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2017年7月12日(水)
『安倍一強』は限界か 4政治学者が『論戦』

ゲスト

成田憲彦
駿河台大学名誉教授
御厨貴
東京大学先端科学技術研究センター客員教授
飯尾潤
政策研究大学院大学教
中野晃一
上智大学教授

安倍政権の『命運』 支持率急落の本質
秋元キャスター
「今日から3夜連続で、安倍政権、韓国の文在寅政権、アメリカのトランプ政権、それぞれの命運をテーマにお送りします。初回の今夜は急速に支持率を下げています安倍政権の命運を考えます。1強と言われた安倍政権が現在、大きく揺らいでいます。内閣改造、憲法改正、都民ファーストの会などさまざまな視点から、政治学者の皆さんと議論していきます。先週末に調査された内閣支持率です。読売新聞が行った世論調査では支持が36%、不支持が52%でした。朝日新聞が行った世論調査では支持が33%、不支持が47%。いずれも不支持が支持を大きく上まわっている状況です。一般的にこの支持率急落の原因、森友学園ですとか、加計学園問題、さらに側近の問題などと言われていますが、まず御厨さん、この支持率急落の原因の本質、どこにあると見ていますか?」
御厨客員教授
「いろいろなことが言われると思いますけども、安倍政権が持っている、何か本質的に割と窮屈な、すごく肩を張ったような、応対を常にやっているということが、遂に国民の目から見て、これはおかしいという感情を持たせたことが1番大きいでしょうね。つまり、安倍内閣自体はあれだけの議席数を持っているわけですから、本来、何でもやれると思っているわけですよ。また、野党がいろいろなことを言ってきてもそれを最後は、言わせておいて片づけるでやってきたわけですね。それもある時期までは、要するに、良かった。なぜかと言うと、民主党政権があまりに酷かったから。それに比べれば、安倍さんは何かやってくれるということできたのですれけども、そこにそろそろ黄色の信号が灯った。いくらなんでもやり過ぎよということで、この国民の反安倍政権感情というのはそう簡単にいろいろなことをやって元に戻るという感じでは今回はないような気がします」
反町キャスター
「成田さん、官邸にいた立場からすると現在の安倍政権はどういう状況に見えるのですか?」
成田名誉教授
「非常に危険な状況の始まりのような…」
反町キャスター
「どういう印象なのですか?」
成田名誉教授
「この支持率の低下について申し上げますと低下の原因ということが1つありますけれど、もう1つは低下のメカニズムと言うかな、政治力学と言うか、そういうことが非常に大切だと思うんですよ。で、ここに出ている数字は、7月上旬、読売が支持率36%、朝日が33%ですね。この前に6月19日、6月19日というのは通常国会が6月18日閉会で19日、安倍さんが記者会見をやった日ですが、その日の朝刊で読売と朝日が内閣支持率を書きました。それが最近、内閣支持率が低下した最初ですね」
反町キャスター
「なるほど」
成田名誉教授
「その時に、読売新聞は49%、それから、朝日が41%。それから、さらにここまで急落する間に何があったのかと言うと都議会選挙があったんですよ。その都議会選挙によって一段と加速されたということが大切なんですね。それで、都議会選挙が23議席という惨敗になったということがすごくここに効いているんです。それはどういうことかと言いますと、2009年、都議会選挙があって、その後、政権交代、総選挙で…」
反町キャスター
「民主党が大勝した都議選ですね?」
成田名誉教授
「…そう、あります。あの時、自民党は都議会選挙で38議席ですね。あの時は麻生内閣で、内閣支持率はメディアによって違いますが、18%とか、20%、そういう数ですよ。そのぐらいの支持率で、それでも都議会では38議席獲っているんですよ。今度は読売49%、朝日が41%で、なぜ23議席になったかという、ここを押さえなければ、この支持率の低下と今後の安倍政権の命運というのはわからないですよ」
反町キャスター
「成田さん、そこのところだけ教えてください。麻生政権の倍ぐらいの内閣支持率があるにもかかわらず、前回は38議席で今回は23議席です。その理由は?」
成田名誉教授
「あの時、生きていた自民党の地方組織が壊滅したからです」
反町キャスター
「はあ」
成田名誉教授
「それは2012年に自民党が総選挙で政権を奪還した時に安倍さんが、自民党がこれだけ早く政権を奪還できたのは自民党の地方組織のおかげと。2014年に勝利した時も、あの時の谷垣幹事長も自民党の地方組織が自民党の勝利をもたらしたと。これまで自民党を支えてきたのは地方組織なんですよ。それが現在、壊滅してきているということが、私に言わせると非常に危機的なことであって、それが都議選でもろに出たと。その都議選の敗北が非常に大きなインパクトとなって、もう一段下げるというメカニズムが働いたと。これを総合的に見る必要がある。だから、単純に内閣支持率だけで考えると、麻生政権の18%の支持率とか、それと安倍政権のまだ30%保っている支持率を比較しても意味がない。どういう政治メカニズムに現在、直面しているかということが大切だと思いますね」

内閣改造で局面打開?
