プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2017年9月8日(金)
『山本一太×飯島勲』 北朝鮮VS米中の発火点

ゲスト

山本一太
自由民主党参議院議員
飯島勲
内閣官房参与
朱建榮
東洋学園大学教授

山本一太×飯島勲×朱建榮 『北朝鮮VS米中露』の発火点
松村キャスター
「昨日まで、ロシアで東方経済フォーラムが開催され、挑発行為を繰り返す北朝鮮への対応について各国首脳が話し合いました。これまで幾度となく軍事的挑発を繰り返してきた北朝鮮の思惑とは何なのか。アメリカ・ロシア・中国・韓国・日本と北朝鮮を取り巻く国々は、この脅威にどう対峙していくべきなのか。出口が見えない北朝鮮問題について徹底検証します。今回、ロシアで行われた東方経済フォーラムでは3か国による首脳会談が行われて、挑発行為を繰り返す北朝鮮への対応について協議されました。プーチン大統領の発言を見ますと日露首脳共同記者発表では『北朝鮮へは政治的・外交的手段でしか解決しないという立場を安倍総理に伝えた』とし、東方経済フォーラムの全体会合では『北朝鮮は核開発をやめない。彼らはイラクのことをよく知っている。北朝鮮にとって核・ミサイルが自分を守る唯一の方法だ』と述べました。飯島さんはこの東方経済フォーラムに参加されて、この共同記者発表の場にもいたということですけれども?」
飯島氏
「ええ、プーチンさんのこの概要の発言を、私、聞いていたら、何かと言ったら、モンゴル・北朝鮮・韓国、シベリア、もちろん、キーパーソンというか、日本がかかってきますが、たとえば、日本海の不凍港は、前もここで話したのですが、羅津港しかないんですね。ロシア側の方の港湾施設は、冬は凍って使えない、3、4か月間、でありますから、港湾、それから、鉄道、を全部つなげて少なくとも最低限、モンゴル・北朝鮮・ロシア、できたら韓国もシベリア鉄道をつなげるために大統領は、北朝鮮を通らなければいけないんですよということまで、昨日発言しているんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
飯島氏
「そういう意味では、相当、羅津港にもシベリア鉄道をつなげるとか、いろいろやってきていますから、そこらへん先を見たことだと…」
反町キャスター
「そうすると、プーチン大統領は北朝鮮も取り込んだ形での経済連携、極東アジアにおけてですよ…」
飯島氏
「そうです」
反町キャスター
「それがとにかく1番大切だから?」
飯島氏
「ええ」
反町キャスター
「それが全部、吹っ飛ぶような、武力的な衝突とか、そういったものは避けたい?それがロシアの本音だと、こういう理解でいいのですか?」
飯島氏
「ええ」
反町キャスター
「飯島さん、そうすると、プーチン大統領のこの発言、政治的・外交的手段でしか解決しないと言っているプーチン大統領と、対話と圧力で言えば、現在は圧力だと言う安倍さんの立場は両方ともすぐ武力行使をするべきだとは誰も言っていないわけですよ?」
飯島氏
「うん」
反町キャスター
「でも、圧力を強めるべきだと言う安倍さんの言い方と、現在は政治的・外交的手段でしか解決しないぞと言うプーチン大統領…」
飯島氏
「いや、これは…」
反町キャスター
「違うのですか?同じなのですか?」
飯島氏
「いや、これは1つのアンサーですけれども、各国、韓国・ロシア・モンゴル、全部、安倍総理の発言と力強い圧力というか制裁、これは皆、賛同しているんです。賛同していることの土台のうえで、これを言っているんですね」
反町キャスター
「あっ、そう見た方がいいのですか?」
飯島氏
「はい」
反町キャスター
「今日の新聞各紙を見ていると、安倍・プーチンの間で隔たりみたいなのが結構色濃く…」
飯島氏
「いや、僕はない」
反町キャスター
「違う?」
飯島氏
「違います。率直に言って、はい」
松村キャスター
「続いて韓国ですけれども、韓国の文在寅大統領の発言です。先月29日、『速やかに非核化のための対話の道に出なければならない』とこのように話していまして、対話路線を強調していましたが、核実験後はトーンが変わりまして昨日行われた日韓首脳会談で『今は対話ではなく最大限の制裁と圧力を加えるが、究極的には平和的方法で解決したい』と、制裁と圧力強化、これにも言及するようになったんですね。この文大統領の発言の変遷を山本さん、どう見ていますか?」
