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2017年9月6日(水)
『石破茂×前原誠司』 安倍政治にモノ申す!

ゲスト

石破茂
自由民主党元幹事長 衆議院議員
前原誠司
民進党代表 衆議院議員

石破茂×前原誠司 民進党 新執行部の船出
秋元キャスター
「今日はポスト安倍首相と言われる中の1人、石破茂さんと、再び政権交代を目指す民進党の新代表の前原誠司さんに安倍政権の政策や政治手法のどこに問題があるのかなどを語りつくしてもらいたいと思います。まず5日に、民進党の新しい執行部が正式に決まりました。まず代表代行に枝野幸男氏、幹事長に大島敦氏、政務調査会長に階猛氏、国会対策委員長に松野頼久氏、選挙対策委員長に長妻昭氏ということです。当初は幹事長に元政調会長の山尾氏が内定していたと報じられていたのですが、元総務副大臣の大島さんということになりました。なぜ山尾氏から大島氏になったのか?その経緯から」
前原代表
「人事ですから打診をしたり、意見を聞いたりというのが、実際あります。当初から私は幹事長の職務については大島敦さんにお願いする、幹事長の職務ですよ、ということは決めていました。あとはどういう肩書でお願いをするかと、こういうことでありましたけれども、総合的に判断して、大島さんにお願いをしたと。昨日の両院議員総会でご了解いただいたということですね」
反町キャスター
「山尾氏に関しては人事の発表のあと、時期を見て山尾さんに向いた仕事を今後もやってもらいたいというような趣旨の話をされていたと思うのですけれども。前原さんは、幹事長の職務は大島さんに決めていた、つまり、一般に言われる幹事長の職務というのは党の運営だったり、選挙対策は選対委員長がいるのでいろいろあるのでしょうけれども、その場合、山尾さんを党の顔にはめていたとしたら、その時に山尾さんに期待していた役割は、どういう役割が彼女だったらできると期待をされていたのですか?」
前原代表
「労壮青、それから、ジェンダー、適材適所、さまざまなことを考えた時に、ちょっと今の顔ぶれは男性ばかりですよね。ですから、そういうさまざまなことを含め、また10月22日に3つ補欠選挙がありまして、選挙をしっかり…、もともと自民党の議席ですから、なかなか我々にとっては厳しい選挙であろうと思いますけれども、しっかりその3選挙区を戦うということのためにも、選挙の顔になり得る方というものを、我が党には何人もおられますけど、その1人と考えたことは事実であります」
反町キャスター
「どういう執行部の色合いになっていくか、どう見たらいいのですか?」
前原代表
「繰り返しになりますけれども、大島さんにはもともとどのような肩書であれ、幹事長としての仕事はしていただこうとは思っていました。この方は、非常に人との関係を大切にされ、実務能力が素晴らしいです。私は政権与党の時に、国交大臣と合わせて内閣府の特命担当大臣をしていたのですが沖縄担当もしていて、ちょうど沖縄の10年ごとの振興計画とか、あるいはポスト軍転法とか、こういったもののタイミングだったのですけれども、沖縄との間でうまくまとめられて、地味な交渉をしっかりやられる、汗をかかれる、自分自身がやってやったということは誇らない、極めて政治家としては珍しい、しかしながら実務家。だからこそ人望も厚い。だから、幹事長的な仕事に向いていると思っていましたので。大島さんがやられる仕事は一切変えたつもりはありません」
反町キャスター
「その意味で言うと、よくプライムニュースでも、たとえば、国対一筋という人は自民党では評価されるのだけれども、民進党では評価されない、という裏方への評価が民進党、民主党では比較的薄いのではないかという話がよくありました。その意味で言うと、大島さんというのは…」
前原代表
「いぶし銀ですよね。水面下で汗をかいて、その成果を誇らない。松野さんも国対委員長、国対をずっとやっておられて、彼は維新の代表までやった人ですけれども、こういった裏方、根回し、交渉に非常に長けている人です。実は松野さんの代理が山野井さんという現在の国対委員長」
反町キャスター
「格下げに見えるんですよ」
前原代表
