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2017年6月12日(月)
櫻井よしこ×憲法改正 小野寺五典×自主防衛

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛大臣 衆議院議員
櫻井よしこ
ジャーナリスト 国家基本問題研究所理事長

憲法改正の『理想』と『現実』
秋元キャスター
「先月の憲法記念日に安倍総理が自民党総裁として、9条の1項、2項を残して自衛隊を明文で書き込むといった憲法改正に向けた考えを示してから、1か月となります。自民党では先週から本格的に議論が始まりましたけれども、この憲法改正に向けた動き、今後どのように進むのか。緊張が続く朝鮮半島情勢や周辺国の対応などについて、じっくりと聞いていきます。5月3日の憲法記念日に行われました公開憲法フォーラムで、自民党の安倍総裁は『自衛隊が違憲かもしれないなどの議論が生まれる余地をなくすべき』『9条の1項、2項を残しつつ自衛隊を明文化するという考え方は国民的な議論に値する』という考えを示しました」
櫻井氏
「ポイントは1項、2項をそのままに3項を入れましょうということですね。それから、教育の無償化とかですね。私は記事を書いたりする時に、あまり失礼な言葉遣いは、批判をしても丁寧な批判をすることに努めているんです。でも、このことについては安倍さんを、なんと老獪な男か、と書きましたね」
反町キャスター
「それは褒めているのですか?逆にちょっと批判しているような、もうちょっとしっかりした球を真ん中に投げてよということなのか?」
櫻井氏
「実に煮ても焼いても食えないヤツだということです」
反町キャスター
「なるほど」
櫻井氏
「だって、あのクセ球は、これは保守の人達はすごく不満に思っているんですよ」
反町キャスター
「櫻井さん自身も不満ですか?」
櫻井氏
「もちろんです。2項を残すわけですから。憲法改正の軸は何か、2項を削ることです。ね?でも、2項を残しますとおっしゃった。でも、9条と言っているんですよ。これまで、この改憲論議で9条に触らないようにしよう、触らないようにしようと皆ビクビクしていたところに、総理がいらして、自民党総裁の立場としてですけれど、9条といきなりおっしゃったわけでしょう。これは相当なショックです、3項とおっしゃって。なるほど、その心は公明党を取り込むことだなと誰でもわかりますよね。次に今度は、教育の無償化をおっしゃって、これは維新を取り込むためで。なるほど、これは超現実主義に立って、何がなんでも憲法改正、とにかく自分の時にしたいのだ、そうしなければならないという想いですね。この想いについては、私は共感します。共感しますけれども、総理が総裁として提示なさった手法については、言いたいことは山ほどありますよ。だけども、これがいいことなのかどうなのかということは、言論人としても、あとで本当に内心、忸怩たる想いが残るかもしれないという可能性を持ちながらも、この激動する国際情勢を見る時、とりわけ中国のすさまじい侵略を見る時、北朝鮮の核もありますけれど、アメリカの変化を見る時に現在何がなんでも、韋駄天のように走って、憲法改正をしないといけないのだという想いは、私の側にもありますから。ここは総理の、総裁としての考え方はとにかく皆、弛緩しきっていましたけれど、本当に自民党も、小野寺さん、デレーッとして、だらしがなかったのですけれども、ここにボーンと石を投げこんで、大きな波紋を広げましたね。あの提案があったあとから、自民党もにわかに活発になって、野党もそうですよね。これはすごく狙い通りだったのではないかと思います」
反町キャスター
「小野寺さんは今回の安倍さん、安倍総裁提案、9条1項、2項を残して第3項になるのか、9条の2と言う人もいますけれども、自衛隊の存在を明文化しようと。どう見ましたか?」
小野寺議員
「私は極めて絶妙なコースにボールを投げてきたなと思っているのですが…」
反町キャスター
「ストライクですか?ボールですか?」
小野寺議員
「これはギリギリのところだと思います」
反町キャスター
「入っていますか?」
小野寺議員
