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2017年6月21日(水)
小池市場会見を検証 ▽ 迫る『人手不足』社会

ゲスト

青山佾
元東京都副知事(前半)
山田惠資
時事通信社解説委員長(前半)
橋本岳
厚生労働副大臣 自由民主党衆議院議員(後半)
樋口美雄
慶應義塾大学教授(後半)
上田恵陶奈
野村総合研究所上級コンサルタント(後半)


前編

『築地は守る 豊洲を活かす』小池知事の狙いと影響
秋元キャスター
「今日は深刻化する人手不足問題について考えていきます。人手不足に伴い、企業のサービス縮小や、店舗の営業時間の短縮など、さまざまな影響が出ています。問題の背景に何があるのか、人手不足の社会が日本をどう変えていくのか考えていきます。その前に反町さん…」
反町キャスター
「はい、昨日この番組でもやりましたけれども、小池知事は昨日夕方、記者会見を行い、豊洲問題について市場を豊洲に移転する、築地も5 年後をメドに再開発するという基本方針を表明しました。一晩経っていろいろ問題も明らかになってきました。この問題、今朝の新聞各紙もいろいろな解説があったのですけれども、これは何だったのか。これが実際に都民の生活、我々の生活にどう関わってくるのか、迫る都議選に対して、我々はどういう判断材料にしたらいいか。今日はここの部分、じっくり検証していきたいと思っています」
秋元キャスター
「昨日の記者会見のポイントですけれども、大枠としては築地は守る、豊洲は活かすという方針です。築地に関しては市場をいったん豊洲に移転したうえで当面、オリンピック用の輸送拠点として活用する、5年後をメドに再開発をし、市場機能を持った食のテーマパークにするということも発表しました。一方、豊洲については中央卸売市場の機能に加え、IT(情報技術)を活用した総合物流センターにと発表したのですが。青山さん、まずこの昨日の小池都知事の発表、判断、どう受け止められましたか?」
青山氏
「この案自体は、まず中央市場機能は豊洲に移転するとはっきり言っています。それから、オリンピック・パラリンピックのためにデポとして使いますと、だから、駐車場もできます、環2は通すと言っています。当初案のトンネルでということはできませんけれども、まっすぐ通るということになります。ですから、そういう意味では、既定方針通りということだと思います」
秋元キャスター
「山田さん、今回のこの小池都知事の判断、どう見ていますか?都議選を意識したものかどうか?」
山田氏
「ええ、まさに都議選ありきで、いかに都議選を勝つかと。勝つかと言うのは、つまり、与党の、この過半数を獲れるかと。私はこれが…」
反町キャスター
「この場合の与党というのは都民ファーストと公明党?」
山田氏
「都民ファースト、公明党とあと無所属の議員、東京大改革ですね。64を超えるということ、まずその問題設定が非常に小池さんの中心だと思っています。小池さんは、そこを中心に置きながら、これまでかなりブレてきたと思うんですね。最初、知事に当選した頃は、豊洲は移転をするけれども、いろいろとそれまでにやることもあるのだということだったと思うのですけれども。その後、盛り土の問題が出てきた、あるいは有害物質が非常に出てきたと、これで少し様相が変わってきまして、1番大きかったのは千代田区の区長選挙で圧勝いたしました。そうすると、今度は、場合によってはこのままいけば単独過半数も獲れるかもしれないということがちょっと見えてきて。そこで小池さんに近い人が言っていましたけれど、あれで風景が変わったと。どういう意味ですかと言うと、築地に残すというのも自民党との対立軸という意味ではアリだなということを言いだした人がいて…」
反町キャスター
「えっ?それは、つまり、自民党はここのところ、ずっと決められない知事だと、豊洲に行けとずっと言ってきましたよ」
山田氏
「それはあとから出てきた話で、まだその頃は2月の時点ですから、ここで勝負をかけられるかもしれないと思っていたわけです」
反町キャスター
「なるほど、はいはい」
山田氏
「そうしましたら、時間を稼ごうとしていると、だんだん決められないという批判が都民の方からも広がってきたと。それから、当然、築地の市場の方からも広がってきて、それを自民党が決められない知事と言いだしたわけですけれども。それでも知事は我慢をしていたと。ところが、調査をしてみると意外と苦戦をしているケースもあった。問題はいつ決めるかと。このまま決められない知事と言われても我慢して、都議会選挙のあとまで決めない手もあるんです。なぜならそこで過半数さえ獲れば、私は多くの信任を得ているのだから、もうこれでいきます、と何でも決められるという選択肢もあったのですけれど。そこまではもたないと。そうすると、手前で決めるかと。手前で決めると今度は、豊洲を自民党が早々と言っていますから、豊洲でいくか、あるいは本当にもう1回、大勝負で、築地でいくかとなると、世論調査を見ると、小池さんの支持は高いけれども、豊洲移転の支持も高いと。そうすると、ここで折衷案のような形で、豊洲は豊洲と、しかし、築地のブランドも残すというところで八方美人的なものになったと思うんです。結果的には小池さんはこの問題を大きな争点にせずに、非常に小さな自民党との差別化はしたけれども、大きな争点にしないまま、争点外しという形でいこうと。私はそれが本質だと思いますね」
反町キャスター
