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2017年8月2日(水)
前夜に占う…内閣改造 政権浮揚カギ握るのは

ゲスト

伊吹文明
元衆議院議長 自由民主党衆議院議員
田﨑史郎
時事通信社特別解説委員
中北浩爾
一橋大学教授

『内閣改造』最新情報 政権浮揚カギを握るのは?
秋元キャスター
「今日のテーマは、内閣改造と安倍政権の今後です。安倍総理は明日、内閣改造と自民党役員人事を行い、新たな体制で再スタートを切ります。内閣改造で支持率を回復させることはできるのか、安倍政権の今後について考えます。田﨑さん、現時点で今回の改造をどう見ていますか?」
田﨑氏
「これは政局的・政治的に1番大きい意味を持っているのは外務大臣の岸田さんが政調会長になられた、これは岸田さんが閣外に出たという言い方をされるのですけれど、これは安倍総理と岸田さんとの関係は7月上旬に2人だけで内緒で会って、盟約関係を結んだんですよ、同盟関係。それは、岸田さんは安倍政権を全力で支える、一方、岸田さんが総裁選に立候補する時、いずれくるわけです、岸田さんは安倍さんと戦うつもりはないです、安倍さんが辞めたあと、自分がなるという考えですね。その時は安倍さんが全力で支援する。その2人の確認があって、今回の政調会長のポストなんですよ。そういう意味では、政局的にはこれが1番大きい。安倍さんの次は誰なのだという議論になった時、岸田さんは1つの道筋を描いたということですよ」
反町キャスター
「事実上の後継指名と言っていいのですか?」
田﨑氏
「そこまでは言いませんけれども、それは後継指名というのは実際できないわけですね。総裁選で戦って、そこで支持された人がなっていくわけで。でも、総裁選では、少なくとも自分は支持するよということを言われているんだと思います」
反町キャスター
「ただ、総裁選を考えた時に岸田派と、細田派だけど安倍さんが派閥の領袖になるかもしれませんよ、その2つの派閥を足しあげることでかなり大きな数になる」
田﨑氏
「そうですね、はい」
反町キャスター
「そういう意味で言うと、安倍さんと岸田さんの密約とは言いません…」
田﨑氏
「盟約」
反町キャスター
「密約と盟約は全然イメージが違いますよね。だから、そういう約束事がもしあるとすれば…」
田﨑氏
「はい」
反町キャスター
「数のうえでも有利な立場に岸田さんは立ちながら党でしっかり政権を支えていくと、こういう展開ですね?」
田﨑氏
「そうですね。だから、ポスト安倍には、岸田さんと石破さんと2人が言われるわけですね。石破さんは昨年の改造で農林水産大臣を打診されたけれど、断って、閣外に出たわけですね。だから、安倍さんと寄り添いながら次を狙う岸田さん、安倍さんと敵対しながら次を狙う石破さんと、そういうことがはっきりしてきましたよね」
反町キャスター
「中北さん、いかがですか?ここまで明らかになった部分、入閣予定が有力視されている面子を見て、どんな感想を持ちますか?」
中北教授
「岸田派が多いですね。岸田派、つまり、総裁候補を抱えているとともに安倍さん的な理念からちょっと距離があるということですね。あと野田聖子さんも総裁候補になり得る、立候補の手は挙げたわけですから、しかも、理念的には安倍さんからちょっと距離がある。こういう方々を取り込んだというところが、1番重要な点ではないでしょうか」
反町キャスター
「なるほど。取り込んだと言うと、あとで憲法の話がでるのですけれど、安倍さんがこれまで言っている通りに、秋、年内に自民党の憲法改正草案を取りまとめて、そのあと来年の通常国会で改正発議までもっていきたいですということになった時、閣内不一致になるかということ、今の話を聞くとちょっと心配になっちゃうのですけれども、そこはどう見ていますか?」
中北教授
「私は逆で、岸田さんは政調会長ですよね、これは結局、党のプロセスの中で、憲法改正推進本部を通したあとに、総務会は通さないといけないけれども、おそらく政調会も通すというプロセスになるのだと思いますし、そこにも関わるので、そういった時に岸田さんも責任をシェアするということですから。私は、むしろ岸田さんを取り込むことは憲法改正にとって必要だということを少し含意しているのではないかと見ています」

