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2017年8月11日(金)
論戦…長妻昭×小池晃 野党『覚醒』の条件は

ゲスト

長妻昭
民進党元代表代行 衆議院議員
小池晃
日本共産党書記局長 参議院議員
松井孝治
慶應義塾大学総合政策学部教授

長妻昭×小池晃 『細野×若狭』会談
松村キャスター
「長らく安倍1強と言われ続けた強い政権に不透明さが見えてきた昨今、今こそ存在感を強めるべき野党ですが、その支持率は低迷を続けたままです。なぜ野党の求心力は高まらないのか?政権交代の受け皿となるには何をすべきなのか?野党が覚醒をするための条件を徹底議論します。まずは長妻さん、4日に細野豪志議員が離党を表明して、昨日正式に受理されました。この細野豪志議員の離党をどう受け止めていますか?」
長妻議員
「私と同期当選なんですね、衆議院の。彼は確か私より12歳ぐらい若いので、20代で初当選されたのですけれども、ずっと一緒に仕事をしてきて、非常に勇気もあるし、優秀な人材なので大変残念であります。一緒に再び政権交代を目指していこうということでやっていたはずなのですけれども、大変残念だと言わざるを得ません」
反町キャスター
「行った先で、さまざまな意味において、一緒に行動するかもしれないみたいな趣旨のことを前原さんは言っていますけれども、長妻さんから見ても、出ては行くけれど、2度とお前とは会わないぞ、というそんな感じで見送る感じでもないのですか?」
長妻議員
「うーん、これは仮に仮にの話でしょうけれども、たとえば、そういう新党が完全に野党になると。政権を目指すというようなことで、自民党を倒すということで、ある意味では、現在でも我々が自由党、社民党とか、共産党とか、野党でよく協議していますので、そういう範疇に、自民党の補完勢力ではなくて、入るということになれば、他党ではあるけれども、協力ということも可能性としてはあると。そんなようなことはあり得るかもしれませんが、今はまだそれはまったくわからないということですね」
松村キャスター
「かつて民主党にいた松井さんは細野さんの離党をどう見ていますか?」
松井教授
「短期的に言えば、もうちょっと我慢して、代表選挙終わって、いずれ私は、民進党の行く先というのは政界再編含みになると思っているので、その時もう少し大きな塊を率いて動かれてもよかったのかなと、と思いますが。しかし、それにしても細野さんが離党会見でおっしゃったようにちょっと現在の民進党、これでは政権を担うだけの気概がないのではないかと、おっしゃった気持ちはわからないわけではないですね」
反町キャスター
「松井さん、細野さんに限らず、長島さんとか、民進党の中からの議員流出がポロポロ、ポロポロ続いているわけですよ。細野さんのあとも続くかもしれないと言われているこの状況を、どう見ています?ドーンと割れるということよりも、ポロポロ持続的に出ていくということは組織的に最も悪い状況かなと」
松井教授
「いや、そうだと思います。政権を目指す熱みたいなものが、まさに蓮舫さんもおっしゃっているように求心力というのがなくなっていて遠心力になってしまっている。だから、これをもう1回、求心力を取り戻すために、ちゃんと政策論争をしっかりやらなければダメだと思いますね」
松村キャスター
「細野さんですけれども、今夜、日本ファーストの会の若狭議員と協議をしたということです。この動きを長妻さんはどのように見ているのですか?」
長妻議員
「うーん、それは無所属になっていろいろな勢力と意見交換をするということも離党会見の時に言っていましたから、その一環だと思います」
反町キャスター
「小池さん、いかがですか?日本ファーストと細野さんという動き?」
小池議員
「日本ファースト…」
反町キャスター
「要するに、もっとわかりやすく言うと、新党ブームがあると思いますかと、そういうことですよ、はっきり言ってしまえば」
小池議員
「もうそういうのは終わっていると思いますよ。だいたい日本ファーストとは国政で何をやるんですか、というのがまったく見えないわけではないですか。結局あれは都政で、古い自民党都連の体質を変えるのだということを旗印に都議選は戦いましたよね。ただ、その中で国政の政策は一切これは言ってこなかったわけですし、今、新たに日本ファースト?国民ファーストになるのかと思ったら日本ファーストになっちゃって、何かトランプさんみたいだなって思うのですけれども。でも、実際にどういう日本にするのかというのがまったく見えない中で、こういう合従連衡と言うか、くっついたり離れたりというのは、私はこれまでの第3極の動きなんかに国民はかなり失望していると思うので、旗印が見えないところがいろいろとあれこれやっても、これは新しい大きな流れになるとは思わないですけれども」
