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2017年9月5日(火)
『地方議会』は必要か 検証!政務活動費の闇

ゲスト

新藤義孝
自由民主党政務調査会長代理 元総務大臣
渡辺周
民進党衆議院議員 元総務副大臣
片山善博
早稲田大学公共経営大学院教授 元総務大臣
岩井奉信
日本大学法学部教授

『地方議会』は必要か 検証!政務活動費の闇
秋元キャスター
「先月29日、神戸市議会の橋本健市議会議員が政務活動費の問題で辞職しました。この政務活動費の問題が、日本各地で続発、一方で、地方議員のなり手不足も深刻な問題となっています。私達の生活に最も近い地方議会の存在意義と改革の具体案について考えます。このところ相次ぐ地方議員の不正疑惑ですけれども。注目されましたのが、先月23日、神戸市議の橋本健氏が市政報告のチラシを架空発注し、政務活動費を不正に受け取っていた疑惑を週刊誌で報じられました。橋本氏は会見で疑惑を否定したものの、印刷業者が架空発注を認めていて、29日に橋本氏は郵送で辞職願を提出しています。この政務活動費ですけれども、地方議員に対して調査や研究・広報活動に役立てる経費として自治体が支給する費用のことですが、自治体によって支給額が異なっていて、神戸市議の場合は1人当たり月額38万円となっています」
反町キャスター
「岩井さん、この表にも出ていますけれど、これは東京都議会ですよね?」
岩井教授
「そうです」
反町キャスター
「都議会における政務活動費の使い道の話です」
岩井教授
「はい」
反町キャスター
「この中で広報費というのは?」
岩井教授
「広報費というのは、非常に大きい額で。地方議員の政務活動費のうち支出のだいたい3割、東京都は非常に多いですけれど、だいたい3割ぐらいが広報費に使われる。これは当然、議会活動、あるいは政策について説明をするというようなことに使われるということで、選挙のビラではないのだ、選挙活動に使ってはならないということになっているんですね。ただ、非常にこの費用が大きい、その割にいろいろ話を聞くと、見たことがないという人達がいるということがあるので、大きな額なので、果たしてここのところが本当にその通りになされているか、特に広報誌というのは期限ものと言いまして、印刷部数を刷って配りましたと言っても、10万部刷りましたと言って、本当に10万部を刷ったかどうか、あるいは本当に配ったかどうかという検証のしようがなかなか難しいですね」
反町キャスター
「今回の問題になった橋本神戸市議も同じパターンですよね?」
岩井教授
「そうですね」
反町キャスター
「東京の例なのですが、東京の場合では月額60万円でしたか?」
岩井教授
「60万円ですね。ですから、広報費だけで、3億円ぐらいあるんですね」
反町キャスター
「そうですよね?」
岩井教授
「はい」
反町キャスター
「だから、それぞれ1人1人の議員が60万円の36%、20万円ぐらいは、毎月、毎月いろいろな刷りものをつくって、有権者の人達に、僕は都政の活動こんなことをしていますよと配っているはずなわけですよね?」
岩井教授
「はずなわけです」
反町キャスター
「それが実際には使っていないかもしれないと、こういう指摘ですか?」
岩井教授
「そうです。現物は一応、事務局に提出はしなければならないし、これはオープンになっていたりはするのですけれども、実際に何万部刷りましたということの検証がなかなか、何を買いましたというのは検証できるのですけれども、なかなかこれの検証のしようがないというのがあるんですね。同じように人件費についても、これも地域によりますけれども、東京都の場合ですと人件費の細かい細目は公表されていないですね。それから、誰に対して払ったかということについても、これはプライバシーの問題がありますから、これも公表されないということがあるものですから」
反町キャスター
「誰に対して払ったかも公表されないのですか?」
岩井教授
「そうですね。領収書自体も黒塗りで出てきますね」
反町キャスター
「だって、秘書とか、そういう意味で使っているのではないのですか?」
岩井教授
「そうです、普通は。特に都道府県ですと会派で事務所、事務局をやっておるというのがありますけれど、個人の方で秘書を雇っているという方もいらっしゃる。ただ、それが総額でいくらだというのは出てきますけれど、具体的に何人分、日給いくらだとか、細かい数字というのは、実は東京都の場合は公表されていないですね。かつ領収書の添付で、たとえば、現在、領収書を公開しているところでも、この領収書に具体的な個人名・住所というのは黒塗りになって出てしまうところがあるものですから、ここのところも不明朗なところがあるのではないかと言われるんですね」
反町キャスター
「新藤さん、まず政務活動費と言いながらも、使い道がはっきりしない、どこにどう使われたのかもわからない名目で、これだけ巨額なお金が使われているのではないかという指摘がありました。どう感じますか?」
新藤議員
「問題が起きるのは、不祥事が起きる、そういう状態を解消しないといけないことであって、政務活動費はもともとはなかったのですから、なかったものが必要だと、そういうことで何度も議論を経て法改正をして現在にきた。だから、この制度がきちんと信頼されるような運用を議員、今回は地方議員のことが題材になっていますけれど、議員は、本来目的というのは地方議員の政策力の強化・充実、これにきちんと使えば誰からも」
反町キャスター
