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2017年8月14日(月)
菅義偉官房長官に問う 改造内閣の攻めと守り

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣 自由民主党参議院議員(前半)
香田洋二
元海上自衛隊自衛艦隊司令官(前半)
菅義偉
内閣官房長官 自由民主党衆議院議員(後半)
山田惠資
時事通信社解説委員長(後半)


前編

『北』ミサイル『グアム4連射計画』 ミサイル開発の精度と狙い
秋元キャスター
「先週、北朝鮮が発表をしたグアム近海への中距離弾道ミサイルの発射計画で、通過ルートとされる中国・四国地方にミサイル迎撃システムPAC-3が配備されるなど緊張が高まっています。前半はこの北朝鮮のミサイル計画と日本の防衛策を専門家と共に検証します。番組後半は菅官房長官を招いて新生安倍政権の今後の展望をじっくりと聞いていきます。先週10日、朝鮮中央通信は朝鮮人民軍司令官の発表として、このような計画があると報じました。中距離弾道ミサイル火星12型をグアムに向けて4発同時に発射する包囲射撃を慎重に検討しているとし、ミサイルは日本の島根県・広島県・高知県上空を通過し、射程距離3356.7km、17分45秒間飛行して、グアム島周辺30kmから40kmの海上に着弾する、今月中旬までに作戦を完成させ命令を待つ、こういった内容です。佐藤さん、まずここまで細かい数字を挙げて計画を発表した北朝鮮の狙いについて、どう見ていますか?」
佐藤議員
「ポイントは、政治的に見た場合、細かく3356.7kmとか17分45秒と言っていますけれども、グアム島周辺30kmないし40kmというのは国際法上、アメリカの領海ではないです、公海上ということに、若干そこも考えて、今回の射撃というものをアメリカに直接、領海ではなく、その手前に落とすという計画を発表している。そういう面では射撃する可能性はありますけれども、いろいろな面でそういうバッファーをとっている、留保をつけたような計画にも見えます」
反町キャスター
「佐藤さん、領海ではないと、領海は12海里、20kmぐらいですよね?」
佐藤議員
「22kmぐらいですね」
反町キャスター
「20kmよりも外側のところに落とすと言っているということはアメリカ側の、グアムにだってアメリカ軍の基地、アンダーセンでしたか?」
佐藤議員
「アンダーセンとアプラ港…」
反町キャスター
「重要な基地がありますよね。そこに来るかもしれないと真剣に構えているわけではないと、そう見ていいのですか?」
佐藤議員
「いや、アメリカの対応についてはわかりませんし、実際に日本と違って領域ではなくても排他的経済水域というのが自分の主権だと思えば、落とす可能性は当然ありますし。ただ、北朝鮮からすれば一応、現在の発表では領海ではないところに、目標地点を定めていますから、これは何かの時も別に基地を叩くためではなく違うところに撃ったというエクスキューズをできる理由にもなろうかと」
反町キャスター
「北側は言い訳を用意しながら準備を進めている?」
佐藤議員
「うん、ただアメリカにとっては、それをどう評価するのかは別。当然、領海ではなくても近ければ撃つかもしれませんし、しかも、今回これ包囲射撃って言っているんです」
反町キャスター
「言っていますね」
佐藤議員
「包囲射撃でグアム島周辺と言っていますから、だから、別にグアム島手前とは言っていないですよ」
反町キャスター
「越えてもいい?」
佐藤議員
「越えても。素直に読めば、包囲射撃です。しかも、周辺と言っていますから、グアムの北西沖と言っていないですよ。だから、そこらへんではどうかわかりませんが、アメリカにとっては実際、さらにこの計画が明らかになった段階で、また違うメッセージを出すかもしれません」
反町キャスター
「お宅の島は狙っていませんよ、ただ、その30kmから40km四方に対して4発バラバラに撃ち込むだけですよ、これはあくまで実験だと言い張っているわけではないですか?」
佐藤議員
「うん、見た目は」
反町キャスター
「見た目はですよ。その建前、建つけで撃ってきて、1発間違えてグアムに落っこちちゃった場合には、これはアメリカ側としては戦争行為だと、我々はこれに対してただちに報復するというのは可能なのですか?」
佐藤議員
「それはゼロではないと思います。と言うのは、これからどういう発表をするかによりますけれども、この発表の前に実はいろいろなことを言っているんです。太平洋にあるアメリカ軍の基地を叩くということも言っていますから。トータルでたぶんそこはメッセージというものを判断すると。可能性はゼロではないと思います」
反町キャスター