山本議員
「そうですね、究極的に平和的方法で解決したいと言うのは、これは当たり前であって。これはプライムニュースでも何度か朝鮮半島問題専門家の方と議論をしましたけれども、もともと進歩派の人達の考え方自体が、これは黒田さんも言っていたように、韓国で保守かリベラルかを分けるというのは北朝鮮政策です。進歩派の人達は民族主義者なので、とにかく大国の介入を阻んで、自分達が朝鮮半島の運命を決めるという人達なので、もともと最初から対北融和です。もともと首脳会談をできればしたいと思っている人達なのですが、その状況の中であっても、現在のこの度重なる金正恩委員長の挑発の前に、さすがにもう文在寅大統領も、現在は圧迫であると、対話をしたいけれども、現在は圧迫であると舵を切っています。何人かの有識者、あるいは現在、文在寅政権の側近、大統領側近と呼ばれる人達とも、中身は言いませんけれども、会って話をしてきましたけれども。皆が言っていたのは、文在寅大統領、親北・反日みたいに思われているけれども、違うと。理念の面から言うと、廬武鉉大統領を引き継いでいるけれども、どちらかと言うと手法は現実主義者、リアリストだった金大中大統領に近いと言っていましたから」
反町キャスター
「なるほど。僕らが引っかかっているのは、この文大統領の最後の発言、『究極的には平和的方法で解決したい』、まだこれを言うのかという。そこの部分はあまり気にしなくて、韓国はTHAADも配備したし、追加の配備も求めるようだし、対話路線・対北融和路線にまた先祖返りするリスクというのはもうないと思ってよろしいですか?」
山本議員
「いや、先祖返りではなくて、これが文在寅大統領のソウルなんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「もう1回言いますけれど、進歩派の人達は、朝鮮半島の問題は自分達が主導して解決したいと。だから、秋美愛・共に民主党代表が何度も言っていたように、操縦桿は私達が握りたいと。これは無理です、かなり。しかし、それが文在寅政権のハートなので、ここはもうソウルです。どの道、このあと、アメリカの軍事攻撃があるのかどうか、飯島さんのご意見とか、朱先生のご意見も聞けると思うのですけれど、とにかくアメリカが軍事行動を起こした時に、最大の被害が出るのは韓国ですから。これは当然、頭の中にあって、朝鮮半島で戦争が起きれば、それは最も被害を受けるのは韓国ですから、それはソウルとしては変わっていないと、魂は。そう思った方がいいと思います」
松村キャスター
「トランプ大統領は7日会見して『アメリカ軍はかつてなく強く装備は最新だ。北朝鮮に対し、我々が軍事力を使わないことを望む。もし使えば北朝鮮にとってとても悲しい日になる』と北朝鮮を牽制しています。山本さん、アメリカが軍事行動に踏み切る可能性をどのように見ていますか?」
山本議員
「なぜアメリカは軍事行動を起こさないのか。最大の理由は同盟国である韓国と日本が大きな被害を被る可能性があるからですよね。たとえば、アメリカがいかに空軍力で優っていたとしても、最新兵器を使っても、おそらく全ての核施設を破壊できない、あるいは38度線に集中している北朝鮮の火砲軍、ロケット砲とか、長距離砲は、だいたい1時間で10万発ぐらい撃てるわけだから。最初の攻撃で、たとえば、10%でも残存勢力があれば、どの道、ソウルは大被害を受けるわけですよね。同時に、日本にもミサイルが飛んでくる可能性が高い、だって、在日米軍(基地)から来援するわけですから。だから、それを考えたら、まずできないだろうというのが1つ。もう1つは、これもよく言われていることですけれど、現在、韓国には20万人のアメリカ人がいる。この人達を犠牲にして、たとえば、ピッツバーグと同じぐらいの人口ですから、この人達を危険に晒したままで、なかなか攻撃はできないだろうと。たとえば、この番組に出た、元国務省の日本部長の…」
反町キャスター
「メアさん?」
山本議員
