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2017年8月28日(月)
検証『人口減少日本』 『地方消滅』処方箋は

ゲスト

増田寛也
野村総合研究所顧問 元総務大臣
小峰隆夫
大正大学地域創生学部教授
米山秀隆
富士通総研経済研究所主席研究員

人口減少時代の『まちづくり』 止まらぬ『東京一極集中』の功罪
秋元キャスター
「安倍政権が重要政策に掲げる地方創生について特にまちづくりに注目して地方の現状と今後の課題を検証していきます。2000年代の半ばから人口減少に転じた日本ですけれど、歴代の政権もさまざまな地方活性政策を打ち出してきたのですが、安倍政権のまち・ひと・しごとの創生は過去の政策と何が違うのか。全国各地で空き家問題も浮上する中、これからのまちづくりはどうあるべきなのか、専門家の皆さんとともに検証していきます。人口減少の推移と、地方の状況について見ていきたいと思います。2000年代に入ってからの推移はこのようになっています。総務省の調査によりますと、日本の総人口は2008年の1億2808万人がピークで、直近のデータの2016年までに115万人減少しています。同じ期間、都道府県別の人口移動について3大都市圏の名古屋・大阪が転入と転出の差し引きがほぼ横ばいなのに対して東京圏だけが転入超過が続いています。これは3大都市圏以外の地方からの住民が転出していくという動きに反比例しています。まずは増田さん、人口減少そのものは当面続いてしまうということになりますけれども、その間も東京への一極集中、これが止まらない現状をどう見ていますか?」
増田氏
「まずは、この3年間、地方創生をいろいろ政府で取り組んできたのですが、私は地方創生というのが竹下内閣の、ふるさと創生のようなものだけではないと思うんですよ。どちらかと言うと、これまで地方創生というと、たとえば、地方で公共事業をやって、それで所得再配分をしようとか、そんな類の話が多くて。いろいろな社会資本をどう整備するかみたいなことだったのですが。今回、地方創生というのは、都市部の問題もあるし、それから、地方の問題でもあるし、オールジャパンでありますし、それから、この3年で見ていると地方創生を政府の方は、まち・ひと・しごとと言っていますが、それはそれでいいと思うのですが、仕事の方にだいぶウエイトをかかっていたのではないか。もちろん、雇用の場をつくることはすごく大事なのですが、少し長い視点で、まちづくり、あるいは生活の基盤をどうしていくのかというのは、総合戦略、各自治体がつくった中に盛り込まれているのですが、あまりにも急ぎ過ぎて短時間でワーッとつくったので、正直、私はあまり練れていないと。まちづくりというのは相当住民と議論を交わして、時間をかけて合意形成をとっていかなければいけないので、以前からそういう動きがあったところは、それなりのものができているのですが、富山みたいなところとか。にわか仕立てでやったところはまだまだ十分練れていないので。実はまちづくりの方はこれから本当にどういう町にするかということを住民と議論してきちんと見定めていく必要があるのではないかなと、こんなふうに思いますね」
反町キャスター
「安倍さんが2014年からやってきた地方創生とか、まち・ひと・しごとにしても、効果が上がっているようには見えないよというような話に聞こえます」
増田氏
「だから、分野、分野で違っていると思うんですよ。仕事をつくるということについては必ずしも正規にはつながっていませんが、様々な人手不足という問題があって、これは人口減少が背景にあると思います。ですから、高齢者ですとか、女性を中心に、労働力人口は少しずつですが増えていますよね。そういった面はいろいろ地方創生と言うよりも働き方改革などにも取り組んだし、効果は出ていると思うんですね。自治体の危機意識というのもかなり高まったのではないか。ただ、町とか、それから、人づくりというのはかなり時間がかかりますから、ですから、仕事、その次は今度、人づくりですよね、おそらく政権の方でやるのは。ですから、町の方についてはもう少し時間がかかるのかなと。と言うか、まちづくりをどうしていくかというのはかなり住民といろいろな議論をしていかなくてはいけないので、あまりにわか仕立てで焦って、何かおざなりの絵を描いてもしょうがないと。あとで議論になるでしょうけれども、コンパクトシティ、どこに集約化する、それ以外のところは見捨てるのかみたいな議論を逆に地域の対立を煽るようなことになってもいけないので、少しそのあたりは腰を据えてやる必要があるのかなと思います」
反町キャスター
「先ほどの表にあったみたいな、東京への一極集中というのは当面、止まらない?」
増田氏
「止まらないでしょうね」
反町キャスター
「止まらない。小峰さん、いかがですか?東京一極集中の話は集中し過ぎていてデメリットの方が大きいと見るのか、自然の流れだからそこはやるべきなのか、どう?」
小峰教授
「これはそもそも東京一極集中なのかという点に疑問があるんです。と言うのは、たとえば、札幌とか、仙台とか、福岡というのは東京以上に人口が伸びているんですよね。と言うことは、日本全国では確かに東京に集中しているのだけれども、ブロックでは北海道だったら札幌、九州だったら福岡というように集中している」
反町キャスター
「なるほど」
小峰教授
「県の中では県庁所在地に集中している。というふうに東京対地方という2つの分け方ではなくて…」
反町キャスター
「この表を見ると東京・名古屋・大阪しか出していないんですけれども」
