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2017年8月10日(木)
小野寺防衛相×森本敏 日報データ閉会中審査

ゲスト

小野寺五典
防衛大臣 自由民主党衆議院議員
森本敏
防衛大臣政策参与 元防衛大臣

小野寺防衛相×森本敏 検証『日報問題』閉会中審査
秋元キャスター
「核・ミサイル開発をエスカレートさせる北朝鮮は今日、グアム周辺にミサイル攻撃することを検討しているとし、火星12型を、日本の上空を通過させるなど、具体的な作戦に言及しました。緊迫した状況の中、来週行われる日米2プラス2、防衛大綱見直しなど、日本が直面する課題にどう向き合っていくのか、再び防衛省を率いることになられました小野寺新防衛大臣にじっくり聞いていきます。今日、国会で南スーダン日報問題をめぐる閉会中審査が行われました。小野寺さん、今日1日、答弁に立たれましたが、今日の閉会中審査をどう総括されますか?」
小野寺防衛相
「まず、防衛大臣になってすぐに特別防衛監察の結果の報告を受けました。国民の皆さんがこの問題に大変疑念を持っている、私自身も実際どうなのか、大臣として答えないといけない立場でしたから、監察本部から報告を受け、そのあと、関係者、稲田大臣にもお電話を差し上げて、その状況について確認をして、私なりに1つの方向性について確信を持って、今回は国会での報告をさせていただきました」
秋元キャスター
「さて、今回の閉会中審査、最大の争点となりましたのが日報のデータの存在が稲田大臣に報告されていたのか、いなかったのかという点です。これまで稲田前、元?防衛大臣…」
反町キャスター
「元ということになりますね。間に岸田さんが3 日ぐらいやっていますからね」
秋元キャスター
「…元防衛大臣、一貫して報告はなかったとしていたのですが。FNNが入手した資料によりますと、2017年2月13日に湯浅陸幕副長が『紙はないかとしか確認しなかった。情報公開は文書だけが対象と思っていた。データはあったかと言うとあった』と言ったのに対して、稲田元防衛大臣が『けしからん。明日の会見でなんて答えよう。今までは紙とデータ両方破棄したと答えているのか?』と言ったと記されています。15日、今度は黒江防衛事務次官が『どのように外に言うかは考えないといけない。なかったと言っていたものをあると説明するのは難しい』と言うのに対し、稲田さんは『いつまでこの件をだまっておくのか?』と答えたとされています。仮にこのメモのやり取りが事実だとすれば、稲田さんに報告があったということになるのですけどれも、しかし、この1か月後、稲田元防衛大臣は3月16日の国会で、これまでデータ保管の事実は報告されなかったのかという質問に対して『報告されなかったところでございます』と答弁をしています。小野寺さん、防衛大臣に就任されたばかりですけれど、稲田さんは報告がなかったとしているのですが、稲田さんのこの言葉の信憑性、率直にどう感じますか?」
小野寺防衛相
「まず特別防衛監察の結果ということが1番大事だと思います。稲田さん自身からも話を聞いていますし、それから、広くこの関係者からも聞いて、最終的な報告にまとめたということなのだと思います。実は私はこのメモを、原本を見ていませんし、ニュースでしか知りませんが、その内容について報道されていますので、だとすれば特別防衛監察でこの内容について把握をして、ちゃんと監察をやったのでしょうかと監察官にうかがいましたら、自分達としては当然、報道に出ていましたので、その報道も踏まえて、今回いろいろな証拠を集めた中で、いろいろ事情聴取を聞いた中で、最終的にはこの報告になりましたということなので。この報道が出て急に何かが変わったというよりは、それも踏まえて最終的な報告ということだったと思います。それで、たとえば13日については、稲田さんが何らか承認したかということは、そこの会議にいた人は全員承認していないということで一致をしています。問題は、稲田さんに誰かが説明したか、話をしたかということに関して、話したかもしれないという人と、いや、そんな話は全然出ていないという人と、非常にグレーな形であったと私は報告を受けています。たとえば、それを示すための何か文書があったかというと、それは一切なかった、と言うことで、どうもなかった人は明確にないと言っている、あったかもしれないという人は記憶が少し曖昧なところがある、そういうところをおそらく総合して最高検の検事長を経験された、あるいは検事が入って実際これをまとめましたから、その中で確かに表現の仕方としてグレーな言い方に最終的にはなったのだと思います」