「メアさんが、いや、それはアメリカ軍を南に少しソウルから移動するという話も出ていると。でも、それをやった瞬間に韓国経済は終わりですから。これはもうやるぞと北朝鮮に示すことになっちゃうので、これもなかなかできない。それと、もう1つ、今日は朱先生に是非お聞きしたかったのですが、当然、ロシアと中国は反対をする。アメリカにとって最大の悪夢は中国が介入してくることですよね。ロシアはもちろん、これも釈迦に説法ですが、たとえば、核大国であり、サイバー攻撃の技術、宇宙空間についてはもちろん、先進的な技術を持っていますけれども、それは国力から言ったらちょっと中国にとても比肩し得るような状況にないので。中国は、これも朱先生はよくご存知の通り、人民日報の海外版と言われている環球時報、これで最近、政府と違うことをわざと言っているように見えるのですけれども、当然、共産党の検閲が入っていると思うんです。環球時報で1か月ぐらい前の記事だったと思うのですけれども、朱先生はよくご存知だと思うのですが、中国は、たとえば、北朝鮮が攻撃してくるような時は静観するみたいなことで、しかし、米韓合同軍が先にやった時には介入するということを、環球時報で言っている。だから、中露がこれを、絶対に崩壊を許さないだろうと思っていたのですが、でも、いろいろ韓国で軍事専門家、あるいはキーパーソン、特に北朝鮮情勢に詳しい人達と話をしてみるとアメリカの現在の軍事力というのはかなり優れている。たとえば、長く言いませんけれども、電磁パルス攻撃があるではないですか?」
反町キャスター
「はい、EMP(電磁パルス)」
山本議員
「あれは聞いた瞬間に思ったのですけれども、EMP攻撃が最も得意なのはアメリカですよ」
反町キャスター
「なるほど」
山本議員
「1962年に自ら実験して、ハワイの通信網に障害を与えているわけであって。アメリカ以上にまずこの技術を使える国はない。それから、サイバー攻撃も、実はロシアを批判しているけれども、アメリカが最強ですよ。さらに、北朝鮮専門家に韓国で聞いたのですけれども、北朝鮮はもちろん、38度線の火砲軍も含めて、最強の部隊を置いているのですけれども、空軍がすごく弱い、旧式の武器しかない。だから、あらゆることを組み合わせていくと、もしかしたら思ったよりも残存勢力を減らせるかもしれないと。最初の一撃で全部できなくても、たとえば、防空能力を奪えば、F-35とか、F-16とかでかなり叩けるのではないか。そうするとソウルのもしかしたら被害が数万ぐらいではないかという見方があるのと。それと、本当に中国が、アメリカがやった時に介入するか?」
反町キャスター
「そこです」
山本議員
「しないのではないかと。そこは1番…、もうやめますけれど、中国とロシアにとって最悪のシナリオは北朝鮮が崩壊して親米政権ができることですね。だから、ここのところだけ何かのディールができれば、もしかしたら中国もロシアもアメリカがやった時に介入をしないのではないかということを考えると、これからの展開にもよりますが、あまりにも北朝鮮が挑発を続けていると2、3割あるのではないかと最近は思い始めました」

対北朝鮮『中国』の変化
松村キャスター
「朱さん、いかがですか?」
朱教授
「ある意味では、本当にアメリカの軍事攻撃の可能性が高くなりつつあるということは間違いないと思いますね。8月中旬に米軍のトップである統合参謀議長…」
反町キャスター
「ダンフォードさん…」
朱教授
「ダンフォード議長ですね、それが日本に来る前にまず北京に行ったんですね。中国に対して、軍事行動というのが選択肢であると。米中というのが、そこで互いに読み違いをしないように、できれば一緒に協力をするように、そういうことを伝えたというのが、私は中国ではかなり真剣に受け止められていると思うんですね。中国はちょっと余談ですけれど、見るとロシア・北朝鮮というのは外交的にその発言がいろいろプロパガンダや、いろいろそういうところが多いのですけれども、米軍首脳の発言というのは割に確実、やる時にはやはりやると、少なくともその準備はしていると。そういうところで、中国を見ているので、そのような戦争の可能性に対して、中国はどうすればいいのか。そのままそれをアメリカがやって、中国が何もしないというようなことでも、今度は、逆に一方、もしアメリカが成功すれば、アメリカが圧倒的に同盟国に対する信義、それを果たすことになる、中国は何も得はないと。しかし、失敗したら大混乱というのも中国は、いずれにしてもアメリカが単独でやるということは中国にとってプラスにはならない。ですから、もはや現在の中国にとって、北朝鮮が軍事的に緩衝地帯とか、そういう考えがもしあるとしてももう1%、99%は消えていると思います」