「ミサイルの精度がわからないんですよ、北朝鮮の。これまでロフテッドで、水平移動距離は短いけれども、高さはいくよねという実験しかやっていないとした場合にですよ、今回初めて3300km試してみようという実験で、なおかつ島の周辺30km、40kmずらして落とすという技術を北朝鮮は持っていると思いますか?」
香田氏
「はっきり言えば、世界のどこの国もわからないというのが答えですが。現在、日本を射程に入れていると言われているノドンというのがあるのですが、これの開発時期に、開発段階の時に、世界の研究機関が最大公約数的な精度として見たのが、だいたい1000km撃って10km程度の誤差ということですね。今回は3000kmで、それからもう10年以上経っていますので、北の技術も向上したということで言いますと、たとえば、3000km飛んで10km程度の誤差ということはあるのかな、と言うことは、仮に30km、40kmと言っていますけれど、おそらく狙うとしたら40kmで撃って10km仮に内側に落ちたとしても、まだ30km余裕があるということで領海には入らないと、こういう計算をしたのではないかと言うことはできるんですね、想像ですけれども」

日本の防衛システムを徹底検証
反町キャスター
「日本のミサイル迎撃システム、よくこの番組でもやっているのですが、2段構え、と言っていて、まず撃ち上げた直後のブースト段階からミッドコースと呼ばれるところの間というのは、海上に展開しているイージス艦から撃たれるSM-3というミサイルによってやりましょうと。下降段階、ターミナル段階というところにきたところで、さまざまいろいろな、現在、高知などに展開しているPAC-3でやっていこうと。こういう中で、グアムに向かって撃たれる時にはおそらく日本の上空を通過する時にはブーストないしはミッドコースの段階だろうと、その時に日本の自衛隊はどういう対応ができるのか?まずは日本海に展開しているSM-3による対応だろうと思っているのですけれども、どのくらいの能力を持って撃墜、破壊できるものなのですか?」
香田氏
「ここで想定されている北朝鮮がミサイルの発射をしますと、日本の上空にきた時の高度がだいたい400kmぐらいになります」
反町キャスター
「400km?」
香田氏
「はい」
反町キャスター
「こちらの図ですね」
香田氏
「それでさらにずうっと飛んで行って、ちょうど中間点ですね、だいたい1650ですかね、ザクッと言ってですね」
反町キャスター
「なるほど、グアムと北朝鮮の間の半分ということですね?」
香田氏
「ここが600kmで1番高いところに上がるのですけれども。一部、迎撃が難しいところはありますけれども、基本的なイージスというのはどこでブースト、どこでミッドコースと分けるというのは便宜上の、分け方があるのですけれども、一般的にはちょっとここはやり過ぎですね、この程度ぐらいまでですね」
反町キャスター
「ここぐらいまでがブースト?」
香田氏
「…はい、と言うか、イージスで撃墜できるということで。これは公表データではなく、マスコミで言われているところではだいたい500kmが上限と言われていますので、ちょっとここぐらいはちょっと厳しいかなということですね」
反町キャスター
「なるほど、この部分は厳しいと、ここは届かない?」
香田氏
「で、ここは特にブースト、ミッドコースと分けずにいきますとイージスとしてはだいたいこのあたりでは迎撃が可能だと…」
佐藤議員
「能力の問題と法的側面と…」
反町キャスター
「そこですよ、そこです」
佐藤議員
「破壊措置命令という自衛隊法の枠組みで言えば、イージス艦とか、PAC-3が迎撃できるのは我が国の領域、領土・領海に落ちると、航跡を見て今回、グアムの方に行かないと、日本の方に、領域に落ちそうだという時、初めて破壊措置命令という枠組みでは撃ち落とす。そうでなければ、領域に落ちないという状況であれば、撃てないわけです。グアムの方に届くやつを法的にこれを日本が落とすというのはまさに平和安全法制で議論したような…」
反町キャスター
「存立危機事態です」
佐藤議員
「はい、新3要件に合致して、存立危機事態というものを認定して、しかも、アメリカからそういう要請とか同意があるというような条件になって初めてできる」

その時、日本にできることは…
反町キャスター
「まさに存立危機事態という事態認定をするかどうかについての3要件というのが、これですけれども、特にここの部分、または我が国と密接な関係…」
佐藤議員
「これは今回、アメリカですよね」
反町キャスター
「そうです。我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し」
佐藤議員
「武力攻撃が発生し…」
反町キャスター
「これにより我が国の存立が脅かされる国民の生命なんたらかんたらという場合、つまり、グアムに対するミサイル攻撃、この場合、北朝鮮は実験と言いますよね、それが日本の安全保障上の大きな懸念となる場合かどうか?」