「文句は言われない?」
新藤議員
「それをやるためにつくったのだから、こんなことを言われないようしっかりしようではないかと、悔しいのと残念だという一言に尽きます」
反町キャスター
「渡辺さん、いかがですか?」
渡辺議員
「こういう制度ができているということは地方議員の倫理観というか、道徳観というか、性善説に立ってつくったわけですね。よもや悪いことには、よもや今回の詐欺まがいのことには使わないだろうという中で、先ほど、新藤さんもおっしゃったけれども、度重なる法改正の中で政務調査費が政務活動費というふうに使い勝手がいいようになったりしていまして。でも、これは性善説に立ってつくったものですので、あとはそれぞれの地方議員の方々が、もし本当にこの人と同じようなことをどこかでやったら、富山の市議会の例もありましたけれども、もうアウトだよと、議員辞職になるのだと、あなたが一生懸命つくってきた、守ってきたものも台なしになるよと。そこまで皆さん、認識してほとんどの方が使っていると思います。あとは個人の倫理観・道徳観の最後は問題なのだろうなと思いますね」
反町キャスター
「富山市議会のことが出たので、何があったのかということだけ簡単に説明しますと、こういうことがありました。まず神戸においては今回、問題となった橋本市議以外に、架空や水増しした領収書を添付した虚偽の収支報告書を作成したケースが明らかになりまして、5年間で2300万円の不正があり、3人が議員辞職をしました。富山においての例というのは懇意の印刷会社や店舗から大量の白紙領収書を事前に入手していたケースが明らかになって、5年間で4000万円を超える不正受給が発覚、市議が14人辞職した。片山さん、まず何がどういう構造でこうなってくるのか?まずそこから」
片山教授
「富山の場合も、橋本さんの場合もそうですけれども、名前の挙がったような人は現在の金額を合わせているわけですね、不要ですよ」
反町キャスター
「なるほど」
片山教授
「ええ。たとえば、神戸市議で38万円貰っていても実際に必要なものはもっと少額だったわけです、橋本さんに関しては。でも、38万円貰える権利めいたものがあるので、そこのところを詐取したと、騙して取ったということです。ですから、1つ言えることは、金額が多いのではないかと。皆に妥当するかどうかはわかりませんけれども、少なくとも金額を余している議員が多いのではないかということが1つですよね。政務活動費は必要だと思いますけれども、ひょっとしたら橋本方式をやっている人がいるのではないかとか、富山方式をやっているのではないかと世間は疑いますよ」
新藤議員
「違う、違う…」
片山教授
「だから、ちょっと待ってください、だから、そこで透明化が必要ですね」
新藤議員
「うん」
片山教授
「ちゃんと私、こう使っていますよと。たとえば、人件費で誰それに払ったというのはちゃんと公表しなければいけません。プライバシーがどうのこうのと言ったって、そこに所得がいくわけですから、所得税の問題も出てくるわけです」
反町キャスター
「なるほど」
片山教授
「誰に払ったかわからないけれども、経費で認めてくれますかと、税務署に聞いたら絶対に認めませんよ。だから、少なくともそういう誰に払ったかぐらいはキチッとする。そのうえで、あっ、この人は使っているのだな、この人は詐取したのだということがわかってくる、これが1つですよね、要するに、余している人がいる。もう1つ、皮肉なことにこれまで情報公開が進んできたんですよ、それから制度も整えてきているんです、不十分ですけれども。であればこそ、富山の場合も橋本さんのケースもばれたと言いますか、他人の目につくようになったんですよ。これが一昔前だったら、たぶん全然わかっていないですよ。でも、一応、収支報告書を出してそれを公開する、場合によって、自治体によって領収書も全て公開する、そういうことをやっていますから、そこを手繰っていくと、これは架空の領収書ではないかとか、そういうことがわかってきたというのは、我々としては1歩前進だという評価はしなければいけないですよ。だから、もっと2歩、3歩と前進させる1つのきっかけになりますねということが伺えると思います」
新藤議員
「ちょっといいですか?このお金は政治…」
反町キャスター
「どちらですか?」
新藤議員
「両方とも。これは政治活動に使っていないですよね。政治活動に見せかけて、この分を着服したようなものなのですから。ね?ですから、政治活動をやった分で請求をして、別に貰っちゃうわけではないのだから、使った分を領収書で精算するわけだから、ですから…」
反町キャスター
「普通の人はですよね?ちゃんと仕事している人はですよね?」
新藤議員
「そう。ですから、この人達は政治以外のものに使ったから、不祥事になったわけですよ。政治活動に使っている分には堂々と申告すればいいわけなのだから。だから、そこに問題があるということですよね。これで何か裏金にして政治に使ったと言うよりは、政治以外のものに使ったと思ってもらった方がいいのではないかと思うんですよ」
反町キャスター
「でも、岩井さん、使い道は架空の領収書をつくって、裏金をつくって、それで飲み食いに使ったのか、ないしは別の目的に使ったのか、そこの使用目的についてはどう感じていますか?」
岩井教授