「なるほど。争点外しと言うことは、たとえば、昨日公明党の山口さんも、小池さんの決定、良かったと評価されていますよね。自民党が1番困ると、こういうことになるのですか?」
山田氏
「自民党は決められない知事ということで言っているし、確かに昨日の内容を見てみますと、大変、生煮えだし。それから、小池さんの記者会見にしてはおそらく、私は20年近く小池さんを見ていますけれど、最も歯切れの悪い記者会見をしたと思っています。ただ、それは小池さん、ある意味でそのことよりもこれによって失点を最小限にとどめると、得点は始めからいいのだというような判断で、居直っていたような感がします、開き直っていた」
反町キャスター
「なるほど。会見の歯切れの悪さというのが山田さんから指摘あったのですけれども、僕も見ていて同じ話は繰り返し出るし、何か…」
青山氏
「しかも、出ていたパワーポイントと、知事の説明と違うものを説明したりとか」
反町キャスター
「あれはいったい何ですかね?」
青山氏
「おそらく出てきた資料と小池さんの考えていることとちょっとズレてたということだと思いますよ。だって…」
反町キャスター
「そんなことがあり得るのですか?だって、知事会見用の資料ですよ、秘書の人がピシッとつくるのではないのですか?」
青山氏
「たった2問の質問、3問ですけれど、の質問の中で、中央卸売市場の機能は豊洲に移転するんですという質問に対する答えで、ようやく明快に出てきました。それから、定借なのか、売却なのかということについては、その問題についてはこれからの議論ですと。それから、築地を残すことについては、これは5年後のことですと。その種のことが質問の中で明快に出てきて、パワーポイントに出てきてないというのはちょっと小池さんの記者会見らしくなかったですよね」
反町キャスター
「なぜああいうことになってしまうと想像されますか?普通知事が記者会見をやると言ったら、会見の直前に秘書団と皆で、局長の皆さんもいるかどうか、僕は知りませんよ、皆でこう集まって、発表するべきことはここだと、各局から上がってきた紙を見たら、これは被っているから外そうねとかね。そういう取捨選択とか、整理の場というのはやらないのですか?」
青山氏
「これははっきり言って、都政の中心のガバナンス問題から言いますと、専門家会議をつくりました、それから、市場問題PT(プロジェクトチーム)を顧問団の人を中心につくりました。今度は、市場のあり方戦略本部というのを、中西副知事を本部長としてつくりましたという中で、小池知事としてそれをうまく塩梅して、いろいろな方向の意見が出てくるのを自分が集約するという体制だったわけですけど、それができ切れていないということが昨日、露われちゃいましたね」
山田氏
「発表する直前の段階で、そもそも今週、新聞情報が先に出ましたけれど、先週末でしたか、記者会見をするということを聞かれた時に、あれ、するのですかととぼけた時がありましたね、知事がはっきりと。つまり、知事はこれを本当にアピールしたいのであれば、来週、私が言いますから、と言えばいいので。それは自分のリーダーシップの下に決まるのだと言えばいいことを何かすごく…その時から歯切れが悪かったのを見ていて、これはどうも部局内と言いますか、都庁内でいろいろ意見が錯綜していて、まとめ切れていないなというのを私、ちょっとそれを情報と言うよりも見ていて思いました。記者会見の様子を見て、私の予想は当たっていたなということで。また青山先生のお話を聞いて、さらにそうなったなという感じ…」
秋元キャスター
「都議会はこの小池都知事の判断をどう受け止めたのか、各会派の幹事長、このようなコメントを出しています。自民党は『八方美人みたいなプラン、原則通り、築地市場の土地売却と豊洲早期移転を求める』と、公明党は『移転の方向性を示したことは評価する。ただ築地を売却して豊洲に移るのがベストだ』と。東京改革は『少しわかりにくいが、全体の方向性については賛成。膨大な費用がかかると都民の理解を得られない』、共産党は『築地を守るとしたことは重要。豊洲移転は汚染や赤字の問題が残っている』と、都民ファーストは『豊洲市場をしっかりと中央卸売市場として活用していくという方針が確定したことを、まずは率直に歓迎したい』、生活者ネットは『都知事の決断を重く受け止める。豊洲・築地共存案は詳細が明らかにされてない』と。こういった反応ですけれども。山田さん、今回の小池都知事への反応、都議選の大きなテーマになるということですか?」
山田氏
「大きなテーマになりそうだったわけですけど、昨日のような会見になりましたから、大きなテーマにならなくなったと」
反町キャスター
「ならなくなった?」
山田氏
「八方美人みたいなプランは八方美人プランそのものですね。まさにそれは八方美人にした理由というのは、争点にしない理由というのは先ほど、申し上げた通りですが。ただ、公明党ですね、問題は。公明党は移転をしてほしかったわけで、公明党が1番、胸をなで下ろしていると思うんです。と申しますのは、もし築地に残るような案を出されたり、あるいは先送りされてしまうと後々また国政では自公の関係が非常に重要なわけですから、股裂きになってしまうということもあり得るので。ですから、そういう意味では、今回の案というのは公明への配慮とも言えるのですけれども。あとは共産党が反対をしているというのはそのままですが、これはそのものが築地に移転するか、豊洲かという問題は都議会選挙の争点から外れてしまって。あとで申し上げようと思っていたことですけれども、むしろ現在、加計問題と共謀罪問題で、安倍さんの支持率が落ちてきています。おそらく最近の調査で言われていますのは、実は共産党の支持が戻ってきているということがあります。なぜかと言うと、共産党が豊洲移転は反対の立場をずっと言っているわけです。戻った理由というのは、別に豊洲移転が反対だから共産党に支持が戻ってきているわけではなくて、この都議会選挙の質が変わった。つまり、この先週末からの支持率の下落で人々は、有権者の人達は小池さんかどうかではなく、安倍か、反安倍かという選択をそろそろし始めているなと」