反町キャスター
「この2月の時期というのはちょうど稲田さんが国会で、森友の弁護士をしましたか、しませんでしたか、みたいな話も含めて、本業の防衛大臣だけではなくて他のところでもガッチャン、ガッチャン大変だった時期でした。そういう野党からの森友問題におけるさまざまな追及の中で、言ったのだけれど、稲田さんの頭に入らなかったのではないかという説明をする人もいます、関係者の中で。そういう印象は持ちましたか?」
小野寺防衛相
「この結果を受けて、再度、稲田さんに電話で確認させていただきましたが、本当にご本人はそういう覚えがないということでありました。私も一連の流れを見て、承認はしていないという皆、意見が一致していますし、あとその場面でそんな話が出たかどうかという非常に記憶に対する話ですので、結果としてそれがどうだったかということはなかなかわかりにくい内容なのだろうなと思います」
反町キャスター
「森本さん、いかがですか?」
森本氏
「この問題は、大臣はなかなかおっしゃりにくいと思いますけれども、私はこの今の案件について、大臣も大臣2回目、私も大臣だったわけですが、毎日多くの人が大臣室に入ってきますが、その時に単なる説明のため、あるいは状況を理解していただくために状況の内容、あるいは事実関係について説明するというものもありますし、大臣に了解をしてもらう、決済を得る、決断をいただくというのもありますけれど。今回、何のために彼らが入ったのかということを考えると、つまり、こういう状態になっています、実はデータがあったか、ないかということを報告し、大臣にこれはどういう処理をするのかということについて我々はこう考えていますと言って、決断を仰ぐために入ったのかもしれないです。でも、そこはあまり明確ではなくて、大臣も了承したつもりはないと言うか、そういう記憶もないということは、つまり、意思決定プロセスが曖昧な状態で人が入って、説明をして、出ていくと。これは通常の文書管理であれ、防衛省の1番大事な意思決定のプロセスが大臣室で行われているわけですから、そういうことはあってはならんと思うんですね。実際にこれが、たとえば、防衛活動だったり、作戦活動だったりしたら、行った、行かないということは、単なる文書のある、なしではなくて、国家の存亡に関わるような問題になるわけですから。キチッと、これこれ、これこれの状態になっていますが、大臣、ご了承いただけますね?ともし大臣がおっしゃらなかったらキチッと問い質す必要があるし、また、幕がそう言わなかったら内局の人が入っているわけですから、大臣、これをご了承いただいていますね?とキチッと確認して入れる。それがなんとなく入って、説明をして、なんとなく出る、こういうプロセスが行われた可能性があるので、全体を見ると。僕は非常にこれは問題があるなと思っています」
反町キャスター
「今日の委員会の中、辰巳審議官は13日も15日も両方の会議で部屋の中に入っておられたと聞いています。野党からの質問で繰り返し出た、大臣からの発言はあったのですかという質問に関して、私の立場から答えるのは差し控えたいという答弁に終始されました。僕はこの答弁についてなかなか納得できない部分があって、言ったのか、言っていないのか、念押ししたのか、していないのか、そこが全てですよ、今回の件に関しては、それを部屋の中にいたにも関わらず、差し控えたいということ。どう我々は認識したらいいのですか?」
小野寺防衛相
「辰巳審議官は、特別防衛監察の中でしっかり自分がどういうことだったかということを当然、証言をしています。証言をしている内容について、これはどの方も、調べられた方、発言された方は、監察に対して話したことについて外に出ないという形で証言を全部集めて、それで最終的にこの報告が出ていますから。そういう意味では、既に言っているのだけれども、あらためて監察に言っている内容を私がここで言うということは、この特別監察の性質からいって控えたいと、そういうことだと思います」
反町キャスター
「森本さん、その建つけで我々は納得すべきですか?委員会に呼ばれて、それでその時、あなた部屋にいたでしょう、というところまでわかっていたうえで、決定的な部分を明らかにするか、しないか、僕ははっきり言ってもらった方がよかったのではないかと思うのですが、いかがですか?」
森本氏
「私は、監察官に問い質されて、調査に率直にお話になった結果として監察結果が出ているわけですから、それ以上のことについて個人の意見が述べられるというのは、ちょっと難しいのではないでしょうか」