「でも、山野井さんというのは素晴らしい人で、私、躊躇したんです。つまり、松野さんが、国会対策というのは継続性が大事なので、前原さん、同じ京都で山野井さんに頼んでもらえんかねと言われたんです。でも、委員長を代理にというのを私は躊躇したのですけれども、山野井さんにお願いをしたら喜んで受けますとおっしゃっていただいて。民進党には、先ほど反町さんがおっしゃったように、俺が俺がという人達が多そうに見えるかもしれませんが、実はそうではなく、肩書にあまりとらわれずに、仕事を本当に一途に誠実にやってくださる方がたくさんいますので、仕事ができる人達がしっかりポジションに就いたと思っています」
反町キャスター
「この間も前原さんに聞きましたが、民進党の人口ピラミッドは逆三角形になっていて、1番下の人達、しかも選挙に弱い人達がどうしても腰が浮いちゃって、さあ離党だなんだと、都民ファーストの風がいいなみたいな、こんな感じになると困るなというところの対策でもあって山尾さんをはめ込もうとしたという話だと僕は理解したのですけれども。求心力とか遠心力、俗な表現で言われることについては今後どう手当てをしていくつもりですか?」
前原代表
「骨格人事ですので、これからさまざまなポジションを決めていきます。そこについては当然、若い方々、当選回数は少ないけれど、能力がある方々にしっかりと活躍していただく場をポジションとして担っていただきたいなと思っています」

北『脅威』への対応と備え
秋元キャスター
「石破さん、北朝鮮は今週土曜日に建国記念日を控えていまして、大陸間弾道ミサイル、ICBMの発射準備が始まっているとも言われているのですけれど、現在の北朝鮮の脅威、どんな危機感を持っていますか?」
石破議員
「金正恩体制、敢えて北朝鮮とは言わないですよ、この世にも稀なる独裁政権というものが続くためにはこの道を走るしかないと。かつてトランプ大統領が、あの男は他にすることがないのかという、そういうことを言っているけれど、他にすることがないのです。これをやっていくわけですよ。そこにおいて、アメリカの影響も、ロシアの影響も、中国の影響も受けないで、朝鮮民族が自分達の自立した国家をつくるのだという強烈な意思はあるんですよね。だけれども、それが国民にあれだけ犠牲を払わせて、人権とか、そういったものをまったく認めずに、北朝鮮が核を持つということを容認すれば、核ドミノが始まる可能性がかなりあって、それは北朝鮮には北朝鮮の理屈があるのでしょうけれども、我々としてはそれは国家としては容認できないことだと整理せざるを得ないですね」
反町キャスター
「さあ、日本にはいわゆる非核3原則というものがあります。持たず・つくらず・持ち込ませず。これに関しては、専門家の中においても持ち込ませずのところを半分にして2.5原則、つまり、持ち込ませることを何らかの形で容認することが日本の核抑止力を高めることで安全保障を高めるのではないかという議論があります。非核3原則の見直しについては、石破さんは現在どういう気持ちで見ていますか?」
石破議員
「中国が初めて核実験をしたのはいつですかねということを考えると、昭和39年、1964年10月16日ですよ。オリンピックをやっている最中ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
石破議員
「前回の東京オリンピックの最中に中国は初めて核実験をやったんです。池田勇人首相でしたが、彼は東京オリンピックを最後の舞台としてガンでお辞めになるわけですね。そのあとを継がれた佐藤栄作首相は当時のアメリカのジョンソン大統領に、日本が核を持つというのは当然だ、という言い方をしているわけです。そういう時代があったんです。私、当時、小学生でしたけど、中国の核実験というのは今回の北朝鮮の核実験と同じぐらい大々的に報道されたのですが、その後この非核3原則になっていくわけですよ。現在の北朝鮮、まさしく体制の維持というものが至上命題というか、唯一の国家目標という国が核を使っていろいろな交渉をやる時に、核さえ持っていればいかなる体制でも認められるのだということになったらば、それこそ核ドミノ、NPT(核兵器不拡散条約)体制もぶち壊れて、いったいどうなるのだと。ましてや、テロリストとか、テロ集団に渡ったらどうなるのだというのが21世紀の脅威であってですね。私は拡大抑止だけが唯一の抑止だとまったく思わない。だけれども、状況がそう変わってきた時に持たず・つくらずはいいけれど、拡大抑止というものが本当に持ち込ませなくて効きますか。持ち込ませた方が、拡大抑止が少しでも効果を上げるとするならば、現在の状況の中で少なくとも、持たず・つくらず・持ち込ませず・議論もせずというのは、それはマズイでしょうと言うことです。拡大抑止の実効性をどれだけ上げるかで、持ち込ませれば拡大抑止がそのまま上がるなんて言っていません、その他にいろんなことをやらなければいけませんが。少なくともこの状況で拡大抑止、アメリカの核の傘の有用性をさらに増すためにこの議論は必要だと」