佐藤議員
「すごく細かく言うと我が国と密接な関係にある他国、アメリカに対する武力攻撃が発生しということなので、アメリカが攻撃されたという…」
反町キャスター
「…事態認定、向こうが言わないといけない?」
佐藤議員
「事態認定…、だから、向こうが個別的自衛権というものを発動し、それから日本に対して要請とか、同意というものが実は手続き上必要になります」
反町キャスター
「そうなると日本の上空通過するまで7分とか、8分とか、そんなものですよね、その7分、8分の間にアメリカ側から北朝鮮がミサイルを発射した、これはアメリカ合衆国に対する攻撃である、日本国に対して協力を求めるという、そこまでなければ存立危機事態と認定して日本海に展開している船からSM-3を撃つところまでいかないということですよね?」
佐藤議員
「ただ、小野寺防衛大臣もよく言うように、この3要件が満たすことがあれば、一般論ですけれども、一般論でも迎撃することができると。実はまさに攻撃が発生して、我が国の存立が脅かされると、まさにアメリカの打撃力が、グアムにあるような戦略爆撃機とか、これが打撃を受けた場合、日本の存立に大きな影響を与えるということまで認定したあと、その他に2つまだ要件があるわけです」
反町キャスター
「いろいろありますよね」
佐藤議員
「そういう条件もクリアしたあとで、アメリカから要請とか、同意があって、そのあと対処方針を決めなきゃいけない、それを閣議決定するんですよ」
反町キャスター
「そこまでの話を聞いていると、今回の北からのミサイルに対して日本の海上自衛隊がSM-3を発射するというのは事実上、無理と聞こえます」
佐藤議員
「いや、でも、実際には、今言ったのは法律上の話、でも、これというのは、やろうと思えば短縮はできます」
反町キャスター
「事前にやっておくということですか?」
佐藤議員
「そう、同意とか、あるいは要請というものは国会でも答弁していますけれど、事前に条約等を決めておけば事前適用がありますし。いろいろな個別の状況によっては、まさにアメリカに対する攻撃というのが、北朝鮮とかの意図が明確だという条件があれば、いろいろな手続きを事前に調整しておけば、これは絶対無理ということではない。だから、小野寺防衛大臣が一般論としての…」
反町キャスター
「委員会での答弁ですよね」
佐藤議員
「はい、一般論としての、こういう条件があれば、対応できる場合があると」
反町キャスター
「日本政府は我々国民に対して、今回の北朝鮮のミサイル発射に際して、撃った場合に、日本国とアメリカ合衆国は存立危機事態と認定するということで合意していると、そこまで事前に発表したりしますか?」
佐藤議員
「いや、そこはまだ試射段階でそこまでいくかどうかわかりませんけれども、それはなかなか、香田先輩も実務をされてこられてきましたが、軍事オペレーションというのは事前にそんなに簡単には明らかにしませんから。だから、日頃からガイドラインによって日米調整というのはずっとやっているという形になっていますから」
反町キャスター
「やったら大変なことになるのだぞと、トランプ大統領が炎と怒りがどうのこうのという言葉ではなくて、実際に撃ったら、日本とアメリカは共同で必ず日本海の上空か、太平洋の上空で破壊するということを大っぴらにするという、そういう手はあるのですか?」
佐藤議員
「それは現在この段階では、我々としては一般論としか、たぶん言えません。なぜかと言うと…」
反町キャスター
「抑止として…」
佐藤議員
「なぜかと言うといろいろな個別・具体的なケースはまだ計画段階です、まだわからないわけです。ただ、そうかと言って、全然やりませんということは当然、だって、そのために平和安全法制をつくったわけです。これから具体的な個別・具体的な状況を照らして、そこは余地を残しておくということが非常に大事だと思います」

日本上空『迎撃』の現実味
秋元キャスター
「北朝鮮が日本の上空をミサイルが通過すると予告したことを受けて、日本側では対応がとられています。これまで中国・四国地方に配備されていませんでした地上配備型迎撃システムPAC-3を、予告があった島根・広島・高知の3県と同じルート上と想定される愛媛県の4か所の陸上自衛隊駐屯地へ配備を完了しています。万が一の落下に備えて、24時間体制で警戒中だということですけれども。香田さん、この対応を見ると、中距離弾道ミサイルの発射によって落下物が日本に落ちてくる可能性があるという…」
香田氏
「そうですね、見方はいろいろあるのですけれども。北朝鮮としてもロフテッド軌道でしか撃ったことがないものを3000kmまで飛ばすということで実際に計算した通りではなく、微妙に上を飛んだり下を飛んだりする。1度、2度のズレでも日本の上空で高度400kmに行った時には相当ズレますので、その時にはブースターの、ブースターはこの…、(図)出ますか」