反町キャスター
「なるほど。個人の意見が積み重なった総合的な判断としての、今回の特別監察の報告書だとすれば、なぜ辰巳さんは…と言うか与党は、なぜ辰巳さんの委員会出席を認めたのか?野党要求に応じて出しておきながら話がこれだったら全部、特別監察の話で、と稲田さんを断ったのと同じ理由ではないですか?」
小野寺防衛相
「おそらく今回、要求があった政府参考人等の中で、たとえば、既に退官した前次官とか、それから、あと従前から自衛隊の部隊で任務に就いている者は、任務に差し支えるということで、国会にはあまり呼んでいない。そういうランクから見ると審議官が現在でも防衛省内の仕事をしていますので、適当だったということなのではないかと思いますが」

北朝鮮『グアム攻撃』声明
秋元キャスター
「グアム周辺へミサイル発射の検討を発表しました北朝鮮の狙い、日本の対応はどのようなことができるのかということですけれども。8日、アメリカのトランプ大統領は軍事挑発を続ける北朝鮮に対して『北朝鮮はこれ以上アメリカを脅かさないのが最良だ。世界が見たことがないような火力と怒りに直面するだろう』と北朝鮮を強く牽制しました。この発言に対して今日、北朝鮮は朝鮮自民軍司令官の声明として『中距離弾道ミサイル火星12型を4発同時発射で行う。グアムへの包囲射撃を慎重に検討。日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過。射程3356.7kmを17分45秒で飛行後、グアム周辺30kmから40kmの水域に落下させる』と具体的な作戦の詳細を発表しています。小野寺さん、北朝鮮のこういった声明をどう受け止められますか?」
小野寺防衛相
「北朝鮮は度々さまざまな声明を発しています。そのことに1つ1つコメントは差し控える必要があると思いますし、する必要もないのだと思うのですが。ただ、1つ気になるのは、今回はかなり具体的な場所、距離等を話していますので、これは具体性を持って計画している可能性がないとは言えない。とすれば、しっかりと私どもとして検討をするという、そういう必要はあるのではないかと思っています」
秋元キャスター
「具体的に発表してくる狙いというのは?」
小野寺防衛相
「その具体化もあるのですが、もう1つ、あれ?と私が思ったのはそこに、グアムへの包囲射撃を慎重に検討、と書いているではないですか。これまであまり慎重という言葉を使っていないので、そういう意味で、それなりに国際社会について何か感ずるところもある。だけれども、自分達は自分達でしっかりとした能力を持っているのだぞということ。もう1つ、日本の具体的な地名を挙げましたので、日本に対する何らかの牽制、これも込められたこの声明なのかなと思っています」
反町キャスター
「森本さん、この声明をどう感じますか?」
森本氏
「これはよく見ると、別に攻撃するということではなくて、周辺30km、40kmの水域に落下させるというのが本当であると仮にすれば、宇宙を飛んで公海上に落とすということですから、私が大臣の時に2012年の12月、確か沖縄の上空を通ってルソン島の東側に落としたのですけれど、あれと別にそう変わらないです。問題は、グアムはアメリカの領土ですから、領海は12海里、その中に落ちると、つまり、アメリカの領土を侵害したということになりますから、12海里と言うと、キロで言うと21km、22kmです、非常に機微なところを示唆しているので。間違って4発のうち1発でも近寄ると、場合によってはアメリカがこれを破砕するという可能性がないとは言えない。かねてより北朝鮮はミサイル防衛によって自分達の弾道ミサイルが破砕されれば、戦争行為とみなすというのを言っているので、つまり、その意味でもチキンゲームなのですけれども。ギリギリのところで、アメリカと日本を脅かして、自分達の威力を最大限にデモンストレートしようとしているのだろうと思います」
反町キャスター
「いろいろな形でズレたり外れたりして、本当にグアムの島に落ちるリスクだって当然あるわけではないですか。ないしは船舶、観光業だって大打撃だと思います。はっきり言って、こういうことを言われて、グアムに行く人がいるかというと、僕はなかなか難しいと思いますよ。そういう諸々の影響を考えた時にアメリカはどういう対応をすると見ていますか?」
小野寺防衛相