小峰教授
「だから、わかりにくい」
反町キャスター
「だから、そうなっちゃうんですね。そうなると、東京・名古屋・大阪でいくと、大阪・名古屋はほぼほぼ横ばいだけれども、今言われた福岡とか、札幌というのは東京並みと言いませんが、増えているわけですね?」
小峰教授
「人口の伸びが東京より…。ということは、東京対地方という区分ではなくて、多層的にいろいろなレベルで集中が起きていると考えないとあとで出るようなコンパクトシティとか、そういう思想とうまくつながっていかないということですので」
反町キャスター
「では、一極集中ではないのですか、日本は?」
小峰教授
「一極集中ではないと私は思います。多層的集中だと…」
反町キャスター
「ちょっと脇にズレてしまうかもしれないけれども、大阪や名古屋が横ばいである中で、福岡や札幌に人が集まる理由というのは何ですか?」
小峰教授
「これは、人が集まるのは、集まりたくて集まるわけですよね。と言うことは、集まる、集まった方がいいと思うから集まってる。と言うことは、集積のメリットと言うのですけれども、集まることにいろいろなメリットがあるから人が集まってくる」
反町キャスター
「大阪・名古屋は集積のメリットがないということですか?」
小峰教授
「それは、福岡とか札幌では、それが伸びているということだと思うんですね。急速に伸びているから、人が集まってくる。それは、たとえば、サービス業がドンドン増えると、サービス業は人が集まったところでないと成立しないですからサービス業が出るとか。それから、よく情報というのはフェイス・トゥ・フェイスでないといけない、これも人が集まらないといけないということで」
反町キャスター
「そうすると、名古屋・大阪はある程度、一定規模を超えて、これ以上集まってもメリットがないよと、なんとなく自然発生的に国民の理解が広がって、そこに人が集まらない。福岡・札幌というところは、あそこは増えているし、行けば便利になるからと人が集まっているとすれば、東京に関してはどう見ているのですか?東京では集積のメリットがまだ効いていると見ています?」
小峰教授
「基本的には先ほどと同じ理屈で、東京に人が来るのは、それなりのメリットを求めて来るということですから。それを東京から無理に剥がそうということはメリットを押さえようということになりますね」
反町キャスター
「そういうことになりますね。より不便にして来させないように、追い出す…」
小峰教授
「そう。その意味では、東京に負けないようなメリットを、たとえば、東京に対抗するのだったら、大阪とか、名古屋とか、それから、札幌とか、仙台とか、そういうところが増やしていくという、下から順番に集積のメリットを底上げしていくという方が全体としてプラスになる」
反町キャスター
「米山さん、一極集中の話を聞いてきたのですけれども、まず一極集中が日本にあるのかないのかというところから聞いた方がいいかなと…」
米山氏
「冒頭に出た、2012年ぐらいから東京圏の人口移動が増えているというのは、おそらく、アベノミクスで景気拡大が東京を中心に始まったというところ、つまり、先ほどの雇用の話ですね」
反町キャスター
「なるほど」
米山氏
「その要因が今回はあると思うんです。従って、地方へも波及していけば、それはある程度は止まる可能性が私はあると思っています。あともう1つ、地方の方に希望があるとすると、東京圏に魅力があって来る若者は依然として多いですけれど、東京で自己実現できなかったら、飽き足らずに地方に職を、起業も含めて。それは現在、ハードルが低くなっているんです。空き家はあります、余るほどありますと、余っているのが空き家ですので、お金はクラウドファンディングで集めることができます、あとはアイデアさえあれば、場所を選ばず、あとはネットで売ればいいと。あるいは観光客を自分のところに誘致するということも可能なわけですから、自分が施設をつくれば。ですので、そういうチャンスは景気拡大の過程で、地方に波及する過程でより広がっていると思いますので、あくまでこの流れが続くというのは、ちょっと早計かなという感じもします」
反町キャスター
「そんなにいつまでも続くものではないと見ている。何がストッパーになって、その流れが滞ると思いますか?」
米山氏
「コストがかかって、しかも、子供も育てにくいというところで、デメリットが非常に増しているわけですね。メリットとデメリットの問題でまだメリットの方を感じる若者が多い限り流入するのですけれども、また、違った価値観の人でそのメリットよりもデメリットの方がちょっと耐えられない、もう出ていくという若者も増えていると散在的に思っている人は結構いると思うんです。そのメリットとデメリットの分かれ目、つまり、一極集中がいき着くところまでいって、もうデメリットの方が大きくなれば、自然に流れていくということだと思います」

『コンパクトシティ』成功の条件
秋元キャスター
「地方創生の取り組みで、まちづくりに関する政策の柱はこの2つです。中心部への人口集中と交通インフラ整備を担う立地適正化計画、一方で、郊外には拠点をつくり、さまざまな生活支援機能を集約するという、この二段構えになっていて。まずはこの中心部の立地適正化から詳しく見ていきたいと思います。イラストの赤い部分を中心地に医療・福祉施設や商業地など都市機能を集約し、この周辺、青くなっています部分に住宅を集めて効率的な生活サービスの維持をはかるというものです。既に全国112都市が計画を作成・公表しているのですが、2つのエリアの計画が揃っているのが全体の6割程度で、残る4割、46都市は、中心のこの赤い部分、中心地の活性化策に留まっているということです。米山さん、青い部分、居住地の計画を出すということは難しいのでしょうか?」
