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2017年6月29日(木)
元駐韓大使が『警告』 文在寅政権クライシス

ゲスト

武藤正敏
元駐韓国特命全権大使
木宮正史
東京大学大学院総合文化研究科教授
李泳采
恵泉女学園大学人間社会学部准教授

『文在寅クライシス』 米韓首脳会談の行方
秋元キャスター
「就任から1か月半となる韓国の文在寅大統領の実質的な外交デビューとなります米韓首脳会談が日本時間の明日30日から2日間、ワシントンで行われるのですが、想定される主なテーマ・議題はこのようになっています。北朝鮮対策、THAADの配備、米韓FTA(自由貿易協定)等ですけれども。首脳会談では、中国や北朝鮮が反発しているTHAADの追加配備先延ばしや、北朝鮮への対話姿勢を崩さない文大統領に対して、北朝鮮に拘束されたアメリカ人学生が死亡したことで北朝鮮への感情を悪化させているトランプ大統領がどう対応するのか注目されます。武藤さん、双方の利害というのは一致できるのでしょうか?」
武藤氏
「今回の1番のテーマ、韓国がいつも言っているのは、人間関係をつくっていくのだ、信頼関係をつくっていくのだということを言っているんですよね。できるだけ対立を表に出さないで、協力できる分野を探していこうということなのだろうと思いますけれども。THAADの問題についてはかなり対立がありますよね。それから、北朝鮮の政策についてもトランプ大統領も対話ということも言ってらっしゃいますよね。文在寅大統領は対話と、制裁、これを一緒に使って、非核化を解決しようということを言っていますね。だから、目指す方向は同じなのだということをしきりに言っていますけれども。ポイントは、トランプ大統領は非核化があって初めて対話があるのだと。文在寅大統領は核の凍結というか、核実験をやらない、それから、ミサイルの実験をやらない、挑発をやらないことによって、対話を始めて、そのプロセスの中でお互い協力しあって非核化に結びつけていこうという、こういう考え方で。そもそも出発点が違うわけですよね。トランプ大統領が非核化は対話の入口だよと言った時に、文在寅大統領がどう対応するのかということに私は1番大きな関心を抱いています」
反町キャスター
「でも、大統領はまさに武藤さんが言われたように、凍結が対話の入口だと言っているわけですよね。凍結が入口だと言っている韓国の大統領と、非核化が対話の入口だと言っているトランプ大統領、スタートラインが違うのではないですか?」
武藤氏
「私は、そう思います」
反町キャスター
「その時どう対応されるのかと言ったら、先手がトランプ大統領とした場合ですよ、トランプ大統領が北との対話はね…と今言ったような話を言った時に、文さんが黙ってうなずいたなら、それで終わりですよね。彼は持論をそこで展開しないといけない立場ではないですか?」
武藤氏
「いけない立場ですよね。だけども、そこでははっきりとした対応をしないで、あとでまたいろいろなことを言うかもしれませんね」
反町キャスター
「え?」
武藤氏
「とにかく文在寅大統領は、北朝鮮の問題については韓国が主導すべきだということを言っていますでしょう。ここがそもそも違うところですよね」
反町キャスター
「なるほど」
秋元キャスター
「李さん、どのように見ていますか?」
李准教授
「文在寅大統領の主な考え方は、北朝鮮対策に対してアメリカとの共同の認識をつくりたい。これが1番大事なのは、北朝鮮対策のいろいろな入口ではなくて、結論をどこに置くのか。要するに、アメリカと韓国も北朝鮮の崩壊を前提にするのか、しないのか。結局トランプ政権も実は北朝鮮崩壊プランというのは棚上げしています。そうすると、核凍結なのか、核廃棄なのか、この認識ですが、最終的に北朝鮮ととりあえず対話をする、しかし、経済制裁だけなのか、対話を並行していくのか。このような認識のギャップを少し埋めたいのが文在寅大統領の考え方であれば、しかし、トランプ大統領は米韓FTAで、韓国から見れば、アメリカとの貿易の黒字がだんだん、もちろん、小さくはなっているのですが、アメリカの立場としては、トランプさんは主に経済利益を中心にしていくので、この2つの取引を、文在寅さんはやると思います。要するに、貿易関係は譲ると、ただ、北朝鮮関係に関してはもっと韓国の利益を優先して、いわゆる経済制裁と交渉とを同時にいく、この方法を同意してくださいというような主な認識の合意ではないでしょうか」
反町キャスター
「李さん、北朝鮮に対する姿勢として、武藤さんが言われた対話の入口のスタートラインとして、トランプ大統領が核の廃棄、非核化と言っていて、文大統領が核凍結だと言っている、この入口での違いを際立たせるのではなくて、最終的には北朝鮮の非核化を目指すのだというところで、ゴールは皆一致だねという、そこのところの合意点を強調する米韓首脳会談になる、そういう意味?」