反町キャスター
「松井さん、どう見ていますか?新党ブーム?まだマーケットがそこにあると思いますか?」
松井教授
「細野さんはひょっとしたら取りにいったのかもしれませんね。そこについて自分が旗を掲げて、ある種、大きなポテンシャルというものがある、そこに裸一貫飛び込んでいったとも受け取れると思うんですね、今日の結果がもう暫くしたら出てくるでしょうから…」
反町キャスター
「確かに先日の細野さんの記者会見でも、日本ファーストは何やるのかわからないから話は聞いてみたいと、こういう趣旨の話だったですよね。だから、今日は一緒になるための話ではなくて、その前提となる、あなた、何をやろうとしているのという話をやっている」
松井教授
「あるいは、自分の色に…」
反町キャスター
「…刷り込めようと?」
松井教授
「ええ」
反町キャスター
「僕はこうやろうと思っているのだけれども、どう?と、若狭さんに突きつけている可能性もある?」
松井教授
「あると思いますね」

『受け皿』への成熟
松村キャスター
「ここからは政権交代の受け皿としての野党について考えていきます。こちらが政党支持率の推移ですけれども、FNNの世論調査では、自民党は今年5月頃まで40%前後を推移していましたが、現在は29.1%と急激に下落しています。ところが、野党の支持率は横ばいのままで、民進党は7.0%、共産党は4.6%となっています。松井さん、自民党の落ちた支持率を野党が吸い上げられないという状況ですけれど、その理由をどのように見ていますか?」
松井教授
「いや、自民党もどうかと思うけれども、代わるべき野党で、政権運営能力があって、かつ自民党に足らざるものを何か持っている、そんな政党があるのかと言われた時に、選択肢が思い当たらない、端的にそういうことだと思いますね」
反町キャスター
「それはどういう現象…、野党は野党で国会の質疑を見ていると、森友・加計の問題とか、日報問題とか、非常に厳しく追及している部分は」
松井教授
「追及はしていますよね。だけど、自民党に代わるべき政権構想みたいなものが出ているかと言うと、そこは残念ながら見えていないのではないでしょうか、国民には」
反町キャスター
「たとえば、細川連立政権の時とか、自民党が何をやったかと言うと、亀井さんとか、野中さんとか、探偵団のように京都に行き、佐川さんの家の周りの写真を撮り…」
松井教授
「徹底的にやりましたね」
反町キャスター
「何をやったかと言ったら、現在の野党よりももっとえげつないことをやったかもしれない」
松井教授
「かもしれないけれども、自民党には政権担当能力はあるということは、皆、知っていたんですよ、腐敗はしているかもしれないけれども。現在の今日の民進党にそれがあるかどうか、遡ってみれば、2009年の政権交代前の2007年とか、2008年の時というのはもうちょっと雰囲気が違っていたと思うんですよ。衆参が捻じれていたということもあって、非常に与野党で、修正協議をたくさんやりました、私自身も。そういう意味で、民主党自体が、政権担当能力があるのだということをもっともっとアピールしていたような気がします、あの当時は、ちょうど10年前は」
反町キャスター
「長妻さん、いかがですか?」
長妻議員
「我々が最も反省すべきは政権に就いた時に党が分裂してしまったということが、最大の我々の反省点。国民の皆さんは、自民党に代わる政権として民進党がもう1度できるかどうかを見ておられる。その中で我々、離党者がこう出ていくと、こういうことについて、まだ我々の組織としての成熟度というのがまだまだなのではないのかというのが1つ大きな点になると思っていますので。だから、そういうところも含め、今回、経験豊富な2人が代表選挙に出ていますので、そこを克服するということで。我々は崖っぷちですから、そこでなんとか党内の結束をキチッと回復をして、何よりもはっきりした政策を打ち出して。理念については相当長い時間議論をして政権にもう1度就いたらこういう政策をするということはあるのですけれども、それをもっと共有して発信していくというようなことが何よりも重要だと」
反町キャスター
「小池さん、自民党の支持率が10ポイント以上落ちている中で、共産党の支持率は上がらない、ここはどう見ていますか?」
小池議員