反町キャスター
「都議選がそういう選挙になるのですか?」
山田氏
「ええ。そうしますと、昨年の参議院選挙でそれは見えたことですけれど、受け皿がないという中で、では、選挙に行くか、行かない。行くならば、民進党に入れるかもしれないけれども、共産党もあるなということで、その部分をうまくすくいとったのが、共産党のやり方…」
反町キャスター
「反安倍の党に都民ファーストがなるのですか?」
山田氏
「いや、都民ファーストになるというより共産党がなるということです。だから、現在、支持率…」
反町キャスター
「国政のイメージで、都民ファーストではなく、共産党にいっちゃう?」
山田氏
「ですから、それは表立って誰も言っていなくても、これだけ報じられてくると、自民党に入れたいか、入れたくないかという選択が自然に有権者が投票する際に出てくるというこの展開が、どうもこの最近の、共産が少しまた盛り返していることにつながってきていると思うんですね。ですから、これは小池さんが仕かけたわけではなくて、むしろ自民党のある意味で、ここのところの失点、オウンゴールみたいに続いていますでしょう。それが現在、都議会選挙の形を変えてしまいつつあると私はそういう見方をします」
反町キャスター
「青山さん、山田さんみたいな、都議会選挙になるのだろうという見方も1つある中で、東京改革が言っているような膨大な費用の問題。だって結局、小池さんが決めたことって、1番、金がかかるパターンではないかなと見えるんですよ」
青山氏
「はい、文字通りとっちゃうとね」
反町キャスター
「えっ?文字通りとらないで、どう裏読みしろというのですか?」
青山氏
「つまり、文字通りとって、築地の再整備という方にとると、そうすると、築地を売らないわけですから…」
反町キャスター
「それが1番、お金がかかります」
青山氏
「すると、債務はどうするのだと、昨日の、記者会見の最後の質問に戻っちゃうわけですよね。ただ、おそらく昨日の記者会見はそういう流れでいきましたけれど、基本的には、築地をどうするかというのははっきりしているのは、5年間、オリ・パラのために使う、環2も通すということがはっきりしているわけですから、その間に十分議論したいということも、昨日、小池知事は言っていますので、これは未定と。その未定自体はもともと今回、市場移転を立ち止まって考えなくたって、もともと跡地利用についての議論はまず移転してからということになっていたし、オリンピックが終わってからのことですと」
反町キャスター
「では、元に戻っただけではないですか、話が?」
青山氏
「そういうことです」
反町キャスター
「えっ?」
青山氏
「実質的にはそういうことですよね。ただし、そこで含みを持たせたという点に、今回の、記者会見の基本方針の意味はありますよね」
反町キャスター
「あると思っています、本当に?」
青山氏
「いや、これは5年間の話です」


後編

待ったなし『人手不足』社会 企業の苦悩とサービス縮小
秋元キャスター
「深刻な人手不足で悩まされている企業、現在、次のような対応策を講じているんですね。ごく一部の例ですけれども、宅配最大手のヤマト運輸は通販の荷物が増加していることによる宅配ドライバーの人手不足などに伴って宅配サービスの見直しの一環として正午から午後2時までの時間帯指定サービス枠を廃止しました。荷物のサイズに応じた基本運賃の値上げも行うということです。ファミリーレストラン大手のロイヤルホストは24時間営業を廃止しました。コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンですけれど、店舗から徴収する加盟店料であるロイヤリティーを1%引き下げると発表しました。これは人手不足によって人件費が上昇したことから、加盟店の負担を減らすことが目的とされています。橋本さん、人手不足が企業のサービスの縮小にまで及んでいるという現状、厚生労働省としてはどう見ていますか?」
橋本議員
「はい、厚生労働省という役所は当然、労働規制をちゃんと守ってほしいので。そうすると、残業があるのだったら残業代、払っていただかないといけないし、深夜割増の賃金、10時以降だったら払っていただかなければいけないわけです。なのに、ふと世の中を見ると、たとえば、ファミリーレストランが24時間営業をしていますと、本当言うと10時以降だったら、そこで働く人の賃金、高いはずです、同じような歳の人でも。だけど、食べるものと一緒ですよね、値段が変わらないですよね。前、働き方改革の時に、最終的にその話になったと思うのですけれど、消費者がそれを当たり前だと思っているではないですか。本当はそれをまずちょっと考えた方がいいのではないかと思っていたんですよ」
反町キャスター
「10時過ぎたらメニューを100円アップしろと、そういう話ですか?」
橋本議員
