スケジュールありきではない』と言った総理の発言との整合性、どう見たらいいのですか?」
岡田議員
「安倍総裁は『スケジュールありきではない』と言いました。それでこの間、高村副総裁が外遊中に次の臨時国会で原案をできれば出したいと、それで次の通常国会で発議したいと報道されたので、私もアレッ?と思ったんです。総裁がスケジュールありきではないと言っているのに、副総裁はスケジュールありきのような話を報道の方にされたというので。今日、私も元新聞記者ですので副総裁に取材をしました。そうしたら、それはスケジュールありきではなく、これは叩き台というものをできるだけ早くお示しをして、それで議論も進めて、目標として次の通常国会という思いはあるけれども、それは各党との丁寧なお話というものも必要だし、国民の皆さんの…」
反町キャスター
「この発言もその程度…」
岡田議員
「『毛頭ない』というのはちょっと保岡本部長も少し言葉が強く出たのだと思います。目標としては掲げてはいるけれども、スケジュールありきではないというのは総裁も副総裁も本部長も共通していると思います」
反町キャスター
「いや、スケジュールありきでないとしたら、こういう言い方はしない…。笠井さん、自民党の中の現在の議論の進め方は?」
笠井議員
「私は、国民の皆さんの中でどこをこう変えようという、9条も含めてですよ、そういう多数の意見はないと議論はないと思うんです。むしろ安倍政権、安倍首相の下で改憲を求める声というのは減ってきているぐらいではないかと思うぐらいなので。それで9条についても、今日も議論があったということですけれども、9条改憲ということでも、どうするかといろいろな異論や、それから、反対論がある、自民党の中でもあると。ともかく9条を変えたいという話で、どこをどう変えたら国民の皆さんから受け入れられやすいのかみたいな、そういう形での探っているということではないかと思うので。先の都議選の結果で憲法を破って9条改憲を狙うという安倍首相の発言があり、その安倍政権に対して審判が下ったということを重く自民党は受け止めるべきだと思うんですよ」
反町キャスター
「斉藤さん、公明党は連立与党として自民党の憲法改正論議をどういう思いで見ているのか?そして今日の保岡さんの発言、総理の先日の『スケジュールありきではない』という発言と、これは意味するところはほぼ等しいという、岡田さんの発言がありましたけれども、なかなか文字面だけを見ると一致しているように見えない中で、自民党の憲法改正論議、中の進め方、どういう思いで公明党は見ているのですか?」
斉藤議員
「まずそもそも論を最初に申し上げますと憲法論議は与党という枠組みは関係ありません」
反町キャスター
「失礼しました」
斉藤議員
「国会の中で議論をして国会が発議をするものです。与党の枠組みというのは、政府を構成する、そのことの意味です。憲法論議はそういう意味では法律と違って政府として、与党として提案するというものではありませんので。ある意味で、この国会の中で第1党である自民党さんがどういうふうに議論を進めていかれるのか、他の党は現在、固唾を飲んで見守っているというところだと思います。私はこういうふうに国民議論を巻き起こす形で、自民党さんにもいろいろな意見がある、そういう議論を始められる、先ほど、平場という言葉を使われましたけれど、オープンの場で皆が議論を戦わせる、それを国民が見ている、それによって国民議論が盛り上がっていくのは非常に大切なことではないか、このように思います。国民的な世論の盛り上がりがあって初めて憲法改正というのは進んでいくわけですので、そういう意味では、スケジュールありきではないと我々思っていまして、国民世論の盛り上がりが進むように国会でもしっかり議論をしていく、そこにはスケジュール感というものを置いてはいけないと我々は思っています」
反町キャスター
「斉藤さん、憲法改正論議は与党の枠組みではないと言いました」
斉藤議員
「はい」
反町キャスター
「よく言われる、安倍政権は衆参で3分の2を持っている、改憲勢力が衆参で3分の2を超えていると、この議論があります。斉藤さんの現在の話だと改憲勢力が3分の2いっていないことになるんですよ。公明党と自民党が改憲勢力として一体で見られることを拒否しているように聞こえます。ここはどうなのですか?」
斉藤議員
「いえ、我々、それを拒否しているわけではありません」
反町キャスター
「拒否していない?でも、与党の枠組みではないのでしょう?」
斉藤議員
「憲法は、従いまして、我々、私もいつも言っていますけれども、幅広い合意が絶対必要です。与党だけで提案したら絶対失敗します。今回、憲法審査会の海外調査団が行って、ヨーロッパでの国民投票での教訓を学んできました。その教訓の第1はまさに、いわゆる政権の枠組みで提案したものは政権の評価につながってしまって、いわば中身が議論されることがあまりなかった、その結果失敗した、こういう結論でした。従いまして、私は与党・野党と言うよりも少なくとも野党第1党を…」