「私は入っていると思います。それはなぜかと言うと、実は自民党には平成24年につくった憲法の草案というのがあります。これは現在でも総務会決定で、党としての1つの決定事項としてあります。ただ、これをたぶん進めても国会の現在の状況、衆参の3分の2の提案ということを考えて、また、国民のいろんな意見を聞く中ではなかなかこれは提案すらできない、そういう国会の状況だと。だとすれば、1歩とは言いませんが、0.5歩なのか、0.2歩なのかもしれませんが、改正ができるということをまずスタートするということが大事。そうすると、あ、これだったらもしかしたら、3分の2という、いわば議会の勢力で提案できるのではないかという、そういう絶妙なコースのボールなのだと思います。ただ、その中で、たとえば、自衛隊のことに対してのお話はありましたが、私は個人的にありがたいと思うのは、実はこれまで自衛隊の子弟、お子さん方ですが、従前、学校に行って、学校の先生からお前のお父さんの仕事は憲法違反の仕事だといじめられていた、実は子供達もいると聞きました。それから、実は現在、自衛隊は、たとえば、災害救助とか、いろいろなところで大変、国民の信頼を受けているのですが、共産党ですら、自衛隊の存在については、これは認めてもらっています。ところが、憲法の議論になると、多くの憲法学者の方がこれは憲法違反だと言う。だとすれば、政治のほとんど、あるいは国民の皆さんも、自衛隊は憲法違反ではないのだと思って、自衛隊に活躍してもらおうという、そういう気持ちはたぶん皆さん、持っていると思います。とすれば、それを1つ入れて、たとえば、憲法改正の提案をするとか、あるいは私は個人的にまずしてほしいなと思ったのは、89条を見ると、私立学校には国はお金を出してはいけないと書いてあるわけです。そうすると、多くの憲法学者の先生方は自衛隊については憲法違反とよく言いますが、実は私立大学の先生方も、実は憲法違反で、もしかしたら自分達の給料が出ているのではないか。このことは一切触れていません、これも私はおかしいのだと思います。ですから、そういう意味では、現実的な対応の中で、まず変えられるところから変える。そのためにはどうしたらいいのだろうということで、総理はギリギリのボールを投げられた。おかげさまでこれがあったので、自民党の中でも現在、憲法の議論が本格的になりましたし、おそらく現実味を帯びた内容とすれば、衆参で相当この議論は活発化してくるのだと思います」

憲法9条 『自衛隊明記』の行方
反町キャスター
「櫻井さん、9条の1項、2項を残して自衛隊を明文化する3つ目を足すということで、先ほど言われた、中国の台頭とか北朝鮮の脅威に対応できるのですか?」
櫻井氏
「3項をどう入れるかということ」
反町キャスター
「それによって状況が変わってくる?」
櫻井氏
「いや、それだけによって状況が全部変わるとは私も思いませんけれども。ここにある自衛隊というのは戦力ではないわけでしょう?」
反町キャスター
「違いますね」
櫻井氏
「ね?そうでしょう。でも、3項に自衛隊を入れるとしたら、戦力としての自衛隊という形容詞をどこかに入れるべきだと思いますね。なぜならばこの1項は平和主義ですから、侵略戦争しませんですが、私もこれは改憲派ですけども、この1項は大事にしたいと思っている。これは皆で守っていきましょう、2度と侵略戦争をしないようにしましょう。これはとっても大事なところですから、強調したい。2項は、陸海空軍その他の戦力を保持しない、交戦権も認めないと、これを残すとしたら3項は、前項にもかかわらず、というような接続詞を入れるのか、それとも、ただし、と入れるのか、いろいろな入れ方が…」
反町キャスター
「別項に立てる、ということも可能性として言い張る人もいますよね?」
櫻井氏
「うん、そういうご意見もありますよね。だから、私はこれからいろいろな議論の中で、いろいろな提案がなされていくでしょうし、また、しなければいけないと思っているのですけれども。その中でなんとか1項をきちんと守りつつ、しかし、わが国が国民の命を守らなければいけないという時には第3項の自衛隊の力もちゃんと戦力として活用できますよ、しますよという。これはどの民主主義国も当たり前のことです。一家の父親が、強盗が来ちゃった、家族を、おじいちゃま、おばあちゃま、子供達を、妻も守らなければいけないという時に、日本の家族、現在の憲法によると、反町さんがお父さんだとすると、奥さまに早く隣に行ってね、隣のおじさんを連れてこい、助けてもらうように言ってこい、俺はちょっと隠れているからということですよ。そんな夫は許さないわよね。絶対に許さないです、夫ではなくてお父さんでも…」
反町キャスター
「逃げるが勝ちってダメね?」
櫻井氏
「ダメです。卑怯です。だから、そのような状況をなくすために、日本国としてちゃんとしたことをしないといけない。そのためには戦力として守るためには戦うのだと、こちらから攻めていくことは、侵略戦争することはありませんけれども、守るために戦うのだということだと。それをはっきりさせることだと思いますよ」
反町キャスター
「それを加えるというところであれば、この1項、2項を残したうえでの憲法9条の改正においても日本の国際情勢…。要するに、単なる憲法改正をしたんだよということだけではなくて、日本の安全保障上、国際情勢に対する対応のうえでも、それがキチッとした後押しになるという意味で言っているんですよね?」