「たとえば。でも、そうではないと、本当を言うと残業代なり、割増賃金なりを払わないといけないので。これまではおそらく企業努力でどうにかしていただいていたのだと思うのですけれど、それがつらいということです。だから、適正なサービスに適正な価格を払っていただければいい、だけれども、これまではできるだけ宅配も早く来ればいい、あるいは24時間開いていればいい、そういうサービスを企業努力でしていただいていたのだと思うのですが。そこには働いている人がいるし、その働いている人には働いている人に合った賃金を払っていただかなければいけないし。そこのところを私は今回、人手不足という、まさに現在そういう状況なのですけれども、見直すきっかけになりはしないかなと思っているんです」
反町キャスター
「この3つのパターンとかを見ているとね、たとえば、現状のサービスを維持するためには価格を上げざるを得ません、結果、価格を上げることによって深夜帯に働く人、ないしは過酷な勤務に入っている人達の賃金を上げますというプラスの回転になっているかと言うと。サービスは悪化させます、営業時間は短縮させます、でも、賃金は上げませんという何か負の、縮小再生産とは言いませんけれど、何かそちらに向かっているようなイメージ、これは間違いですか?」
橋本議員
「ただ、それは24時間営業のスーパーなり、コンビニなりあったとして、お客さんはいつが多いのですかと言ったら、それは当然、お昼間の時間なり、通勤の時間なり、限られた時間にお客さん多いし、逆に深夜はもちろん、たまにはお客さんが来るでしょうけれども、あまり多くないですよね。だけど、そこで売っている商品の価格、全部同じということで。なんとなく私達、それは便利だと思っていますが…」
反町キャスター
「コンビニも深夜帯になったらオニギリ160円にしたらいいとか、そういう意味も含めての提案ですか?」
橋本議員
「たとえば、それは、タクシーは深夜帯料金になっているわけですよね。それはまさにタクシーの運転手さんも彼らは彼らなりに割増の賃金を受けるということになるから当然、それに見合った賃金体系になっているわけです。だから、厚生労働省としてはどうやって企業が稼ぐかというところは、本当を言うと所管外ですけれども、我々としてはちゃんとどんな人でも働いて、人間らしい働き方でちゃんと生活できる賃金が得られるような働き方というものを、社会はなってほしいと思っているし、だから、働き方改革というのもその一環でやりますと言っている中でもう1回、消費をする立場、あるいは経営する立場、働く立場、いろいろな立場がありましたけれど、そこのことをしっかり考える機会にしていただきたいなと思っているんです」
反町キャスター
「日本は、僕らの会議の中でガラパゴス化に似ているのではないのという話が1回出たのですけれども。宅配便にしてもここまで正確に翌日配達とか、そういうサービスというのを世界各所どこでもやっているかと言ったら、なかなかそうではないだろうと。コンビニにしても、ファミレスにしてもそういうサービスが世界どこでもやっているかと言ったら、日本の非常に特化した、過剰なとは言いませんけれど、非常に濃密な、丁寧なサービスというものが、サービス業のそのやり方がかえって我々の首を絞めているのではないかという、ここの部分、我々はどう見たらいいのですか?」
上田氏
「まさしくそういう競争のメカニズムが現在変わろうとしているのだと思いますね。これまで無料で得られるだけ、得たいと、おまけを貰えれば嬉しいと、それが貰った分だけ値段を払わないといけない。たとえば、深夜営業のお店と、ディスカウントのスーパーで、同じペットボトルの料金は変わっているのですが…」
反町キャスター
「全然、違いますよ、その通り」
上田氏
「そうですね、ところが、そこの料金に対して我々はあまり意識をしていない。そういう一物一価ではないものというのがドンドン広がっていった時に自分はここの付加価値に対してお金を払う覚悟はあるのですかというのをもうちょっと考えていくと、もうちょっと深夜営業の店というのは少なくてもいいのかもしれないと、なってくるのだろうなと。一方、企業の方もこれまで企業規模を追求してきた感があると。現在、成熟市場になってきていますので、さて、利益率だと考えた時に横並びの競争をやめることに対して、自分が最初にやるという勇気がなかなかない。今回、問題が水面下から水面上にヒョッと上がったので、僕はやめるよという企業が何社か出てきたわけですけれど、なかなかこれまでそれ言えなかったのが今後変わっていくんですね。ただ、我々も考えてみると、既に繁忙期と暇な時で電車の料金も若干違いますし、飛行機の値段なんて時間帯によって違うのは当たり前ですね。そういうものをだんだん受け入れてきていると。これは全てに行きわたって、1番、配達が多い時間帯を選ぶのであればプラス100円ですと、だけども、そうではない時間帯に宅配ボックスで絶対受けとれるのだったら、そこでいいですねと、安い値段を選択する。そういうもうちょっとお互いがちゃんと競争して自分達がどこに張っていくのかいう、選択と集中と言われて久しいですけれども、それが本当に始まるのが今後だろうと思います」
反町キャスター
「日本のサービス業はそういう意味で言うと、過当競争なのですか?」
上田氏
「過当競争の部分が多いのと、過剰競争なわけですよね」
反町キャスター
「過当と過剰の違いがわからない…」
上田氏
