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2017年9月4日(月)
北朝鮮『核実験』強行 河野外相に聞く圧力策

ゲスト

武貞秀士
拓殖大学海外事情研究所特任教授
岡本行夫
外交評論家 マサチューセッツ工科大学シニアフェロー
河野太郎
外務大臣 自由民主党衆議院議員(後半)


前編

北朝鮮『核実験強行』の背景
秋元キャスター
「北朝鮮は6 回目となる核実験を行い、ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載のための水爆実験に完全に成功したと報じました。日本上空を通過するミサイル発射の衝撃が冷めやらぬ中での核実験強行で、国際社会の批判はいっそう高まっています。北朝鮮の核実験強行の狙い、日本・国際社会は北朝鮮の脅威にどう向き合うべきか、専門家の2人と、後ほど河野外務大臣にも加わっていただきまして、総力検証します。北朝鮮は昨日、日本時間午後0時半頃、6回目の核実験を行いました。核実験が行われたと見られているのが北朝鮮の北東部にあります豊渓里という場所で、気象庁によりますとこの実験による揺れ、マグニチュード6.1で、これまでの核実験に比べ過去最大ということです。朝鮮中央テレビは『ICBMに搭載可能な水爆実験に完全に成功した』と報じています。先週、日本上空を通過するミサイルを発射してから1週間経たないうちの核実験強行ということになりますけれども。武貞さん、北朝鮮が核実験に踏み切った狙いをどう見ていますか?」
武貞特任教授
「核実験というのは軍事目的でやるものですから、軍事目的に沿ったことをしたなという印象です。つまり、最終的な最終段階の技術のチェックをしたのだろうと思います。昨年1月6日に水爆実験なるものをした。9月9日は弾頭の爆縮実験をしているんですね。今年の7月には2回、7月4日と28日にはICBMを発射した。昨日は3つ全部合わせてやっちゃったんです。水爆と弾頭の爆縮実験と、ICBM、この3つを別々にやっていたのを全て統合して昨日やって、北朝鮮の重大放送なる発表も、最終段階という説明をしています。ですから、最終的な技術のチェックをするというのがまず1つの目的、これだけのものを持ってしまったのだよと、アメリカ、北朝鮮の核兵器製造技術を見てくださいというアピールもこういうタイミングでしたかったでしょうね。自分達はグアムに向けてミサイルを発射したわけではないと、じっと我慢をしてきているのだと、アメリカはいつまでも北朝鮮を無視するのではなくて、米朝対話に出てらっしゃいよという、アメリカに対するアピールということもあったでしょうね」
反町キャスター
「岡本さん、北朝鮮の今回の核実験、もう6回目ですよ。6回目の核実験というのは、たとえば、過去におけるインドやパキスタンを見ても、6回やったところで、ほぼだいたい皆さん、核保有国ということで国際的に認知されるようなステージに達しているのではないかと、少なくとも回数においては。そのへんはどう見ていますか?6回目という数に注目した場合」
岡本氏
「豊渓里でまだ坑道は使えるところがあって、そこでいつでも実験は再開できると。それを今度は9月9日にやるのかもしれませんね。ですから、もうほぼミサイルの運搬する方の手段と、核実験の方はもちろん、別トラックの話、つまり、担当する科学者も当然別ですし、だから、それがうまい具合に連携してきて、1つの点に向かって収斂しているということではないですか。ですから、来年中には北朝鮮はアメリカまで届く長距離核ミサイル、ICBMと、それに搭載する小型化した核弾頭というものを持つに至っているのではないでしょうか、非常に嫌なことですけれども」
反町キャスター
「その意味で言うと、核爆弾保有国として、北朝鮮は認知されるべきという言い方はしませんけれども、認知されるステータスにあると感じますか?」
岡本氏
「いや、彼らのそれが非常に強い希望ですよ。だけど、我々はああいうやり方で核保有国に事実上なろうとしている国というのを許してはいけないと思いますね」
秋元キャスター
「実際の北朝鮮の技術力をどう見たらいいかというのも1つのポイントになると思うのですが。昨日、核実験を行う前に、朝鮮中央通信は金正恩委員長が核兵器研究所で水素爆弾と見られる銀色の物体を視察し『核戦力の完成に向け、最終段階の研究開発を力強い総力戦で繰り広げる』と述べたと報じています。武貞さん、この報道と今回の核実験との関連をどう見たらいいのでしょう?」
武貞特任教授