秋元キャスター
「安倍政権に支持率低下の局面を打開する手があるかを聞いていきます。政権立て直しの1つの策と言われているすのが内閣改造です。安倍総理は今月9日、スウェーデンで行われた記者団との懇談の中で、『結果を出せる態勢を速やかに整える必要がある。来月早々に、内閣改造と党役員人事を断行し、人心を一新する』と表明していて、断行に踏み切る意向を表明したのですけれども、改造の内容については『結果を出すには安定感は重要。骨格はコロコロ変えるべきではない』と述べています。内閣改造が現在の局面の打開策になるのかどうか?」
御厨客員教授
「微妙なところだと思います。安倍さんは、そもそもこの長期政権の間、基本的には改造は嫌いでした。つまり、最初の骨格を維持していくというのを、ずっと取っていたでしょう。2014年にとにかくいくらなんでもと言うので改造したら、たちどころに女性の大臣の中からスキャンダルが出ちゃった。だから、新しい人とか、そういう俗にいう色物を入れることに関して危険だという感じはあるんです」
反町キャスター
「なるほど」
御厨客員教授
「だから、今回までもそれで来て、ですから、今度もあまり変えたくないと言っているのはその通りで気心の知れた連中とやっていきたいというのが基本的にあるんですね。ところが、それと逆に、よく言うように、ここでいろいろな、ちょっと注目を引くような人を入れ、人気回復をしようという動きも一方であって、だから、それをどうするかということなのだと思うんですよ。ただ、安倍さんは何度も言うように、基本的にはここで言っている、まさに安定感重要で骨格コロコロ変えるべきではないというのがアレですからね。しかも、そういう人を入れると、これは第1次政権の時がそうだったのですけれども、結構、新しい人を入れると、これがいろいろ勝手なことをして内閣の全体を乱すことがある、それがもう1つ。それから、もう1つ、内閣改造をなぜやりたくないかというのは、昔と違って、要するに、派閥がもう昔の派閥と違うでしょう。そうすると、だいたい大臣を辞める人は皆、恨みを持って辞めるんですよ。なぜ俺がクビになるのだと思うでしょう。だけど、派閥があれば、その派閥が皆、1つ…」
反町キャスター
「でも、今回は、しょうがないなと自分でも思う人が何人かいるのではないですか?」
御厨客員教授
「あのね、そういう人がそう思わないのが、この世界なの」
反町キャスター
「あっ、そうですか…」
御厨客員教授
「そういうことを思ったら、政治家にはなれません」
反町キャスター
「わかりました」
御厨客員教授
「それで、辞めさせられると、必ず、しかし、従来だったら、派閥の中のいろいろなキャリアパスの中で必ず戻れる保証があった。現在は派閥があると言ったって、そんなもの保証はないですからね」
反町キャスター
「なるほど」
御厨客員教授
「辞めたら、次、本当に政権交代が、そのあと起こっちゃったりしたら、永遠に戻れないよねという感じのところでの改造ですよ。だから、昔よりも改造の効果というのがそもそもあまり良く出るかどうかわからないという状況の中、今回やらなくてはいけないから、これが苦しいです」
反町キャスター
「内閣改造によって反転攻勢するために、たとえば、今言われたみたいに、信頼できる人、それがお友達というカテゴリーに入るのか、またあとで聞きますけれども、そういう人を集めるのか、そうではない、もう1つのグループ、石破さんとか、中谷さんとか、村上誠一郎さんというのはちょっと極端過ぎるかもしれないけれども、安倍さんに対してはっきりと文句を平場で言っている人達を取り込むべきか。どう考えますか?」
御厨客員教授
「だから、それは、安倍総理の器量の問題で。だから、本人が閣議の中に来て、異論・反論を言いそうなヤツは嫌だというのは基本的に彼の気持ちの中にあるから、そうすると、無理にそういう人達を入れて不快な気持ちに座ることはないと。本当に、要するに、政権を長くしようと思って、ゆとりのある政権であれば、異論・反論を入れた方がいいんですよ。それをやることによって全体の、要するに、政治の動きを加速させることができる。だから、そこに安倍さんが踏み切るかどうかということですよね」
反町キャスター
「これまでの安倍さんの第1次内閣も踏まえてきた時に、自分に対して向き合ってくる批判的なトーンを持っている人間を集めた改造はあまり見当たらない…」
御厨客員教授
「いや、やっていませんよ」
反町キャスター
「今回、それをやるかどうか、1つのポイントになりますか?」
御厨客員教授
「ポイント」
反町キャスター
「やると思いますか?」
御厨客員教授
「やらないと思う、それは。だって、これまでの成功体験があるんですもの。そんなことをやって嫌な思いをするよりは、まだこれでがんばろうと…」
反町キャスター
「そのくらい追い詰められているという危機感を…」
御厨客員教授
「いや、追い詰められていると思っていないから」
飯尾教授