「これは昔の政務調査費の頃というのは、そういう規定がはっきりしなかったものですから、収支報告書は相当いい加減だったという事例があるんですね。これが2012年に政務活動費という名目に変わった。これによって報告義務というのが出てくるんですね。それによって、その一方、使い勝手がいい政務活動等という、等という言葉がついてきて、使える範囲というのが、ちょっと広がったと言われているわけです。大事なことというのはお話があったようにきちんとそれを公開していくということ。単に帳簿というか収支だけを公開するだけではなしに最近の傾向はインターネット上で領収書も含めて公開をするというのがドンドン増えてきている状態で、実際にインターネットで公開しているところを見ると、ムダな使い方が減っていると。要するに、返還率が30%ぐらい返還されているというのがありますから、また問題が起きていない。ただ、その一方で、神戸市を見ると、実は、公開度は非常に高いですね」
反町キャスター
「あっ、そうなのですか?」
岩井教授
「はい。本当に神戸市は、この橋本さんの時はまだだったのですが」
反町キャスター
「2014年以前だからね?」
岩井教授
「ええ、2015年以降、非常に良くなってきて、現在、全国第3位というぐらいの情報公開度なのだけれど。それでも架空領収書とか、水増し領収書を出されてしまうと、さあ、これが本物かどうかというのは、ちょっとなかなか見分けがつかないと。ここに穴があるのかなという感じが…」
反町キャスター
「岩井さん、東京都議会の政務活動費の使い道の割合を見ました。この中で聞きたいのは会費の部分です。会費1.46%」
岩井教授
「はい」
反町キャスター
「総額8億2873万円とすると、どのくらいですか?1200万円ぐらい?」
岩井教授
「1200万円ぐらいですね」
反町キャスター
「そのぐらいの金額なのですけれども、この会費という使い道、これはどういう意味で設けられているのですか?」
岩井教授
「よく話題になるのですけれど、実は額はそんなに大きくはないのですけれど、いわば飲み食いですね。かつては政務調査費と言ったところが、調査という名前がついているから、さすがに飲み食いはマズイだろうということで、実際使ってはいけないという決まりはなかったのですけれども、使わない方向性だった。しかし、政務活動費になってから政務活動等という言葉がついて使える範囲が広がったということになる。そうなると、一応、有権者の方から陳情を受けたり、あるいは意見交換したりという会に出る時の会費というのを認めていこうということで、この会費というのが出てくるんです。ただこれはともすると、実際、新年会が非常に多かったりするのですけれども、ともすると、後援会まわり、いわば政治活動ですよね」
反町キャスター
「そうですね」
岩井教授
「政務活動費というのは、政治活動、あるいは選挙活動に使ってはならないと決まりがこれはあるんですよね。しかし、現実には意見聴取とか、あるいは陳情を受けるという意味合いで会合をまわっている。ところが、1か所10分だったり、20分だったりで、記録もあるのですけれども、そうすると、それは第2の政治資金ではないかという批判があるんですよね」
反町キャスター
「それは、たとえば、県議の後援会の新年会が6か所ありますと、全部、挨拶にまわっていって、1か所いく度に、今日はどうもありがとう、とお金を置いていく、これはできないですよね?」
岩井教授
「無料のところでお金を置くとなると、これは公職選挙法違反になるんですね。一応、会費制でやっているところ…」
反町キャスター
「会費制の会合であればいい?」
岩井教授
「…あればいいという形になってなっているので。確かにこの間、公開された東京都の場合でいくと、1人で70か所まわったという方がいらっしゃったりするんですね。実際に見ていると、1か所10分、20分というケースもある。そうすると、それで本当に陳情だとか、意見交換ができるのだろうかという疑問が出ていることは間違いない」
反町キャスター
「顔出しだけだと、そういう意味ですか?」
岩井教授
「そういう可能性もあると言われるんですね」
反町キャスター
「それはもう事実上、選挙運動ではないですか?」
岩井教授
「そうなんですよ。だから、それは政務活動費の政務という、政務というのは政策づくり、あるいは質問づくりに資するためですから、果たしてそうなのだろうかという疑問が呈されるというところはありますよね」
反町キャスター
「新藤さん、この会費という項目、非常に微妙な響きでどういう使い道を目的として…」
新藤議員
「昔は、会費という名のお祝い金だったんですね。ですから、一般の方がお金を持っていっていないのに、議員だけは挨拶代わりにお祝いを持っていく、それが莫大なお金になっちゃったんですよ、これは寄付ですから、ですから、法律上はダメなんですよ。従って…」
反町キャスター
「冠婚葬祭もそうですよね?昔の」
新藤議員
「もちろんです。冠婚葬祭も自分が行かない限りは持っていけないのだから。ですから、現在、言っている会費というのは、一般の人も払っているお金、そこに自分が会員ではないが来賓で呼ばれて行った時に皆さんの払っているお金と同じ分を払い、相手から領収書をもらう、その分を会費として見ているわけです。ですから、会費を取らない会合には議員もお金を持っていかないです」
反町キャスター
「その感覚からいくと、1.46%は非常に少額だと思うのですけれども…」
新藤議員
「いや、もう普通です」
反町キャスター
「こんなものですか?」
新藤議員
「そうです。それから、私だって日に多いと30か所まわった時もありましたよ、昔…」
反町キャスター
「県議の時?」
新藤議員
「いやいや、国会で」
反町キャスター
「国会で、はいはい…」
