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2017年7月27日(木)
蓮舫代表辞任の波紋 ▼ 日本版IR成功のカギ

ゲスト

柴山昌彦
首相補佐官 IR議連副幹事長 自由民主党衆議院議員
大串博志
民進党政務調査会長 衆議院議員(前半)
辻元清美
民進党衆議院議員(前半)
山田惠資
時事通信解説委員長(前半)
ジョージ・タナシェヴィッチ
マリーナベイ・サンズ社長兼CEO(後半)
田中紀子
ギャンブル依存症問題を考える会代表(後半)


前編

稲田防衛相&蓮舫代表 『W電撃辞意』決断の背景
秋元キャスター
「今日午後、民進党の蓮舫代表が、先ほど、稲田防衛大臣が、電撃的に辞意を表明しました。このタイミングで何が2 人に辞任を決断させたのか?前半は衝撃的なダブル辞意表明を緊急検証します。後半ですけれど、こちらの写真を見ていただきたいのですが、この建物、コマーシャルでも見た方も多いかと思うのですが、シンガポールで最も有名なカジノを中心とする統合型リゾート、マリーナベイ・サンズです。この施設のCEO(最高経営責任者)を後ほど迎えて、現在まさにわが国が取り組もうとしているIR、統合型リゾートについて、成功のカギ、さらにはギャンブル依存症などへの対策について、じっくりと聞いていきます。まず稲田防衛大臣の辞意表明について聞いていきます。柴山さん、どう受け止められていますか?」
柴山議員
「実は今日、5時10分から首相官邸で国家安全保障会議、NSCがありまして、私も法定のメンバーとして参加をしていたのですけれども、同じ法定メンバーである稲田防衛大臣もその場に出席をされ、いつもと同じようにきちんとご発言をされ、いつもと変わらない様子でしたので、ちょっと正直言って、今にわかには信じがたい状況です」
反町キャスター
「柴山さん、日報問題、防衛省の大きな問題に当然なっているのですが、この問題はどういう問題だと受け止めていますか?」
柴山議員
「そうですね…」
反町キャスター
「まだ監察が出ていない中でコメントしにくいかもしれないけれども…」
柴山議員
「そうですね」
反町キャスター
「その中で感じる部分を聞きたい」
柴山議員
「よく言われている、省庁として、どういうガバナンスだったのかということだと思うのですけれども」
反町キャスター
「そうですな」
柴山議員
「反町さんがおっしゃった通り、明日、特別防衛監察の結果が出て、それに基づいて関係者の対応とかもきちんと正式に決まるのではないかなと思います」
反町キャスター
「山田さん、稲田さんの今回の辞意を固めたとのタイミング、どう見ていますか?」
山田氏
「明日、発表があるわけですから、報道ベースが先にいったと思うんです。ですから、おそらく政府の、稲田さんは早くから固めていた可能性はありますけれども」
反町キャスター
「ご本人はね?」
山田氏
「ええ。ただ、今日、発表されるかどうかというのは、メディアの側の方の仕事で。おそらくこれがもし発表されていなければ、もしメディアが書いていなければ、明日、結果を受けて責任を取るということだと思うのですけれども。いずれにしても現在、推測されますのは非公表については知らなかったのだということがおそらく濃厚だと思います。そうしますと、フジテレビの『特ダネ』でしたけれども、2月13と15日の会議の中で…」
反町キャスター
「これですね?」
山田氏
「ええ。実は報告を受けていたという、事実と明らかに違う形になる、つまり、陸自の責任に押しつけられてしまうということがあります。ですから、その状態というのは非常に稲田さんと陸自の間の関係が捻じれたままいくことになってしまうということになると思うんですね」
反町キャスター
「普通、閣僚、防衛大臣になるのであれば、政務官をやって、部会長をやってとか、政務官をやって、副大臣をやって大臣とか、これならわかるのですけれども、稲田さんは政務官や副大臣を経験なしに、党の政調会長をやられましたけれども、ポンと大臣になられた。そういったもので、防衛省の実際に現場に赴く人、ないしは現場に赴く部隊を指揮する人、現場に行かせる人と大臣の間に何か距離感みたいなものが生じたのではないかという指摘。これはいくらか、いろんなところから聞こえてきますよ。その件については何か感じる部分はないですか?」
柴山議員
「任命権者である総理大臣は、おそらく今、稲田大臣が政調会長をご経験になったということもご紹介をいただいたのですけれども、いろいろなことを考えて任命をされたと思うんですね。ですから、どういう、現場の方々が意向をお持ちだったかということは直接ヒアリングをしないとわからない部分はあるのですけれども、シビリアンコントロールの観点からすれば、任命された大臣の下で全力を尽くすということに尽きるのではないかと思います」
反町キャスター
「大串さん?」
大串議員