米山氏
「ええ、難しいのですけれども、これは立地適正化計画で町を、高度成長期以降、広がり過ぎた町をコンパクトに畳んでいって公共施設の維持・更新等の財政負担を減らしつつ、高齢者も歩いて暮らせるまちづくりという意味で居住誘導区域という線引きが今回の目玉の1つですね。ただ、その居住誘導区域の中に、さらに都市機能を誘導される都市機能誘導区域という二段構えなのですが。自治体によっては都市機能誘導区域だけをとりあえず先行して決めたのだけれども、居住誘導区域まではなかなか踏み込めていないのは、線引きしますと、線引きから外れるとそのエリア外のところは価値が下がっていくということにならざるを得ないので、それは時間をかけて十分な説明、合意過程が必要だということで、そういう意味で慎重な自治体も多いと」
反町キャスター
「富山の例で言うと、路面電車みたいなものを使って、バスを含めて、公共輸送機関を軸にした都市計画みたいなイメージもあるのですけれども、それは狙いとしては、車はダメよという、そういう前提なのですか?」
米山氏
「ダメよと言うよりは高齢化が進んでいって高齢者のドライバーの問題もかなり深刻化していますけれども、いずれ運転できない時が来ますので、そうすると、公共交通、町をたたんでいって、強制ではありませんけれど、できればそこに住んでもらって、移動手段は、富山の場合には既存の鉄軌道を利用したLRT、それから、岐阜の場合には、たとえば、バスネットワークを利用するとか、自治体によって違いはあるのですけれど。富山の場合には、鉄軌道というのが放射状に伸びているので、それを利用してLRTも含めて、再整備したということですね。岐阜の場合は、路面電車が廃止になった時期がありまして、鉄道はありますけれど、それは町と町、つまり、都市間の移動手段なので、都市内の移動手段ではないので、そうすると、あとはバスだという話になりまして、幹線に関しましてはBRTと言うと2台連結のバスです、それを通しまして、あとは支線のバスは普通のバスです。人口密度の低い地域はコミュニティバスです。その三段構えでバスネットワークを構築して、その周りに人を集約させていくという考え方ですね。それから、あとデマンド交通というのは夕張の例が出ていますけれど、夕張は財政破綻して否応なくコンパクト化に取り組まざるを得なかったケースなのですが、旧炭鉱住宅で大部分、公営住宅で団地の集約なので、そういう意味では、やり易いのですが、交通に関しては鉄道が廃線になることが決まっているので、今後はデマンド交通を少し整備していくと、そういう考え方ですね。ですので、この3つの他に、あとコミュニティバスというのがあるということですね」
反町キャスター
「小峰さん、それぞれの交通ネットワークとかの話を聞いていると、言えることは車を使わなくなるよねと。つまり、どういうことかって言うと、高齢化だよね、人口減少とか、地方活性化とか、そういうレベルの話ではなくて、もう高齢化が進んで、もちろん、人口は減るのだけれど、お年寄りは増える。お年寄りが車を運転していろいろなところに分散をしているコミュニティは維持できないから、言い方に気をつけなければいけないのだけれども、皆さん、なかなか車を運転するのも難しい時代になるだろうから、都市の方に集まって公共輸送機関を使って暮らしてみませんかと、この部分ですよね?」
小峰教授
「はい」
反町キャスター
「そうすると、もう完全に人口減少とかではなくて、高齢化対策だという、そちらの方が軸の話に全部見えちゃうのですけれども、そういう理解でいいですか?」
小峰教授
「現在、各方面で考えられているのは、高齢化というのがコンパクト化を促すという…」
反町キャスター
「そちらなのですか?」
小峰教授
「そういうストーリーだと思うのですけれども。ただ、私は、高齢化するから即、公共輸送機関に頼るべきだと、脱車社会だというのは本当かという気がするのですが。たとえば、自動運転ができてくると高齢者でも安心して運転できるようになるわけですし、それから、もう各地で始まっていますけれども、IT(情報技術)というのは、マッチング機能ですね、行きたいと思う人と乗せたいと思う人を結びつける機能が非常に優れているんですね。そうすると、通勤でたまたま中心地に出ていく人に相乗りで乗せてもらうとか、そういうのをもう地方によっては始めているところがあるのですけれども。そうすると、自分で運転しなくても車を利用して目的地に行けるというようなことが可能だということですね。だから、あまり一方方向に決めつけない方がいいのではないかと私は思います」
反町キャスター
「この公共交通ネットワーク整備によるコンパクトシティというのは、小峰さんの立場からするとそれが行き過ぎると時代に逆行するよと考えている?」
小峰教授
「そこは、これから技術革新がどう進むかというのは本当にわからないので、何とも言えないのですが。少なくとも弾力的に考えて、あまり1つの、高齢化だから公共輸送機関を整備しなければと一方的に考えない方が、もうちょっと弾力的に考えていいのではないかなと思うんです」
反町キャスター
「増田さん、いかがですか?」
増田氏