反町キャスター
「はい、出ます」
香田氏
「ここですね」
反町キャスター
「下の部分?」
香田氏
「はい、ここに燃料が入ってこれが燃えるわけですけれども、これが空になると、弾頭が1トン弱に対してブースターが3トンぐらいあって、逆に言うと、私みたいに皮下脂肪をいっぱい持って走るようなものですね。ですから、これを切り離したいんです。燃え尽きた時に切り離すのですけれども、それが多くのシミュレーションではほとんど日本海に落ちるのですけれども、高度が多少高くなったり、低くなったりした時に、日本の上に12m、13mの直径1.5mの筒が落ちてくると」
反町キャスター
「燃え尽きないですか?」
香田氏
「これは発射高度から言うと、実はこのブースターについて言うと、大気圏外に出ませんので、大気圏の薄いところから落ちてきますので、多くの場合は、ロケット発射の1弾目というのは回収できるほどのもので飛んできますので、あるいは途中で空中分解することもありますけれども、空中分解した時はバラバラ、あるいはその本体が、日本の領海、あるいは日本の領土に落ちる公算というのは残っているんです。どれだけかというのは北朝鮮自体もわかっていないと思います。ただ、起きた時の対応ということで、この段階になりますとイージスの頭を飛び越えて後ろに来ていますので、PAC-3で落ちてくるところに対応するということですね」
反町キャスター
「それは、筒がそのまま落ちてくる可能性があるわけですね?」
香田氏
「はい、あります」
反町キャスター
「でも、それをPAC-3で迎撃して破壊したところで、危険性というのは下がるものなのですか?要するに、3つ4つに分かれても、1つ1つが、数百キロの鉄の塊が燃え尽きながら落ちてくるようなイメージですけれども」
香田氏
「数百キロというよりも、おそらく数キロですね。中には大きいものもあるかもしれませんけれども、確率的にはそれをバラバラにすることによって、15m、3トンのものが直撃した時の怖さというのは、これはすごく大きいので、バラバラにして1つあたりの被害を小さくすると、そういう処置をとるということですね」
佐藤議員
「万が一の備えなんです。普通に飛べば日本の方に落下する可能性は少ないということをまず押さえたうえで、万が一、まさにこれまで3000kmも飛ばしたことがないのを、しかも、4発撃つわけですから、どれかもしも不具合事故があれば、万が一の可能性として日本の方に落ちる可能性もゼロではないということで。総理が言われたようにイージス艦が最初に対応し、そのあと場合によってはPAC-3という2段構えでやるというのが今回の態勢と理解してもらえればいいと思います。非常にこの4つの県の、県民の方は不安に思っていると思いますけれども、普通に飛べば日本に…」
反町キャスター
「越えていくはずですよね?」
佐藤議員
「はい。ただ、万が一のことを考えて、こういう態勢をとっていると。しかも、今日、知事とも話しましたけれど、知事の方もしっかりと万が一に備えていろいろな態勢も県としてもとりたいと言われていましたので、あまり危機感を煽ってもいけませんから、しっかり普通の生活をしながら、万が一の場合どういう対応をとるかという、まさに建物に入るとかを含めて、そういう冷静に対応するということが大事だと思います」
反町キャスター
「実際、いつ撃つのだろうかというタイミングの見立てについて聞きたいのですけれど。発表文を見ていてもまだ計画というところで、いつ撃つと明記はしていません。ただ、今後のさまざまなイベントがあるわけではないですか。端的に言ってしまえば、米韓合同軍事演習は21日からですよ」
佐藤議員
「昨年は潜水艦、SLBMという潜水艦から弾道ミサイルを発射したのが8月24日とまさに米韓合同演習の最中であり。9月9日というのは建国記念日です、昨年は核実験をやっている。そういうふうに昨年はそうだった。これからそういういろいろ記念日が続くと言うのは間違いなくて、8月15日、明日はまさに解放記念日ですからね。8月25日は、今度は先軍記念日と、先軍政治を始めるというのが8月25日で、9月9日が建国記念日と、8月の中旬から9月の頭にかけては記念日が続くというのは、これは間違いない。その間に米韓合同演習がありますから。当然、今回の発表がある、なしに関わらず、政府全体としては昨年の例がありますから、しっかり警戒をしている。我々、外交当局としてはまさにこういう発表がありましたから、撃たせないようにするための外交努力を真剣に国際社会と連携してやっていると」


後編

菅官房長官に問う 安倍政権『V字回復』の展望
反町キャスター
「菅さん、改造の人事とか、いろいろ聞いていく前に、直近の北朝鮮のミサイル警戒について、いつ飛んでくるのか、日本は撃ち落とせるのかみたいな話を毎日、毎日、我々もやっているのですけれども、政府としてはどのように現状を認識されているのですか?」