「それは、核実験をする直前の映像だということで北が発表したもので、今回の水爆実験で使ったものは、写真は模型ですけれど、これを爆発させたんだねということを世界に信じてもらうための写真ですよね。重要なことはいろいろな地震波等の分析、他のいろいろな、おそらく上空からもいろいろな豊渓里の状況もいろいろな国が写真を撮っているのではないかと想像しますけれども、異常なプロセスがあった、地震波でいつもと違う地震波が記録されたという話が1つもない、一応の爆発のプロセスはマスターしたと今回の実験に関して言えるのと、大幅に威力が増大していますよね、70キロトンと言うだけでもう昨年の9月9日の5倍、6倍ですね。これは単なる核実験に過ぎなかったと言うにはあまりにも大き過ぎる、爆発が大き過ぎる。いろいろ考えると少なくとも、水爆かどうかということを証明する根拠はありませんけれど、相当の威力を持つ爆発のプロセスを持ったものを、デバイスを北朝鮮は持つに至った。ただ、これをICBMの先端に付けて大気圏外に飛ばして着弾させて、核攻撃をして、破壊する能力を持つに至るまでには、まだ時間が若干の時間は必要だということも間違いないと思いますね」

米国の『本音』と北朝鮮の『実情』
秋元キャスター
「昨日、北朝鮮が行った核実験についてアメリカはどう反応しているのかということですが。トランプ大統領は記者から北朝鮮への軍事攻撃について尋ねられて、『そのうちわかる』と述べていまして、その可能性は排除していません。また、マティス国防長官は『グアムを含むアメリカ領土と同盟国を守る用意がある。攻撃には大規模な軍事的対応で臨む。北朝鮮の壊滅は臨まないがそうするための多くの選択肢がある』と発言をしています」
反町キャスター
「武貞さん、北朝鮮はアメリカが武力行使するかどうか、しないとタカをくくっているからこそ挑発が続くというこの見方、その見方でよろしいのですか?」
武貞特任教授
「しないと判断しているでしょうね。実際…」
反町キャスター
「これだけ言っても?そのうちわかる、皆殺しだというような言葉まで並べても、いくらトランプ大統領やマティス国防長官が言葉を並べても、それは北から見れば、あんなの嘘を言っているだけだよと、ヤツラは絶対にやってこない、そう確信して挑発を続けているのですか?」
武貞特任教授
「そこまで極端な見方を、反町さんが使っている表現で思っているかどうかは、もうちょっと…」
反町キャスター
「言葉がちょっと荒かったです…」
武貞特任教授
「相当荒かったと思いますけれどね。中間ぐらいの、中間ぐらいの感じかと思います。3月、4月に非常に危機が高まって一触即発かという時に、4月の下旬に上院議員50人を集めて、ティラーソンさんがいろいろブリーフィングして、5月1日から潮目が変わってきましたよね。5月1日、ブルームバーグに対し、皆、驚くかもしれないけれど、条件さえ整えば米朝首脳会談もあり得るとトランプ大統領がコメントをしたという、あの流れが現在も私は続いていると思うんですよね。そこにあるアメリカの米国の反応ですが、これは読み方は、いつ戦争をアメリカが始めるかとじっと見ている人は、記者の、北朝鮮への攻撃はということに対して、トランプさんが『そのうちわかる』と言ったら、あっ、もうじきズドーンとアメリカがやりそうだなとすぐ解釈するかもしれないけれど、大統領に北朝鮮への攻撃はありますかと言った時に『わからん』と言ったら大統領失格でしょう。だから、『そのうちわかる』と言わざるを得ないのだけれども、ほとんど意味がない、それしか言葉ないですよ、使う言葉は。『そうですね、来週やります』と言ったらこれはアウトで、『わかりません』と言ったら大統領の資格はありませんということで。本音はマティス国防長官のこの言葉、2人でバランスをとっているのだと思いますけれど、重要なのは赤い文字で書いてありますよね、この番組のこのフリップをつくった方は全部見抜いていたかのような色づけがしてありますが、『攻撃には大規模な軍事的対応で臨む』。攻撃されたら大規模な軍事的対応で臨むとマティスさんは言い切った。北朝鮮が攻撃を始めなかったら、アメリカは軍事的対応で臨むというわけではありませんよと言っているのと同じではないですか。北朝鮮は北朝鮮で文字通り同床異夢、同床というのは先に挑発する、あるいは先に攻撃した場合は、自分は黙っていませんよというところで、相当強い波長が米朝の間に広がっているということがこの番組でわかりましたよね」

北朝鮮『核の脅威』と中露の思惑
秋元キャスター