「まず今回の稲田さんの問題は、私は情報隠蔽のための究極の…、真実隠蔽のための究極のトカゲの尻尾切りだと思います。つまり、あれだけ報道で出ているわけですから、稲田さんが2月の段階で、ない、ない、と言われた、陸自による日報の保存、これがあったということを、報告を受けていたのは間違いないですよね。それを…」
反町キャスター
「これで言う、2月の13日ですか?」
大串議員
「そうですね。それをあったと特別防衛監察で明日、言えないから、言えないから、一方で、岡部陸幕長や黒江次官はクビを切られ、しかし、それだと片方がもたない、片方でもてないので、稲田さんは明日、自分が身を引くという形になって辞任と。これで稲田さんはもう何も喋らない、語らない、真実を語らないということになってしまって、もう真実は闇の中と。そうやって全てを皆に少しずつ背負わせて全てに隠蔽をしてしまうと。究極の隠蔽体質だと思いますね」
反町キャスター
「なるほどね。辻本さん、いかがですか?」
辻元議員
「安倍総理の責任が重いと思うのはPKO(国際連合平和維持活動)、南スーダンのPKOについては、昨年の7月から、戦闘状態だと、かなり厳しいということは、これは指摘されてきたし、私達も指摘してきたわけよ。しかし、駆けつけ警護という安保法制の新しい任務をなんとか付与するという、その1つ駒を進めたいということで、無理して、付与しようとした、そこに戦闘と書かれている生々しい日報を公表できないのではないかというような話が絡んで今回の事態を招いていると思うんです。ですから、稲田さん自身の責任も重いですけれども、安倍総理が任命したこと、度重なる、防衛大臣としての問題を起こしていたのに、今回まで稲田さんをかばい続けた、そしてPKOに無理があった」
反町キャスター
「大串さん、今回のさまざまな情報の飛び交い方、これは防衛省だから、実力組織だから、いろいろな形をもって大臣を動かそうとしていったというのはちょっと薄ら怖い感じもするのだけれども。他の役所でもあったかどうかはなかなか証明しにくいのだけれど、どこが政権の時もこの大臣がこうで、ああでという情報、いろいろなところから出てきますよ、出てきました。そういうことを考えると、今回みたいなケースというのは、極めて警戒すべきケースなのか?シビリアンコントロールという観点からですよ。要するに、単に適材適所、人事の問題なのか?どう感じますか?」
大串議員
「すべからく行政庁は不当な情報漏洩があってはいけないと私もそう思いますよ、組織として。情報漏洩をしてはいけないという、上の支持に従わなければならないと思います。防衛省に関する、防衛省、自衛隊に関して言うとセンシティビティもありますから、特にそういうことが求められると思います。しかし、一方で、虚偽の話をしているということがほぼ明らかな大臣に対して、虚偽のことを言わせ続けるということも、非常に良くないと思うんですね。今回、稲田さんは特別防衛監察を受けました。しかし、特別防衛監察というのは、防衛大臣が防衛監察本部に命じて行わせるものです」
反町キャスター
「本来的にはそうですね」
大串議員
「そこで自分が命じた組織に自分がチェックを受けられるわけがないではないですか。本来であれば、この問題は稲田さんの上にいる総理が、国会で総理に言いましたけれども…」
反町キャスター
「質問されましたね?」
大串議員
「総理が、稲田さんにヒアリングをして、事実確認をして、虚偽の答弁をしていないか、どうかということをきちんと自分で確認をして、稲田さんの問題を総理が解決しなければいけない問題ですよ。それをしないから、稲田さんと防衛省、自衛隊との間でのテンションがドンドン高まっていき、陸自にしてみると、なぜ私達は情報を上げたのに稲田さんは知らんぷり、自分だけ逃げようとするのだと、こうなる。稲田さんは虚偽答弁をしたなんて言えないからずっと虚偽の答弁をし続けなければならない。このテンションの中で…」
反町キャスター
「その事実関係はまだ確認されていませんよ?」
大串議員
「ないけれど、でも、ここまで…」
反町キャスター
「もしかしたら、防衛省、事務方の上の方が、そう隠蔽することが彼らにとってもメリットだと判断した、そのお互いのモヤッとした合意形成があったかどうかが、今回の焦点ですから?そこは決めつけない方がいい」
大串議員
「…それは明日、特別防衛監察を見ればわかります。特別防衛監察の中で稲田大臣の関与、知らなかったとなっていれば、それは特別防衛監察自体が真実ではなかったと言わざるを得ないと思います。これだけ報道が出ているわけだから、稲田さんが2月の半ばの段階で日報があったという報告を受けたことは、私は事実だと思うから、それが特別防衛監察というものに表れていなかったら特別防衛監察自体がもう亡きものになったと言うに等しいと思うんですね」
反町キャスター
「そうすると、大串さんの話を聞いていると、明日発表される特別防衛監察というのはお手盛り?そういう印象で見ていますか?」
大串議員
「もし稲田さんの関与及び知っていたということが、報告されていなかったら、特別防衛監察あるいは防衛監察本部という極めて貴重な政府の財産、これは防衛省のこれまでの防衛施設庁とかの問題でつくった第3者組織ですよ、極めて重要なもの、このもの自体の信頼を失墜させたという意味において安倍政権のまた別の意味で極めて大きな責任になると思いますよ」