「これは受け皿という話がありましたよね、野党に自民党政治に代わる受け皿としての期待がまだ十分持たれていないということだと思うのですけれど。私は成功体験はあると思うんですよ。参議院選挙で、1人区32全てで候補者1本化できました。11選挙区で…」
反町キャスター
「勝った」
小池議員
「これは、一致してなければ、絶対勝てなかった選挙だったと思います」
反町キャスター
「はい」
小池議員
「それから、新潟の県知事選挙も、これも野党でまとまって、これは自公を打ち破った、仙台市長選挙でも勝った。受け皿にならないと思われているから伸びないと、逆に言えば、キチッと野党が本気の結束をして、しっかりと政策を掲げて戦えば勝てるということだと思うんですね。だから、こうなってきていても選挙の前に、そういう野党が結束して、民意を受け止めるという姿勢を示せば、減っている分は無党派層になっているわけですから、そこの部分は結集できると思っている。それは実際、成功体験としてあると思いますから、是非そういう意味でも、民進党とそういう協議をしっかり前に進めて、国民から野党が結束してがんばっているのだという姿を見せることが必要ではないかなと思います」
反町キャスター
「松井さん、この間、この番組に小池都知事を迎えた時のことを思い出したのだけれども、小池さんは、民進党はフックボールで左に飛んでいっている、自民党はスライスボールで右に飛んでいっているのだと、フェアウェイの真ん中が空いていたのと、そこを私は狙ったのと、こういう趣旨の発言をされました。共産党の小池さんの話を聞いていると、そこの部分、真ん中の無党派をとりこぼしているなと、たぶん2人とも実感されていると思うんですよ。なぜ小池百合子は真ん中を獲れたのか?小池さんが獲れて、民共が獲れない理由というのは何か?」
松井教授
「それはまずそもそも自民党が右傾化していると言われますけれども、自民党の政策自体は、ちょっと古い話になりますが、1億総活躍、1つをとってみても、あるいは人づくり革命ですか、民進党は非常に人材へのシフトということをずっと言ってきている、その部分、お株を奪うようなところ、逆に言うとド真ん中とか、場合によってはセンターレフトぐらいまで視野に入れながら…」
反町キャスター
「左にウイングを広げていますよね?」
松井教授
「左にウイングを広げていると思うんですよ。ですから、逆に民進党がそこの真ん中から若干左ぐらいのところ、ボリュームゾーンを獲れていないというふうにも言い換えることができるのではないかと思うんですよ」
反町キャスター
「長妻さんが年金問題を…、民主党の支持率がグワーッと上がった2007年、2008年、2009年ぐらいですよね、年金をやられたのは。この頃の年金という問題と、今回の日報、森友・加計の問題との違いは何かと考えた時に年金問題というのは国民の…」
松井教授
「いや、生活に関わっているんですよ」
反町キャスター
「そう。ものすごく皆、怒ったわけですよ、なんじゃこりゃと。でも、森友・加計、日報の話というのは本当なの?本当だったらたまらないよねと思いながらも、ちょっと遠い話のイメージがある。この皮膚感覚の違いみたいなものはありますか?」
松井教授
「あると思います。2007年、2008年当時の国民の生活というものを第一にする政党をつくるのだという、そこの党のイメージとそれから追及がシンクロしていたのだと思うんですよ。長妻さんのミスター年金と言われた追及も含めて。だから、それが現在はちょっとシンクロしていなのではないかと、代わるべき民進党がどういう政治をつくっていくのかというイメージとですね。追及はいいよと、安倍さんのことを悪口言うのはいいよと、私もちょっとおかしいと思うよと。じゃあもう1回、長妻さんの政党に政権を託しますかと言うと、だいたい何をしようとしているのかがもう1つよくわからないというのが国民の率直な声だし。普段、学生と接していてもそういう声があります。追及するのはいいけど、じゃあ日本の政治はどうするのですかと。そこが見えない、残念ながらというのが素直な、たとえば、学生の声ですよ」
反町キャスター
「なるほどね。長妻さん、いかがですか?」
長妻議員
「そうですね…」
反町キャスター
「追及はいいけれど、その先。だから委ねることができないのだという批判」
長妻議員