菅官房長官
「今日も総理の下で防衛省、あるいはNSC、関係者から現状の報告があって、また分析等を行ってきたわけでありますけれども。政権の最大の責務というのは、国民の安全安心に自信を持つ、責任を持つ、これが政権にとって最大の責務だと思っています。万全の態勢で警戒・監視にあたっています」
秋元キャスター
「さあ、新たな安倍内閣の顔ぶれについて話を聞いていきます。8月3日に組閣されました第3次安倍再々改造内閣はこのような顔ぶれです。留任が5人、過去に閣僚を経験されたことのある方が8人、初入閣が6人。経験・実績を重視した今回の布陣、安倍総理は仕事人内閣と表現されています。この改造を受けて行われた各社の世論調査では、内閣支持率だいたい平均して5ポイントから6ポイント上がっています。菅さん、上がった理由について何だと見ていますか?」
菅官房長官
「顔ぶれを見て何となく落ち着いているというのですか、総理が仕事人内閣、こう言っているように、そこに対しての期待感ではないかなと思います」
反町キャスター
「菅さんだから聞ける質問でもあるのですけれども、2世がちょっと多いのではないかという指摘、そこはどう我々は見たら?2世が多いというのは、安定感とか、答弁能力とか、比較的落ち着いた方が多いので、そういう物差しでいくと2世が増えるのかなという話、このへんはいかがですか?」
菅官房長官
「特段に2世というよりも適材適所、その任に相応しい、その中で選んだと思っています」
反町キャスター
「野田聖子さんが目を引きますよね?呼び込みで官邸に来て、出ていく時の記者のぶら下がりで総裁選に出ますと発言をされて、僕らも番組をやっていて、紙が差し込まれてきて、呼ばれてその10分後にそれ普通言うかな?でも、そういうものですか、そういう人を入れることに今回の意味があったのですか?」
菅官房長官
「そこも、国民から見て遠い人を外すとか、いろいろなことを言われています。その中で、総理は、野田大臣とは当選同期で、ある意味で総理にいろいろなことを直接言われる、そういう方ですので。総裁選挙に出る、そこは自民党らしく歓迎したらいいのではないですか、私はそう思います」
反町キャスター
「でも、来年9月、総裁選ではないですか?」
菅官房長官
「はい」
反町キャスター
「まだ総理が3選に出馬するかどうか、はっきりされていない中、だんだん近づいてくると、僕が、たとえば、総務省の番記者だったら、野田さんに対して総裁選どうするのですか?安倍さんとあなたの違いはなんですか?安倍さんのどこがいけないから、あなたは立候補するんですよね?と、いわゆる閣内に割れ目をつくる質問ばかり出そうな気も、それはあまり心配ではないですか?」
菅官房長官
「いや、いつでもそういう質問ばかりですよ。そういう中で、いろいろな方が総裁選挙に名乗りを上げて侃々諤々の大激論をする、これは自民党として党内の活性化につながるというように思っていますので、私も歓迎したいと思っています」

『新生』安倍政権の課題は
山田氏
「野田さんという人が入ったことによって、総裁選挙を目指すとまで言った人が入るということは、党内、閣内全体に1つの包容力と言いますか、1つの、私、免震構造に近いと思うんですよ。つまり、ある程度、揺れるかもしれないけれども、野田さんがいるということが、これからいろいろな逆風に対して耐えられる構造をつくったと。だから、私は極端に言えば、野田さんがああした発言を組閣の日に言うということは、むしろ安倍さんにとっては歓迎ではないかとすら思いますね」
反町キャスター
「なるほど。そこはいかがですか?確かに野田さんの起用を決めた安倍さんの評価が上がっているような、そういう部分。よくこういうリスクを抱えた人をとり入れたなという、その起用に対する評価というものがあるような気もするのですけれども」
菅官房長官
「とり入れたと言いますけれども、そうでなくて、自民党にはいろんな方がいますから、その中で野田さんという大臣、先ほども申し上げましたけれど、総理と当選同期ですから、いろいろなことを総理に言ってくれる。そういう意味では、厳しいことも当然、言われていますから、閣内に入っていただいて、いろいろなことを言ってもらうと、内閣全体として国民の声に耳を傾けさせていただくという意味では良かったと思います」

あるべき『説明責任』と『国民の信』
秋元キャスター
「新閣僚の発言として注目されるのが加計学園問題についてですけれど、梶山弘志規制改革大臣は『これから問題の所在を見極め、説明していく。たとえば、一方の省庁からの文書だけではなく、もう一方の言い分や予算委員会のやりとりなどしっかりと整合させたうえでの説明が必要』と発言しています。文科大臣に就任された林芳正さんは『獣医学部新設については静かな環境で専門家に審査してもらい、その過程など透明性をもって丁寧に説明する』と話しているんです。こうした中、9日、文科省審議会は獣医学部新設について認可判断を保留という結論を出しているのですけれど、菅さん、今後、認可が下りる可能性があるということなのでしょうか?」