反町キャスター
「へえ…」
朱教授
「第1、現在の軍事技術で別に北朝鮮上空を経由して中国のクッションになる必要はないと。第2、現在の中国にとって最大の安全保障はアメリカと仲良くすること、互いに協力すること。そういう中では、むしろ北朝鮮の問題を共に、皆にとっての脅威なので、押さえることが米中の関係の改善にもなる。そういう意味で、ちょっとこれまでのような、中国が北朝鮮を守るというようなことはもう私は違うと思うので。そういう意味で、最近の中国の議論というのは、アメリカの軍事攻撃はあり得る、そういう場合に対して中国はどうするかと。中国はある意味で、ある程度の協力、あるいはそういうところで、それを前提に考えないといけないというような議論が北京大学の国際関係学院の院長、一昨日、ソウルでそういう発言をしているんですよ」
反町キャスター
「協力とは軍事協力ですか?」
朱教授
「はい」
反町キャスター
「後方支援とかでは、まさかないですよね?」
朱教授
「いや、そうではないですけれども、アメリカのそういうところを踏まえて中国はどう対応するか」
飯島氏
「だけど…」
朱教授
「…ということが。ですから、そういうようなことで見ると、第1に、正直言って最後に攻撃するかは別として、なぜなら北朝鮮は本当に攻める力があっても守る力がないので、現在は脅しをかけて最大の外交的利益を取ろうとする。アメリカが本当に撃とうとしたら、その1分前には、北朝鮮はいろいろ降りた、やめたということにもなり得るので。本当の戦争になるかどうかは別ですけれども、瞬間を見れば、結局、北朝鮮が恐れるのはアメリカの軍事力」
飯島氏
「ただですね…」
松村キャスター
「飯島さんはいかがでしょう?」
飯島氏
「前提条件のバックグラウンドをよく理解しないで、弾は今日でも撃つかどうかというのは危険ですね。まず1つ、韓半島のことを考えた場合、ロシア・中国・日本・アメリカの共通項目が1つある。何かと言ったら、核を持っている北朝鮮、経済の韓国、38度線を消して1つにすることは絶対に避けたいはずです、安全保障上」
反町キャスター
「なるほど」
飯島氏
「これはまず共通ですね。ロシアから見ても、誰から見ても、経済の力と北朝鮮の核の力が一体になることだけは絶対に避けた状態で、平和の道を考えなければいけない。あと1つ…」
反町キャスター
「日本はいいですよ、米中露というのは、統一朝鮮を希望していない?中露はわかりますよ、アメリカも統一朝鮮は希望していないという理解でいいのですか?」
飯島氏
「ええ、私は。核と経済が一体になったらどうなるか…」
反町キャスター
「強い国になる?」
飯島氏
「ただ、問題は1つ、軍事的な問題、体質。中国とロシアと北朝鮮の共通な部分は何かと言ったら、世界で今たった3つしかない軍、これは革命軍です。つまり、ロシアにしても、北朝鮮の金日成にしても、中国も今もって、革命軍というのは、衣食住を軍で全部やって、経済も、それで逃げながらゲリラ作戦をやったりしたのが、前提なのが現在の中国で。だから、中国も政府とは別に軍が商売をやっているでしょう?」
反町キャスター
「そうですね、農場を…」
朱教授
「やっていたということで、現在はもう、最近は…」
飯島氏
「私が知っている範囲ではやっているんです。その中国はどうかと言ったなら、たとえば、王毅さんとか、いろいろないい発言をしているのですけれども、石油とかで騒いでいますが、実際は中国のLIMA経営社、どう読んでいいかわからないけれど、ワーク社、これが実は北朝鮮の朝鮮連峰総合会社、連峰というのは連邦という意味らしい、この会社と総合合弁会社をつくりまして、とんでもないことです。私のインテリジェンスで、電子機器、あるいは原子炉部品をつくるための希少金属、ジルコニウムやなにかを2008年から採掘しているんですよ」
反町キャスター
「北朝鮮で採掘して、それを?」
飯島氏
「そうです」
反町キャスター
「中国に持ってきて?」
飯島氏
「合弁会社です」
反町キャスター
「なるほど」
飯島氏