前夜に占う『内閣改造』 注目ポスト…防衛相
秋元キャスター
「稲田さんのあとを受けて、防衛大臣を誰がやるのかというのが大きな焦点になっていましたけれども、これまでの情報では、防衛大臣経験者の小野寺政調会長代理の起用が内定しているということです。田﨑さん、この起用をどう見ますか?」
田﨑氏
「非常に順当な人事ですよね。防衛大臣…、防衛省は、稲田大臣をめぐっていろいろトラブルがあって日報が流出したり、いろいろしたわけです。組織としてかなり傷ついている、それを癒しながら防衛政策を展開していくには非常に適任者だと思います、小野寺さんは」
中北教授
「比較的、政治的発言が慎重な方ですので、私が知っている限り。そういった意味で、岸田さんのグループでもあるし、岸田さんにも近いし、そういう要素を、防衛省をどうやってグリップしていくかということが課題になってきますので、そうした時には、比較的、安全運転でいこうと思うと、小野寺さんと」
反町キャスター
「伊吹さん、稲田防衛大臣についていろいろな問題が、稲田防衛大臣の問題と言うよりは、防衛省にさまざまな問題が起きました。それは内閣をどの程度、深刻にゆさぶったのか?伊吹さんの目から見て、防衛省の日報問題をどう見ていたのですか?」
伊吹議員
「非常に深刻な問題だと思いますね。実力集団と言うのですか、と、シビリアンコントロールということで形成されているわけでしょう。だから、この日報問題というのは、率直に言えば、稲田さんにとっては諸刃の剣で。もしそのことを完全に知っていて、省内を完全に掌握していれば、国会、国権の最高機関の国会に出てきて虚偽答弁をしたということですよね。逆に…」
反町キャスター
「なかったと言っていたからですね?」
伊吹議員
「逆に本当に知らなかったとしたら、ちょうど統帥権の独立みたいな話というか、非常に怖い話ですね。だから、防衛省の問題も文科省の問題も、その政策に精通しているということは、官僚を心服させるのに必要な1つの要素なのだけれども、もっと大切なのは役所のガバナンスをリーダーとして取り戻せるかということです。私自身、第1次安倍内閣の時、安倍さんに頼まれて、教育基本法、教育の憲法を、憲法はちょっと難しいから、ともかく変えたいと言って、文科大臣をやったのですが、私は文科行政とむしろ無関係な男だったのですから。だけど、当時一緒に苦楽を共にしたから、なんとなく文科省の連中と仲良くなっちゃったというだけで。文科族であるから適当だとか、防衛族であるから適当だというのも1つの要素だけれど、もっとこの2つの役所に対して大切なことは、役所に対する政治のガバナンスを取り戻す力のある人。だから、いいのではないですか」

なるか? 政権浮揚
秋元キャスター
「2012年12月に第2次安倍内閣が発足して以降、高い支持率を保ってきた安倍内閣なのですが、現在ここ4年7か月で最低の34.7%となっています。安倍内閣はこれまで3回、改造を行っているのですが、改造のあとにはそれぞれ支持率がアップをしています。田﨑さん、今回の内閣改造は支持率回復につながると思いますか?」
田﨑氏
「下がることはないのではないかな。横ばいか、微増か。最終的な顔ぶれの問題と、もう1つ注目しておかないといけないのは明日、組閣を終えたあと、総理が記者会見をされるわけですね。その記者会見でどういうことをおっしゃるか。今回の加計学園問題について自分は今後このようにして、こういう問題は起きないようにしたいということを打ち出されることを、少なくとも先週までは検討されていたんです。最終的にどうなったかは確認していないのですけれども。だから、それをトータルに見て国民の皆さまがどう判断するかということだと思うんですね」
反町キャスター
「なるほど。それでいくと、防衛省の日報問題に関する監察報告が出て、閉会中審査をやるか、やらないか、ということになっていますよね?」
田﨑氏
「はい」
反町キャスター
「これは当然、明日の総理会見でも質問が出て、総理は、それは国会がお決めになることですから、とそこまでは想像がつくのですけれど、受けるべきかどうか、政府与党として。そこはどう感じますか?」
田﨑氏
「僕は受けるべきだと思います」
反町キャスター
「それは新大臣だけ?」
田﨑氏
