プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2017年7月10日(月)
総力検証『G20外交』 北ICBMと圧力強化

ゲスト

小野寺五典
元防衛大臣 自由民主党政務調査会長代理 衆議院議員
岡本行夫
外交評論家
三浦瑠麗
国際政治学者

北朝鮮めぐる5か国首脳 制裁強化か?対話重視か?
秋元キャスター
「先週、ドイツのハンブルクで開かれた、G20、主要20か国首脳会合。北朝鮮によるICBM(大陸間弾道ミサイル)発射以降、関係国首脳が初めて一堂に会することになりました。各首脳会談の場でどのような議論が交わされたか。北朝鮮をめぐって交錯する各国の思惑を読み解き、今後の国際情勢の行方について議論をします。G20サミットの会談の中身、見ていくのですけれども。まずはこれまでの北朝鮮をめぐる各国のスタンスを確認しておきます。今月4日に、北朝鮮がICBMを発射したことから、国連安保理では制裁強化を求める報道声明が議論されたのですが、まとまらず合意に至りませんでした。G20サミットでも、北朝鮮問題が大きな議題の1つになったのですけれども、首脳宣言には盛り込まれませんでした。こうした足並みが揃わない背景には制裁強化を求める日本とアメリカ、対話を重視する中国、ロシアとのスタンスの違いがあるということですけれど。こうした中でG20サミットでは米中首脳会談が行われ、中身について中国の外務省からは『中国としては朝鮮半島非核化と平和安定維持に向け対話による問題解決を一貫して堅持することを強調した』という発表がありました。一方、ホワイトハウスからは一切発表はないですけれども。まずは岡本さん、トランプ大統領は中国側が発表している対話による問題解決というのを受け入れたというわけではないですよね?」
岡本氏
「それは、そんなことないでしょうね。それは制裁をドンドンこれからもきつくしていかなければいけない。アメリカは制裁まだ十分やってきていないんですね。たとえば、イランに対してかつてアメリカがやった制裁の方が現在、北朝鮮に対して行っている制裁よりも強いですよ。イランはそれに音を上げて核合意というところへ国際社会と、要するに、ヨーロッパ及びアメリカと締結に至ったわけです。そのぐらい厳しいものだったわけですね。特に2次制裁と呼ばれる、北朝鮮と取引をしている、あるいは関係のある人に支援をしている企業、銀行、こういったものをまだ十分、アメリカは制裁してない。これからそれを強化していくでしょうね。だから、習近平さんの対話による問題解決というのは、彼は受け入れていないと思いますよ」
反町キャスター
「三浦さん、アメリカの北朝鮮に対する向き合い、どう見ていますか?」
三浦氏
「だいたいですよ、アメリカの政権はラーニングカーブと言うか、中国に対してお勉強をするというカーブがあるわけですね。最初は、選挙戦中はどんな政権になったとしても、とりあえず中国をバッシングしておくと。ただ、政権につくと、これは中国が、外交がなかなかうまい部分もあるので、それなりに米中2国間で大国の政治外交を仕切っているような気がしてくる。ただ、暫くすると、中国が自分の影響力を過大に演出し、単に自分の国益を冷徹に追求しているだけだという、当たり前の事実がだんだんわかってくると。たぶんこの第3段階目にまだ到達するか、しないかぐらいの感覚なのではないかなと思っているんです。特にこのXデーなんて騒がれたような北朝鮮危機に関しては、中国の影響力があれで変な意味で高まってしまったと。つまり、アメリカが中国に過大に期待するが故に、それを中国が鷹揚な形でなんとなくがんばって見せる、100日とか言ってみる。結果として、中国ができないことも含めて、過大に演出していたということが、わかっているか、わかっていないかと言うと、わかっていない可能性がある…感じが」
反町キャスター
「未だにトランプ大統領は中国に対して期待感を持っていると見ます?」
三浦氏
「ここで、米中首脳会談、でアメリカ側のコミュニケーションをメディアにしないというのは、何か若干、中国に対して正面否定、ここで対決姿勢という感じではないのだということまではわかります。怒っていれば出すだろうと。怒っていないということは何らかの誤った期待があるのだろうと思わざるを得ないですね」
反町キャスター
「どうですか、岡本さん?三浦さんの…、黙っているのは薄々期待感、ほのかな期待感が残っているから黙っているのではないかと」
岡本氏