「ですから、かつては追及していて、政権交代できたわけですね、我々。現在も追及していると。以前に比べると、理念を、もう少し発信力をもって打ち出す必要がある、以前はコンクリートから人へとか、いろいろなわかりやすいキャッチフレーズがあると。今回も、社会の壁を取り除くとか、共に生きる共生社会とか、あるわけでありますけれど、そこをもっと発信していくのと同時に、政権を獲る前と現在の我が党の違いは、党の中の結束力が弱いのではないのかと。政権を託した時に、本当に大丈夫なのかという、政権交代時の国民の皆さんの不安を完全にまだ払拭しきれていないというところが非常に大きな点であるということを考え、今回の代表選挙で、党をもう1段変えていくような。以前よりは党のガバナンスは相当、組織も変えましたので、できあがってきているのですけれども、今回仕上げとして新しい代表がそれにキチッと取り組んで、国民の皆さんに、あっ、これであれば、もう民進党に政権を任せても、結束して期待に応えてくれるのではないかと、とともに理念をさらに発信していくと。こういうことが、これから本当に必要になってくると思います」
反町キャスター
「都議選でも受け皿という言葉があちこちで飛び交いました。長妻さんから見て、民進党、野党全体でも結構ですよ、受け皿足り得ない最大の理由は何ですか?」
長妻議員
「受け皿が割れたら受け皿ではなくなる」
反町キャスター
「民進党が割れているという意味ですか、それは?」
長妻議員
「そうです。だから、民進党は受け皿になった時に本当に割れないで、それを受け皿たる資格があるのかどうかということについて、国民の皆さんが、まだ…」
反町キャスター
「強度に対する不信感がある?」
長妻議員
「…まだ、その組織に対して信頼が完全に戻っていないという実感が、私も地元を歩いて、ありますから。そういうところをキチッと今度の代表選挙で新代表がガバナンスをしていく。と同時に、今、理念はあるわけですから、我々。ただ、ある、あると言っても、それを国民の皆さんに理解していただかなければ、ないと一緒なので。それをさらにいろいろな方法を使って発信をしていくというようなことも必要になると思います」
反町キャスター
「批判勢力として国民に認知されているという実感はありますか?」
長妻議員
「それはありますね」
反町キャスター
「批判勢力の次に受け皿になるか、この違いが大きいと聞こえます」
長妻議員
「そうですね。そこですね」
反町キャスター
「小池さん、いかがですか?批判勢力から受け皿への階段、どう感じていますか?」
小池議員
「その違いがことさらにあるわけではないと思っていて。追及だって、追及のために追及しているわけではなくて。それは森友・加計みたいな問題は追及ということになると思うのですが。たとえば、現在の経済政策にしたって、金融政策にしたって、まったく出口がないような日銀の現在の金融政策なんかについては、これは追及することが、イコール、これが対案ということに、なっていくわけですよ。決して現在の自民党の政策が現実的かと言うと、原発を次々再稼働していくというような方向、あるいは金融政策にしてもそうですよね、あるいは雇用でも非正規雇用、現在の実態をどうするのかということについて答えが出せないという実態があるわけで。決して自民党の政策がとても現実的だとは思っていなくて、僕らは追及を通じて現実的な日本の改革の姿を示しているわけですから。これは追及すること、批判することと、現実的な対案を示すということが、分断されているものではないと、これは思いますよ。しっかり今の安倍政権の根本的な政策の批判をすることが、これが次の政策を示していくことにもつながると。だから、しっかりした野党こそ現実的な政権を担える与党になっていく力を持つのだと思います」

『民共連携』の功罪
松村キャスター
「ここから民共連携の行方について聞いていきます。こちらは今年5月に開かれた護憲派の集会で野党幹部らが集まったシーンです。安倍政権の改憲に反対する立場で一致し、共闘をアピールしています。先月の仙台市長選では民進、共産が支持した候補が当選しています。共産党は民進党との連携をどのように考えていますか?」
小池議員
「選挙協力を打ち出したのは、安保法制が強行採決された直後ですね。僕らは これまでの自民党政権ですら集団的自衛権を行使できないと言ってきたわけで、その憲法解釈の根本部分を1内閣が勝手にひっくり返すのは民主主義の危機であるし、これは、いろんな政策の違いがあったとしても、ここをリセットする、安保法制を廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するためには、力を合わせる必要があるし、当面する選挙では協力しようということを呼びかけたわけですよね。原点は安保法制、立憲主義ですね。憲法を否定するような政治を、ある意味では、そこまで戻そうではないかと。そこまでですから、それ以前の、自衛隊法とか、様々な法律は、それを認めるという明確な立場を打ち出したわけですね。そこまで元に戻して日本の民主主義を再出発させようということですね」