反町キャスター
「前原さんはいかがですか?非核3原則についてどういう議論をすべきだと思いますか?」
前原代表
「私は石破さんの議論ってだいたい理解するのですけれども、今のは若干理解できなかったんですね。要は、北朝鮮の脅威というのは、もう目の前にある脅威ですね。我々は攻撃能力、つまり矛の能力は持たないので、日米同盟関係の中で我々は専守防衛で楯、矛の能力はアメリカ、その矛の能力の中に核戦力もあるということで、そこが抑止の大きな一翼を担っているということですよね。そういう日米同盟関係というものを考えた時に、私は日本に対する核保有とか、非核3原則の見直しというのはあまり意味がないと思っているんです。なぜなら日米同盟関係で矛の能力はアメリカさん、盾の能力は日本自身しっかりとやりなさいということで、そもそも、いわゆる抑止も含めた、あるいは、やられたらやり返す能力も含めたものというのはアメリカにしかないんですよ。では、持ち込んだら抑止力が高まるのかと言ったらまったくそうではなく、彼らからすると、たとえば、SLBMなのか、ICBMなのか、戦略爆撃機に積むのか、何に積むのか、それは別として、アメリカが持っていて、いつ自分達に飛んで来るのかわからないというところがまさに脅威なわけであって。日本がこの非核3原則を変えることに、私は今おっしゃったことがわからなかった、何の意味があるのかなという気がするんですね」
反町キャスター
「なるほど。石破さん、前原さんの指摘はいかがですか?」
石破議員
「結局そこは、だから、前原さんみたいなお考えも疑問も当然あるわけです。だから、そういう議論を国会でちゃんとしましょうよということ。つまり、今で言うNATO(北大西洋条約機構)、ヨーロッパの諸国はどうやってソビエトの核の脅威を生き延びたかということです。核戦争は起こらなかった。だから、ドゴールみたいに、アメリカの核の傘なんぞ信用ならん、自分の国で核を持つのだ、というのがフランス。イギリスは米英同盟によって核の製造技術も原子力潜水艦の建造能力もアメリカから供与をされて、核保有国としてイギリスはあるわけです、これが2つ目のパターン。3つ目は、NATOの現在のやり方で、つまり、ドイツ、ベルギー、イタリア、スペイン、そういう国々は自分の国では核を持たない。しかし核はアメリカだが、どんな時に使い、どんな時に使わないかという協議を常にアメリカと行い、核の所有権はアメリカだが、使用権を持つのだという、そういう考え方が3つ目の類型です。4つ目は、かつてソビエトがSS-20というヨーロッパを射程におさめた核ミサイルを持った時に、当時の西ドイツはパーシングというアメリカのミサイルをドイツ国内に配備をすると。これが持ち込ませるというやり方ですよね。私が承知をする限り、その4つの類型です。その他にも他のやり方があるのかもしれない。だけれども、ヨーロッパの国々が当時のソビエトの核の脅威から身を守り、今日をもたらしたのは、フランスのやり方、イギリスのやり方、現在のNATOの非核国のやり方、旧西ドイツのやり方の、この4つの類型しかないですよ。日本はどれを採りますか。フランスのやり方も採れないでしょう。米英同盟と日米同盟はいったい何が違うのという議論、これは必要だと思っています。つまり、日米同盟は戦後かつてなくうまくいっている同盟だって世界に向けては言っていますよね。では、米英同盟はトマホークも共有し、原子力潜水艦の技術も供与され、核のノウハウも供与されている。日米同盟はどうなのということは、精神論はいくらでも褒め称えることはできるんです、中身はどうなのですかという話。前原さんは疑問を提示されて、そのことに対する議論はちゃんと国会でやってもらいたいと思うし、またこの場でもやりたいと思う。だけれども、西ドイツはこの持ち込ませずというのをやらなくて、ソビエトから生き延びたということですよ。だから、その4つの類型のどれを採りますかというお話は、きちんと冷静に理論的にやらなければいけない。そのことに何の意味があるのですかという前原代表のお考えは、ちゃんと国会でやるべきだと。私は、持ち込ませるべきなんて一言も言っていません。けれど、このことを議論もしないのは、それはおかしかろうと申し上げているんです」