「過当競争と言えば、まず自分が撤退するということを選択しなくて、横並びで、他社もやっているからウチもやると。そういうのも、本当は24時間営業のコンビニと24時間ではないスーパーと分かれているのだから、もっともっとそういう文化というのは他の部分でもやっていけばいい。ウチは、同業他社は割増料金がいくらと言っているけれど、もっと必要ですと、その代わりサービスは良いですと。そういう差別化をしていけばいいと。あと過剰競争というのは消費者が喜ぶのだったらコストを度外視してやっていくと。でも、そこの裏側には労働力不足の中ではそれを提供するリソース不足になってしまっているで、もうできないですね。なので、喜ぶのだったらもっとやれば、お客様が満足して来てくれるのだと、この考えを捨てるということも大事です」
反町キャスター
「お客様第一という、日本の美風とは言いませんよ…」
樋口教授
「ただ、日本のサービス産業の生産性は、国際的に見て低いと位置づけられているわけですね。逆にフランスは高い、なぜなのだろうかと。フランス人の方が良いサービスを提供しているのだろうかと。と言うことを考えるとちょっと疑問を持つということがあるわけです。問題は、生産性は何だろうかというところですね。要は、付加価値ですよ。付加価値生産性ということになると、それなりの料金をとらないと…」
反町キャスター
「価格ですよね、要するに」
樋口教授
「という形になって。ある意味で、これまでは企業の方がサービス業において生産性が低い、その代わり逆に消費者の余剰というのがかなり高く持ってきたと、と言うようなところがあるわけで。いかに付加価値を高めるかという。その時には他とは違ったサービスを提供するというような、アイデアをつくっていく、使っていかないとなかなかそれはできないと」
反町キャスター
「付加価値を高めるのは、つまり、価格にメリハリをつけるとイコールでいいですか?」
樋口教授
「そういうことですね、ええ」

『女性・高齢者』で補える?
秋元キャスター
「政府はこの人手不足解消のために、女性や高齢者の就労の促進に取り組んでいますが、橋本さん、この政府の取り組みでこの人手不足というのは解消できるのでしょうか?」
橋本議員
「はい、まず基本的に労働人口量が不足します、してきているし、これからももっと酷くなっていきますねというのは、これは人口構造上そうなっているのでしょうがない。これから出生率をいくら増やしたって、その人が労働者になるのは十何年か二十何年あとですから、当面はしょうがない。だから、一億総活躍をしましょうということで、介護離職ゼロ、要するに、介護をしながらでも働けるような社会にしましょうということだとか、子育てが安心してできるようにしましょう、待機児童ゼロはちょっともう少し先になりましたけれど、だけども、保育園をいっぱいつくっているわけです。ということは、取り組んでいて、だから、安倍政権に代わってから労働者の数そのものは185万人ぐらい増えています。それは人口のトレンドとしては減っている中で増えているということは、これまで労働に参加してなかった人が社会に出てくることになった。それは政策的な1つの成果なのだろうと思います。かつ、そうは言っても、まだ人手不足だねという時、かつご高齢の人にももっと参加をしてほしいといった時、たとえば、長時間労働しないとウチの会社では勤まらないよ、みたいなことをいつまでも言っていると、やっていけないし。あるいは正規の職員の人と非正規の人で賃金の差がこんなにある、これはちょっと非合理だよねということも歪みとして出ているので。そうしたことを解消しようということで、働き方改革というのをまさに3月に決定して、今度の秋の臨時国会に法案を出すように現在、準備中ということですが、取り組んでいるわけです」
反町キャスター
「上田さん、たとえば、女性や高齢者がいっぱい労働力として社会参加するようになったなら、日本の労働市場というのは劇的に改善するのですか?」
上田氏
「もちろん、人数が増えていきますので、現在の、少子化の流れの中で、それを食い止める力はあると思います。ただ、それで全てが解決するのかと言うとそうとも言い切れないというところがありまして。放って置くと当然、人口、労働力というのは大幅に減りますと。ざっくりですけれども、700万人以上減るわけですけれども、そのイメージで東海地方の労働者がこの先ざっくりいなくなるぐらいになります、それぐらい減るのですが、経済成長が、たとえば、2%ぐらいあって、かつ高齢者と女性の社会進出が進みますと。となると、減り幅というのはだいぶ解消しまして。ただ、ミソはこの数字自体いろいろな条件を置けば変わると思いますけれども、ただ、それでも全部は足りないです。それから、先ほど、反町さんがおっしゃった通り、働いている方の中でも、たとえば、今後、子供と高齢者のダブルケアをやっていく人であるとか、女性の働き方というのも労働時間の短縮という意味で、労働者の質も現在とは変わっていきますので。仮に人数が同じになったとしても企業の努力というのは求められると、現在のままでいいということには決してならないと思っています」
反町キャスター
「樋口さん、橋本さんの話とか、上田さんの話を聞いていると、政府が現在やっている人手不足対策というのは、これで十分なのか、ここの部分が足りないのではないかというのは何かありますか?」
樋口教授