反町キャスター
「たとえば、今度の総選挙に向けてもいろいろな協力を模索される中で、共に政権をいただいたら、何をやるかと言ったら安保法制の廃止?反対のための連立政権なのですか?その先のビジョンがないから、支持率が上がらないのではないかと…」
松井教授
「共産党はその先のビジョンをお持ちなんですよ」
小池議員
「戻すというのは、共闘の原点、原則として、それを言っているわけですよ。もちろん、それだけでは政権になりませんから、国民にとっても魅力あるものになりませんから、私達は共通の政権を確認しようということで作業をしてきた」
反町キャスター
「我々の方で共産党の具体的な政権構想をうかがって、このようにまとめました」
小池議員
「たとえば、です。大原則は憲法の問題とかがありますが、立憲主義を守る、憲法に基づく政治を行っていくのだということで、消費税については、我々は引き上げには反対だという立場ですけれど、ここは野党間で一致しているわけではありません。外交安保の問題で言うと、現在のあまりにもアメリカの言いなりの体制を見直して、東アジア、北東アジアの平和協力構想を我々提起していると。先ほど言ったように、集団的自衛権は行使しない。ただ、日本が急迫不正の侵害を受けた場合には、自衛隊の活用を含めて、日本の国民の生命・財産を守るために、自衛権は当然行使すると。経済の問題で言うと、貧富の格差がこの間、ドンドン広がっていますので、これを是正するために雇用法制の問題で言えば、 同一価値労働同一賃金のような法律をつくっていくと。労働者派遣法の抜本的な見直しをしていく。最低賃金の大幅に引き上げをやっていく。教育については高等教育を含めて、原則無償化していくのだと。原発については再稼動しないというところは民進党さんとはまだ政策的に一致しているということはないと思いますけれども、原発ゼロを目指していくという方向性については同じ想いだと思っています」
反町キャスター
「こういう内容を公式に発表しているわけではないですよね?」
小池議員
「そういうことではないのですけれど、我々が基本的に政策として打ち出しているし、野党で協力して、当面、安保法制廃止のために政権をつくった場合、こういったことは盛り込んでいきたいなと。だから、全てが一致しているわけではもちろん、ないです」
反町キャスター
「本来の共産党が主張していることよりも、だいぶ民進党に配慮があちこちに滲んでいると?」
小池議員
「民進党に配慮しているということではなく、僕らは、共産党というのは綱領でも一気に日本の改革をやるなんて言っていないわけで、全て一歩一歩、国民の合意を得てやっていくのだと。いきなり共産党が全て政策を握るような政権をつくるのではなくて、いろいろな勢力と一致する課題で力を合わせながら一歩ずつ改革を進めていくというのが、私達の綱領の考え方ですので、当面つくる政府で言えば、このくらいのことを政府政策として盛り込んでいきたいなと思っている」
長妻議員
「これは前提としては、我々は部分部分では共産党とも社民党とも自由党とも野党4党で議員立法を何本も国会で出しているんですね。部分部分では題している。ただ、国の根幹に関わるところは相当な違いがあるんですね」
反町キャスター
「根幹と言うのは…」
長妻議員
「たとえば、外交安保でも、確か日米安保をやめるということも…」
反町キャスター
「日米安保廃棄ということは、当面言わないんでしょう?」
小池議員
「それは民進党と一致できるわけがないですから。国民的にも現在、安保条約をやめようという世論が多数ではないですよね。私達は現在の対米追従、対米従属の根幹には安保条約があると思っているので、安保条約をやめて日米友好条約、そういう方向を打ち出しているけれど、それをすぐ実現できるかというと、できませんよ。そういったことも含め、一歩ずつやっていこうということなので、当面、民進党との選挙協力の課題、あるいは政権構想の中に安保条約の廃棄という我々の政策を持ち込むことはしない。自衛隊の解消だってもちろん、言わない。それは政党として持っている政策ではありますけど、それは一歩ずつ国民の支持を得て改革していかなくてはいけないわけですから、私達は、そこはケジメをつけてやっていく」
反町キャスター
「松井さん、どう評価されますか?」
松井教授