前原代表
「石破教授の授業を受けた上でですが、ソ連がある時の米ソ冷戦とヨーロッパ、先ほどのSS-20の話というのは、これは中距離ミサイルですね。それはヨーロッパに向けて脅しをかけた、それをパーシング2というミサイルを配備し、それに対抗したということであって。イギリスについても、たとえば、北朝鮮と日本の距離とかを考えた時には、全然、私は違うと思うんですね。これは地政学と言いまして、その安全保障とか防衛を考える時はどういう地理関係、位置関係にあるかということが大事なことですね。先ほどのドイツモデルというのはまさにソ連が中距離ミサイルをヨーロッパに突きつけたことによってそれにちゃんと対抗したのがパーシング2だったということであって。現在の北朝鮮の現実的脅威というのは、隣の韓国はスカッドミサイルでも普通のミサイルでも届いちゃう、日本だったらノドンなら届いちゃう、でも、アメリカに対しても脅そうということで、現在火星12とか、火星14というICBMを開発しているということを考えたら、現在の日本とアメリカの役割分担をドラスティックに変える暇はないですよ。その中で矛と盾との役割分担の中で、アメリカのいわゆる核の傘、矛の能力をどう強化するかということを議論の方がより現実的だと私は思いますね」

『安倍政治』と憲法改正
秋元キャスター
「ここから安倍政権のどこに問題があるのか。自身だったらどうされるのか?政策や政治手法について聞いていきたいと思います。まずは安倍政権の憲法改正について見ていきます。2015年の9月に集団的自衛権の一部行使を含む、安全保障関連法を成立させ、自衛隊の活動範囲を広げるなど、運用の拡大を可能にするさまざまな法整備を行いました。そして今年5月には、憲法9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込むという憲法改正案を提案しました」
反町キャスター
「この1項、2項を残しつつ、3項ないしは9条の2という形で自衛隊を明文化して書き込むという安倍私案、これの中身の評価を。安倍さんは記者会見では自衛隊の違憲論争に終止符を打ちたいというような話をされています。そういう意味において、石破さんから見た時のこの安倍私案なるものの中身の評価はいかがですか?」
石破議員
「論争してもらうのは憲法学者さんであって、それは、我々はもう学校で習いましたよ。だけれど、現在、国民に聞いてみてくださいよ、自衛隊が違憲だって言う人がどれだけいますかね?ほとんどいない」
反町キャスター
「少ないですね、憲法学者の間では違憲だと言ってもね」
石破議員
「憲法学者の方々は圧倒的に違憲ですけれどね。そうすると、そういうお話よりも、3項に自衛権行使の場合は前項の規定を適用しないとか、仮に書いたとしても、2項を3項でひっくり返すわけですよね。現在、武力行使が認められるというのは個別的だろうが、集団的だろうが、自衛権行使と安保理決議に基づく集団安全保障だけですよ。それ以外のものはないです。だから、自衛権行使の場合は、と書くことに何の意味があるのですかと。そうであるならば、『日本国の独立、ならびに国際社会の平和と安定に寄与するため、(軍という言葉がそれほどダメなのならば)陸海空自衛隊を保持する。』と。それと何が違うのですかということですよね。2項に、前項の目的を達するためという芦田修正は、政府は1度も一顧だにしていないから、これを消して考えますと、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めない、だけが裸で残るわけですよ。そうすると、陸海空自衛隊とはいったい何なのよ?交戦権なき自衛権という概念は本当に世界にあるの?交戦権はルールですから。そうすると、日本国の独立、ならびに国際平和の維持に寄与するため陸海空自衛隊を保持する、と書くことと何が違うのですか?」
反町キャスター
「意味がないという意味でおっしゃっていますね?」
石破議員
「正面から国民に対して、国の独立を守るのが軍隊ですということをきちんと語らないと、結局、2項で書いたことを3項で否定をすれば、相変わらずそういうモヤモヤ感は残るわけです。でも、それでもいいのだというふうに決まるのだったならば、それはそれで結構。だけれど、それはどうなのですかという、そういうような侃々諤々たる議論は、私は自由民主党でこれまでもあったし、これからもあるべきだと思っています」
秋元キャスター
「前原さんはいかがですか?」
前原代表