「いや、新大臣だけではなくて、稲田朋美さん、前大臣を含めて。と言うのは、自民党が断る理由があまり論理的ではないんですよ。今までそういうことやったことないからと言うのですけれど、でも、2002年の時でしたけれど、小泉内閣で田中真紀子さんが外務大臣を辞められた、あれは1月29日かですよ。2月20日に参考人で出てらっしゃるんです。外務大臣を辞めた経緯について、鈴木宗男さんと一緒に出られたんですけれども。だから、そういうことがあるので前大臣を呼ばないというのは無理な論理ですよ、呼んだことがないというのは。これは稲田さんのためにも、そこでちゃんと野党の意見を受け止めて、自分はこういう考えでやったけれども、確かに、その通りマズかった点もいっぱいありますねと言われれば、そこで終わるわけです。そこを逃げ回っているような印象を与えるのはご本人にとってマイナスだと思います」
反町キャスター
「伊吹さん、この件についてはどう感じていますか?」
伊吹議員
「全体的な政策としては間違ったことをやっていないということからすると、態度、規範意識、こういうものを、田﨑さんがおっしゃったように、安倍さんが会見をする時に、どういうふうにおっしゃるか。各閣僚が、たとえば、憲法の法理から言うと国会というものはそう簡単に拒否をするものではないと。安倍さんには2面性があるんですよね。1つは、行政の長である総理大臣であると同時に、国会を構成する最大会派の自民党の、会派代表は幹事長なのだけれども、総裁であるわけです。だから、国会がお決めになることだというのは憲法上その通りだけれども、それは総理大臣としての立場なのでね。だから、田﨑さんがおっしゃったように、国会を大切にしていますよという姿勢を示すということによって、ジワジワと支持率が回復してくるという、それがいいのではないでしょうか」
反町キャスター
「伊吹さんは幹事長も務められました」
伊吹議員
「うん」
反町キャスター
「自民党の幹事長だったらば、せっかく改造をやって、人心一新して、すっきりして、もう忘れようよという雰囲気を出したい人事かなと、僕らは想像するわけですよ。それでなおかつ野党がこう言ってきた時に、幹事長だったらこれはどうしますか?」
伊吹議員
「忘れたいというのは、自民党の願望であって、自民党だけで国会を構成しているわけではないから、それはいろいろな話を野党ともね。しかし、そんなことは表でやることではないですよ。どうするのだと、この頃はメールの時代だから、国対だってメールでやり取りしたり、他党としているので、それはマズいんだよ。政治というのは人間の気持ちの触れ合い。他のバラエティ番組はアレだけれど、あなたとの関係があるからプライムニュースだけは出なくてはいけないかとかね」
反町キャスター
「ありがとうございます」
伊吹議員
「そういうものですよ、政治の基本というのは。それが今、残念だけれども、田﨑さんの10年前、20年前から見たら、雲泥の差になっているのではないですか?」
田﨑氏
「はい、ええ」
伊吹議員
「人間力の劣化みたいなものがやや目先、すぐ採決しなくてはいけないとか。いや、よくよく水面下で話しておけば、そんなに時間かからずにやれるということだってたくさんあるのではないかと思いますよ。僕は金丸さんが副総裁の時に副幹事長でお仕えし、それまで見なかった政治の1面というのを教えてもらったものだから、その後、非常に役に立っているので。今日、毎年、お盆の時にはお参りに行くんですよ」
反町キャスター
「山梨までですか?」
伊吹議員
「うん、今日、行ってね。金丸さんのご長男、奥さんは竹下さんのご長女ですよね。金丸や竹下の時は自分がやりたいと思っていることは自分で決して言わなかったと。それで役人にもいろいろな話をして、当然、与党は、自民党はそうだけれども、野党にも話をして随分、時間がかかるのだけれども、そのうちに誰かがやりたいということを言い出すと。すると、ああ、あなたの意見はいいねという、そういう時代だったのだけれども、今はなかなか難しいですねということをおっしゃっていましたね」
田﨑氏
「そうですよね」
反町キャスター
「それは落ちてくるまで待っているということですか?」
伊吹議員
「うん」
反町キャスター
「ごめんなさい、安倍さんが憲法改正したいと自分で言っていることと、真逆の政治をやっていたと聞こえます」