「ここに書いてあるのは、教育の無償化は安倍政権ですら、あるいは維新ですら、言っていることであって、逆に超党派で合意ができるということも書いてある。だからと言って、本当に政権を同じくできるかというところは小池さんがいみじくもおっしゃったように共産党の綱領に日米安保条約を廃棄すると書いてあるとか、自衛隊を解消するということが書いてある、あるいは日本国の最も根幹である皇室についての見解、明確に書いてありますよ。党は1人の個人が世襲で象徴となるという現制度は、民主主義及び人間平等の原則と両立するものではないと。こういうことが、日本国の皇室について書いてあるということをどう捉えるか。あるいは2段階革命説というのをとっておられて、現在、第1段階の問題と、第2段階の問題がありますけれども、第2段階になれば、生産手段というのは社会化するのだと。要するに、完全に社会主義国ですよね。日本共産党は護憲の政党だとおっしゃっているけれども、これは憲法の財産権の侵害ですよ」
小池議員
「生産手段の社会化とか、私有財産の共有とかではありませんから、私有財産は全面的に認めると」
松井教授
「それは生活財産とおっしゃっているでしょう。生産財については社会化するとおっしゃっている」
小池議員
「そういうことです」
松井教授
「それは財産権ではないですか」
小池議員
「いや、違う。私有財産でしょう、憲法で言っている、財産権の問題は」
反町キャスター
「生産財産というのは、企業の国営化とか、そういう趣旨で言っている?」
小池議員
「全部国有化するとも言っていないですよ。基幹的な産業ですよ」
反町キャスター
「中国みたいなイメージ?」
小池議員
「国有化というのが全てだと我々は言っていないし、しかも、そういった課題というのは政治課題ではまったくないわけで、政党がそれぞれ理念を持ち、将来像、未来社会についてビジョンを持つことと、発言することは政党の権利としてあるでしょう」
松井教授
「それはもちろん、権利ですよ。ただ、問題は、国民の象徴たる天皇についての根源的な疑問を共産党は投げかけているわけですよ」
小池議員
「それは投げかけてはいるけれど、現実の政治課題として我々が言っているのは憲法の全条項を守ると言っているわけです、天皇条項も含めて。現在の象徴天皇の制度は守るのだということを言っているし、そういう立場…」
松井教授
「なぜ綱領から削除されない?」
小池議員
「それは綱領に政党として方向性を示していることと当面の改革の課題として提起することは、当然違いがあって…」
松井教授
「それはダブルスタンダードではないですか?」
小池議員
「ダブルスタンダードということではないですよ。政党としてはこういう未来を目指していくのだということを言うと。ただ、1つ1つの課題は国民の合意がなければ、できないわけですし、現在、天皇の制度をなくせなんて世論があるわけではないですし、私達が国会でとっている態度も見ていただければ、この間の退位の法律についても、憲法の規定に沿う形で実現しようということで私も議論に参加して、まとめてきたわけですよ。だから、実際に政治の課題として取り組んでいくことを見ていただければ、我々はそういったことをいきなりやろうとしているわけではないですよ」
松井教授
「私から見れば、羊の皮を被っていますよと見えるんですよね」
小池議員
「それは誤魔化すためにやっているということではなくて…」
松井教授
「本当にオオカミではないのだとしたら、こういう皇室に関する条項を根本的に見直すということを議論し始められたらどうですか」
小池議員
「私は綱領に書いてあること、そのこと自体は間違っていないと思いますよ。だって、1人の家系が1国を象徴する制度が未来永劫続くのかと、我々はそういう問題意識を持っている」
松井教授
「それが歴史と伝統ということではないですか。どこの国だって王室があり、皇室があるという国家の基本的な成り立ちというのは、そういうことではないですか」
小池議員
「全ての国がそうではありませんよね」
松井教授
「もちろん。日本というのは日本独自の伝統と文化、歴史があるわけですよね」
小池議員
「そこは考え方が違います。ただ、その考え方が違うからと言って当面の課題で一致できないわけではないと思いますよ。政党と政党の関係というのは、そういう将来像、未来社会をめぐる理念の違いを超えて、神を信じる者、信じない者も力を合わせて、世の中を変えていくというのが政党の立場だと、こういうふうに思っています」
反町キャスター
「長妻さん、先ほどの小池さんと松井さんの憲法に関する天皇制や自衛隊などの議論をどう聞かれていましたか?」
長妻議員