李准教授
「今回はたぶんアメリカと韓国の北朝鮮政策の共通点を、最初に認識の共有が必要だということです。1つは、たとえば、アメリカがもちろん、トランプ政権が北朝鮮の非核化を前提にしたとしても、非核化にはすごく時間がかかる話です。それを入口にすると何にも進みません。だから、凍結というものは最低限、もちろん、凍結も難しいレベルです。文在寅大統領の最終的な任期の間に、凍結だけさせても大きな成功だと実は思っているんです」
反町キャスター
「なるほど」
李准教授
「だから、現在のレベルでは、凍結という前には経済制裁。挑発行為が現在、続いているので、とりあえず挑発をやめれば、その間になんとか交渉しないといけない。しかし、アメリカとしては、非核化というものは実はアメリカの中でもそれを入口にするかどうかはまだまだ議論されるテーマだと思います」
反町キャスター
「木宮さん、いかがですか?」
木宮教授
「難しい問題は特に対北朝鮮政策についてはトランプ政権が、おっしゃったように現在、非核化を前提として、そうしてやれば、初めて寛容政策を行うと、そうすれば、レジュームチェンジも行わないと言うのに対して、韓国の文在寅政権は、そういうことを前提条件としてきたから何も進まず、その間、北朝鮮のいわゆる核・ミサイル開発が既成事実として積み上がってきたのだと、だから、そこにある種ストップをかけるということがまず前提条件ではないかということを、トランプ大統領にはそれとなく説得するようにはすると思うんです。ただ、今回それを説得しきって、韓国の立場を押し通すということはたぶんしないと思うのですけれども。ただ、だんだんこれから積み重ねていく中でアメリカと韓国の対北朝鮮政策の共通点を…、トランプ政権はもちろん、軍事的なオプションとか、最大限の圧力も言っているのだけれども、最大限の関与も言ってるんですね、そういう意味で言えば、私はオバマ政権の戦略的忍耐よりはかなり幅が広がっていると思うんです。だから、文在寅政権としてはこれがちょっとなかなか狭い期待なのかもしれませんけれど、トランプ政権がそういう最大限の関与に入って、北朝鮮もそれになんとか乗ってくれるということを他力本願的ですけれども、ちょっと願っていると、そういう状況なのだと思いますね、現在は」
反町キャスター
「武藤さん、話を聞いていると核廃棄を求めるのはハードルが高過ぎると、韓国から見れば、できるわけないのだから、もうちょっと現実的なターゲットに設定して、北と向き合いましょうよ。でも、アメリカからすれば、凍結と言っておきながら、凍結していなかったではないかと、隠れてコソコソ開発してきたではないかというのが、これまでの北ではないかと。たぶんこういう見方だと思うんですよ」
武藤氏
「その通りですね」
反町キャスター
「この2つの間の、足して2で割る方法があるのですか?」
武藤氏
「現在の議論の中で、時間軸の議論をしていないわけですよね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「要するに、アメリカはいつ北朝鮮が核を配備するかわからない、大陸間弾道弾だって、いつ開発するかわからない。この前、ロフテッド軌道のミサイルを発射しましたよね、あれに主エンジンを4基つなげば一万何千km飛ぶということを言われているわけでしょう。ですから、喫緊の課題になってきているわけですよ。だから、緊迫しているということも、マクマスターさんがも言っていますよね。文在寅さんがのんきなことを言っていたとしても、アメリカはなかなか、それは飲めないのだろうと思うんですね。それから、対話がないと北の非核化には結びつかないということでしたけれど、共産主義の国と交渉する時には、1つ決まった立場を一貫して通すことが大事なんですよ。韓国は革新政権と、それから、保守政権が、10年ごとに交代して180度対応が違ってきたわけでしょう。これまで革新政権、金大中、それから、廬武鉉大統領の頃は30億ドル、北に金が流れて、それが核ミサイルに結びついたわけですね。保守政権でも解決しなかったではないかと言うけれど、それは中国に対する圧力が足りなかったわけです。中国が真面目に制裁をやってなかったわけでしょう。アメリカは今それをやろうとしているわけですよね。文在寅大統領が言っている対話が、中国に対する圧力強化の要求をどうするか。ここがポイントなのだろうと思うんですよ。アメリカからすれば、中国に対してどう圧力をかけていくかということを考えている時に、対話だ、対話だと言っていることは非常に迷惑だと思うんですよね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「だから、そこをそういう状況下でもってうまく折り合いがつけられるか、無風でもって過ごせるかということは、非常に難しい課題を抱えた会談ではないかなという気がします」