伊吹議員
「いや、それは、だから、憲法改正をしたいというためには仕込みをしなくてはいけません。憲法の発議権は内閣にはありませんから、これはメディアの皆さんも十分注意をしてもらいたいのだけれど、安倍さんには2面あって、総理大臣という面と、党総裁という面があるから。たとえば、安倍首相が二階幹事長に指示したなんていう活字が平然と出ているでしょう」
反町キャスター
「出ますよね」
伊吹議員
「これは安倍総裁が二階幹事長に指示をしたと。そこはキチッとしておかないと何か安倍さんの意に反して、安倍さんが国会、内閣総理大臣が国会を牛耳っているような、あらぬ雰囲気をつくりだすからね。だから、総裁として党にしっかりとやってくれと、そのうえに立って、国会の憲法審査会ですか、うまくまわしてほしいという気持ちを安倍さんは言っているわけだから。その意を汲んで、うまく動かしてあげるようなスタッフをキチッとやっておかないといけないですよね」
反町キャスター
「ただ…」
伊吹議員
「だから、それは先ほど、中北先生がおっしゃったように、岸田さんの役割というのは非常に重要ですよね、うん」
反町キャスター
「伊吹さん、でも、たとえば、国会で野党議員が安倍さんに質問をする時に、いや、それは、私は総理なので、総裁としてのことはどうのこうのと、総理と総裁を使い分けされる部分がありますよね?」
伊吹議員
「あります」
反町キャスター
「あれは、総裁としてどこかでやられたこと、発言されたことを国会で野党側から質問された時に、いや、あれは総裁として、ないしは総理としての発言でないからと。この使い分けは見ている人にとってなかなか納得しにくいですよ?」
伊吹議員
「いや、それは国会に呼ばれているのはあくまで総理として呼ばれているので」
反町キャスター
「その場の発言としては、それが適切なのですか?」
伊吹議員
「うん、だから、あの発言はこうであったということは説明される部分があるのなら、あっても構わないと思うけれども、あくまで総理大臣として国会に出ているわけで。国会がうまくいくかどうかというのは、内閣が独善的に国会を、安倍さんが動かしたとか、どうだとかというだけではなくて、野党が常にイメージダウンをつくるための場だと思って使っていると、1+1=2という答えは永久に収斂しないですよ、それはね。自民党の正義、野党・共産党の正しさ、民進党の答え、だから、たまたま多数決で、いつまでも言っていちゃいけないから決めようかねという約束事をしているだけだから。だから、多数決というのは常に正しいということはありません、歴史で振り返れば。だから、皆そういう、多数を持っている時にはそういうものだよという感覚を、このメンバーは全員共有しながらやれば、必ず支持率は戻ってくると思うけれどね」
反町キャスター
「中北さん、いかがですか?」
中北教授
「3権分立か、議院内閣制かは結構根本的な問題があって。ただ、もともと戦後は、たとえば、行政権、内閣が法案の審議についてスケジュールを、国会のスケジュールを関与できなかったり、法案の修正権を持たなかったり、一応、腑分けがあったんですね。ただ、政治改革以降、権力の分立よりは、行政権と立法権の融合という意味での議院内閣制という側面が強められてきた。それが現在ずっときているわけです。そうした中、かつて国会は野党のものという、そういう合意形成の役割が、独自の役割があったと思うのですけれども、そういう機能がちょっと弱くなってきた。この前の、天皇の特別退位のアレは、大島議長、かなりがんばられ、国会らしい見識を示めされたと思います。自民党が1強でこのまま統治を続けていくとしたら、そうした幅というのを1回、伊吹先生がおっしゃるような幅を、どうやって取り戻していけるのか。ここが肝要なのではないかと思います」

解散・総選挙の時期
秋元キャスター