新藤議員
「だけど、日曜日にねバーッとまわったけれど、でも、その時にそこに行った人と触れ合って、おう、お前こうだよとか、そういう話をしながら、なるほど、と言って皆さんの声を聞く。これは、挨拶をして帰るのではなくて、皆の中に入って触れることが政治ですよ。ですから、その時に、いちいち会費なんか持っていきませんよ。テーブルがあって料理がセットされていて、皆さんも1人いくらと払ったものに、自分も来賓だけど、席には料理が用意されちゃっているのだから、その料理をタダで食べるわけには、タダで自分の席にあるものをいただくわけにもいかないからというので、出すというのが本来の趣旨です。それ以外に使っているのは、それは違反だから、そういうことがあってはならないのだが、でも、先生がおっしゃるように、そういうまだきちんとした趣旨が徹底していない部分もあるかもしれない。だから、こういうことを契機として、ますますこの制度をきちんと精度を高めていくことが必要ですよ。」
反町キャスター
「なるほど。片山さんは会費の意味をどう感じていますか?」
片山教授
「1番、たとえば、推奨されると言うか、私のイメージで言いますと。たとえば、市民の皆さんが何人か集まって、たとえば、保育所問題をちょっと考えようではないかと、その時に身近な市議会議員を呼んで、夕飯でも食いながらじっくりやろうではないかと、そういうところに呼ばれて行った時に、皆さん、食事をしまして、自分にも出ますから。その時に皆さんと同じだけの会費を払う、そこで政策を議論する、それを聞いて蓄えて、自分の政治活動に活かすということですよ」
反町キャスター
「地方議員の皆さんはそういうことを小マメにやっているのですか?」
片山教授
「やっている人はいますよ」
新藤議員
「やっていますよ…」
反町キャスター
「なるほど、それにしては会費がちょっと少なくないですか?」
新藤議員
「だから、会費をとる会合が少ないということですよ。本来、皆さん、町会費だとか、自分達で普段から用意をされて、その団体としてお金、いろいろな料理を出すのだから、参加費は無料になるわけですよ。そこには議員だって出す必要がないのだから、会費は、それは当然、この会費の支出は減るんですよ」
片山教授
「先ほど、申し上げた、私が考える典型的ないい例と、それから次々、次々、渡り歩いて、会費を払って置いていくという区別がつきにくいですよね。だって、それは新年会に行ったって、挨拶した時に市政がこんなになっていますとか、私はこういうことをやっていますと言えば、それはちゃんとした政治活動ですからね。そうしますと、その区別がつかないのをどうしますかというと、そこは透明性だと思うんですよ。キチッと、何月何日にどういう会合に行って、こういう領収書があります、という話が全部クリアになって公開されれば、あとは市民が判断しますよね。あっ、これは何か変だねとか…」
新藤議員
「政務調査費、市町村で平均3万円ぐらいでしょう。そんな会合を渡り歩いているなら、3万円で足りるわけがないではないですか?」
反町キャスター
「あっという間になくなっちゃいますね」
新藤議員
「ですから、お金のかかるところにお金を払う場合には公費で賄うという制度なのだから」
反町キャスター
「なるほどね」
新藤議員
「うん」
反町キャスター
「その意味で言うと、片山さん、この政務活動費の使い道というのは、会費、広報費、事務所費、人件費とか、この部分というのは項目自体ほぼこういうものが入っていて構わない?」
片山教授
「構わないと思いますよ」
反町キャスター
「構わない?」
片山教授
「だから、これを悪用する人が現にいましたから。悪用できないようにする、抑止装置が必要ですね。それはキチッと中身を熟知してもらうことと、それから、公開をすることによって検証可能にする、これが1番重要だろうと」
反町キャスター
「よく後払い方式があるではないですか?」
片山教授
「ええ」
反町キャスター
「最初から、あなた、これだけ使っていいですよと、ドンと渡されて、あとで領収書を引き換えにこうやるのではなくて、使った分だけ請求してやっていくと。そんな形で透明性とかが向上するものなのですか?」
片山教授
「それは一定の抑止力にはなります、悪用の。ただ、結果的には同じだと思うんですよ。それよりむしろチェックができるかどうか。たとえば、鳥取県の県会議員さんの政務活動費は全部、収支報告書も領収書も全部インターネット公開ですよ。合わせて、監査の対象にしているんです。だから、この領収書は本当に本物かな、偽物かなというのは監査の方のプロがやりますから、わかりますよね。それ以外に本物だとして、こういうことに使うのがいいのかどうかというのは、これは違法とかの問題ではなくて当否の問題でありますから、それは有権者、市民の皆さんが判断をするということでいいのかなと思います」

『八百長』と『学芸会』
秋元キャスター
「ここまで地方議員の政務活動費などについて話を聞いてきましたが、こうしたさまざまな課題を抱える地方議会ですけれども、2007年に、片山さんは地方分権改革推進委員会において『ほとんどの地方議会で八百長と学芸会をやっている』と発言をされているんです。この発言について具体的に教えていただけますか?」
片山教授
「八百長というのはもう勝負をする前に試合結果が決まっているわけですよね。でも、何か丁々発止と真剣に戦っているように見せて、実は前もって決まっている。議会というのは議案を決める、議案を処理する場ですね。予算とか、条例案とか。審議をした結果、可決するか、否決するか、修正するかということを決めるわけです。だから、審議をしないと結果は本来出ないのですけれども、日本の地方議会の大半は、ほとんど全ては議会を開く前にもう審議結果、採決の結果を決めているんですよ、それで議会を始めるんですよね」