櫻井氏
「そうですね。それから、我が国は言うまでもないことですけれども、民主主義の国ですよ。民主主義は皆の意見をちゃんと尊重するシステム、政治システムです。その民主主義の結果、たとえば、フィリピンではドゥテルテさんが大統領になった、たとえば、イギリスではブレグジットになった、フランスではマクロンさんが大統領になった、いろいろな選択肢がありますね。でも、全部、国民が決めるんですよ。だから、日本国だって、これは国民が決めるんです。だから、私自身を振り返ってみても時々判断間違いしますから、間違うこともあるけれども、これは民主主義の必要なプロセスとして、前向きに受け止めるしかないわけですから、1回やってダメなら、2回、3回とやるべきだと思いますし。今回も、この2項をどうしても残さなければ心配だという声が国民の声であるならば、民主主義の原理として、これに従わなければいけないでしょう。だって、独裁政権でダメだよ、こんなのは捨てちゃえなんて言えないわけですから。言った途端に民主主義の政治制度は崩壊しますよね」

『憲法改正』と『政治の責任』
反町キャスター
「年内に改正案とりまとめという、安倍総裁からの指示で下りています。自民党の憲法改正本部でしたか、そのメンバーが大幅に入れ替わって、さまざまな動きが出ている中で、来年には総選挙もあるだろうという中で、2020年までには新憲法をつくりあげたいと。この間には国民投票含めて全部終わらせたいということですけれども。櫻井さん、このスケジュール感をどう見ていますか?早いのか遅いのか、ないしは総理の任期中というのは、安倍さんの任期中というのにはあまりこだわるべきではないのではないかという話もあります」
櫻井氏
「いや、安倍さんの任期中にしないとダメですよ。だって、どなたが次の総理になるかわからないし、次の方が必ず憲法改正をやり遂げるという保証はどこにもないわけですね。安倍さん、いろいろ言われますけれども、憲法改正に関して、安倍さんはかなり一貫しておっしゃっていたと思いますね。だから、安倍さんがご自分の任期の間になさりたいという気持ちを皆で押していこう、盛り上げていかなければいけないと思いますね。結構タイトですよね、キツイですよね。小野寺さん、衆議院・参議院でいろいろ議論して、発議して、通してというのにだいだい150日かかると聞いたのですけれど、そうなのですか?そのくらいかかるのですか?」
小野寺議員
「今回1番、たぶん重い議論になると思います。来年の通常国会にできれば私どもとしては間に合うように議論を進めたいと思っていますし、来年、通常国会で議論をする、そうすると、通常国会の中では150日の会期がありますから、そこの中でたぶんまとめて、衆参3分の2ということになって、初めて発議ができます。発議をしたあと、一定の国民投票までの期間が必要になります。今回は初めての国民投票ですからおそらく最大の、約半年、180日間をとるとすると最短でいっても国民投票にかけられるのは再来年の早い時期ということになります。私はそのぐらいのタイミングで進めることが適当なのだと思います」
反町キャスター
「なるほど。そうすると、今年中に自民党の改正案をまとめて、それを国会における憲法審査会に提出して、そのあと具体的な話としては、公明、維新との間のキチッとした話し合いがそこから始まるわけですよね?」
小野寺議員
「はい」
反町キャスター
「それで、要するに、来年の通常国会、1月始まりの通常国会、6月までの会期の間に、衆議院・参議院における審査会において議論を進めて、その間に発議まで持っていっちゃおうとこういうことなのですか?」
小野寺議員
「結局そこでは一定の結論が出ます。当然、会期中に最終的には衆参で3分の2という決議が出れば、これは発議することができますので、そこで発議すると。発議をしたあとに今後、国民に聞くということになります、国民投票で。それが180日、ギリギリ、たぶん周知期間をとったとすれば、約半年間の周知期間ですから、それを考えると、再来年の早い時期というのが、180日が満たる期間になりますので、そこで国民投票というのが最短ではないかと思います」
反町キャスター
「世論調査をかけると、各社いろいろあるにせよ、9条に限っての改正に賛成か、反対か、ないしは憲法という漠とした言い方における憲法改正に賛成か反対かと言っても、8対2とか、9対1にはなかなかならないですよ。6対4とか、55対45とか。7対3の数字というのは、僕はあまり見たことないですけれども。その意味で言うと、現在、衆議院において自民党が、たとえば、自公合わせて320持っている、維新も合わせて3分の2持っている、この数というのは憲法改正発議を来年の通常国会後、ないしは秋ぐらいまでにやったとして、そのあとおそらく総選挙になりますよね、総選挙においては、その議席は確実に減る可能性がある。議席を減らしてでも、減るリスクをとってでも憲法改正発議を自民党はかける。こういう覚悟が必要になってくると思うのですけれども、そこはいかがですか?」