対北朝鮮『融和策』の展望
秋元キャスター
「朝鮮半島有事に際して米韓連合軍を指揮する権限、戦時作戦統制権、現在、米軍が持っているのですけれども。廬武鉉政権の時に、2012年4月にアメリカから韓国にこれを移管することで合意しました。李明博政権は、移管を2015年12月1日まで延期をすることで合意をしました。さらに、朴槿恵政権は移管期間を事実上、無期限延期としたのですが、この戦時作戦統制権について、文在寅大統領は適切な時期に韓国に取り戻すとしています。李さん、これまでの政権が延期してきたものを文大統領はなぜ移管にこだわるのでしょうか?」
李准教授
「今回、文在寅大統領自身、たぶんアメリカにとって1番大きな韓国への成果を狙っているのだったら、戦時作戦統制権を返還させたい。これが大きなたぶん目標です。2007年、アメリカに対して戦時作戦統制権、合意をしたのは、戦時作戦統制権ともう1つあって、平時作戦権、戦争が休戦中の作戦権とこの戦争中の作戦権、これが朝鮮戦争以降、全て韓国、戦時も平時も全部、アメリカに委ねられている状況になっています。その平時作戦権が戻ったのが、1994年です。そうすると、この戦時作戦統制権をアメリカが持っているので、いつでも場合によってはアメリカが先制攻撃をできるし、戦争が起こると全て国防の、いわゆる自主権、主体権が全部、アメリカが持ってしまうことになるので、自主国防を言っている韓国社会から見れば、これは矛盾だということになるわけです。しかし、実はこの戦時作戦統制権というのは韓国が戻したいというように見られるのですが、実はアメリカも返したい希望があります。ちょうど2001年、イラク戦争のあとに、アメリカはこの朝鮮半島にいる駐韓米軍が必ずしも北朝鮮だけに備える、北朝鮮だけに縛られることが、アメリカの世界的な戦略としてはあまり有利ではないと判断をします。これが戦略的な柔軟性という専門言葉ですが、要するに、いつでも駐韓米軍をイラク、アフガニスタン戦争にも行かせたい。しかし、現在、戦時作戦統制権を持っていることは朝鮮半島だけで駐韓米軍は使わないといけないので、そうすると結局、アメリカは本音としては返してもいい、韓国は自主国防という名前で戻した方がいい、これが2004年から始まったこの戦時作戦統制権返還交渉です。それで2007年、これを韓国が取り戻すことで、その時に、アメリカが打ち出した1つの条件が、全ての米軍基地を平沢(ピョンテク)というところに集めたいので米軍基地移転を受けてくれということ。もう1つは、済州島に海軍基地をつくってくれと。しかし、この2つを受けながらも、戦時作戦統制権を戻したいことで廬武鉉政権は合意してしまったんですね。しかし、廬武鉉政権のあと李明博、朴槿恵政権の時にこれが全部、棚上げされてしまっているので、文在寅大統領から見れば、廬武鉉政権時代に合意した、この合意をアメリカにもう1回、確認して、これを戻すということです。先ほど、文在寅…」
反町キャスター
「廬武鉉政権で移管に合意したことを李明博政権、朴槿恵政権がずっと延期してきたことというのは、韓国側が延期を頼んでいるのではないのですか?」
李准教授
「韓国の保守派から見れば、アメリカが作戦権を持っていた方が…」
反町キャスター
「政権交代があったから、進歩派と保守派の違いだと見ればいい?」
武藤氏
「だから、北朝鮮に対峙するためには、人的な情報はいろいろあるけれども、米国と韓国の情報を集めて初めて北朝鮮に関する情報というのは一貫するわけですよね。また、戦術戦略兵器とか、韓国はまだまだ弱いわけですよ。韓国の人達にとってみれば、日本の自衛隊が持っている兵器だけでも、自分達にとって羨ましいぐらいの感じなわけですよ。だから、とても韓国独自で守れるとは思っていないですよ。だけれども、廬武鉉大統領、それから、文在寅大統領は自主国防ということをしきりに言って、自分達は主権を行使するのだということをある意味で国是みたいになっているから、これに相当こだわっているのだろうと思います。だけど、保守の人達から見れば、本当に心配だなという感じは強いだろうと思います。もう1つ、前回の大統領選挙の時、文在寅大統領に対する得票というのは40%、41%でしょう。対立候補が45%いっているわけですよ。現在、文在寅政権に対する支持率が80%だから全て北朝鮮の問題についてもマンデートを得ているような感じでいるけれども、だけど、文在寅政権、文在寅大統領候補の、北朝鮮政策に賛成した人よりも反対した人の方が多いです。そちらの方が私は韓国人としては正しい判断だと思います」
反町キャスター
「支持率だけを見ていては誤る?」
武藤氏
「はい」
反町キャスター
「木宮さん、たとえば、韓国が望むように、文在寅政権が望むように、戦時作戦統制権が移った場合、これ日本の安全保障上の脅威は当然、高まりますよね?」
木宮教授