反町キャスター
「それは国政もちょっと似ている?」
片山教授
「国政も似ている時期もありますし、ちょっと波乱万丈の時期もありましたね。国会はちょっと流動的ですけれども、地方議会の場合はほとんど首長が出した議案は一部の会派は反対しますけれども、多数会派は全部通す。それは審議しているようで、実はもう結果は決まっているから八百長ですねということですね。学芸会というのは、日本の地方議会というのはちょっとユニークですけれども、本来は議案を処理する場です、議会というのは、決定機関ですけれども、その議案を審議することについてあまり関心を皆さん、持たないです。最初から決めているので。専ら代表質問とか、一般質問、特に一般質問に力を入れるんです。そこが、議員さんの活躍の舞台みたいになっているんですよ」
反町キャスター
「首長に対して質問を突きつける…」
片山教授
「首長に対して…。マスコミの皆さんも言うではないですか、質問していない議員がいるとか。だから、質問をするということが1番大事だと思い込んでいるんですね。議案と関係ないことで。それでその議員さんが質問するのですけれども、頓珍漢な質問をしたら笑われたり、恥をかいたりするし、できれば質問したことに対して非常に好感、好意を持てるような答弁がほしいではないですか」
反町キャスター
「首長からね?」
片山教授
「肯定的に」
反町キャスター
「はい」
片山教授
「そこですり合わせをするんです。それでこういう質問をするから、いい答えをくれよとか」
反町キャスター
「では、与党議員の質問が圧倒的に有利ではないですか?」
片山教授
「そういうことですね。それから、質問を全部見せて、あらかじめ全部見せて、それに対して答えを決めておくというようなことが一般的になるわけです。中には、最初から質問自体を役所の人間に書いてもらって、それを読むだけと、それを朗読するだけと、そういう議員さんもいます」
反町キャスター
「それはでっかい都市で多い話なのですか?」
片山教授
「いや、田舎でもありますよね」
反町キャスター
「田舎でもある?」
片山教授
「田舎でもある。ですから、そういう…」
反町キャスター
「事務局がある程度、しっかりしていないと、官僚機構が。しっかりしていないと、質問案つくってあげたりできないのではないですか?」
片山教授
「いや、事務局というか、執行部はむしろその方が楽というところの方が多いですよね、変な質問が飛んでこないから。こちらの掌の中で、上で、自分達の答えやすい質問をつくるわけですから。そういうことをやっている議会は結構あるんですよ」
反町キャスター
「渡辺さん、片山さんの指摘、八百長と学芸会の地方議会、いかがですか?」
渡辺議員
「うまいんですね、県庁の役所の人も県庁の職員も上手で。先生の日頃のお考えを私どもなりにまとめさせていただいて是非、先生の質問とすり合わせをされてはどうでしょうかと…」
反町キャスター
「それは静岡流?」
渡辺議員
「いや、実際、そうだったんです。それで、いや、なったばっかりだったし、私はもともと新聞記者をしていましたから、それなりの問題意識はあって、いや、自分の原稿は自分で…」
反町キャスター
「書けるでしょう、だって?」
渡辺議員
「いやいや、つくります。だから、でも上手に議員のプライドを損ねないように、私がつくると言うと、なぜ、俺、議員がって、お前に下請け出せるかなんて、だから、日頃のお考えを念頭に粗々つくりますから、あとはどうぞ先生、すり合わせしてくださいみたいなことを言って、そのまま使えるようなものが出てくるんですよね。ですから、昔の議員さんなんかだと、何か財政のところはですます調だったのが、何か次のところは紋切り調になるとか、何かやたらトーンが変わって、これは皆、違う人がつくってツギハギしたのだなというのはバレバレのヤツとかがありまして。だけど、現在は相当、もう役所の方も、でも、結果そういうことをやったら、あの先生はもう、一応おだてるけれども、あの人は俺達が質問をつくらなければモノを喋れねえんだ、みたいなことを言われるので、そこはもうだいぶ変わってきましたですよね」

『年4場所制』の呪縛
反町キャスター
「片山さん、もう1つ。片山さんの指摘の中で、地方議会が期間、やる日が決まっているのが問題だと、これはどういう意味ですか?」
片山教授
「これは年4回、定例会方式と言うのですけれど、年4回定例会をやると。1回あたりの会期が、議会によって違うのですけれど、大きなところだとひと月近くやったり、それから、小さいところだったら10日とか、それを4回やるのですけれども。なぜこんな4回にまとめてやるのですか、という疑問がありますよね、なぜこんなことになっているのだろうかと。実は、当の議会の議員さん達もよくわからないままこれをやっているのですけれども、地方自治法が年4回ということを原則としていますので、こうなっている。で、なぜこうなっているのかというのを、淵源を尋ねてみますと、これは私なりの解釈は日本の昔の社会産業構造にとってもよく合った仕組みなんですね」
反町キャスター
「ヘッ?」
片山教授
「水田農耕型社会に対応した議会、議会なんですよ。と言うのは…」
反町キャスター
「はあ…、4月、5月は田植えとか、そういう意味ですか?」