「ここからはカギを握るとされる中国とロシアの反応を見ていきます。まず中国ですけれども、3日外務省の声明として『国際社会の反対を顧みず、再び核実験を行ったことに断固とした反対と強烈な非難を表明する。対話を通じた問題解決の道に戻るよう促す』と発表しています。ロシアですが、大統領府が発表しましたプーチン大統領の発言として『国際社会が感情的にならず、穏やか・慎重に行動すべきだ。朝鮮半島の核やその他の問題の包括的解決は政治外交手段によってのみ達成できる』と。それぞれこういった声明を発表しているのですけれども、岡本さん、両国の思惑をどう見ていますか?」
岡本氏
「中国、環球時報という新聞がありまして、あれは共産党の幹部の意を受けて、共産党が公的には言えないことを観測気球的に打ち出す新聞という、チャイナ・ウォッチャーの間ではそういう評判がある。そこが社説で北朝鮮に対する石油の禁輸というのはダメだと、これは中国の国益を損なうと、こう言っているわけでしょう」
反町キャスター
「国益を損なう。つまり、中国の原油の輸出によって外貨、北朝鮮から対価を得ているのだからというビジネスライクな話なのですか?」
岡本氏
「いやいや、そういうちっぽけな話ではないけれど…」
反町キャスター
「違いますよね?すみません」
岡本氏
「いや、だから、要は、北朝鮮をそこまで締め上げて、体制の危機に直面させたらどうなっちゃうのだ、難民もドンドンと出てくる、と言うことで、中国の中には根強い原油禁輸論に対する反対がありますよね。ですから、非常に強い言葉で非難していますが、実際に何をやるかと。ロシアもまったく同じですよね。ですから、国連の安保理緊急会議、もうすぐですか?」
反町キャスター
「間もなくですね、数時間のうちだと思います」
岡本氏
「これは、彼らはあまり動かないと思いますね」
反町キャスター
「つまり、制裁の強化には中国・ロシアは反対する?」
岡本氏
「言葉の上では賛成するでしょうね。しかし、実際にこの間やったように鉄鉱石とか、石炭とか、これを全部ダメにするとか、輸入を禁止するとか、守ったか守らないかが結果的にはっきりわかるような形での制裁には、彼らは賛成してこないと思います」
反町キャスター
「よく核ドミノという議論があるではないですか?北が核を持ったら、韓国も持ちたがる、そうしたら日本も持つのではないか。中国さん、それは嫌でしょう、だから、なんとかねと中国を説得するのだっていう話が、この番組でどなたかから聞いたような気がします。その核ドミノに対する中国の懸念というのは、それはないのですか?」
岡本氏
「それはありますね。中国がこれまでも北朝鮮に対して腹に据えかねているのは、北朝鮮が撥ね上がり、挑発行動を日本に対してする度に日本の防衛態勢が強くなってきている。情報衛星を打ち上げたり、それから、防衛力も拡充してきていますし。ましてや日本はちょっとその次としても、韓国の核武装論というのを言う国際的な識者が結構出てきている。それから、アメリカの中には、キッシンジャーさんのように、日本も核武装するのではないかという人達が出てきていると。これは中国としては何よりも警戒すべきことですね。日本はもちろん、そんな意識もないし、言うことではない。しかし、アメリカが中国にそれは言っている可能性は多分にありますね、放って置くと日本が核武装するかもしれないぞと」
反町キャスター
「中国は、北朝鮮の体制崩壊か、日本の核武装なのかという、まだ天秤にかけるまでは至っていないでしょうけれど、両方を視野に入れながら現在はとりあえず原油の禁輸までは踏み込めないよというスタンスですね?」
岡本氏
「そういう感じがしますね」
反町キャスター
「武貞さん、北朝鮮は中国からの原油が止まる可能性というのを、どう見ているのですか?あると思っているのですか?」
武貞特任教授
「ないと思っているでしょうね」
反町キャスター
「これだけ非難して…、どうぞ」
武貞特任教授
「実際、中朝貿易の統計のところに、中国からの北朝鮮への原油供給の欄がゼロではなくて、空欄になっていた時期があるのですけれども、それは貿易が、これで、貿易面で統計に出る原油の供給、中国がストップしたという見方もあったのですけれども、その時でも確実に40万トン、50万トンの原油は中国の丹東市から北朝鮮の新義州に19.4kmのパイプラインがあるんです。その川底にあるパイプラインを通っていっています。これは、烽火化学工場、北朝鮮にあるのですけれども、八山の山から中国が大慶油田からずっと伸ばしてきて、鴨緑江の川底を通って烽火化学工場にいって原油を流し続けているのは、止めることができない。パラフィン剤があまりも多くて、止めたら中が詰まって使えなくなってしまう。流れ続けている証拠に、必ず烽火化学工場は上空から熱の探知で稼働しているということをアメリカが確認しているんです、それは報道にもちゃんと出ていますけれども、40万トン、確実に流れ続ける。また物理的にも流し続けなければダメな石油パイプラインだということを北朝鮮も知っている、中国も知っている。