「ここからは安倍総理がいつ解散総選挙を行うのかということ、政局について聞いていきます。こちらが今後の主な政治日程です。9月1日に蓮舫代表の辞意表明に伴う民進党の代表選挙があります。また、自民党は秋の臨時国会に憲法改正案の提出を目指しています。来年の1月から始まります通常国会で憲法改正を発議したいという考えです。来年9月には自民党総裁選挙が行われ、12月には衆議院議員の任期満了を迎えます。2019年10月に消費税増税が行われる予定ということなのですが。安倍総理は今後、この憲法改正、支持率、野党の動きなどを睨みながらタイミングを探ることになるのですけれど、公明党山口代表が先月31日、このような発言をされています。『解散は来年の秋くらいかなという相場観のようなものがあったが常在戦場の心構えで臨む』と早期解散の可能性に言及しているんです。田﨑さん、早い時期の解散の可能性というのをどう見ていますか?」
田﨑氏
「僕はゼロに近い、年内解散というのはゼロに近いと思って見ています。第1、今やったら、都議選の結果を見れば、ちょっとした違いでボロ負けするという怖さがありますよ。かつ、安倍総理、憲法改正に関する自民党案を臨時国会でまとめてほしいと、それでそれは伸びて年内になるかもしれませんけれど、年内に憲法改正案をまとめて、来年の通常国会で国会発議にもっていきたいということですよね。それは衆参で3分の2を持っているから急いでいるわけですよ。今、衆議院選挙をやれば、衆院では3分の2を失うんですよ、確実に。だから、そこで勝負どころではないと思いますし。憲法改正をやり遂げられるかどうかはちょっと懐疑的に見ていますよ、それは来年の通常国会で話し合う時にゴリ押しはできませんから。だから、掲げた旗をとにかくやり続けるという姿勢を示さなければいけないという意味では、憲法改正のためにも早期解散はすべきではないと思います」
反町キャスター
「安倍政権が解散しないということは、田﨑さん、来年になってしまう、今度は追い込まれ解散になってしまうではないかという人もいますよね?麻生政権の末期みたいな」
田﨑氏
「はい。追い込まれ解散と言うか、時期がある程度、特定されますよね」
反町キャスター
「年末になってしまうのだろうと?」
田﨑氏
「来年9月の総裁選の前か後かということになりますと、これは安倍総裁の3選が可能かどうかによってくるんですよ」
反町キャスター
「なるほど」
田﨑氏
「だから、安倍さんの調子が悪くなって、今度は支持率が下がり続けて、3選が難しいとなった時は、新しくなった総裁がそのあとに解散総選挙をすればいいですよ」
反町キャスター
「安倍さんは来年の秋、9月までに、本当に憲法がいけるかどうか、それこそ政治生命を賭けて勝負をかけていくと、こういうことになるわけですか?」
田﨑氏
「とりあえず、その旗を掲げたまま走るということですよ。通常国会の終わりのところで、これ強行採決しましょうと言っても、これはダメですから…」
反町キャスター
「絶対、ダメですね…」
田﨑氏
「野党の協力が不可欠。そういう意味では、民進党の代表選で、いったい誰が新しい代表になるのか。それによって民進党の憲法に対する態度がわかりますから、それでやっていくということだと思いますよ」

野党の動きと政局の行方
反町キャスター
「民進党とちょうど言っていただいたのでこういうものを用意しました。この2人(枝野氏、前原氏)の戦いに、今のところ、なりそうなのですけれども、この民進党の代表選をどう見ていますか?」
田﨑氏
「非常に路線対立が、非常にくっきりした形で、民進党内にある2つの意見、1つは、前原さんは保守的ですよね、枝野さんはむしろちょっと革新的な感じの人。憲法改正でも、前原さんは割と検討していかなければいけないと思われている人、枝野さんは必ずしもそうではない。ある意味で、民進党を代表する2つの路線の対立で、民進党の分岐点だと思いますよ。もしかしたらこれが民進党の分裂、政界再編につながる可能性もあると思いますよ」
反町キャスター
「まだ割れますか?」
田﨑氏
「すぐこの秋ということではないですよ。来年、総選挙の前になって、果たしてこの民進党のままで勝てるかどうかということになってきますから、その時に都民ファースト、小池新党との関係とか、いろいろ出てくるように思います」
反町キャスター
「中北さん、この民進党の代表選をどう見ていますか?」
中北教授