片山教授
「田植え、5月田植え、6月の初めまで田植えをしますよね、終わってから6月議会。7月、8月は炎天下で昔は機械化されていませんから、手で農作業とか、これをやって、一通り終わって水抜きが終わって9月の議会。それから、10月、11月は稲刈り、収穫ですから、それを終わって12月議会。それから、昔は旧暦で動いていましたから、旧正月は地方ではとっても大事だったですね、旧正月にはいろいろ行事がありましたから、七草の粥を炊いて、終わって2月議会と。実は水田農耕型社会で専業農家中心だった時代に対応した議会のあり方なんですね。だから、そういう専業農家中心の社会だと農閑期にやらないといけないですよ、農繁期にやっちゃいけないです。高度成長前の日本というのは地方都市でもだいたい農家が多かったですから、そういう時代にできあがった制度を実はいまだに踏襲している、しかも、大都市でも、それを東京都でもそれを踏襲している。このへんにすごく矛盾が出てきているんですね」
反町キャスター
「たとえば、国会だったら、通常国会が1月半ばとか、末から150日間やって、あと夏、秋に臨時国会をやってみたいな、そんな感じではないですか。そういうバーッと150日間やって、そのあと…みたいな形の方が望ましい?」
片山教授
「いや、中央議会は、世界標準を言いますと、こういうまとめて年4場所スタイルではなくて」
反町キャスター
「相撲ではないですから」
片山教授
「相撲だって6場所やっているんですよね。たとえば、毎月1回とか、隔週でやるとか、それから、場合によっては毎週やるとか、要するに、定例日を決めていまして、毎週金曜日の夕方6時からとか、そういうアメリカなんかはそういうやり方をしているところが多いです」
反町キャスター
「それはほぼ兼業ですよね、皆さん?」
片山教授
「兼業です」
反町キャスター
「本業、自分の仕事をちゃんと持っていて…」
片山教授
「ええ。ただ、アメリカの場合は、州によって事情が違いますから、制度が違いますから、専業中心の地方議会ももちろん、ありますけれど、でも、おっしゃったように兼業で皆さんがやれるような仕組みをしているところも多いです」
反町キャスター
「主たる所得は別の仕事で議員報酬はほとんど生活の糧になっていないようなパターンではないですか、それ?」
片山教授
「そういうところが多いですよね。日本だってかつて専業農家をやっていますから、皆さん、所得があるわけですよ。その人達が農閑期に出てきて議員をやるから議員報酬は非常に少なくても済んだわけですよね」
岩井教授
「アメリカ、イギリスを見ていると基礎自治体の町村になるとだいたいボランティアですよね。ボランティアでやって、それこそ夜やっていたりとかですね。アメリカの小さな町の議会に行ったことがあるのですけれども、それこそ歩きながら、5、6人の議会だから歩きながらでも話をしてものを決めていくんですね。だから、そういったところは非常にフレキシブルに対応するとなっていますね」
反町キャスター
「その方がいいと感じますか?」
岩井教授
「そうでしょうね。小さい…、自治体のあり方がそもそも日本と違うのですが、日本の場合はとにかく大都市の議会も、それから、それこそ現在問題になっている大川村の400人の議会も、同じ仕組みの制度の中でやるんですね。ちょっとこれはムリがあるのではないかと。いろいろなパターンがあってもいいのではないかなと思います」
反町キャスター
「新藤さん、いかがですか?議会会期のあり方、もう少しフレキシブルにあってもいいのではないか?」
新藤議員
「自由にもう1回全部やり直そうと言うのならば、いろいろな議論をしていいと思います。しかし、これはもう明確です。年度が4月から始まって3月に終わるんですから、4月の当初に1年間を見通した予算をつくるためには、この2月の議会が…」
反町キャスター
「必要ですよね?」
新藤議員
「我々、国会で言えば、通常国会を1月から150日間やります。この間で年間通しのものを見る。議会の場合だったら、地方議会だったら、2月で次の年の予算を組む、発注する。発注するが、大きな工事は議会の契約承認の議会を開かなければならないですから、ですから、最初に発注したものを実は6月議会で実際の契約承認して、大きな仕事はここから発注されるんですよ。税収も四半期に分けて入ってくる、地方には。それで9月は途中の、年度の途中で必要なものがあるかどうか、それから、次のものを見越しての必要なものを9月と12月で調整しながら、また2月に年度の通しをやっていく、こういうサイクルで期間を定めて、その必要なものをきちんと処理するという仕組みになっているわけです。これを全部やめるというやり方、1週間に一遍ずつやるということはボリュームをたくさんやらなければいけない時も1週間に一遍しかやらないなんて、これは意味ない。それから、自由にやるということは、逆に言えば、それだけの政治も少なくていいということですよ。それから、報酬も、あとで言おうと思いましたけれど、5万人以下の市会議員でおそらく手取りで20万円いきません。ですから、そういう専業なんかできるわけがないですよ。ボランティアに徹するならボランティアで、その代わりそのボランティアの人達は、政治活動は逆に有権者が寄付をするんですよ、日本に寄付の文化はありますか?」
反町キャスター
「なるほど」
新藤議員