「では、その中国はどうなのかと、世界で1番地下資源が眠っているのは北朝鮮とアフガニスタンだということ。中部電力がカタールの地下資源を、ガス・石油を掘り当てて、40年ちょっとで世界トップクラスの金持ちになったのですが、アフガニスタンと北朝鮮の地下資源はまったく違うということ。金銀銅とか、マンガン、ニッケル、あるいはパライトとか、マグネサイト、ウラン鉱、ウラン鉱だけで2600万トン触っていない、あるいはレアメタル2000万トン、レアアース2000万トン、あるいはインジウム、セリウムはだいたい9000万トン、それに、さらに石油の話題になっていますが、日本海側のアレで、現状の調査で石油だけで400億バーレル、質のいいのが見つかっているんです。こういうアレが現実にある中で、本当にギューとやることが可能か言った場合に、174か国の国交がある国は平壌に皆、経済ミッションが入っているんです。アメリカが許すわけがないでしょう、と言うことは何か、究極は、もしアメリカが攻撃する場合、乙支フリーダムガーディアンでやっていますが、これは平壌解放、金一派、いわゆる消滅されるための排除、自由主義経済をつくろうというのが乙支フリーダムガーディアンの目的です。だけど、本当にやると言ったら、攻撃をする場合、イラクにしても何にしてもそうですが、1夜で壊滅する力がなかったら大変なことになるということです。これは無理です、アメリカがどんなに軍事的に良くても。あと1つは、革命軍だから、ロシア・中国・北朝鮮は共通項目がいっぱいあるわけです、歴史的に。これにアメリカや韓国がうまく合流する、会話がうまくいくということはないです。だから、韓半島は統一を絶対にしてはならない、日本にとっても、という状態で考えていくと、相当難しい攻撃の選択ですね、私は冷めて見ています」
反町キャスター
「アメリカが軍事攻撃をするかどうか、その時に、中国は容認するのか、支援するのか、黙認するのか、批判するのか。残っているのは中朝軍事同盟です。これの通りにやるんだったら、なんらかの武力行使があった場合に、このルールに則っていけば、中国は北朝鮮に応援に行かなくてはいけない、こういう建てつけになります。現在、中国はどういう選択肢を採ろうとしているのですか?」
朱教授
「ここ2年間ぐらい中国でそれをめぐって大論争が行われ、最近少しずつ、たとえば、国連による制裁なのに、より厳しくなりつつある制裁に中国は同調してきた、協調してきた。北朝鮮も遂に名指しで中国を批判してきた。そこの背後に変化があると思うのですが、この条約について、私も最近、中国での北朝鮮をめぐる会議に参加していろいろ専門家に聞いてきました。責任を持って言えることですけれども、鄧小平さんの時代に、はっきりとこの相互援護条約は軍事同盟ではないということ、まず1つですね。内容的にかつての冷戦時代で事実上の軍事同盟的な性格があったのですけれど、冷戦以後は同盟ではないと鄧小平時代に発言がありました。1990年代の初め、ちょうど中韓国交の時です。その後、江沢民時代に、中国は、北朝鮮が攻めて行って戦争が起きた時には、中国は援助しない。自動的に支援することはない。ただ、攻められたら守るのだと。そういうことで、攻めるなということで、というような表現を使ったのですけれども、最近、この4月以降、環球時報にどういう表現がされているかと言うと、中国にとって最大のことは自国の安全であると。現在は北朝鮮の核実験によって中国の東北部、それ自体、核の汚染も含めて、軍事衝突に巻き込まれることがある。それこそが中国の最優先であると。その代わりに核実験をやったら条約をやめる選択肢もあるという、そのような表現を最近言っているので。従って、私が言いたいのは、この条約は現在の時点で中国が北朝鮮の暴走に対して、それでも守りになっている、傘になっているとは思わないし、中国もそれを変えつつ、現在の時点で北も核をここまで持った。それを止めるのは極めて難しい状況なのですけれども、中国の専門家は今こそラストチャンスだと、関係諸国、アメリカ、日本、中国などが協力して対応するチャンス。まだ可能性がある。もちろん、簡単にできることではないのですけど、言いたいのは、援助条約があるから中国が自動的に、核を持っていろいろな挑発的なことをやる北朝鮮を守るということはない」

対北朝鮮『制裁強化』の効果
松村キャスター
「北朝鮮への制裁で、国連安保理の追加制裁決議案ですが、原油や石油精製品の全面的な供給禁止、金正恩委員長の資産凍結と渡航禁止、繊維製品の輸出制限、北朝鮮からの出稼ぎ労働者の就労禁止など、これらが提案されましたけれど、これというのは採択される見通しなのでしょうか」
山本議員