「そこは私もそう思っていまして。自動運転というのは、少し先ですけれども、現在のシェアリングエコノミーですね、個人の持っている財産、車とか、スキルを、一方で、それを欲する人達とどうマッチングさせるかと。そこがいろいろなやり方が出てきているわけですから、過疎地域こそそういうシェアリングエコノミーをうまく使うと、いろいろな問題が解決する。ですから、あまり重装備のまちづくりの軸を、それに…」
反町キャスター
「これは重装備になる?」
増田氏
「いや…、でも、そうではないですか。たとえば、宇都宮は400億以上の、LRT、路面電車について、そのぐらいの計画を持っている。現在も議論があるようですが、100億円台のいろいろな施設整備となると、これから相当、負担になると思うんですね。ですから、もっと小ぶりなやり方をどう考えるか、そういう視点があっていいと思いますね」
反町キャスター
「一方、増田さん、こういうコンパクトシティ構想というのは、都市の利便性とか、安心・安全とか、それをキチッと享受したかったら真ん中に住みなさいよと誘導する制度ですよ。だから、こちらの水はという感じで集まってくださいという感じですよね。これはどうなのですか?」
増田氏
「えっと…」
反町キャスター
「ありなのか、なしなのかという言い方は変なのかもしれませんが…」
増田氏
「現在、行われているコンパクト化というのは先ほどの適正化計画がありましたけれども、中を見ますと様々で、基本的には縮めなくてはいけないのですが、重点カ所を決めなくてはいけないのですが、なかなか政治的に難しいと思っているのでしょう。かなりブワーッと広がっていて、現在の都市計画とあまり変わりないような計画もあるし、かなり汗をかいてグッと濃縮した場所を決めているところもある。そこはすごく差があるのですが。あともう1つは、結局、何かしらの絵を描いて、中心部はこれだけ良い地域になりますから、皆さんこちらに移ったらどうですかと、そういう誘いかけにするのですが、あまりそこの絵をいくつか見ると、皆、きれいな絵を描き過ぎているんですよ」
反町キャスター
「えっ?」
増田氏
「何かこんな立派なビルの中に、何かキレイな男女が歩いていて、脇のところにワーッとプロムナードがあったりですね。すごく未来都市みたいな。だけど、現実にそういうところができれば、先ほど、おっしゃったように、当然、地価がウンと高くなるとか、そういう問題も出てくる。それから、これまでのコンパクトシティ、富山はそういうことですが、なかなかうまくいかなかったというのは、居住をどう移すのかという、その強制手段はありませんから、私もそれはやるべきではないと思います。もっと現実の姿というのを、要は、ウンと寂れちゃって、シャッター街なのを全部昔に戻すのは難しいけれども、少なくとも今程度は維持できますと、それだけで私はかなり成功だと思うのですが。何かすごく未来志向の都市の絵なんかを描いて、現実とのギャップが大き過ぎて、あまり皆、信用していないと言うか、信頼していないと言うか。どこかに嘘があるのではないか、騙されるのではないかと。だから、そのあたり、私はもっと堅実にいろいろと議論を進めていく必要があるのではないかと思います」
反町キャスター
「増田さん、自治体の首長をやっていらしたので聞きますけれど、たとえば、こういうコンパクトシティをやりますよ、カタカナで何をやっているかわからないという人々に対し、いろいろと都市交通のネットワークやら何やらを真ん中にいろいろな人達に集まってもらってということは選挙の公約として、ウケが良い政策だと思います?」
増田氏
「うーん」
反町キャスター
「大多数の人達にとっては、俺の家の地価は下がるのではないかとか、俺のこれまでの生活はより不便になるのではないかというね…」
増田氏
「うん、おそらく…」
反町キャスター
「特定の政党への特定の利益団体の皆さんやら何やらより距離的な感覚で遠い人達は全部、敵にまわすような政策ではないかと、自治体の首長として打ちにくいと思うのですけれども、どうなのですか?」
増田氏
「本当に誠実にやると敵を増やすことになる可能性はある。ただ、現在おそらく、首長さんがそれを言っている時は、ここがこんなふうに、要するに、縁辺部のところは、住むことはほとんど難しいですよと、そこをきちんとたぶん言っていないと思いますね。こちらがこういうふうに見事に繁栄しますと、そこだけを言って訴えているのではないかなと思います。ちょっと厳しいかもしれませんけれども」

地方の現実と『選択と集中』
秋元キャスター
「先ほどはこちらの立地適正化計画について聞きました。一方の小さな拠点づくりですね。山間部などの集落について小さな拠点づくりという政策が進められていまして、その内容を見ますと、山間部など、ある程度の集落が固まっているところで、自治体や事業者と連携をしながら地方の拠点を設立・運営していくという制度です。2016年時点で722か所が認定されています。具体的な拠点としては、廃止予定だったガソリンスタンドや食料品店・診療所などを住民主体で継続する、または雪下ろしなどの生活サービスの活動ですとか、農水産物の加工・販売所の共同事業などがあるのですけれど。まず小峰さん、中心地に集めていこうという一方、この小さな拠点づくりというものがあって、この認定される722か所というものがあるのですけれども、人数とか、認定される条件というのはどういうものがあるのでしょうか?」
小峰教授
「これは、私は先ほどから何回も言っているように、いろいろなレベルで集積が起きている、人が真ん中に集まるようになっていると。むしろそれを促進した方がいいような時代になっていると考えると、先ほどのコンパクトシティはコンパクトシティで進めて、さらに中山間地では中山間地における集中という点でこういった拠点づくりというのが位置づけられているのではないかと思います。ですから、これはこれしかないのではないかと思います」