「うん、何か計算があってそうやれば、あるいはやらないならば、まだいいですけれど。何かちょっと取り進め方がお粗末ではないかという気がしてなりませんけれども、全体がね」

米トランプ政権の実情は…
小野寺議員
「5月に訪米して、国務省、国防省と協議をする時にも実はカウンターパートがいないんです。閣僚はいますが、閣僚の下のクラスがいないので、未だに事務官が2階級特進みたいな形で代理を務めて私達に話をする。そういうのが続いているとすれば、首脳がこうしようと言っても実際それを詰めるスタッフがいなければ、最終的には前に進まない。前に進まないので結局また首脳が動くしかない。私は、わかりませんけれど、トランプさんと安倍総理の関係、電話会談かなり頻繁ではないですか、これまで。だいたい首脳間で話をすると下の人達が詰めていろいろなことをしていくのですが、それができていないので、私はこんなにしょっちゅう首脳間で電話をしないといけないのかなと」
反町キャスター
「頻繁であることは、もしかしたら、あんまり良いサインではない?」
小野寺議員
「それは仲のいい、あるいは関係が深いことはいいことなのですが、ただ、大統領の仕事、総理の仕事は、忙しいではないですか。そうすると、当然、会社の社長がこれを指示すれば、その下の部長とか、課長がそれをきちっとやる、詰めていくというのが普通の組織です。それがしょっちゅう社長が全部、命令を出して、ああして、こうしてとなると、社長もなかなか疲弊してしまうし、指示もなかなか一貫しないこともあります。そういう意味で、私は早くこの中の体制をしっかりと詰めてほしいと思うのですが。1点気にかかるのはこれまではなかなか次のポジションの高級官僚をトランプさんが指名しないということもあって、指名すれば議会が承認して埋まるのではないかと思っていたのですが、最近は様子見をしている指名される候補がいて、普通なら指名されて、私は指名されるなと入閣を待つような形で待つではないですか?ところが、実際今回、5月の時点ですが、そういう方々に聞いたら皆まだ様子を見ていると。ひょっとしてこの政権に指名されて入って、かえって自分の経歴に傷がついたら困る。だから今ちょっと様子見をしよう。そういうちょっと非常に複雑な状況であるので、こんなことはたぶんめったにないのですが、むしろ日本政府から、早くアメリカの政府の中でしっかり対応していただきたいと。ただ、安全保障面に関してはマティスさん、それから、ティラーソンさんがしっかりしていますので、そこはある程度ガッチリしていると思うのですが。いろいろなところで実務的にまだ動いてないという、そういう印象があります」
反町キャスター
「そんなことがあるのですか?」
岡本氏
「いや、そういうことだと思いますよ」
反町キャスター
「指名されても、この政権に入ったら自分のキャリアに傷がつくから、受けるか、受けないかみたいな」
岡本氏
「それから、もう1つは、ホワイトハウスの方が意図的に使命を遅らせているという面はあります。要するに、ティラーソン国務長官、マティス国防長官、マクマスター安全保障担当大統領補佐官、逸材ですよ、皆。誰しもが認める優秀な人達。だから、その人達が完全に外交政策を固めてしまうということをさせないで、ホワイトハウスが自分達でまだ大枠をつくっているのだという時には、ティラーソンさん、マティスさんの両腕をもぎ取っておく方が便利、便利と言うか、その方がいいという、そういう判断もあるのではないかと疑う人達は多いですね。それから、メディアとの関係ということになると報道官と副報道官、これが歴代の政権の中でも最悪に近い人達ですから。申し訳ないけれども、本当に何を言っているかわからない人達ですから。そういう個人的な資質の問題もあるのではないですかね」

日中韓&中露首脳が勢揃い 北朝鮮対応の『温度差』は…
反町キャスター
「北朝鮮に対する各国の姿勢の検証、今度はロシアと中国について話を聞いていきます。ロシアのプーチン大統領は6月国際会議でこのような発言をしています。『アメリカが力の支配を押しつける限り北朝鮮のような問題が起きる。小さな国は核兵器を保有することでしか、独立・主権を守る手段はないと考える』という発言がありました。一方、習近平主席は、中韓会談において『北朝鮮問題は、南北問題ではなく米朝間の問題として把握するべきだ。アメリカにもそのような側面で責任がある』と。いろいろとある中で、敢えてこういう言葉を選んだというところもあるのですけれども、岡本さん、中国、ロシアは北朝鮮問題でどういうポジションをとっていると見ていますか?」
岡本氏