小野寺議員
「自民党の結党の理念というのは、自主憲法の制定ということになります。今回は私ども完全な形での憲法の提案ではないかもしれないけれども、それでも憲法改正の第1歩を踏み込めるということになりますから、そこは何のために自民党ができているのかということを考えれば、私どもはブレずに、憲法改正についてはしっかり提案をしていきたいと思います」
反町キャスター
「そのあと、仮に国民投票が2019年になるとしても、2019年の参議院選挙、これがだいたい夏ぐらいになるとしても、それより前か同じぐらいのタイミングで国民投票がかかる。そうすると、そこはまさにダブル投票になる可能性もあるわけですね。それもまさに野党からしてみれば、要するに、憲法改正反対勢力からしてみればもともと、たとえば、現在の民進党の支持率は六点何パーセントしかウチの調査ではないです。それがもしかしたら憲法改正に反対するという数だけで言えば3割、4割という固まりがドーンと自分の方に来る可能性があるということを言えば、参議院選挙と国民投票がダブル選挙になってしまう。選挙の話ばかりで大変申し訳ないのですけれども、自民党にしてみたら、得な選択になるのかどうかというのは、僕はわからないのですけれども。そこのところはどうですか?」
小野寺議員
「実は憲法改正の国民投票は、国政選挙と一緒にやるべきではないというのが、これが前から、国民投票法の時の議論で衆参両方、出ているんです。なぜかと言うと、私達の選挙は公職選挙法という選挙法で縛られています。ですから、たとえば、有権者に対してさまざまな接待をしてはいけないとか、選挙キャンペーンでも制限がかかっています。ところが、この憲法改正の国民投票に関しては、その制限があまり厳しくなくて。逆に言えば、テレビコマーシャルがいくらできるとか、いろいろなチラシが配れるとか、言ってみれば、相当の選挙運動ではないですけれども、憲法改正のための国民投票の運動を各党でできちゃうわけです。そこはかなり制限がない形になりますから。それと、もし国政選挙が一緒になると、同じ選挙で、たとえば、憲法改正の問題について、イエスか、ノーか、みたいなところを政策面でやっていくと、これと公職選挙法の縛りがかからない、さまざまな運動が野放図にできてしまう。これはむしろ憲法改正の国民投票とは違う方向に動いてしまうのではないか。憲法改正という大変重要なことに関して、むしろ国政選挙とダブルにすべきではないというのが、国民投票法ができた時の議論だったので。私は、それとダブらない形でやるとすれば、衆議院の解散総選挙が終わる、任期が終わった来年の12月、再来年の、参議院の夏の、7月の選挙、この間のしかるべきところがタイミングではないかな、もし早い場合、そう感じています」
櫻井氏
「小野寺さんがおっしゃったことで、ちょっと新しく学んだことは、憲法改正についての選挙の、投票の縛りがまったく国政の選挙と違うのだというところ。これまで、そこを私は知らなかったのですけれど。だから、これまでむしろ衆議院選挙とか、参議院選挙と一緒にした方が多くの人が投票に来てくれるのでより多くの人の意思が反映されるのではないかと思って、一緒にやった方がいいのだということを考えていたのですが」
反町キャスター
「そういう意見、多かったです」
櫻井氏
「でも、今のお話では、全然違うことになりますから、これは単体でやらないといけないということで。むしろそうしたら、いろいろなディベートができるわけではないですか。賛成論、反対論、いろいろな具体的事例を話して。その方がより多くの人になぜ憲法改正するのか、なぜ反対するのかということがそれぞれの立場から理解してもらえるかもしれない、これはいいことですね」
小野寺議員
「政策がワンイシューになるので、むしろ国民の皆さんがよりわかりやすくなりますので。私は単体でやった方がいいと思いますし、憲法改正の国民投票をする時の議論の中で、与野党とも同じ意見だったんです。ですから、それは大切にした方がいいと思います」

緊迫する半島情勢と国防
秋元キャスター
「ここからは日本の防衛について話を聞いていきます。自民党では3月末に『陸上配備型イージスシステムや迎撃ミサイルを配備など、弾道ミサイル防衛能力の強化を加速』『敵基地の情報の把握・巡航ミサイル保有など、日本独自の敵基地反撃能力の検討』などこうした内容を盛り込んだ提言を自民党は政府に提出をしました。小野寺さん、『弾道ミサイル防衛能力の強化を加速』ということですけれども、毎週のようにミサイルを発射してくる北朝鮮に対する日本の備えは現在十分ではないということですか?」