「内閣改造で異論のある人を入れたことがないというのは確かにそうですけど、でも、第2次安倍内閣が発足した時は、実は自分と総裁選戦った人を・・・。実は最初は慎重だったんですよ。それを維持するということは非常に良かったのだけれども、だんだん長続きをして、自信をつけて、ちょっと最近乱暴になっているわけですよ。そのことがやや傲慢に見えていて、だから、現在、問われていることは実は内閣改造ではなくて、やり方をもっと慎重にしたり、他人の意見を聞いたりすることですね。その手段として内閣改造に異論を言っている人を入れれば立派ですけれど、内閣改造で何かを入れれば、昔の内閣改造に意味があったのは党内をまとめるためですよ。派閥の団結を再確認する時。これが小泉さんまでは効いたのですけれども、もう現在はそんなことは効果ないし、現在、だいたい1強時代で、党内で脅かす人いないのだから、内閣改造の効果は、現在はないです。むしろ異論とか、なんとか入れられるかというのは政権のやり方のちょっと反省。初心に戻って、団結を固めようとか、少々気に入らなくても一緒にやっていく姿を見せようとか、あるいは政権が始まった時の総理の発言はもっと慎重でしたよね。現在の、国会の答弁の荒さ、さまざまなところで出てくる問題になっているようなご発言はちょっと政権の疲れというか、というものを感じさせる。それをちょっと巻き戻せるのかどうかというのが大きなポイントなので」
反町キャスター
「それは本人の危機感にかかっている、こういう話でよろしいですか?」
飯尾教授
「と言うことだと思います。そういう点で、ところが、今回驚いたのはすごく早い時期に内閣改造の話をしてしまう。これは結局うまくいかないと人事を使おうというのは、権力者の誘惑だけれども、あまり良いことではないですね。ただこの内閣は人事を使い過ぎる。これはお役人も含めて、人事を使い過ぎるところがあって。でも、現在その局面ではないですね。押さえつける局面ではなくて、もっと包容力を持って、落ち着いて対処すべき時期なのにちょっと逆の方向に向いているのではないかと。あまり内閣改造に注目を集めるという、その戦略自体にちょっと問題があるような気がしますね」
中野教授
「安倍さんの支持率を見た時に、前からそうなのですけれど、今回また目立つのは女性の支持が10ポイントぐらい男性より低いわけですね。実は非常に重要なところを掴んでいて、強気の夫、無神経な夫がいて、妻が何か言いたいのだけれども、そのサインに気づかないと、黙っているからいいのだと威張っていた、ある日、帰ってきたら三行半がテーブルの上に乗っているという、そういう状況ですよ」
反町キャスター
「だんだん笑えなくなってきた…」
中野教授
「現在は、だから、これまで大丈夫だったから成功体験と思っていたものが、実はこんなのないだろうと皆、思っていたのにそこを感じない傲慢さがあったわけですよ」
反町キャスター
「なるほど」
中野教授
「そうすると、こうなっちゃった時に、急に慌ててゴメンとか言って、優しくなっても、何?という話になるわけですね。これまでソデにされていた人とか、あるいは国民世論にしてみても何を今さらということで、なかなかこれを変えるというのは、もう手遅れではないかと思っていて…」
反町キャスター
「では、中野さんは改造に限らず、どんな手段を講じても、もう国民の離れた心は取り戻せないと?」
中野教授
「取り戻せないと思います」
成田名誉教授
「永田町の英知として言われることに、内閣は解散の度に強くなり、改造の度に弱くなるという言葉があるんです。具体的なケースはさまざまですが、たとえば、安倍さん、2014年の解散で強くなりました。改造で強くなったケースもありますけれど、下降局面に入った時に、改造では必ず弱くなります。ただ、今度の改造をうまく使う手があると私は思っているんです」
反町キャスター
「どういう手ですか?」
成田名誉教授
「それは、この骨格とか、先生方が言われた本質的なところではなくて、極めて小手先的なことで改造を使える部分があると。それは山本幸三さんを代えて。山本さんは、一点の曇りもない、もう調べません、全て正しいんです。しかし、加計問題を解決、終わらせなければ、絶対、支持率は回復しないです。就任記者会見で記者達に当然、加計問題…」
反町キャスター
「聞かれますね」
成田名誉教授
「聞かれますね。そうしたら、私は再調査をします、資料を調べたら個人的なものでどこかにあるかもしれません、それを調べます、徹底的に調べて、これは国民の前に真実を明らかにしますと言って、加計問題を解決する。どういう答えをそこで出してくるかは政権の方で考えてもらうにして、とにかくこれをタイミングにして加計問題は1点の曇りもない、もう全て勝負はついたということを、全部ご破算にしてもう1度調べますという、これが改造を使う最も賢明なやり方だと」
反町キャスター
「でも、任命権者である総理が山本幸三さんに対して、いいよ、それで、と言っていた総理が、新しい大臣に対しては、お前、徹底的に調べろと言う、このダブルスタンダードは指摘されないのですか?」
成田名誉教授
「いや、だから、それは当然、忖度で調べればいいだけの話ですよ。そういうためにスタッフがいるんですよ、秘書官だとかなんとかというのが。そういう人達が知恵を絞っていると思いますよ」
反町キャスター
「なるほど。そのへんのところにスパイスを効かせれば、もしかしたら今回の改造、多少の跳ね返りはあるかもしれない?」
成田名誉教授
「うん。しかし、既にお話が出ているように、内閣不支持の理由として、安倍さんの人柄が信用できないというのが極めて多く、四十何パーセントと上がってきている状況ではなかなか厳しいものがあるけれども、しかし、加計問題を解決しない限り、内閣支持率は回復しませんよ」
反町キャスター
「そんなにずっと続いていく問題になりますか?」
成田名誉教授
「今の不支持に並ぶ不支持が多かったのは2015年の7月、8月ですよ」
反町キャスター
「安保法制?」
成田名誉教授