「この2人を軸にということなのだと思うんですけれども、私は分裂というのはそう簡単ではないのではないかという考えですね。まずあるとしたら都民ファーストが国政に進出して、もう1個の核が野党の間に出てくれば、その可能性が出てくると思いますけれども、現段階だと小池さんが国政に進出するのには相当ハードルが高いと見ています。それは、1つは、小池さんが都知事を辞められないこと。もう1つは、公明党がすごく都民ファーストの国政進出自体には消極的であり、これは当然、国政では自公でやっていますので、これは崩れません。しかし、都政では都民ファーストとやっている。これがどちらかが入り込んでしまうと、すごく公明党が困ると。特に都民ファーストが国政に進出してくると、これはなかなか難しくなると、それを抑制したいと。公明党は、都議会で公明党がなければ、小池さんは過半数になれませんから、これを使ってたぶん影響力を行使してくるとなると、都民ファースト、若狭さんは新党をつくろうということかもしれませんが、小池さんが本格的に乗り出す新党はなかなか難しいと。そうすると、たとえば、前原さんが分裂して若狭新党に合流したとしてもそんなに大きなブームは起きないだろう。ならば連合という大きなそれなりの組織があるところで戦うという方がリスクは少ないと、そう考える議員が多いでしょうから。あまり民進党の分裂ということは考えにくいのではないかと思っています」
反町キャスター
「でも、自民党がこれだけいろいろなスキャンダルやらアクシデントで苦しんでいる時に、蓮舫さんが辞めたこと自体に対してどうなのだという声もありますよ」
田﨑氏
「そうですね」
反町キャスター
「そのタイミングについては、どう見ていますか?」
田﨑氏
「だから、僕は最後、非常に誤ったという印象を…誤ったと思います、蓮舫さんは。まず国籍問題…」
反町キャスター
「辞めるべきではなかったという意味ですか?」
田﨑氏
「うん、国籍問題をやってあの時期に辞める。内情を探ると、辞めたというより、辞めさせられたという感じですよ。辞任を表明される前日に、ある幹部の方から、幹事長のなり手がいないぞと、俺も幹事長にならないし、となると、野田幹事長が辞めたあとの幹事長候補がもういなかったんですよ」
反町キャスター
「いなかったんですね」
田﨑氏
「そこで本当に1人になってしまった。そこで辞めざるを得なくなったという。だから、そういうことを民進党は繰り返してきているわけですよ。だから、民進党がこのまま蘇生していくという感じは、どちらが選ばれても、ちょっと持てないです、蘇るという感じは」
反町キャスター
「伊吹さん、他党のことなので、コメントしずらいと言うのは当然覚悟のうえで、敢えて聞きますけれども、民進党の代表選に何か期待されるもの?今の民進党というのは自民党から見た時にもうちょっとなんとかしてほしいという部分もあるわけではないですか?」
伊吹議員
「いや、それはしっかりとした力のある野党第1党がないと与党は劣化しますから。それは今の自民党の、特に若い人達に端的に表れていることだから。敢えて敵に塩というわけではないけれども、日本のこの良い政治のためにはがんばってもらいたいということでしょう。だから、自民党が危機的な状況だとか、いろいろな話があるけれども、安倍内閣の支持率は15%、20%と落ちていますが自民党の支持率はそんなに落ちていないですよ。それは消極的な支持です。結局、3年3か月のトラウマというのが皆、残っているわけですよ、国民の皆さんの中に。だから、お行儀が悪くなったけれども、行くところがないから自民党だという支持がかなりあるんですよ。だから、俺達が立派なことをやっているから支持を受けていると思いあがらずに、謙虚に研鑽して、憲法的な規範をしっかり守ってやっていくと、自民党が。野党もちょっとなかなか代わり映えしないですね、率直に言って、これまでずっとやってきた人だから」
反町キャスター
「メリーゴーラウンドとよく言われるように」
伊吹議員
「だから、江田さん達が第3の候補を探しているわけでしょう。3人でやった方が面白いのではないかという気はするけどね」
反町キャスター
「ただ、前回そのパターンでやって、玉木さんを立てたんですよね?」
田﨑氏
「そうです」
反町キャスター
「その玉木さんがいろいろそのあとのフォローがゆるいだ、なんだと、いろいろな人から文句を言われて、立つに立てないみたいな感じになっている中で…」
伊吹議員
「うん、だから…」
反町キャスター
「無理に3人目を立てても、あとがまたギクシャクするんですよ」