「これまでも先ほど、申し上げたような、共産党とか、社民党とか、自由党と部分部分の議員立法について、協力できることは一緒に法律を出したと、こういうことはやっているわけですけれど、今の話の通り、国家の根幹に関わるところは我々と相当違うわけでありまして、そういう意味では、連立政権を共産党と組むということは考えてないわけです。党内で一致しているわけでありますので、そこのところは何か喧伝する人がいるかもわかりませんけれども、国家の根幹のところが相当違うわけでありますので、一緒に政権連立を組むということはもうできないですよ。誰が考えても。党内でもこれについては一致しているわけですから」
反町キャスター
「でも、選挙区調整とか、共産党の票はほしいわけでしょう?」
長妻議員
「いや、党首会談をして野党4党で、共産党だけではなく、野党4党で衆議院選挙において候補者がバッティングしないように調整をしましょうというようなことにはなっているのですけれども、具体的なことについてはまだ進んでいないという段階です」
反町キャスター
「たとえば、新潟の県知事選とか、仙台市長選挙ですよ。仙台市長選挙の勝利というのは、宮城県選出の、民進党の国会参議院議員の方も、これは大勝利なのだと言いますよ。仙台市長選挙みたいなパターンは、民進党の国政選挙に向けたビジョンとしては視野に入れていない、そういうことでよろしいですか?」
長妻議員
「ですから、仙台で候補者である方、わが党の衆議院議員でしたけれど、その候補者が自分の政策について一切ぶれない、その範囲で協力をいただくところがあれば、協力をいただいたと。こういうようなことだと思うんですよね。市民団体も入って一緒に政策をつくって、候補者も納得をして戦うわけでありますから、ただ、国政選挙においては国の根幹の政策については連立政権を組むというのであれば一致をしていなければいけないし、我々は国の根幹の政策を変えるつもりはありませんから、ですから、国の根幹の政策と合うところとは連立を組みますけれども、そうでないところは連立政権というのは無理ですよね」
反町キャスター
「小池さん、ここまで言われても、どうして連立政権構想を言うのですか?僕はここまで言われたら、いいよ、じゃあと言ってもおかしくない」
小池議員
「これは現在、民進党との間で話をしているのは、とにかく政策は、政権ではないですよ、政策の合意はする必要があると。だから、共通の政策をつくっていこうと、そこに掲げていることで、まだ一致までいっていない部分もありますけれども、広がっています。選挙については、長妻さんが言うように、とにかく1本化するだけでは勝てないと思うんですよ。自民党と公明党は結束していますよ。あれに勝つためには野党だって、ただ単に候補者調整するというだけでなくて、本気の共闘というのですか、お互いに推薦という手続きは、民進党はいろいろおっしゃるのですけれども、少なくとも一緒に戦い、一緒に勝つ選挙にしないと勝手に共産党は候補者を降ろしてくれと、そういうことで選挙を戦ったって力は出ないし、勝てないと思いますよ。そういう意味ではキチッと旗印を立てなければいけませんよ、どういう政策で戦うかということに合意をして、野党が一緒になって本気で戦うという姿を国民に示さなければ、それは国民の皆さんだって、これは入れてみようかとはなりませんよね。政権については確かにいろいろな意見が民進党の中にあることは承知していますから、我々はこれを選挙協力の前提にはしないと言っているんです。ただ、選挙協力の議論をしていけば、特に今度は総選挙ですから、たとえば、民進党はこれだけ獲ったと、共産党の議席が加わったら、政権を獲れるといった時に、いや、それはやりませんよ、でいいのですかとなりますよね。そういう点で言えば、選挙の中で、自民党、公明党はそこを攻撃してくる可能性は高いです。長妻さんもあり得ないとかおっしゃらないで、だから、今すぐ結論を出せとはいいませんよ、やっぱり選挙で協力していくのだったら、その中でよく相談していこうではないか。国の根幹のあり方、考え方が違うと言うけれども、かなり誤解の部分があると思っているので、天皇の問題だって綱領には憲法上の制度であり、その存廃は将来情勢が熟した時に国民の総意によって解決されるべきものであるというのは遠くの課題であると。要するに、国民が合意をしなければそれはやらない課題であるのだ。当面の政治課題ではないわけですから、そういうこともしっかり、本音で、腹を割って話し合いをしていくと」

民進『代表選』の意義
反町キャスター
「長妻さんから見て、前原さん、枝野さんの違いは何ですか?」
長妻議員