「集団的自衛権に関わる安保法制が成立したあとにある著名なジャーナリストの方が安倍首相と話をされたら、もう憲法改正は要らない、この集団的自衛権の憲法解釈の変更をしたので経済に戻るというのがその時の、安倍首相のご発言だったと。なぜまた急に言い出したかと言うと、これは、任期を延長したので、もう3年残っていると。すると、自分自身で何か自分の目的を見つけなければいけない、と言うことの中で私は憲法改正が出てきたのだという認識をしているんです」
反町キャスター
「レガシーというやつですか?」
前原代表
「レガシー。そういうものは非常に私の感覚には合わないんです。つまりは、安保法制にしても、憲法改正にしても、リアリズムと言うか、どういうニーズから、改正が必要なのかという議論が、私は本来あるべきだと思うんですね。たとえば、安保法制の時の集団的自衛権はなぜ必要かという議論で、立法事実というのがありましたよね。それはこういう場合に備えた時に集団的自衛権の行使が必要であるよ。ペルシャ湾の機雷掃海、それから、米艦防護、どちらもこんなものはあり得ないという答弁になったではないですか。と言うことは立法事実そのものがまさに机上の空論だったということで、何のために集団的自衛権なのかと。憲法改正も安倍首相の場合は一緒ですよ。オモチャとまで言うと失礼かもしれないけれども、何か集団的自衛権の解釈変更をすることが保守政治家としての役割だと、憲法改正をすることが保守政治家の役割だと思っておられるではないかと。そうじゃないでしょうと。私も実はずっとこの集団的自衛権の行使の見直しというのは必要と思っていた。どこが必要かと言うと、たとえば、昔は周辺事態、北朝鮮で何か起きました、朝鮮半島でドンパチが起こりましたと、米韓同盟を結んでいるアメリカが韓国のサポートをする、日本にある米軍基地からそのサポートし、そのために日本が周辺事態認定をして後方支援をする。しかし、後方支援をしていた時に米艦船が攻撃を受ければ、それは武力行使の一体化となるということの中で、後方支援をやめなければいけないというのが以前の言ってみれば憲法解釈だったわけです。武力行使の一体化は集団的自衛権の行使にあたると。しかし、後方支援をしていて、それを途中でやめられたら困りますよね。こういうことについては非現実的だから、個別的自衛権の解釈変更の見直しなのか、あるいは拡大なのか、あるいは集団的自衛権の解釈変更なのか、実際に支障が生じるからやろうよというのが本来のリアリストというか、保守の考え方であるべきだと思うんですね」

『安倍政治』の経済政策
反町キャスター
「社会保障の話では、財源の話になって消費税の話を聞かなければいけません。前原さん、10%に上げることの是非、さらにその先の話も聞きたいんですよ。10%で日本の社会保障は万全ですか?財政再建までの道も見えますか?10%より先の部分を視野に入れた議論もした方がいいのではないですか?この議論についても聞きたいです。」
前原代表
「まず2019年10月に8%から10%に上がるということはもう法律で決まっているんです。決まっている前提で我々は準備をすると。その中身、約5.5兆円ぐらいだと思いますけれども、どういう中身にするのかということについては、我々の考え方をまとめなくてはいけないと思っています。我々は再分配政策を厚くすると、すると底上げしていく、財源が要ります。しかし、消費税だけが財源だとは思っていません。たとえば、資産とか、あるいは相続とか、あるいは金融課税とか、さまざまな税の見直しをやって、税のベストミックスの中で財源を見出すと。我々は蓮舫前代表の下でつくったこのAll for Allの調査会においては中間報告をまとめていますけれども、これについては、財源については別に消費税と固めているわけではなく、税のベストミックスによってそれを賄うということですので。今後それをどういうベストのミックスができるかということについては、模索をしていきたいと考えています」
反町キャスター
「その先はどうですか?10%でもう消費税は打ち止めになりますか?世論調査をかけても、10%で止まると思っている人は国民の中にほぼほぼいないですよ」
前原代表