「いや、私はちょっと問題を分けて考える必要があるのは、戦時作戦統制権は軍事主権の問題なわけですから、韓国に返還するべきだというのはある意味、むしろ正論だし、筋ですね。ただ、韓国の保守派が心配しているのはアメリカの関与がちょっと減るのではないかと、不確かになるのではないかという。私はそれを戦時作戦統制権と、また米韓同盟関係、相互防衛条約の問題というのは分けて考えるべきであって。相互防衛条約がある限りアメリカは介入する義務と言うのかな、それはあるわけなので、あまり作戦統制権自体を争点にするということは、重要な意味を与え過ぎていると思うんですね」
反町キャスター
「政争の具に使われているだけとは言いませんけれども、そういう趣旨があるのではないかという意味ですね?」
木宮教授
「そうですね。もともと、要するに、アメリカは韓国が勝手に北に攻めていったり、戦争したりしないように、それを抑えるために、これは平時も戦時も作戦統制権を持っていたわけですね。そういう経緯があるので」
反町キャスター
「なるほど」
木宮教授
「韓国保守派の、軍事作戦統制権が韓国に返ってくるとアメリカの関与が不確かになるという議論はかなり保守派らしくないというのか。要するに、自分の国は自分で守るというのが基本であるべきなので、それは前提として、そのうえで米韓の同盟関係をいかに強くするのかということを考えるべきだと私は思います」
反町キャスター
「木宮さんの説明、いかがですか?」
武藤氏
「いくつか側面があると思うのですけれども、まず北朝鮮がこれをどう受け取るかですよね。喜ぶでしょうね」
反町キャスター
「そうでしょうね」
武藤氏
「北朝鮮は、国家戦略の基本は統一ですから。だから、アメリカ軍が少しでも引いてくれたら、自分達も介入の余地が出てくると思うでしょう。それから、はっきり言って、現在の文在寅政権のような大統領が韓国軍のトップにいる時、自主国防と言えば、確かにその通りですよ、木宮先生がおっしゃるのは理論的にはその通りだと思うけれども、現実の問題として誰がそれを担うかということを考えた場合に、現在は非常に危険な感じがしますよね」

『文在寅クライシス』と日韓関係
秋元キャスター
「ここからは文在寅大統領の対北朝鮮戦略を検証していきます。文在寅大統領の北朝鮮に対するスタンスを象徴的に表しているのが、来年開催される平昌オリンピックに関する、こういった発言です。文大統領は『南北合同チームが一緒に入場し、全世界から賞賛を受けた、2000年シドニーオリンピックの感動をもう一度』と発言しました。都鍾煥文化体育観光大臣は『北朝鮮の馬息嶺(マシンニョン)スキー場を見てみたい』と、『可能なら2018年平昌オリンピックで活用する方向で検討する』と発言をしました。こうした韓国側の提案に対して、北朝鮮国際オリンピック委員会の張委員長は『共同開催するには既に遅すぎる』と発言しています。木宮さん、文政権の姿勢をどう見ていますか?」
木宮教授
「本当に実現できると思って、こういうことを言っていると私は思わないですけれども、ただ、2つ狙いがあると思うんですね。1つは、国際社会に対して、いわゆる北朝鮮の核・ミサイル問題で緊張が高まっている時期に、いわゆる制裁の包囲網があるわけですね、その制裁の包囲網に必ずしも穴を開けるようにならない形で、北朝鮮に対する、ある種のエンゲージメントと言うか、関与をすることがこういう形であればできるのではないかということが1つあると思うんですね」
反町キャスター
「隙間を狙ったということですね?」
木宮教授
「そうですね、あまり経済協力というのはできないわけですからね」
反町キャスター
「はい」
木宮教授
「もう1つは、国内向けに、文在寅大統領の支持者というのは北朝鮮とのある種の、これまでの10年間近くの、何も対話がない、交流がない時代よりちょっと何か交流があった方が、韓国にとっていいのではないかという、ちょっと漠然としていると思うのですけれども、そういう期待感があるわけです。そういう期待に対してある程度、リップサービスであったとしても、そういうことを主張したいということだと思うのですけれど」
反町キャスター
「李さん、国連で皆、世界各国がいろいろ経済制裁だ、なんだ、安保理決議のなんだかんだと、こう言って、ギューッと圧力をかけている時に、文化・スポーツ交流とは言いながらも、韓国の方から一緒にやりませんかと言って、挙句の果てに、北の方から、もう遅いのだよと、パンと袖にされるという。このキャッチボールというのは、韓国の皆さんから見ると、世界の北朝鮮に対する見方の中では韓国の独自色を出す、いいやり方なのか?逆行しているのではないかというような戸惑いの声が挙がるのか?皆さん、どう感じているのですか?」
李准教授