「これは、アメリカに関しては対応を冷静には対応されるとは思います。ただ、アメリカの大きなスタンスは、自国の領土が攻撃されるということに関して、これは決定的にアメリカがさまざまな反応をする可能性が出てきます。と言うことで、グアムの、たとえ、近海、30km、40kmという水域であっても、非常にリスクが高過ぎる。そういう意味では、北朝鮮に自制を求めることが当然でありますし、トランプ大統領も当然、もう1つの言い方としては、対話の道を閉ざしているわけではありません。ティラーソン国務長官は、むしろせっかく国際社会が経済的な圧力で一致したのだと、その機会もあるのでというお話もしていますので。私はこういうチキンレースではなく、せっかく中露が参加した形の経済制裁が国連決議になりましたから、それをしっかりとしめていくということが大事だと思います」
反町キャスター
「今度17日から、2プラス2、アメリカ・ワシントンに行かれますよね。その場においても、日本の防衛大臣としてアメリカ側に対して、現在みたいな趣旨の話をするおつもりなのですか?」
小野寺防衛相
「これは2年ぶりの2プラス2となると聞いています。トランプ政権では初めて行われることになりますし、私と河野先生も今回、再入閣、初の外務大臣ということになりますのでそれはさまざま、まず議論する内容はたくさんあります。それを1つ1つやっていきますが、当然大きな両国にとっての懸念は北朝鮮ですから、それにも時間を割いてしっかり議論をしていきたいと思います」
反町キャスター
「小野寺さん、このグアムに向かうミサイル、北朝鮮から出て、日本の上空を通過していくミサイル、これは日本から見た時にどういう対象物になるのですか?」
小野寺防衛相
「もし日本に落ちるということが明確であれば、これは危険なものということで破壊措置をして防ぐということになります。グアムに向かうということでありますから、それがその時、どのような状況かということで当然、日本の対応はあるのですが。ただ、現在、たとえば、中距離の弾道ミサイル等、高い場所を飛ぶものに関して、日本の、たとえば、イージスのアセットでしっかり対応できるかどうかというのは簡単なことではないので、今後、能力が向上されれば、そこは対処できますが。いずれにしても、どこに飛んでいくか、何が目的か、それを踏まえて、日本としては検討することになりますが、基本は日本に落ちるという、その危険性があった場合には排除ということになります」
反町キャスター
「では、その次の段階、安保法制の絡みから言うと存立危機事態という状況がありますよね。この場合なら、グアムの米軍基地、ないしはそこにいる日本人も含めて危険になると、存立危機事態であると政府が判断するかどうか?ここについてはどう感じますか?」
小野寺防衛相
「個別の事態はなかなか…、グアムとか、特定ではないのですが、少なくとも3要件というのがありました。日本の存立が危うくなる、根底から覆されるような、そのような問題に対してということになります。たとえば、グアム、あるいはハワイ、米本土の中で特に多数の爆撃機とか、攻撃機とか、そういうものがある基地に関しては日本の抑止力の一翼を担っていただいている部分があります。そういうところがもし攻撃を受ければ、その次、日本が攻撃をされた時に日本は専守防衛で防衛をしていきますが、反撃をするための打撃力は逆に米側に頼っていますから、それが失われるということは日本の抑止力が大きく下がりますよね。そういうことを勘案しながらどのような事態認定をするかということだと思います」
反町キャスター
「森本さん、火星12号の能力でグアムまで飛んで行った場合、日本本土の上空を通過する時というのは日本のミサイルディフェンスがとても手が届かないような高いところを飛んでいくのですか?」
森本氏
「いや、それは、日本のミサイル防衛システムがどこまで届くかというのは明確にはお示しできないですけれども、それが予定された通りに軌道に乗って目標地に行くとは限らずに、何か不具合があって、日本の領土、あるいは領土周辺と言いますか、領海の中に落ちてくるということが予期される場合にはこれを破砕するという措置がとられる、とることができる。その場合は当然、低いところに落ちてきますから、わが方のミサイル防衛システムで破壊することができるということだと思います」
反町キャスター
「グアムに行く限りにおいてはグアムの基地が大切だから存立危機事態対応として上空を通過するミサイルを攻撃する、これはできないのですか?技術的には?」
森本氏