「そこについての議論をする前に、これは私の反省でもあるのですけれども、野田政権の時に政調会長をやらせていただいて、社会保障・税の一体改革を3党合意でまとめさせていただきました。はじめ一緒に石破さんとやれるのかなと思ったら、1か月で辞められて、茂木さんが政調会長になられたのでまとめたものですが。野田元首相と私は一緒に話をしていて、反省をしているのは、2段階で5%を上げる、しかし、実は機能強化、つまりは国民にお返しをするのはたった1%、4%が財政再建。しかも、その1%はほとんどが貧困対策、一般の方々に利益は何もなかった。これでは税金が上がっただけで、何も自分達の受益がなかったら租税抵抗、いわゆる税に対する嫌悪感、これは高まるばかりでした。やり方として失敗した。消費税であろうが、何税であろうが、皆さん方から余分にそれをいただいたら、この分、皆さん方の教育がタダになりましたとか、あるいは年金が減らない仕組みに一部なりました、あるいは介護士の方々の待遇が改善されて、1割以上の施設が空いているのに入らしてもらえないということが解消されましたとか、何かそういう実感が受益として理解されるようなものにしないと。税金は上げました、しかし受益はないですというのはマズかったと。ですから、成功体験をどう国民に理解していただけるのか、これが大事だと思いますね」
反町キャスター
「石破さん、いかがですか?」
石破議員
「法律で決まってるんですからね、1回先送っていますから。だけど、その時にともすると、消費税上げるのは抵抗多いよね、社会保障の改革もなかなか国民的に合意を得られないよねということもないわけじゃないです。その時にどうしますかということも考えておかないといけないと思うんですね。消費税を上げるべきだと私は思います。だとするならば、消費税を上げる環境は何ですかという、それを整えていかないと。さあ、決まったのだから上げますよという話にならんじゃないですか」
反町キャスター
「それを整えられるかどうかが、総選挙で勝てるかどうかのポイントになる、そういう意味で言っている?」
石破議員
「ですから、前回の総選挙も消費税を上げるのを延ばしますよというのが争点だったんですよ」
反町キャスター
「でも、皆、反対しちゃったから…」
石破議員
「うんうん、皆、反対した、不思議なことでしたよね。私はすごく意外に思ったけれど、私はその時、地方創生担当大臣でしたから、地方創生というのはまさしく大企業や大都市ではない、そういうところにもきちんと生産性を上げ、地方に雇用と所得を確保しなければ、全国津々浦々消費税を上げるという話になりませんよと。だから、消費税を上げられる環境を整えるということの一環が、地方創生ですよと訴えてきた。それが本当にどれだけの地域で実行が上がりますかという検証をしないと、前回の総選挙って何でしたかということになりゃしませんか」

長期政権の与党と野党
秋元キャスター
「前原さんが民進党の新代表に決まった後に行われた共同通信社の世論調査ですが、民進党の支持率、前回と比べまして7.5%と0.2ポイントアップしました。前原新代表に期待するという声が40.3%、期待しないが51.2%と、期待しないが上回っているのですが。前原さん、この世論調査の結果をどう受け止めますか?」
前原代表
「支持率7.5%ですよ。その中で40.3%も期待していただいているということは有難いことですし。とにかく現在の支持率とか、期待・期待しないということではなくて、自民党に代わる選択肢、これをしっかりと示すということが歴史的な使命だと思うんです。昔の55年体制というのは、内政も外交・安全保障も対立軸を示さなければいけなかったというのが55年体制。これはおかしかったと思うんです。つまりは、自衛隊は憲法違反だ、日米安保は破棄だという方がもう一方の極だったわけですから。これからは外交・安全保障政策は基本的には同じです。政権交代があっても継続性には問題がありません。しかし、私の言葉で言うと、小さな政府、自己責任型の自民党なのか、それとも少し中福祉中負担ではあるけれども安心が提供される民進党なのか、どちらを選ばれますかというような選択肢に我々がもっていけるかどうか。つまりは、何かを言うと足を引っ張っているなと、文句ばっかりを言っているなと、こういう政党のイメージというのが民進党についていると思いますので、しっかりと追及は追及する、しかし提案もしっかりしていき、社会像を競う、こういった2大政党制にもう1度チャレンジしたいと思います」
反町キャスター
「選挙で勝つためにどうするかという話になります。野党共闘、共産党も含めた野党でさまざまな調整をするか、ないしは小池知事が都議選の時に言ったような、自民党が右に打って、野党が左に打って、真ん中に無党派・中間層というグリーンが空いていたのよという、この話がありました。前原さんはどこを狙っていくのですか?」