蓮舫代表『電撃辞任』 決断の背景と裏事情
秋元キャスター
「続いて、今日午後、蓮舫代表が代表辞任を表明しました。柴山さん、どう見ていましたか?」
柴山議員
「熟考のうえの決断だったとは思いますけれども、代表というのは大変重い立場だということは、理解はできましたけれども、他党のことでもありますので、私が軽々にコメントできる内容ではないと思います」
秋元キャスター
「大串さん、いかがですか?」
大串議員
「私も役員の1人として支えてきたつもりではありましたけれども、十分に支えきれなかった、これには責任を痛切に感じます。一方で、そういう中で、蓮舫さんが、都議選の結果、あるいは十分に受け皿となり得ていない現状を踏まえて、ここでいったん自分が立場を退いて、新しい執行部をつくることによって、遠心力ではなくて、求心力、バラバラでない民進党をもう1回つくり直して、それによって受け皿をつくるように自分は身を退くという重い決断をされたということは、残念ではありますけれど、重い決断で、私は価値のある決断にしなければいけないと思います」
秋元キャスター
「辻元さん、いかがですか?」
辻元議員
「残念ですね私は。同じ女性としてがんばってほしかったし、すごく苦しんだと思います、本人、決断するの。私はこれから民進党としての構造的な問題を克服しない限り、どんなに人気の高い人が代表になっても同じことを繰り返す可能性があると思うんですね」
反町キャスター
「何ですか、構造的な問題?」
辻元議員
「それは、立ち位置ですよ」
反町キャスター
「誰の?」
辻本議員
「民進党としての」
反町キャスター
「あっ、党の立ち位置」
辻元議員
「と言うのは、非常に現在、国際的にもややこしい時代だし、政治的な、昔のように社会党と自民党でとか、東西の対立があるという時代ではないわけですよね。そういう中でどういう立ち位置をとるのか?私はリベラル、要するに、中道リベラルみたいな立ち位置ではないかと思っているのだけれども、党内の中でそこの議論がきちんと、もうちょっと突き詰めてやるべきではないかとか。ですから、怖がらずに、次の代表選があるとしたら、本当に次、出られた方は徹底的にどういう立場でいくのか?それは、要するに、他の野党との協力体制とかも含め、それをやると党が割れるからということを恐れているところは国民に見透かされるので、徹底的に議論をすると。そのうえで決まったことには従うというように。蓮舫さんはがんばったと思います、本当に。もともと細いではないですか?」
反町キャスター
「あっ、身体?」
辻元議員
「身体がね。だから、私よりも本当に細くて、本当にしんどそうにしていた時もあったし、ようがんばったと思うのだけれども。だから、党としての立ち位置をきちんと定めていくということが次の代表選の使命と言うか、役割ではないかというように思うんですね」
反町キャスター
「山田さん、蓮舫代表の辞任表明、どう見ていました?」
山田氏
「今日の記者会見で、ちょっと私が注目したというか、気になったのは、都議会議員選挙の敗北を受けての辞任かという質問があって、それに対して蓮舫さんは、都議選は直接の原因ではないが1つのきっかけ、とおっしゃっているんです。つまり、都議選では必ずしもないのだとおっしゃっていて、これは何かなと考えると、党運営というのが大きいと思うんです。1年前に党の代表になられた時に、野田幹事長がプロフェッショナル的には味わい深いものはあったのだけれども、ただ、世間的には非常に冷たく見られていたというので、世間が冷たく見るものというのは、これは世論からそのまま議員と言いますか、主張活動をされている方に跳ね返りますから、これは最初ちょっとつまづきがあったなと思います。それから、党内全体の、細かく言い出すと時間はありませんけれど、派閥のいろいろとバランスの問題もあって。あと政策面では原発問題は一応まとめられはしたけれども、民進党の原発政策はいったい何なのということがシンプルに伝わらないというのはそこにもちょっと問題があった。それから、対案型ということについては別のところで蓮舫さんとお話をした時も、ちょっとこだわり過ぎるのではないかということを申し上げたんです。と言うのは、本当に1度、政権を経験していらっしゃるがために、この言葉にこだわるということは、私はわかるのですけれども、ただ、世の中の人は、安倍さんに対して批判的な人は、対案もいいけれど、とにかく速射砲で批判してほしいという気持ちがあるわけです。そうすると、それに対してはちょっと…、対案もいいけれども、すぐにもっと速く反応してよというところが、ちょっとそこが足りなかったなと」
反町キャスター
「山田さん、次の新代表、名前はいろいろと挙がっているのだけれども、前原さん、枝野さん、玉木さんと出ているのですけれど、どういう代表選になると思っています?」
山田氏