「それは、報道ベースでも言われているように、そんなに簡単ではないと思います。中露が慎重姿勢を崩していない。確かに王毅外相がキチッと考慮するみたいなことを言っているのですけど、たとえば、原油や石油の供給を中国が本当に全面的に止めたら北朝鮮は命脈を絶たれますから、それがあるのと、8月の制裁決議が、これもちゃんと履行されていれば、鉄鉱石とか、皆禁止されているわけであって、外国への派遣労働者(就労禁止)が本当に効力があれば10億ドルと言われていて、だいたい北朝鮮の輸出の3分の1はなくなるわけだったのが、いまだに続いているんですね。193か国ですよ、国連加盟国、そのうち、この間、経済制裁専門家パネル、安保理の北朝鮮経済制裁専門家パネルの中間報告、本当は来年2月に年次報告が出るのですが、その中間報告で見たら、193か国のうち、あの安保理決議についてちゃんと履行しているかを報告した国が確か七十数か国しかないですよ。河野太郎外務大臣がこの間も参議院の予算委員会で言っていました。たとえば、中東の国を彼が訪問するのですけれども、そこらへんでもこれを是非履行してくれと言うと言っていたのですけれど、半分以上の国が報告していない。しかも、この専門家パネルの報告書の中にあったのですけれども、アフリカで言うと、アンゴラとか、コンゴとか、そこらへんについても、たとえは、大統領を警護するいろんなノウハウを教えたり、あるいは施設をつくったり、治安機関に武器を供給したりして、外貨を得ているわけであって、これは表面的になかなか簡単ではないと思いますけれど、たとえば、こういうものが出たとしても、実際に中国が本気にならない限りは無理です。1つだけ言うと、この出稼ぎ労働者の就労は北朝鮮にとって大きな外貨収入になっているのですけれども、北朝鮮の出稼ぎ労働者は現在、発表にもよるけれども、14万7000人~14万8000人ぐらいですよ、確か。そのうち、最大の受け入れ国の中国が8万人ですから、2番目のロシアは5万人ですから。つまり、15万人弱ぐらいの労働者の8割は中国とロシアです。だから、基本的に、これも中国が本格的に乗り出さない限りはあまり効力がないと思います」
反町キャスター
「中国はどこまで本気で経済制裁に参加するのか。いかがですか?」
朱教授
「山本さんからの質問というのは、ある意味で、日本の中の多くの、1つの中国に対する疑念、不信感というところをまさに表していると思うのですが、もっともだと思うんですね。第1に中国の立場に立って考えなければいけないのと、それから、解決にどう結びつくか。中国は確かに北朝鮮に対して石油の9割以上、供給を持っていると、問題は中国が北朝鮮に対しての石油を仮に明日止めるとします。北朝鮮という国は長年、制裁に耐えてきた国ですね。現在、人口は2000万人ちょっとですけれども、2000万人とします。そのうち、1800万人の国民が餓死寸前になっていても、残った石油は軍に残るんですよ、体制を守るために。ですから、結局その制裁というのは、中国が止めるということは解決になるのかが第1。その間に北朝鮮がついに追い込まれたとすれば、冒険行動に出る。私が言いたいのは、石油を止めるということは中国も選択肢の中に入れていないわけではない。問題はそれだけではダメと。北朝鮮は中国に対して強く反発している、我々はどうして核やミサイルを開発しているのか、それはアメリカという最強国の脅威があるから。それに対して、アメリカ、日本を含めて、何もしないで、中国だけが制裁をすれば、解決すると、解決にはならないということを中国が1番知っている。言いたいのは、いろいろなことをセットでやらなければいけないですね。ただの経済制裁を中国がやれば解決する、それはトランプさんも一時期そう思っていたのですけれども、それはならない…」
飯島氏
「朱先生が言うこともわかるけれども、中国の最大の経験則、朝鮮戦争、300万人が死んでいるんですね。その中で、中国人が100万人、北朝鮮は50万人、アメリカ軍は5万4000人しかアレなので、トータル300万人。100万人の死者を出してまで中国・北朝鮮はがんばった、休戦状態になっていると、これをどう見るかということ。完全にギュウッとするのは無理でしょう。ただし、北朝鮮の過去の例で見ると、金正日委員長は、江沢民のところへ行って、石炭を60年かなにかで契約のアレをやって、その見返りで、平壌まで高速道路をつくるということを調印して帰った。ところが、軍がびっくりした。結局は、中国との約束を潰したんです。なぜとチェックしてみると、高速道路をきちんとしちゃうと人民解放軍が平壌までたった2時間で着いちゃうらしいです。これでは自国を守れないということで、そこまで中国の協力は要らない。常に張り合った状態で、緊張感でやってることは事実です」