「現在の人手不足、景気というのと非常に関連しているわけです。景気が回復してきてという形で急増している。だから、将来、見通す時には今後の成長どうなのだと、というようなところと関連してくるわけですね。確かに労働力人口というのはどうも減少する。ただし、働き方改革ということで、その減少の幅というのは小さくなるだろうと言っているわけですね。ところが、一方において、人口が減少すると、消費者も減るということもあるわけですね。そうなってくると、供給も減るのだけれど、需要の方も減る可能性があるというようなことですから。この労働力人口の減少というのがそのまま人手不足になるのかというのは、経済の運営をどうしていくかということと、非常に関連していると思いますね。もう1つ重要なのは、生産性の向上が不可欠だと思うんですね。日本の場合、失われた20年間、成長率も低いですけれども、この生産性の向上というのが非常に低かったと言われます。どうしてだろうかというようないろいろな研究が起こっているわけですね。それを見てみますと、中には、たとえば、ハードウェアに対する投資、たとえば、コンピューターでも、ハードについてはいろいろ企業も投資しています。ところが、なかなか人材投資というのがうまくいっていないのではないかと。従って、機械はあるのだけれど、それを使っていかに生産性を上げていくか、組織をまた活性化していくかというようなところの力というのを失ったのではないかと、ということがありますから。生産性を上げるためには人を大切にしていくというようなことが重要であって。その日、その日の仕事だけというようなことでは皆疲れてしまうというようなことが起こっているのではないかと思うんですね」
反町キャスター
「その日、その日の仕事で疲れてしまう、ちょっと身に染みるのですが」
樋口教授
「なかなか生産性というのは上がらない、企業改革というものを進めなければならないわけでね…」

『外国人労働者』受け入れ
秋元キャスター
「さて、この人手不足解消の対策として外国人労働者の受け入れと、AI(人工知能)やロボットなどの新しいテクノロジーの活用が言われているのですが。まず外国人労働者の受け入れについて考えていきます。外国人労働者の現状がどうなっているのかというのを見ていきますと。現在、届け出のある日本で働く外国人労働者、およそ108万人です。そのうち就業ビザで働くためには教育や医療、法律などの専門的な技術や知識を持っていることが条件となります。内訳で見ますと、そのような人が18.5%、その他は永住者や日本人の配偶者といった身分に基づく在留資格を持つ人や技能実習、留学生など就労目的でない外国人アルバイトなどもいます。そうした中で東京、神奈川、大阪の国家戦略特区では外国人による家事代行サービスが解禁され、大手企業による外国人労働者の受け入れが今年から始まっています。橋本さん、この特区での外国人労働者の受け入れというのは今後も広がっていくと見ていますか?」
橋本議員
「国家戦略特区という仕組みが、自治体から要望をいただいて、国の方でそれが、たとえば、悪い影響を及ぼさないかとか、いろいろな審査をして、いいねということになったらやろうという話なので。今後どんなニーズが各自治体から上がってくるかということによるのだと思います。ただ、それは来たらちゃんと我々なりにきちんと、それが日本の国のために役に立つのか、あるいはまさに特区としてやるのに、特区、それは全国的にやるべきだよねという話になれば、それは全国で制度をつくればいいですけれども、ある種、試しでやってみようのが特区という制度の意味ですから、それに相応しいものなのかどうか、やってみなければいけませんし…」
反町キャスター
「特区での家事代行サービス、外国人労働者の受け入れ、影響、評価、いかがですか?」
樋口教授
「企業は景気が良くなるといつの時代でもこの外国人という話が必ず出てくるんですね」
反町キャスター
「それは悪いこと?」
樋口教授
「いや。悪いかどうかは別として人手不足になると外国人労働者を増やしたいというような気持ち、強くなりますから、必ず出てくる。出てくるのですけれど、具体的にどうするのだというような問題。今回テストとして、こういった形でやっているということですが、ここで考えなければいけないのは、外国人労働者と言っているのですけれど、彼らは労働者だけではなく、人間として生活していくわけですね、だとすると、生活面も含め検証していかなくてはいけない。要は、それなりにそれぞれの住民がこういった人達を受け入れると、企業だけではなくてというような、そういったところがちゃんとできるのかどうか。またはいろいろな福祉政策であるというようなものもあると思います。社会保障の問題、税金の問題というのもあると思いますが。そこまで含め、こういったものの成果というものを考えていかないとあとで景気が悪くなったら、お帰りくださいと言っても、これは、なかなかそうはいかないというようなところがありますから。そこまで含め、考えていくべきだろうということですね。外国人労働者を受け入れると言った場合には、大きく2つのやり方というのがあるんですね。1つはローテーション方式と言われています。たとえば、人手不足になっている、3年なり、5年なり、期間を限定して受け入れましょうと。その人達、その期間が来たら帰ってもらう。また、そこでローテーションですから、次の人に来てもらう。景気が悪くなれば入ってくる人数を抑制しますというような、これが1つです。もう1つは、移民という形でずっと住んでもらうというようなことを前提に受け入れるというようなこと。この2つがあると思うんです。なかなか前者の方については、たとえば、現在の日本を考えても、入国の審査というのは非常に慎重にやっているということなのですが、国内に今度は入ったあと、その人達がどうなっているかというようなことについてはフォローがなかなかできないですね。と言うことは、今度、期間がきたからお帰りくださいと言っても、それはなかなか実行が難しい。それがうまくいっているところというのは、割と小さな国で、警察権が強いというようなことというのが出てくるわけですね。現在考えているのはどちらなのかというところが問題になってくるわけです。これまで多くの国を見ると、なかなか大国で、このローテーション方式による受け入れというのはうまくいっていないなという感じがしますし。一方において、移民ということであれば、まさに生活ということになってきますから、そこで国民として、こういう人達を受け入れるのかどうかという合意がないと、なかなか企業だけが言っても、それは難しいということになると思いますね」