前原代表
「政権交代を目指すのであれば、自民党とほぼ同じ支持率が無党派ですよ」
反町キャスター
「なるほど、35%とか、40%ですね」
前原代表
「ほぼ同じですね。ここを獲りにいかずして、政権交代は絶対にないですよ」
反町キャスター
「共産党と連携を強化して無党派層が民進党に寄ると思いますか?」
前原代表
「いや、私は思っていないから、代表選挙の中で4党の合意というものは、是非も含めて、その4党の公党で結んだものなので重さというものは十二分に理解をしながらも、政策合意もまったくなしに選挙協力を進めるというのはおかしいのではないのということ。安倍政権下での憲法改悪には反対すると。安倍政権下だって堂々と議論したらいいじゃないということで私は代表にならせてもらいましたので、ド真ん中をしっかりと獲りにいく。しかしながら地域によっていろいろな事情もあるので、そこについては柔軟に地域の声を、上意下達の組織ではないので、地域の実勢に柔軟性をもってあたっていくということですね」
反町キャスター
「幹事長を経験した石破さんから見た時に、野党の代表がこういうことを言うというのは、しめしめと思うのか?解散選挙をやったら怖いなと思うのか?どう感じますか?」
石破議員
「それは常に怖いなと思っていなければいけないですよ。そうあってほしいなと思うんです。私は1回、自民党に代わる保守政党をつくりたくて党を出たことがあるんです。それがどんなに難しいことかということは、もう嫌と言うほどわかっているつもりです。また、野党の時に、私、政調会長をやりました。その時の民主党が、こんな言い方しちゃいかんのかな、私、ふうんと思ったのは、3.11東日本大震災の大津波、原発事故の時に、時の政府、あるいは民主党の方が自民党本部に来られて、足らないところを教えてくれとおっしゃった謙虚さは、私は偉いと正直言って思いました。自民党は我々が至らなくて野党になったのだから我々の持っているノウハウは民主党政府にだって惜しみなく提供しようじゃないのということで一致していました。私は、野党の言うことでも立派なことは取り入れるという、そういうマインドが与党には必要だと思っています。それをお互いに共有することによって安定した政治になっていくのだろうと思っています。ですから、私達は、自分達が至らなくて野党になった。民主党さんも現在、野にあって、民進党だと。お互いにいろんな失敗体験を学び、また成功体験と言うのかな、野党のあるべき姿も学習してきたのです。ですから、常にずっと野党だったのは日本共産党だけであって、あとの党は全て与党を経験しているわけですよ。だとすれば、与党のあり方、野党のあり方をお互いに失敗に学んで共有していくことは大事なことことだと思います。」

『ポスト安倍』への戦略
秋元キャスター
「世論調査で自民党国会議員の中で次の総理大臣としてふさわしい人に、現職の安倍首相を抑えてトップに選ばれるなど、石破さんの国民的人気が高いことがわかるのですが。前原さん、この石破さんの人気、なぜこんなに人気なのだろうというのは前原さん、どう見ていますか?」
前原代表
「ご本人が横におられるので言いにくいのですが、チャーミングですよね。キモカワと言うかですね…」
反町キャスター
「それ違うのではないですか?チャーミングとキモカワは微妙に…」
前原代表
「キモカワってチャーミングなんですよ。だって、かわいいですよ。気持ち悪いけれど、かわいいんですよ。そこの、にじみ出ているものというのが石破さんの人気ではないですかね」
反町キャスター
「2人は惹かれ合っていると言うと気持ち悪いのだけれど、そうではなく、親交が深く続いているというのは、それは安全保障の共鳴からなのですか?」
石破議員
「有事法制とか、国民保護法制とかありましたですよね、小泉内閣で。当時私は防衛庁長官でした。前原さんが民主党のその問題の責任者で、我が党の責任者は久間章生先生だったですよね。そこで久間先生と前原さんが本当に誠心誠意お話を詰めていただいて、政府の出した案を修正する形で民主党も賛成してくださって、有事法制とか、国民保護法制、成立しましたよ。私、あの成立の場面を一生忘れないと思うけれど、参議院本会議場の大臣席から見ていて、社民党・共産党を除く全員が立った時に、私は本当に泣けましたよ。憲法改正だって一緒で、どれだけ多くの方々の賛同を得るかということに努力しなければいけないです。妥協じゃないけれどね。だから、私は前原さんという人を人間的に信頼しているのは、そういうきちんとした議論でリアリズムに基づいた結論を出してくださる人だと思っているので。趣味の鉄道を除いても私はそう思ったりするんですよね」