「李明博、朴槿恵政権の時代に結局、軍事制裁、経済制裁をやっていても、あまり大きな返りがなかったし、逆に戦争の危機の直前までいっちゃったんです。だから、文在寅大統領になったら、その環境を変えたい。もちろん、経済制裁も必要なのですが、北朝鮮が挑発行為をやり続けると1番脅威を感じるのは韓国の人々です。ですから、そうすると、実は文在寅政権の本音は、すぐ開城工団とか、金剛山観光を再開したいのですが、しかし、それが経済制裁の中でできないので…、そういうことですね」
反町キャスター
「だって、開城の金でミサイルをつくっているという話は嘘なの?」
李准教授
「それが証明されているかは別の話です」
反町キャスター
「金に色がついているわけでは…いいや、どうぞ」
李准教授
「もちろん、開城工団にこれから現金をあげなければいい話ですので、ただ、それは…」
反町キャスター
「現金をあげない?」
李准教授
「現金ではない形でも、北朝鮮と経済交流はできるんです。もちろん、韓国の利益もありますから。ただ、スポーツ交流は、これは米中和解の時代にも、スポーツ交流は、政治的な凍結はしていないですね。友好関係をつくるきっかけにはなります。韓国と北朝鮮は同じ民族ですのでどういう形であっても和解交流はある程度進めながらも、もちろん、軍事対立がある時代もありますから。今回、平昌冬季オリンピックから1つ交流を始めても、それがうまくいくかどうかはわからないのですが。これは大きな試しで、1つのチームでもいいから統一チームをつくってみることは、次の経済交流とか、あるいは文在寅さんが最後に考えているのは南北首脳会談だと思うのですが、そこまでいく、また一歩としていい機会であることは確かだと思います。実は平昌オリンピックだけではなく、私から見れば、たとえば、東京オリンピック等も実は日本・韓国、両方ともオリンピック問題、実は大変な状況です。だから、これは南北の和解だけではなくて、日本も含めて、平昌冬季オリンピック、それで、東京オリンピック、これを南北、日本・韓国がなんらかの形で共催をやっていくのは、実はこれは同じの国益の…」
反町キャスター
「南北の問題を東京に持ち込まれると困るよ、僕らは」
李准教授
「これは、私達が何かの1つのきっかけとして次の政策の展開も考えなければいけないですよね。必ずしも、軍事対立だけが続くわけではないですから。だから、政治家という人々は対立の時代だけではなくて、その対立を超えた交流の時代にも備えた政策案を出す必要があると思います」
反町キャスター
「武藤さん、どうなのですか?」
武藤氏
「もし、これが実現したら、北朝鮮を開かせる素晴らしい政策ですよね」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「だけど、実現性ありますか。たとえば、文化体育観光部長官の発言、北朝鮮で競技を行うとして、金正男を殺したような人権無視の国にIOC(国際オリンピック委員会)が選手団を送りますか?」
反町キャスター
「なるほど」
武藤氏
「北朝鮮にとってみても、オリンピックを開催すれば、選手団が来ます」
反町キャスター
「そうですね」
武藤氏
「観光客も来る、観客も来ます。彼らの行動を制約することはできません。そうしたら北の人だって交わります。体制の不安定化につながります。とても北朝鮮は受け入れられない。南北合同チームでも選手団が交流することによって北朝鮮の選手に悪い影響を与えますね。こんなの現在の金正恩体制は受け入れるはずがない。こういうことを平気で提案するのが現在の政権の政治的なセンスなのだろうと思うんですよ」
反町キャスター
「武藤さん、つまり、断られることを知っていて投げたとすれば、これは、国内向けのプロパガンダですよ。そういうのじゃなくて、本気で北に投げたという前提でお話になっているんですか?もしかしたら受け取ってくれるかもしれない?」
武藤氏
「どちらでしょうね?だけど、こんな提案を、国内向けだけにやりますか?」
反町キャスター
「いや、だから、でも、断られるのがすぐわかっているものという前提ならば、どうせダメだろうけれども、こういうふうにやれば、国内的には文政権は北との対話に熱心だと。いや、でも80%以上、上げようとしてもしょうがないですものね?」
武藤氏
「そうですよ。これが国内向けだったらいいと思いますよ。だけど、先ほど、言った政治センスでもってこれやられたら、これは堪ったものではないですよ」
反町キャスター
「木宮さん、いかがですか?」
木宮教授
「北朝鮮をめぐる問題で韓国がドンドン周辺化されていくと、何の主導権も握れないと。そういう中で、何か韓国ができることを探したい。ただ、経済協力はなかなかできないし、それから、核・ミサイル開発で北朝鮮自身が韓国の方を向いてくれないわけですね、ある意味では。そういう中で、いかに韓国として現在できる範囲の中で、北に対する主導権を取り得るかという、ちょっと苦肉の策だとは思うんですね。ただ、ちょっと実現性は私もないと思いますね」

『七放世代』と韓国の現実
反町キャスター