菅官房長官
「いわゆる文科省のこの審議会というのがあくまでも第3者の方でありますので、そういう中で、公平・客観的、そして冷静なそういう議論が行われると、そこに委ねられておるわけでありますから、そう思っています」
反町キャスター
「まだ少し整理をしたい、確認をしたいところが残っているという理解でよろしいのですか?」
菅官房長官
「あの、結論、もう出たのですか、これ?」
反町キャスター
「いや、まだだと思いますよ」
菅官房長官
「まだだと思いますね。ですから、もうマスコミが保留ということを、内容についてはまだ私は報告さえ受けていません、どういう議論が行われているのかも含めて、まったくまだ報告はないという状況であります」
反町キャスター
「山田さん、加計学園獣医学部に対する認可の動き、ちょっと先送りにも見える状況なのですが、どう見ていますか?」
山田氏
「ちょっと政局を感じるわけですよ」
反町キャスター
「政局を?」
山田氏
「つまり、この問題がこの8月の時点ではっきりすると、これからそれに対する説明が必要になってくると。重要な選挙が10月にありますね」
反町キャスター
「あっ、補欠選挙」
山田氏
「私は、この日程というのは非常に重要であって、結果的に10月22日の愛媛と青森ですか、補欠選挙を越えて、そのあとに結果が出るということになりますとその時には、たとえば、この間、2年前のワーキンググループの議事録、この中に加計学園側の人間が入っていたことが隠されていた問題、それから、総理が1月20日までは知らなかったとおっしゃったこと、これは政府の主張がありますけれども。少なくともこのことについて全てが納得されていれば、国民が、もっと支持率が上がったわけです。上がっているのが限定的であるということを考えるとこうした対応に対するまだ不信感が残っていると見ていいと思うのですけれど。それに対する説明と言いますか、それがフォーカスされることというのがかなり先になるということは、少なくとも当面の選挙にまず影響を与えないという1つの配慮があったかと、あるいは結果として少なくともなるなと、こういうふうに思いますね」
菅官房長官
「ちょっと言わせてもらいますけれど、文科省の審議会に政権から何らかのことというのは、これはまったくあり得ないです。そこはまったく第3者の皆さんに、先ほど申し上げましたけれども、冷静な中で公平・謙虚にやっていただくことになっていますから、そこはないこと、これは明言しておきたいと思います」
反町キャスター
「これだけ忖度、忖度と言われた中でまた今後、忖度の話が出てきたら、もうどうにもならないですものね?もう絶対ないという…」
菅官房長官
「それは100%ありません」
山田氏
「私が申し上げたのは、結果としてということも含めてということです」

日本経済回復の道筋
秋元キャスター
「安倍総理は内閣改造後の会見で今後も経済最優先で政策を進めていくと明言しているのですが、ちなみに今日発表されました最新のGDP(国内総生産)ですが、4月から6月期の速報で6四半期連続のプラス成長、前期比1.0%ということで、安倍政権スタート時から比べて、実額でおよそ28兆円増えている計算になるんです。菅さん、景気の現状をどう見ていますか?」
菅官房長官
「私、よく言うのですけれども、景気・経済というのは数字が全てだということを申し上げています。そういう意味で、今回、実質成長率4%」
反町キャスター
「年率4%ですよね」
菅官房長官
「ええ。ということが出ました。GDPも過去最大であります。それとこれもよく申し上げるのですけれども、雇用が185万人増えているんです、雇用。有効求人倍率も1.51ですから、確か43年ぶりぐらいの高い水準ですよ。私達、政権交代前というのは0.83ですよ。100人の方に83人分しか仕事がなかったのですから、現在、151人分あるんですよ。株価も8000円台だったのに約2万円ではないですか、2万円前後ですよね。結果として、これはあまり知られていないのですけれども、公的年金の運用益が46兆円、出ているんですよ、46兆円。企業年金も、かつては極めてひっ迫した状況だったですよ、これも現在、29兆円の運用益が出ていますよ。税収も22兆円、国・地方を合わせますと増えていますから。こうした数字を見れば、経済というのはアベノミクスというのは完全にデフレでない状況までもってくることができた、これからいよいよ好循環、そういう時だと。ですから、私達は今度の改造についても経済最優先で進めていく。今、言いましたが、経済というのが、老後の年金にも、これだけ経済が良くなって、一般国民の皆さんにも大きな恩恵があるわけですよね。ですから、経済最優先でアベノミクスを進めていくという、ここについては変わりないということです」