反町キャスター
「これは都市部ではコンパクトシティが進み、でも、コンパクトシティをするということがどういうことかと言ったら都市の周辺部は居住よりも別の目的にしてくださいね、人々は都市部、中心部に集まってくださいねという誘導策だとすれば、都市の周辺部のそのまた外側ですよ中山間地というのは、そこに拠点をつくるというのは政策としての一貫性がブレていませんか?そういうものなのですか?」
小峰教授
「いや、そこは、都市部は都市部でどうやってコンパクトにしていくかというのが、集積のメリットをはかる見方であって。中山間地にも人が住んでいるわけですから、この人達をまた都市部に全部連れてくるわけにはいきませんから、中山間地は中山間地で利便性を損なわないようなやり方をとるということであれば、中山間地に小規模な集積の拠点をつくるという方向が、それは当然ではないかなと思います」
反町キャスター
「財政難と人口減少の中で、やるべきことは選択と集中だと何回か増田さんから聞いた記憶があるのですけれど。この小さな拠点づくりは非常に物差しが曖昧で、それこそ先ほど小峰さんが言われたみたいに、たとえば、面積当たりの人口密度がいくつになったら拠点にするとか、しないとか、そんなルールはどこにもないわけですよ」
増田氏
「ないですね」
反町キャスター
「そうすると、こういうルールをつくることによって選択と集中の矛先と言うか、それが鈍るリスクは当然ありますよね?」
増田氏
「たとえば、高知の尾﨑知事にお話をおうかがいすると、高知は確か130か所、あそこは中山間地域が非常に多いですから、そのぐらいの展開を目指して現在、途中経過でいろいろやっているという話を前に聞いたことがあるのですが」
反町キャスター
「722のうちの130を高知にもっていくのですか?」
増田氏
「いや、違う、違う、違う。これは現在できているのが全国で720…」
反町キャスター
「あっ、そういうことですか」
増田氏
「で、高知の130というのは、これからずっと」
反町キャスター
「目指す?」
増田氏
「そう。結局、そういう拠点がないと、たとえば、その地域で医療・介護をどう展開していくのかということになると、そういう拠点が中山間部にあるとそこでお互いの、隣同士の助け合いとかによって医療・介護が展開できる。それを全部そういうのをなしにしちゃって、でも、結局いろいろなところにお年寄りが残るわけですから麓から訪問介護とか、介護をやろうと思ったら、私はおそらくもっと高くつくこともあり得るのではないか。これは地域によっていろいろプラス・マイナスがあると思うんです。ですから、そういう分野、分野によってプラス・マイナスいろいろあると思うのですが、トータルで見ると中山間地域は中山間地域の生業をきちんと維持していくうえでもこういう拠点があって、そこでお互いの、地域の助け合いとか、相互扶助みたいな関係をつくりあげ、そこで生活を維持していくというのは1つの知恵だと思いますね」
小峰教授
「現在、拠点をこう置いているのは、たぶん相当甘い見通しに基づいていると思うんですよ」
反町キャスター
「そう、そこですよ」
小峰教授
「それはどうしてかと言うと、これはかなり根本的な問題なのですけれども。今回の地方創生の動きというのが、まず国が人口ビジョンをつくって、それに基づいて各地方公共団体がそれぞれの人口ビジョンをつくったということなのですが、ほとんど前提を国と同じ前提に置いていまして、出生率がやがて2.07に上がっていって社会移動が全てゼロになるというような前提で…」
反町キャスター
「1億人のあたりで止まるという、あのへんの?」
小峰教授
「そうですね、国は1億人で止めたいと思っているので、その前提を地方も使っていますから、地方も相当甘い前提になっているということですね。だから、その甘い前提に基づいて、こういう拠点の計画をつくると実は甘い前提に基づく計画になっているということだと思います。ただ、それに…」
反町キャスター
「それはおかしいですよね?」
小峰教授
「本当はおかしいのですけれども…」
反町キャスター
「おかしいですよね?」
小峰教授
「それでもその甘い…」
反町キャスター
「間違いなくそこに、税金の無駄とマンパワーの浪費がそこに生じますよね?」
小峰教授
「うーん、ただ、それは地方で本当に頑張ってこの人口見通しを実現させるんですっていうのだったら、それはそんなのムリだよとはなかなか…」
反町キャスター
「全体の人口が8000万、6000万になることが本当だとすれば、僕はそちらの方だといろいろな話を聞いて思っているだけなのですけれども。そうすると、これは人口の単なる食い合いになるだけであって、ある小さな自治体、集落が、ここは非常に裕福でいろんな人が来るということで、それにストロー現象みたいな周りの自治体の人口が減るだけの話で、食い合いではないですか。小っちゃくなっていくパイの食い合いの中、こんなにたくさんの拠点づくりを進めていく国家ビジョンは意味があるのか?」
小峰教授
「うーん、これは国家ビジョンと言うよりは、各地域のビジョンですから。各地域がそういう甘い人口見通しに基づいてつくっているということは、制度設計として国が人口ビジョンをつくらせたためにどうしても国の方を見てつくってしまったと、だから、国と同じ前提でつくってしまったという。これはなかなかやる前にはわからなかったことですけれども、もちろん、地域独自で計画をつくりなさいということだったのですけれど、実際に蓋を開けてみたら、国の前提を皆、使って金太郎飴みたいな前提になってしまっている」