反町キャスター
「そう、それを前から斉藤さんは言いますよね」
斉藤議員
「…含んだ、一緒に発議をすると、こういう態勢ができるまで、じっくり議論を進めていく。それがなければ憲法改正は、失敗するのではないか。急いではいけない、急がば回れ」
階議員
「斉藤先生のおっしゃることは、まさにその通りだと思っていまして、数の力で憲法改正をするということは将来、仮に政権交代が起こった時に、また逆の現象が起こり得るということですから。国の基本法である憲法は、時の政治権力を握った政党によって簡単にあっちいったり、こっちいったりするというのは、非常に問題なので。そういったことが起きないようにするためにも、野党第1党である我々の賛同を得たうえで憲法改正に臨むというのが正しいやり方だと思います」
反町キャスター
「岡田さん、そうした中、今日の憲法改正本部が終わったあとに、石破さんがこういう発言をしているんですよ、『安倍総裁が改憲案をおっしゃってこういう議論になってるんでしょ。その話を誰も聞いたことがない。総裁として考えをお述べいただくことがより議論を充実させることになる』。僕はなるほど、そういう意見もあるのだろうなと思うわけですよ。ただ、石破さんがこう言っている傍ら、保岡さんはこう言っている。では、こっちがちょっと急いでいるように見えるし、石破さんは急いでやるなよと言っているようにも見える。どういう話に今後なっていくのですか?」
岡田議員
「安倍総裁は内閣総理大臣でもある。それで、この憲法の議論は党に任せると、現在、言っているわけです。ですから、このタイミングというのはなかなか難しいと思うんです、直接、説明という。しかし…」
反町キャスター
「必要に応じて説明に行くような話をされませんでしたか?安倍さん、会見で…。それは総裁としてそういう発言を5月3日の発言も総裁発言なのだから、総裁として党のこういう場に出向いて行って話を、自分はこう思っているとビデオメッセージだけで党の機関が動いていくというのもちょっと変な感じがしませんか?」
岡田議員
「うん。ですから、本部長含め、これからそういうタイミング、いつ設けるかということも考えていくのだと思います。ただ、石破先生の24年草案という自民党が野党時代につくった、かなり石破先生の思いがこもった案は、これは自民党の中で党議決定もされているわけですよね、党の案になっているわけです。それを我々は憲法審査会とか、国会の場にそのまま出すつもりはまったくないですけども、もともと。しかしながら、9条の部分はもうできちゃっているわけですよ。それに比べて、現在の9条を一切触らず、そこに自衛隊を明記する…」
反町キャスター
「安倍総裁私案の方ですよね?」
岡田議員
「そう。そこはまったくまだイメージも、叩き台もないわけです。ですから、比較して比べて議論をしようという材料としてはこういうものが必要だろうと、そういう意味で本部長は言ったのだと思います」
反町キャスター
「自民党の憲法改正推進本部、次のテーマはおそらくこれになるだろうと。安倍総裁が提案した憲法9条の改正案というのが、安倍総裁私案というやつですね。1項、2項を残して自衛隊の明文化というのを加えようというのが提案の内容です。平成24年の野党時代の自民党がつくった憲法改正草案における9条というのは、平和主義、自衛権の明記、国防軍の保持、領土の保全等、というのをガチッと組み込んだ、そういう自民党の改正草案がもうあるわけですけど。岡田さん、今後の自民党の中における憲法改正の9条に関する論議、これは完全に安倍総裁私案だけを議論していくことになるのですか?」
岡田議員
「そうではないと思います」
反町キャスター
「具体的には…、どうぞ」
岡田議員
「具体的には、先ほど叩き台をつくろうと言った、私案と言うか、安倍総裁が示した方向性、これは平和主義、戦力の不保持、交戦権の否認、これは堅持して、しかし、それとまったく矛盾しない自衛隊というものがかりそめにも違憲ではないかと憲法学者の方々が言われるような、そういう状況というのが何十年も自衛隊ができて以来続いているわけですね。それは自衛隊のがんばっている皆さんにとって立つ瀬のない話だと思いますし、日本の国を、国民を守ってくれて、これは明文化し、長年の、いわば神学論争に終止符を打たなくてはいけない。それと同時に24年の草案というものを、これはなかなか私はハードルが高いものだと思います、国防軍という…」
反町キャスター
「この2つを比較検討していくのですか?どちらにしようかをこれから自民党の中で議論していくのですか?それとも足して2で割るのですか?」
岡田議員
「足して2で割るということはなかなか難しいと思いますね」
反町キャスター