「それぞれ長い説明が必要ですけれども、簡単に言えば、この人達の心の奥を覗いてみる必要があると思うんですね。プーチンさんにしてみれば、この20年間ずっとNATO(北大西洋条約機構)に押し込まれてきた。約束していたNATOの東方拡大、つまり、旧東欧諸国をNATOに組み入れない、旧ソ連邦の諸国まで手を伸ばさないというところを、アメリカと西側陣営が反故にして、ポーランド、チェコ、ハンガリーを1999年に、さらに2004年にはバルト三国です、エストニア、ラトビア、リトアニアをNATOに入れちゃった。それから、ルーマニア、ブルガリアも入れちゃった。だから、今やロシアはNATOと直接に国境を接するところまで押し込まれてきているわけでしょう。これを絶対に押し返すのだというのが、それはクリミアの対応であり、ウクライナの対応であり。だから、腹の底でプーチン大統領が、トランプ大統領と仲良くやっていこうという気はありませんよ。それは表面上の、必要な外交上の手当としてはやるとしても、彼らは絶対に民主主義陣営、それから、資本主義陣営にもう1度挑む、挑戦するのだというところはあると思いますね。だから、北朝鮮に対してだって、アメリカの言うことを聞いてアメリカに花を持たすようなことはしないと思いますよ。シリアでの彼らのやったことを認めさせるとか、そういう戦術的なことはありますけれども。もう1つ、中国について言えば、中国は習近平さんが何を考えているのか、北朝鮮をどう扱おうかということをまだ決めていないんだと思いますよ。要するに、友好国である北朝鮮、暴れん坊だけど、それが核武装する方が、中国にとって怖いのか。それとも、統一朝鮮というものが、韓国の主導の下にできて、そこに米軍が残ったまま、民主国家が中国と国境を接する、そちらの方が怖いのかということについて、中国国内の結論はまだ出ていないのだと思いますね。少なくとも両派、対立していますね。だから、そこを強引に、いや北朝鮮の核武装の方が中国にとって危険なんだということで、国内をまとめて、徹底的な制裁を北朝鮮に加えるという、そういう気にはなっていないと思いますね。だから、彼らの北朝鮮制裁というのは今のところ上辺だけだと思いますよ」
反町キャスター
「三浦さん、いかがですか?中露の姿勢、どう見ていますか?」
三浦氏
「中国は明らかに、私が見るところ、朝鮮半島と中国との国境沿いに米軍がいる方が嫌だという方向に傾いているという、さらにシニカルな見方なのですけれども。ただ、この発言の真意というのは、おっしゃる通りなのですが、結局のところ、彼らが何を演出しようとしているかと言うと、アメリカと北朝鮮、どっちもどっちですという。どっちもどっちですというのがトランプ政権下で言いやすいわけですよ、オバマさんとはちょっとキャラクターが違いますし。どっちもどっちではないのですけれど、そうしていくと結局、彼らが達成したい目標というのはアメリカがグローバルに、特に自分達の勢力圏まで影響を及ぼして何らかの軍事的行動に出ることは避けさせたいと。ただ、プーチンさん、現在、ロシアで軍事力、確かに残っていますけれども、経済大国とは言い難いですよね。だから、結局、プーチンさんの野望であるとか、恨み辛みというのはあるのだけれども、中露に任せておいたとすると、それは世界の秩序を変えるということはない。彼らの勢力圏の中で押し戻すということにしかならないですよね」
反町キャスター
「小野寺さんは、中露は、北朝鮮問題を考えるにあたっては信頼できる仲間だと見られますか?」
小野寺議員
「これまで6か国協議、あるいは今回の北朝鮮に対する決議で、G7での決議は、言ってみれば、中露抜きで決議をすると、北朝鮮は脅威だということでしっかり合意できるのですが、中露が入ると安保理でもダメ、今回のG20 もダメということになりますから、なかなか共同歩調というのは簡単ではないと思います。私がちょっと気になるのは、トランプさんと習近平さんが初めにアメリカで会った時の、習近平さんの北朝鮮の問題に関する対応の言い方と、今回、少しズレているというか、むしろ少し後退しているような気がするんです。これはアメリカの、現在のトランプ政権のスタンスというのを見ながら、それなりの対応をしているような気がするので。まず北朝鮮の問題で中露がしっかり対応するためにはアメリカにしっかりしてもらうしかない。それが効いて初めて、中露もそれなりに北朝鮮に対して一緒に行動歩調を少しずつとってくる。そういう意味で、この問題というのは、根本はアメリカ政治がしっかりすることだと思います」

日米韓の『連携』は磐石か?