小野寺議員
「十分の備えをしていますが、ただ、北朝鮮の能力がドンドン上がってきているということはこちらもその能力を上げなければいけないということになります。現在、撃ち方がかなり複雑になって、いつでも、どこでも、撃ってくるかもしれない。あるいは高いところまで上げて、すごいスピードで落下させて撃ってくるかもしれない。撃ち方にもいろんな、ダミーみたいな撃ち方もあるかもしれない。そうすると、飛んで来るすごいスピードのものを撃ち落とすというのは大変な、実は技術とお金がかかります。とすれば、同じミサイルを撃ち落とすとすれば、どれが1番、無力化できるのに易しいかと言うと、撃ち上がってすごいスピードで落ちてくるものは大変です。撃ち上がる前、あるいは撃ち上がってすぐ、これはまだスピードも遅いですし、どこにあるかはっきりしていますから、それを攻撃するのが同じミサイルを撃たせない、無力化するのも1番やり易いし、お金がかからない。その能力を持つのがたぶん普通だと思います。同じミサイルですからどこで止めても、日本を攻撃するミサイルは止めていいのだと思います。問題はこのミサイルを撃ってくる場所が北朝鮮にあるということ。これは戦後一貫して、日本は相手の領土まで攻撃するような装備は持たないと言っているので。これは現在相手が攻撃するような状況、しかも、攻撃をするやり方が変わってきているので、この1番効率的な、日本に攻撃するミサイルを止める、このやり方をそろそろ政府として方針を出して、自衛隊にこの能力を持たせた方がいいのではないかというのが今回の提案です」

『敵基地反撃能力』と自主防衛
反町キャスター
「小野寺さん、この話、前に聞いた時も同じ質問したような気がするのですが、第1撃、北朝鮮と仮に置きます、北朝鮮からの第1撃はまず飛んできたところで、ミサイル防衛で対応します。第2撃がきそうな時に、第2撃の根元になるような敵基地を叩く。この理解でよろしいのですか?」
小野寺議員
「まずこれまでも日本が攻撃される時に、相手が日本を攻撃することに着手をして、確実に日本を攻撃するということがわかれば、これに対して日本は武力攻撃を受けたと判断をして当然、武力行使をすることができると決まっているのですが。弾道ミサイルの場合、難しいのは、これがどのぐらいの軌道を経て飛んでくるかということ、弾道を計算して、日本に落ちるということが初めてわかるわけです。ですから、撃った段階で、これは日本にきたのだと確実にはなかなか判断できない。とすれば、上がって数分のうちに弾道計算ができて、これは日本への攻撃だって判断できますから、そのタイミングで、むしろ2発目を撃たせない、あるいは他の装備については、日本は防衛出動をかけて対応するということは可能になると思います」
反町キャスター
「つまり、その1発目のミサイルが日本に向かって来ることがわかった時点で、敵基地反撃能力は作動するとしても、飛んで来る分についてはこちらでまず叩き落さなくてはいけないと、そういうことになるわけですね?」
小野寺氏
「これまでの日本の、たとえば、武力攻撃を受けたという判断は、日本に攻撃を受けたことをはっきりさせないといけないではないですか。ですから、現在の状況で、北朝鮮が日本を攻撃するぞと言って、たとえば、弾道ミサイル実験をポンと撃った。この段階だけでは、日本は武力攻撃と認定できないです。あくまでもこれが日本に落ちる角度で撃ち上げられたということが推定された段階での反撃ということになりますから。現実問題として、たぶんこういうやり方しかできないのではないかなということで、こういう場面では、私、説明させていただいています」
反町キャスター
「櫻井さん、敵基地反撃能力の検討、どう感じているのですか?」
櫻井氏
「第1撃はどこにいくかわからないから、それを見極めなければいけないと言うのですが、北朝鮮がミサイルを撃った場合、日本に着弾するのは6分から10分、短い場合は6分ぐらいで着くのでしょう?長くかかっても10分かかるのですか?ですから、この間に、相手のミサイルが発射されました、日本にアッ向かっているなと、これがわかるのは何分後なのですか?」
小野寺議員
「これは数分で判断します」
櫻井氏
「数分と言ったら5分?とか…」
小野寺議員
「数分です」
櫻井氏