外国人労働者と日本の覚悟
秋元キャスター
「外国人から見て、日本は働く場所として魅力的なのかということですけれども、アジアやヨーロッパ、アメリカなどの外国人819人に日本で働くことは魅力的かということを聞きました。非常に魅力的が4.3%、やや魅力的が17.7%、合わせて22%なのですが、あまり魅力的ではない、まったく魅力的ではないというのがほぼ50%、魅力的を大きく上まわっているんですね。上田さん、外国人が日本を働く国として魅力的ではないというのはどういう理由なのでしょうか?」
上田氏
「これは先ほど来の話にも続くと思いますけど、長時間労働で、しかも、ワークライフバランスはかなり劣悪と、諸外国に過労死という言葉を輸出しているくらいの状況で、そこで働くほどのインセンティブとは何だろうと。それは、たとえば、給料だと言うのであれば、もちろん、それはあると思うのですけれども、残念ながら、日本の正社員の給料を諸外国と比べると極めて低い水準にあります」
反町キャスター
「どういう意味ですか?ドル建てで低いという意味ではないですよね?」
上田氏
「ドル建て…」
反町キャスター
「購買力平価みたいな、物差しで見た時に…」
上田氏
「もちろん、換算したうえでですけれども、その時にOECD(経済協力開発機構)の中で比べるとほとんど最下位ぐらいのところにあって、しかも、将来の経済見通しですね、どのくらい成長するのか。もちろん、2%とか、いろいろ楽観的な数字ありますけれど、若干かために見積もっているOECDのヤツで言うと、ほとんど、ギリシャとか、イタリアと同カテゴリーにあって。我々はこれを労働力の受け入れ国として魅力的な国だと、ギリシャを思っているか、いないですよね。諸外国から見た時には、日本はそのぐらいの見方をされているわけですね。ここに経済条件で来るという人はいないわけです。そうすると、労働条件が悪く、経済条件は悪いと。そこに日本文化が好きだという方は来ていただけるかもしれませんけれども、少数ですよね。と言うのが、ここにあらわれているんだと思います。かつ来た時に日本語の壁というのが極めて高いわけです。アルファベットの人からすると、まずひらがな、カタカナから漢字から使いこなすというのは極めてレベルの高い話で、かつ仕事の内容についても、それこそ、お客様は神様状態ですので、高い水準を求められるわけですね。高い水準と言うより自分がいた国の水準とは違うわけです。と言うことをキャッチアップしないといけない差分があるのですけれども、それを学んで母国に戻っても、おそらく過剰品質なので、いらないキャリアパスです。それを持って帰る意味もないので、日本に来てもしょうがないよねという評価をされかねないですね」
樋口教授
「日本はこのままいった場合に、他の国における介護人材の必要性というのは、少子高齢化が高まってくる、そうすると、なかなか日本にも来てくれないよというような話が出ているわけですね。そこで競争力をある意味、人材を確保する競争力を高めなくてはいけないというような時に、海外で稼いで日本で、たとえば、観光した方がいいとか、日本は安全だし、安心して生活することができるということであれば生活者としては日本に住みたいと言う人がいるわけですが。職場として働きたいかというと、そこのところに疑問を持ってくるというようなことはあると思います。現在、賃金の問題、出ています。あるいは労働時間が長いということもあるのですが、もう1つ、彼らというのは割と短期的な成果というのを求めていくというような特性があるんですね」
反町キャスター
「終身雇用ではないものね」
樋口教授
「これは日本の女性でも割とそういったところがあるわけですけれど。それに合った人事制度になっていくのかどうかというところもちゃんとキャリアアップができる、あるいは自分の成長というのを感じられるようなそういった職場なのかというようなことですね」
反町キャスター
「移民を増やすために、日本の雇用慣行を全部壊せとは言いません、変えろと、そういう話になるのですか?」
樋口教授
「働き方改革っていうのは…」
橋本議員
「それが働き方改革…」
反町キャスター
「なるほど。それをやらないと行き詰ってどうにもならないところまでいっていると、我々は思った方がいいのですか?」
樋口教授
「要は、働きやすい環境というものを、企業としても、あるいは社会としても、どうつくっていくかということが現在、問われているということだと思いますよ」
反町キャスター
「いかがですか?そういうことなのですか?」
橋本議員
「だから、働き方改革です」
反町キャスター
「厳しいな…」
上田氏