朱教授
「そういう意味で、もう1点追加しますと、中国のもう1つの心配は、アメリカなどが中国に制裁をやれ、やれと。いつの間にか、北の核やICBMを中国が背負ってやるようなことになっていて、その次のことも含めて、中国が最大の責任を持つと、しかし、それ自体が北東アジアの冷戦構造、あるいは休戦協定のことを含めて、セットでやらないと、ただ中国の制裁ということが、北朝鮮という国が簡単に制裁を受けて、それに応じるという国かと。そもそもこのような制裁だけでは、かえってもっと情勢が悪化する。言いたいのは制裁必要。しかし、次の国連安保理の制裁、アメリカもっと厳しいそれを出していますけれども、中国は、私の判断では、これにかなり近いようなところ、応じる可能性があります、ロシアと違う。ただ、おそらく中国もう1つ条件を加える、それはアメリカなども一緒に、北朝鮮が核を放棄するというようなところの交渉テーブル、それに応じるための交渉というのを一緒にやれというようなことがなく、ただ制裁、制裁ということを中国はしない」

『米朝首脳会談』の可能性
反町キャスター
「朱さんの話を聞いていると中国はある程度まで国連制裁についてくる可能性がある、実質も含め。問題はプーチンさんです。ロシアはこれを守ると思いますか?」
朱教授
「もしかすると、この決議案、最後に決議を出す時に、中国はギリギリで賛成か、棄権か。ロシアが否決権を使うという可能性はないわけではないですね。そういうところを含めて、もうちょっとこれから考えないといけない」
飯島氏
「ロシアと中国は、相手が黒と言ったら、片方は白と言うし、お互いに監視していて、ギリギリまで本音を語らないのがロシアと中国の立場ですからね」
山本議員
「プーチン大統領についてはいろいろと評価が分かれるのですが、それは傑出したリーダーであることは間違いない。それだけロシアの存在感というのを世界中に発信している。たとえば、GDP(国内総生産)ベースで見たら、アメリカのGDPの10分の1です。たとえば、宇宙空間における技術とか、核大国であることも間違いない。サイバー攻撃とか、そういう戦略についても長けているのですけれども、経済的に言うと中国の方がずっと巨大ですよね。長いスパンで見れば勝負がついていると見ていいと。たとえば、NATO(北大西洋条約機構)とロシアの軍事力を単純に比較すれば、NATOの方が何倍も上ですよね。そういう中でこれだけ国際政治において存在感を発揮しているプーチンさんの手腕はすごいと思うのですが、ただ、ロシアはバイプレイヤーですから、経済力の規模とか、いろいろなことを考えると。もちろん、ロシアは大事なプレイヤーであるのですが、主流のプレイヤーではないです。それは中国だと思います。中ロ関係で言うと、平仄を合わせているように見えていますけれども、この2つが本当の盟友関係になることはないと思いますね。ライバルだし、特に北極海の問題でもロシアはすごく中国を気にしているし、特に中央アジアについて中国の影響力が大きくなっていることをすごく警戒しているので、ここを安倍総理の人脈でうまく分断してもらえないかなと思っているんですよ」
朱教授
「そういう意味で、北朝鮮に対して、ロシアはそこでどう転んだとしてもロシアにとって実害はないわけですね。逆にそこで米中の紛争、緊張、対立…。北が核を持つと周りの国が、北がそれをやると、THAADを韓国が持つ。となると、中国は韓国と喧嘩する。中国の6者協議代表が、これから北はもしかすると東京上空を通過するものを…となると、日本はパニックでしょう。そうすると、THAADよりももっと進んだものを配備すると。中国は何だと、日中で、韓中で対立する。そういう時に1番得する国はどこの国か。北朝鮮と共にロシアですよ。そこの部分が弱いから、労せずして戦わせて、自分がこれから経済回復の時間稼ぎをすると。それを見ないといけないと思います」

北朝鮮『建国記念日』に何が
松村キャスター
「明日9月9日は北朝鮮の建国記念日とされる日ですけれども、北朝鮮は何か行動を起こす可能性をどう見ていますか?」