深刻化する『空き家・空き地問題』
秋元キャスター
「ここからは、全国的に広がる空き家・空き地の問題について、話を聞いていきたいと思うのですが。その1例として、まずこちらの地図を見てください。この黒く囲ってあるこのエリア、宮崎市が中心市街地として活性化を計画している範囲ですが、その中で、この赤で点々と示してあるのが空き地で、公共駐車場もこれに含まれています。2006年の調査では再開発計画地域の13.3%が空き地だったのですが、その後、国の支援も受けながら整備計画を進めたものの、人口減少の速さなどから昨年2016年には18.3%に空き地が増加しているんですね。米山さん、まちづくりをしていくうえで、空き地が増えるということはどういう問題があるのでしょうか?」
米山氏
「これは中心市街地活性化計画を立てたにも関わらず、この悪化度合いですが、中心市街地の場合には、所有者さんが暫定利用として、たとえば、駐車場の利用をするということは、宮崎市の場合には結構多いのですけれど。次の所有者にうまく移転されない、あるいは利用権を定期借地権のような形で利用できる人に移転することがうまくいかないと、虫食い状態のスポンジ化と言いますけれども。ですので、ここは次に利用する人に、うまく渡るようなスキーム、枠組みを工夫していかないと、なかなか財産権の問題もありますので、なかなか。所有者不明になると余計、処理が問題になるわけですけれども」
反町キャスター
「それは、空き地ではなくて、空き家の問題ですね?」
米山氏
「そうです」
反町キャスター
「誰が所有者だかわからないのがいっぱいあるみたいな」
米山氏
「ええ、そうですね、土地も含めて所有者不明地が増えていますので。ですので、そこはかなり介入していかないと、なかなか進みにくいということですね」
反町キャスター
「空き地、空き家がトンドン増えていくということは当然のことながら地価下落、発生しますよね?」
米山氏
「そうですね。逆に言うと、その衰退や窮みに至って地価が下落する、たとえば、これまで利用しにくかったNPO(非営利団体)とか、カフェ、ちょっとしたショップとか、カフェをやりたい人の若い人の需要に応えられるという面もあるんですね。ただ、それはそこまで下がってからの話ですね。ですので、中心市街地活性化はむしろ、その前に何か投資をして、起爆剤として呼び込むという、そういう施策でこれまでやってきたのですが、ただ、それもうまくいかないと。まだ窮みまで至っていないので、窮みまで至ったけれど、まだ入る人も出てこないというところも多いですね」
反町キャスター
「ごめんなさい、米山さんがおっしゃるその窮み、落ちるところまで落ちる、それはどういう状況を指すのですか?虫食いがほぼほぼ全部スポンジになっちゃうみたいな、これで言うと、この地図がほぼ赤くなるような状況までいかないとダメということですか?」
米山氏
「たとえば、この(山形県)鶴岡のランド・バンクの例があるのですけれども…」
反町キャスター
「鶴岡?」
米山氏
「ええ」
反町キャスター
「これはどういうことですか?」
米山氏
「鶴岡では、町割りが狭くて、中心市街地が衰退しまして、空き家、空き地が非常に増えたんですよね」
反町キャスター
「こういう状況ですね」
米山氏
「そうすると、ただ手放そうにもなかなか買い手がつかないし、うまく渡らないというそういう状況があって、そういう意味では、無価値に近い状態ですよね、空き家を持っていたとしても。その時に、A宅・B宅・C宅で、たまたま空き家があったとすると、このままでは何も進まないのだけれど、NPO、つまり、鶴岡ランド・バンクという、そういう事業体が、権利調整をして、その町割りが狭くて道が狭い状態をこの道路を拡幅して、A宅・C宅を拡張するという形で区画整理をやるという、そういうような枠組みをNPOで考えたんですね。だけれども、不動産事業者が権利調整することによってこの状態にまでいくわけですけれども、通常ですとこの状態の権利調整というのは採算が合わないので」
反町キャスター
「誰にとって採算が合わない?」
米山氏
「合わないです…」
反町キャスター
「業者にとってということですか?」
米山氏
「業者にとってです。業者が権利調整、手数料をとって、この状態にもっていくにも採算が合わないので、NPOで、官民で3000万円のファンドを出資し、そこから補助金を出して、商売として成り立つようにすると。つまり、官民、たとえば、民都機構から1000万円とか入っているわけですけれども、その官からのお金の助けを借りて、そのままの状態であれば無価値のような価値を持たない、衰退の窮みで虫食い状態になった空き家の町を、こういう権利調整の仕組みの担い手をつくることによってという、そういう状態が現れれば、再生の道筋は出てきているという1つの事例ですね」
反町キャスター
「これは1つの例で示されていますけれども、実際にこういうケースが鶴岡においては何件発生している、総数はどのくらいのもの?」
米山氏
「これは目標としてはちょっと数は忘れました、おそらく20~30件を目標にしているんです、10年後、20年後ぐらいまでに。ですので、この空き家・空き地の場合、その過程で区画整理をしようとすると、一気に空いて。一気に区画整理をできるわけではないので、空いた状態が出た時に逐次的にやっていくと。しかも、お金をかけずにやっていくというスキームなので、時間は非常にかかるんです。だけれども、20年後、30年後に経つとやらなかった状態に比べるとかなり居住環境は改善します。ですので、お金をかけない区画整理、しかも、官のお金と民の力で、そういう状態を解消していくと、虫食い状態、スポンジ化を解消していくと」