「安保法制。安保法制で下がりました。しかし、安保法制は成立してしまえば、もう終わりです。そうすると、反対論は潮が引くように引いていくんです。それでもう終わり。あとは目先を変えて、新しい政策をやれば、回復しますよ。しかし、人柄が信用できない、信頼を失った、こういうものは回復しません。だから、これを回復させるためには、加計問題を解決するしかないですよ」
反町キャスター
「中野さんは、もうダメだという話ですね?」
中野教授
「ダメだと…、要は、信頼できない理由というのが、公権力や国家資産を私物化したと見られたわけですね。日本人はズルいのが嫌いですから。本当に公明正大に全部、見せられればいいのですけれども、その勇気というか、それがあるかと言ったら、たぶんないと思うんですね。追い込められている時に、開けっ広げにできるというのはよっぽどのことで、逆にそういう資質があれば既にやっているわけですから。とにかく逃げ切ろうと、記憶がない、記憶がないと言ってやってきて。しかも、今回の改造も、問題があるというか、大臣を代えちゃえば、違う大臣だからいい、人事局も官僚も代えちゃえばいいと」
反町キャスター
「そう見られたらアウトですよ」
飯尾教授
「ポイントは、大臣を代えて新しい大臣が調査をすれば、ではなく、安倍総理自身の態度というのか、振る舞い方が変わったと見せられるかどうかというのがすごく大きい。改造は道具ですから、それ自体ではちょっと、加計問題を何とかしても、次のものが出るような感じになっちゃうと思うんですよね。おまけに、こういう問題は安保法制と違って終わらないんですね。だから、むしろそれは追及してもしょうがないという状況に持っていけるかどうか。だから、先ほどの話…」
反町キャスター
「そうかと言って、こういった案件で、企業の不祥事みたいに、第三者委員会をつくりました、手練れの弁護士の皆さんに、ヤメ検の皆さんも含めて、調査してください、国政に関してはそういうことはできないですよね?」
飯尾教授
「できないし、してもしょうがないことですよね。現在問題になっているのは、その事件があったかどうかではなくて、そういうことが起こりそうな政権の体質ですよね」
反町キャスター
「それは安倍さんの手でどうやって直していけるのか?」
飯尾教授
「でも、それは第2次内閣を始めた頃には、そういう雰囲気は出してなかったんです、慎重にしていて。ところが、今や慣れているうちにそうなっちゃっていて。たとえば、官僚の人事とか、やり過ぎていて、忖度し過ぎてしまって、注意をしてくれる人も周りにいなくなったという、そういう感じのことが関係しているわけですよね。ちょっとこれは、と言って、いっぺん反省しないとなかなか前に行かない」

批判票の『受け皿』
秋元キャスター
「今月2日に行われました東京都議会議員選挙で、自民党は歴史的敗北を喫したわけですけれど、自民党への批判票の受け皿となることで大躍進を遂げたと言われています、都民ファーストの会ですけれども、小池都知事、先週プライムニュースで発言をしています」
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小池都知事
「国政の方の話を私がするのもアレですけれども、たぶん現在、国民や都民の間では、ゴルフで例えるならば、いわゆるスライス…」
反町キャスター
「右に曲がる?」
小池都知事
「…曲がるスライスのボールと、それから、フックのボールで、現在フェアウェイが空いているんですよ。で、フェアウエイを狙った、今回」
反町キャスター
「なるほど。真ん中は組織化されていない無党派がそこにいる?」
小池都知事
「無党派、そうですね、中間層がたくさんおられると思いますね。右過ぎてもいけないし、左過ぎてもいけないということなのだろうと思います」
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反町キャスター
「御厨さん、いかがですか?小池さんの戦略をどう見ていますか?」
御厨客員教授
「なかなか見事だと思うんですね。安倍さんとの関係については、あまりはっきりとおっしゃいませんよね。本当はかなり思想的には似ているはずですよ。でも、それは言わない。それから、都民ファーストの今回集まった人達もどういうイデオロギーで、どういうことをしたいのかというのがまったくわからないまま、皆、当選しちゃったという状況ですから。そういう点では真ん中が皆、空いているというのはその通りなのだけれども、開いたままで終わりだったら困りますからね。うん、だから、そこのところは次に小池さんが何を言うかということにかかっていますよね」
反町キャスター
「中野さん、小池さんの選挙戦の戦いぶり、どう見ているのですか?」
中野教授
「政治が単に技巧の問題であればうまかったのかもしれないですけれども」
反町キャスター
「技巧?」
中野教授