「これは技術的には先ほどの、大臣のご説明の通り、現在の能力で高高度に対応できる能力が今日、明日にある、ということでは必ずしもないので。既に開発したものが艦艇に積まれれば、もう実験には成功していますので、そういう計画が既にあるのですが、そういう能力が備わったらもちろん、対応できるということだと思います」
反町キャスター
「では、その対応はこれからやらなくてはいけないと、そう言っているわけですね?」
森本氏
「そうですけれども、ただ現在、何もできないかと言うとそうではなく、日米が持っているイージス艦のシステムを、キチッとその軌道を計算しながら要所に配置することによって対応できるわけですから。領空の中に入ってくる時に対応できるような配置に、日米で共同して調整しながらミサイル防衛のシステムを最も有効な状態に機能させるように配備することによって対応できるということだと思います」
反町キャスター
「小野寺さん、基本的な質問になっちゃうのですけれども、現在、領空を通過する時に破壊するかどうかという話を聞いてきたのですけれど、北朝鮮がここまで予告していて、予告通りミサイルを発射した場合に、発射直後にどこに向けてどのくらいの距離でミサイルを飛ばすかというのは当然すぐにわかるわけではないですか?いわゆるブーストフェーズと言いますか、もっと低い段階で、韓国上空とは言いません、日本海の上空かどうかもわかりませんけれど、低い段階で日本海に展開した海上自衛隊、ないしはアメリカの海軍と連携して、そこの段階でミサイルを撃破するということは、技術的に、法的に可能なのですか?」
小野寺防衛相
「まず1つは技術的な問題で、弾道ミサイル防衛でずっと議論されているのはブーストフェイズで対応するというのが非常に効率・効果的ではありますが、実際それはもう発射直後ですから、かなり相手の領土の中に近い、その状況でなければ、その対応ができないとすると、これまでなかなかそういう装備が開発してこられなかったというのも実際あると思います。法的な問題はそれぞれの国によって違いますが、ただ、既に日本に対しての攻撃があって、武力攻撃の事態認定がされれば、そこはわが国を守るためにはさまざまな対応が当然できるのだと思います」
反町キャスター
「グアムに対するミサイル発射が存立危機事態に当たるかどうかというのも、これも事前に決めておけるものでもないですよね?」
小野寺防衛相
「あの…」
反町キャスター
「プロセスとして事態認定というのは結構、時間がかかるものでは…。ミサイルを発射してからグアムに届くまで、先ほどの北朝鮮の言い方だと17分ですか、その間に存立危機事態である、太平洋、日本海に展開しているイージスに迎撃しなさいと、時間的な余裕は当然ないわけですよね?まさに安保法制の典型的なモデルケースになるような気がするのですが、ここはどう我々は見たらいいのですか?」
小野寺防衛相
「たとえば、この段階でいきなり事態認定が完全に存立危機事態にあたるかどうかというのは、いろいろなエスカレーションがありますよね、安全保障の問題で。今回は北朝鮮の発言を見る限りでは、あくまでも撃って着水させるということで、相手を攻撃する意図というよりは試験のようなものという、たぶん印象なのでしょう。この段階で、本当に攻撃されるかどうかという判断をするかと言うと、そんなにすぐにそれで事態認定をするというよりは、当然、それには過程がありますよね。だんだん両国の緊張感が上がって、かなりいろいろな状況になって、お互いにもう交戦状態に近い状態になって。そういういろいろな過程の中で最終的にどう判断するかということなので、いきなりボンとなるというのは通常あまり考えにくいのではないかなと思います」
反町キャスター
「そうすると、存立危機事態であるかどうかという認定、北がグアムに撃つぞと言っている中で、30km、40kmと言っているから当たらないだろうと、存立危機事態の認定というのは慌てることないよねと、そういう問題なのですか?アメリカにしてみたら存立危機事態を日本政府が早めに判断してくれて、日米でどういうミサイル防衛の連携ができるかということを向こうも望むし、我々にとってもプラスになるのではないか、この判断はないのですか?」
小野寺防衛相
「いずれにしても、これを撃つ北朝鮮の意図が、それが明確に武力攻撃にあたるという意図があるのかどうかとか、対応とか、さまざまいくつか要件があります。それを見て、これは事態認定すべき内容かどうかというのが判断されるので。単に撃ったから、すぐに事態認定というよりは相手の意図、さまざまないろいろな要件が加わっての判断になると思います」
反町キャスター
「そうすると今回、北朝鮮は1回で4発撃つと言っていますけれども、撃ったあとの様子を見てみないと存立危機事態の認定というのはやらないと聞こえます」