「割れないですよね?ちょっと無理だと思いますよ」
岡田議員
「比較してどちらが現実的か?あるいは抜本的にやれと言う方もいらっしゃるでしょうけれども、議論を尽くして、やがて収斂をしていく。そうすると、その方向性が、先ほど、与党野党というのは関係ないというお話がありましたけれども、もちろん、公明党さんをはじめ、民進党さんにも、共産党さんにも、そういう意味で、憲法論議は与野党ないわけでありますから、しっかりとご相談をして対話をしていきたいと思っています」
反町キャスター
「前原さんは前回の代表選の時に1項、2項を残して3項か別の形で自衛隊の明文化というものを入れてもいいのではないかということを代表選の最中にも話されました。そうした中、今回の安倍さんの私案なるものは、前原さんのかつて言ったことと外形上は非常に似ているのだけれど、民進党はこの安倍私案が出てきた時にどういう対応をするのですか?9条についての今後の民進党の意見集約のプロセスはどうなっていくのですか?」
階議員
「まず岡田先生のおっしゃった話を前提にすると、自衛隊の明文化ということをする意味は、違憲という考え方があるので、それを払拭したいということをおっしゃられたわけですね。その論法からすると、先般問題になった集団的自衛権の限定行使を容認する、こちらは…」
反町キャスター
「安保法制ですね?」
階議員
「安保法制ですね。違憲だと言う方、憲法学者だけではなくて非常に多かった、これは手つかずでいいのでしょうか?」
反町キャスター
「その質問、いかがですか、どうですか?」
岡田議員
「あれだけ議論を尽くして平和安全法制というものが国会で成立した以上は、それは憲法違反ではないと我々は考えているわけです」
反町キャスター
「なるほど」
階議員
「そこに手をつける必要がないというお考えであれば、自衛隊違憲論というのは少数説なわけですよ。であれば、自衛隊の明文化というのをなにも取沙汰する必要がなく、我々も憲法改正の議論を避けるつもりはないのですけれども、9条よりも前に、自民党さんでも教育の無償化の話とか、あるいは合区を含め、選挙区のあり方とか、地方自治…」
反町キャスター
「解散権の制約とかを先にやりたいのではないのですか?」
階議員
「我々の議論の中では、党内ではそういう議論もあります」
反町キャスター
「9条というのは民進党の現在の状況から言うと、優先的な順位は非常に低い?」
階議員
「前原代表もそういうことを言われていたと思います。優先順位は、現在は低いということです」
反町キャスター
「笠井さん、いかがですか?安倍私案というのは共産党から見るとどう見えるのですか?」
笠井議員
「これは現在ある自衛隊を憲法上ただ書き込むということに留まらない、追認することに留まらないと思うんですよ。1番の危険というのは、この9条に自衛隊を書き込んだ途端に9条2項が空文化・死文化するということで、海外での武力行使、文字通り無制限になっていくという問題があると思うんです。現在、安保法制の話が出たのですが、昨年、安倍政権が強行した安保法制ですけれども、自民党も憲法上できないと言っていた集団的自衛権の限定行使と、これを容認するということをしたものであって、9条2項と相容れないと思うんですね。そういう点で言うと、既に南スーダンに派兵したような自衛隊に危険な任務を与えるというようなことがありましたけれども、海外で戦争できる自衛隊に変えてしまっているということがあって。そういう自衛隊、現在の自衛隊を例外扱いにして9条に書き込んだ場合、それは安保法制を今度は合憲化するということで、何の制約もなく、無制限に海外で武力行使できるということで、歯止めがなくなる、こういう重大な問題があると思っています」
反町キャスター
「斉藤さん、公明党は安倍さんの9条改正私案についてはどういう評価をされているのですか?」
斉藤議員
「はい、我々は加憲と言ってきました。それで…」
反町キャスター
「だから、これは加憲、加憲だと…」
斉藤議員
「はい、公明党の議員の中にも9条第1項、第2項を堅持したうえで、自衛隊に対してのこれまでの議論の積み重ねによる解釈を堅持したうえで、自衛隊を憲法の中に明記するということはあってもいいのではないかという意見と、いや、既に自衛隊の合憲性は国民にほぼ認められているし、その必要は敢えてないという意見と、両方、正直言ってあります。今回、この憲法9条の議論を進めていくうえで、安倍総裁私案の議論を、自民党さんの議論、我々も見守っているのですが、我々として1番注目をしたいのはこれまで70年間積み上げてきた憲法9条の解釈、2年前のあの安保法制で、現在の憲法9条で取り得る自衛の措置の限界を明確にしました。その中には、確かに国際法的には集団的自衛権と言われるものもあるかもしれないけれども、しかし、専守防衛という考え方の中で十分、これまでの憲法9条の解釈、その論理の中に入る、もっと端的に言えば、昭和47年に自衛隊は合憲であるということを明確にしたあの論理の中に当然入り得るものだと、という形で自衛の措置の限界を明示しました。今回の新たな議論がその限界を超えるものであってはならないと」