「要は、だから、今回、ここを狙ったという言い方をしていたではないですか。それにお二方もおっしゃったように、実際にはかなり安倍さんに近いわけで。実際あとで出てくるかもしれませんが、若狭さんが国政政党云々と言っている時に…要は、憲法改正というところで一緒だということを言っていて。ただ、都議選の時、まったくそんなことは言わなかったわけですよね。各種メディアの調査に対しても答えない、無回答、無回答ときていたわけですから。極めて不誠実なことをやっているのだと思うんです、そういう意味では。だから、それは技巧の問題でいい話なのかということと、あと日本の場合では、地方レベルでは、いわゆる大統領制、2元代表でやっているから、ある種のカリスマだったり、ポピュリズムだったりというのがある程度、うまくいくけれども、議院内閣制というのはチームプレーですから。だから、安倍さんて別にポピュリストではないですね。小泉さんみたいな例外を除けば、ある程度、同僚に好かれてとか、うまく合従連衡やらないと政権に就けないというメカニズムです。だから、もっとはっきり言っちゃうと、小池さんもそうですし、舛添さんもそうですし、石原慎太郎さん、もっといくと青島幸男さんまでいっていいのかわからないですけれども、保革対立が崩れた以降の時というのは、国政で行き詰った人が知事になるわけであって。そのあと、知事になった人が国政にまた飛んでいくというのは、それこそ細川さん、武村さんみたいな、あの時のあれだけの例外の話で、橋下徹さんも含めて、まだそこにポンと行けた人はいないですよね。と言うのは、ルール、ゲームが違うから、石原慎太郎さんが明らかにそうですが、都知事としての方がはるかにやりやすいわけです。ところが、議院内閣制になるとそんなに人望がない、集められないとなりますから。小池さんも、よっぽど自民党が過半数割れしてあの時の細川内閣みたいに少数派だけれども、主導権が握れるという状況が生まれない限りは、彼女を戻して何とかというのは、よほど危機的な状況にならないとなりにくいので。だから、これは一過性のブームで終わる可能性が非常に高いと思いますね」
反町キャスター
「技巧と言いましたけれども、その技巧なるものが、かなり優れた技巧だったからこそ、五十何議席もダーンと獲った、自民党を23議席まで落とし込んだという、この技巧というものを小池さんが持っている限りにおいて受け皿となり得たわけではないですか。国政において、先ほどから解散の話も出たりしていますけれども、国政においての受け皿というのは、小池的なるものというのは、野党の各党の皆さんは持っているか?」
中野教授
「まだまだ力が足りないと思いますね。それは民進党を筆頭にして結局、現在、蓮舫さんのことでまた問題になっていますけれども、都議選もそうだったですけれども、全然、発信力がないというようなことで、まだまだ問題だと思うんです。私の見た感じだと、現在の局面というのは、政権交代が起きると思っている人はほとんどまだいなくて、とりあえず安倍さんである必要があるのかというところになってきていると思いますね」
反町キャスター
「世論は自民党内の政権交代を望んでいるのですか?」
中野教授
「そうだと思いますよ、当面は。だって、実際に解散総選挙があるとほとんどの人は思っていないし、必要があるとも思っているわけではなくて。第1段階としては、少なくともこれが次に誰になるのかというのはともかくとして、要は、日本で言えば長期1党支配というのは、もう55年体制でやっていたわけですから、半ばそこに似ているところもあるわけです。そうすると、少なくとも現在の段階では別に安倍さんでなくてもいいのではないの、もうちょっとマシな人、あなた達いないの、ということになっているのだと思うんですね」
反町キャスター
「自民党への問いかけだという理解ですね?」
中野教授
「問いかけというか、もう、だから、このままいくのですかということ。ただ、離れていく場所がまだないというところで。都議選の場合には小池さんが技巧的にうまくやったから、受け皿になったけれども、国政でまだそれができない限りにおいては、急にグッと動くということはちょっと考えにくいのではないか。そもそもよく考えて、自民党と公明党が普通に、常に選挙協力を国政ではしているのに、民進党は丸腰で行って小選挙区制で敵うわけがないわけですから、共産党とやるのは当たり前だと思います」
反町キャスター
「当たり前?」
中野教授
「当たり前だと思いますね。そのうえで現在とにかく目指していることは何かと言ったら、3分の2を阻止するということがポイントなわけですね。そうすると、これで政権が大きく揺らいで倒れる可能性が出てくるということになりますから、段階論の話だと思うんですよ。一気にそんなにグワッとこう動くということではなく、まずは安倍政権を退陣に追い込んで、もうちょっと信頼を回復して、その中でいったい連立政権ができるのか、どういう政権になるのかはわからないけれど、野党がもっと力をつけてくるということになると思いますから。急に受け皿があって、今すぐ明日どうこうということでいいのかと言ったら、そんなに軽薄なものでもないのではないのかなと」
反町キャスター
「段階論、プロセスとしての民共協力という意味ですか、それは?」
中野教授
「そうですね」
反町キャスター
「最終的には、別れを前提とした同居?」
中野教授
「いや、そういうことではないです。政策的、だから、同じ方向を向いていて、そもそも政策アジェンダというものは与党側の方が既にこう提示できるという強みがあるわけではないですか。それに対してどうやって反対していくか、どうやって対決していくのかということにもなってきますから、その中では民進党と共産党が協力できる余地というのは十分あると思います」
反町キャスター
「それは、アジェンダも含めて、共通政策みたいなものを打ち出して?」
中野教授
「既にやっていますよね。実際、国会でも共闘しているし…」
反町キャスター
「非常にピンポイントの、たとえば、大きな話、安全保障だ、憲法だというところを、僕ら常に聞かなくてはいけなくなるのですけども」
中野教授
「でも、それ言ったら、自民党と公明党はそんなに一緒ですかね?憲法に関してもこのあと出ると思いますけれども、山口さん、言っていることは違うと思うし。公明党の人に自民党、あるいは日本会議と憲法の考え方は同じですかと言ったら、たぶんすごく嫌な顔すると思うんです」