こういう秘密の石油パイプラインだから統計上は出てこない。だから、国連の制裁が仮に通ったとして、原油を売っちゃダメだよ中国は、ということが決まっても、中国・北朝鮮は痛くとも痒くともないでしょう、この石油パイプランに関しては。もう1つ、小型タンカーで大連から南浦港に往復して原油を供給しているのと、もう1つはトラックに載せて陸路を中国から北朝鮮に橋を渡っていく原油・ガソリン類を送る方法があります。この3つのうちの重要なものは川底のパイプライン。これは友好価格で売っているとか、あるいはほとんど贈与しているという話もあるんですね。こういったことを北朝鮮は重々知ったうえで、いや、中国は供給ストップできないだろうと信じ切っているでしょうね」
反町キャスター
「そうすると、これまでも平壌が中国に対して罵詈雑言を浴びせていることが何回もあるわけではないですか?」
武貞特任教授
「ええ」
反町キャスター
「あれだけ言われても、中国は、原油は止めない?」
武貞特任教授
「平気ですね」
反町キャスター
「一方、ロシアの部分ですけれども、岡本さん。ロシアの発言、これは今日の日露電話首脳会談、安倍さんとプーチンさんの電話首脳会談の中でプーチン大統領がこう発言したとロシア外務省、大統領府が発表している話ですけれど、『国際社会が感情的にならず、穏やか・慎重に行動すべきだ。朝鮮半島の核やその他の問題の包括的解決は政治外交手段によってのみ達成できる』。武力行使するなよという話ですよね。ロシアのスタンスというのは、中国と同じなのですか?」
岡本氏
「結果は同じになりますね。原点はもちろん、まったく違いますよ。ロシアは2000年代になってからアメリカと協力関係を夢見ていたんですよね。もう冷戦構造が終わった、これからは共通の敵であるテロリスト達に対してロシアとアメリカが手を携えて対応していくのだ。だから、アメリカがアフガニスタンを2002年に侵攻した時も、あの時、ロシアは中央アジアの基地をアメリカに使わせたりしていましたよ。それから、いろいろな情報をアメリカに与えた。ところが、豈図らんや、アメリカはそういうプーチンさんの意図とはまったく反して、ビンタを張ったわけですね、ロシアに。要するに、特にバルト三国をNATO(北大西洋条約機構)に入れたという、これはヨーロッパの中にも反対論が多かったのをブッシュ大統領がかなり強引に、3か国を、エストニア・ラトビア・リトアニア、これをNATOに入れたと。その結果、ロシアはかわいそうにNATOと直接国境を接することになっちゃったんですね。何か軍事的な小競り合いがあったら、そのままNATOとロシアの戦争に発展するという、そういう、だって、NATOは集団的自衛権がありますから。それは、はらわた煮えくりかえったと思いますよ、プーチンさんは。ついでに言えば、あの頃のプーチンさんは、今日の話題ではないですけれども、日露交渉に対しても柔軟だったんですよ、それももう全部やめたと。それで彼は、その時から完全に変わってきて、自分は、自分達ロシアはアメリカと利益は共通ではないと、アメリカとは対峙していくのだ、対決関係でいくのがロシアの国益なのだと、単純に言えば、そういう考え方になりましたよ。だから、それをずっと北朝鮮問題でも彼らは引きずっていますから、なぜ国境線の変更を、ロシアと北朝鮮が国境を接している部分というのは10kmぐらいしかありませんけれども、とにかく隣国にアメリカ主導の統一朝鮮ができる、どうしてまた俺達はそんなことに協力するのだというのはありますから。基本的にはロシアもアメリカには協力する気はない、だから、どうしてもこういうステートメントになっちゃうんでしょうね」
反町キャスター
「そうすると、中国が北朝鮮をバッファーとして残しておきたいというような安全保障上の思惑とは別にロシアとしては世界戦略としてアメリカの逆張りをすることが自国のメリットになると確信していると見ていいのですか?」
岡本氏
「いや、それと、反町さんがおっしゃったように北朝鮮をバッファー国家として置いておくこと、これはロシアの利にも適うことですね」


後編

緊急検証!河野外相に問う 北朝鮮『核の暴走』に国際社会は…
秋元キャスター
「外務大臣の河野太郎さんです」
河野外相
「よろしくお願いします」
秋元キャスター
「ミサイル発射以降、河野大臣が行った会談、電話会談のスケジュールをまとめました。この電話のマークがついているのが外務大臣との電話会談、人のマークが大使との会談ですけれども。こう見ていきますと、アメリカ、イギリス、ロシア、中国など国連安保理の常任理事国の方達と相次いで会談をされているのですけれど。河野さん、この相次ぐ会談の狙いはどこでしょうか?」