反町キャスター
「超えるのかというと、これはどうなのですか?明文化と言うと、ただ単に違憲・合憲論争に終止符を打つだけだとすれば、安保法制のスキームに影響するような話ではないようにも聞こえますし、たぶん共産党に聞くと、いや、明文化することによって、自衛隊の活動領域がワッと広がるリスクがあるのだと、こういう話になるんですよ。斉藤さんはどういう立場をとるのですか?」
斉藤議員
「もちろん、あの時に決めた、限界を超えるようなことがあってはならない、そういうことが明確になるような文章でなければいけないと思いますし、そういう議論、実はどういう言葉を使って、どういう文章にするかによって、超える可能性がある場合があるというので、そこはしっかりと我々も議論を見ていきたいと思います。それが限界を超えないということが、第1の条件だということです」
反町キャスター
「超える可能性があるという、公明党内でも意見があるわけですよね?」
斉藤議員
「その文章のあり方によってはですね」
反町キャスター
「そういうことですよね?」
斉藤議員
「はい」
岡田議員
「だから、9条本体を超えるものでもないし、平和安全法制を超えるものでないと…」
反町キャスター
「それは確定しているのですか?」
岡田議員
「ありのままの、自衛隊の姿を書き込むべきだと、そういう議論が多いですね」
階議員
「でも、出発点が、平和安全法制そのものが合憲か、違憲かというところから、この問題というのは議論をすべきで、平和安全法制は合憲だということを前提に、それを超えてはならないかどうかというのはちょっと議論が先走り過ぎている気がします」
斉藤議員
「議論で、明らかに論理的に、これは合憲であるというのは、あの時に確認されたこと、国会が確認をしたこと」
階議員
「であれば、自衛隊の明文化というのは、もっと必要ない話になりませんか?」
反町キャスター
「そう。そうなっちゃう。何のためにやるのかと、この話になってくる。そうすると、斉藤さん、公明党がそういう懸念を持っているということは、先ほど、憲法改正するのであれば、与党の枠組みではないと言いながらも、野党第1党も含めた少なくとも、最低、野党第1党までを含めた合意が必要だという前提に立つと、来年、今年あるかもしれないけれども、来年の末までには総選挙があるわけですよ。総選挙に向けて落ち着いた憲法の議論ができる環境だと考えますか?」
斉藤議員
「いや、私どもは憲法審査会で国政選挙と憲法改正の国民投票と、これを一緒にしてはならないと言ってきました。あくまでも憲法改正というその中身について静かに議論できる、また考え、投票できる、そういう環境の中で行うべきだということを言ってきましたので。総選挙がこの1年半の中にはあるという状況の中で、発議するという環境にはないと我々は思っています」

岡田直樹 参議院自由民主党幹事長代行の提言 『北には圧力で憲法は対話で』
岡田議員
「北には圧力で憲法は対話で。番組の前段にもあった北朝鮮経済制裁、現在、圧力である程度いくべき時だと思っています。その一方で、憲法、これはしっかりと与野党を超えて各党で対話をし、国民の皆さんとも対話をしていきたいと思っています」

斉藤鉄夫 公明党憲法調査会長代理の提言 『幅広い合意による発議』
斉藤議員
「幅広い合意による発議ということで、憲法はいったん決めれば、50年、100年と続く国の基本法です。従いまして、ほとんどの国民が納得をする、そういう形で国民投票で決めるべきだと、このように思います。同じことをまた申し上げますが、野党の皆さんも加わったような発議になるような国会議論、審議を憲法審査会でやっていきたいと思います」

階猛 民進党政務調査会長の提言 『国民と共に進む』
階議員
「発想は似ているかもしれませんけれども、根本的に考えれば、憲法を制定する力は国民が持っているわけで、改正するのも国民の力です。ですから、国民が何を求めているかということをよく我々は聞き取って国民と共に進むという姿勢が大事なのではないかと思います」

笠井亮 日本共産党政策委員長の提言 『安倍9条改憲NO』
笠井議員
「安倍9条改憲NOと、ズバッといかせていただきましたが。今日の議論でも、憲法を変えるという本丸は9条という話になるのだろうと思うのですが、あの戦争を体験した日本国民とすれば、2度とあの惨禍を繰り返させてはならないということだと思います。その反省のうえに立って、9条ができ、憲法ができたと。2度と再び戦争をする国にしないという決意を込めて、このことを強く向き合うという点では肝に銘じていきたいと思っています」