伊吹議員
「だから、これは他山の石と言うか、民進党の状況を反面教師にして、危機にある時に後ろから襟首をつかむようなことをやると、こういう状況になるんですよ。結局、野田さんを辞職に追い込むことによって、この陰湿なる蓮舫下ろしが行われたということでしょう?」
田﨑氏
「そうですね」
伊吹議員
「うん、だから、今は安倍さんを中心にして、同じようなことを自民党の中からするような人が出てこないように、これは私の役割だと思うけれども」

どうなる? 憲法改正
秋元キャスター
「解散総選挙の時期とも絡むのが安倍政権の目指す憲法改正です。自民党は秋の臨時国会に憲法改正案を提出し、来年の1月から始まる通常国会で憲法改正案を発議したいという考えです。田﨑さん、このスケジュール通りにはなかなか難しい?」
田﨑氏
「年内に自民党案をまとめるというのは、これは可能ではないかと思うんです。でも、来年の通常国会で国会発議までもっていくのは非常に難しいだろうと。民進党代表選の結果にもよりますけれども、非常に難しい。熟議の国会にしないといけないですよ、この憲法の問題では特に。それから、考えますと、そこであまり無理しない方が安倍さんもいいのではないかなと思いますね」
反町キャスター
「国会で改憲発議をしないまま、総裁選を迎えることになる?」
田﨑氏
「そうですね、あるいは総選挙もそのまま…」
反町キャスター
「総選挙の争点が憲法改正になりますよね?自民党にとってはどうなのですか?」
田﨑氏
「それは、主張をはっきりさせて、ちゃんとした、9条というのをこういう具合に変えるんですよと、1項、2項はそのままにして、自衛隊を認めてもらうような、そういう改正にしますよということを訴えていけば、自民党支持層はきますね、きっと。野党支持層は反発しますけれども、今度、野党が困るのは、選挙協力をしようとしている民進党と共産党が困りますよ、かえって。憲法に関する、改正に関する考え方が違いますからね。だから、自民党がそういうことを掲げることが、野党分断の効果を生む可能性があります」
反町キャスター
「3分の2を獲れるかどうか、安倍さんが勝負かけてくるかもしれないと、そういう意味で言っているのですか?」
田﨑氏
「そうです。そこで獲れ…、たとえば、小池新党なるものができても、それは憲法改正賛成の人達がやるわけですから、だから、3分の2の構成が変わるかもしれませんけど、3分の2を獲る、憲法改正勢力で、それは不可能ではないですよ」
反町キャスター
「なるほど。中北さんはどう見ていますか?」
中北教授
「いや、私は3分の2が両院である状態というのは、惑星直列みたいなもので、なかなか私は起きないと見ています。だから、安倍首相もド真ん中に球が来たところを、ストレートを見逃すという選択肢があるのか。安倍さんは再起を期した、どん底の中から期したのは憲法改正という目標があったからだと思っていますので可能な限りそれを今後1年追求すると。ただ、田﨑さんがおっしゃるように、自民党の中ではもちろん、憲法改正が党是なので取りまとめまではいくと思いますけれども、国会の中で発議までもっていくとなるとまず公明党がOKと言わないといけない、しかし、公明党は民進党のOKがないとダメだと、野党第1党ですね。これがなかなか、どう憲法9条に自衛隊を書くとしても、集団的自衛権の問題がネックになって、民進党が乗るということはちょっとなかなか今は難しいと。これは前原さんだろうが、枝野さんだろうが、ここは難しいと思うんですね。強行採決で、自公維でいけるかというと、これやると、憲法改正は国民投票もありますし、それでいいのかという声が自民党の憲法族の中でも出てくる…」
反町キャスター
「怖いですよね。国民投票で負けたら大変なことになる」
中北教授
「そうですね。ですから、安倍さんは追求するけれども、なかなかそこまではいかないとなってきた時に解散が、安倍さんのままだとあるかもしれない。断念し、総裁選にもつれ込めば、違った顔で解散と。ですから、憲法改正の話と解散総選挙が連動しながら進んでくると、この1年、そう思います」
反町キャスター