「基本は、玉木さんもこの間、お見えになられましたけれども、前原さん対枝野さんという構図だと思います。それは保守系とリベラル系というここも、しかし、かつてのような党内が割れるほどの議論になるかと言うと、そこは枝野さんにしても、前原さんにしても現実路線です。ですけど、政策論ではそこでは1つと。それから、あとは共産党との関係をどのように見ていくかと」
反町キャスター
「共産党との選挙協力というと、この間、大串さんに怒られたのですが、何でしたか?共闘という言葉だけが1人歩きしないように…」
山田氏
「私は、だから、関係と申し上げた…」
反町キャスター
「そこの部分で言うと、前原さんと枝野さんはそんなに共産党との関係は違ってこないですよね?」
山田氏
「実際、共産の関係者につい先ほど、電話をして、ちょっとリップサービスもあるのかもしれないけれど、そんなには心配していないと。この意味は、前面に出ていくのかは別として、とにかく候補を出さなければ、事実上そこで票が減ると…」
反町キャスター
「成立するわけですよね?」
山田氏
「ですから、そのことに特化していこうというのも共産党の1つの戦略ですから。ですから、できればあまり議論になってほしくないと、そうなると、またアンチ共産党の人達がということに…」
秋元キャスター
「視聴者からの質問です。千葉県の方からです。辻本さんに聞きたいと思います。『野党第1党である民進党に期待する声が高まらず、次の代表候補の顔が思い浮かびません。党として次世代育成ができていないと思います』。いかがですか?」
辻元議員
「それは、私も同じような意見で。たとえば、私達もどうやって出てきたかというと、私なんか、総理、総理…とか、あれはまだ2期生の時だったんですよね」
反町キャスター
「小泉さんの時ですよね?」
辻元議員
「現在、前原さんにしても、枝野さんにしても中堅で名前が出ているけれども、2期生、3期生の時にいろいろな役職に就いて、訓練されて、今日があるわけだから。そういう世代の人達、予算委員会でも、どちらかと言うと、私達も質問しますけれど、バックヤードでできるだけ若手の人を立てるということをやってきたのだけれども、これからも強化しなければいけないと思います」
反町キャスター
「大串さん、京都の方からです。『就任した頃の蓮舫さんはしっかり対案を出していくと言っていましたが、結局、ただただ反対するのみでした。反安倍を叫んでいるだけで、まともな政策が提示できていない現在の民進党には期待できません』というメールも届いているのですけれども、こういう声に対しては?」
大串議員
「国会対応の中では与党の法律に8割賛成しているのですけれども、それでも対案ではない、提案ではないと言われる理由は大きな論点たる憲法とか、エネルギーとか、あるいは社会保障等々の財源問題とか、こういった非常にコアなところでの…、特に私は憲法だと思うんです、そこの立ち位置がはっきりしなかったというところだと思うんですね。私自身はそれぞれ3つに関してまとめるプラットフォームを政調会長として敷きました。この秋に向けた議論ではだいたいまとまる方向が見えたと思います。特に憲法もしっかり議論していけば、一定の党としてのまとまりが得られるぐらいの感じがあるなと私は政調会長として思っていた感じはあるんですね。そういうところをしっかりやっていきたい、やっていってほしいなと思います」


後編

巨大『統合型リゾート』CEOに聞く 『日本版IR』成功のカギ
秋元キャスター
「日本のIR、統合型リゾート、成功のカギについて聞いていきますが、日本にとって参考となるのが、シンガポールの統合型リゾート、マリーナベイ・サンズ。こちらについてまず詳しく見ていきたいと思います。2010年4月に開業しまして、総工費57億ドル、日本円でおよそ4870億円です。敷地面積が15万5000㎡、これは東京ドーム4つ分に相当するということなのですが、この広大なエリアにはカジノの他に、ホテル、劇場、会議場、ショッピング施設、さらに美術館や博物館といった施設が配置されています。年間の来客数がのべおよそ4500万人ということで、総売上げは昨年1年間で、およそ2799億円。その内訳の中でおよそ2164億円がカジノの売上げとなっているということですね。まずはタナシェヴィッチさんに聞きます。サンズ社では、どのような戦略・方針で統合型リゾートを築いてこられたのでしょうか?」
タナシェヴィッチ氏
「IRというものを構築する際には、マーケットに非常に近いものが必要だと考えています。つまりは政府としっかりと協力をする、その地域の産業や経済の活性化につながるようなものが必要だと考えました。また、政府がIRとして観光客向けにどういう目標を達成したいか、その目標に合ったものをつくっていかなければいけません。私どもは、世界のマーケットをいろいろ見て、また特にこのロケーションであれば、また、このマーケットであれば、このようなものが合っているということを考えます。マリーナベイ・サンズというのはシンガポールの政府にとっても非常に重要な施設という位置づけでした。また、プログラムとして国際的な海外から来る観光客を1番引きつけられるようなものが必要だと考えたんです。ですから、日本でも同じようなアプローチをとれるのではないかと思っています」