「数分は、これが、3分か、4分か、5分、だいたいそのくらい。もう6分で着弾するわけですね。すると、国民としては、いや、もう少し何とかできないものなのかなと思いますね。だから、敵基地攻撃と言うとおどろおどろしく見えるのですけれど、北朝鮮から1番近い日本海側の、新潟とか、秋田の人達、一生懸命、避難訓練しましたけれども、ほとんどどうなのだろうという。不安は拭えるようなものではないですよ。私はここを、もっときちんと軍事的にどのようにしたら日本国を守れるのかということについて、本当に国民に多くオープンにして、また、日本が軍国主義で、どこかよその国に攻めていくのではないかという誤解を決して与えないように、そういうことするつもりはないわけですから。どのようなことが現在の日本にはできるんです、どのようなことが現在の日本にはできないです、ということをきちんと提示したうえで、議論をした方がいいと思うんです。そうしたら、私は、国民の多くのは、北朝鮮がこのような無謀なことをするのだったら、きちんと北朝鮮に対して発射の兆候が見えた時にきちんとやるぞというメッセージを出すことによって相手をも抑止するということにつながっていくのではないかと思うんです」
小野寺議員
「ちょっと嫌な例なんですが、アメリカのトランプ政権がシリアにトマホークを59発撃ち込みました。なぜ、ああいうタイミングで、ああいう段階で撃ち込んだかと言うと、見方によっては、反撃されないからです。だから、ある面では撃ち込める。もし同じように北朝鮮が酷いことをしている時に、アメリカが比較的、トマホークだけをパンパン撃ち込めるかと言うと、撃ち込まない。なぜかと言うと、もし撃ち込んだら、たとえば、北朝鮮からソウルにたくさんのロケット砲が飛んで来るかもしれないから撃ち込まない。これ抑止力じゃないですか。ですから、抑止力を考えたら、本来は来たものは防ぐ能力はあるけれども、逆に、それに対して反撃する能力を、両方持って初めて、私は抑止力だし。これをすべてアメリカに頼るということを、これからもずっと続けていくとすればですね、私達、総理大臣が代わるたびに、アメリカの大統領が代わるたびに、常にアメリカに行って、この大統領は日本を守ってくれるのかってじーっと顔色をうかがって、守るよと言われて安心して帰ってくる、これを続ける必要がある。私達、自主自立をするためには何が必要なのか?実は今回のミサイル防衛はその第1歩ではないかと思います」

『米中接近』の実情と影響
反町キャスター
「北朝鮮や中国の脅威という話をずっと聞いてきたのですが、もう1つ考えなくてはいけないのが、トランプリスクと申した方がいいのか、よくわかりませんが。米中の関係がどうなっているかというのが、わかるような、わからないような、こういう状況になっています。ロイター通信のインタビューに対して、トランプ大統領は、北朝鮮問題に関して『中国は精一杯、力を尽くしてくれていると確信している』と。4月29日のツイッターには『尊敬すべき習近平主席の思いに敬意を払っていない。ひどい話だ』と、こういうことを書いているのですけれど。櫻井さん、米中関係というのが現在どうなっていると見たらいいのか。結果、日本は米中関係を踏まえたうえで、中国にどういう姿勢をとったらいいのか。これはどう見ていますか?」
櫻井氏
「アメリカがまだホワイトハウスと、それから、たとえば、国防総省とかが完全に息の合った歩みをしているわけではないということを感じますね。たとえば、トランプ政権になって初めて南シナ海で航行の自由作戦を行いました。あの航行の自由作戦のやり方を見ると、中国が、これは我々の海だ、領海だ、接続水域だと主張する海域で、アメリカの艦船が入っていって、そこで救難救助、海に人が落ちたというような前提で、救助活動の訓練をしたんですよ。これは公海、公の海で行うのには何の問題もないのですけれども、他国の海では、領海などでは、これは許されないことですよね。でも、にもかかわらず、中国がここは俺達の領海だぞと言うようなところで、ちゃんと救難訓練を行った。これは相当なことですよ。なぜならば、オバマ政権の時に、中国の排他的経済水域と彼らが言うところをスーッと通っていっただけで、そこで何か軍事活動しなかったのが、今回は軍事活動をした。しかし、それは人道的な意味合いを帯びた軍事活動で誰も反対できないですね。そういったことをやったのがマティスさんであり、ティラーソンさんであり、大統領補佐官のマクマスターさんだと思うんですね。これを見ると、オバマ政権よりもはるかにキチッとした航行の自由作戦をやっているのだなという印象を受けます。中国に対しての強いメッセージだと。マティスさんがアジア安全保障会議、シンガポールで行われましたシャングリラ会議で、非常にしっかりしたことを中国に対して言いましたね。このような発言を見たり、行動を見たりする時に、アメリカは大丈夫だと思うのですけれども。このトランプさんの発言を聞くと、大丈夫かなと疑いますね。それから、トランプさんの家族ですけれども、お嬢さんの旦那さんのクシュナーさん、36歳の非常に不動産で名を成した人ですけれども、この方の妹さんが北京に行って、EB-5と言うのですか、50万ドルをアメリカに投資したら、グリーンカード、永住ビザがもらえるという、EB-5というのがあるんですよ。