河野外相
「国連の安保理でさらなる決議というのを採択しなければいけないと思いますし、それは北朝鮮に対してかなりクリアな強いメッセージを出す必要があると思いますので、国連、安保理常任理事国、それから、議長国が9月1日からエチオピアになりましたが、エチオピアを筆頭に非常任理事国ともそこはすり合わせしてきちんとしたメッセージを出せるような努力をしているところです」
反町キャスター
「フランス以外の安保理の常任、非常任も含めての理事国と、フランス以外とはもう全部、大使、ないしは外務大臣と電話会談、ほぼほぼ?」
河野外相
「そうですね、フランスも現在、電話会談の調整を進めているところですので、15か国なんとか、日本を除く14ですね、話をきちんとしていきたいと思っています」
反町キャスター
「基本的にそこにおいては経済制裁の強化について足並みを強めたいという趣旨の連絡、根まわしということでよろしいのですか?」
河野外相
「そうです。まずきちんとした安保理決議を採択せねばいかんと思っていますし、その時にきちんと歩調を合わせる必要があると思います。北朝鮮に2つのメッセージがいくということは避けなければいけないと思いますので。安保理が足並みを揃えて明確な強いメッセージを出せるようにしっかり準備していきたいと思います」

『北朝鮮制裁』の課題と効力
秋元キャスター
「制裁についてですけれど、まず8月5日には石炭や鉄などの貿易禁止や新規労働者の受け入れ禁止など、北朝鮮の年間輸出収入の3分の1に相当する、およそ1100億円の収入を削減する制裁が採択されました。今回の核実験を受けて、さらに追加の制裁として、労働者受け入れの制限、繊維製品の貿易禁止、さらには原油の禁輸といったものが検討されるのはでないかと見られているのですけど。河野さん、原油の輸出制限については中国・ロシアが慎重な姿勢を見せていますが、日本としてどう対応されますか?」
河野外相
「まずこれまで採択をした安保理決議、これをきちんとまず足並みを揃えて、全面的に履行してもらうというのが日本としては1番大事だと思っていまして」
反町キャスター
「完全に実施ですね?」
河野外相
「北朝鮮と国交がある国、相互に大使館を置いている国、北朝鮮から労働者を受け入れて、そこからおそらく送金が行われているという国もたくさんあります。ASEAN(東南アジア諸国連合)の会合では、ASEANの国々、拡大会合に参加した国々に、安保理決議の履行について話をしましたし、この間の、TICAD(アフリカ開発会議)ではアフリカの国々ほぼ全てに対して安保理決議の履行ということで意見交換させていただき、そこはだいぶ足並みが揃ってきたと思います。あと中東各国、中東は大使館を持っている国もありますし、労働者を1000人単位で受け入れている国もありますので、中東の国々に対しても安保理の決議の履行というのをしっかり求めていく必要がある。これまではどちらかと言うと、そう言うとやや日和ったような国もあるものですから、そこに対して、これは国際的な脅威であって、そこから後ろに下がることは国際的にも許されないというような話はきちんとしたいと思っています。まずこれまでの制裁をきちんと履行をするといううえで、次どうするかというところを検討していきたいと思っています。この中身については、憶測を含め、さまざま言われていますが、議論をしている最中なものですから、ちょっと公の場では制裁のことについては、申し訳ないけれど、口にチャックさせていただいているというのが現実です」
反町キャスター
「中国・ロシアがどうしても強硬策、ないしは制裁の強化について抵抗するのではないか?キチッとこないのではないかというような、僕らの間でこういう話が出ていたのですけれども。河野さん、今回、ロシアに関しては大使とお話をされた…」
河野外相
「中国もロシアも外務大臣と電話で話をして…」
反町キャスター
「ラブロフさんとも…」
河野外相
「ラブロフさんとも、王毅さんとも、朝鮮半島の非核化が最終的なゴールだというところは一致をしていますし、この核実験を受け、中国は、たとえば、これまでよりも強い声明を出しています」
反町キャスター
「そうですね」
河野外相
「ロシアについてもかなり強い口調で声明を出していますので。危機感というものは共有しているし、これまでとは違った脅威のレベルだということも共有し、ゴールが朝鮮半島の非核化だというところは共有していますので。中露含め、安保理でしっかり議論をして、クリアなメッセージを出すというのが大事だと思っています」
反町キャスター