反町キャスター
「なるほど。飯尾さん、いかがですか?」
飯尾教授
「でも、ただ、政党の協力というのはそれぞれの政党がちゃんと地盤があっての話ですね。民進党が現在問われているのは、政権を獲る党ということだと、その期待が失われると、急速に支持基盤が弱っていることです。だから、政治のあり方をもう少し変える。政党と有権者の関係を変えようとか、安倍さんは任せてくれだけど、自分達は皆に相談しますとか、あるいは政策的に言うと、大きく空いているところを、ちゃんと獲りにいかないといけないです。だから、現在のところは、政権に対して反対と言うことは、これは現在の日本ではなかなかある程度以上、するなら共産党で十分ですね。だから、それと違う役割を民進党は果たさないといけないから、自分でアジェンダをつくることができないとある程度以上の規模になれない。だから、数十人の政党でよければそれはあるのですけど、現在の民進党は数十人ではもたないようになっていて、100人以上、150人というところをまず獲らないと次にいけないということ。ところが、なぜそうならないと…、第3極が出ちゃうわけですね。それを防ぐためには求心力を持って、ある程度の中心性を民進党は持たないといけないから、その部分を10年かかる覚悟をしてもいいから、地道に努力していることを国民に示せばいいのだけれど。政権が失敗したから、それを追及するのは当然ですが、それしかしていなければ、それ以上勢力を伸ばすことが難しい。と言うことがあるので、もう少しちょっと多面的に見た方がいいのではないかなと思います」
反町キャスター
「御厨さん、都議会議員選挙において、民進党からワーッと皆が逃げ出した1つのタイミングは、連合東京との都民ファーストとの政策協定というのがあったのではないですか?」
御厨客員教授
「ありましたね、はい」
反町キャスター
「あの時に皆、驚いたのは連合は都民ファーストとやるのだ。いよいよ選挙に厳しい人は民進党にいてもしょうがないなと、離党だと、都民ファーストに行くのだと、バッと流れが始まりましたよ」
御厨客員教授
「一斉にそういう流れがありましたね」
反町キャスター
「飯尾さんが言われたような、支持母体との連携というのを考えた時に、連合というのが、都議会議員選挙でこういう形になりましたけれども、国政選挙に向けた時に、連合が民進党との関係性、どのぐらい強く今後も維持できるのかどうか、心配する部分というのはあまりないですか?」
御厨客員教授
「いや、それはずっと皆が心配しているのだと思いますよ」
反町キャスター
「心配している?」
御厨客員教授
「うん、だから、連合よどこへ行くという話ですからね。うん、しかも、もう安倍政権からは完全に相手にされなくなって、保守から相手にされないのは、それでいいのですけれども、ではと言って、まさに言われたように、国会の中のどの政党に期待をするかというところが、これは連合も揺れていると思うんですね。民進党の方もお互いに揺れていますから。だから、これは連合の方も新しいイメージ出せないからです。いろいろな現在、安倍政権が出してくる政策に対して、結局はそれを黙認していますからね。そうではなくて、新しいテーゼを出せるかどうかということだと思いますね」

どうなる?憲法改正
秋元キャスター
「そうした中、憲法改正がどうなるのかを聞いてていきますけれども。今年の5月ですけれども、安倍総理が自民党総裁としてビデオメッセージで発表しました憲法改正に対する考えです。『憲法9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』ということですけれども。中野さん、この安倍総理の憲法改正への意欲をどう評価されますか?」
中野教授
「結局、森友学園が新年に入って、新年に入った段階では早期の解散総選挙をやるかという話で始まったわけではないですか、ところが、森友の事件が出てきて、1月、2月とドンドン守勢に立たされていった。その中で結局、改憲の札を切っちゃっているわけですね。追い詰められた状況で、要は、自分自身が主導権を失っちゃマズイということで、求心力を高めるためにかなり唐突な形で、しかも、いろいろな手続き的にもどうなのだと、自民党内も含めて、しかも、それが読売新聞を読めとか、ちょっと考えにくいようなことをやってくるということの中で、一連の私物化というところと重なってくると思うのですけれども、憲法の問題も私物化しちゃったんですよ。自分の問題にしちゃったわけ。要は、安倍改憲という話になってきちゃったんですね。そこの弱さがあると思うんですね。結局、なぜここまでこの人に付き合わないといけないのという話が、いろいろなところから出てくるわけですよね。それは別に左からだけではなくて、右からも出てくる話になってくるわけですから。そうすると、安倍さんの求心力の低下と政権の揺らぎというものと、改憲ができるのかどうかということもしぼんできますから、私みたいに反対の立場からすると、安倍政権を倒すのが安倍改憲をおしまいにする1番速いやり方なのだなということになるわけです」
反町キャスター
「なるほど。御厨さん、そうした中で、先日の山口代表の発言、『憲法は政権が取り組む課題ではない』という、この発言が前後いろいろ、山口さん、非常に丁寧に説明されるので、改憲というのは政党がやることであって、政府がやることではないという説明がある中で、こういう発言ですけれども。ただし、言うタイミングというのが、政治の部分ではないですか?」