政策課題と新たな挑戦
反町キャスター
「もう1つですね、看板です。安倍政権が発足してから経済再生、女性活躍、地方創生、1億総活躍、働き方改革、今回、人づくり革命という、どなたがお考えになるのかわからないのですけれども、官邸にはすごく上手なキャッチコピーを考える方がいて、アベノミクスから始まって、ビャッと毎年、毎年、今年はこれみたいな、さまざまな経済の看板が掲げられてきました。でも、1億総活躍がなくなって働き方改革なのかと言うと、引き継いでいる部分もありますし、人づくり革命が何かと言えば、これまでのものをまとめたものかもしれないと考えた時、この看板、目くらましみたいなイメージないですか?」
菅官房長官
「ただ、たとえば、安倍政権というのは何をやるかということを明確に掲げるんですよ。その方向に、総理を先頭に全閣僚が1つになって進めていく。たとえば、女性活躍。女性活躍という看板を掲げたことによって、先ほど4年間で185万人の雇用が増えていますと、そのうち152万人が女性ですよ。女性活躍という中で待機児童解消策、現在43万人分整備したんです。来年3月、今年度中には、さらに10万人増やしますから。そう掲げることによって、予算とか、全体が何を目指しているのかというのがわかりますから、そういう面で、たとえば、女性活躍という形で女性が152万人、この4年間で雇用が増えたということは、これは事実です。それと地方創生を掲げていますね。地方が非常に厳しい状況であるわけですから、その中で、47都道府県で全て1を超えているんです、有効求人倍率。沖縄は、私ども政権交代前は0.43だったんですよ。今は1.1を超えていますから。ですから、地方をなんとかしなければならないという形の中で目標を掲げて。私ども、観光、まさに総理が観光立国を推進すると、第2次安倍政権の中で、最初の施政方針演説で総理が挙げたんですね。私どもと関係の閣僚が一緒になってビザ緩和、免税品を大幅に拡充をした。地方再生の柱にしたい、こういうことを位置づけているんです。ですから、そういう意味で、観光客もドンドンとインバウンド、地方に行ってくれ始めていますので、地方の土地も上昇を始めているという結果も出ていましたよね」
反町キャスター
「地価ですか?そうですか」
菅官房長官
「ええ。ですから、ホテルとか、そういう中でようやくこの地方創生、女性活躍、そういう看板、何をやるかというのを掲げて、それに向かっていく。東京23区の、今日、新聞に出ていましたね、大学の定員増…」
反町キャスター
「定員増に反対だという?」
菅官房長官
「たとえば、これも地方創生の中で、そうした発想です」
反町キャスター
「なるほど、一極集中に対する…」
菅官房長官
「ええ、ですから、何をやるかというのを掲げて、進めていくというのは、私はそれなりに方向性が出てきていると思っていますよ」

どうなる? 『改憲議論』
反町キャスター
「続いて、憲法の話を聞いていきます。菅さん、先日の記者会見で総理は、憲法改正はスケジュールありきではない、と言いました。5月3日の時のコメントから随分、舵を切ったなという印象があるのですけれども、これは経済最優先であって、改正案を年内にとりまとめて、来年の通常国会に出して、改正発議にまでもっていこうというスケジュール感というのは白紙になっていると思っていいですか?」
菅官房長官
「私達自民党は立党以来、憲法改正というのが立党の精神であります。今年は憲法施行70年です。憲法改正に賛同してくれるという人達、衆参3分の2、そこができそうだと。そういう中で、自民党総裁としてそうした議論に一石を投じたのだと思います。これによっていろいろな議論が出てきました。ですから、党内においても侃々諤々の大激論がこれから始まると思います。それぞれの党内でまとめていただいて、国会には憲法審査会がありますから、それぞれの政党が、政党としての考え方をそこで発表して、そこの中から国民議論も深まっていくだろうと思います。そういう中で、おのずとスケジュールも出てくると思いますよ」
反町キャスター
「そうすると、自民党の何を変えたいのかという憲法改正に向けたスタンスをまず決めるのが先であって、でも、それを憲法審査会に提出したところで各党がその議論に乗ってくるのかどうか?各党それぞれが自分達の議論を持ち出すまで待つのか?普通、待つことになりますよね。そうすると、自民党と同じペースで各党が審議をしている状況ではまったくないので、いずれにしても来年中とか、そういうスケジュール感が全く見えないですけれども、そこは今後の詰め方次第ということでよろしいです?」
菅官房長官