秋元キャスター
「北朝鮮対応に関する、韓国・アメリカの本音を見ていきます。日米韓首脳会談では日米韓でさらなる圧力をかけていく、さらなる役割を中国に働きかけ、アメリカの制裁強化策に日韓も連携するといったことで一致したのですけれど。韓国の文在寅大統領は、中国との首脳会談で、北朝鮮との対話再開に向けて制裁を強化、対話を通じた平和的解決が原則である、韓国主導による南北対話復活を中国が支持したと述べたということを聯合ニュースが報じているのですけれども。三浦さん、日本とアメリカとの会談の場では韓国は圧力で連携していて、中国との会談の場では対話ということで連携していて、こういった韓国の姿勢、これは2元外交ではないのでしょうか?」
三浦氏
「韓国の本音なのだと思うんですね。最近すごいビンビンと感じるようになってきたのは、彼らが長期的に朝鮮半島情勢を見据えた場合に米軍の存在は絶対に欠かせない。むしろそこに居てもらうし、居てくれると思っている。他方で、中国に対して中国と日本を比較した時に、本当に引き続き中国が韓国にとっての脅威なのかがわからないみたいな発言が、結構、飛び出してくるわけですね。中国と日本では、日本の方が敵国になるかもしれないみたいな価値観を持っている国なわけです。だから、これからずっと韓国という国は中国とアメリカをもちろん、手玉にとろうとするのだろうし、当然アメリカは友好国にしても、中国と日本に関してはある意味、価値中立的には臨んでくるのかもしれないなというのはわかります。ただ、彼らに少し同情的に見るとすれば、朝鮮半島有事があったら、死ぬのは自分達だと思っているので、そこでアメリカの配慮が足りないということで、現在、世論はかなりアメリカに対して恨みが溜まっている状況です。だから、そこは配慮してあげなければいけないのではないですかね」
反町キャスター
「岡本さん、いかがですか?韓国の姿勢はこういうものだと思った方がいいのですか?」
岡本氏
「そう思いますね。三浦さんもおっしゃったけれども、いざ、マネージメントに失敗すれば、危機管理に失敗すれば、死ぬのは、殺されるのは自分達だという意識はありますから。だから、対話。対話は別にいいではないですか。要するに、制裁と対話というのは、大事なのは制裁ですから、制裁はドンドン韓国も加わってかけ続けると、それで北朝鮮とその間一切喋るなということでもないと思いますよ。それはアメリカとか、日本が対話をすれば、これは間違ったシグナルを北朝鮮に送りますね。しかし、ああいう背景の大統領が、左の人ですよね、対話を求めてきたからといって、北朝鮮がこれで結束は一挙に崩れたのだと我々について思うことはあるのかな。だから、私は文在寅大統領の立場に身を置けば、対話というのは、そんなに目くじらを立てなくてもいいのではないかと思いますよ。基本的に力でもっと制裁を強化していくのだという戦列から脱落しさえしなければ」
小野寺議員
「現在の段階では、ちょっと言い方が相手によって違うなという、そういう多少の不安はあります。実は日本の私ども政治レベルでいつも複雑な思いで思っているのは、日本にある在日米軍、これは日本を守るためにも重要ですが、いざ半島有事、南北の問題があった時に、これが大きなアセットとして韓国を守る、そういう役割も当然果たす、これが抑止力になります。ですから、こういう関係を考えれば、日米韓の連携が大変重要だというのを1番死活的に考えるのは、むしろ韓国なのだと思います。今年3月に北朝鮮が4発の弾道ミサイルを撃って、そのあと日本海に着水させましたが、あの時、北朝鮮は何と言ったかというと、これは日本にある在日米軍基地を攻撃するための訓練だと言ったわけです。ただ、逆に言えば、日本が逆に韓国に対して在日米軍の抑止力を支援している、そういう関係で、本来であれば、日韓の関係を韓国側からしてもっと関係を良くしたいとくるのが普通だと思うんです。ところが、最近の状況を見ると、韓国の政治家は、むしろそれを逆の方向に使って、自国の政治的な力を高めているとすれば、もっと全体を見た形の自国の安全保障環境をよく理解をしたうえで本来、隣国に対しての対応をしていただきたい。従前の韓国の政治家のやっていた、そういう対応で私どもは日米韓の関係を続けていただきたいと思うのですが、ここ最近の韓国の指導者は、なんとなくその問題をあまり意識せずに、歴史問題その他で日本に対して何か攻撃的な発言がある。私どもとしては安全保障のための日米韓の連携、日本が負っている役割をもっと韓国の指導者にもしっかりと理解してほしいなという印象はあります」

トランプ×プーチン初会談 2時間『協議の中身』は…
秋元キャスター