反町キャスター
「政府の要望に合ったものをつくると言われましたけれども、たとえば、シンガポールでつくる時はシンガポール政府のつくりたいものに、なるべく、合わせようとする、日本でつくる時は日本政府の目標に合わせようとする、そういうことでよろしいのですか?」
タナシェヴィッチ氏
「ええ、そういう考え方で結構です。私自身は、日本に10年ぐらい来ていますし、それから、また、ラスベガスを代表して日本にもずっと来て、いろいろお話もうかがっています。カジノというものをつくるということにおいて、たとえば、アメリカなどの場合は、カジノが全体に占める割合というのは5%程度。また、シンガポールというのはもっと全体的な面積等の割合としては低いわけです。ですから、それ以上に経済の活性化、また、雇用の創出等、いろいろと考えなければいけないことがあると思います」
反町キャスター
「全体の5%以下のカジノが、シンガポールの例を見ていても、全体で2800億円の売上げのうち、2100億円、8割近くがカジノの売上げになっている。ビジネスモデルとして全体の5%の面積しか占めていないものが、売上げの8割を占めている。これは健全なビジネスモデルと言えるのか?過度に集中しているものをどう受け止めたらいいのか、その点についてはいかがですか?」
タナシェヴィッチ氏
「うん、確かにこのようなサイズの施設であれば、基本的に必要なビジネスモデルだと思います。つまり、観光客にとって、また、顧客にとって非常に魅力的なもの、他の観光施設ではできないものが必要だと思うんですね。カジノを運営するということに関しては、それだけではあまり良い投資ではないかもしれません。それだけでは観光客の数も限られるかもしれません。たとえば、お客様がお金を失ってしまうだけになるかもしれない。しかしながら、このように総合的な施設にしていく、IRにもっていくということで、ただ単に観光客を引きつけるというだけでなく、また、カジノからの収益だけということでなく、カジノの収益を他のところに割り当てて他の運営に役立てていくこともできるんです。それもメリットです」
反町キャスター
「そうすると、シンガポールの例というのは、カジノの売上げをホテルやショッピングアーケード、美術館、博物館の方に利益を分配し、ホテルの方は儲かっていないという意味でよろしいのですか?」
タナシェヴィッチ氏
「いえ、ホテル自体は利益もあります。また、小売店舗も利益は上げています。コンベンションセンターというのは、どうしてもリターンが少ないですね。どちらかと言うと、設備投資が莫大にかかります。また、ペイバックということを考えるとおそらく15年ぐらいかかってしまうと思うんですね。ですから、こうしたプライベートセクターがこのような施設に投資をしたがらないというのは、そういう事情もあると思うんです。政府とか、それから、また納税者の説得を得られにくいというのもあると思うんですね。ですから、カジノから上がってくるそうした利益を、コンベンションセンターの運営、また投資の回収に充てていくということ、これが、コミュニティがそれにより利用しやすい、そういうことを促進もしてくれると思います。ですから、利益がないと言っているわけではないです。ただ、設備投資が非常にかかってペイバックの期間も長いようなものの運営を支えてくれる、そうした基盤になってくれるのがカジノだと思うんですね。カジノがそうした意味で支えている部分もあると思うんです」
反町キャスター
「そうすると、5%というカジノの割合が、ある意味、5%ぐらいないと利益が十分出ない、でも、5%を超え10%、20%になってしまうと社会的な批判を受けるかもしれない…。周囲の目からに対するプランと、利益を上げるための最小限割合、これの非常に微妙なバランスが5%にあると、こう見てもいいのですか?」
タナシェヴィッチ氏
「ええ、そういう計算も成り立つと思います。これはマーケットによっても違うと思いますが、シンガポールの場合にはそのような数字だったということが言えると思います。たとえば、カジノの割合というものをあまりに低くもっていくということもできないと思うんですね。そこの要素があまりにも小さ過ぎますと投資のそうした効果が出てこないというような場合もあると思うんです。観光客を引きつけるという意味においても、ある程度の規模が必要でしょう」
秋元キャスター
「今週の火曜日、政府はカジノを含むIR、統合型リゾートの制度設計の原案をまとめました。主なポイントはこちらです。内閣府の外局としてカジノ管理委員会を設置するということで、入場回数制限など、厳格な規制を実施し、反社会勢力のマネーロンダリングを防止するということです。IRの中核施設には、カジノ、国際会議・展示場、美術館や劇場など娯楽施設、さらに国内旅行提案施設、ホテルというものが設置されるということです。さらにカジノの収益は他の4施設の財源に充てるということなのですが。柴山さん、この政府のIR制度設計の原案、どのように見ていますか?」