御厨客員教授
「はい」
反町キャスター
「敢えて都議選で負けたあと、翌日に毎日新聞でインタビューを受けて、憲法改正の日程は変えませんと言った総理の新聞を読んだあとのこの発言ですよ。公明党の意図はどこにあると見ていますか?」
御厨客員教授
「公明党に対しても自公連立で20年と言いますけれども、自民党はここのところ、ずっと公明党が本音では嫌がることをとにかく無理やりやってきたわけですよ。やっている時に…」
反町キャスター
「安保法制とか、そういうの…」
御厨客員教授
「安保法制ですよ。その嫌がることをやる時に何度踏みつけても、絶対、雪駄の雪のように必ずついてくるというので、あまり、要するに、コストをかけなかった。公明党はどうせついてくるというというのでね。これは逆にやられた方からしたら恨みは残りますからね。要は、自民党とやってもいいけれども、ずっとやっていくと、常にこういう仕打ちかということになるのでね。そうすると、この憲法の問題は前々から山口さん、とにかくこれは、要するに、うーんと思っていたところですからね。ここで一矢報いたということだと思いますよ」
成田名誉教授
「憲法改正というのは何かを変えたいからやるんですよ。ところが、これは今と全然変わらないでしょう。何のために?現状、1項、2項をそのままにして、今、解釈で認められる自衛隊を書くというだけでしょう」
反町キャスター
「自衛隊の違憲合憲論議に終止符を打ちたいという趣旨の話を、総理はされています」
成田名誉教授
「いや、だって、政府は合憲だって言っているのだから何も変えないわけですよ。では、何のために改憲をやるのかと、中野さんの言われた安倍改憲というのは、改憲のための改憲、そういう改憲は成功しない。それともう1つ、こういう状況になってきて心配しなければならないことは、国民投票にかけたら否決されるかもしれないという可能性が出てきているということですよ。可決させるために、国政選挙の時に一緒にやると。だから、自民党に投票するから、一緒に憲法改正もOKと、よし、ということで投票するだろう、こういう考え方ですが。しかし、投票自体は別ですから。この総選挙の投票、誰に投票して、はい、次は憲法改正の投票ですと、投票用紙をもらって、それに投票するわけだから、それは独立してやるわけでしょう。日本人はバランスをとるから、自民党に入れたけれど、こちらの方はバツにしようと言って、憲法改正の否決の可能性ということを現実に織り込んで考えなければならなくなってきた。これは非常に大きな状況ですよ。それから、もう1つは、憲法改正スケジュールを公に出して、自民党の憲法改正推進本部が、そのスケジュールで動いていますから、もうこのスケジュールは変えられない。そうすると、3分の2を失うような解散総選挙は現在できない。そうすると結局、任期満了選挙になる。そうすると、解散権を封じられた政権になるということも考えなければならない。憲法改正というのは非常に難しい」
反町キャスター
「追い込まれ解散というのはだいたい負けますよね?」
成田名誉教授
「そう。任期満了選挙になりますよ。そういう状況を考えると憲法改正…、だいたいこれは理論的根拠のない経験則なのだけれども、政治家というのはだいたい得意の分野で失敗するんですよ」

総裁選と『ポスト安倍』
秋元キャスター
「安倍政権の命運について話を聞いていますけれども。来年9月の自民党総裁選がありまして、そこで安倍総裁が再任されると安倍政権が続くということになるわけですけれども。成田さん、この総裁選の行方をどう見ていますか?」
成田名誉教授
「1年以上先の話で、永田町で1年以上先がどうなっているかというと全然わからないですよ。ただ、これも理論的根拠のない、経験則から言えることは、任期延長したリーダーはその任期延長を享受できないというのがだいたいの経験則ですね。つまり、自分の次の代から任期を延ばしてやってくれというのが普通のやり方で、私の代から任期を延ばしてくれというのはだいたい成功しないというのが、勘ですけれどね」
反町キャスター
「なるほど。それは、来年9月までの間にポスト安倍の人達がボコボコ出てきてと、そういうことも想定されますか?」
成田名誉教授
「結局、自民党総裁になる最大の条件は選挙に勝つことですよ。だから、安倍内閣の支持率が下がっていく、加計問題が解決できない、安倍さんは信用できないということになっていけば、自民党としては選挙に勝てる者を、少なくとも大きく負けないリーダーを選ぶという力学が当然、働いてくる」
反町キャスター
「スケジュール的に総裁選のあとの総選挙という前提で話になっているわけですよね?」
成田名誉教授
「憲法改正をやればね」
反町キャスター
「中野さん、いかがですか?総裁選、どう見ていますか?」
中野教授
「総裁選の前にもう決着がついていると思うんですね。要は、総選挙というのが総裁選のあとにくるということよりか、前に来る可能性の方が高いだろうと。それは、憲法改正が発議できるか、できないかということも含め、要は、だから、安倍さんの現在の状況からすると発議ができない可能性があって、できないけれども、政権を延命させるほどの本人のモチベーションがあるのかということがあるわけです。加計の問題はそんなに簡単に片づく問題ではないと、どうも不支持の理由というのが信用できないということになっていると。その中で、もともとアベノミクスがやりたくて政権、政治をやっている人ではないですよね。そうすると、憲法改正ができない、そういう雰囲気になってきて、リスクが高過ぎる、自民党の中でも反対が出てくるという中でわざわざ政権を延命させるということになるのか。破れかぶれで解散総選挙にいったとしたならば、その段階でもし彼が勝てば、おそらく総裁選の問題は既に解決しちゃって。そうではなく、負けていれば、逆に次の人が決まるでしょうから。なかなかここまでもつれ込むということは、私はないのではないかなと思っています」