小野寺防衛相
「事態認定は、これはする、しないも実は手の内になります」
反町キャスター
「なるほど」
小野寺防衛相
「ですから、私どもとしてはあくまでも新3要件に当たれば、事態認定として、これはしっかり国民にも、国会にも説明できる、そのような状況の中で対応するということになると思います」
反町キャスター
「これは非常にアバウトな地図ながらも、どうみても韓国の領空を通過するのではないかなと思うのですけれども。現在ここで話をしているのは日米でどう対応するか、みたいな話ばかりですけれども、韓国はこういう時にミサイル防衛を何もしないのですか?」
小野寺防衛相
「そこはどれだけ展開がしっかりできているかはわかりませんが、韓半島にも、韓国にもTHAADを米側が配備しています。そういう対応策を持っていることはあると思いますが、今回、北朝鮮が名指しで言っているのはグアム、これはアメリカ領土です、島根・広島・高知、これは日本の領土、日本ですよね。何か日米をかなり意識して、今回はこのような発言をしているなと。ちょっと慮り過ぎかもしれませんが、ちょうど日米の2プラス2が行われるタイミングにちょうど合わせたような感じの印象を持ちます」
反町キャスター
「THAADは韓国軍がオペレートする権利を持っているのですか?在韓米軍ですよね、森本さん?」
森本氏
「在韓米軍です」
反町キャスター
「ですよね…」
森本氏
「韓国はミサイル防衛システムを持っていますが必ずしも日米が持っているようなシステムほど効率の高いシステムではなくて、まだ開発途上にあると思います。ただ、情報を共有するということはもちろん、日米韓で情報共有の合意もありますし、それから、もちろん、日韓は日韓で合意がありますので、そういう情報を共有するということはミサイル防衛についてはやるのですが、ただちに韓国が上昇…」
反町キャスター
「迎撃する?」
森本氏
「それは現在、韓国軍ならびに在韓米軍そのものには必ずしも備わっていないということになると思います」
反町キャスター
「能力の問題ですか?やる気の問題?」
森本氏
「能力の…」
反町キャスター
「能力の問題ですか?」
森本氏
「はい」
反町キャスター
「それは、できるのだけれど、日本に行くのだったらやらないよということではない?」
森本氏
「いや、そういうことではなくて。徐々に韓国軍もミサイル防衛システムを整備しようとして随分、努力をしていますし、これから備わっていくと思いますが。まだ、先ほど、申し上げたように、開発途上の段階にあるので、とりあえず在韓米軍のTHAADがどの段階で機能するのか、これはただし、ターミナルフェーズなのでミッドコースではないです、必ずしもですね。だから、ずうっと上昇して、ミッドコースを飛んでいる時に対応できるシステムではありません、韓国に落ちる時に初めて対応できるシステムなので。今回の場合、北朝鮮の声明をそのまま信じれば韓国のシステムは対応できないと思いますね」
反町キャスター
「話を聞いていると、韓国軍が将来的に韓国の領空を通過するミサイル、日本やアメリカに向かうものであるというものに対しては一切、迎撃態勢をとらない可能性がある、そういう意味でもあるのですか?」
森本氏
「いや、そんなことはないと思いますよ。私はミサイル防衛について、これは私の空想ですけれど、ヨーロッパのシステムを考えてみても北東アジアの日米韓という3つの同盟国同士で地域のミサイル防衛システムが構築されていることが望ましいと思います。だから、いずれそうなると思いますが、まだその段階には至っていないということです」
反町キャスター
「小野寺さん、いかがですか?僕はこうやって地図だけを見ると韓国が撃ち落としてくれたら1番安心できるねと、安直で…。そこは難しいものがあるのですか?」
小野寺防衛相
「現在の撃ち落とすミサイルの防衛システムというのは、だいたい高く上がって落ちてくるところで撃ち落とすということになりますから、そうするとTHAADでも落ちてくるところを撃ち落とす、であれば、韓国に落ちるものを落とすということで、逆に韓国の上を高く飛んでいくものに関しては、能力的には現時点では難しいのだと思います。ただ、1つできるのは当然、弾道ミサイルが飛んでいくとどのぐらいの距離を、どのぐらいのスピードで、どこに向かってというのは当然、さまざまな情報で収集して、日米韓の3か国がシェアすれば、より、たとえば、どこに落ちるか、どういう形で、どこで落とせば1番確率が高いかがわかりやすくなります。それは1番、北朝鮮に近い韓国というところは優位がありますし、日本も、グアムに飛んでいく前に日本で察知できますので、そういう意味では、先ほど、森本先生がおっしゃったように、日米韓で迎撃態勢をシェアするということ、これは情報、どこに飛んでいくかということをシェアすることはとても有意義だと思います」