柴山議員
「はい、おっしゃられたように、政府のIR推進本部の中に設けられたIR推進会議、有識者の方々がいろいろなヒアリングをもとに大枠を一応とりまとめの方向で提示をされているというものだと思うのですけれども、まだ、これから追加の公聴会ですとか、あとはパブリックコメントなどを経て、きちんと固めていくものだと思います。ただ、大きな方向性としては、基本的にはお示しになられたような形ではないかなと思いますし、まさしく、先ほどご紹介があったようなマリーナベイ・サンズと、かなりビジネスモデルとしては近いのかなというように思いますね」
反町キャスター
「レクリエーション施設とは何ですか?カジノ以外のレクリエーション施設はスポーツ系のものとか?」
柴山議員
「そうですね。スポーツ、レジャー、あるいは動物園とか、いろいろな…」
反町キャスター
「動物園?」
柴山議員
「あるいは…」
秋元キャスター
「美術館とか?」
柴山議員
「美術館とか、そうですね、はい」
反町キャスター
「国内旅行の提案施設は、要するに、ホテルでコンシェルジュとかに頼んだりするではないですか、国内ツアー何かありますかと。それの大きなブースみたいなものを中につくると、そういう意味ですか?」
柴山議員
「そうですね、波及的な経済効果をもたらすということを考えると、まさしく日本の、カジノを起点として各地の観光を活性化させる、日本らしさをアピールする1つの窓口にするということを考えると、この窓口機能というのも非常に重要だと思います」
反町キャスター
「柴山さんのその話というのは、つまり、日本にIRができたら、そこが観光のハブみたいになって、日本のいろいろなところに観光客が出ていくよと、こういう意味だと思うのですけれども…」
柴山議員
「そうですね、はい。おそらくこの施設がまさしく窓口、つまり、いろいろな案内をするのみならず、たとえば、おもてなしですとか、料理ですとか、そういった日本の紹介のためのショーケースのような形で、展示場ですとか、先ほど、お話があった美術館、あるいはレクリエーション施設というものが展開されるのではないかと思っています」
反町キャスター
「田中さん、この政府案をどのように見ていますか?」
田中氏
「本当に、今回のギャンブル依存症対策が、カジノをもって大胆に変わるかなと期待していたのですけれど、正直、期待外れだったなと。目新しい対策が出てこなかった」
反町キャスター
「以前、この番組に迎えた時に、IRを導入することについては、ギャンブル依存症と闘われた立場からすると非常に困る一方、その売上げの一部を依存症対策に使われるなら、やむなしと思って賛成すると、こんな話だったと思っているのですけれど、違いますか?」
田中氏
「そうですね、はい」
反町キャスター
「そのスキーム。IRができました、そこから上がる利益の一部がギャンブル依存症対策に使われるという点におけるそのスキームはまだ守られているんですよね?」
田中氏
「それがほとんど公営ギャンブルと同じような方式になってしまったので、私達としては、そういう収益の一部がギャンブル依存症対策ということに、特化して使われてくるものだと思っていたのですけれど、ファンドのようなものがつくられる、そういったものは全て消えてしまっているので、非常に残念に思っています」
反町キャスター
「公営ギャンブルということは教育に使うとか、身障者のためのお風呂カーとか、いろいろなものに使われているではないですか、そういうものにも使われるということに対して不満を感じている?」
田中氏
「と言うか、国と地方自治体が税のような形で、売上げのところから吸い上げるとなっていて、それで地方自治体に責任をもってギャンブル依存症対策をやるんですよということで、分配するというような形になっていて。現在、公営ギャンブルがやっている対策とまったく同じような形になっているんですね。でも、現実はやらないではないですか、地方自治体。これまでギャンブル依存症対策なんてほとんどなかったのと同じなのに、また、これで同じなのかということで。もっと大胆なものとか、まったく違うパラダイムシフトが起こると思っていたのに、そうならなかったということは、すごく残念に思っています」
柴山議員
「ただ、それはちょっと、そうご判断されるのは…」
反町キャスター
「まだ早い?」
柴山議員
「尚早かなと思うんです。おっしゃられたように、あるいはタナシェヴィッチさんがおっしゃったように、他の施設との相乗効果をもたらすためのIRというか、カジノ施設だということももちろんなのですけれど、これだけたくさんの利益が上がれば、それこそ田中さんがおっしゃったように、これまでギャンブル依存症対策は日本ではまともにとられてきていなかったわけですよ、おっしゃる通り。だけれど、これを今回の基本計画の中でギャンブル依存症もきちんと工程表でつくっていくと、そこに予算もつけていくと。税収にしても、あるいは事業者の納付金にしても、使途を、特に、お話になったような、隣接施設のための投下資本に充てるとか、そういうことはまったくなく、一般財源なわけですよ。だから、これからそういうきちんとした計画を立てて、そこにきちんとした形でそのお金を使っていくという仕組みが見えてくれば、それはおそらく納得していただけるものになるのではないかなと思います」