「李さん、言葉があるのですけれど、『七放世代』と言うのですか?恋愛、結婚、出産、就職、マイホーム、人間関係、夢、この7つを諦めた世代。これが、韓国の若者の間にこういう世代感覚が出てきている。どういうことなのですか?」
李准教授
「韓国は1997年、経済危機以降、ほとんどの大手企業ではリストラをやるし、新規採用をあまりしないですね。そうすると、大学を卒業した若者の就職率が非常に低い。ソウル大学の学生でも5割いかないですね、正規就職が」
反町キャスター
「ほう」
李准教授
「地方大学では100人の中で1人ぐらいしか正規職に入れないぐらい、ほとんど若者の就職率が非常に低いですね。全体失業率が3.6%ですが、若者の失業率はほとんど10%。3年間、1回も仕事に就いていない人は100万人ぐらいいるんですね。そうすると、本当にこれが、朝鮮戦争以降、大きな失業だと言われるぐらいなので。今回、実は文在寅大統領が当選したのは、この絶望した若い人々が現在、文在寅大統領を支持しているわけです。だから、ほとんど仕事がないと、お金がない、恋愛ができない、結婚できないと、少子化になる。そうすると、ほとんど年金が払えないし、そうやって介護問題とかも、ほとんど、若者がサポートできない、それこそ夢がない」
反町キャスター
「なるほど。原因は何ですか?なぜそういう状況が…」
李准教授
「だから…、それが1997年以降、新自由主義、グローバル時代に、格差で1番大きな被害者になっているのは、実は若者が犠牲になってしまっているわけです。しかし、この若い人々が韓国の社会ではもちろん、絶望の状況なので、日本だったらどうでしょうか、若者がそういう状況でも政治にあまり興味がないかもしれないし、あまり社会的に、非常に社会を、懐疑的に見るかもしれませんが…」
反町キャスター
「だって、大学生、そんなに就職難ではないですよ」
李准教授
「いや、でも、韓国の場合は若い人々が総選挙に参加したり、大統領選に参加し、キャンドルデモにもたくさん参加して、今回、文在寅大統領の支持の5割、6割はほとんど20代と30代です。だから、その若い人々が現在、文在寅政権で1つ希望を見ていることは確かですね」
木宮教授
「ただ、今回の公約は緊急避難的にはあり得るかもしれないけれど、まったく持続可能ではないと思います。いずれこれがどうなるかと言うと、福祉にお金がかかってくるわけで。日本ほど財政赤字は酷くないので、まだ若干は持ち堪えられますけれども、こういうことやっていると絶対にこれは財政赤字が出てきて結局、増税ということになるわけですね。そうすると、韓国社会は増税に関してはまた非常に拒否反応が、日本以上に場合によっては強い、そういう社会なので、そうすると、持続可能ではないと思いますね。そうした場合に、若者がもちろん…、若者だから韓国では進歩というか、革新に支持だということはまったく言えないと思います。ある種、私は今回の選挙も、前の政権に対して、それが悪い政権だったと、ダメだったから、文在寅さんに入れたと思うんです。従って、文在寅さんがダメだとわかれば、ちゃんとしっかりとした保守の受け皿ができれば、また保守政権に戻るという可能性も十二分にあると思います」
反町キャスター
「それはまだ、だから、リードタイムと言うか、時間的な猶予を、まだ、文政権は持っているわけではないですか?」
木宮教授
「そうですね。しかも、現在、短期的には結構いいです。輸出もいいし、経済もいい。文大統領自身は、現在ゴールデンタイムだから、野党に対して、こういうことをやらないとゴールデンタイムを逃しちゃうと説得しているのだけれども。ただ、ちょっと野党としても、これは持続可能でないのに、ゴールデンタイムだからと言って、これを認めるわけにはいかないということで、要するに、補正予算を野党が非常に渋っている」
反町キャスター
「なるほどね」
武藤氏
「韓国の政治というのは、対立の政治ですよね。あれだけロウソクデモをやったりして、朴槿恵政権を引きずり降ろして、大統領になった文在寅さんでしょう。野党は、それはすんなりとOKするわけがないですよね。問題は経済の何たるかということをどこまでわかっていらっしゃるのか、よくわからないですけれども、韓国の1番大きな問題というのは財閥しかいないですよ」
反町キャスター
「しか、いない?」
武藤氏