北朝鮮『日本焦土化』声明
秋元キャスター
「朝鮮中央通信・労働新聞にこのような記事が掲載されました。『新たに防衛大臣の座に就いた小野寺は、我々の弾道ミサイル発射への対応として”北のミサイル基地を先制攻撃する敵基地攻撃能力保有問題”の検討を公式発表した』。中略ありまして、『我々は既に日本列島などは決心さえすれば、あっという間に焦土化できる能力を備えて久しい』と。このように小野寺さんを名指ししているのですけれども、森本さん、小野寺大臣を名指しした北朝鮮側の意図をどう捉えられますか?」
森本氏
「これはここまではっきり大臣の固有名詞を掲載して明らかにするということは、相当、日本の国内事情も知っていて、新しい大臣に対する期待感が非常に高いということも…」
反町キャスター
「期待感?」
森本氏
「日本の社会の中における…」
反町キャスター
「あっ、日本の」
森本氏
「日本の社会の中における期待感が高いということも知っていて、従って、威嚇の対象として十分、名前を挙げていると」
反町キャスター
「認知されていると?」
森本氏
「そういうことだと僕は思うんです。よく調べている、日本の社会の中を、そういうことがわかるこの記事ですよね」
反町キャスター
「感想を聞くのも変ですよね?北朝鮮の報道にこういう形で名前が取り上げられることと言うのは、本人にとってはどんな気持ちなのですか?」
小野寺防衛相
「私のようなものをこうして認識していただいて恐縮しています」
反町キャスター
「ただ、コメントの中にもあったように、敵基地反撃能力、敵基地攻撃能力の部分というのは、そこにビンビン反応しているという印象がこの記事から出ているのですけれども、そこはどう感じますか?」
小野寺防衛相
「これは自民党の安全保障調査会で、皆で取りまとめた内容ということになります。そういう意味では、このことに関して明確に記述されているというのは、それなりに北朝鮮に対しては認識をかなり重くしてもらっていることなのかなと思います」
反町キャスター
「なるほど。森本さん、いかがですか?小野寺さんが自民党でまとめた敵基地攻撃能力、これは北朝鮮から見たら、特筆して取り上げるべき日本の新たな動きとして認知されるものなのですか?」
森本氏
「いや、認知されるかどうかはわかりませんけれど、かなり気にしているということは、はっきりしていますよね。それで、ただ、こういうふうに挙げることによって、日本でむしろ国内において賛成、反対という議論を起こす、ある種の国内世論分断策だとも見られますから。必ずしも、これに対して我々はこれを断固として反対するということは、この最初の4行の中では言っていませんですよね。だから、後の文章と引っつけると、引っつけて我々が考えると、日本がこういう能力を持つということならば、攻撃するかもしれないぞと言わんばかりの記事なので。するとそんなことはやめた方がいいという国内の議論が起こることも念頭に置いて、こういう表現を使っているとすれば、相当、日本の中で行われている議論をちゃんと知っていて、こういう表現を使っていると思わざるを得ないですね」
反町キャスター
「小野寺さん、いかがですか?敵基地攻撃能力を、反撃能力を北朝鮮側からこう言われることによって、たとえば、国会においてさまざまな野党の方からの質問があると思いますけれども、だから、小野寺さん、こういうことを言っちゃいけないですよ、北が攻めてくるではないですかと、そこまで言う人、現在、野党にもいますか?」
小野寺防衛相
「私達が説明しているのは、弾道ミサイルを防ぐ時に1番、日本でやっている方法というのが、北朝鮮から飛んで来て、高いところ、ミッドコースでちょっと落ち始めたところをSM-3で撃つ。最終的な、ターミナルフェーズをパトリオットで撃つということありますが、いずれもすごいスピードで、すごく高いところから来ます。1番、撃ち落としやすいのは、本当は撃ってすぐのブーストフェーズ、ゆっくり上がってくるところ、このへんが1番撃ち落としやすい。仮に、そういう能力を今後持てることになれば、同じミサイルを食い止めるのであれば、撃ち落としやすい効率的なところで止めた方がいいでしょうと。