反町キャスター
「飯尾さん、来年の総裁選挙までの流れ、どこに注目されていますか?」
飯尾教授
「まず1つは、安倍総理自身がどう考えるか。考えにくいことだけれど、憲法改正を本当にしたければ、自ら身を引いて…」
反町キャスター
「えっ?」
飯尾教授
「逆に言うと、もう少しソフトな人を総理にして、合意形成して、憲法改正につなげるというのもあり得るでしょう。日程をおっしゃったと言うけれど、一応、それで突き進むというほどでもない。国民投票で通らないといけないと考えれば、そういう可能性もあるし、逆にそういうことではなくて、時間をかけて維持するのだということもあるでしょう。あるいは支持率が下がって争いになって負けるということもある。これはこのひと月の変化の激しさを考えると、1年後についてはいろいろな可能性を考えた方がよい。それほど、でも、これまでの安倍総理のことからすると、実は憲法改正の中身にも拘らないし、何かしたという成果を求めているので、その点には実は柔軟性があるように思えるんですよね」
反町キャスター
「なるほど」
飯尾教授
「だから、その点ではちょっとまだ変数が多過ぎで、どう総裁選に結びつくか、ちょっとあると思います」
反町キャスター
「御厨さん、いかがですか?」
御厨客員教授
「安倍さんは、前も言いましたけれども、2度目の総理という意識、非常に強いですからね。そうすると、1度目はああいう形で辞めたと。そうすると、2度目の総理としてどういうふうに自分は辞めるかという、これは考えると思うんです。だから、総裁選、それは確かに3期ということを決めましたけれども、しかし、それに臨むかどうかということも、そういう、つまり、政権の寿命というものを考え始めると、それとの関係で、その関数でご本人が判断するということはあります。だから、憲法改正の問題も、それを踏まえてくるので。永遠にこの内閣が続かないということは本人自身が1番よくわかっているわけですから、そうすると、あとはどう美しく退陣をするか。1次政権の時はみっともなかったですから、何度も言うように。それを考えたら、その先に総裁選に彼がどう臨むかという話も出てくるような気がしますね」
反町キャスター
「それまでの間に、では、自民党の中で、ポスト安倍と呼ばれる人達が育ってくる?僕らが見て、この人、いいねという感じになってくるものなのですか?」
御厨客員教授
「これも本当に残念ですけれども、安倍さんに押さえられていたというか、安倍さんが2度目の総理になって強過ぎたせいで新人がなかなか新人として認められないというところがありますが、しかし、先ほど、どなたかが言ったように、次の総選挙で勝てないことになったら、その時に、我こそ勝てりと勝つことができると言う人は出てくると思いますよ。で、そういう中にこれまでいろいろ名前が挙がっていない中で、出てくる可能性は、かつての自民党だったら十分ありましたから。それが出てきて、やっさもっさしているうちに、場面転換というのがあると思います」

中野晃一 上智大学教授の提言 『国会で国民に説明を』
中野教授
「国会で国民に説明をということですけれど。これまでお話してきたみたいに、強気でいって、他の人の言うことを聞かないでいけばいいと思っていて、帰ってきたら、三行半を突きつけられた状態にあると思っていますので、もう手遅れだと思うんですね。だけど、憲法も国会も面倒くさいという、ここまで態度が露骨な首相はいなかったわけで。向こうに国民がいて、議院内閣制の中できちんと説明しないといけない。それができないのだったら、辞任しないといけないという、こういう基本的なことだと思います」

飯尾潤 政策研究大学院大学教授の提言 『肩の力を抜いて 他人の意見を聞く』
飯尾教授
「政権の立場になってみれば、肩の力を抜いて他人の意見をよく聞くことですよね。それが欠けているから、ここまで危機になっちゃっているんです。それがちょっと反省できるかどうかというのが最大のポイントだと思います」

成田憲彦 駿河台大学名誉教授の提言 『無信不立』
成田名誉教授
「これはおそらく、この番組で最も多く出ている言葉だと思うのですが、最近も片山さつきさんがこの言葉を言っていました。信なくば立たず。これは言うまでもなく論語の孔子の言葉ですが、弟子の子貢が、孔子に政治で大切なものは何かと聞いたら、1つは食、食べること、経済です。2つ目は兵、安全保障、それから、民に信頼を得ることだと、その中の最も大切なものは何かと言うと結局、信なくば立たず。ところが、これは、ここに出演される、特に自民党の政治家の方が非常によく挙げますが、皆さん、小泉総理の好んだ座右の銘として紹介されるんですよ。それもそうだけれど、それを聞くと、私は現在の議員は若いなと思って。これはもともと三木武夫さんが好んだ言葉ですね。つまり、田中角栄の権力、権力ということではなくて、信を得なければ政治はできない。今日の話の中で中野さんも強調されていましたけれども、信ですよ。今、安倍内閣に1番大切なものは、この信を得ると。そのための改造をやるということだと思いますね」