「要するに、財閥中心の経済なんですよ。それでリーマンショックのあと、OECD(経済協力開発機構)の中で最初に立ち直ったのが韓国ですけれども、それは財閥の輸出が伸びて立ち直っているんですよね。何をするにしても財閥に頼っているんですよ。たとえば、福祉をするにしても、政府にお金がなければ、財閥にお金を出させて、韓国政府は新聞とか、マスコミで、この財閥はよくやっていますという広報だけやっているわけですよ、実際お金は財閥に出させているんですよ。朴槿恵さんがやった創造経済、これも財閥にお金を出させてやろうとしたわけですけれども。これでは韓国経済は立ち直らないですよ、格差縮小しないですよ。中小企業をどうやって強くするか。そのためには、たとえば、日本なんかとの経済関係をもっと強くすれば、日本の企業はいくらでもあるわけだから。国際関係をもっと強化して、そういった国との経済関係を強化して、中小企業を強くしていかなければいけないと。だけど、たとえば、最低賃金、こうなった場合に、中小企業はすごく大きな打撃を受けますよね。経営者協会の副会長が非正規職を正規職にしろと言うので、そうすると、個々の企業の状況を見てくれと言ったら、怒られたわけです。それで誰も文在寅政権に対して反対できなくなっちゃっているんです。経済の分配を変えるためには、既存のパイの中で変えるのではなくて、成長の果実を分けるということをもっと考えなければいけないのだろうと思うんです」

慰安婦問題と日韓関係
秋元キャスター
「ここからは今後の日韓関係について聞いていきます。日韓の懸案事項と言えば、いわゆる従軍慰安婦問題が考えられますが、文在寅大統領は先週、ワシントンポストの取材に対して、こう発言しています。『慰安婦問題に関する日韓合意は、韓国国民、特に被害者に受け入れられていない。問題解決のための核心は、日本が法的責任を認め、政府が公式な謝罪をすることだ』ということですけれども。李さん、日韓合意について、日本政府が拠出した拠出金、元慰安婦46人のうち、36人が受け取ることに合意しているわけですが、それでも被害者には受け入れられていないということになるのでしょうか?」
李准教授
「日韓合意に関しては、韓国世論はいまだに反対の方が多いです。韓国としてはなぜ文在寅大統領、国民の情緒ということを言っているかと言うと、日本は解決済みだという言い方をしているわけです、不可逆的な、解決されたと。しかし、韓国の立場は…」
反町キャスター
「合意したでしょう?」
李准教授
「それは解決されていないということにすればいいと思います。文在寅大統領の考え方はそれです。韓国の立場としては解決されていないということが大事で、国民は朴槿恵大統領政権で解決したというようなことを入れられたので、韓国国民が受け入れてない、解決されていないという立場を維持することが大事です」
反町キャスター
「それは日韓合意の中身に対する批判ですか?それとも朴政権がやったことだから気に入らないという、そういうレベルなのですか?」
李准教授
「もちろん、国民の中ではキャンドルデモでの朴槿恵大統領の弾劾は、朴槿恵政権、全ての政策の弾劾ということもありますね」
反町キャスター
「そこですよ」
李准教授
「ただ…」
反町キャスター
「トランプさんが、オバマさんを全部倒しているみたいなニュアンス?」
李准教授
「いや、文在寅大統領と、国民の認識はもちろん、朴槿恵政策の撤回もあるのですが、中身に関して1つ1つ見ると、要するに、真相究明、強制性があったのかどうかとか、それに関して謝罪補償、そういった…、また、それに関して再発防止のために教科書に載せるとか、そういう当事者の要求事項が1つも今回の合意文の中には入っていないという認識が強いです。そういう中で、再交渉までできないことはわかっていながらも、当事者を中心にして見ると、その合意文を素直に受け取ることができないという」
武藤氏
「日韓の合意というのは、その意義というのは何かと言うと、これまで日韓関係が悪くなると、韓国の国民感情が盛り上がったでしょう。だから、日本が基本的に譲ってきたんですよ。でも、今度の日韓合意というのは、日韓双方がそれぞれの立場を譲って、共通点を見出したわけですよ。先ほど、被害者が受け入れてない、これはどうかという話がありましたけれども、36名が受け入れた、受け入れていない人もいる。だけど、これはハードコアな人達ですよ、何をやったって受け入れない人達です。朴槿恵大統領が行ったことは、これまでは慰安婦の問題と言うと、挺身隊問題対策協議会、あるいはナヌムの家にいる慰安婦の人達とか、こういった人達としか対話してこなかったんです。今回は全ての人達にあたって話をしたわけですよ。それで36名の人が受け入れると言ったわけですよね。受け入れないのはハードコアですよ。だから、この事実をわかって客観的に見たら、文在寅大統領の主張していることなどは、これはおかしいねということになってくるわけですよ。この問題は、今後の日韓関係、長い目で見た日韓関係を考えた場合に日本は合意を最後まで守り抜くべきで、変えるべきではないと思います」
反町キャスター
「再交渉、ないしは再交渉とは言わないまでも法的責任を認める、あるいは謝罪をしなさい、これには一切応じない?」
武藤氏
「一切、応じる必要はないと思います」
反町キャスター
「たとえば、武藤さんが見て、日本側の新たな、再交渉ではなく、たとえば、新たな謝罪とか、何らかの形のものに対して、反応しないことを理由に、韓国側が、かつてあったみたいな、大統領が…、朴大統領がアメリカに行って日本のことを言いつけ外交と僕らは言いましたけれど、そういうことをやるとか、国際世論に新たに訴えるとか、ないしは別の形で日本に対する世論戦、国際世論戦争を仕かけてくるみたいな。そういう可能性というのはどう見ていますか?」