「ですから、いいところを取り入れるべきだと思います。形式、形骸化してはいけないというのはあります。でも、私達の国の仕組みがなぜこうなっているかをきちんと、ここがダメなのではなくて、こういう仕組みを活かすためには何をすべきかというのを私はやりたいと思っているし、それを堂々と、皆さんにこういう仕組みだから、現在、この議会が必要なのだと言えないというのはだらしがないと。私は議員として、こういうことで確かに先生方がおっしゃるようなだらしない部分や残念だというところはあります。でも、それは有権者とそこにいる議員の責任でその地域が損しているわけです。ですから、むしろ上手にやっている地域とダメな地域がはっきり分かってくれば、ウチの議員は何をやっているのだと、ウチの議会はなんだと、あそこではやっているじゃないかというので、そういう切磋琢磨が必要なので。あそこはダメだから、ちょっと緩くして適当にやらせろとか、そんなのは国が後退するだけだと思います」
反町キャスター
「渡辺さん、議会のあり方、融通を効かせるべきかどうか?」
渡辺議員
「先ほど、お話に上がった東京都議会だったら、たとえば、これだけの大きな町、都市ですから、毎日開かれて、通年議会があって、それでいろいろなテーマを各委員会で一般質疑などをやればいいです。その代わり、小さな自治体で、先ほど、高知県の大川村の名前が出ましたけれど、地方の小さい集落に行けば、そんなに毎日議会、毎月、毎月やらなければいけないほど大きな議案がないと、そういうところは、たとえば、年に数回でもいいと思うのですが。その自治体に応じて、いろいろなそのやり方があっていいと思うし、もっと言えば、夜間議会、あるいは週末議会とか、土日やるとか、夜間にやるとかで、そうすれば住民の方も傍聴に行けるわけですね。そうするとウチの町の議会ってどんなことを議論していて、あの議員、真面目にがんばっているではないかとか、逆もあって、いや、ああいうのだったら俺の方がマシじゃねえかとか言って、また、勢い…、関与することによって、関心が変わってくると思うんですよ。だから、夜間議会だとか、週末議会があっても、土日にやっても、それは本当にいくつかの自治体で試験的に試みられることはあるけれど、なかなかそれが定着していないということがあるので、そういう議会文化をつくることは是非進めたいなと、そう思いますね」

深刻な『なり手不足』
反町キャスター
「大川村、先ほどから出てきたので…」
秋元キャスター
「高知県大川村ですけれども、人口が少ない村で人口404人ということなのですけれど。議会をなくして全有権者による町村総会導入の可否を検討していました。ただ、今回はなんとか定数6人を集めたということで、先月、今後も議会は維持できるとして町村総会導入を先送りしたということなのですけれども。岩井さん、こういう事例というのは今後、増えてくると見ていますか?」
岩井教授
「そうでしょうね。既にもう随分前から10年、20年ぐらい前からですか、特に地方に行けば行くほど、先ほどお話になった兼業というのが増えてきて、特に農家の方々のなり手がなくなってきていると。私、別の局ですけれども、番組で、最後の1人がどうしても定数が埋まらないので、それを皆が口説きに行くというのでドキュメントの解説をやったことがあるんです。だいぶ前からこういう問題はあって、これは、1つは当然、現在の会期の問題もある、開催時間の問題もある、それから、報酬の問題というのもありますし、そういった面でいくと、だんだん限界集落みたいなものが増えてくるという中では、こういうことが起こり得るということはあると思います。特に島嶼部になりますと、他と合併もできないということがありますから、おっつけ深刻な問題というのはさらに大きな問題になろうかと思います」
反町キャスター
「渡辺さん、これは、過疎の問題、人口減少の問題ともリンクした地方議会の、あり方の1つのケースだと思うのですけれども」
渡辺議員
「はい」
反町キャスター
「たとえば、国政、県議会議員と同じような形で、基礎自治体、市町村に至るまで全部そういう形を維持できるのか?しなくてはいけないのかという問題でもあるような気がするのですけれど。この形、町村総会、今回はやらずに済んだと言っても、6人揃ったと言っても選挙もなくて、こうなっているわけではないですか」
渡辺議員
「ただ、大川村のような、人口が500人ほどの実は自治体というのは、他にも沖縄県にもあれば、青森県にもあるんですね。ですから、いずれこういうことは各地で起きてくると。しかし、代議制民主主義の中で、議会がなくて、住民が皆で集まって物事を決めるという形、本当にそれはただ、いいのかということになると、大川村にも移住者の方々が来ているんですね。実際そういう方々もいて、新しい血も入ってくるわけですから、そこはその制度によっては出てくるという人達が出てくると思います。もう1つ言いたいのは、市町村の議長会の資料によりますと、地方議会の議員の60歳以上は73%ですね」
反町キャスター
「すごいですね」
渡辺議員
「39歳以下、40歳未満という議員は、2.2%しかいないです。ですから、地方議会というのは複数、ここ大川村は議員定数6名ですけれども、壮年の代表の人、若手の代表、シニアの代表といろんな年代の代表がいて初めて住民ニーズの最大公約数をつくることができるわけですから。若い人達が出てこられる、その環境というのをつくるためには先ほどあった兼業、あるいは、たとえば、フジテレビを辞めて選挙に出て、フジテレビでやってきたことが全部水の泡になって落選したら全て人生おしまいではなく、選挙に出たけれど、もし万が一、当選できなかった場合は戻ってこられるという、そういうところが今いくつか出てきていますけれど、人生を全て賭けてやらなければいけない、それは20代、30代は先ほど申し上げたように働き盛りの人が政治や選挙に打って出るというのは、これは相当な冒険ですからね。立候補はしたけれども、ダメだったらまた戻れるという、文化もつくっていかないと本当になり手はいなくなるのだと思いますね」