このEB-5の仕組みを使って、クシュナービジネスに、クシュナー家のビジネスに投資しませんかということを勧誘しているんですよ。これはすごいことですね、政治的にね。つまり、トランプさんの、内々の身内の方々と中国の関係というのは、尋常ならざるものがあると思われても仕方がない。だから、イヴァンカさんの、イヴァンカブランドというファッションブランドも中国で受け入れられて、中国の市場でプロモーションされているわけですね。これもすごいことですよ、政治的に見ると。このような中国とのお金でつながっている部分というのが、トランプさんのご家族の中にあって、その影響を受けているのかなと思われてもしょうがないようなことが、ここに言われているわけですから。私はトランプさんがどのような方針をこれからお取りになるのか、注目して見ないといけないと思いますが。このマティスさんとか、マクマスターさんとか、ティラーソンさんと、このトランプさんとの間のバランスを見ない限り、まだ正直言ってよくわからないところがありますが。ありますが、それでも米中が接近する可能性というものはあると思って備えておかないといけないと思いますよ」

『文政権』と日韓関係
秋元キャスター
「慰安婦問題に関する日韓合意についての文在寅大統領の発言ですが、『韓国国民の中に受け入れられない感情があり、解決には時間が必要だ。未来志向の日韓関係を築いていくことが大事だ』。櫻井さん、これどう読み解きますか?」
櫻井氏
「これは、文在寅さんはこれまでの発言から判断するに日韓合意を認めないのは彼自身のお考えであると思いますね。彼自身は新しい政権をつくった時に1番先にしたいということの1つが親日派の排除ですよね。彼は繰り返しそれを言っているわけですからね。文在寅さんは北朝鮮に忠誠を尽くしたい大統領ですね。だから、北朝鮮との経済交流、早くも解禁しましたし、観光も行きなさいということで、国際社会の動きとは逆の動きをして、北朝鮮の金正恩政権を助けようとしていますよね。私、実は慰安婦問題とか、いろいろな徴用工の問題をずっと取材していてわかるのですけれど、今年、来月ですか、韓国の映画が封切になるんですよ。これは日本の炭鉱などに朝鮮半島の人達を連れてきて強制労働させて、奴隷労働させ、多くの人を死なせたと韓国の方が言っている。いわゆる徴用工問題ですね。この軍艦島という長崎県・端島の産業遺産に登録されました、この島は、端島は徴用工とはほとんど関係ないにもかかわらず、時期も違いますし、明治の時期ですからね。にもかかわらず、これを結びつけて、日本に謝罪を求めてきた経緯がありますね。この映画が封切られて、実はまだその内容よくわかっていないです、取材してもなかなかわからないのですけれども、かなり激しい反日の内容になると思われますね。この文在寅さんのもとでこういった映画がドンドン宣伝されていって、日韓関係を良くしようという動きよりも反日の動きを強めようという動きの方が、文在寅政権下では主流となってくると思います。だから、日本側も建前と本音という言葉で言えば、建前だけで、良い関係をつくりましょうと言うのではなく、本当に政治家としてこれで日本と韓国いいのでしょうかと。歴史の事実は我々の調査ではここにあります、あなた方はこれ認めたくないのかもしれないけれども、このような情報もちゃんとあるんですと。私達も反省しているけれども、あなた方がこれを一方的に事実を曲げるようなことをして日韓関係を悪くすれば、これは韓国の国民にとってもよくないですよと。お互いにもちろん、日本も反省すべきところはしますけれども、お互いにちゃんとした事実を見つめましょうということを平場できちんと政治家が言わなければいけない時期だと思うんです。ただ単に日韓の首脳会談を早くやりましょうとか、未来志向でいきましょうという、手垢のついたような言葉で言ったとしても、解決はしないと私は思いますよ」
反町キャスター
「その意味で言うと、北朝鮮の脅威に対抗するために、日米韓の連携がとよく言われます。その連携をやろうかと言っている時に、たとえば、朴政権前半で言うと、たとえば、朴さんがいろんなところに行って、日本の歴史的な、彼らの言う犯罪行為をいろんなところで言いつけ外交と言う人もいたけれども。そういう時期があって、なかなかうまくいかない時期が続いて、やっとうまくいったかなと思うと今度、向こうで弾劾があって、こういう状況です。また、あの時代に戻るのですか?」
櫻井氏