「中国・ロシアのコメントは、確かに対話を通じた問題解決、ロシアで言うのだったら『政治・外交手段によってのみ達成できる』という言い方が並んでいます。確かに武力行使に向けて足並みを揃えるのは大変難しいし、困難だと思うのですけれども、対話ないしは政治的解決を目指すのだと中国・ロシアが言う中で、制裁の強化というのは政治的・外交的解決の範疇に入りますよね、普通は?」
河野外相
「対話のための対話をやってもかつての米朝枠組み合意とか、6者会合のように、北朝鮮に核やミサイルを開発するための時間を与えていただけだというのは中国もロシアもおそらく認識はあると思いますので。対話で解決をするにせよ、北朝鮮が明確に非核化への意思表示をして、そこに向けて着実に物事を1つずつ進めていくというのがあって、初めて対話を通じた非核化、あるいは対話を通じた問題の解決ということが可能になるのだと思いますので」
反町キャスター
「中国からの原油の輸出というものが北朝鮮の生命線だという話はもう皆、わかっている前提だとした場合に原油を止めても、たとえば、石油製品、精製されたガソリンとか、ナフサとか、重油とか、製品を別のルートで入れることというのも、1つの抜け道になるのではないかという指摘もあります。原油を止めるだけで、北朝鮮の圧迫につながるのかどうか?ここはどう見ていますか?」
河野外相
「安保理決議を厳格に履行するというのが大事であって、これまでの制裁決議の中でも抜け道になっているものというのがあります。それを見つけては潰し、見つけては潰しということをやってきましたが、決議をしたものは完全に厳格に履行をするというのが大事だと思います」
反町キャスター
「でも、強制力はないですよね?」
河野外相
「国連に報告書を本来は出すことになっているのですが、なかなか報告書を出していない国もありましたので、これはASEANでもTICADでもバイの会談を通じて報告書が出ていませんね、是非国連に出してくださいという働きかけはしてきて、それは相当なところがそれは出しましょうということになっていますので。そこはさまざまなやり方を通じて、履行を求めるというのが大事だと思います。決議は通しました、抜け道がいっぱいありました、では意味がありませんから、そこはしっかりやっていきたいと思います」

北朝鮮の実情と日本の対応
反町キャスター
「岡本さん、日本のこれまでの外交において北朝鮮に対する制裁、ないしは国連で大きなアジェンダがあります、それの取りまとめに向けて外務大臣が各国に漏れなく根まわしをしてもっていくというこの動きというのは、僕はあまり印象が…、過去によくあったことなのですか?」
岡本氏
「日本はそういう点は長けてますよ。特に河野大臣、大変にそこは上手におやりになると思いますけれども。古くは中東へのベースになった国連決議242なんていうのは、日本の大使が周りをずっと走りまわってつくっていった決議ですし。そういう面で、日本の外交力というのはニューヨークでは定評がありますよ」
反町キャスター
「その意味で言うと、河野さんの今回やったことというのは、これまで日本がやっていなかった新境地を開くということではなくて、これまであったパターンの中で日本の外交の方向性を出しているということだとした場合に、結論はどうなるのか?数時間のうちに国連の安保理理事会が開かれます。どう見ていますか?」
岡本氏
「うーん、なんとかうまくいってほしいですね。だから、原油にどこまで切り込めるかということでしょうね」

『核の暴走』と金正恩『真の狙い』
反町キャスター
「武貞さん、9月9日建国記念日、また何か北朝鮮がやるかどうか?どう見ていますか?」
武貞特任教授
「昨年は建国記念日の9月9日に核実験をしたわけですね。これは弾頭の実験をしたわけですね。今年は9月3日にしてしまった。今年、何が9月9日に起きるか。起きる可能性のあることとして、3つあるのではないですか。1つは、第3坑道、第4坑道、豊渓里の核実験場で、まだ実験するスペース・場所があるということで、もう準備は完了しているみたいだという報道もありますね。核実験をして、米朝が軍事衝突の方向に歩みつつあるわけではないという、そういう感触もおそらく平壌は感じているかもしれない。第3か、第4の坑道でもう1つ核実験をしてしまうという可能性は1つありますね。もう1つは、8月29日に津軽海峡越えのミサイル発射をして、火星12を太平洋に落とした。これからもドンドン太平洋に撃っていくと北朝鮮は発表しましたよね。9月9日、新たな、火星12でもない、火星14でもない、火星13の発射を日本上空越えに撃つという可能性はありますね。これは、グアム島は避けるというところが肝なのでグアム島の周辺に撃つということで米朝ガチンコ勝負になるというのは非常にリスクが高いということをこの1か月、北は学んだわけです。