反町キャスター
「納得しますか?」
田中氏
「先生方がおっしゃってくださると、本当に先生方のご尽力がわかるし、先生方はそうおっしゃってくださるんです。でも、官僚の皆さんがつくってきて、出てきたものは違うものになっているんです。だから、本当にIRの先生方やギャンブル依存症対策法案の議連の先生方ががんばってくださっているということは私も重々承知しています。でも、そういうものは出てこないというのが、日本の政治の現状ではないかなと思っています」
秋元キャスター
「ギャンブル依存症対策としてシンガポールではどんな措置がとられているのか?主な依存症対策をまとめました。入場課税、自国民への信用取引を制限する、さらに入場を禁止する退去プログラムには自発的退去、家族による退去命令、強制的排除というものがあるということですけれど。田中さん、こうした対策は有効だと思われますか?」
田中氏
「有効な部分もありますけれども、これだけでは日本は既にギャンブル依存症が蔓延しているので、もっと大胆なものが必要だと思います」
反町キャスター
「大胆なものとは、たとえば?」
田中氏
「何しろ現在、民間の人達が右往左往して走っているわけですから、どれだけの規模感でギャンブル依存症対策をやるのかということ、まず財源ですよね、それも明確になっていないし、国が主導でやると言っても、ほとんどこれまでやられていないのだから、民間の人達がさまざまやってきたものを、どれだけ民間の人達を尊重して、起用していくのかということもまったく謳われていません。そのへんが全然見えてこないので、すごく不安です。シンガポールの方へもやられているところへ視察も行きましたけれども、人口も違いますし、既存の依存症罹患者も全然違うので…」
反町キャスター
「少ないですよね?」
田中氏
「そうです。そこのところだけを当てはめても、日本でうまくいくとは思えないと思っています」
反町キャスター
「柴山さん、いかがですか?日本におけるIR建設に伴うギャンブル依存症対策、これはシンガポール並み、以上、以下?どんなイメージを我々は持ったらいいのですか?」
柴山議員
「率直に申し上げて、シンガポールに学び、それ以上のものを目指さなくてはいけないというように思いますね」
反町キャスター
「なるほど」
柴山議員
「具体的にはエントランスフィー、入場課税ですね、要するに、入場料をとるということですけれども、入場料をとると、それをとり返すために、もっとがんばって賭けちゃおうという人がいるのではないかという意見もあるんですね。なので…」
反町キャスター
「ちなみに、シンガポールはいくらなのですか?入場料?」
田中氏
「7000円ぐらいですね」
反町キャスター
「7000円…」
柴山議員
「7000円、8000円ぐらいですね」
タナシェヴィッチ氏
「100シンガポールドルですので、だいたい70ドルぐらいだと思います。7000円、8000円ですね」
反町キャスター
「結構高いんですね」
柴山議員
「だから、結局、自国民がIR、カジノを利用するにはある程度高いハードルを課そうという趣旨ですけれど。だから、それが本当に機能するかどうかという議論も一部あります。我々は、たとえば、本人のギャンブル履歴というものを徹底してチェックすると。たとえば、マイナンバーカードとかを使って」
反町キャスター
「馬券とか、船券とか、他のギャンブルをする時にマイナンバーと連動するように。パチンコ屋に入る時にマイナンバーを登録して、あなた週3日パチンコ行っていますねと」
柴山議員
「そう、そう、そう」
反町キャスター
「では、ちょっとカジノに入れさせませんよという、そんな感じ?」
柴山議員
「だから、それは1つのアイデアですけれども、要するに、本人の、要するに、ギャンブルの嗜好、どれだけ賭けをしているかということもきちんとチェックし、事業者が一定程度、これはちょっとマズいなという人はそれを弾くような仕組みをつくっていかなければいけないのではないかと。そこにあるような自発的退去とか、家族が止めさせるようにできるようにするということももちろん、当然できるようにしなくてはいけないと思っています。日本において充実しなければいけないのは、カウンセリングだと思います。確かに日本においてはこれまでギャンブル依存症対策というものが十分できていなかったおかげで、できていなかったせいで、かなりパチンコとか、競馬に依存してしまっている方々がいるんですね。そういう方々の生活の立て直しをどうするかということも含めて、抜本的な、コンサルティング、もちろん、医療もそうですけれども、そういった相談体制を根本的に立ち上げる必要がある。そういった知見のある方々にも加わっていただいて、予算もつけて、そういった抜本的な対策を打つということも必要になってくると思います」