「伊吹さん、憲法改正に関しては、衆議院に憲法調査会、憲法審査会があって昔、中山太郎さんがいて、皆で議論する中で野党第1党の合意が前提であるというようなことを、獏とした合意を持っていたと聞いたことがあるのですけれども。伊吹さん、憲法の改正において与野党の合意はどうあるべきだと感じますか?」
伊吹議員
「国民の基本的な、権利・義務、なによりも日本国の統治、日本文化の象徴でもあられる陛下のこと、いろいろなことが書いてあることだから、自民党は本来、新憲法の制定ですよ。部分的な改正ではないですよ」
反町キャスター
「なるほど」
伊吹議員
「ない、だけど、現実論としてはその一部からまず始めようという、そういうことでしょう。どういうやり方でやるかはいろいろやり方があるのだろうけれども、自民党だけで憲法改正案をまとめてポーンと国会へ持ってきて、これから3分の2を形成する努力を国会でやるというのは現実的な手法としては非常に難しいですよね。だから、天皇陛下のご退位のことは、天皇の地位は主権を所する国民の総意、だから、反対があっては国会で困るというので、衆参両院議長は綿密にやったと思います。憲法の発議は3分の2ですから、必ずしも満場、全会一致でということは、憲法上は想定してない。だけれど、基本的な法規だから、できるだけ穏やかにやった方がいいということになると、党で議論をしながら、並行的に憲法審査会でも議論して、お互いにまた党に持って帰って、やっていく。だから、どういう手法がいいのかは自民党総裁としての安倍さんがよく考えられて、会派のトップとして衆参両院議長にお話になるというような手法も考えられる」
反町キャスター
「党首会談ですね、それは?」
伊吹議員
「いや…」
反町キャスター
「党首会談をもって、議長への報告みたいな?」
伊吹議員
「いや、いや、そうではなくて、議長にもう少し憲法審査会をうまく動かしてもらえないかと、国会のこととして穏やかに結論を出していくためにという。いろいろなやり方があるので、これは自民党総裁として、総理大臣ではないです、総裁として、岸田さん、それから、高村さん、二階さん、最後は、総務会にかけなければいかんのだから、竹下さん、いろいろ相談して進められるという。どういう手法がいいのかということだけはちょっと考えておいた方がいいですよね」
反町キャスター
「先に自民党の案をまとめて、というやり方ではなくて?」
伊吹議員
「それは国会へ持っていった時になかなか難しいと思いますよ」

中北浩爾 一橋大学教授の提言 『初心に戻る』
中北教授
「初心に戻るですね。安倍内閣、最初はねじれだったわけですね。ですから、最初の参院選まではかなり丁寧に政策をやっていたと思います。今回の日報の問題、加計の問題も、2016年の参院選で、両院で3分の2を獲って以降、出てきた問題で、ちょっと驕りがあったのではないかと批判されても仕方ないと。初心に戻って、丁寧に政権運営をやっていただきたいと思います」

田﨑史郎 時事通信社特別解説委員の提言 『失敗かみしめ政策実現』
田﨑氏
「この政権の強さは、1次政権の失敗を活かして、2次政権に入っていることが強さだと思っていたのですけれども、それでもさまざまな身びいき、身内優遇みたいなところが出てきて、また、ここで失敗したんですよ。その失敗を噛みしめて、政策を着実に実現していけば、また昇る日も来るだろうと思います」
反町キャスター
「田﨑さん、民主党政権が失敗した時も、政策の失敗だったのか、現在の安倍さんのようにガバナンスの問題だったのか、ここはどう見ていますか?」
田﨑氏
「うーん、それは両方だと思いますね」

伊吹文明 元衆議院議長の提言 『峠げ道 風 夏空に吹き抜ける』
伊吹議員
「これは提言というよりも、私の希望だけれど、今、非常に胸突き八丁の峠を登っているような辛い安倍さんの立場だと思うんですよね。だから、『峠げ道 風 夏空に 吹き抜ける』と。支持率も含めて、皆、謙虚に、おっしゃったように初心に戻って、チーム安倍としてもれなく謙虚に、誠実に規範意識を持って、マスコミにも、国会にも対応してもらいたい、そして支持率を戻してもらいたい」
反町キャスター
「規範意識というのは今日のキーワードですね?」
伊吹議員
「うん」
反町キャスター
「特に今、欠けている部分だという意味で言っているんですね?」
伊吹議員
「これは、第1次安倍内閣の時に、安倍さんが教育基本法を通す時に、好んで用いた言葉です」