3つ目として、もし金正恩委員長が非常に戦略家であるとすれば、ズバリ9月9日、今回の、核実験後の現在の状況とグアムに向けて撃ったわけではないということで米朝ガチンコ勝負にならなかったということを踏まえ、ズバリ米朝高官協議の提案、これを北朝鮮の方がするという可能性。つまり、3日の重大放送も北朝鮮は分析をずっとやったあと、爆発はこうやったよ、と言ったあとで、アメリカ批判を一言もしていないですね、アメリカの文言が1つも入っていない。こんな核を持っちゃったよと、アメリカと核戦争する時代ではないでしょう、米朝高官協議をやる時期が来ました、核を持った者同士ではないですかと。もし私が金正恩さんの側近であればそうアドバイスをしますよね。この3つの可能性があるけれども。敢えてもう1つ言えば、第4の可能性として何にも起きないという可能性ですね。この4つのどれかではないでしょうか?」
反町キャスター
「河野さん、この3つどうですかとは聞きませんけれど、米朝高官協議の提案というのは、ちょっとチェンジ・オブ・ペースの可能性として、オッ?と思う部分はあると思うのですけれども、話し合いの糸口というのはそろそろ機は熟してきたと見るかどうか?そこはどう感じますか?」
河野外相
「時間稼ぎのための話し合いではダメだと思います。明確に非核化に向けて歩みを始めると言うなら、それは国際社会の望むところだと思いますが、これまで話し合いで時間を稼いできたということを繰り返すのはダメだと思いますね」

米朝『次の一手』と日本の対応
反町キャスター
「河野さん、アメリカの3日の反応です。トランプ大統領は記者団に対して北朝鮮への攻撃はどうするのだに『そのうちわかるよ』と。マティス国防長官は『グアムを含む米国領土と同盟国を守る用意がある。攻撃には大規模な軍事的対応で臨む』。やるぞという決意は伝わってくるのですけれども、アメリカは軍事的な対応、武力行使、その構えをどう我々は見たらいいのか?結局は何かあったら、韓半島で有事があれば日本の安全保障に直結する話ではないですか?アメリカの武力行使の可能性、河野さんはどう見ていますか?」
河野外相
「アメリカは最初から一貫して、日本に対する拡大抑止を含む、抑止力を提供する、これはトランプ大統領、ティラーソン、マティス両長官、それ以下まったくぶれていませんので、日本に対して何かあれば、アメリカが直ちに行動をすると。そこは首脳の電話会談、あるいは私や小野寺さんとティラーソン長官・マティス長官…」
反町キャスター
「2プラス2やりましたよね?」
河野外相
「2プラス2含め、最近の電話会談でもそこはしっかり確認をとれていますので。何かあれば、そこは日米安保でしっかり対応する、そこはきちんと確約ができています。それが日本にとってみると1番大事な話だと思います。それ以上の軍事的なオプションというのは、北朝鮮と韓国との間の距離などを考えれば、これは極めて厳しいオプションになるのはもう皆、わかっているわけです。ですから、ここは北朝鮮に対してきちんとした圧力をかけて、北朝鮮が方向転換をすべきだという判断をするように国際社会できちんと一致をして前に進んでいくというのが大事だと思いますね」
反町キャスター
「北朝鮮はアメリカが武力行使をしないとタカをくくっているから挑発を続けているのではないかという見方があります。そこはどう見ていますか?」
河野外相
「トランプ大統領は『全てのオプションはテーブルの上にある』とこう言っていますので、それを北朝鮮がどのように見ているのかというのは、そこはわかりませんが、少なくともアメリカは北朝鮮に対してその姿勢を崩したことはないのだと思います」
反町キャスター
「でも、実際に武力行使をした場合、北朝鮮は当然のことながら報復もあるでしょうし、その報復は38度線を挟むだけで済むのか?ミサイルも日本に届くものを200発、300発持っているという話ではないですか、その時に日本を守ると言っても、来るノドン・テポドンを全部、在韓米軍と日本の自衛隊が撃墜できるか?飽和攻撃ですよね、とても抑えきれません。そういう状況まで現在、我々は覚悟をしなくてはいけない状況かどうか?この覚悟の問題なのですけれども、いかがですか?」
河野外相
「そこは米軍があらゆるオプションを現在、検討しているという話です。当然それはトランプ大統領、安倍首相にいろいろなオプションが最終的には上がってくるわけですから。そこは日々状況も変わっている中で、日々、米軍のオプションの検討というのが進んでいるのだろうと思います」
反町キャスター