「そうだと思いますけれども、働き改革の中で、女性の働き方ということを集中的に議論する向きがあるのですけれども。それ自体はもちろん、正しいのですが、ただ、それが結果的に他の人達にとっても働きやすい環境をつくっていくというところがミソだと思います。ですので、働き方改革を外国人のためにやります、女性のためにやります、それだけではなく、もうちょっと広い視野で、要は、自分の価値観と違う人ともちゃんと働ける。そうなると、会社の中の暗黙で、わかるだろ?と、この会話は通用しなくなるという前提の時に…」
反町キャスター
「…忖度」
上田氏
「…ええ、ちょっと忖度するのは、だいたい上司に対してはするのですが、ただ、それが部署間のそういうものが明文化されていないであるとか、そうなってくると、いよいよ働きにくくなる。1個1個変えるのは別に誰のためではないよねという、自分達のためだし、新しく来る労働者のためでもありますと、全員に通用するものがだと思っています」

人手不足とテクノロジー
秋元キャスター
「さて、外国人労働者と並んで、人手不足解消策として期待されているのが、AIやロボットなどの新しいテクノロジーですが。現在、人手不足が言われている、主な職業の有効求人倍率を見てみますと。たとえば、建設躯体工事が8.35倍、これは建物の柱を組み上げたりですとか、コンクリートの打ち込みとかですけれども、これが8.35倍。保安が6.34倍、医師や薬剤師などが5.43倍、建築・土木・測量技術者が4.41倍、接客・給仕が3.73倍、介護サービスが3.13倍、商品販売が2.10倍となっているのですけれども。上田さん、こういった職業で将来、たとえば、AIとか、ロボットが担ってくる可能性というのをどう考えていますか?」
上田氏
「AIやテクノロジーというのは万能ではありませんので、当然、向き、不向きというのがあります。向いているものというのは自動化しやすいものですけれど、定型的なものであるとか、あまり人と高度なコミュニケーションが要らないものである、それから、あまりクリエイティビティが要らない、創造性が要らないようなものと思っています。ですので、よくある話は単純労働から置き換えましょうなのですけれども、ただ、AIの新しい動きというのはこれまでのような製造業とか、機械化のところだけではなくて、オフィスの中にも今後、自動化の波は押し寄せてくるだろうと。そういったところでの単純労働とか、比較的簡単なものから、AIはドンドン入っていくだろうとは思っています」
樋口教授
「確かにAIが入ってくるということは人の働き方を大きく変えるだろうと思います。あるいはどういった分野で人が必要になってくるかというようなことについても大きく変わってくるのではないか。たとえば、ビッグデータ、こういったものを使い、たとえば、営業、あるいは流通のところにおいて顧客の開拓とかに使おうということになれば、集中的に人材に投資しますから。それによってこれまでムダだったというところが省けてくるというようなことはあると思います。ただ、それを使う、今度は使いこなす人材、AIを使って、どこにどういう人材がいるのかという、どういう需要があるのかというようなことを、開発するようなそういった人間というのが必要になってくるということですから、たとえば、端的には一般事務というのは減少せざるを得ないだろうなと」
橋本議員
「結局、現在、有効求人倍率が高いというので、出ていない一般事務というのは、実は求人倍率そんなに高くはないです。それは結局、応募する人も多いし、そんなに人手に困っていないものなので、実はその分野というのは、もしかしたら、AIとかで置き換わるかもしれないし。逆に言うと、建築躯体工事は、もしかしたら効率的にその仕事をやろうみたいなので、AIが活きるかもしれませんけれども、すごく物理的な仕事ですから、それは誰かがクレーンとかを操作して、組み立てていかなければいけないわけで、その人がいなくなるかというと、それもないのだろうと思うんです。だから、人がやらなければいけないことと人でなくても、あるいは人を支えるものとしてAIなり、ITなりが使われるものということはクリアになると思いますけれども、最終的に残るものというのは必ず出てくると思うし。逆に言うと、人の方がただ単純作業して給料貰ってというのはなかなか難しくなるかもしれないので。そこはAIをどう使いこなすかとか、そういうようなことを、あるいは人とコミュニケーションをちゃんとするような能力をスキルアップさせていこうねとか、そういうことは必要になってくるかもしれないという気はします」

上田恵陶奈 野村総合研究所上級コンサルタントの提言 『多様性』
上田氏
「多様性というのをキーワードにしてみました。働き方、価値観、業務の進め方、どんなビジネススタイルを選ぶのか、いろいろなところを、その多様性を、自分に合ったものを見つけていかなければいけない時期なのではないかと思っています」

樋口美雄 慶應義塾大学教授の提言 『働き方改革』
樋口氏
「働き方改革、これ一辺倒だ思いますね。人口が減少してくるという中において、誰もが意欲・能力が発揮できるような環境というものをつくっていかないと、働き手が減っていくという、人材がいなくなってしまうというようなことですから、これが重要だと思います」

橋本岳 厚生労働副大臣の提言『今こそ "働きがいのある人間らしい働き方"を考えよう!!』
橋本議員
「今こそ『働きがいのある人間らしい働き方』を考えようということで言っています。同じ話ですけれども、結局、人手不足の時だからこそ、働くとは何なのだろう、それに対してちゃんと対価を得ることというのはどういうことなのだろうということを、ちゃんと考えていくべきだと思います」