「ただ、自民党でまずまとまって出す、そこは大事だと思いますよ、私ども牽引的役割というのは当然果たすべきでありますから。この70年間、憲法施行されて今日まで至るわけでありますから、これだけ世の中が変わって、世界も変わっています、価値観も変わっています、人口構成も変わっています。ですから、そういう中で当然、議論をしていく、これは政党としての責務でもあると思いますよね」
反町キャスター
「議論することが政党の責務である、となると、5月3日に安倍さんが言われたスケジュール感、2020年には新憲法でというような話から、それ以前の、かつて与党自民党がずっとやってきた党内でまず議論しましょうという時代に戻ったような印象があります。そのスケジュール感を外したところにおいて、過去に戻ったという感じですか?」
菅官房長官
「いやいや、総裁として一石を投じたと思いますよ。だって、明確に言ったわけですから。だけど、それが全てではないわけですから。支持率が高いとか、低いとかではなくて、1つの方向を示して、それに向かっていろいろな議論が出てくるのは当然ではないですか」
山田氏
「安倍さんの5月時点の優先順位は、経済と言いながら憲法もかなり前にあるなという印象を受けたのですが、それは今回の改造内閣を見てもそうですし、今、官房長官がおっしゃったことも含めて、スケジュール感ということでいけば、かなり、それは1つの目標であるということに変わったと思います。と同時に、あくまでも経済は改憲をするための経済なのか、それとも本当に経済が中心なのか、そこはまだグレーゾーンがあって、国民は現在、それを注意深く見極めようとしていると思います」
反町キャスター
「過去においても、官房長官をここに迎えて、安倍政権は経済ですか?憲法ですか?と聞くと、菅さんは経済ですと言ってこられたと僕は記憶しているのですが、でも、5月3日の総理の発言で、やはり憲法なのかなと思ったら、また戻ったみたいな…」
菅官房長官
「いや、戻るというよりも政権発足以来、経済再生最優先、危機管理の徹底。現在、北朝鮮がこんなに厳しい状況ではないですか。政府としては国民の命と平和な暮らし、これを守るのが最大の責務ですよ。そこはアメリカとの抑止力や日米同盟ですよ。この強化、緊密な連携、今できるように外交で非常に、かつてないほどうまくいっています。経済と危機管理の徹底、それと東日本大震災からの復興加速、ここを3つ挙げたんです。今も基本はここの中で進めています。閣僚全員が復興担当大臣になったつもりでやるようにと、総理の指示がありますから、そこはまったく変わっていないです」
反町キャスター
「総理の憲法改正に向けたビデオメッセージは自民党総裁としてという話だった。この間の記者会見での話は総理としての会見で、内閣改造を受けての会見だから。総理と総裁を使い分けされているみたいでわかりづらいところがあるんです。総理としては経済最優先なのだけれども、総裁としては憲法だよなんて、そんなことないですよね?」
菅官房長官
「だって、総理として、国会の憲法審査会に、これで各政党やるべきなんて、それは総理の立場ではない、これは総裁として、また、総裁として発言することも可能なわけなので…」
反町キャスター
「では、そうなっちゃうんですね?」
菅官房長官
「それはそうではないですか。総理大臣として、そんなことしたら」
反町キャスター
「総理としたらケーキの中のほんの小っちゃい切れが憲法だけれども、総裁として見たらケーキの半分以上が憲法にいっちゃうなんて、そんなことではないですよね?そこの確認をしたいわけですよ」
菅官房長官
「そこはそうでしょう。同じ人間がやるわけですから」
反町キャスター
「同じですよね?」
菅官房長官
「ええ。同じ人間が…」
反町キャスター
「使い分けないですよね?」
菅官房長官
「使い分けではなくて、ただ、よく言われるんですね、国会のことでなぜ政府で言わないのだって。国会に政府が口を出したら大変なことになる、それと同じことですよ」

菅義偉 内閣官房長官の決意 『仕事人 結果を出す』
菅官房長官
「総理は仕事人内閣と言いました。まさに結果を出す、仕事で結果を出す、このことに尽きると思います」
反町キャスター
「賃金上がるっちゅうことで、よろしいですか?」
菅官房長官
「はい、経済を良くします。当然、そうなってくると思います」
秋元キャスター
「山田さん、菅さんの提言、いかがですか?」
山田氏
「この結果が何の結果かということです。私もお聞きしたと思いますが、経済の結果であるということを全面に出そうとされていますが、安倍さんの結果というのが経済なのか、憲法なのか、先ほどの話に戻るのですけれど。私は官房長官の意図は結果、これは経済であって、ちょっと忖度、推察しますと、憲法にあまり寄り過ぎている安倍さんをなんとか経済の方にうまく引き寄せようとされるのに、おそらく苦労されているのかなと思います」
反町キャスター
「苦労されていますか?」
菅官房長官
「いや、そんなことはまったくないです。総理は全体を考えながら、進めていると思いますよ」