「北朝鮮への国際的な圧力が注目される中、9月6日、7日にはウラジオストクで東方経済フォーラムが開かれます。河野さんは、総理と一緒に向こうに行かれるわけですけれども、そこにおいて首脳会談に同席されたり、場合によってはラブロフ外務大臣と何らかの言葉を交わす機会もあるかとは思うのですけれど、どのようなメッセージをロシア側に届けたいと思っていますか?」
河野外相
「おそらく首脳会談の中では安全保障の問題、北朝鮮の問題というのも1つのイシューになると思います。非核化というゴールは共有していますし、これまでと違った脅威だというところの認識もあるわけですから、どういうふうにこの問題を解決していくのかという率直な意見交換が行われるのだろうと思います。それと合わせて日本とロシアで共同経済活動をやっていこうという合意の準備を現在、着々と進めていますし、元の島民の墓参、飛行機を使った墓参、あるいはさまざま入域の手続きをもう少しやり易くしようと、日露のことについても大きな節目になるではないかなと思っています」
反町キャスター
「対北朝鮮の圧力のかけ具合に関して日本とロシア、どう感じますか?」
河野外相
「前回の安保理決議は前々回に比べればかなり早い段階で採択に至りましたし、中国・ロシアも賛成をして全員一致で採択をしたわけですから。それはもちろん、安保理の常任理事国・非常任理事国、あるいは国連の加盟国、そこに関わらず、全面的に厳格に履行する、これは皆、義務を負っているわけですから、もしそこで抜け穴があれば、それは我々もキチッと指摘を誰に対してもしていかなければいかんと思いますし。それは当然、ロシアもここまでの安保理決議はしっかりとやる、そういう前提で世の中を動かしているわけですから。プラスこの核を受けてどうするかという議論をしっかりウラジオストクでもやっていかなければいけないと思いますね」
反町キャスター
「TICADやASEANの会話で、あんた方、国連の安保理決議をちゃんと守ってくださいよと、輸出入のデータ出してくださいよと、わかった、出すよ、こういうやり取りがあったと先ほど言いました。ロシアにそれを求めるというわけにもいきませんよね?」
河野外相
「ロシアが…、ロシアに限らず安保理のメンバー国がやっていなければ、それはどこの国であろうと、それはキチッと履行してくださいと、そういうことは国際社会として言わなければいかん、そういう状況にあるのだと思います。それは安保理で全員一致で採択した決議ですから、それはメンバー国がそれをやらないということにはならないのだと思います」
反町キャスター
「たとえば、首脳会談、ないしは外相同士の立ち話みたいなところで、制裁決議ちゃんとやっていますねと、外交上のマナーとか、ルールがわからなくて、確認するのですかという単純な質問です。そういうことは河野外務大臣としてロシア側に言うものなのですか?まさか破ってはいないよねと…」
河野外相
「それはどの国と言うのではなくて、安保理のメンバー国はその時点では皆、1メンバー国です。メンバー国が採択をした決議ですから、それは普通の加盟国よりも安保理のメンバー国の方が、自分達が採択をした決議という意味では重きがあるわけですから、そこはより厳格に自分達が守っていかなければいけない、そういうことだと思いますね」

河野太郎 外務大臣の決意 『日本らしさ』
河野外相
「日本らしさと書きましたけれど、日本は軍事力で他を圧倒するわけでもありませんし、かつてのようにODA(政府開発援助)世界一という状況でもなくなりました。そういう中で、たとえば、民主主義とか、基本的人権、法の支配といった共通の価値観をどう広めていくか。そういう日本らしさで勝負をしなければいけないのだと思います。今度の来年の概算要求でも、それをやるための外務省の足腰予算は増やしてくれ、ODAは現状並みでもいいから、ということで、概算要求をしましたので。日本らしい外交というところで差別化をしていくしかないのかなと思っています」
秋元キャスター
「岡本さん、河野さんにどういうことを期待されますか?」
岡本氏
「ODAは1つよろしくお願いします。これは日本らしさの中に含まれていると思うんですね。1997年のピークだった時に比べると、当初予算ベースでいくと、現在はもう半分以下というのは切り込み過ぎだと思うんですね。1つ申し上げたいのは、日本らしさはもちろん、大事です。それ以上に河野大臣にお願いしたいのは、河野らしさということを1つ出してほしいですね。1度国際会議でご一緒したけれど、すごく切り込み方がうまい、英語力はもちろんですけれども、本当、胸がすく思いがして聞いていました。是非、日本の顔になっていただきたいと思います、河野らしさ、よろしくお願いします」
河野外相
「ありがとうございます」