反町キャスター
「ちなみに、このAさんとCさんいうのは、これは50から70でプラス20ではないですか?」
米山氏
「はい」
反町キャスター
「ここのところ(Cさん)はプラス30坪大きくなっているじゃないですか?」
米山氏
「はい」
反町キャスター
「それぞれのお家というのは、増えた分の土地代と拡張道路の工費と、もちろん、家を壊して2世帯建てるわけだからそれを全部負担するという、こういう財政的な余力がある人ではないと、このランド・バンクプランには乗れないわけですよね?」
米山氏
「いや、そのランド・バンクの時に、B宅をまずNPOが取得する時、タダか非常に低価格、そのままですと価値がないので、所有者ももう手放したいという状態ですよね。だけれども、仲立ちがないのでそのままだと。その時にタダか、非常に低価格で譲渡してもらえれば、A宅・C宅は土地代についてはタダです」
反町キャスター
「なるほど。ほとんどゼロになるわけだ?」
米山氏
「そうです。建物は2世帯にしたければすればいいというので、それは所有者」
反町キャスター
「なるほど。米山さん、空き家率がこういうふうにドンドンこれから増えていくであろう。所有者不明の土地が全国で410万ヘクタール、九州全体の土地よりも広いのではないかという、この数字、どう感じますか?」
米山氏
「これは結局、人口減少の帰結で。高度成長期に町を広げて、当時は必要だったのですけれども、ニューターンもつくりましたと。ところが、人口が減って、条件の悪いところから空き家になっています。その過程で郊外化が進んだので、中心市街地も空いていますという、そういう過程ですね。その時にまだ使えるものは無価値でも持っていってくれる人が、使う人がいればいいのですけれども、もう捨てたいぐらいだと。引き取り手もいないものを、最終的にその空き家を誰が壊して土地を誰が管理していくか。そういう問題に最終的に帰着するんです。それは所有者の責任なのですが、ただ、自分の代はできても、子供の代はできるのかと、孫の代はできるのか。子々孫々渡ってできるかと言うと、そういう状況はたぶん考えにくい。つまり、捨てたいような土地が出てきた時には、ある程度、国土の管理という面から国なり自治体が引き取らないといけない時代がおそらく近未来にはくると考えています」
反町キャスター
「増田さん、いかがですか?」
増田氏
「はい、空き家について言うと、1人っ子同士が結婚して、そうすると不要になるものがいろいろ出てくるわけですよね。持ち家志向が大変強い中で、いまだに、100万戸は切っているけれども、九十何万戸、新築ができているわけですから。ですから、これからおそらくドンドン空き家は増えていくでしょうね。今、お話にあったように駅からかなり距離があるところ、これはかなり都市部でもこれからドンドン地価が下がって、二極化で、なかなかおそらく無理で、地価が上がるということは。あと除却費用もない、要は、…」
反町キャスター
「除却とは何ですか?」
増田氏
「上の建物を取り除く費用、その価値すらもうない。不動産というのは必ず戦後、価値が上がるものでということだったですけれども、そこの前提がもう完全に崩れてきてしまって。それが背景にあるから、空き家ももちろん、増えるのですが、土地そのものが登記までして財産として保全しようという、そういう気持ちが所有者になくなって、これは相続によってドンドン所有者不明土地が増えるのですけれど。これからこういうもっていき場のない土地、所有者なのだろうけれども、親から、あるいはお爺ちゃん、お祖母ちゃんから相続したけれども、場所も見たこともない山林だとか、それから、いろいろな事情で財産分割協議をする時に何かうまくいかなくて、そのままにずっとなっていて、そのうちに皆さんお亡くなりになって、よく行き場のない土地、こんなものが、すごく増えてくるので。2つですけれども、そういう土地があまり増えないようにする対策と、それにしてももう九州以上の面積ぐらいまでどうも蓄積されているらしいので。結局は所有権と、現在大事なのは、所有権よりも利用権を、そこから分離し、必要なものはきちんと利用できるような制度をつくる必要があると思うんですね。所有権にずっとこだわるよりは、利用権を何らかの公的な手続きによって、別に切り分けることができないか。要するに、土地の引き受け手の何かそういうものと、それから、利用権の切り出しと、何かこういうことがこれから必要になってくるのではないかと思いますね」

日本が直面する課題に『解』は…
秋元キャスター
「小峰さん、地方創生政策で喫緊の課題、優先順位はどう考えますか?」
小峰教授
「まずこれまでの地方創生の中で本当に正しかったのかというところをもう1回、検証してみて、必要な方向修正をするというのが非常に重要だと思うのですけれども。たとえば、今回の地方創生は人口問題と非常に絡めて進んでいるのですけれども、簡単に言えば、地方創生で人口1億人というスローガンになっているわけですが、こういうふうに地方創生と少子化、人口維持というのをつなげたところにちょっと無理があると」
反町キャスター
「前提がもう既にムリ?」
小峰教授