「トランプ大統領とプーチン大統領による初会談ですけれども、予定の35分を大きく超えた2時間15分行われまして、その中では、安全地帯の設置や監視団の派遣などシリア南西部での停戦合意についてロシアとの交渉役・特別代表をアメリカ側が設置することなど、ロシアとウクライナ間の停戦合意の履行について、サイバーセキュリティを両国で協議、こういった内容が話し合われたということなのですけれど。アメリカのティラーソン国務長官によるとその中でも大きく時間を割いたのが大統領選へのロシア関与の有無をトランプ大統領が何度も問い詰めたと、プーチン大統領は関与を否定して、ロシアが介入した証拠を示すよう求めたと、こういったやりとりがあったようなのですが。岡本さん、ロシアゲートがトランプ政権を揺るがす中での初会談となったわけで、この話題は触れざるを得なかったということですか?」
岡本氏
「そうですよね。トランプ大統領、国内的には、自分の身の潔白を証明するためにも、プーチン大統領にはこれだけのことを言ったぞという、アリバイづくりですよね。それは、両方とも本当のことを言うわけがないので、両方ともと言うのは、プーチン氏の方は本当のことを言うわけないし、それから、トランプ大統領もいろいろ言われていますけれども、ロシア側がもし不利な情報を握っているとすれば、特にトランプ大統領の投資についていろいろな噂がありますね。ロシアとの関係というより、フロリダで彼が王国を築くにあたって、ロシアの資金が相当入ったと。トランプさんの息子さんが、数年前に、ロシアに助けてもらったということを言っていたりして、そういうのがいろいろありますけれど、たぶん両方ともそれは早くやめて、もう少し大事な外交政策について議論したいというのが本音ではないでしょうか」
反町キャスター
「やめると言っても、ビジネス的な貸し借りというのが現在の状況で続いているとはとても思えないにしても、それが何らかの形で米露関係、ないしはアメリカの外交にバイアスをかける可能性、リスクと言ってもいいのかもしれません、そこはどう見ていますか?」
岡本氏
「ですから、それがあるからこそ、強く、あなた、何かやったのではないの、と言ったという、こういう建前をとっているわけでしょう」
反町キャスター
「三浦さん、いかがですか?米露首脳会談、どう見ていますか?」
三浦氏
「本当に時間が長引いたわけではないですか。トランプさんは社長ですけれども、特に言われているのはデューディリジェンスとか、あとは不動産の売買の交渉とかというのは、1度行ったら、本当に缶詰でやるらしいです。これはイヴァンカさんもそうしているみたいで。そのカルチャーで、そのままでやろうとしたというのは、ある種、やる気も示しているわけだし。特にトランプさんが選挙戦中、強調していた事実、つまり、官僚あがりだとか、あるいはエリート政治家、外交にうまいと言われている人だけではプーチンさんには対峙できないと。自分みたいなそれこそ泊まり込みをするような人でないとやり合えないのだということを証明する必要があったわけですね。ですから、初回会談というのは非常に重要だったわけですけれども、ただ、岡本さんがおっしゃるように実際にこのサイバー攻撃をめぐる案件というのはかなりフリと言うか、強調して問い詰めましたよというポーズこそが大事だったのであって。もちろん、トランプさんは自分の選挙上の正当性が関わっているわけですよ。これがもしロシアが何らかの操作をしたということをあまり拡大されてしまうと、自分が正当な大統領ではないようなイメージを与えてしまいかねないので厳しいポーズをとったのと。あとそれが選挙にあまり影響していないということも強調しておかなければいけないというのがあったのだと思うんですね。ですから、会談のほとんどの中身というのは世界観であるとか、あるいは制裁をロシアに対して解除する際の条件づけみたいなところに割かれたはずと見るのが普通だと思うんですね。そこにおいてもいきなり制裁解除をしてしまったら、ロシアとの疑惑を強化してしまうので、誰もそんなに進展は期待しないんです。ただし、進展をしない中でここまでわかり合えた感、話し合えた感というのは大事だったのではないかと思うんですね。ただ、米露でここまで協調してわかり合えたからと言って、それが世界を変えるかと言うと、そういう時代ではないのだという若干冷めた見方も大事ですよね。ですから、米露がこれから折り合えない事実は折り合えないけれども、その折り合えないということ自体が世界を揺るがすような事態にならないのだということですよね」
反町キャスター