秋元キャスター
「日本に統合型リゾートを設置するにあたってさまざまな自治体が誘致活動を行っているわけなのですが。日本で今、取り沙汰されていますのが、たとえば、北海道の留寿都、苫小牧、釧路や、神奈川県の横浜市、大阪府大阪市の夢洲、和歌山県の和歌山市、長崎県佐世保市です。柴山さん、IRの立地を選ぶにあたって重視する条件は?」
柴山議員
「IR推進本部の中に設けられたIR推進会議、有識者の方々がどういう要素を考慮すべきかということについて議論をされていますけれども。まず国際競争力を高めるには、どの立地が相応しいのかということだと思うんですね。観光客が多いところ、あるいは、要するに、人口が多いところ、そういうところが大きな候補になるのではないかなと思いますけれども。また、もう1つは、先ほど、日本の観光のゲートウェイということを申しましたけれど、日本、わが国を代表する施設として相応しいかどうかということをいかにビジネスプランとしてプレゼンテーションできるか、それを当該自治体がきちんとそういった事業者を選定してアピールできるかということになると思います」
秋元キャスター
「本当にこれが日本の経済にとって潤うことにつながるのか?1つの海外の企業が儲かるという話ではなくて、ちゃんと日本にとっての経済的な利益、富の流出にならないのか、というのかというのが気になっちゃうのですけれども」
柴山議員
「だから、まずどういう企業体をつくるかということが大きいです。もちろん、内外資本、無差別ということで、おそらくプラットフォームとか、あるいは運用については、外国の経験のある事業者が加わることになると思うのですけれども。まさしく、たとえば、国内の旅館ですとか、あるいは付帯施設で、日本らしさをきちんとアピールできる環境主体、それから、自治体、そういったところがコンソーシアムという形で、統合して大きな事業体をつくるということによって日本にもしっかりとお金がまず落ちる。それをつくった自治体や関連企業だけではなくて、今、お話をさせていただいた通り、そこをゲートウェイとしていろいろなところに観光客が流れ、そこでもお金を落としていただくというような形で、日本全体が潤うような、そんな産業になればいいなと思っています」

ジョージ・タナシェヴィッチ マリーナベイ・サンズ社長兼CEOの提言 『コラボレーション 法規制 日本のためになる』
タナシェヴィッチ氏
「まずはコラボレーション、協力から始める必要があると思います。いろいろな形態があるでしょうし、また、それぞれの段階で違うと思います。まず初期の段階においては投資の機会というものをしっかりと見極めるということが重要でしょう。政府が事業者としっかり協力して、最終的に達成できる目標を考えること、それによって投資家が参加できるような、IRが成功できるような形にもっていかなければいけないと思います。それに加え、法規制も必要でしょう。適切な立法を行い、規制を行うということが必要です。責任あるゲーミングを現実のものとするためには、いわゆるどこかの当事者だけが努力をすればいいということではないですね。また、1つの対策だけで全ての懸念に対応できるわけではありません。公共との協力も必要です、政府との協力も必要ですし、事業者も協力をして、そこの中で協力ができるような法規制が必要です。日本のスタイルに合った法規制も考えていく必要があるでしょう。また、最終的に、これは日本の政府の方々が観光客を増やそうという目標があるというところから始まるものであれば、日本の市民の人々が、こうしたIRが成功して良かったと思えるようなものにもっていかなければいけないと思います。人々のためになるようなものが必要でしょう」

田中紀子 ギャンブル依存症問題を考える会代表の提言 『ギャンブル依存症対策 もっと大胆に』
田中氏
「ギャンブル依存症対策、もっと大胆にという提言です。IRが素晴らしいことは、私達も重々承知しているし、カジノ自体に反対するつもりもありません。ですので、事業をされる方も私達と一緒に、いや、諸外国はもっと踏み込んだことをやっているのだ、というようなことを是非、一緒に国にアピールしていただけないかなと思っています。先生方もご尽力していただいて、本当にやっていただいていることは重々承知していますので、この秋、対策の本番になると思うので、今一歩、本当に困っている人達に手が届くような対策ができるようにお願いします」

柴山昌彦 首相補佐官 IR議連副幹事長の提言 『世界最高の日本型IR』
柴山議員
「お二人がおっしゃったことをまとめたような感じですけれど。世界最高水準、規制もそうですし、この秋、おそらく対策基本法もしっかりと議論されると思いますけれども、あらゆる面で世界最高の日本型IRというものをつくっていけるようにがんばりたいと思います」