反町キャスター
「今日、2人にあと1問ずつ聞きたいですけれど。2012年の自民党総裁選で石破さんと安倍さんが戦った時の表です。1回目の投票では石破さんが地方票で圧倒的に勝利をして、全体でも石破さんが勝って。決選投票にいったところでこういう形になりました。いかがですか?次の総裁選に向けて、出る、出ないを聞いているわけではないです。次の総裁選に向けて、ここを強化しなくてはいけない、だって、全国的な人気度・認知度があるとした時、あとは決選投票に備えて国会議員票を集めないといけない、そんな意識で現在、政局を見ているのですか?」
石破議員
「安倍首相が、この時から5年間、首相としてずっとマスコミに出て、海外の要人と会談をした。それは圧倒的に国民的な認知度が高い安倍首相だと思わないといかんですよ。そう考えた時にですよ、私としては同じ自民党だから自民党の綱領の範囲内です、その中で安倍首相のいいところ、先ほどの民進党と自民党ではないけれども、いいところは引き継ぎ、そうではないところをどう変えるのか。私であれ、岸田さんであれ、野田さんであれ、皆、一緒ですよ。総裁選に出ると決意を固めた者はそれがなければ出る意味がないと思っていますので。また、自民党は党員のための党でなく、国民のための党です。国会議員のための党ではないですよ。そのことを間違えると本当にガラッと国民の支持が変わっちゃうことがあるんですよ」
反町キャスター
「石破さん、安倍政治のここを1番変えたい。どこですか?」
石破議員
「それは全国47都道府県、1718市町村あるのであって、政治は魔法使いではないから、国民の不平不満というか問題というか、それを一瞬にして解決することはできません。だけど、北海道から九州・沖縄まで、どこで誰が何に悲しみ、どこで誰が何に苦しんでいるか、こういう政策を出したとしたら、どういうふうにして反応するかということを、きちんと知ることが大事なことだと私は思っています。そういうことを現職の首相ご覧になることはなかなかできないし、国会議員がそれを述べ伝える立場だと思うけれど、私は現在何のポストにも就いていないので、票を獲るというよりも、こういう政策を採ったとしたら北海道のあの人はどう思うかしら、稚内のあの人はどう思うかしら。内路のあの人はどう思うかしら、大阪の堺の人はどう思うかしら、羽曳野の人はどう思うかしらと、そういうことが常に頭に入っていないと政策を間違うことがあると思うんですね。だから、国民の痛みと悲しみと苦しみ、喜び、それを知ったうえで、安倍首相も一生懸命、把握をしようとしているし、国会議員も一生懸命延べ伝えようとしているけれども、それを本当に自分のものとして、それが捉えられるものでありたいなと思いますね。だから、どこが違うなんて偉そうなことは言いません」
反町キャスター
「前原さんは、安倍政治の最大の手を突っ込んで直したい部分はどこですか?」
前原代表
「簡単に言うと、カンフル剤に頼っているということですよね。財政出動、それから、金融緩和、それはカンフル剤ですから、ある程度は効きますよね。でも、こればかりでは構造問題は変わらない。地方創生とか、1億総活躍とか、ということをおっしゃっているけれども、それが何の結論も出ないままに看板が替わっていって、検証すらされていない状況で、構造問題は変わっていないわけです。人口は減り、地方は疲弊をし、中小零細企業は苦しみ、お年寄りは不安になり、若い人達は非正規雇用が多くなって、言ってみれば結婚できない人達が増えている。こういう、まさに現在ある問題をどう助けるかということであって。成長を求める、企業さえ儲けさせればいい、それも大企業だけ、この政治はまったく本末転倒だと思うんですよね」

前原誠司 民進党代表の提言 『再分配の強化』
前原代表
「教育の無償化とか、あるいは年金、介護、こういったものをしっかり強化して、人々の不安を取り除くということが大事だと思います」

石破茂 自由民主党元幹事長の提言 『誠意 共感 納得』
石破議員
「道徳の標語みたいですけれども。つまり、現在の時代、真面目に考えるとそんなに政策選択が幅広くないですよ、夢みたいなことは言えないですよ。でも、そうだよねと共感していただく、納得していただく、その誠意があることが現在の政治に必要だと思いますね」