「小野寺さん、米露の間でロシアゲートの話は話したのでしょう。一方、シリアにおける停戦合意であるとか、ウクライナにおける停戦合意の履行に向けてさらにステップを踏むこととか、こういうことで一応、進展はしました。一方、北朝鮮についてはお互いが立場を双方譲らず、何らかの合意に達さずに終わっていると。こういう世界のさまざまな問題について米露、トランプ・プーチンが初顔合わせをした、今回の内容などについてはどう評価されますか?」
小野寺議員
「まず普通は米露の首脳会談です。ですから、ちょっと前であれば、世界の安全保障をどうこれから左右するかという大変大きな2トップの会談のはずなんですが、その時間のかなりの部分、延長した部分は、言ってみれば、ロシアゲートの疑惑の話がずっと続くとすれば、たとえば、テレビの予算委員会の中継で、本来であれば北朝鮮のミサイル防衛のことを議論すべきなのが、ほとんど自衛隊の日報問題で終わっているのと同じような、そういうもし会談だとすれば、かなりアメリカが現在抱えている問題は深刻なのではないかなという印象があります。それをもし背負ってトランプさんが、プーチンさんと会談をしているということであれば、その時点で既にハンデを負っているのではないかと。ですから、本来アメリカが厳しく主張し、ドンドン圧力をかけ、言わなければいけないという、そういう強い姿勢というのが、対北問題に関してもロシアに匕首を突きつけるような形でグイグイといって、話がある程度、緊張感を持つというような形であれば素晴らしい会談だなと思うのですが。もしかなりの時間、ティラーソンさんが言っているように、ロシアゲートの話でずっといったとすれば、残念ながら出てきたシリアの問題とか、ウクライナの問題とか、サイバーの問題というのは結構、薄まっちゃった。そういう話もしましたよということで一応、終わったのだとすれば、早く本来のこの2国の大国の、本当の意味での首脳会談、本当の意味での首脳会談の次のステージに移っていただきたいと思います」

北朝鮮めぐる大国の『溝』 トランプ&プーチン初会談
反町キャスター
「岡本さん、まとまった話だけまとめてあるのですが、北朝鮮に関しては双方の意見が対立のまま終わったというような報道がされているのですけれど。北朝鮮に関してはプーチン大統領は対話だと、トランプ大統領は制裁強化だと。こういうところの延長線上で、よくあるところで、アメリカはどこまで腹を固めているのだと。武力行使するのか、しないのかというところが、アメリカの腹の固め具合が交渉に臨んでも相手に対するパワーになると思うのですけれども、アメリカはどこまで腹を固めていると見たらいいのですか?」
岡本氏
「アメリカの主流の考え方は制裁しかないということだと思います」
反町キャスター
「武力行使はないのですか?」
岡本氏
「と言うことは結局、北朝鮮が核武装するということは阻止できない。アメリカまで届くICBMを、今はアラスカまでと言われていますけれども、さらにアメリカ本土に届くようなミサイルの開発までいくということも押しとどめらないないという認識は、かなりあるでしょう。そうしますと、それはもちろん、核武装させないための制裁ですよ、国際努力ですよね。それは大事なのだけれども。核武装してしまったあとの北朝鮮とどうやっていくかという、こちらの方もアメリカは相当検討していると思います。つまり、核保有国・北朝鮮との軍備管理・軍縮交渉、それから、北朝鮮に体制保証を与えるかとか、核保有国たる地位を認めるのかとか。そういう中でアメリカは、結局は自分のところまで届くミサイルを北朝鮮が持つようなことになれば、それは現在の対応ぶりではダメなので、国家を挙げてのミサイル防衛網ということを考えるのではないでしょうか。たとえば、1980年代に、ソ連との関係でSDI計画というのがあって、これは凄まじい計画でして、ソ連が当時持っていた2万発のミサイルを一斉に秒速8kmで宇宙空間をアメリカ大陸に向かって撃ち込むと、それ全てを4000km離れたところからレーザー光線で当てて全部の電子回路を焼き切るという。10km先の蚊の目玉を射抜く精度が必要だと言われた技術。私も当時、アメリカの研究施設をずっと訪ねて歩きましたけれども、アメリカの科学者・技術者達は、これは実現可能なのだと燃えるような意気込みでやっていましたよ。冷戦がなくなったから、それはもう現在はなくなっていますけれども、また、そういうことを、アメリカは本当に底知れぬ技術力を持っていますから、またやり始めるのではないか。それは日本にとっては決して悪いことではない。日本もその効果に与ればいいわけですね。ですから、日本としてアメリカとの関係で大事なことは、韓国は通常火力でも脅威にさらされている、プラス短距離ミサイル。日本は通常火力にはさらされてないけれども、しかし、短距離・中距離ミサイルにさらされている、アメリカは短中距離ミサイルにさらされていないけれども、ICBMにはさらされている。3つの国が、その危険の対応が違うわけです。それをアメリカがどこかで線を引かないように、同盟国全部を守るようなところへ日本はアメリカを説得し、常に見張っていくという、これが日本の行く道だと思いますね」