「ええ、少子化対策は国が責任をもって少子化対策をやるべきであって、地方は地方で少子化対策をやっても、子育て世帯の取り合いになったり、それから、せっかく子供が産まれてもまた東京に出て行ってしまったりとかいうことで、少子化対策をやれば地域が活性化するということにはなかなかならないので、そこは分けて考えた方がいいと思う。少子化は少子化対策でしっかりやる、地域の活性化は地域の活性化としてしっかりやるという。2つやりたいことがあるわけですから、2つの政策を分けてそれぞれしっかりやっていくということが必要だと思います」
反町キャスター
「自治体が少子化対策、保育士の給料が高い自治体、低い自治体というのが既に出ているわけではないですか?」
小峰教授
「はい」
反町キャスター
「あれは、小峰さんのお立場からすると、これは国全体にとっては不幸な状況である?」
小峰教授
「各自治体がもちろん、少子化に力を入れれば、多少、全国の出生率も上がると思いますけれど。現在、生じていることは、たとえば、私のところは保育所をいっぱいつくって、人が、出生率が上がりましたというものの多くは近隣の自治体から子育て世帯が集まってきているということですから。周りの自治体はその分、出生率が下がっているわけですよね。だから、ゼロサムゲームになってしまっているということですよね」
反町キャスター
「なるほど。それは国で、要するに、ある意味、格差をつくらない形で全体としてどう上げるのかとそれを考えるべきだと?」
小峰教授
「それは、少子化対策というのは、まさに国の責務だということです」
秋元キャスター
「増田さん、喫緊の課題をどう考えますか?」
増田氏
「私は小さくなったところを合併とか、そういう手段に頼るべきではないと思うんですよね。それはそれですごく疲弊するから。そういうことではなくて、もう現在ある自治体でいいから、そこが都市連合だとか、自治体連合をつくって、それでお互いに機能分担をしていく。それはたぶん階層的に先ほどあった小さな拠点みたいなものから始まって、それから、現在制度と言うと定住自立圏構想なんて言う、だいたい5万人ぐらいの都市で、いくつかが連合体をつくって、そういう機能分担なんかをしましょうというのがある。現在それが100いくつあるかな。それから、もっと大きなところで言うと、だいたい20万都市ぐらいのところ、連携中枢都市圏なんて言って、たとえば、岡山と倉敷とか、そのクラスのところでもっと連携して、いろいろなことに取り組みましょうということがあるのですが。そういう自治体間連携のようなことで、できるだけ現在ある制度を使うのですが、もっと自分達の自治体の枠から出て、いろいろな問題を解決していきましょうというような、その取り組みももっと大胆にやるべき」
秋元キャスター
「米山さんは喫緊の課題をどう考えますか?」
米山氏
「移住、人を呼び込むという話では、誰もかれも来てくださいと言っても、誰もかれも来ないことが多いです。空き家バンクでも閑古鳥、開店休業のことが多いのですが。ただ、地域に必要な人材にターゲットを絞って、たとえば、伝統工芸を再生したいので、そういう人材で工房もかなり安く使えますよとか、あるいはビジネスプランコンテストで地域の資源を利用して、空き家を活用して起業するという人を募集するとか。最近ですと、浜田市でシングルマザーで介護人材を募集する、シングルマザーを対象に介護人材、地域に必要な介護人材を募集するというようなことで。ターゲットを絞ると響いて、最初は絞られますけれども、あっ、自分のことだと思って来る場合があるんですね」
反町キャスター
「その浜田市の例というのは、ちゃんとヒットしているのですか?」
米山氏
「一応、反響はあります。定着は今後の課題で」
反町キャスター
「へえ…」
米山氏
「ですので、都会ですと職も賃金も低いですよね、職の問題もあるので、それは一例ですけれども。地域にある資源は何か?じゃあ欠けている資源は何か?それはむしろ、そういう人に来てほしいと優遇するという形で、募集するという形でターゲットを絞れば過度に人の奪い合いにはならない、そういう人に響くと。なおかつお金に関しては現在、低金利ですから、お金を寄付みたいなことをしてもいいという人が結構いまして、お金を持っている人も含めて。それはクラウドファンディングでいくらかの見返りがあればいいという人もいるので。お金の部分は、地方では企業も含めれば数十万円とか、数百万円で足りる場合もあるので、そういう今ある、可能性のある手法を使って既にある地域資源を組み合わせて、オリジナリティをどう出していくか、それだと思います」

増田寛也 野村総合研究所顧問の提言 『地方創生-まちづくり計画 第三者の検証』
増田氏
「地方創生の中でいろんな分野があるのですが、まちづくりについて言うと1度、その計画をにわか仕立てでつくったので、第3者の手で検証すると、方向性を切り替えるところは切り替える、こんなことが必要だと思います」

小峰隆夫 大正大学地域創生学部教授の提言 『国主導から地方主導へ』
小峰教授
「私は国主導から地方主導へということを言いたいと思います。これまでどうしても国に言われて計画をつくる、それから国の財源に頼るということがありましたので。これからは地方が、全ての地方が元気になるというのはなかなか難しいので、これは本当に競争になると思います。競争に勝つためには自分のアイデアで、自分の考えでいろいろな計画を進めていく必要があると思います」

米山秀隆 富士通総研経済研究所主席研究員の提言 『利用優先』
米山氏
「所有権がいろんな面で制約になっていますので、まちづくりにおいては。空き家・空き地の問題は特にそうなのですが、利用優先の原則で最適な利用に速やかに移行する、そういう町をつくっていくということだと思います」