反町キャスター
「新藤さん、こういう人口減少の中での地方議会のあり方、議員のなり手の確保、どんな思いで見ていますか?」
新藤議員
「これはきちんと中身を把握すべきですね。私もこの問題は由々しき課題だと思っているのですけれど。統一選の、地方議員の無投票当選者で多いのは県会議員と町村議員ですよ、これが20%を超えています。市議会と指定都市は、これは指定都市が1.7%、市議会議員が3.6%ですから、ここはきちんと選挙があるんです。そうすると、町村で過疎化が進んで高齢化が進んでいるところで、なり手がいないという状況が生まれてきていて。町村議会のあり方はもう総務省が今年度、このあり方研究会を設置し、どのようにしたらいいかということで、これは1つ1つの形態に応じて対応をしていかなければならないと。ただ、基本は二元代表制で、住民の代表を議会で選び、行政府の首長を選挙で選び、公務員がそれを支えると、この二元代表制を崩して本当にいけるのかというのは慎重な検討が必要だと思いますので。大川村はすごく話題になりましたが、そういうことを検討しようとしただけで実際はやめているんです。6人の議員を6人確保できなければ定数を落としていくしかないわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
新藤議員
「そういうことはできるんです。しかも、町村総会なんて、これまでで我が国の歴史上、2回しかやっていないです。大正14年と昭和26年にやっただけ。昭和22年の地方自治法をつくった時に、まだ議会の設置されていない自治体があったから、そういう場合の救済措置として町村総会っちゅう制度を法律の中に入れ込んでいるわけで。二元代表制の下では議会をつくるのが前提ですよ。ですから、今後出てこないようにしなければいけないのですが、これまで大正14年に有権者が6人の村と昭和26年に38人の有権者がいる…」
反町キャスター
「それなら総会できますよ」
新藤議員
「そういう自治体でやっただけなのだから。それをあまりセンセーショナルに私はやらない方がいいと思うし、地方自治はきちんと維持させていかなければいけない」

岩井奉信 日本大学法学部教授の提言 『もっと地方議会に関心を』
岩井教授
「先ほど、新藤さんからもお話が出ましたけれど、深刻な問題というのは投票率が地方の政治はすごく下がってきているんですね。その背景には、地方の政治に対する関心が非常に薄い。関心が薄ければ議員さん達は何も言われないだろうと思って、とんでもないこともすると。しかも、その結果は住んでいる自分達に降りかかってくるわけですから、もっと自分の地域なり、あるいは議会なり、あるいは地方政府なりにもっと関心を持ってもらいたい。これが1番大事なことだと思いますね」

片山善博 早稲田大学公共経営大学院教授の提言 『市民参加』
片山教授
「日本の地方議会に1番欠けているのは、市民だと思います。アメリカと比較しますと、アメリカは市民の広場ですね。市民が意見の言いたい人は言える機会が必ず設けられているんですね。日本もある程度そういうことを踏み出すべきだろうなと思います。現在、地方議会はいつ何をやるのかよくわからないです、外から見たら。保育所の問題に私は関心があるけれども、いつやるのだろうか、この保育所の問題を。実は定例会の時にずっと朝から晩まで座っていて、あっ、あの議員が質問したのかというようなもので当たるかどうか。本当はキチッと何月何日に保育所の問題をやりますというようなことが明らかになる、そういう議会にするのも市民参加のためには必要だと思います」

渡辺周 民進党衆議院議員の提言 『公開、参加』
渡辺議員
「公開ですね。先ほどの政務調査費もそうですけれど、政務活動費もそうですけれども、地方議会の本会議や委員会も視聴率は獲れないと思いますけれども、ケーブルテレビだとか、インターネットテレビで、我が町の議会はいったい誰が何をしているのかということをドンドン公開していくこと。それで議会の傍聴もそうですけれども、夜間、あるいは休日に、傍聴者が参加できるような形で、先ほどの先生の話ではないですけれど、もっと地方議会に関心を持つ、それを高めていくしかないなと思いますね」

新藤義孝 自由民主党政務調査会長代理の提言
「『個性と自立』に向けた政策力強化」
新藤議員
「個性を活かし、自立した地方をつくる、これが地方創生のメインテーマです。定住性を増やして、地域の活力を上げていくこと。それは1つ1つの地域が自分達の地域なりのやり方で活性化させなければいけない。それを可能にする分権制度とか、規制緩和をやってきているわけです。ですから、そういう中で地方はやる気になれば何でもできる。しかも、がんばっている自治体と、そうでない自治体で、すごく地域に差が出てきている。そういう中で、その地域を元気にさせるための最も大事なのが議員の政策力の強化です。ですから、こういったものを一律に上げるというよりは、成功事例をつくり、がんばっている地域が他に刺激を与える、遅れた地域は住民の不満が募る、こういう形をつくる中で最終的に国全体が、地方が元気になってくると。そういうものを議員ががんばってやってもらいたいと、このように思います」