反町キャスター
「いかがですか?」
小野寺議員
「実はおっしゃる通り、既にさまざまな研究が始まっていますし、こういう方向で今考えている、もっと効果的で、これが完成すればかなり安全保障、現在の状況がガラッと変わる、そういう開発を既にやっています。日本としても協力できるところがあれば、協力をしたい。おっしゃる通り技術的な検討はかなり進んできていると思います」
反町キャスター
「その延長線上にあるものというのは、武力行使というものはもうない。対話のうえで、その先、行き着く防衛、さらなる進化した防衛手段の開発で日米協力と。このイメージで見ていた方がいいという話ですね?」
小野寺議員
「たとえば、弾道ミサイル攻撃をかなり早いフェーズで無力化してしまう、そういうかなり高性能でステルス性があって、無人化したものということで、今後もし技術開発をするとすれば、たとえば、弾道ミサイルを発射して直後に何かわからないけど、弾道ミサイルが、その瞬間に無力化されてしまうということになれば、そこに核を積んでいたり化学兵器を積んでいれば、それは自分の国の基地内に落ちてしまうわけですね。そうすると、かえって自分の国への攻撃になってしまう。こういうことが能力的にかなり確立されれば、逆に弾道ミサイルを持つこと自体、それに化学兵器を搭載すること自体が危なくなっちゃう、そうすると、これは選択肢として外れるねと言うような技術開発ができれば、これは日本の専守防衛には非常に役立つ考え方です」

日韓首脳初会談の成果は… 問われる『安倍外交』の真価
秋元キャスター
「さて、今回のG20サミットでは安倍総理と韓国の文在寅大統領による初会談も行われ、2015年の慰安府問題に関する日韓合意についても言及がありました。安倍総理は『未来志向の日韓関係を築いていくための欠くべからざる基盤だ』と発言しました。一方、文大統領は『国民の大多数が情緒的に受け入れずにいれずにいる現実を認め、両国が共同で努力して賢明に解決していく必要がある』と発言したのですが。小野寺さん、文大統領、両国が共同で努力して、と言っているのですけれど、日本側はまだ何か新しく努力する余地というのはあるのでしょうか?」
小野寺議員
「私達は既に日韓合意の中で日本が履行すべきことをしっかりと履行しています。ですから、ボールは韓国側にあって、韓国側が次に何らかの対応をするという、そういう合意に基づいたやり方ということになっていますので、韓国側が動くことを待つというタイミングですし、敢えて日本が何かをする必要はむしろないのだと思います」
反町キャスター
「三浦さん、いかがですか?この問題、どう感じますか?」
三浦氏
「だから、文さんが民主主義国家のリーダーである以上は、ここと言うでしょうねというのは現実としてある、ありますね。それと小野寺さんがおっしゃるように、日本がどうすべきかというのはまた別の問題で。この2トラックできた場合には、我々としては、前者を、歴史問題的なところですね、前者を聞かなかったフリをし、後者の安全保障であるとか、経済関係であるとか、そういったもので協力をするというのが1番穏やかなやり方ですね。最初に何かこちらから反論して、事前に、こう言ったではないかみたいなことを言っても、別に悪いことしか起きないので。そういった子供っぽいことはしなくていいし、安倍政権は現に、そういった子供っぽさは今のところ見せてないわけですよ。ですから、自分達がつくった合意なのだから守りましょうよということを、何か言われた時に言えばいいので、こちらから嫌がらせのように言う必要はまったくないですよね」
岡本氏
「韓国はいくら合意をやっても、その時々の政権基盤の強さと国民感情によって、どうにでも変わってしまうんですね。ゴールポストをドンドン動かす国だと俗に言いますけれども。なかなかそれは難しい、でも、この慰安婦合意の中で日本にとって1番大事なことは何かと言うと結局、少女像の撤去ということに焦点が当たってしまっていますけど、あれねえ、どこまで日本は撤去していないではないか、早く撤去しろと言い続けることが得策なのか。一応できてしまったものを全部壊していくというのは大変なことですよ。もうそれは暫く放って置いたらどうかという気がするんですね。それよりもあの合意の中で1番大事だと思いますのは、お互いにもう悪口は言わないと、お互いに事態を悪化させないという、あの1項です。つまり、韓国が何をやっているかと言うと、全世界で反日キャンペーンを、慰安婦問題を材料にして打っているわけですね。アメリカにも慰安婦像を次々に建てると。ヨーロッパにも建てている、ドイツにも建てましたね。他の国でも建てる動きが現在あるわけですけれども。その時には必ず日本というのはこんなに酷いことをしたのだと。それから、アメリカの教科書に、それはそれは日本のことが悪く書かれている。これは在米の韓国人の団体、あるいは韓国系のアメリカ人達が組織的なキャンペーンを行って、こういうふうにしている。だから、あれをもうやめましょうと。少なくとも海外で新しい慰安婦像を建てるのは、明らかに合意に違反しているでしょうというようなところ。これは文在寅さんだって、僕は話に乗ってこられると思うんですね」