飯島氏
「明日はないと思います。ただ、あと1回ぐらいはまったく違ったところにミサイルの実射はやる可能性はあると」
反町キャスター
「グアムには撃たないと思いますか?」
飯島氏
「グアムと同じところへ、距離を…。小泉内閣の時もうまく回避して沖縄の方面に撃って、着弾し、発表しないで終わったことがあったでしょう、北のミサイル。北朝鮮は結構、地政学的な状態を避けているんですね。だから、北海道の方にやった時も三沢基地の上空には飛ばなかったでしょう」
反町キャスター
「もう1回、撃つとしたら、グアムではないとしたら、日本の上を飛ぶミサイルをあと1回ぐらいは覚悟しておいた方がいいという、そういう意味ですね?」
飯島氏
「それはわからない。それよりもそういう事態があろうと、日本独自の外交で、在日朝鮮人の人たちも、人間的に、本当にあの人だったら信頼できるキーパーソンで、いわゆる拉致の解決イコール米朝の着地という弾を撃つ、ここに最大限の努力をしてもらいたい」
朱教授
「グアム周辺にミサイルを落とす可能性はないと飯島さんがおっしゃったことに賛成します。ただ、何か行動を起こして、北朝鮮は現在追い込まれているので、短い時間の中で、高度な、アメリカまで到達し、核を搭載できるミサイル技術を持って、アメリカと渡り合って、アメリカは事実上それを容認するというところ、このところにもっていきたいわけです。これから暫くはかなり激しい、厳しい状況が確実にあって、もしかしたら、不測の事態になりかねない。また、日本のところに飛んできて、日本は大パニックで、北に対してもっと厳しくすると、日中関係の感情が悪い中で日本は何だと。そのような対立を北朝鮮は1番望んでいる。いかに現時点で北の核をめぐって関係諸国が協力する、最大の共通項を持って行動するか、私は求められていると思います」
飯島氏
「はっきり言って、発言よりも行動。いざとなったら北朝鮮に、私は職を全部辞めてでも、ギリギリで突然行動したいという血の叫びがあります」
反町キャスター
「訪朝しますか?」
飯島氏
「訪朝をわざわざしなくたってもいいのだもの。いろいろな選択肢がある。対話のアレで着地させるためには、死に物狂いで私はいざという時には行動します」
山本議員
「グアムに弾道ミサイルを飛ばさないように願っています。誰とは言いませんけれども、韓国で金正日総書記に何度もあった人から聞いたのは、極めて合理的で鋭敏な頭脳を持った人物であった。金正恩委員長をどう見ているかと聞いたらおそらくお父さんほど鋭敏ではないのだろうと。しかし、おそらく合理的な人物であろうということだったので、お二人がおっしゃったようにアメリカの意図…。アメリカを侮ってはいけないですよね。だから、本当に虎の尾を踏まないように願うばかりです」

飯島勲 内閣官房参与の提言 『夜明け前』
飯島氏
「現在大騒ぎしていますが、私に言わせるとまさに表裏一体、北東アジア、米朝、日朝含めて、夜明け前、うまくいきます。私は安心しています。それは年内に見えてくると、あと2か月見ていてください」

朱建榮 東洋学園大学教授の提言 『日米中 足並を乱すな』
朱教授
「関係諸国は、核という最大の脅威ということに対して、足並みを揃えてですね。互いにそれが、隙間が広がらないようにと。飯島さんがおっしゃる、夜明け前というのは、私も期待していますけれども、これから数か月、アメリカにとって、1つは軍事攻撃するオプション、もう1つのオプションは、気まぐれなトランプさんがもしかすると北朝鮮に核はいいからと容認してしまうというような交渉になることも危険だと思いますね」

山本一太 自由民主党参議院議員の提言 『流れを読み違えない』
山本議員
「流れを読み違えるなということですね。現在の状況で言うと、圧力を中心にやっていくしかないと思いますが、ただ、それだけで核放棄にもっていけるかというと、もっていけない。国際政治は、飯島さんがおっしゃるように、動きが速いので、突然米朝会談みたいな流れになる時があるかもしれない。その時の流れを読み違えないと。昨日、田原総一郎さんがある自民党の勉強会で、総理に官邸に行って言ったのは電撃訪朝だったと昨日、暴露されていましたけれど、そういういろいろな流れの中で、総理がまさに米朝をつなぐような役割ができるように、よく流れを見極めて日本は行動すべきだと思います」