1つだけ悩ましいのは、この時のブーストフェーズはどこにあるかと言うと、北朝鮮の領土か、領空にあるわけです。これまで、日本はそこまで届くものは持ちませんときていたのですが、このままでいいのかどうか?同じミサイルを食い止めるのに1番効果的なところで食い止めた方がいいのではないでしょうか。こういう説明を1つにまとめると、私達は敵のミサイル基地に対する反撃能力ということで言葉をまとめました。それが本筋の考えですから、この議論をする中では私は理解を得やすいのかなと思います。ただ、この議論をする過程で、これはこの北の話の前、8月6日ですが、安倍総理は広島において、現時点では敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行っていないという、そういうお話をされています。専守防衛の考え方についても変更はないと。当然、私ども自民党として総理に提言をした時には、まずミサイル防衛をしっかりやってくれ、もう1つはこの敵基地の反撃能力も保有を検討してくれということで、安倍総理にお渡しをいたしました。安倍総理はそれを受けて政府内でしっかり検討するということで現在ボールは総理のもとにあります。私は今回、大臣としてその総理のもとで仕事をすることになりましたので、当然、総理の指示に従って、私は総理のこの発言の内容を踏まえてミサイル防衛についての検討をするということになると思います」

憲法改正の必要性は?
反町キャスター
「小野寺さん、9条をいじるということに関してこの間の安倍総裁の提案というのは、1項、2項を残して自衛隊の存在を明文化するという、こういう表現を、総裁、安倍さんはされました。国民の抵抗感が少ない、なるべく抵抗感が少ない形の、ギリギリの9条改正のアイデアをそこに示されたと思うのですけれども、防衛大臣として実力部隊のトップに立つ方として見た時に、これは果たして現在の自衛隊にとって本当に喜ばしいことなのか?いろいろな意見もあると思いますが、どう感じますか?」
小野寺防衛相
「これは、私どもは現行の憲法の中でしっかりとこの国の安全を守っていくということになりますから、とにかく憲法をしっかり守って、それは自衛隊の服務の宣誓にもあります、しっかり守っていきます」
反町キャスター
「森本さん、いかがですか?」
森本氏
「自衛隊がこの憲法改正草案に対して、たとえば、その活動がより便利になるかとか、あるいはそれが望ましいか、好ましいかということではなく、国民が自衛隊に何をさせようとしているのかということが1番問題なんですね。つまり、どういう活動をすることが国民の負託に応じることができるのかが大事ですよね。仮に、たとえば、2条をバーンと削って新しくしてしまうということになると、これは3項が生きてきて自衛隊が9条2項を削除したような役割を果たすと。本当に国民がそういうことを自衛隊に、国民の期待として負託するのかどうかにかかっているのであって。自衛隊が便利かどうかではないです。自衛隊員というのが何を考えているのかと言うと、国民の大きな負託に応えるように困難な任務に対処していきたいと思っているので、国民が反対するような活動はしたくない、正直言って。それはいくら任務であっても、その1点に僕は尽きると思うんです。だから、そのことの方はむしろ大事です。憲法改正というのは、そういうものでないといけないということだと思いますね」

小野寺五典 防衛大臣の提言 『国民の理解』
小野寺防衛相
「さまざまな防衛装備を充実させるためにも国民の理解というのがとても必要になります。特に新しい安全保障環境に向けて防衛力整備、あるいは法整備がかなり今回も進んでいますが、そういう面では国民に支持されるということが1番大切なことでまず前提だと思います」

森本敏 防衛大臣政策参与の提言 『短中期と中長期の目標を明確に設定せよ』
森本氏
「私は先ほど申し上げたように現在、直面しているわが国にとっての大きな脅威とか、リスクにどうやって対応するのか。具体的に言うと、それは北朝鮮であり、中国であり、ロシアであり、場合によってはIS(イスラム国)のようなテロであったり、災害、大災害であったりするのですが、より長期的に考えると、もっと長期、時間をかけて対応しなければならない、サイバーだとか、宇宙だとか、科学技術とか、あるいはいろいろな国への装備協力だとか、長期的に取り組む。この2つを区分し、もちろん、完全に区分はできないのですけれど、キチッとした目標を設定しながら新しい防衛大綱中期をつくっていくということが、我々に課せられた重要な課題だということだと思います」