反町キャスター
「国内はいいけれどもと聞こえますが…」
岡本氏
「いや、いいけれどもとは言いません。それは引き続き努力はしてほしいけれど、それよりもこちらの方を、まずお互いに中傷するのをやめましょうと」
反町キャスター
「でも、たとえば、在米コリアンの団体が地元の自治体に働きかけて、建てることについては、韓国政府が関与できるものではないから、勝手にやっているのだよと、逃げ口上が思い浮かんでしまうのですけれども、そういうものでもないですか?」
岡本氏
「実態は、韓国がかなり在米の韓国人達の政治力を強めるために組織的な努力をやって、韓国人には2重国籍を認め、アメリカ国籍の韓国人を増やし、バラバラになってしまう韓国人達を、朴槿恵大統領がニューヨークに行って演説して、皆さんは慰安婦像という良いことをやってくれているとか、こうやってけしかけているというのか、奨励していた面もあるんですね。ですから、韓国政府がお互いに第3国で中傷し合うことはやめようと日本との間で合意しました、皆さんもそのことを知ってくださいと言えば、それは今のようなことはなくなると思いますね」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言 『戦略思考』
小野寺議員
「戦略的な思考で外交をすべきだと思っています。国際社会のそれぞれ主人公、アクター、いろいろな方が出てきて、それぞれがいろいろな力学の中で動いています。ですから今までは日米、これは期軸ですが、それだけではなくて、いろいろな国とのいろいろな関係の中で日本がどういう立ち位置を持つのが1番大事なのかということを、国益に適う形で考えていくことだと思いますので、かなりよく考えて練った外交戦略が必要だと思っています」

外交評論家 岡本行夫氏の提言 『(外交政策の基礎になる)防衛政策についての国民論議を!』
岡本氏
「つまり、日本がどういう外交政策をとるかというのは、その根っこに日本人が国民としてどういう防衛政策をとるのだということがなければ、この問題に対応することはできないと思うんですね。敵基地攻撃能力、要するに、北朝鮮というのは、何発もミサイルを本当に戦争するとなれば日本に撃ち込んでくる。その時に東京がやられても、日本は何もできない、次に大阪に飛んできた、それも日本は無抵抗、福岡に飛んできた、それも無抵抗という、徹底的な無抵抗主義を貫くのか、それとも、敵基地を攻撃する能力を持ってもいいのか、あるいは朝鮮半島有事が起こった時に日本は重要影響事態法たけで事足りるとするのかとか。まず国民的な議論をしっかり固めてほしいと。固める必要があると思います」

国際政治学者 三浦瑠麗氏の提言 『"対話と圧力"から"正常化と核共有"へ』
三浦氏
「私は朝鮮半島の問題に特化した提言にしてみました。これまで対話と圧力と言ってきて、対話と圧力の中で、圧力は確かに制裁、振り切っているのですけれども、対話というのはなかなかしてこなかったんですね。それは相手がロジカルではないからという、確かにそういう話はあるのですけれど、ただ、結局のところ、抑止とか、圧力というのは対話のためにやるので、何らかの対話が成立しないといけない。そこで私は対話と圧力をある意味グレードアップさせ、国交の正常化と、それから、アメリカとの核共有を訴えてきました。と言うのは、そのぐらいはっきり言わないと核共有ということは核抑止ということですから、相手の核をある種、事実上認めるということを含んでいるわけですよね。そうしないと、日本人はいつまで経ってもなんとなく朝鮮半島から核をとり除けるのだという希望的観測を持ちがちだと。今こそ現実を見据えて、本当に言葉だけではない中身の政策にしていくべきかと思います」
反町キャスター
「核共有とは、日本は共有を認めて、共有をさせる側なのですか?」
三浦氏
「アメリカの核を日本が共有する場合には、今までのような、何かアメリカが勝手にやってしまうという価値観ではなく、我々が意思決定に?むという、そのぐらいの目標ということですね」