「戻ると思いますね。文在寅政権がしたことの1つは、これは恐ろしいことだと私は思って記事にも書いたのですけれども、国家情報院というのがあります。これは日本で言うとどうでしょうか、公安調査庁と警察を一緒にしたような組織ですよ。アメリカで言うとFBI(連邦捜査局)とCIA(中央情報局)を重ねたような組織で、国内、国内外の、反韓国的な、国家分裂とか、工作員の捜査とか、こういったものをウォッチして摘発する組織です。国家情報院と言うのですが。国家情報院の新しい代表になった方が、徐薫さんだったかな、文在寅さんに任命された人がこの国家情報院だけではなく、韓国のあらゆる情報機関の国内情報担当官の活動を原則禁止するということを決めたんです。国内で情報活動をしてはいけません、情報を集めてもいけないし、分析してもいけないし、誰かが変なことやっているぞと言うと、この人を捕まえてもいけないということです。と言うことは、韓国は現在、何十年もの戦後の歴史の中で、北朝鮮による工作員の侵略を受けてきたわけです。北朝鮮の工作員がすごくいろいろな情報工作を韓国で行ってきたわけで、それによって現在の韓国の世論はすごく捻じ曲がったところがあるのですが、この北朝鮮の工作員の行動を全面的に自由にしてあげますよというのに等しいような決断です。このようなことを1番先に国家情報院の新しい院長にさせる政権が文在寅さんです。そうすると、これは朴さんの時代よりもはるかに親北朝鮮、はるかに反日になる可能性があると思っていなければいけないと思います。だから、日本も、アメリカも、できたら韓国と協力して、韓国が主導するより良い朝鮮半島をつくりたいと思っているわけですけれど、肝心の韓国がこのようになってしまったことでどうも大変難しい局面に直面せざると得ないと思いますね」
反町キャスター
「小野寺さん、いかがですか?文在寅政権、どう見ていますか?」
小野寺議員
「国家情報院の徐薫さん、この方は実は金正日に最も多く会った方ということで韓国では有名な方だったんです。ですから、親北と言うより、むしろ北との窓口になっていた、そういう方ですから、かなり…」
反町キャスター
「国家情報院の院長になって、しかも、国内の諜報活動を停止。どう見たらいいのですか、これは?」
小野寺議員
「これは文在寅さんが、逆に言えば、野党で、あるいは弁護士さんで活動家の時、逆に言えば、北に近いということでいろいろ取り調べられていた、そういうたぶん経験も逆にあるでしょう、自分が調べられたという。そういうこともあって今回より民主化をするためにということでそういう情報機関の活動を制限し、そのトップに徐薫さんをこうして任命したということであれば、言ってみれば、かなり北に対して融和策をとっていくということだと思いますし。それから、間もなくきますが、今週木曜日になりますが、6月15日というのは南北の首脳会談が2000年に初めて行われた記念日ということになります。実はこの記念日に合わせて民間交流をドンドンやりましょうということで、むしろ文在寅さんが北にドンドン持ちかけている、こういう状況があります。日本としてとても複雑なのは、たとえば、私ども北朝鮮にしっかり対峙してがんばろうと思っているんですが。北朝鮮が日本をまず攻撃しようと言っているのは、日本にある在日米軍の基地を攻撃すると初めは言っていました。なぜ日本に在日米軍基地があるかと言うと、日本の防衛にも大変重要ですが、いざという時、在韓米軍を支援するためにもいるわけです。ですから、日本が相当実は韓国のために、韓国が北朝鮮から攻撃された時にしっかり対応するために日本も相当の応援をしている。これが実はこれまで韓国の政治家は実は知っていたのですが、現在の韓国の政治家はこれを敢えて知らないフリをしている。なぜか日本に外交的にも歴史的にもいろいろなことを言ってくる。私どもが現在、北朝鮮とこういう問題にあるのは実はその根っこにあるのは韓半島の問題、特に韓国をしっかりこれからも日米韓で守っていくためにあるのだ。そのことを考えれば、もう少し韓国のトップリーダーも日本に対しての対応の仕方をしっかりと考えていただきたいと思います」

ジャーナリスト 櫻井よしこ氏の提言 『大変革の中に日本再生の道』
櫻井氏
「いつも同じようなことを申し上げているのですけれども。大変革の中に日本再生の道。現在本当に状況が内外で大きく変わっていますから、この変化を活用して、日本自身が本当に憲法改正をするとか、自衛隊をきちんと位置づけるとか、教育をきちんとするとか、そういった日本建て直しのきっかけにおおいに活用すべきだと思います」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言 『議論から実行』
小野寺議員
「ほぼ同じ考えだと思うのですが、日本が置かれた安全保障や外交面で非常に厳しい状況にあります。議論はずっとやってきたと思います、憲法についても、日本の防衛についても。もうそろそろ議論から実行に移るそういう時期なのではないかと思っています」