「世間で言われているほど、2人に違いがないの当たり前のわけで、同じ政党の中で長年やって前原さんもAll For Allという井手慶応教授、受益を皆さんで分かち合って、負担も分かちあっていく、こういう発想は我々本来の共に生きる共生社会に通ずるものであって似通ってきています。ただ、原発について枝野さんが踏み込んだ発言をされたり、あと憲法についても、前は違っていたような感じもしたのですけれども、現在は、お2人とも国政の政策の優先順位としては高くはないのだと、こんなような話もされていますから、基本的には大きな政策の違いはそれほどないと考えています」
反町キャスター
「争点は何ですか?人柄?」
長妻議員
「いや、人柄というか、これまでの仕事を周りの議員は多かれ少なかれ、2人と仕事をしていますから、それぞれの仕事の仕方とか、党内のまとめ方とか、そういうのも見たうえで、一般的には前原さんは安全保障に強いと、枝野さんは憲法とか、人権とか、そういう分野に非常に明るいと。そういうようなところについての、政策の優先順位の置き方、メリハリのつけ方などなどが争点になってくるのではないかと思います」
松井教授
「大きな違いは、税の議論が出ていないのですけれども、2014年の選挙は全ての政党が増税について先送りをしましたね。だから、むしろ増税してキッチと社会保障を充実してほしいという私なんか投票のやり場に困ってしまったということがあったのですが、今回注目できるのは、前原さんはAll For Allという理念のもとでキチッと消費増税をすると、それを社会保障とか、子育ての財源に使うということを明言しておられますよ、ここは大きな争点になるのではないですか」
長妻議員
「これは我々の政権の時に、消費税を、申し訳ないことでありますが、10%に上げて社会保障の充実、年金の充実、一部借金の返済にまわすということを決めていますから、これについては粛々とやっていくというようなことで、ただ、経済の状況についていろいろ意見の違いあって、我々の2014年の時にはそういう判断をしましたけれども」
松井教授
「今は同じですか?」
長妻議員
「今は変わらないと思います。ただ、もちろん、景気条項というのがあるでしょうから、2019年ですか、秋の時点で大変な状態になっていれば別でありましょうが、基本的に大きな違いはないと」
反町キャスター
「上げる前に徹底的に歳出のチェックという、そういう話に。これまでいろいろな人が言っていた、上げる前に、まずその前にやることがあるのだよと、そこで踏ん張ろうとしていた雰囲気を僕は強く感じるのですが、そうでもないですか?」
長妻議員
「ニュアンスの違いではないかなと。21日から代表選挙が始まって、そこで、細かく具体的な議論が始まっていくと思いますけれども、おそらく前原さんだって税金の無駄遣いを放置して上げるとはおっしゃらないと思いますので、そこらへんについては今後、代表選の中で、具体的詳細な、司会者が質問をした中で明らかになってくると思います」

長妻昭 民進党元代表代行の提言 『新しい価値』
長妻議員
「これまで日本の政党政治、どういう社会を目指すのか、これをきっちり打ち出している政党が少ないということで、我々は党内で長時間をかけて、共に生きる、共生社会というような理念を打ち出しています。これを自民党とは違う多様性を認めていく、格差の小さな社会、社会を分断しないと、こういうような理念に基づいて社会を統合して、全体の力を引き出す土壌をつくると、こういう理念に基づいた我々政策があるのですが、これがなかなか浸透していない、これを強烈にアピールしていって、国民の皆さんに選択肢を示していくというのが何よりも重要だと思っています」

小池晃 日本共産党書記局長の提言 『本気の共闘』
小池議員
「現在の自民党の国政の私物化、憲法を無視するような政治、これをこのままにしておくわけにはいかないと思うんです。変えるとするなら野党が力を合わせるしかないし、いろいろな違いがあったとしても、安倍政治に代わる新しい政治をつくるということで本気を出して、本日もいろいろな議論がありましたけれども、乗り越えて、進もうではないか、脱皮しようではないかということを大いに訴えたいと思います。新しい政治をつくりたいと」

松井孝治 慶應義塾大学総合政策学部教授の提言 『国家像を明確に』
松井教授
「新しい政治をつくってもらうためにも、長妻さんもおっしゃいましたけれど、現在の民進党が政権の一翼を担えるような政党になるために、立ち位置がもう1つ見えてこない。そこをはっきりさせてほしい。どんな国家をつくるのか、どんな社会をつくるのか、そのための基本政策はなんなのか、消費税をどうするのか、あるいは安全保障をどうするのか、そこをもう1度、立ち位置を明確化させてほしい。それが特に今回、代表選挙を控えておられる民進党に対する期待ですね」