武藤氏
「だって、アメリカの報道機関に対して、これを言っているわけでしょう?既にやっていますよ。だから、我々はキチッと日本がこれまでやってきたことを説明するべきだと思います。それによって日韓関係は難しくなるのだろうと思います」
反町キャスター
「ほう」
武藤氏
「2トラックと言っても、いつまでも2トラックを、挺対協が認めるかどうかは、わかりませんからね、難しい状況になるかもしれません。でも、日韓関係は波風立つ関係ですよ。浮き沈み、すごく激しい関係ですよ。でも、北朝鮮は核・ミサイルを開発したら、後戻りはできません。日韓関係は悪くなる時は速い、良くなる時も速いと。だから、悪くなる時に何をやってもなかなかうまくいかない。だから、良くなる時に一気に良くする。これまでよく日韓関係、大統領の任期末になると悪くなると言われましたけど、そうではないと思います。日韓関係が悪くなるのはどの大統領も最初は日韓関係、うまくやろうと思うんです。でも、日本側が歴史問題とかで、韓国側の要求に応えてくれないという時に悪くなるんです。だから、これも日本側が応えなくなると悪くなる可能性はあるのだろうと思いますね」
反町キャスター
「でも、応える必要はないですね?」
武藤氏
「私は、長い目で見た場合に、ここで応えていると、また同じようにこれを常に何かあっても蒸し返す。日韓関係はもっと大人の関係にならなければいけないと思います。もっと言えば、歴史問題、私もキチッとやるべきだと思います。だけど、歴史というのは戦前の歴史ばかりではなくて、戦後の歴史も入るわけですよ。私は任期を終わって帰る時に、向こうの総理とか、外務大臣に言ってきたのは、日本は国交正常化後、特に稲山さんとか、浦項の製鉄所の建設に協力してきたのだけれども、これは世銀とか、アジア会議が、韓国に現在そこまで需要がないから意味がないと言ったのを、稲山さんは、日本は韓国を植民地にしたのだから、できるだけのことを協力すべきだと言ったわけです。このことをとって、日本は韓国に感謝しろと言うのもおかしいと思うんですよ、ね?だけど、韓国の特に大統領が日韓関係をうまくやろうと思ったら、そういった戦後の歴史も知るべきですよ。慰安婦の問題だって長い歴史の中で考えたら、確かに日本はよくないことをしましたよ。だけど、それに対してキチッと謝罪はしているし、今回だってキチッと合意は守っているし、日韓関係を良くしようという努力は、日本はずっとやってきましたよ。だけど、その度に韓国が別のことを言うんですよ。日本がまた歴史問題を持ち出すから、変なことになるのだと言うのだけれど、だけど、我々の立場からすれば、日本側の見方からすれば、韓国が常にこういうのを蒸し返しているわけですよ。だから、どこかでもって、客観的にお互いを見つつ、未来志向で、良い関係をつくっていこうと、そういう関係にしなければいけないと思うんですよね」

李泳采 恵泉女学園大学人間社会学部准教授の提言 『リアリズムで向き合う』
李准教授
「リアリズムで向き合うということを言っています。日本では文在寅大統領は反日・親北朝鮮というレッテルを貼ってしまうのですが、韓国特殊部隊の出身でありますし、彼は非常にリアリストで現実主義者であります。前の廬武鉉大統領の時代に理想主義を打ち出して失敗した経験も持っています。しかし、現在、日韓関係は歴史問題だけではなくて、北朝鮮で、もしかして戦争が起きると、日韓が巻き込まれて1番の被害者になります。文在寅大統領の新しい政権になった今の時代に、文在寅大統領と日本が協力して東アジア、もうひとつの平和構築をつくっていくことで1番適切なパートナーだと思います」

木宮正史 東京大学大学院総合文化研究科教授の提言 『我慢協力』
木宮教授
「先ほど申し上げた通り、日韓の間の問題、確かに非常に対立は大きいと思います、ただ、たとえば、国家の安全保障とか、そういう国家の存立の問題ではない、そういう対立は我慢する。しかし、国家の安全保障問題に対しては協力できることは協力していくと、そういう態度が必要だと思います。これは韓国にも同じことが言えると思います」

武藤正敏 元駐韓国特命全権大使の提言 『一喜一憂しない』
武藤氏
「日韓の関係というのは、中長期的に見るべきだと思います。短期的に見れば、政治・歴史問題で悪くなる時があるのですけれども、ただ、日韓の国民同士というのは、お互いにそんなに悪い感情を持っていませんから、敢えて一喜一憂し、けしからんと言う必要もないのだろうと思います。なかなか難しいところがあると思いますけれども、こういう時にはあまり韓国を刺激しないで、ただし、自分達として言うべきことをキチッと言っていく、これが大事ではないかと思います」